【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達するためになされた本発明の仕切板は、上下一方側を開口とする様に形成された溝部が以下の構成を備えていることを特徴とする。
(1A)前記溝部は、前記開口から溝底までの深さが当該仕切板の高さの1/2よりも大きくなる様に形成されると共に、前記開口と前記溝底との間において溝内に向かって突出する突起部が、前記溝底から当該仕切板の高さの1/2よりも開口側となる高さの位置へと突出する様に前記左右の溝側壁の両方から突出されていること。
(1B)前記溝部は、前記突起部から前記開口までの間に、当該仕切板の板厚とほぼ同一幅の垂直部を備えると共に、前記突起部から前記溝底までの間は、前記垂直部の延長線よりも内側に突出することのない幅と、前記突起部を収納可能な深さと、を有していること。
【0009】
本発明の仕切板を複数枚用意し、互いの溝部を噛み合わせる様に上下反対に90度ずらして井桁状に組み立てるとき、上方から噛み合わされる仕切板(以下、「上側の仕切板」という)の突起部と、下方から噛み合わされる仕切板(以下、「下側の仕切板」という)の突起部とが外側隅同士で当接する。こうして突起部の外側隅同士を当接させた仕切板同士をさらに深く噛み合わせる様に押し込み合う様にすると、それぞれの突起部は、外側隅を若干変形させつつ相手側の溝底方向へと侵入する。このとき、各仕切板は、溝部の深さ及び突起部の位置が(1A)に記載の構成を有すると共に、突起部から溝底までの間の幅及び深さが(1B)に記載の構成を有しているから、突起部は互いに相手の突起部を交わして溝底部分へと収納される。また、突起部から開口までの間に(1B)に記載の直線部を有しているから、それぞれの溝部の垂直部が、相手の仕切板の外面に対するガイドとなり、噛み合い方向を整列させると共に、噛み合った後は仕切板の倒れを防止する。そして、突起部の突出位置が(1A)に記載の構成を有すると共に、突起部から溝底までの間の幅及び高さが(1B)に記載の構成を有しているから、上側の仕切板の突起部は下側の仕切板の突起部の下側に、下側の仕切板の突起部の水平面は上側の仕切板の上側に位置し、互いに相手の抜け出しを阻止し合った状態となる。これにより、組立後の仕切板が不用意に外れることがない。この様に不用意に外れることはないが、仕切板同士は溶着されている分けではないから、意図的に仕切板を抜き取る様に操作すれば、分解することもできる。
【0010】
上記目的を達するためになされた本発明の仕切板は、上下一方側を開口とする様に形成された溝部が以下の構成を備えていることを特徴とする。
(2A)前記溝部は、前記開口から溝底までの深さが当該仕切板の高さの1/2よりも大きくなる様に形成されると共に、前記開口と前記溝底との間において溝内に向かって突出する突起部が備えられていること。
(2B)前記突起部は、溝底側が水平面とされると共に開口側が溝中心から離れるほど高さが大きくなる傾斜を有するテーパ面とされ、前記水平面が、前記溝底から当該仕切板の高さの1/2よりも開口側となる高さの位置へと突出する様に前記左右の溝側壁の両方から突出されていること。
(2C)前記溝部は、前記突起部から前記開口までの間に、当該仕切板の板厚とほぼ同一幅の垂直部を備えていること。
(2D)前記突起部から前記溝底までの間は、前記垂直部の延長線よりも内側に突出することのない幅と、前記突起部を収納可能な深さと、を有していること。
【0011】
本発明の仕切板を複数枚用意し、互いの溝部を噛み合わせる様に上下反対に90度ずらして井桁状に組み立てるとき、上方から噛み合わされる仕切板(以下、「上側の仕切板」という)の突起部の傾斜面と、下方から噛み合わされる仕切板(以下、「下側の仕切板」という)の突起部の傾斜面とが外側の隅同士で当接する。こうして突起部の外側隅同士を当接させた仕切板同士をさらに深く噛み合わせる様に押し込み合う様にすると、それぞれの突起部は外側隅同士は、相手側の傾斜面に沿って若干変形しつつ相手側の溝底方向へと侵入する。このとき、各仕切板は、溝部が(2A)の構成を有すると共に、突起部から溝底までの間が(2D)の構成を有しているから、突起部は互いに相手の突起部を交わして溝底部分へと収納される。また、突起部から開口までの間に(2C)の構成を有しているから、それぞれの溝部の垂直部が、相手の仕切板の外面に対するガイドとなり、噛み合い方向を整列させると共に、噛み合った後は仕切板の倒れを防止する。そして、突起部が(2B)の構成を有しているから、上側の仕切板の突起部の水平面は下側の仕切板の突起部の水平面の上側に、下側の仕切板の突起部の水平面は上側の仕切板の突起部の水平面の上側に位置し、互いに相手の抜け出しを阻止し合った状態となる。これにより、組立後の仕切板が不用意に外れることがない。この様に不用意に外れることはないが、仕切板同士は溶着されている分けではないから、意図的に仕切板を抜き取る様に操作すれば、分解することもできる。特に、水平面同士の係合によって不用意な分解がより確実に阻止される。
【0012】
ここで、本発明の仕切板は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(3)前記溝部は、溝側壁が左右対称となる様に形成されていること。
【0013】
溝側壁が左右対称とされることにより、突起部の変形はほぼ左右対称に生じ、組立られた状態における水平面同士の係り合いも左右対称であるから、組立作業・分解作業をスムーズに実行することができると共に、組み立てた状態における抜け出し防止効果も適切に発揮される。
【0014】
また、これら本発明の仕切板は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(4)前記垂直部の開口側には、外開きとなるテーパ面が形成されていること。
【0015】
溝部の開口側を外開きのテーパ面とすることにより、仕切板同士を若干斜め方向から噛み合わせたり、仕切板同士を若干斜め方向に引き抜いたりすることができ、組立作業・分解作業を、さらに容易にすることができる。
【0016】
上記目的を達するためになされた本発明の緩衝材は、上下一方側を開口とする溝部が形成された複数枚の仕切板同士を、互いに溝部同士を噛み合わせる様に井桁状に組み立てられた緩衝材あって、前記複数枚の仕切板のそれぞれが、以下の構成を備えていることを特徴とする。
(5A)前記仕切板は発泡プラスチックで形成されると共に、前記溝部は左右対称となる溝側壁を有していること。
(5B)前記溝部は、前記開口から溝底までの深さが当該仕切板の高さの1/2よりも大きくなる様に形成されると共に、前記開口と前記溝底との間において溝内に向かって突出する突起部が備えられていること。
(5C)前記突起部は、溝底側が水平面とされると共に開口側が溝中心から離れるほど高さが大きくなる傾斜を有するテーパ面とされ、前記水平面が、前記溝底から当該仕切板の高さの1/2よりも開口側となる高さの位置へと突出する様に前記左右の溝側壁の両方から突出されていること。
(5D)前記溝部は、前記突起部から前記開口までの間に、当該仕切板の板厚とほぼ同一幅の垂直部を備えていること。
(5E)前記突起部から前記溝底までの間は、前記垂直部の延長線よりも内側に突出することのない幅と、前記突起部を収納可能な深さと、を有していること。
(5F)前記垂直部の開口側には、外開きとなるテーパ面が形成されていること。
【0017】
本発明の緩衝材によれば、発泡プラスチックで形成された仕切板は、組立・分解の際に、突起部を変形させ得る反面、組立られている状態においては、突起部は元の形状に復元する。この結果、発泡倍率2倍〜8倍、板厚10mm〜20mmといった市販の低発泡性押出成形シート材を用いて、トムソン抜型によって打ち抜き加工する方法で仕切板を製造することもできる。一方、発泡プラスチックシート材をトムソン抜型で打ち抜き加工するに当たっては、打ち抜いた部分を抜型から自動排出することを考慮すると、板厚3mm以上とすることが望ましい。従って、本発明の緩衝材を物品を下から支える受け台として使用する場合は、発泡倍率2倍〜8倍、板厚3〜20mmの低発泡材(低発泡ポリプロピレン、低発泡ポリスチレン等)を用いると、所望の機能を有する緩衝材用仕切板をトムソン抜型を用いて製造することができる。