特許第5846557号(P5846557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5846557
(24)【登録日】2015年12月4日
(45)【発行日】2016年1月20日
(54)【発明の名称】流体を分配するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 4/00 20060101AFI20151224BHJP
   B01D 53/50 20060101ALI20151224BHJP
   B01D 53/56 20060101ALI20151224BHJP
   B01D 53/68 20060101ALI20151224BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20151224BHJP
   B01D 53/42 20060101ALI20151224BHJP
   B01D 50/00 20060101ALI20151224BHJP
   B05B 1/20 20060101ALI20151224BHJP
   F23J 15/00 20060101ALI20151224BHJP
【FI】
   B01J4/00 101
   B01D53/50 100
   B01D53/56
   B01D53/68 100
   B01D53/68 200
   B01D53/14 100
   B01D53/42
   B01D50/00 501Z
   B01D50/00 502Z
   B05B1/20 102
   F23J15/00 Z
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-533746(P2011-533746)
(86)(22)【出願日】2009年10月30日
(65)【公表番号】特表2012-506770(P2012-506770A)
(43)【公表日】2012年3月22日
(86)【国際出願番号】EP2009064405
(87)【国際公開番号】WO2010049534
(87)【国際公開日】20100506
【審査請求日】2012年10月26日
(31)【優先権主張番号】0857436
(32)【優先日】2008年10月31日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591001248
【氏名又は名称】ソルヴェイ(ソシエテ アノニム)
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】カルタージュ ティエリー
(72)【発明者】
【氏名】ボドソン オリヴィエ ジャック エフ.ジ.ジェ.
(72)【発明者】
【氏名】ティーセン マルク
【審査官】 増田 健司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−517524(JP,A)
【文献】 実開昭61−187231(JP,U)
【文献】 特表2002−501823(JP,A)
【文献】 特開2008−12535(JP,A)
【文献】 特表2003−510175(JP,A)
【文献】 特開昭60−216830(JP,A)
【文献】 特開2002−263441(JP,A)
【文献】 米国特許第1773522(US,A)
【文献】 米国特許第3837789(US,A)
【文献】 米国特許第5048431(US,A)
【文献】 米国特許第3269165(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 4/00
B01D 50/00
B01D 53/14
B01D 53/42
B01D 53/50
B01D 53/56
B01D 53/68
B05B 1/20
F23J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を規制された仕方で分配するための装置であって、前記流体は、固体粒子を含むガスであり、
円筒形又は平行六面体形のパイプ(1)を有し、前記パイプは、少なくとも1つの入口オリフィス(2)と、前記パイプ(1)に沿って点在しかつ前記パイプの側壁に配置された一連の出口オリフィス(3)と、を有し、
前記パイプが、前記パイプの直径よりも小さい直径を有する補足的出口オリフィス(7)として作用する開口した下流端を有することを特徴とし、
少なくとも1つの前記出口オリフィス(3)の下流側に配置されかつ前記少なくとも1つの出口オリフィス(3)の縁部の一部分(5)によって制限された前記パイプの側壁の少なくとも一部分(4)が、前記少なくとも1つの出口オリフィス(3)の縁部の前記一部分(5)が前記パイプ(1)の内側に位置決めされる形状を有することにより、前記装置が使用されているときに、前記少なくとも1つの出口オリフィス(3)を出て前記側壁の前記少なくとも一部分(4)に沿って移動する前記流体の流れ方向が、前記側壁の前記少なくとも一部分の形状によって規制され、
前記少なくとも1つの出口オリフィス(3)の縁部の前記一部分(5)は、前記少なくとも1つの出口オリフィス(3)における、前記装置が使用されているときの前記流体の流れ方向下流側の縁部であることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記パイプ(1)が円筒形状であり、前記パイプの一方の端部が入口オリフィス(2)を備え、前記補足的出口オリフィス(7)を備えるノズル(6)が前記パイプの下流端に設けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
固体粒子を含むガスを空間内に規制された仕方で分配する方法であって、
請求項1又は2に記載の装置を前記空間に配置し、
固体粒子を含むガスを、前記装置の少なくとも1つの入口オリフィス(2)に導入し、
前記装置の少なくとも1つの出口オリフィスによって制限された前記側壁の前記少なくとも一部分(4)の形状を、前記側壁の前記少なくとも一部分に沿って移動する前記固体粒子を含むガスの方向によって所望の分配の獲得が可能となるように、前記空間内における前記装置の位置決めに適合させる、方法。
【請求項4】
前記固体粒子は、100μmよりも大きな平均直径D50を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記固体粒子は、50μmよりも小さな平均直径D50を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記固体粒子が、煙道ガス処理のために意図された組成物を含む、請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の装置を製造するための方法であって、
断面を有する少なくとも1つのスリットを、少なくとも1つの入口オリフィスが設けられたパイプにあけ、
前記スリットの断面は、前記パイプの長さ方向に対して実質的に垂直方向であり、又は、前記パイプの中心における流体の速度ベクトルの反対方向に対して15〜60度の範囲の角度を有し、又は、前記パイプの中心における流体の速度ベクトルの方向に対して15〜60度の範囲の角度を有し、
前記実質的に垂直な方向は、前記スリットの断面の法線が、前記パイプの中心においてかつ前記断面の流体の速度ベクトルの方向に対して15度の最大角度を有することを意味し、
前記スリットの下流側縁部を前記パイプの内側に配置するために前記側壁の少なくとも一部分を変形させるように、圧力を前記スリットの下流側縁部に隣接する前記パイプの側壁の少なくとも一部分に円錐形状又は球形状の物品によって加える、方法。
【請求項8】
煙道ガス処理方法であって、
請求項1又は2に記載の装置を、処理すべき煙道ガスが移動する煙道の内側に配置し、
反応性粒子を含むガスストリームを前記パイプの入口オリフィスに導入して、前記ガスストリームを前記煙道内で均一に分配させ、
前記粒子を、前記煙道ガスと反応させて、前記煙道ガスを処理し、次に、前記処理された煙道ガスを濾過して、前記粒子から前記煙道ガスを分離する、方法。
【請求項9】
固体粒子を含むガスの分配を、前記装置内で測定されたガスの速度が10m/sよりも大きいとき、50mbarよりも小さい容器内の圧力降下と共に行う、請求項8に記載の煙道ガス処理の方法。
【請求項10】
前記反応性粒子が重炭酸ナトリウム又はトロナを含む、請求項8に記載の煙道ガス処理の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オリフィスが設けられたパイプによる空間内の流体分配に関する。さらに詳しくは、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウム、石灰、石灰岩又はトロナ等の粉末の空気圧式分配に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末を所定の空間内に制御して分配しなければならない様々な状況がある。煙道ガス浄化の特定の場合、粉末形態の反応物を、浄化すべき煙道ガス内に均一に導入しなければならないことが多い。一般に、煙道ガスはダクト又は煙道内を循環する。最も簡単な場合には、粉末の導入は、ダクトの壁部に配置された注入器によって実施することが可能である。注入器は、一定の速度で、煙道ガスの流れ方向に対して一般に垂直方向に粉末を導入する。粉末の速度が煙道ガスの速度に対して十分に高い場合、粉末を煙道ガス内に十分に均一に分配することが可能である。しかし、ダクトが大きな寸法を有する場合、典型的に数メートルの直径を有する場合、満足できる分配を行うことが困難である。
【0003】
この問題に対する1つの可能な解決方法は、異なる深さでダクト内側を貫通する複数の注入器を使用することである。しかし、このことは装置のコストを増大させる。
【0004】
このため、パイプに沿って展開する又は点在するオリフィスが設けられた円筒状パイプを使用し、パイプを煙道ガスの中央に、しばしばその流れ方向に対して垂直に配置することが考えられてきた。粉末は、パイプの一方の端部において空気圧式運搬によって導入される。粉末は、次に出口オリフィスを通して分配され、煙道ガス内でのより均一な粉末の分配を可能にする。様々なオリフィスを通して同様の流量を獲得することが難しく、パイプの供給端部に最も近く配置されたオリフィスがより大きな流量を有する傾向があることが観察されている。パイプの第2の端部をシールすることによって、この欠陥は部分的に解決されるが、その場合、淀んだ粉末によってパイプの漸次の閉塞が目撃される。この望ましくない状態は、例えば水分が存在する場合に当てはまるように、粉末が凝塊する傾向を有する場合に、特に顕著である(例えば、ゲルダート(Geldart)試験によってクラスCの粉末として分類された粉末は、凝塊すると言われる)。そのとき、粉末を構成する粒子も凝塊していると認められる。さらに、従来のオリフィスが設けられた円筒状パイプの使用は、最大の粒子、特に約10ミクロンよりも大きい直径を有する粒子がパイプの内側からオリフィスに進むことにはより多くの困難が伴い、このことが粒度分離をもたらし、大きな粒子はパイプ内に留まる傾向があるという不都合を有する。
【0005】
農業に使用される、粉末形態の材料を空気圧式に地面に分配するためのシステムが、米国特許第4826088号に記載されている。システムは円筒状のパイプを備え、その断面は、パイプの内側に位置決めされかつこのパイプの外側に延在する溶接プレートによって、2つの部分に分割される。次に、2つの対応する流れがデフレクタによって別個に方向付けられる。システムは、単一のパイプから始まる3つ以上の流れでの分配を可能にせず、このことは、複数の円筒状パイプ(示された変形例では3つ)の必要性を明らかにする。ダクトのような閉鎖空間に導入することが困難なこのシステムは、特に使用する粉末が凝塊する傾向を有する場合、システムが徐々に塞がれるため、長期の期間にわたる安定した操作を可能にしない。さらに、システムは、特に、粉末を3つ以上の流れに分配することが必要な場合、製造が複雑かつ高価である。そして、流れは、もはや正確に制御されず、平衡されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、流体、特に、凝塊する粒子、すなわち凝塊する傾向を有する粒子が装填された流体を、所定の空間内に簡単に分配することを可能にする装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は、流体を制御して分配するための、特に粒子が装填された(粒子を含む)ガスを分配するための装置であって、少なくとも1つの入口オリフィスと、パイプに沿って展開しかつこのパイプの側壁に切られた一連の出口オリフィスとが設けられたパイプを備える装置に関する。装置は、少なくとも1つの出口オリフィスの下流側に配置されかつこのオリフィスの縁部のセクション(一部分)によって制限された壁部の少なくとも1つのセクションが、このオリフィスの縁部のこのセクションがパイプの内側に位置決めされるような形状を有し、この結果、装置が使用されているときに、このオリフィスを出て、前記壁部セクションに沿って移動する流体の流れ方向が、壁部セクションの形状によって制御されることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、本発明による装置では、パイプは、パイプの直径よりも小さい直径の補足的出口オリフィスとして作用する下流側の開口端を有する。
【0009】
本発明による装置では、「パイプ」という用語は、壁部によって制限された細長い中空体を意味すると理解され、その長さは、他の2つの特性寸法の最小の少なくとも3倍、好ましくは少なくとも10倍に等しい。パイプは、流体が分配されなければならない空間に好適な任意の形状、例えば、平行六面体、円筒、円錐、円環を有してもよい。一般に、パイプは、円筒、円錐、平行六面体のような設定形状を有する。円筒形状が好ましい。「円筒形状」という表現は、閉鎖曲線に沿った直線の平行移動によって生じる形状を意味すると理解される。曲線が円であるときに生じる回転円筒が特に好ましい。
【0010】
本発明の1つの主な特徴によれば、少なくとも1つの出口オリフィスの縁部の少なくとも1つのセクション(一部分)は、パイプの内側に位置決めされる。この位置決めは、この縁部が隣接するオリフィスの下流側の壁部のセクションの形状から結果として得られる。下流側は、パイプ内の流体の流れに対し画定される。パイプの内側の少なくとも1つの出口オリフィスの縁部の位置決めは、流体がパイプ内を循環するとき、流体が、全体の流れを2つの部分に切断する縁部のこのセクションに遭遇することを意味する。1つの部分はパイプに沿って流れ続け、これに対し、流れの第2の部分は、当該の縁部が隣接する壁部セクションによってパイプの外側に案内される。本発明による装置では、オリフィスの縁部のパイプの内側の位置決めが、壁部の対応するセクションの形状の結果であることが重要である。この壁部セクションは、パイプの壁部の残部と一体的に製造される。したがって、パイプは、別個の部分から構成されない。様々なオリフィスに対応する形状は、同一でもよい。しかし、完全に制御又は規制された流体の分配のために、又は他の理由のために、形状が僅かに異なることが必要であると判明するかもしれない。特に、縁部がパイプの内側に位置決めされる深さ、したがって、縁部によって切断されかつ外側に案内される流れのセクションの最大厚さを変更することが可能である。出口オリフィスの数に関係するこの深さは、一般に、パイプの直径の1%、好ましくは3%、より好ましく5%よりも大きい。深さは、直径の60%、好ましくは40%、より好ましくは30%を超えないことが推奨される。パイプが円断面を有しない場合、「直径」という用語は、パイプの断面と同一の表面積を有する円の等価直径を意味すると理解される。
【0011】
本発明者は、本発明の本質的な特徴によれば、オリフィスの縁部の位置決めが壁部の対応するセクションの形状の結果であるという当該の特徴により、流体分配の制御を可能にする流体の最適な案内が可能になることを観察した。装置のこの特徴は、追加の部分又は連結具をパイプに締結する必要なしに、単一の部分としてのパイプの製造を可能にする。このようにして、完全に滑らかな表面仕上げ及びオリフィスの周りのパイプの規則的な湾曲が得られる。壁部の粗さRa(ISO4287標準に記載)は1μm未満であることが推奨される。特に、流体がガス、一般に空気であり、凝塊粒子が装填されている場合、本発明のこの本質的な特徴により、装置内の粒子の凝塊の防止、したがって、装置の使用中のその閉塞の防止が可能である。
【0012】
本発明による装置により、補足的出口オリフィスとして作用する下流側の開口端を有するパイプを使用することが可能である。パイプが、例えば、円筒形状である場合、パイプの下流側端部は開口したままでもよい。次に、この補足的出口オリフィスの直径は、パイプの直径に一致する。しかし、この出口オリフィスの直径を制御すること、及びパイプの直径に完全には一致しないことが推奨される。このことにより、パイプの内側の圧力を制御し、結果として、出口オリフィスを通して得られる分配の均一性を高めることが可能である。特に、補足的出口オリフィスの正確な直径を獲得するように意図されたノズル、例えば切頭円錐形ノズルをこの下流側端部に設けることが可能である。したがって、推奨した単一の部分としてのパイプの構造では、装置がパイプの端部に締結された入口及び/又は出口ノズルを備えることを排除しないことに留意されたい。しかし、変形例として、変形を介してパイプの端部の直径を低減することが好ましいが、この理由は、直径の低減により、ノズルをパイプに締結することによって引き起こされる表面欠陥を回避することが可能であるからである。直径の低減は、補足的出口オリフィスが、パイプの直径の0.9倍未満、好ましくは0.75倍未満、より好ましくは0.6倍未満の直径を有すると有利である。パイプの断面が円形でない場合、直径は等価直径である。
【0013】
パイプに位置決めされるオリフィスの縁部は、当然、パイプと同一の厚さを有する。一般に、例えば研削によって縁部を磨くことが好ましい。1mm未満の厚さが推奨される。
【0014】
装置が製造される材料は、重大ではない。
【0015】
しかし、パイプは、オリフィスの縁部の位置決めを最適に制御するために、金属及びプラスチックのような容易に変形可能な材料から製造されることが推奨される。低温変形可能な材料が好ましい。様々な鋼、特にステンレス鋼が完全にあてはまる。
【0016】
パイプ全体は、1つの部片、すなわち単一の部分から構成されることが推奨される。このことは、様々な部分を組み立てる、例えば溶接するか又は接合することによって、パイプ全体が製造されないことを意味すると理解される。パイプが構成される材料は、単一の部分である。顕微鏡的なレベルでは、材料の組成物内の不連続性に直面することなしに、パイプの全体にわたって移動することが可能である。この実施形態では、流体の付着の危険は特に最小にされ、このことは、凝塊粒子が流体に装填される(含まれる)場合に特に有利である。
【0017】
流体は、パイプの入口オリフィスの位置に応じて、様々な方法で装置内を循環することが可能である。パイプは、例えば、その中心に配置された入口オリフィスを備えてもよく、このことは、流体がパイプの2つの端部に向かって、反対方向に循環する効果を有する。
【0018】
本発明による装置の推奨する変形例では、パイプは円筒形状であり、パイプの一方の端部は入口オリフィスを備え、パイプの他方の端部は出口オリフィスを備える。この変形例では、2つのオリフィスは、円筒の断面の形状を有する。しかし、円筒の端部は、必要な場合、オリフィスの形状又は断面を改変するために、かかる端部に加えられるノズル、例えば円錐形ノズルを有することができるであろう。パイプの下流側端部は開口しているので、凝塊粒子が流体に装填される(含まれる)場合、凝塊は生じないであろう。
【0019】
本発明による装置は、多くの種類の流体を例えば均一に空間内に制御して分配することを可能にする。この分配は、装置内の特に低い圧力降下によって実施される。空気圧式の粉末輸送の場合、特に(装置で測定された)空気速度が10m/sよりも大きく、好ましくは20〜40m/sの間にある場合、50mbar未満、好ましくは10mbar未満の圧力低下が推奨される。この低い圧力降下により、流体が分配される空間内の圧力が大気圧未満である場合に当てはまり得るように、装置が吸引モードで容易に作動することが可能になる。
【0020】
本発明による装置は、多数の出口オリフィスを備えることが可能である。具体的に、本発明者は、出口オリフィスの縁部のセクションのパイプの内側の位置決めにより、流体動力学効果を介して、これらのオリフィスの下流側のストリーム(流れ)のパイプ内の混合が行われたことを観察した。装置は、少なくとも3つ、好ましくは少なくとも5つ、より好ましくは少なくとも10の出口オリフィスを備えることが有利である。しかし、この数は100、好ましくは50を超えないことが好ましい。異なる出口オリフィスは、パイプの少なくとも1つの(等価)直径の距離だけ分離されることが好ましい。装置が円筒状パイプを備える場合、出口オリフィスは、円筒の母線に対し横方向に展開されてもよい。一般に、出口オリフィスは、このような母線に対し整列されることが好ましい。
【0021】
本発明による装置では、出口オリフィスを出る流体は、壁部の対応するセクションに沿って移動する。流体に粒子が装填された(含まれる)場合、この状態により、出口オリフィスに隣接するパイプの壁部への粒子の付着を回避することが可能である。この自己洗浄効果により、パイプの洗浄のために停止を必要とすることなく装置の長時間動作が可能である。
【0022】
本発明者はまた、出口オリフィスが、十分に定義された値内に含まれるアスペクト比を有することが重要であることを観察した。「アスペクト比」という表現は、オリフィスの幅と高さとの比率を意味すると理解される。低いアスペクト比により、オリフィスの所定の表面積に関し、パイプ内の流れの中により深く浸透することが可能であり、分配されるべき流体の流れは最も安定しかつ最大である。これにより、分配の均一性を高めることが可能である。5よりも低い、有利には4よりも低い、好ましくは3よりも低いアスペクト比が推奨される。1よりも大きな、有利には1.4〜8、好ましくは1.5〜3のアスペクト比が特に推奨される。
【0023】
流体が分配される空間は、一般に、ガス、しばしば空気で満たされるが、空間は液体で満たすことができるであろう。分配される流体は、ガス又は液体でもよい。さらに、固体粒子又は液体粒子を流体に装填してもよい。本発明は、固体粒子又は液体粒子が装填されたガス、特に固体粒子が装填されたガスに特に適している。ガスは、空気であることが好ましい。
【0024】
したがって、本発明は、流体を空間内に制御して分配する方法であって、本発明による装置が前記空間に配置され、流体、好ましくは粒子が装填されたガスが、装置の少なくとも1つの入口オリフィスに導入され、装置の少なくとも1つの出口オリフィスによって制限された壁部セクションの形状が、壁部セクションに沿って移動する流体の方向によって所望の分配の獲得が可能となるように、空間内の装置の位置決めに適応される、方法に関する。
【0025】
この方法では、装置を離れる流体の方向は、流体が移動する壁部セクションの形状によって制御される。凹状に大きく湾曲している形状(パイプの外側から観察して)により、パイプの内側の流体の流れの方向に対し大きな角度、すなわち流れの大きな偏差を形成する方向の流れが促進される。さらに、様々な出口オリフィスの下流の壁部セクションの形状も、これらの同一のオリフィスを通した出口流量分配を簡単に行うことを可能にする。例えば、オリフィスの縁部をパイプの内側により深く位置決めするより湾曲した形状により、このオリフィスを通した流量を増大させる。この流量分配は、必要に応じて、可能な限り均一であり得るか、あるいは反対に、特定の出口オリフィスを通した流量に有利であり得る。
【0026】
本発明による分配方法の第1の有利な実施形態では、流体は、空間内に分布することが望ましいガスである。このガスは、NH3であることが有利である。この実施形態は、窒素酸化物を含有する煙道ガスを浄化するために有利である。
【0027】
本発明による分配方法の第2の有利な実施形態では、流体は、固体粒子を含むガス、好ましくは空気である。
【0028】
この第2の実施形態の第1の変形例では、固体粒子は、100μmよりも大きい、好ましくは250μmよりも大きい、特に好ましくは500μmよりも大きい平均直径D50を有する。直径は、レーザ回折によって、例えばSYMPATEC(登録商標)装置で測定することが好ましい。任意の形状を有する粒子の「平均直径」という表現は、粒子と同一の外側表面積を有する平均の球直径を意味すると理解される。直径D50は、粒子の50%が前記直径よりも小さなサイズを有するような直径である。この変形例では、大きな直径の粒子は十分に分配されるが、一方、公知の装置では、これらの粒子は、出口オリフィスに方向転換されず、装置内に留まる傾向を有する。
【0029】
第2の実施形態の第2の変形例では、固体粒子は、100μm未満、有利には50μm未満、好ましくは10μm未満、より詳しくは1μm未満の平均直径D50を有する。実際に、微細粒子は、凝塊物を形成する傾向がより大きい。したがって、このような粉末は、本発明の前に公知の方法により、装置内の凝塊物の漸次の出現を回避しつつ制御して分配することが難しい。本発明による方法は、これらの粉末に特に好適である。この変形例では、粉末の分配の前に可能な限り短い時間の間粉末を粉砕することが好ましい。このため、分配装置に直接接続されたその場のミルが使用される。ガスストリーム、この場合、空気がミルの出口で直接発生される。これらの固体粒子は、特に有利に、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、石灰、石灰岩又はトロナを含有する。「トロナ」という用語は、不純物を含むWyoming,USAの鉱床で採掘されたようなセスキ炭酸ナトリウムの天然鉱石又はセスキ炭酸ナトリウムそれ自体を意味すると理解される。
【0030】
他の2つ変形例と組み合わせることが可能な第3の変形例では、固体粒子は、大きな幅(時にスパンとも呼ばれる)を有する直径分布を有する。幅は、(D90−D10)/D50と定義される。2よりも大きい、有利に5よりも大きい、より詳しくは10よりも大きい幅が推奨される。この変形例では、流体は、非常に微細な粒子及び非常に粗い粒子の両方、すなわち装置が特に有利である2つのドメインを含む。
【0031】
本発明による分配方法の第3の推奨される実施形態では、流体は、液体粒子が装填された液体又はガスである。液体は、アンモニア水であることが有利である。この場合、この実施形態はまた、窒素酸化物を含有する煙道ガスの処理に好適である。
【0032】
これらの3つの実施形態及びそれらの変形例では、粒子が煙道ガスの処理のために意図された組成物を含むことが有利である。組成物は、反応性であり得るか、又は煙道ガスの特定の有害な成分を単に吸収し得る。
【0033】
本発明はまた、分配装置の製造に関する。装置のパイプは、例えば、前記パイプの内側に位置決めされた縁部に隣接するパイプの壁部の所望の形状を構成する部品を組み立てる(接着、溶接)ことによって、例えば多くの方法で製造することが可能である。
【0034】
しかし、非常に有利な一製造方法によれば、少なくとも1つの入口オリフィスが設けられたパイプに少なくとも1つのスリットが穿孔され、また壁部のセクションを変形させて下流側縁部をパイプの内側に配置するために、スリットの下流側縁部に隣接するパイプ壁部のセクションに圧力が加えられる。この方法の一変形例では、スリットは、パイプの長さ方向に対して実質的に垂直方向に孔あけされる。「実質的に垂直方向」という表現は、スリットの断面に対する法線が、パイプの中心においてかつ断面の流体の速度ベクトルの方向に対して、15°の最大角度を有することを意味すると理解される。スリットの下流側縁部は、装置の使用時に流体の流れ方向に対し画定される。この方法の他の変形例では、スリットの断面に対する法線は、パイプの中心においてかつ断面の流体の速度ベクトルの反対方向に対して、15〜60°、好ましくは30〜50°の範囲角度を有する。この第2の変形例では、より上流側に位置する関連オリフィスの縁部のセクションを有することが可能であり、これによって、特定の状況で、壁部の対応するセクションの形状のより優れた制御が可能である。なお他の変形例では、角度は、15〜60°、好ましくは30〜50°の範囲にあるが、速度ベクトルの方向に対して(反対側でない)である。スリットの2つの縁部の長さの合計は、有利に、そのようにパイプ内に作製することが望ましいオリフィスの周囲の長さにほぼ等しくあるべきである。このことは、パイプが金属材料から作製される場合、また製造方法が加熱なしに実施される場合、特に推奨される。製造方法の好ましい一実施形態では、金属材料から作製されかつ回転形状の円筒を有するパイプが使用される。変形されるべき壁部セクションに十分な圧力が加えられると、このセクションは座屈を受け、オリフィスの下流側縁部をパイプの内側に配置するように1つのステップで位置決めされる。
【0035】
本発明による製造方法では、壁部の変形が少なくとも部分的に物品の外部形状をとるように、凸形状の物品によって圧力が加えられることが推奨される。物品の形状、とりわけその寸法は、所望の変形に応じて決定されるべきである。円錐形又は球形の形状を使用することが推奨される。球形の形状は、パイプの(等価)直径からこの直径の10分の1の範囲までの直径を有することが好ましい。工程の間のパイプの壁部の変形を支持できる、凸状物品の形状に対応した凹状の形状を有する凹状マトリックスを、パイプの内側に配置することが有利である。
【0036】
本発明による装置と方法は、処理すべき煙道ガス内の反応物の粉末を分配するために特に好適である。
【0037】
したがって、本発明はまた、煙道ガス処理方法であって、本発明による装置が、処理すべき煙道ガスが移動するダクトの内側に配置され、煙道ガスを処理するために意図された組成物を含有する粒子が装填されたガスストリームが、ストリームをダクト内で均一に分配するようにパイプの入口オリフィスに導入され、粒子が煙道ガスを処理するために煙道ガスと反応し、次に、粒子から煙道ガスを分離するために、浄化された煙道ガスに濾過が施される方法に関する。この場合、粒子の反応は、化学的又は物理的(吸収)意味で理解される。この煙道ガス処理方法では、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウム、石灰、石灰岩又はトロナを含有する組成物を使用することが好ましい。トロナ又は重炭酸ナトリウムが好ましい。同様に、煙道ガスは、塩酸又はフッ化水素酸又は硫黄酸化物のような除去されるべき酸化合物を含むことが有利である。
【0038】
大きな寸法を有するダクトの場合、また複数の注入器を使用する従来技術の技術と比較した場合、本発明は、装置を簡略化して、そのコストを低減することを可能にする。例えば、6×5の注入マトリックス(5つの注入深さのダクトに沿って6つの注入位置)の場合、以前には30の注入管が必要であった。この注入スキームは、今や、各々が5つのオリフィスを有する例えば6つの装置によって実現することができる。本発明による装置と方法で、複数(例えば3つ)のオリフィスがパイプのセクションの周りに異なる方向に作製される場合、装置の数は、例えば2つに、さらに少なくすることもできる。建設コストの低減に加えて、装置数の低減は、異なるパイプ内の流量の制御を簡略化すると同時に、保守及びファウリングの検出を簡略化することを可能にする。
【0039】
本発明の特徴及び詳細は、添付図の次の説明から明らかになるであろう。同一の参照番号が付与された構成要素は同様の構成要素である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明による装置の特定の一実施形態の図面である。装置は、入口オリフィス2及び3、3’、3’’で示した3つの出口オリフィスが設けられた円筒状パイプ1を備える。これらの出口オリフィスは、壁部の対応するセクション4、4’、4’’の形状に従うパイプの内側に配置されたそれらの縁部のセクション5によって境界付けられる。装置は、出口オリフィス7が設けられたノズル6を備える。
図2図1の装置の断面図である。壁部の変形したセクション4及びオリフィスの縁部のセクション5が装置に示されている。図2は、出口オリフィスの幅L1及び高さL2を示している。アスペクト比はL1/L2である。
図3図3a、図3bは、パイプの下流側端部の出口オリフィスの図面である。このオリフィスは、別個のノズルを必要とすることなくパイプとの一体部片として作製される。
図4図4a、図4bは、パイプの下流側端部の出口オリフィスの図面である。このオリフィスは、別個のノズルを必要とすることなくパイプとの一体部片として作製される。
図5】球形形状を有する凸状物品を使用して本発明による方法によって製造された装置の図面であり、セクション(4)は、結果として対応する球形形状を有する。
図6】2つの異なる組の3つのオリフィスを有する装置の図面である。
図7】各々のオリフィスから出る総流量の割合を示している。
【発明を実施するための形態】
【0041】
次の実施例は、本発明を例示するために使用される。
【0042】
〔実施例1〕
図1に示した装置を次の方法で製造した。2600mmの長さ、80mmの外径及び2mmの厚さを有する鋼製シリンダー1を採用した。入口オリフィスを備えるシリンダーの端部の一方からそれぞれ450、1300及び2200mmにおいて、12mmの深さを有する3つのスリットを、シリンダーの軸線に対し直角の面に切った。シリンダーの他方の端部に、40mmの直径の出口オリフィス7を有する切頭円錐形ノズルを設けた。次に、スリットに隣接しかつスリットの下流側の壁部セクション(出口オリフィス7の側面)を、70mmの直径及び80mmの高さを有する鋼製コーンを用いて前記セクションに対し圧力を加えることによって変形させた。これにより、変形された壁部セクション4、4’と4’’が得られた。L1とL2の寸法は、それぞれ60と30mmであり、2の形状係数が得られた。
【0043】
次に、この装置を次の方法で試験した。パイプ1の入口において、コンパクトな回転羽根式風速計によって測定した空気の速度が連続して20〜30m/sに等しいような条件で、圧縮空気を入口オリフィス2に導入した。次に、出口オリフィス4、4’、4’’と7を出る空気の速度を測定した。結果が表1に示されている。それらの結果は、獲得された空気流量分配の均一性を示している。
【0044】
【0045】
〔実施例2〕
図5に示した装置を同様の方法で製造した。2500mmの長さ、168mmの外径及び2.8mmの厚さを有する鋼製シリンダーを採用した。入口オリフィスを備えるシリンダーの端部の一方からそれぞれ450、1200及び1950mmにおいて、24mmの深さを有する3つのスリットを、シリンダーの軸線に対し直角の面に切断した。シリンダーの他方の端部に、200mmの長さ及び75mmの直径の出口オリフィス7とを有する切頭円錐形ノズルを設けた。次に、スリットに隣接しかつスリットの下流側の壁部セクション(出口オリフィス7の側面)を、130mmの直径を有する鋼製球体の四分の一を用いて前記セクションに対し圧力を加えることによって変形させた。これにより、変形された壁部セクション4、4’と4’’が得られた。L1とL2の寸法は、それぞれ115と59mmであり、1.9の形状係数が得られた。
【0046】
〔実施例3〕
実施例3では、図6に示した装置を次の方法でさらに製造した。2695mmの長さ、88.9mmの外径及び2.1mmの厚さを有する鋼製シリンダーを採用した。入口オリフィスを備えるシリンダーの端部の一方からそれぞれ774、1622及び2470mmにおいて、12mmの深さを有する第1の一連の3つのスリットを、シリンダーの軸線に対し直角の面に切断した。僅かにより小さな深さを有する第2の一連の3つのスリットを、それぞれ350、1198と2046mmにおいて同様に切断した。シリンダーの他方の端部に、200mmの長さ及び40mmの直径の出口オリフィスとを有する切頭円錐形ノズル6を設けた。次に、スリットに隣接しかつスリットの下流側の壁部セクション(出口オリフィスの側面)を、70mmの直径を有する鋼製球体の四分の一を用いて前記セクションに対し圧力を加えることによって変形させた。これにより、変形された壁部セクション4、4’と4’’等が得られた。L1とL2の値は、第1の一連のスリットそれぞれについて61と30mmであり、約2の形状係数が得られた。第2の一連のスリットでは、L1とL2の値は53と21であり、2.5の形状係数が得られた。
【0047】
次に、パイプの入口における速度が連続して20、30と40m/sに等しいこと以外、この装置を実施例1と同一の方法で試験した。次に、出口オリフィスを出る空気の速度を測定した。その結果が表2に示されている。
【0048】
【0049】
各々のオリフィスから出る総流量の割合が、図7に示されている。
【0050】
実施例1〜3は、本発明による装置で達成可能な異なるオリフィスからの流量の正確な制御を示している。
【0051】
〔実施例4〕
石炭発電所の炉のSO2成分を軽減するために、石炭発電所の炉からの煙道ガスダクト内の重炭酸ナトリウムの注入について、実施例1の装置を試験した。重炭酸ナトリウムとSO2汚染物質との反応後に、粒子分離を電気フィルタによって実行した。煙道ガスは次の特性を有した。
・ 平均流量250000の乾燥Nm3/h(0℃、1気圧で正規化されたm3)と、5容量%の湿度及び6%の酸素含有量を有する。
・ 煙道ガス平均温度180℃
・ SO2含有量:800mg/Nm3
・ ダスト含有量:16g/Nm3
【0052】
SO2の68%の除去が観察された。比較として、同一の量で、同一の煙道ガス及び条件で、しかし末端に1つのみのオリフィスを有する同一の長さと直径の従来の管で重炭酸ナトリウムを注入したとき、除去されたSO2の割合は63%のみに過ぎなかった。
【0053】
〔実施例5〕
石炭発電所の他の炉からの煙道ガスダクト内の重炭酸ナトリウムの注入について、実施例2の装置を試験した。煙道ガスの特性及びSO2緩和の結果が、表4に示されている。
【0054】
【0055】
RSR(実際の化学量論比(Real Stoichiometric Ratio))は、次式によって定義される。
RSR=(合計質量DSI/除去されたSO2の合計質量)/ISR
この場合、
・ 合計質量DSIは、注入された乾燥吸収剤の合計質量である。
・ 除去されたSO2の合計質量は、乾燥吸収剤注入(Dry Sorbent Injection)(DSI)によって除去されたSO2の合計質量である。
・ ISRは、理想的な化学量論比(Ideal Stoichiometric Ratio)である(SO2が重炭酸ナトリウムで除去される場合、ISR=2.625トン/トンのSO2)。
【0056】
この実施例では、本発明による装置を使用することによって、SO2除去を高めることが可能であり、同時に、注入される重炭酸ナトリウムの煙道ガス内のより優れた分配の均一性のため、当該重炭酸ナトリウムの量が3の係数だけ低減されることが示されている。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
図7