(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記調整位置合わせ体は、被穿孔材に穿設される孔のうち第1の孔と被穿孔材の綴じ代側の最も近い他端部との間に適宜な間隔をあけて第1の孔を穿孔できるように、刃列ののびる方向における最も近い第1の刃と位置合わせ面との間の距離を設定するために第1の孔と他端部との間の長さに対応して、軸部と位置合わせ面との間の距離を設定された、請求項2又は請求3に記載のパンチ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に開示されているゲージ付きパンチでは、大きさの異なった用紙などの被穿孔材に孔をあける際に、ゲージをスライドさせる必要があるので、被穿孔材の位置決めに手間がかかり困難である。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、大きさの異なった被穿孔材に孔をあける際に、被穿孔材の位置決めを容易に行うことができるパンチを提供することである。
【0006】
この発明の請求項1の発明にかかるパンチは、被穿孔材の一端部の近傍において前記被穿孔材の前記一端部に沿って複数の孔をあけるためのパンチであって、前記被穿孔材の前記一端部に当接することによって前記被穿孔材の前記一端部に直交する一方向における位置を決めるための位置合わせ部、及び前記被穿孔材の前記一端部に直交する前記被穿孔材の他端部に当接することによって前記被穿孔材の前記他端部に直交する他方向における位置を決めるための調整位置合わせ部を含み
、前記調整位置合わせ部は、前記位置合わせ部及び前記調整位置合わせ部によって位置が決められる前記被穿孔材の主面に直交する方向と平行する方向にのびる軸部を中心に回動可能に設けられた調整位置合わせ部材を含み、前記調整位置合わせ部材は、前記軸部の周囲において、前記軸部から前記軸部に直交する方向における各距離が互いに異なった複数の位置合わせ
面を有し、
前記調製位置合わせ部は、前記調整位置合わせ部材の前記複数の位置あわせ面の各位置あわせ面が前記被穿孔材の前記他端部に当接するようにして前記調整位置合わせ部材を仮固定するためのストッパを有し、前記ストッパは、ストッパ支持部から突き出し設けられた板状の弾力支持部と、弾力支持部の先端において調整位置合わせ部材側に向けて突き出し設けられた突起部とを備え、 調整位置合わせ部材は、回転したとき、位置合わせ面の内側に形成された間欠停止凹部に、前記ストッパの弾力支持部の突起部が係合して停止するように構成され、前記被穿孔材の位置を決める際に、前記調整位置合わせ部材を前記軸部を中心に回動することによって前記複数の位置合わせ
面が前記被穿孔材の前記他端部に当接される、パンチである。
この発明の請求項2にかかるパンチは、被穿孔材の一端部の近傍において前記被穿孔材の前記一端部に沿って複数の孔をあけるためのパンチであって、ベース体は、被穿孔材位置決め手段を備え、被穿孔材位置決め手段は、前記被穿孔材の前記一端部に当接することによって前記被穿孔材の前記一端部に直交する一方向における位置を決めるための位置合わせ部、及び前記被穿孔材の前記一端部に直交する前記被穿孔材の他端部に当接することによって前記被穿孔材の前記他端部に直交する他方向における位置を決めるための調整位置合わせ部を含み、前記ベース体は、前記位置合わせ部及び前記調整位置合わせ部によって位置が決められる前記被穿孔材の主面に直交する方向と平行する方向にのびる軸部を備え、調整位置合わせ部は、軸部を中心に回動可能に設けられた調整位置合わせ体を含み、前記調整位置合わせ体は、前記軸部の周囲において、前記軸部から前記軸部に直交する方向における各距離が互いに異なった複数の位置合わせ
面を有し、
前記調製位置合わせ部は、前記調整位置合わせ体の前記複数の位置あわせ面の各位置あわせ面が前記被穿孔材の前記他端部に当接するようにして前記調整位置合わせ体を仮固定するためのストッパを有し、
前記ストッパは、ストッパ支持部から突き出し設けられた板状の弾力支持部と、弾力支持部の先端において調整位置合わせ体側に向けて突き出し設けられた突起部とを備え、調整位置合わせ体は、回転したとき、位置合わせ面の内側に形成された間欠停止凹部に、前記ストッパの弾力支持部の突起部が係合して停止するように構成され、前記被穿孔材の位置を決める際に、前記調整位置合わせ部材を前記軸部を中心に回動することによって前記複数の位置合わせ
面が前記被穿孔材の前記他端部に当接される、パンチである。
この発明の請求項3にかかるパンチにおいては、前記複数の位置合わせ面は、それぞれ、前記軸部に平行する方向に見て直線形状に形成さ
れた、請求項1又は請求項2に記載のパンチである。
この発明の請求項4にかかるパンチにおいては、前記調整位置合わせ体は、被穿孔材に穿設される孔のうち第1の孔と被穿孔材の綴じ代側の最も近い他端部との間に適宜な間隔をあけて第1の孔を穿孔できるように、刃列ののびる方向における最も近い第1の刃と位置合わせ面との間の距離を設定するために第1の孔と他端部との間の長さに対応して、軸部と位置合わせ面との間の距離を設定された、請求項2又は請求3に記載のパンチである。
この発明の請求項5にかかるパンチにおいては、
調整位置合わせ体は、位置合わせ面が3以上の柱状体である、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のパンチである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、大きさの異なった被穿孔材に孔をあける際に、被穿孔材の位置決めを容易に行うことができるパンチが得られる。
請求項1の発明によれば、被穿孔材の一端部の近傍において前記被穿孔材の前記一端部に沿って複数の孔をあけるためのパンチであって、前記被穿孔材の前記一端部に当接することによって前記被穿孔材の前記一端部に直交する一方向における位置を決めるための位置合わせ部、及び前記被穿孔材の前記一端部に直交する前記被穿孔材の他端部に当接することによって前記被穿孔材の前記他端部に直交する他方向における位置を決めるための調整位置合わせ部を含み
、前記調整位置合わせ部は、前記位置合わせ部及び前記調整位置合わせ部によって位置が決められる前記被穿孔材の主面に直交する方向と平行する方向にのびる軸部を中心に回動可能に設けられた調整位置合わせ部材を含み、前記調整位置合わせ部材は、前記軸部の周囲において、前記軸部から前記軸部に直交する方向における各距離が互いに異なった複数の位置合わせ
面を有し、
前記調製位置合わせ部は、前記調整位置合わせ部材の前記複数の位置あわせ面の各位置あわせ面が前記被穿孔材の前記他端部に当接するようにして前記調整位置合わせ部材を仮固定するためのストッパを有し、前記ストッパは、ストッパ支持部から突き出し設けられた板状の弾力支持部と、弾力支持部の先端において調整位置合わせ部材側に向けて突き出し設けられた突起部とを備え、調整位置合わせ部材は、回転したとき、位置合わせ面の内側に形成された間欠停止凹部に、前記ストッパの弾力支持部の突起部が係合して停止するように構成され、前記被穿孔材の位置を決める際に、前記調整位置合わせ部材を前記軸部を中心に回動することによって前記複数の位置合わせ
面が前記被穿孔材の前記他端部に当接されるので、大きさの異なった被穿孔材に孔をあける際に、被穿孔材の位置決めを容易に行うことができる。
請求項2の発明によれば、被穿孔材の一端部の近傍において前記被穿孔材の前記一端部に沿って複数の孔をあけるためのパンチであって、ベース体は、被穿孔材位置決め手段を備え、被穿孔材位置決め手段は、前記被穿孔材の前記一端部に当接することによって前記被穿孔材の前記一端部に直交する一方向における位置を決めるための位置合わせ部、及び 前記被穿孔材の前記一端部に直交する前記被穿孔材の他端部に当接することによって前記被穿孔材の前記他端部に直交する他方向における位置を決めるための調整位置合わせ部を含み、前記ベース体は、前記位置合わせ部及び前記調整位置合わせ部によって位置が決められる前記被穿孔材の主面に直交する方向と平行する方向にのびる軸部を備え、調整位置合わせ部は、軸部を中心に回動可能に設けられた調整位置合わせ体を含み、前記調整位置合わせ体は、前記軸部の周囲において、前記軸部から前記軸部に直交する方向における各距離が互いに異なった複数の位置合わせ
面を有し、
前記調製位置合わせ部は、前記調整位置合わせ体の前記複数の位置あわせ面の各位置あわせ面が前記被穿孔材の前記他端部に当接するようにして前記調整位置合わせ体を仮固定するためのストッパを有し、
前記ストッパは、ストッパ支持部から突き出し設けられた板状の弾力支持部と、弾力支持部の先端において調整位置合わせ体側に向けて突き出し設けられた突起部とを備え、調整位置合わせ体は、回転したとき、位置合わせ面の内側に形成された間欠停止凹部に、前記ストッパの弾力支持部の突起部が係合して停止するように構成され、前記被穿孔材の位置を決める際に、前記調整位置合わせ部材を前記軸部を中心に回動することによって前記複数の位置合わせ
面が前記被穿孔材の前記他端部に当接されるので、大きさの異なった被穿孔材に孔をあける際に、被穿孔材の位置決めを容易に行うことができる。
請求項3の発明によれば、前記複数の位置合わせ面は、それぞれ、前記軸部に平行する方向に見て直線形状に形成さ
れているので、調整位置合わせ体を容易に操作して、所定の位置合わせ面を選択できる。
請求項4の発明によれば、前記調整位置合わせ体は、被穿孔材に穿設される孔のうち第1の孔と被穿孔材の綴じ代側の最も近い他端部との間に適宜な間隔をあけて第1の孔を穿孔できるように、刃列ののびる方向における最も近い第1の刃と位置合わせ面との間の距離を設定するために第1の孔と他端部との間の長さに対応して、軸部と位置合わせ面との間の距離を設定されているので、調整位置合わせ体を容易に操作して、所定の位置合わせ面を選択できる。
請求項5の発明によれば、
調整位置合わせ体は、位置合わせ面が3以上の柱状体であるので、調整位置合わせ体を容易に操作して、所定の位置合わせ面を選択できる。
【0008】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明の一実施の形態であるパンチ10は、平面視長方形状用紙等の被穿孔材Pを穿孔する穿孔器具であって、ベース体12と、プレッシャ体14と、ベース体12に設けられた被穿孔材Pの位置決めをするための被穿孔材位置決め手段16と、穿孔時にベース体12を安定させるための安定手段18とを備える。
被穿孔材Pは、金属、又はA4,A5等のAサイズ用紙、B4,B5等のBサイズ用紙等、穿孔される綴じ代側の長手端縁と、該長手端縁と直交する短手端縁とを備える。
【0011】
ベース体12は、ABS樹脂,ポリアセタール等の合成樹脂で一体成形されており、被穿孔材Pを構成する用紙の長手端縁より長い幅と、被穿孔材Pを構成する用紙の短手端縁より短い奥行きとを備える平面視横長長方形状板状体の基部20を有している。
基部20は、穿孔穴22を形成された第1領域20Aを備え、前記第1領域20Aの上方にプレッシャ体14を形成されている。
【0012】
基部20の第1領域20Aは、長手方向に一列に並んだ10個の平面視方形又は円形の穿孔穴22を形成されている。
穿孔穴22は、紙に穿孔される綴じ孔Hに対応した形状であって、並んで穿設される綴じ孔Hの間隔に対応した適宜な間隔をおいて、形成されている。
穿孔穴22は、後述するプレッシャ体14の穿孔刃72の刃先の外形よりわずかに大きい平面視方形又は円形の穴である。
【0013】
ベース体12は、基部20の第1領域20Aの手前側に形成され、被穿孔材Pを載置する平面を備える載置板部30と、基部20を構成する手前側の薄板状の前壁板部32と、操作レバー50側の薄板状の第1側壁板部34と、前記第1側壁板部34とは反対側の薄板状の第2側壁板部36とを備える。
ベース体12の前壁板部32と操作レバー50側の第1側壁板部34とは直交し、突き合わせ部分は円弧状の角部を形成しており、安定手段18を取り付けるための安定部材取付領域を構成する。
【0014】
プレッシャ体14は、
図3及び
図4に示されるように、前方下部に用紙等の被穿孔材Pの差し込み空間を形成するようにコ字状に切り欠いたスリット60を備えているとともに上部が略円弧状に湾曲した形状に形成されている。
このプレッシャ体14は、合成樹脂による一体成形品が用いられており、その内側面には、貫通孔62が形成され、当該貫通孔62に操作レバー50の回転中心軸となる回転軸52が貫挿されている。
回転軸52は、相対するベース体12の幅方向にのびるように、ベース体12に連設された右側の軸支持部40及び左側の軸支持部42の間に掛け渡されている。この回転軸52は、プレッシャ体14の外面側に突き出されて操作レバー50が取り付けられている。
【0015】
前記プレッシャ体14は、金属又はABS樹脂,ポリアセタール等の合成樹脂で一体成形されており、ベース体12より小さく平面視横長長方形状板状体のプレッシャ体本体70を有している。
プレッシャ体本体70は、自由端寄りにおいて、ベース体12との対向面に被穿孔材Pたる紙に穿孔するための穿孔刃72を突設されている。
穿孔刃72は、角筒状又は円筒状で、その先端に尖鋭な刃を形成されている。
この実施の形態においては、穿孔刃72は、SUS等の金属からなり、プレッシャ体本体70のベース体12との対向面において底面視方形の固定穴に嵌合して固定されている。
穿孔刃72は、紙に穿孔される綴じ孔Hに対応した形状であって、並んで穿設される綴じ孔Hの間隔に対応した適宜な間隔(一定のピッチ)をおいて、形成されている。
穿孔刃72は、ベース体12の穿孔穴22の孔の形状よりわずかに小さい底面視方形又は円形の刃先を備える。
プレッシャ体本体70は、刃連続部材54を介して回転軸52に連結されている。
【0016】
前記操作レバー50は、一端側が回転軸52に固定された長手方向を有する棒状のアーム56と、当該アーム56の他端側すなわち自由端側に設けられた把手部58とにより構成されている。操作レバー50は、
図3及び
図4に示されるように、非操作時若しくは穿孔完了時において、前記回転軸52の軸線に直交する垂直線に対して後方にわずかに傾いた初期位置を開放限とする一方、穿孔時には、回転軸52に直交する水平線に対して下方にわずかに傾いた位置を倒伏位置として回転可能となっている。操作レバー50の回転角度は、特に限定されるものではない。
【0017】
この発明にかかる被穿孔材位置決め手段16について、主として
図5ないし
図9に基づいて説明する。
被穿孔材位置決め手段16は、前記被穿孔材Pの前記一端部に当接することによって前記被穿孔材Pの前記一端部(長手端縁)に直交する一方向における位置を決めるための位置合わせ部、及び前記被穿孔材Pの前記一端部に直交する前記被穿孔材Pの他端部(短手端縁)に当接することによって前記被穿孔材Pの前記他端部に直交する他方向における位置を決めるための調整位置合わせ部を含む。
【0018】
前記調整位置合わせ部は、前記位置合わせ部及び前記調整位置合わせ部によって位置が決められる前記被穿孔材Pの主面に直交する方向と平行する方向にのびる軸部112を中心に回動可能に設けられた調整位置合わせ部材たる調整位置合わせ体110により構成される。
前記調整位置合わせ体110は、前記軸部112の周囲において、前記軸部112から前記軸部112に直交する方向における各距離が互いに異なった複数の位置合わせ面を有し、前記被穿孔材Pの位置を決める際に、前記調整位置合わせ部材を前記軸部112を中心に回動することによって前記複数の位置合わせ面のいずれかが前記被穿孔材Pの前記他端部に当接される。
【0019】
前記複数の位置合わせ面は、それぞれ、前記軸部112に平行する垂直方向に見下ろしたとき直線形状に形成されている。
【0020】
前記複数の位置合わせ面は、それぞれ、前記軸部112に平行する方向に見て直線上にある複数の頂点を有する形状に形成されてもよい。
【0021】
ベース体12は、被穿孔材位置決め手段16を備え、被穿孔材位置決め手段16は、前記被穿孔材Pの前記一端部に当接することによって前記被穿孔材Pの前記一端部に直交する一方向における位置を決めるための位置合わせ部を構成する位置合わせ凸部100、及び前記被穿孔材Pの前記一端部に直交する前記被穿孔材Pの他端部に当接することによって前記被穿孔材Pの前記他端部に直交する他方向における位置を決めるための調整位置合わせ部を構成する調整位置合わせ体110を含む。
【0022】
位置合わせ凸部100は、向こう側から手前側に向く、被穿孔材Pの当接平面を備える。
【0023】
位置合わせ凸部100は、操作レバー50の回転軸52ののびる方向、すなわちプレッシャ体本体70の複数の穿孔刃72の並列方向と平行な被穿孔材Pの当接平面を備える。
そして、位置合わせ凸部100は、操作レバー50の回転軸52ののびる方向と重なる直線L1すなわち複数の穿孔刃72の並列方向に重なる直線L2より向こう側であって、並列された穿孔穴22の並列方向に重なる直線L2の向こう側に位置する。
【0024】
前記調整位置合わせ部を構成する調整位置合わせ体110は、前記位置合わせ部及び前記調整位置合わせ部によって位置が決められる前記被穿孔材Pの主面に直交する方向と平行する方向にのびる軸部112を備え、調整位置合わせ部を構成する調整位置合わせ体110は、軸部112を中心に回動可能にベース体12の基部20の上面であって載置板部30の近傍の上面に設けられている。
【0025】
前記複数の位置合わせ面(第1の位置合わせ面120,第2の位置合わせ面122及び第3の位置合わせ面124)は、それぞれ、前記軸部112に平行する方向に見て直線形状に形成されている。
調整位置合わせ体110は、位置合わせ凸部100の被穿孔材Pの当接平面と直交する平面状の位置合わせ面を備える。
調整位置合わせ体110は、平面視三角形の直柱体状の板状体であって、3つの位置合わせ面を備える。
調整位置合わせ体110の第1の位置合わせ面120は、A4サイズの用紙の被穿孔材Pの位置合わせ面を構成し、第2の位置合わせ面122は、A5サイズの用紙の被穿孔材Pの位置合わせ面を構成し、第3の位置合わせ面124は、B5サイズの用紙の被穿孔材Pの位置合わせ面を構成している。
【0026】
調整位置合わせ体110の回転の中心となる軸部112は、ベース体12の平面状の載置板部30の平面と直交する方向で垂直方向にのびる円柱状である。
調整位置合わせ体110が回転する回転面は、ベース体12の載置板部30の平面と平行であって、第1の位置合わせ面120,第2の位置合わせ面122及び第3の位置合わせ面124は、ベース体12の載置板部30の平面と直交する平面である。
而して、被穿孔材Pを積層した状態で調整位置合わせ体110の第1の位置合わせ面120,第2の位置合わせ面122及び第3の位置合わせ面124に沿わせて位置合わせができる。
第1の位置合わせ面120,第2の位置合わせ面122及び第3の位置合わせ面124は、操作レバー50の回転軸52ののびる方向と重なる直線L1すなわち複数の穿孔刃72の並列される方向及び並列された穿孔穴22の並列方向に重なる直線L2と直交する平面であって、位置合わせ凸部100の被穿孔材Pの当接平面と協働して方形の被穿孔材Pを位置合わせできる。
【0027】
ベース体12の載置板部30の表面に形成された位置合わせ線L3は、A4タイプの用紙の被穿孔材P用の第1の位置合わせ線L3aと、A5(セミB5)タイプの用紙の被穿孔材P用の第2の位置合わせ線L3bと、B5タイプの用紙の被穿孔材P用の第3の位置合わせ線L3cとを備える。
位置合わせ線L3は、並列された穿孔穴22のうち最も調整位置合わせ体110に近い第1穿孔穴22aとの距離を被穿孔材Pの大きさすなわちB5サイズ,A4サイズ,A5サイズに合わせて、第3の位置合わせ線L3c,第1の位置合わせ線L3a及び第2の位置合わせ線L3bと変更している。
A5(セミB5サイズの用紙)の被穿孔材Pの第2の位置合わせ線L3bは、第1穿孔穴22aに最も近く、B5サイズの用紙の被穿孔材Pの第3の位置合わせ線L3cは、第1穿孔穴22aに最も遠く、A4サイズの用紙の被穿孔材Pの第1の位置合わせ線L3aは、中間に位置している。
【0028】
調整位置合わせ体110は、軸部112が一定の位置に設けられているので、軸部112と第1の位置合わせ面120との距離、軸部112と第2の位置合わせ面122との距離、軸部112と第3の位置合わせ面124との距離を変更している。
すなわち、軸部112と第2の位置合わせ面122との距離を最も長い長さとし、軸部112と第3の位置合わせ面124との距離を最も短い長さとし、軸部112と第1の位置合わせ面120との距離を中間の長さとしている。
【0029】
前記調製位置合わせ部は、前記調整位置合わせ体110の前記複数の位置あわせ面の各位置あわせ面が、前記被穿孔材Pの前記他端部に当接するようにして前記調整位置合わせ体110を仮固定するためのストッパ150を有する。
【0030】
ストッパ150は、前記調整位置合わせ体110の前記複数の位置あわせ面の各位置あわせ面が前記被穿孔材Pの前記他端部に当接するようにして前記調整位置合わせ体110を仮固定するように、調整位置合わせ体110の間欠停止凹部(第1間欠停止凹部130,第2間欠停止凹部132及び第3間欠停止凹部134)に係合する弾性を有する突起部152を備える。
【0031】
ストッパ150は、ベース体12の載置板部30及び第2側壁板部36に固定されたストッパ部材160の一部に形成されている。
ストッパ部材160は、平面視長方形状のストッパ本体部162と、ストッパ本体部162の内側において上方に向けて突き出し設けられたストッパ支持部164と、ストッパ本体部162の外側において上方に向けて突き出し設けられたストッパ係合部166とを備える。
ストッパ150は、ストッパ支持部164から突き出し設けられた細い板状の弾力支持部154と、弾力支持部154の先端において調整位置合わせ体110側に向けて突き出し設けられた突起部152とを備える。
【0032】
ストッパ支持部164は、ベース体12の載置板部30に穿設されたストッパ体嵌合固定部170の内側に係合されている。
ストッパ係合部166は、ベース体12の載置板部30に穿設されたストッパ体嵌合固定部170の内側であって、ベース体12の第2側壁板部36の内側において、ベース体12に係合されている。
【0033】
而して、調整位置合わせ体110は、回転したとき、第1の位置合わせ面120の内側に形成された第1間欠停止凹部130と、又は第2の位置合わせ面122の内側に形成された第2間欠停止凹部132と、又は第3の位置合わせ面124の内側に形成された第3間欠停止凹部134と、ストッパ150の弾力支持部154とが、回転する度に係合して、停止する。
【0034】
前記複数の位置合わせ面は、それぞれ、前記軸部112に平行する方向に見て直線上にある複数の頂点を有する形状に形成されてもよい。
【0035】
図8図示第1の位置合わせ面120は、第2の位置合わせ面122及び第3の位置合わせ面124の突き合わせ点の近傍において、面を部分的に形成され、第2の位置合わせ面122は、第1の位置合わせ面120及び第3の位置合わせ面124の突き合わせ点の近傍において、面を部分的に形成され、第3の位置合わせ面124は、第1の位置合わせ面120及び第2の位置合わせ面122の突き合わせ点の近傍において、面を部分的に形成されている。
【0036】
図9図示調整位置合わせ体110は、位置合わせ面が3以上、例えば5個の位置合わせ面を形成され、平面視五角形の柱状体としている。
【0037】
この発明にかかる安定手段18について、主として
図10ないし
図12に基づいて説明する。
パンチ10は、被穿孔材Pの一部を載置するための面を有するベース体12と、前記被穿孔材Pを穿孔するための穿孔刃72と、前記ベース体12に対して相対回転可能であって前記穿孔刃72を被穿孔材Pに向けて動作させる、操作レバー50とを備え、前記パンチ10は、前記操作レバー50の操作時に、前記ベース体12の底面が浮き上がるのを防止するための安定手段18を備える。
前記支持体200は、前記ベース体12を平面視して、前記穿孔刃72の並列する方向と直交又は交差する方向であって、前記操作レバー50をベース体12側に向けて変位させるときに前記操作レバー50の回転軸52よりのびる方向に、前記ベース体12から延び出ており、前記支持体200は、前記第1の形態にあるときに、その一部が前記ベース体12の底面と同一平面上にある平面を有する。
【0038】
前記安定手段18を構成する支持体200は、前記パンチ10を平面視して、前記操作レバー50をベース体12側に向けて当接させるときに前記操作レバー50の回転軸52よりのびる方向に、前記ベース体12から延び出ている第1の形態、及び、前記支持体200が、前記ベース体12及び操作レバー50を平面視して、前記ベース体12より外に延び出ていない第2の形態のいずれかの形態をとることが可能なように、ベース体12に連設され、前記支持体200は、前記第1の形態にあるときに、その一部が前記ベース体12の底面と同一平面上にある平面を有している。
【0039】
前記支持体200は、少なくとも一部が、前記ベース体12の底面と、前記操作レバー50が前記ベース体12に対して相対回転する平面とが交差する直線に対して、近傍かつ平行である直線上にある。
【0040】
前記支持体200は、前記ベース体12から取り外し可能であって、前記安定手段18は、前記ベース体12に前記支持体200を取り付けることにより、前記ベース体12から延び出ている第1の形態をとり、前記ベース体12より外に延び出ていないベース体12から前記支持体200を取り外すことにより、前記第2の形態をとる。
【0041】
操作レバー50は、ユーザーのレバー操作の負荷を軽減する観点から、操作レバー50の長手方向に、ある一定の長さが必要である。
また、支持体200の長さは、操作レバー50の操作時にベース体12の一方端縁を支点としてベース体12の底面が浮き上がるのを防止する役割を果たすために必要な長さである。
例えば、支持体200の長さは、前記役割を果たすために、操作レバー50の長手方向の長さと、操作レバー50の回転軸52から最も離れた支持体200の端部と当該回転軸52までの長さとが同程度であることが望ましい。
【0042】
操作レバー50は、ユーザーが取り外し可能又は伸縮可能であることが好ましい。操作レバー50が取り外し可能又は伸縮可能であることにより、パンチ10を使用しないときのパンチ10の上下方向のコンパクト化を図れる。
【0043】
操作レバー50の形状は、本実施形態に限定されず、例えば、穿孔刃72が突設されて並んだ直線L1に直交するパンチ10の中央線に対して左右対称となるように、コの字形などでもよい。
【0044】
また、支持体200は、操作レバー50がこのようにパンチ10の中央線に対して左右対称なコの字形などである場合には、支持体200の形状も、穿孔刃72が突設されて並んだ直線L1に直交するパンチ10の中央線に対して左右対称となるように、コの字形、台形、長方形状でもよい。操作レバー50がパンチ10の前記中央線に対して左右対称なコの字形などである場合には、支持体200も前記中央線に対して左右対称であるほうが望ましい。
【0045】
また、支持体200は、複数であってもよい。例えば、2つの支持体200は、穿孔刃72が突設されて並んだ直線L1に直交するパンチ10の中央線に対して左右対称の位置をとるように、ベース体12に連設される。
支持体200が複数である場合、前記複数の支持体200のうちの少なくとも1つの支持体200の一部が、前記ベース体12の底面と、前記操作レバー50が前記ベース体12に対して相対回転する平面とが交差する直線に対して、近傍且つ平行又は斜行した直線上にある。
【0046】
安定手段18は、パンチ10が載置された面に接地するための接地部210と、ベース体12の安定部材取付領域の形状に対応した取付部212とを備える。
取付部212は、安定部材取付領域の前壁板部32及び第1側壁板部34の外側の形状に対応した係合部214と、ベース体12に連結するための連結部材250を嵌め込むための連結部材連結部216とを有する。
【0047】
係合部214は、ベース体12の基部20の底面側に形成された、安定手段取付部24に係合される支持体係合凸部218を備える。
安定手段取付部24は、支持体係合凸部218を係合するに適する平面視円形の係合穴により構成され、支持体係合凸部218は、安定手段取付部24の係合穴の壁に係合するに適する平面視円形の凸起部により構成されている。
【0048】
連結部材250は、ベース体12の安定部材取付領域に係止される第1係止部252と、支持体200の連結部材連結部216に係止される第2係止部254と、前記第1係止部252と第2係止部254との間に介在する介在部256とを備える。
第1係止部252と第2係止部254とは、ベース体12の手前側から向こう側に向けてのびる、平面視長方形の板状体で、平行になるように介在部256の一方端と他方端とに連設されて、側面視エ字形に形成されている。
【0049】
ベース体12の安定部材取付領域には、連結部材250を嵌め込むための安定部材連結部26を備えている。
安定部材連結部26は、連結部材250の第2係止部254及び介在部256を嵌挿するに適する貫通孔62により構成されており、連結部材250の第2係止部254及び介在部256を嵌合して、係止される。
【0050】
ベース体12は、前壁板部32及び第1側壁板部34に安定手段18を嵌装するための空間28を備えており、安定手段18の側面は、ベース体12の第1側壁板部34の側面と略々連続した平面を形成するか、又は安定手段18は、前壁板部32及び第1側壁板部34を安定手段18に嵌装するための空間28を備えており、安定手段18の側面は、ベース体12の第1側壁板部34の側面と略々連続した平面を形成する。
【0051】
この発明は、前記実施の形態に限らず、この発明の思想に基づき、種々変更することが可能である。
【0052】
前記支持体200は、前記パンチ10が前記第2の形態をとるために、前記ベース体12に対して変移可能とするために、前述した構成とは異なる構成を備えてもよい。
図13ないし
図15に示すように、前記ベース体12の内側方向にスライドさせることにより、前記ベース体12の内部に収納可能としてもよい。
【0053】
支持体200は、長手方向を有する棒状体であって、第1側壁板部34に沿って進退自在に形成されている。
支持体200は、第1側壁板部34に沿って形成された直線状摺動ガイド体220に沿って、ベース体12の手前側から向こう側に向けて退くことができ、ベース体12の内側に収納されている。
【0054】
前記ベース体12の底面に垂直な軸であって、前記パンチ10が前記第1の形態にあるときに、前記パンチ10を平面視して前記支持体200と前記ベース体12とが重なった領域にある前記軸を中心として、回転することにより、前記ベース体12の内部に収納可能としてもよい。
【0055】
図16及び
図17に示すように、支持体200は、長手方向を有する棒状体であって、長手方向における一端(向こう側)の近傍において、軸支されている。
支持体200を軸支する支持軸部230は、操作レバー50の回転軸52の近傍においてベース体12に取り付けられている。
支持体200は、該支持軸部230より手前側に向けてのびて、手前側を第1側壁板部34側からベース体12の内側に向けて回動させて、ベース体12の内側に収納される。
【0056】
前記操作レバー50は、ベース体12に載置された被穿孔材Pの短手方向にのびる長手方向を備え、前記操作レバー50の長手方向に伸縮可能としてもよい。
操作レバー50は、
図18及び
図19に示すように、回転軸側のアーム部材356と、自由端側の把手部部材358とからなり、アーム部材356の摺動レール体356aと把手部部材358の摺動レール体358aとを摺動自在に連結して、伸縮できるように構成されている。
【0057】
調整位置合わせ体110及びストッパ150は、
図18ないし
図20において示すように、変更してもよい。
調整位置合わせ体110は、軸部112の下端に巻装された弾発部材180によって、弾発して取り付けられている。
調整位置合わせ体110は、弾発部材180によりストッパ部材160から抜け止めされており、ストッパ部材160の上面に押し付けられた状態で軸部112を中心に回転する。
ストッパ部材160は、ストッパ本体部162の上側において上方に向けて突き出し設けられた半球状凸部によって突起部152を形成されている。
【0058】
ストッパ本体部162は、ベース体12の載置板部30に穿設されたストッパ体嵌合固定部170の内側であって、ベース体12の第2側壁板部36の内側において、ベース体12に係合されている。
【0059】
而して、調整位置合わせ体110は、わずかに引き上げながら回転したとき、第1の位置合わせ面120の内側に形成された第1間欠停止凹部130と、又は第2の位置合わせ面122の内側に形成された第2間欠停止凹部132と、又は第3の位置合わせ面124の内側に形成された第3間欠停止凹部134と、ストッパ150の弾力支持部154とが、回転する度に係合して、停止する。
【0060】
この発明にかかるパンチ10の使用方法について、説明する。
被穿孔材Pである用紙を準備し、その用紙のサイズ(A4,A5,B5のサイズ)に対応して、調整位置合わせ体110を回転させて、第1の位置合わせ面120,第2の位置合わせ面122及び第3の位置合わせ面124を位置合わせ線(第1の位置合わせ線L3a,第2の位置合わせ線L3b及び第3の位置合わせ線L3c)に沿わせる。
そして、被穿孔材Pをスリット60に挿入して、綴じ代側の長手端縁を位置合わせ凸部100の手前側の面に沿わせ、且つ、短手端縁を調整位置合わせ体110の第1の位置合わせ面120,第2の位置合わせ面122又は第3の位置合わせ面124に沿わせる。
そして、操作レバー50を回動させれば、穿孔刃72により、
図23に示すように、被穿孔材Pに綴じ孔Hを穿孔できる。