【課題を解決するための手段】
【0010】
概要
本開示は、複数のコンポーネントから組立てられる医療用製品及びデバイスの効率的で対費用効果の高い製造を可能にするパッケージングシステムを含む。一つのこのようなマルチコンポーネント医療用デバイスは、薬用モジュールを含み得る。薬用モジュールは、第一の薬剤を収容する注射デバイスのような薬物送達デバイスと共に使用するように設計され得る。薬用モジュールは第二の薬剤を収容することができ、一次薬物送達システムに取り付けられたとき、使用者が単一の薬物送達システム内の複数薬剤化合物の複合的な組み合わせ物を一つの作動ステップで送達するのを可能にし得る。パッケージングシステムは、特定医療用製品、例えば薬用モジュールの販売用の仕上げ品に組立てる予定の少なくとも一つのサブアセンブリを収容するレセプタクルの滅菌トレイグリッドとして、製造及び/又は組立てプロセスに入るように構成され得る。組立プロセス中、最終的には完成マルチコンポーネント医療用製品、例えば薬用モジュールが組立てられるまで、更なるコンポーネントを少なくとも一つのサブアセンブリに追加できる。組立プロセス中、薬物又は他の物質は、少なくとも一つのサブアセンブリに又は医療用製品を含む他のコンポーネントに追加できる。製造/組立プロセスから出ると、所定数のレセプタクルを含む密封された滅菌パッケージがあり、これらの各々は、介護者又は患者への分配、及び介護者又は患者による使用の準備ができた、完成したすぐに使用できる(ready-to-use)マルチコンポーネント医療用製品を保持する。
【0011】
本開示は、処分が必要なものは装入トレイの外保護スリーブ及びトレイそれ自体のカバーシールだけであるから、製造プロセスからの廃棄物を最少化できる。トレイは、全製造プロセスを通して運搬されてもよい。仕上げ薬用モジュールを収容するトレイの部分が、最終使用者への分配用に最終的に商業的に包装されてもよい。特に、レセプタクルの滅菌トレイグリッドが最終使用者グリッドに分けるように構成してもよい。さらに、滅菌トレイグリッドは、商業パッケージング中に入れられるように構成されてもよい。従って、全体の製造プロセスが、より効率的に、より複雑でなく設計され得る。トレイのパッケージングシステムは、高速/高処理量(high-throughput)製造に耐えるように構成でき、そのような材料で製作でき、またトレイシステムのグリッドの各レセプタクルがモジュールサブアセンブリを収容するので、ほんの一例では、モジュールの複数のサブアセンブリの効率的な充填を可能にする。トレイシステム中の各サブアセンブリは、各レセプタクル内に位置する心立て部材(centering member)の使用を通して自動充填用に正確に位置決めされ得る。単一トレイシステムは、既存の製造原理を使用して自動システムを通して対費用効果の高い工業スケールの製造を可能にし得る。それ故、本開示のトレイシステムは、マルチコンポーネント医療用製品の製造中に使用するため、並びに最終使用者及び/又は商業パッケージングのためでもあり得る。本トレイシステムは、例えばユニット又はサブアセンブリを組立・充填のような製造ステップにわたって精密な位置に保持するように構成される特徴を含むことができ、個々のユニットの仕上げパッケージングに適していることを可能にする特徴を更に含んでいてもよい。
【0012】
一つの側面は、パッケージングシステムに関する。本パッケージングシステムは、マルチコンポーネント医療用製品の、例えば薬用モジュールの製造中使用するためであり得る。さらに、パッケージングシステムは、完成マルチコンポーネント医療用製品を保持するのに適したものであり得る。パッケージングシステムは、滅菌トレイグリッドを含むことができる。トレイグリッドは、正方形であってもよい。トレイグリッドは、少なくとも二つのレセプタクルを含み得る。好ましくは、トレイグリッドは複数のレセプタクルを含む。レセプタクルは連結され、好ましくは取り外し可能に連結される。各レセプタクルは上部シール面を有し得る。各レセプタクルは内部チャンバを有し得る。内部チャンバは、心立て部材を有し得る。心立て部材はマルチコンポーネント医療用製品の一つのサブアセンブリを支持するように構成され得る。心立て部材はマルチコンポーネント医療用製品の二つ又はそれより多いサブアセンブリを支持するように構成され得る。二つ又はそれより多いサブアセンブリは、それぞれのマルチコンポーネント医療用製品、例えば薬用モジュールを形成し得る。
【0013】
各レセプタクルは、隣接レセプタクルに取り外し可能に連結され得る。特に、各レセプタクルは、ストライク線(strike line)を通して隣接レセプタクルに連結され得、好ましくは取り外し可能に、連結され得る。ストライク線は、パーフォレーションであってもよい。
【0014】
グリッドは、好ましくはストライク線を通して、互いに取り外し可能に連結されたレセプタクルのアレイを含む。このストライク線は、使用者が逆に曲げるか又はアレイから一つ又はそれより多いレセプタクルを切り取る(tear-off)ことにより、一度に一つ又はそれより多いレセプタクルを、断ち切る(break-off)、折る(snap-off)又はその他の方法で切断することを可能にする。いくつかの場合では、ストライク線は、一つ又はそれより多いレセプタクルの輪郭を描く実パーフォレーション(actual perforation)であり得る。また、各レセプタクルは、好ましくは使用者が内部チャンバを覆うシール構造の取り外しを可能にし得る折り曲げエッジを有する。シールの取り外しは、仕上げ薬用モジュールへのアクセス及びその取り出しを可能にし得る。また、トレイは、充填済み薬用ニードルの仕上げパッケージングとして使用するように設計できる。
【0015】
実施態様によれば、滅菌トレイグリッドは、2〜400個のレセプタクルを含む。滅菌トレイグリッドは、7〜210個のレセプタクルを含んでいてもよい。好ましくは、滅菌トレイグリッドは、7〜28個のレセプタクルを含む。
【0016】
好ましくは、初期グリッドの寸法(すなわち、連結したレセプタクルの数)の選択は、薬用モジュールを充填し、組立て、及び密封するのに使用される製造設備の検討から決定される。グリッドの寸法は、2×1ユニット〜10×40ユニット、又は2〜400個のレセプタクルの範囲であり得る。最も好ましくは、7×10ユニット〜14×10ユニットのグリッドの寸法が最善である。同じ数の連結ユニットに導く他のグリッド配置も可能であり、本開示の範囲内である。
【0017】
実施態様によれば、複数の滅菌トレイグリッドが互いに積み重ねられる。
【0018】
実施態様によれば、各レセプタクルは折り曲げエッジを有する。折り曲げエッジは使用者が内部チャンバを覆うシール構造を取り外すのを可能にするように構成される。各レセプタクルは底部シール面を有していてもよい。
【0019】
実施態様によれば、内部チャンバは自動薬物充填機の一部分を一時的に受け入れるように構成される。
【0020】
実施態様によれば、各レセプタクルはプラスチックで成形される。プラスチックは、自動薬物充填・組立ラインを通して処理するのに十分な剛性を有し得る。さらに、又はその代替として、各レセプタクルは、ガンマ線で滅菌できるプラスチックで成形され得る。さらに、又は代替として、各レセプタクルは、エチレンオキシドで滅菌できるプラスチックで成形され得る。
【0021】
グリッドは、例えばガンマ線、エチレンオキシド、H
2O
2、電子ビームなどを使用して滅菌できる任意の種類の材料で製造することができる。費用を最少化するため、そして容易なリサイクルを可能にするため、好ましくはグリッドは、一つ又はそれより多いプラスチックから、好ましくはポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリブチレンなど)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、及びそれらの混合物又は積層体からなる群から選択されるプラスチックから成形される。グリッドは深絞り成形又は射出成形技術を用いて製造することができる。
【0022】
実施態様によれば、各レセプタクルは、マルチコンポーネント医療用製品用のサブアセンブリを収容する。サブアセンブリは、心立て部材によって支持され得る。サブアセンブリは、レセプタクルに対する動きに抗して固定され、特に回転運動に抗して固定され得る。サブアセンブリは、心立て部材によって動きに抗して固定され得る。心立て要素は、レセプタクル中の医療用製品又はその少なくとも一つのサブアセンブリを精密な位置に位置決めするように構成され、それを動きに抗して固定し得る。サブアセンブリを精密な位置に保持することが、高速製造設備上でトレイシステムを使用する自動製造・組立ステップに備えることになる。例えば、第二のサブアセンブリを、第一のサブアセンブリ上に取り付けるか、又はそれに連結することができ、ここで心立て要素が第一のサブアセンブリを位置決めし、動きに抗して固定する。製造設備の要素は、そのように、充填・組立のような複数製造ステップにわたってレセプタクル内に収容されたサブアセンブリと相互作用することができる。好ましい高速製造設備は、1分あたり60〜200ユニットを処理する。
【0023】
実施態様によれば、上部シール面には、取り外し可能なシールが接着される。グリッドは取り外し可能な第二のシールでラップされていてもよい。
【0024】
実施態様によれば、各レセプタクルは、完成マルチコンポーネント医療用製品、例えば完成薬用モジュールを収容する。この実施態様において、各レセプタクルの上部シール面には、同様に取り外し可能なシールで接着することができる。取り外し可能なシールは、各レセプタクルの輪郭を描くパーフォレーションを有していてもよい。
【0025】
更なる側面は、パッケージングシステムに関する。本パッケージングシステムは2〜400個、好ましくは7〜210個の、最も好ましくは7〜28個のレセプタクルの滅菌トレイグリッドを含み得る。各レセプタクルは、上部シール面を有し得る。各レセプタクルは、折り曲げエッジを有し得る。各レセプタクルは、内部チャンバを有し得る。内部チャンバは心立て部材を有し得る。各レセプタクルは、内部チャンバ内に仕上げ薬用モジュールを有し得る。仕上げ薬用モジュールは心立て部材上に位置決めされ得る。各レセプタクルは、シールを有し得る。シールは上部シール面に接着され得る。各レセプタクルは、好ましくは取り外し可能に隣接レセプタクルに連結される。それぞれのレセプタクルはストライク線を通して隣接レセプタクルに連結され得る。
【0026】
実施態様によれば、薬用モジュールは、二次薬剤、好ましくは二次薬剤の単回用量を収容する。二次薬剤は、液体であり得る。薬用モジュールは、薬物投与インタフェース、例えば針を含み得る。薬用モジュールは、薬物送達デバイスに取付け可能、好ましくは解除可能に取付け可能であり得る。薬物送達デバイスは、一次薬剤、好ましくは一次薬剤の複数回の用量を収容し得る。
【0027】
実施態様によれば、二次薬剤は、GLP−1を含む。代替として、二次薬剤は、インスリン及びGLP−1のプレミックス剤を含み得る。
【0028】
トレイは、一つの列、及び患者又は使用者に供給しようとする薬用デバイス又は針の数の後の配置に合う平行した多くの列の中に、多くのレセプタクルを設けるようにセグメント化されるか、又は仕切られる。各仕上げ薬用モジュールの無菌性を維持するホイル又はシールの切り取りを促進するために、折り曲げエッジが各レセプタクル上に設けられる。この折り曲げエッジは、レセプタクルの上面又は底面上にあってもよい。各レセプタクルは、完全に組み立てられ充填された薬用モジュールを、好ましくはスターティンググリッドの製造中に形成される内部チャンバ内に保持するように構成されてもよい。しかしながら、最初に、スターティンググリッドのレセプタクルは、薬用モジュールのサブアセンブリのみを、好ましくは第二の薬剤なしで、保持していてもよい。内部チャンバは、二次薬剤の正確な充填及び封止、又は二次アセンブリの連結を可能にして完成仕上げ薬用モジュールを形成するために、サブアセンブリを既定の垂直位置に保持するか又は位置決めするように構成された心立て部材を有し得る。心立て部材は、アニュラス、棚、若しくはリブを含んでいてもよく、又はサブアセンブリの一部とフォームフィット(form fit)するように構成された成形セクションであってもよい。心立て部材の実設計のいかんにかかわらず、サブアセンブリが、仕上げ薬用モジュールを完成させるために使用される自動製造ラインの充填・組立ステップ中空間的に固定されたままとどまることを可能とすべきである。空間的に固定されたとは、自動充填ラインの要素が100ユニット/minを超える高ライン速度で充填・組立プロセス用のサブアセンブリとの相互作用に入るのを可能にするように、レセプタクル内のサブアセンブリが、固定され、精密に所定の位置にあることを意味する。製造プロセスの如何なる時点においても、そのレセプタクル内にあるサブアセンブリの位置及び心合わせは、完全に知られ、決定されることになる。サブアセンブリの形状及び必要なプロセスステップに依存して、サブアセンブリは、回転運動に伴うトルク力をかける組立ステップを可能にするために軸方向回転に抗して固定されることになる。力のいる充填プロセスを可能にするために、サブアセンブリは、固定され、例えば充填ニードルと垂直に心合わせされる必要があり、それ故サブアセンブリの傾斜は回避すべきである。さらに、サブアセンブリは、所定の位置及び組立用のマシン機能との相互作用を維持するために、その着座からの水平運動に抗して固定され得る。また、内部チャンバは、サブアセンブリ上で充填・組立操作を行い得る自動薬物充填機の一部分を受け入れる寸法とすべきである。最も好ましくは、内部チャンバは、サブアセンブリと相互作用する機械化構造又はロボット構造を可能にするが、それが内部チャンバ内に位置したままとどまるように構成される。
【0029】
更なる側面は、滅菌トレイグリッドを使用するマルチコンポーネント医療用製品の組立方法に関する。本方法は、パッケージングシステムを備えるステップを含み得る。パッケージングシステムは、少なくとも二つの連結レセプタクルの滅菌トレイグリッド、例えばスターティンググリッドを含み得る。各レセプタクルは、上部シール面を有し得る。各トレイは、内部チャンバを有し得る。内部チャンバは、心立て部材を有し得る。各トレイは、第一のサブアセンブリを有し得る。第一のサブアセンブリは、心立て部材上に位置決めされ得る。各レセプタクルは、隣接レセプタクルに取り外し可能に連結され得る。パッケージングシステムは、第一のシール内に完全に収容され得る。第二のステップにおいて、シールは滅菌環境内で取り外され得る。次のステップにおいて、少なくとも第二のサブアセンブリは、それぞれの第一のサブアセンブリに連結され得る。次のステップにおいて、第二のシールが、シール面に取り付けられて、シールされたレセプタクルのそれぞれの仕上げ滅菌トレイグリッドを形成し得る。それぞれのレセプタクルは、マルチコンポーネント医療用製品を収容し得る。
【0030】
一つのステップにおいて、薬剤が、滅菌条件下第一のサブアセンブリに追加され得る。滅菌レセプタクルの仕上げトレイグリッドが、最終使用者グリッドに仕切られ、商業パッケージング内に入れられる。最終使用者グリッドは2〜28個のレセプタクルを含有し得る。
【0031】
サブアセンブリを収容するトレイアセンブリのスターティンググリッドは、好ましくは滅菌され、トレイのシール面に接着された第一のシールを有することができる。代替として、いくつかの状況では、シールが必要とされないか、又はトレイが保護スリーブ又はバッグ内に封入される。このシールされたトレイシステムは、第二のシール手段、例えばバッグ、リド、又は同様の材料でラップ又は被覆でき、それはクリーンルームに置かれると、自動充填・組立プロセスの開始の所で容易に取り外し可能である。サブアセンブリが薬剤で充填され、第二のサブアセンブリが元のサブアセンブリに連結されて薬用モジュールを完成した後、第三のシールがレセプタクルシール面に接着される。この第三のシールは、各レセプタクルが個々に取り外し可能にシールされるように構成される。単一シール材料をグリッドに接着し、次いで各レセプタクルの周りにミシン目を入れて各レセプタクルの個々のシールを形成することもできる。第三のシールが貼着されると、使用者の使い勝手がよい又は所定の用量特定のパッケージを収容するように、トレイシステムをより小さなグリッド寸法に分割するか、切り分けることができる。2レセプタクル〜28レセプタクル、好ましくは7〜14レセプタクル、のグリッド寸法を作出することができ、別々に包装し得る。各レセプタクルは、第二の薬剤の単回用量を含有する滅菌した仕上げモジュールを保持し得る。これらのより小さなグリッド寸法のものは、次いで最終使用者への分配用に個々に包装される。
【0032】
本開示は、任意のマルチコンポーネント医療用製品又はデバイスに応用可能であるが、一つのこのような応用は、本明細書において記載されているような薬用モジュールの製造にあり、それはインスリン、インスリンアナログ、インスリン誘導体、GLP−1若しくはGLP−1アナログ、ホルモン、βアゴニスト、又はこれらの任意の化合物の組み合わせなどの多くの二次薬剤で充填され得る。
【0033】
本開示の目的で、用語「インスリン」は、ヒトインスリン、又はヒトインスリンアナログ若しくは誘導体を含め、インスリン、インスリンアナログ、インスリン誘導体又はこれらの混合物を意味するものとする。インスリンアナログの例は、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン、Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、又はAlaによって置き換えられ、かつ位置B29のLysがProによって置き換えられていてもよい、ヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;デス(B28−B30)ヒトインスリン;デス(B27)ヒトインスリン又はデス(B30)ヒトインスリンであるが、これらに限定されない。インスリン誘導体の例は、B29−N−ミリストイル−デス(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−デス(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−Y−グルタミル)−デス(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−デス(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−デス(B30)ヒトインスリン;及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンであるが、これらに限定されない。
【0034】
本明細書にいう用語「GLP−1」は、エキセナチド[エキセンジン4(1−39)、配列H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
2のペプチド]、エキセンジン−3、リラグルチド、又はAVE0010(H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Ser−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−NH
2)を含むが、これらに限定されないGLP−1、GLP−1アナログ、又はこれらの混合物を意味するものとする。
【0035】
βアゴニストの例は、サルブタモール、レボサルブタモール、テルブタリン、ピルブテロール、プロカテロール、メタプロテレノール、フェノテロール、ビトルテロールメシル酸塩、サルメテロール、ホルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、インダカテロールであるが、これらに限定されない。
【0036】
ホルモンは、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、成長ホルモン(Somatropin)(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンのような、例えば脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は調節活性ペプチド及びそれらのアンタゴニストである。
【0037】
一つの実施態様において、薬用モジュールのサブアセンブリは、好ましくは二次薬剤で充填され得るリザーバを有する。最も好ましい構成において、リザーバは薬剤、好ましくはGLP−1又はインスリンとGLP−1のプレミックスのような液体薬剤の単回用量で充填される。仕上げ薬用モジュールはその薬剤の単回用量を有するリザーバを含む。仕上げ薬用モジュールは、注射デバイスのような一次薬物送達デバイス、最も好ましくは一次薬剤の反復用量リザーバを収容するペン型注射デバイスへの取付け用の任意の構成を含んでいてもよい。薬用モジュールはハウジングを含み得る。ハウジングは薬物送達デバイスに取付けるように構成されたコネクタを含み得る。ハウジングは近位端及び遠位端を含み得る。薬用モジュールは第一のニードルカニューレを含み得る。第一のニードルカニューレは薬用モジュールのハウジングの近位端に位置決めされ得る。薬用モジュールは第二のニードルカニューレを含み得る。第二のニードルはハウジングの遠位端に位置決めされ得る。第一及び第二のニードルカニューレは薬剤の単回用量を保持するリザーバと流体連通状態にあり得る。また、薬用モジュールは、第二のニードルカニューレを覆い得るニードルガード又は他の安全機構を含むことができる。薬用モジュールは、適切な適合性のインタフェースを備えた任意の薬物送達デバイスと共に使用するように設計され得る。しかしながら、適合しない送達デバイスへの不適切な薬用モジュールの取り付けを防止するため、専用機能又はコード化機能の利用を通して一つの専用の一次薬物送達デバイス(又はデバイスのファミリ)にその使用を制限するようにモジュールを設計するのが好ましい場合がある。いくつかの状況では、薬用モジュールが一つの薬物送達デバイスに専用であるが、そのデバイスへの標準的な薬物投与インタフェースの取り付けをも可能にすることを確実にするのが有益な場合がある。これは、モジュールを取り付けたとき使用者が組み合わせ治療薬を送達するのを可能にするが、また一次化合物の用量分割又は用量追加(これらに限定されない)の状況において標準的な薬物投与インタフェースを通して独立に一次化合物の送達をも可能にすることになる。
【0038】
薬用モジュールと共に使用するための一次薬物送達デバイスは、繰り返し使用可能であり、従ってマルチユースであり、しかしながら、薬物送達デバイスはまた単回使用使い捨てデバイスであってもよい。このようなデバイスは、一次薬物化合物の交換可能なリザーバを有していてもよいし、又は有さなくともよい。また、標準的な薬物送達デバイスを既に使用している患者への一回限りの特別な投薬として処方され得るはずの種々の状態のための一組の異なった薬用モジュールを有することも可能である。患者が前に使用した薬用モジュールを再使用しようとした場合、薬物投与又は挿入後に起動され、この状態を患者に警告できるロッキングニードルガードを含んでいるのが好ましい。一旦取り付けられると、薬用モジュールは、両方の薬剤を、一つの注射針を介して、一度の注射ステップで送達するのを可能にし得る。これは、二つの別々の注射剤を投与するのと比較して軽減される使用者ステップの観点で使用者に便利な利点を提供し得る。この便利な利点は、また、特に注射剤を嫌う使用者、又は計算が困難な若しくは手先が困難な使用者にとって処方された治療薬の改善されたコンプライアンスをもたらす可能性がある。薬用モジュールは、液剤、又は代替として散剤、懸濁剤、若しくはスラリー剤で充填され得る。一つの実施態様において、薬用モジュールは、薬用モジュールを通して注射されるとき、一次薬剤に溶解されるか、又はエントレインされるかのいずれかである粉末化薬剤で充填され得る。
【0039】
好ましい実施態様によれば、少なくとも二つの連結されたレセプタクルの滅菌トレイグリッドを含むパッケージングシステムが提供される。各レセプタクルは、上部シール面、及びマルチコンポーネント医療用製品の少なくとも一つのサブアセンブリを支持するように構成された心立て部材を有する内部チャンバを有する。
【0040】
好ましい実施態様によれば、マルチコンポーネント医療用製品の製造中使用するためのパッケージングシステムが、少なくとも2個の連結したレセプタクルの滅菌トレイグリッドを含んで、提供される。各レセプタクルは、上部シール面、及びマルチコンポーネント医療用製品の少なくとも一つのサブアセンブリを支持するように構成された心立て部材を有する内部チャンバを有し、ここに各レセプタクルは隣接レセプタクルに取り外し可能に連結される。
【0041】
好ましい実施態様によれば、2〜400個、好ましくは7〜210個、最も好ましくは7〜28個が連結したレセプタクルの滅菌トレイグリッドを含むパッケージングシステムが提供され、ここで各レセプタクルは、上部シール面、折り曲げエッジ、心立て部材を有する内部チャンバ、内部チャンバ内で心立て部材上に位置する仕上げ薬用モジュール、並びに上部シール面に接着されるシールを有する。各レセプタクルは、ストライク線を通して隣接レセプタクルに取り外し可能に連結される。
【0042】
好ましい実施態様によれば、滅菌トレイグリッドを使用するマルチコンポーネント医療用製品の組立方法が提供され、該方法は先に記載したパッケージングシステムを備えるステップを含み、パッケージングシステムはシール内に完全に収容される。更なるステップにおいて、シールは滅菌環境で取り外される。更なるステップにおいて、少なくとも一つの第二のサブアセンブリが第一のサブアセンブリに連結されてそれぞれの仕上げマルチコンポーネント医療用製品を形成する。更なるステップにおいて、更なるシールがシール面に取付けられてシールされたレセプタクルの仕上げトレイグリッドを形成し、ここでそれぞれのレセプタクルがそれぞれのマルチコンポーネント医療用製品を収容する。
【0043】
好ましい実施態様によれば、滅菌トレイグリッドを使用するマルチコンポーネント医療用製品の組立方法が提供され、該方法は、少なくとも二つの連結したレセプタクルの滅菌トレイグリッドを含むパッケージングシステムを備えるステップを含み、ここで各トレイは上部シール面、心立て部材を有する内部チャンバ、及び心立て部材上に位置する第一のサブアセンブリを有し、ここで各レセプタクルは隣接レセプタクルに可動に連結され、パッケージングシステムは第一のシール内に完全に収容される。該方法は、滅菌環境においてシールを取り外すステップ、少なくとも第二のサブアセンブリを第一のサブアセンブリに連結するステップ、及び第二のシールをシール面に取り付けてシールされたレセプタクルの仕上げ滅菌トレイグリッドを形成するステップをさらに含み、ここで各レセプタクルが仕上げマルチコンポーネント医療用製品を収容する。
【0044】
本発明の種々の側面のこれらの利点及び他の利点は、添付する図面を適切に参照しながら以下の詳細な説明を読むことによって当業者には明らかになるであろう。
【0045】
本発明の範囲は、特許請求の範囲の内容によって画成される。本発明は、特定の実施態様に限定されるものではなく、しかし種々の実施態様の要素の任意の組み合わせを含むものである。さらに、本発明は特許請求の範囲の任意の組み合わせ、及び特許請求の範囲によって開示される特徴の任意の組み合わせを含むものである。
【0046】
以下に、図面を参照ながら、典型的な実施態様を開示する