【実施例】
【0018】
〔実験材料および設備〕
本発明が用いる材料は、牛乳、生姜をペースト状にし、こし布でかすをこし取り、収集したエキスが生姜汁となる生姜汁、果糖(豐年豐和企業股ふん有限公司(Fonen And FonHer Enterprise Co.,LTD.))、硫酸カルシウムおよび乳酸カルシウム(振芳公司)を含む。
【0019】
以下の調製例および実施例では、高静水圧処理設備を用いて混合物に対して加圧処理を行う。その中の加圧媒体は水である。
【0020】
調製例および実施例では、テクスチャーアナライザー(TA.XT Plus)を用いてゲル状乳製品に対してゲル化の程度の分析を行い、最大圧力(g)でそのゲル化の程度を測定する。
【0021】
〔調製例および実施例〕
高圧ゲル化の開始
【0022】
牛乳に、室温下で9wt%の果糖および異なる量の硫酸カルシウムを加え、マグネット攪拌機で10分間撹拌し、5wt%の生姜汁を加えて混合し、ポリエチレン(PE)容器内に入れて、密封機で密封し、高圧で3分間処理した。結果は、表1に表されるように、目測による観察後、硫酸カルシウムを添加しない、または200MPaより低い高圧処理のとき、混合物はゲル化成型できないことが発見された。
【0023】
[表1]
【0024】
生姜汁濃度とゲル化
【0025】
牛乳に、室温下で9wt%の果糖および0.5wt%の硫酸カルシウムを加え、マグネット攪拌機で10分間撹拌し、異なる比率の生姜汁をそれぞれ加えて混合し、ポリエチレン(PE)容器内に入れて、密封機で密封し、600MPaの圧力で3分間処理した。目測による観察後、加圧処理を経て処理した、且つ生姜汁を添加した組別には、全て明らかなゲル化現象を発生することが発見された。ゲル強度の分析結果は、表2−1に表されるように、添加した生姜汁が2wt%を超えたとき、そのゲル強度もそれに伴って増加するが、添加量が4wt%以上にまで増加したとき、ゲル強度はそれ以上増加しなくなった。
【0026】
[表2−1]: 異なる比率の生姜汁を添加したゲルテクスチャー
【0027】
牛乳に、室温下で9wt%の果糖および0.5wt%の乳酸カルシウムを加え、マグネット攪拌機で10分間撹拌し、異なる比率の生姜汁をそれぞれ加えて混合し、ポリエチレン(PE)容器内に入れて、密封機で密封し、600MPaの圧力で10分間処理した。目測による観察後、加圧処理を経て処理した組別には、全て明らかなゲル化現象を発生することが発見された。ゲル化の程度の分析結果は、表2−2に表されるように、100gの牛乳に生姜汁を添加しない、または0.05〜1wt%の生姜汁を添加した組別には、そのゲル化の程度は、それぞれかなり良好であった。製造プロセスで加圧処理を行えば、生姜汁を添加してもしなくても、それぞれゲル化の程度が良好なゲル状乳製品の製品を調製することができた。
【0028】
[表2−2]: 異なる比率の生姜汁を添加したゲルテクスチャー
【0029】
カルシウム塩の濃度とゲル
【0030】
牛乳に、室温下で9wt%の果糖および異なる比率の硫酸カルシウムを加え、マグネット攪拌機で10分間撹拌し、1.3wt%の生姜汁を加えて混合し、ポリエチレン(PE)容器内に入れて、密封機で密封し、600MPaの圧力で3分間処理した。ゲル化の程度の分析結果は、表3に表される。
【0031】
[表3]: 異なる硫酸カルシウムの濃度を添加したゲルテクスチャー
【0032】
牛乳に、室温下で異なる比率の乳酸カルシウムを加え、果糖を添加せずにマグネット攪拌機で10分間撹拌し、4wt%の生姜汁を加えて混合し、ポリエチレン(PE)容器内に入れて、密封機で密封し、600MPaの圧力で10分間処理した。ゲル化の程度の分析結果は、表4に表される。
【0033】
[表4]: 異なる硫酸カルシウムの濃度を添加したゲルテクスチャー
【0034】
表3、4に示されるように、生姜牛乳に室温で異なる比率の硫酸カルシウムまたは乳酸カルシウムを添加したとき、目測による観察後、加圧処理を経て処理した組別には、全て明らかなゲル化現象を発生することが発見された。またこの結果により、0.1wt%の硫酸カルシウムまたは乳酸カルシウムを添加したとき、良好なゲル化の現象を有していた。
【0035】
圧力、時間と、ゲル化
【0036】
牛乳に、室温下で0.5wt%の乳酸カルシウムを加え、果糖を添加せずにマグネット攪拌機で10分間撹拌し、2wt%の生姜汁を加えて混合し、ポリエチレン(PE)容器内に入れて、密封機で密封した。表5−1は、異なる加圧の圧力で3分間処理したゲル化の程度である。目測による観察後、処理時間が3分間のとき、400MPaの圧力を加えると、良好なゲルテクスチャーを得ることができた。
【0037】
[表5−1]: 異なる加圧の圧力で3分間処理したゲルテクスチャー
【0038】
牛乳に、室温下で0.5wt%の乳酸カルシウムを加え、果糖を添加せずにマグネット攪拌機で10分間撹拌し、4wt%の生姜汁を加え、ポリエチレン(PE)容器内に入れて、密封機で密封した。表5−2は、異なる加圧の圧力で10分間処理したゲル化の程度である。目測による観察後、処理時間が10分間のとき、200MPaの圧力を加えると、良好なゲルテクスチャーを得ることができた。
【0039】
[表5−2]: 異なる加圧の圧力で10分間処理したゲルテクスチャー
【0040】
牛乳に、室温下で0.5wt%の乳酸カルシウムを加え、果糖を添加せずにマグネット攪拌機で10分間撹拌し、4wt%の生姜汁を加え、ポリエチレン(PE)容器内に入れて、密封機で密封した。表6−1は、400MPaの圧力で異なる時間処理したゲル化の程度である。表6−2は、600MPaの圧力で異なる時間処理したゲル化の程度である。目測による観察後、400MPaの圧力で一分間処理、または600MPaの圧力で1秒間処理すると、良好なゲルテクスチャーを得ることができた。
【0041】
[表6−1]: 400MPaの圧力での異なる加圧時間のゲルテクスチャー
【0042】
[表6−2]: 600MPaの圧力での異なる加圧時間のゲルテクスチャー
【0043】
ゲル状の生姜牛乳の生菌数
【0044】
牛乳に、室温下で9wt%の果糖および0.5wt%の硫酸カルシウムを加え、マグネット攪拌機で10分間撹拌し、5wt%の生姜汁を加えて混合し、ポリエチレン(PE)容器内に入れて、密封機で密封し、600MPaの圧力で3分間処理した。ゲル化の完成を待ち、ゲル状製品を冷蔵で一日保存した後、1mLのサンプルを採取し、連続希釈を行った。各1mLの希釈液を採取し、3M
TMペトリフィルム
TM生菌数測定用プレート(Petrifilm Aerobic Count Plate)(St. Paul, Minnesota, USA)に35℃で48時間培養した後、赤色コロニー数を計測し、希釈毎に二重測定した。測定結果は、ゲル化の製品の総生菌数が20CFU/gより小さいと、微生物の生長を効果的に制御していることを表し、インスタント食品の評価基準に達していることを表している。
【0045】
また、Yen-Yu Chen(2004)の論文の方法で製作された製品と本発明で提供されたゲル状乳製品の製品は、嗜好性官能評価で比較すると、9段階の評価で、本発明の600MPaの圧力で3分間処理して製作された製品は9段階中の8.1点で、Yen-Yu Chen(2004)の論文の方法で製作された製品は9段階中の6.5点であり、本発明で提供されたゲル状乳製品で製造された製品は、好ましい嗜好性官能評価を有することを表している。
【0046】
上述の結果に表されるように、本発明は、その全プロセスが室温下で行われ、少なくとも0.1wt%のカルシウム塩を含み、且つ少なくとも200MPaの圧力を加える加圧処理で、生姜汁および果糖を添加してもしなくても良好なゲルテクスチャーを有するゲル状乳製品の製品を形成することができるゲル状乳製品の製造方法を提供する。
【0047】
この発明は、実施例の方法及び望ましい実施の形態によって記述されているが、これらを限定するものではないことは理解される。当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱しない種々の修正及び変更を行い得る。よって、本発明の範囲は、以下の請求項及びその等価のものによって規定されて保護される。