(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のパウチ及び前記第2のパウチは、前記第1のパウチ及び前記第2のパウチが互いに付着することができるように、内側熱シール層を有する、請求項1に記載のカートリッジ。
前記第1のパウチ及び前記第2のパウチは、モノリシックフィルム基材又は多層フィルムラミネートであり、該多層フィルムラミネートは内側熱シール層及び外側バリア層を有する、請求項1に記載のカートリッジ。
前記多層フィルムラミネートは、前記第1及び第2のパウチの隣接エリアの熱シール層が結合される熱シールエリアを露出するノッチをさらに含む、請求項4に記載のカートリッジ。
【背景技術】
【0003】
当技術分野で知られている現存のデバイスは、印象材のために通常使用される硬質のプラスチックカートリッジ(すなわち、Sulzer Mixpacによって製造されるMixpac(登録商標)50mLカートリッジ)である。これらの硬質のプラスチックカートリッジは、その後、動的混合用先端部又は固定混合用先端部に取外し可能に取付けられる。新しいカートリッジは、柔軟性フィルムを使用することによってパッケージングの無駄(packaging waste)を、また、動的混合先端部を利用することによって製品の無駄(product waste)を低減する。別の意図される結果は、現行の手動カートリッジ吐出器より人間工学的であり、かつ現行の動的混合機より可搬性がある動力式吐出をユーザーに提供することである。
【0004】
米国特許第5,318,203号は、吐出端においてD字状部材によってともに結合される2つの個々のチューブを備えるデュアルチューブ組立体を記載している。チューブの端は、端をともに圧着する(crimping)ことによって結合される。請求項1は、本発明が有しないヒンジ付きキャップを必要とする。また、米国特許第5,318,203号のチューブは、中空で半硬質であり、射出成形によって1つの連続ピースとして成形される。一方、本発明のパウチは、硬質取付け部を取付けられたフィルムラミネートから構成される。D字状部材は、ヒンジ付きキャップにスナップオンすることによってともに結合され、ヒンジ付きキャップは、各D字状部材の外側の丸い表面上の環状スナップリングに係合する。
【0005】
米国特許第6,752,264号は、2重パウチ構成を有するスパウトパック(spout pack)を記載している。米国特許第6,752,264号のパウチは、2つの別個のパウチであって、一方のパウチを他方のパウチの上部に配置する、2つの別個のパウチを有する本発明の構成と対照的に、2つのパウチを分離するフィンシールを伴って横に並ぶ。この特許はまた、各区画(compartment)への通路を有する2つのポートを有する単一取付け部を有する。
【0006】
米国特許第3,302,832号は、独立して搭載された2つのチューブから材料を送出する動力式吐出器を示している。このチューブは、材料を絞り出すために、ギア搭載ローラー上に巻き上げられる。
【0007】
米国特許第7,731,413号は、動的混合先端部であって、混合先端部の外側ハウジング内に固定混合要素を組み込む、動的混合先端部を記載している。
【0008】
欧州特許第0800994号は、スパウトパックを作製し、柔軟性フィルム上にスパウト取付け部を熱シールするための製造方法を開示している。
【0009】
米国特許第5,697,524号は、硬質ベースに取付けられた、いわゆるソーセージパックを記載している。このパックは、パックを穿孔する穴開け要素にパックを接触させて出口を通して材料を放出する圧力が作用するまで閉鎖されている。
【0010】
米国特許第5,897,028号は、ソーセージパック用の小型(handheld)吐出器であって、パックを開口するための前部の穴開け部材及びパックを圧迫するためのプランジャを有する、小型吐出器を開示する。
【0011】
米国特許第6,845,884号は、チューブ内チューブ構造を有する歯磨きペーストチューブを記載している。内側チューブは、実質的に硬質材料であり、圧迫力に応じて非変位性であると述べられている。
【0012】
米国特許第6,854,621号は、バルク印象材を吐出するための一般的な動的混合機を記載している。このデバイスは、2重カートリッジのバレルと混合機との間に配置された駆動軸が、種々の比を有するカートリッジを配置するための位置付け手段を有することを必要とする。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書には、印象材の送出に適したデバイス、すなわち、少なくとも2つの歯科用材料を押し出すことが可能なデバイスが開示される。本明細書において開示されるデバイスは、少なくとも2つの別個のパウチ(単一パウチは
図2に示される)及びスパウト(spout)5を有するカートリッジ100を含む。少なくとも2つの別個のパウチは、コネクタ部9によってスパウトに取付けられる。コネクタ部は、2つのパウチのそれぞれ用のD字状コネクタ8を含み、コネクタ部を形成するために各D字状コネクタ8をシールするのに適した熱シールフィン6が存在し、熱シールフィン6内のノッチ7が駆動軸1のために存在する。カートリッジ100は、パウチから歯科用材料を押し出すのを補助する組立体の内部に設置される。例えば、組立体は、歯科用材料の押し出しを補助することが可能なローラー4を含むことができる。デバイスは、カートリッジを含み、また、カートリッジの少なくとも2つのパウチから歯科用材料を押し出すように任意の適した形状、例えば、ペン型デバイス(
図10及び
図13)又はガン型デバイス(
図14及び
図15)等の細長い送出デバイスの形状とすることができる。
【0016】
本明細書において述べる吐出デバイスは、2つのパウチのカートリッジを有するものとして述べられるが、本明細書のカートリッジは、組み合わされ送出デバイスから押し出される材料の数に応じて3つ以上のパウチを有することができることを当業者は理解するであろう。3つ以上のパウチが存在する場合、こうしたパウチは、任意の適した方法によって互いに接続されることになる。換言すれば、コネクタは、本明細書において述べ図に示すD字状コネクタ8以外の形状を有することができる。さらに、本明細書において述べ図に示す吐出デバイスは、カートリッジのパウチ用の特定の形状及び設計を示す。しかし、パウチは、異なる形状をとり、パウチ容器内に収容されて、適したカートリッジを形成することができることを当業者は理解するであろう。
【0017】
図1は、コネクタ部9及び駆動軸1を示すカートリッジの最初の機械製図を示す。
図1はまた、2つの別個のパウチ(例えば、ベース用の1つのパウチ及び触媒用の1つのパウチ)を作製し、完成したカートリッジ組立体100を作製するために2つの別個のパウチをともに結合するという構想を表している。一実施形態では、コネクタ部9の半分は、デュアルコンポーネントカートリッジ100を形成するために、ともにスナップ又は嵌合するインターロッキング部材13を有するD字状コネクタ8であると考えることができる。本明細書において説明するように、コネクタは、3つ以上のパウチが使用されるとき又はカートリッジが異なる構成であるとき、図に示すD字状コネクタ8以外の形状を有することができる。
【0018】
図2は、
図1の柔軟性フィルムカートリッジ100(以降でカートリッジとも呼ばれる)の組立体を示す。これらのような
図2に示す個々のパウチは、硬質プラスチックスパウト取付け部9(コネクタ部とも呼ばれる)を有するため、スパウトパックと一般に呼ばれる。パウチ2dの本体は、多層フィルムラミネートを含む。ラミネートは、パウチ2の端部シール及び側部シールを形成するために使用される内側熱シール層12を有する。熱シール層12はまた、コネクタ部3の下側のリブ6に付着して、形成されたスパウトパックすなわちカートリッジ100を完成する。
【0019】
この実施形態では、コネクタ部3は、駆動軸1が通過するための溝7を有する。フィルムラミネート12がコネクタ部3にシールされると、フィルムが溝に押し込まれて、駆動軸1用のチャネル7を形成する。
【0020】
コネクタ部3は、
図2に示すように、1つの長い辺及び2つの短い対向する辺を有する三角形シール用リブ6を有する。この構成は、2つのパウチが、長い辺に沿ってともに結合されることを可能にし、カートリッジ組立体100を形成する。
【0021】
コネクタ部は、プラスチック、ポリマー、金属、又は同様なもの等の硬質材料とすることができ、柔軟性フィルムラミネート12の内側層に熱シールすることができる、約1つから約5つのリブを通常有する熱シール部材の下側部を含む。コネクタ部3の上側部は、スナップ部材、インターロッキング部、又は同様なもの13によって2つのパウチをともに結合することを容易にするD字状コネクタセクション8とすることができる。タブ及び嵌合ポケット等の突起付き(keyed)要素は、コネクタ部3が、180度回転されると、同一のコネクタ部に嵌合することを可能にする。実施形態では、コネクタ部3は、インターロッキング部材13を介してともにスナップし、2つのパウチをともに結合する一方向スナップ部材又はシール機構によって、意図せずに離れることができない。
【0022】
D字状コネクタ8は、ともに結合すると、本明細書において述べる混合先端部との接続を容易にするフランジを形成することができる。バヨネット接続、ネジ接続、又は同様なものが、混合先端部を柔軟性フィルムカートリッジに接続するのに適することができる。
【0023】
パウチは、内側熱シール層及び外側バリア層を有する、モノリシックフィルム基材又は多層フィルムラミネートであるフィルムラミネートとすることができ、これらの層は、貯蔵寿命を増加させ、パウチ耐久性を増加させ、フィルムメモリを減少させる等のための必要な特定のバリア特性のために構築された箔及び/又は種々のプラスチックラミネーションとすることができる。
【0024】
図2は、フィルムラミネート2bの一方の面にある一連のノッチ11を示す。パウチが形成されると、ノッチは熱シールエリアの境界内にあり、パウチの反対側の面の熱シール層を露出する。2つのパウチがともに結合されると、2つのパウチの熱シールエリアは、ともに熱シールされることができ、それにより、カートリッジ組立体100を形成する。
【0025】
パウチは、取付け部の周りに柔軟性フィルムを形成することによって作製され充填され、フィルムラミネートの内側熱シール層に取付け部リブをシールすることができる。通常、完全に形成されたコネクタ部9を、熱シール前にキャップすることができるため、充填は、パウチが形成されるとすぐにインラインで行われることができる。
【0026】
代替の実施形態では、各パウチ上のコネクタ部3を、パウチ形成又は充填前に、キャップするか、詰めるか、又は同様なことを行うことができる。したがって、各パウチはそれ自身のキャップを有することになる。しかし、使用時に1つのキャップだけを取り外すことがユーザーにとって有益である。したがって、個々のパウチのキャップは、D字状コネクタがともに結合されると、ともに結合されることが想定される。キャップは、1つのピースとして取り外すことができるように、ともにスナップ又は熱シールすることができ、そのことが、ユーザーにとってより好都合である。
【0027】
図3は、第2の実施形態の個々のコンポーネントを示す。コネクタ部3のシール用リブ6は、スパウトパック用の従来の形状である台形状とすることができる。こうした構成は、充填されるときに変形が少ないより狭いパウチ2を可能にする。さらに、パウチの形状は、ローラーによって圧潰するためよりよく制御される。この実施形態に関するコネクタは、他の実施形態の場合と同様にD字状8とすることができる。
【0028】
熱シール周縁14は、破線で示される。
図2に示す熱シール可能ノッチ11aは、パウチの底部の近くの2つのカットアウト11bで置換されている。カットアウト11bは、2つのパウチが、底部でともにシールされ、そして同時に、駆動軸を側方アライメント(lateral alignment)のために2つのシール間で捕捉することを可能にする。
【0029】
図4は、コネクタ部3がパウチ本体に熱シールされた状態のパウチ2を示す。充填中、スパウト取付け部は、キャップされて(図示せず)、材料がこぼれることを防止する。
【0030】
従来的には、動的混合先端部は、テーブルトップ又は大容量吐出器とともに使用される傾向がある。しかし、本発明で開示する送出デバイスは、小型送出デバイスに取付けられた動的混合先端部を含む。こうした吐出デバイスは、小型可搬デバイスの便利さと動的混合先端部の望ましい利益とを兼ね備える。
【0031】
本明細書において開示する吐出デバイスは、動的混合機又は固定(不動)混合機を利用することが可能である。動的混合先端部は、無駄を減らし、吐出レートを上げるように重量体トレー材料のために使用されることができる。固定混合先端部は、動的混合先端部より長く、追加の長さが口腔内適用に有利であるため、軽量体洗浄材料のために使用することができる。洗浄材料に関する出口ポートは、トレー材料に関する出口ポートと異なるように構成されて、正しい混合先端部が常に使用されることを保証することができる。
【0032】
柔軟性フィルムカートリッジの一実施形態は、スパウト取付け部と柔軟性フィルムカートリッジ組立体の熱シールエリアとの間に捕捉される駆動軸を含む。駆動軸は、デバイスのオペレーター端においてモーターに、また、送出端において動的混合先端部に係合することになる。駆動軸は、混合先端部の内部で動的要素を回転させ、混合先端部が吐出するときに材料を混合することになる。一実施形態では、駆動軸は、柔軟性フィルムカートリッジから削除され、以下で述べるようにハンドピースに組込まれる。
【0033】
動的混合機は、幾つかの射出成形プラスチックコンポーネントから構成される。これらのコンポーネントのうちの幾つかは、外側ハウジングを備え、外側ハウジングは、内部混合機を支持し、柔軟性フィルムカートリッジ上のスパウト取付け部への接続を容易にする。
【0034】
混合機(又は混合要素)は、ハウジングの内部で回転し、2つのストリーム(stream)を1つの均一ペーストになるよう混合する部分である。
【0035】
図20は、動的混合先端部20の上面図である。混合先端部20及び混合先端部ハウジング21は、内部構造を露出するために透明材料として示される。動的混合機は、混合先端部20をカートリッジ出口に固定するために使用されるバヨネット取付け具23を有する細長いスカート22を有する。動的要素24が示され、動的要素24はパウチ間に延在する駆動軸又は
図11に示す前方ギア組立体110への機械的接続によって回転する。
【0036】
図21は、
図16に示す吐出器の上面図である。この図は、カートリッジ100とローラー4との組立体が所定位置にある状態で、関節型ハンドル25内に延在する中心配置(center style)駆動軸1を示す。ユニバーサル連結部及びモーターは、この図に示されていない。
【0037】
図22は、現行の従来のMixpacパックカートリッジ(上部)と比較した、新しいカートリッジ100(下部)を示す。柔軟性カートリッジ上に示す動的混合先端部20は、他の実施形態において述べる細長いスカートを有しない。
【0038】
本明細書において開示されるカートリッジ100は、吐出デバイスとともに使用することができる。吐出デバイスは、カートリッジのパウチから歯科用材料を絞り出す又は押し出す組立体を含む。例えば、ローラー4が、カートリッジ100から材料を絞り出すために使用されることができる。一実施形態では、
図7に示すように、組立体は、一組のウォームネジ26によって駆動されるラック27及びピニオン28を含むことができる。別の実施形態では、組立体は、ナット及びネジを含むことができる。
【0039】
図2はまた、ペーストを絞り出すことになるローラー4を示す。こうしたローラーは、平滑であり得る、又はここで示すようにギア歯として構成され得る。ローラー内のノッチ4aは、ローラーが、駆動軸の回転に影響を与えることなく、カートリッジ上を回転することを可能にする。
【0040】
図5は、完成したカートリッジ100を示す。コネクタ部はともに接続され、端部は、破線で示すエリア116内でシールされる。駆動軸1は、組立て中に、熱シールされた端部とコネクタ部との間で捕捉される。
【0041】
図6は、組立てられたカートリッジ100の正面図を示す。両側にある2つのコネクタ部を通して突出する駆動軸1を見ることができる。インターロッキング部材すなわち突起付きスナップ要素13は、単に見易さ及び明確さのためにこの図において概略的に描かれている。使用時、インターロッキング部材13は、対向するインターロッキング部材と同一平面状態になり、
図6の場合のようには容易に明らかにならない。
【0042】
図7は、動力式吐出デバイス内でローラー4を進ませるために使用されることができるローラーラック組立体を示す。ローラーラック組立体70は、ラック27及びピニオン28ギアトラックに沿って進むローラー4を含む。ピニオン28は、一組の回転するウォームギア26によって回転される。ウォームギア26は、トランスミッション(図示せず)によって回転され、トランスミッションは、中心駆動軸(図示せず)を同時に回転させる。
【0043】
図8は、カートリッジ100を内部に有する完成したローラーラック組立体70を示し、組立体70は、カートリッジを装填するために開口する2つのヒンジ付きラック27を含む。
【0044】
図9は、閉鎖位置にある完成したローラーラック組立体70を示す。
【0045】
送出デバイスの外側ケースは、ユーザーのために人間工学的な形状のグリップを有することができる。外側ケースは、使用中、送出デバイスの内部コンポーネントを閉囲し、柔軟性フィルムカートリッジ100を支持する。外側ケースは、カートリッジを装填するためのアクセスドア並びにカートリッジを観察するための透明部又は窓を更に含むことができる。
【0046】
図10は、ペン型吐出器と呼ぶことができる細長いハンドピースを示す。ヒンジ式ドア121は、カートリッジ100の装填のために開口する。カートリッジコネクタ部9は、ハンドピースの前部分の開口122内に当接し、混合先端部を取付けることができるように前部から突出する。
図10には、動的混合先端部20及び固定混合先端部29が示され、それぞれは、本明細書において述べるハンドピースとともに使用するのに適する。ドアが閉鎖されると、カートリッジは、ローラー組立体内に閉囲される。ローラー4は、カートリッジ124の端部分に適切に係合することができるように、カートリッジの装填及び装填解除の前にローラーラックの後部セクション123に向かって予め配置されることになる。
【0047】
ギアトランスミッション127は、ローラー組立体70及び軸1にモーターの回転を伝達することができ、軸1は動的混合先端部20を駆動する。固定混合先端部29が利用される場合、軸は、固定混合先端部29に係合しない、すなわち固定混合先端部29を駆動しない。モーターは、送出デバイス内で作業機構を進ませるのに必要な機械的運動を提供することができる。リチウムイオン電池又は任意の代替の適した電池は、デバイス用の可搬式の電源を提供することができる。こうした電池は、永久的に設置することができるか又は取外し可能とすることができる。送出デバイスは、電子コンポーネントを搭載するためのプリント回路基板を更に含むことができる。
【0048】
ギアトランスミッション127及びモーター125は、パウチのすぐ後ろに見ることができる。電池パック126は、ハンドピースの後に分解図で示され、モーター125及びギアトランスミッション127の下の空間に嵌合することになる。
【0049】
2つの混合先端部が、この分解図において示される。動的混合先端部20は、前景に示され、重量体トレー材料のために使用されることになる。長く狭い混合先端部は、軽量洗浄材料の固定混合先端部29であり、歯の周りに材料を吐出するための湾曲した口腔内先端部を有するように示される。固定混合先端部29はまた、洗浄材料を使用するときによりよい口腔内アクセスを可能にする。
【0050】
図11は、動的混合先端部(図示せず)上のギアに係合することになる前方駆動ギア110を示す。カートリッジは、この図では明確さのために除去してある。
【0051】
図12は、ドアが開口した状態のハンドピース123の後面図を示し、モーター125及びトランスミッションボックス127を示す。トランスミッションボックスギア128は、ドアが閉鎖するとウォームギア26に係合する。
【0052】
図13は、固定混合先端部29及び湾曲した口腔内先端部30を有する、使用できる状態にあるペン型吐出器120を示す。ドア32は、透明窓31を有するため、ユーザーは、どんな材料が内部にあるかを見ることができる。外側ケースドアはまた、プログラム設定を変更するためのボタン34、電池寿命及びカートリッジ内に残っている量等のデータ伝達用のデジタルディスプレイ窓33を含む。吐出器はまた、ハンドピースの前部に位置するトリガー35、及び、口腔を照明するための、前部上の発光ダイオード等の照明光36を有する。
【0053】
図14に示すハンドピースは、同様の機械的機能を有するが、ガン型ハンドピースであるように構成される。この実施形態では、電池パック126は、ハンドル131に再配置される。ハンドル131は、前方に配置することができ、そのことは、よりよく平衡化(balance)された人間工学的効果のために、手の上で重量を平衡化させる。この構成は、より優れたコントロール及び精度のために、ユーザーが適用部位に近づくことを可能にする。
【0054】
図15は、オペレーターの手の中のガン型吐出ユニット130を斜視図で示す。
【0055】
図16は、関節型ハンドル25を用いた別の構想を示す。
図16に示す位置では、デバイスはペン型である。カートリッジ100とローラー組立体4は、ハンドピースの前部分に存在する。
【0056】
図17は、ハンドル25がガンスタイル位置にある状態の、
図16の吐出器を示す。ガンスタイルは、トレーを充填するために有用とすることができ、一方、ペンスタイルは、口腔内精密作業のために有用とすることができる。この設計は、どちらの構成が最も適するかをユーザーが選択することを可能にする。
【0057】
送出デバイスは、ユーザーが見ることができる、電子デジタルディスプレイ等のディスプレイ33を含む。送出デバイスのディスプレイ33は、電池レベル及びカートリッジに残っている材料の量を表示することができる。さらに、ディスプレイ33はまた、作業時間すなわち口腔内保持時間(mouth removal time)(MRT)を示すことができる。送出デバイスは、材料を押し出すために押下するためのトリガー35、及び、速度設定等のプログラム式機能を選択するための少なくとも1つのボタン等の幾つかのコントロール部を含むことができる。
【0058】
図18は、関節型ハンドル25内に位置する、モーター125、電池126、及びユニバーサル連結部132を示す。ユニバーサル連結部132は、ハンドルの向きによらず、モーターが駆動軸1を回転させることを可能にする。コントロールボタン34、吐出トリガー35、及びディスプレイ33もまた
図18において見ることができる。
【0059】
図19は、ヒンジ式アクセスドア121が開口した状態の、
図16のデバイスを示す。ローラー4用のトラック機構は示されていない。
【0060】
また更なる実施形態では、送出デバイスは、口腔に照明を提供することになる照明光36を含むことができる。LEDが、ハンドピースの前部に搭載され、洗浄処置中に使用されることになる。光は、トレー処置について必要でないため、オン/オフスイッチを有することができる。別のオプションの特徴は、外部コンピュータプログラミング及び通信とすることができる。ユーザーは、この接続を介してソフトウェア更新又は診断評価をオンラインで受信することができる。また別のオプションの特徴は、送出デバイスに関する特定の詳細、例えば、送出デバイスがどのように使用されたか及びどんな材料が使用されたか(例えば、どの製品のために各回でどれだけの量の材料が使用されるか、或る特定の製品がどれほど頻繁に使用されるか等)を記録する能力とすることができる。
【0061】
別のオプションの特徴は、送出デバイスが、カートリッジ上のRFIDラベルを読取ることが可能であることとすることができる。送出デバイスは、材料を識別し、吐出レートを相応して(例えば、トレーの場合に速く、また、洗浄の場合に遅く)調整することができる。送出デバイスは、その後、MRT等の材料固有情報を伝えることができる。
【0062】
また代替の実施形態では、小型カメラが、送出デバイスの前部に搭載され、USB端子に接続されることができる。カメラは、オペレーターの精度を高めるために、近くのコンピュータモニター上で拡大像を提供することができる。
【0063】
本明細書において開示される送出デバイスの1つの特徴は、柔軟性フィルムカートリッジ及び柔軟性フィルムカートリッジが個々のパウチから組立てられる方法であり、個々のパウチは、ともに結合されて、2重カートリッジを形成する。D字状フランジを有する独特なスパウト取付け部は、この構造を容易にする。スパウト取付け部における非対称スナップ特徴は、スパウト取付け部が、180度回転した同一の取付け部に結合されることを可能にする。
【0064】
別の独特な特徴は、小型デバイス上での動的混合先端部の使用である。以前は、動的混合先端部は、テーブルトップ、大容量吐出器上で使用されただけであった。この吐出器は、小型可搬デバイスの便利さと動的混合先端部の望ましい利益とを兼ね備える。
【0065】
本明細書において開示する印象材吐出システムは、動的混合機20及び固定(不動)混合機29の双方を利用することができる。動的混合先端部20は、無駄を減らし、吐出レートを上げるため重量体トレー材料のために使用することができる。固定混合先端部29は、動的混合先端部20より長く、追加の長さが口腔内適用に有利であるため、軽量体洗浄材料のために使用することができる。洗浄材料に関する、コネクタ部9のスパウト5に接続する出口ポートは、トレー材料に関する出口ポートと異なるように構成されて、正しい混合先端部が常に使用されることを保証することができる。
【0066】
従来的には、印象材の大多数は、Sulzer Mixpacによって製造された混合先端部のような50mL硬質カートリッジ内にパッケージングされる。本明細書において開示されるカートリッジすなわちパウチシステム100は、薄フィルムラミネートから作製されるため、重量が約60〜70%少ないパッケージングである。さらに、従来の硬質カートリッジは、中空であり、格納及び輸送において大きな空間を占める。フィルムラミネートは、ロール上に格納することができ、ずっと少ない空間を占める。したがって、本明細書において開示するカートリッジ100は、輸送パッケージング、輸送ハンドリング、輸送及び格納のコストを低減する。
【0067】
使用するのに適しかつ本明細書において述べる1つの動的混合先端部20は、従来の50mL硬質カートリッジとともに使用される従来の固定混合先端部29より50%少ない製品の無駄をもたらす。
【0068】
人間工学が、本明細書において述べる動力式送出システムによって改善される。その理由は、全てのオペレーターは、印象材等の歯科用材料を吐出するためにトリガー35を引きさえすればよいためである。現行の手動ガンは、ユーザーがハンドルを絞ることを必要とし、それは、特に、歯調整エリアの周りに直接洗浄材料を吐出するとき、先端の動きを最小にするために、力、スタミナ、及び多大な労力を必要とする。
【0069】
従来の手動吐出器ではまた、適用部位から遠い距離にユーザーが位置し、そのため手動吐出器の位置付けをコントロールすることが難しくなる。本明細書において開示される吐出デバイスでは、患者及び適用部位にずっと近い所にユーザーの手が位置し、ずっと人間工学的な構成になる。
【0070】
従来の動的混合先端部は、動的混合機上の中心軸によって駆動され、中心軸は、動的混合要素内の窪んだ六角形状穴によって混合先端部に結合する。本明細書において述べるハンドピースは、側面にずれて配置された駆動軸を有するため、カートリッジの装填に干渉しない。駆動軸は、前方に延びるため、ギアリングは、本明細書において述べる混合先端部上のギア機構に係合する。
【0071】
3Mによって使用される1つの知られているパッケージングフォーマットは、一般に、ソーセージパックと呼ばれる。これらの円柱状の柔軟性パウチは、各端部で金属タイによって圧着され、挽肉をパッケージングするために一般に使用されるパッケージに似る。これらのパックは、380mLバルク動的混合機に関して使用される。パックは、パウチが吐出するために圧迫されるとき、パウチを含む再使用可能カートリッジ本体内に設置される。カートリッジ本体はまた、パウチの前部に穴開けし、動的混合先端部への接続を容易にする。これらの中間カートリッジ本体は汚れ、清潔にされる必要がある。使用済みパウチを装填解除することもやっかいである。対照的に、本明細書において述べるシステムの実施形態は、中間容器を必要とせず、動的混合先端部に直接接続する一体型硬質取付け部を柔軟性カートリッジ組立体の前部上に有し、一体型硬質取付け部は、使用するのがずっと容易かつ清潔である。
【0072】
本明細書において述べる実施形態では、駆動軸を有さない柔軟性フィルムカートリッジ及びハンドピース内の駆動軸及びデバイスの送出端のギア式動的混合先端部に係合するギアリング機構を有することが述べられる。
【0073】
別の実施形態では、柔軟性フィルムカートリッジの一部である駆動軸が述べられる。駆動軸は、スパウトパック間に延在し、回転運動を提供するために、デバイスの送出端においてより従来的な動的混合先端接続部に及びデバイスのオペレーター端においてモーター/トランシミッションに係合することになる。
【0074】
本発明で開示されるまた別の実施形態は、チューブ内チューブ構造を利用する。
【0075】
別の実施形態は、中心デバイダーを有する単一パウチである。こうしたパウチは、他の材料層の上部に1つの材料層を載せて3つの材料層から構築することができ、中心層がデバイダーである。
【0076】
ローラーラック組立体の一実施形態は、ローラーを進めるためのネジ及びナット機構を含む。別の実施形態は、ラック及びピニオン、すなわちウォームギア機構を有する。
【0077】
キャップ又は閉鎖器の別の実施形態は、各出口ポートの端部に誘導加熱シールされた箔シールである。
【0078】
別の実施形態は、送出レートを調整し、柔軟性フィルムカートリッジの過剰加圧を防止するためのモータートルク検知を含む。
【0079】
本発明で開示される別の実施形態は、回転数を計数することによってローラーの位置をコントロールすることを含む。
【0080】
別の実施形態は、自動バックオフ位置を含み、その位置では、パウチ内に空気をサックバック(suck back)するまでではないが、カートリッジ内の材料の意図しない漏出をなくすために、ローラーは、トリガーが解除された後に僅かな量を後退する。
【0081】
別の実施形態は、開口する前にゼロ位置(装填できる状態にある/フルカートリッジ位置)に戻り、材料が吐出されるときより迅速にそれを行うローラーを有する。部分的に使用されたカートリッジがハンドピース内に設置され、ドアが閉鎖されると、ローラーは、圧力が検知される地点まで進み、その後、先端を変更するときの不注意な加圧を防止するために後退することになる。
【0082】
別の実施形態は、ドア上にロックアウトラッチを含み、ドアは、ゼロ位置すなわち元の後位置にローラーがなければ開口することができない。
【0083】
別の実施形態は、動力式吐出器の代わりに手動吐出ガンの使用を含む。
【0084】
種々の、先に開示した特徴及び機能並びに他の特徴及び機能、又はそれらの代替は、望ましくは、多くの他の異なるシステム又は適用形態になるよう組合されることができることが認識されるであろう。また、その中で現在のところ予期若しくは予測されない種々の代替形態、修正形態、変形形態、又は改善形態は、当業者によってその後作製されることができ、添付の特許請求の範囲によって包含されることも意図される。