(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記塗布領域内の台の上で前記ベルトを移動させる工程をさらに含む方向であって、前記ベルトが、前記塗布領域内の前記台の表面と直接接し、かつ、前記台が、前記ベルトの前記垂直位置、解放半径、および解放角度の少なくとも1つを変更するために第1の位置と第2の位置の間で調整可能であるように構成されている、請求項1または2に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載するシステムおよび方法は、成形研磨粒子の形成に利用することができる。成形研磨粒子は、例えば研磨布紙、固定砥粒、遊離砥粒、およびそれらの組み合わせなど、多様な用途において利用することができる。成形研磨粒子について、その他の多様な使用を導き出すことができる。
【0011】
図1は、一実施態様に従った成形研磨粒子を形成するためのシステムの説明図である。図に示すように、システム100は、ローラ170と171との間を移動するよう構成されたスクリーン151を備えることができる。スクリーン151は、これより多い数のローラ上、または所望に応じてその他の装置上を移動させることが可能であることが理解されよう。図に示すように、システム100は、ローラ172および173の上を方向116に移動するよう構成されたベルト109を備えることができる。ベルト109は、これより多い数のローラ上、または所望に応じてその他の装置上を移動してもよいことが理解されよう。
【0012】
図に示すように、システム100は、ダイ103の容器102内に収容された混合物101の押し出しを実行するよう構成されたダイ103をさらに備えることができる。成形研磨粒子を形成する工程は、セラミック材料と液体とを含む混合物101を形成することによって開始することができる。具体的には、混合物101はセラミック粉末材料と液体から形成されるゲルであってよく、このゲルは、未焼結(すなわち焼かれていない)状態でも所定の形状を保持する能力を有する形状安定材料と特徴付けることができる。一実施態様に従って、ゲルは、個々の粒子の統合ネットワークであるセラミック粉末材料で形成することができる。
【0013】
混合物101は、特定含有量の固体材料、例えばセラミック粉末材料を含むよう形成することができる。例えば、一実施態様において混合物101は、混合物101の総重量に対して、約25質量%以上、例えば約35質量%以上、または約42質量%以上の固形分を含むことができる。しかしながら、少なくとも1つの限定されない実施態様において、混合物101の固形分は、約75質量%以下、例えば約70質量%以下、約65質量%以下、または約55質量%以下であり得る。混合物101における固体材料の含有量は、上述した任意の最小の割合から最大の割合の範囲内にあり得ることが理解されよう。
【0014】
1つの実施態様によるセラミック粉末材料は、酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、酸炭化物、酸窒化物およびそれらの化合物を含むことができる。具体的な例として、セラミック材料はアルミナを含むことができる。より具体的には、セラミック材料はベーマイト材料を含んでいてよく、ベーマイト材料はαアルミナの前駆体であってよい。「ベーマイト」という用語は、概して本明細書では、通常はAl2O・3H2Oであり、含水量が約15%である鉱物ベーマイトの他に、含水量が15%超、例えば20〜38質量%である擬ベーマイトを含むアルミナ水和物を示すために用いる。ベーマイト(擬ベーマイトを含む)は、特有かつ同定可能な結晶構造を有し、したがって独特のX線回折パターンを有し、そのため、ベーマイト粒子材料の製造のために本明細書で使用される一般的な前駆体材料であるATH(三水酸化アルミニウム)などのその他のアルミナ水和物を含むその他のアルミニウム材料と区別されることが知られている。
【0015】
さらに、混合物101は、特定含有量の液体材料を含むよう形成することができる。適切な液体の一部は、有機材料、例えば水などであってよい。1つの実施態様に従って、混合物101は、混合物101の固形分より少ない液体含有量を有するよう形成することができる。より具体的な例において、混合物101は、混合物101の総重量に対して、約25質量%以上の液体含有量を有することができる。他の実例では、混合物101の液体量はそれより多く、例えば約35質量%以上、約45質量%以上、約50質量%以上、または約58質量%以上であってよい。しかしながら、少なくとも1つの限定されない実施態様において、混合物の液体含有量は約75質量%以下、例えば約70質量%以下、約65質量%以下、約60質量%以下、または約55質量%以下であり得る。混合物101における液体含有量は、上述した任意の最小の割合から最大の割合の範囲内にあり得ることが理解されよう。
【0016】
さらに、本明細書に記載する実施態様による成形研磨粒子の処理および形成を促すために、混合物101は特定の貯蔵弾性率を有することができる。例えば、混合物101は、約1×10
4Pa以上、例えば約4×10
4Pa以上、または約5×10
4Pa以上の貯蔵弾性率を有することができる。しかしながら、少なくとも1つの限定されない実施態様において、混合物101は、約1×10
7Pa以下、例えば約1×10
6Pa以下の貯蔵弾性率を有していてよい。混合物101の貯蔵弾性率は、上述した任意の最小値から最大値の範囲内にあり得ることが理解されよう。貯蔵弾性率は、ペルチェプレート温度制御システムを備えたARESまたはAR−G2回転式レオメータを用いた平行平板システムで計測することができる。試験のために、混合物101は、互いに約8mm離して設置した2枚の平行平板の隙間に押し出すことができる。ゲルを隙間に押し出した後に、この隙間を形成している2枚の平行平板の距離を、混合物101が平行平板間の隙間を完全に埋めるまで、2mmに狭める。余分な混合物を拭き取った後、隙間を0.1mm狭め、試験を始める。試験は振動ひずみ掃引試験で、装置設定をひずみ範囲0.1%〜100%、6.28rad/s(1Hz)とし、25mmの平行平板を使用して、周波数1桁あたりの測定数10で実施する。試験終了後1時間以内に、隙間を再び0.1mm狭め、試験をくり返す。この試験を少なくとも6回くり返す。初回の試験は、2回目および3回目の試験と異なる場合がある。各試料につき、2回目および3回目の結果のみ報告するものとする。粘度は、貯蔵弾性率の値を6.28s−1で割って計算することができる。
【0017】
さらに、本明細書に記載する実施態様による成形研磨粒子の処理および形成を促すために、混合物101は特定の粘度を有することができる。例えば、混合物101は、約4×10
3Pa・s以上、約5×10
3Pa・s以上、約6×10
3Pa・s以上、約8×10
3Pa・s以上、約10×10
3Pa・s以上、約20×10
3Pa・s以上、約30×10
3Pa・s以上、約40×10
3Pa・s以上、約50×10
3Pa・s以上、約60×10
3Pa・s以上、または約65×10
3Pa・s以上の粘度を有することができる。少なくとも1つの限定されない実施態様において、混合物101は、約1×10
6Pa・s以下、約5×10
5Pa・s以下、約3×10
5Pa・s以下、または約2×10
5Pa・s以下の粘度を有していてよい。混合物101の粘度は、上述した任意の最小値から最大値の範囲内にあり得ることが理解されよう。粘度は、上述した貯蔵弾性率と同じ方法で測定することができる。
【0018】
加えて、混合物101は、本明細書に記載する実施態様による成形研磨粒子の処理および形成を促すために、特定含有量の有機材料、例えば、液体とは異なる可能性もある有機添加剤などを含むことができる。適切な有機添加剤の一部は、安定剤、結合剤、例えばフルクトース、スクロース、ラクトース、グルコース、紫外線硬化性樹脂などであってよい。
【0019】
特に、本明細書に記載する実施態様では、従来のテープ成形作業で使用されるスラリーとは異なる混合物101を利用してよい。例えば、混合物101中の有機材料、特に、上述した任意の有機添加剤の含有量は、混合物101中のその他の成分と比べて少ない量であってよい。少なくとも1つの実施態様において、混合物101は、混合物101の総重量に対して、約30質量%以下の有機材料を含むよう形成することができる。他の実例では、有機材料の量はそれより少なく、例えば約15質量%以下、約10質量%以下、または約5質量%以下であってよい。しかしながら、少なくとも1つの限定されない実施態様において、混合物101中の有機材料の量は、混合物101の総重量に対して、約0.5質量%以上であり得る。混合物101中の有機材料の量は、上述した任意の最小値から最大値の範囲内にあり得ることが理解されよう。
【0020】
加えて、混合物101は、本明細書に記載する実施態様による成形研磨粒子の処理および形成を促すために、液体とは異なる酸または塩基を特定含有量で含むよう形成することができる。適切な酸または塩基の一部は、硝酸、硫酸、クエン酸、塩素酸、酒石酸、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、クエン酸アンモニウムなどであり得る。1つの特定の実施態様による混合物101は、硝酸添加剤を用いて、約5未満、より具体的には、約2〜約4の範囲内のpHを有することができる。
【0021】
図1および2を参照すると、混合物101はダイ103の内部に供給し、ダイ103の一方の端に位置するダイ開口部105を通して押し出すように構成することができる。さらに図に示すように、押し出す工程には、混合物101にかける力180(または圧力)を含むことができ、ダイ開口部105を通して混合物101を押し出す工程を促す。一実施態様に従って、押し出し時に特定圧力を用いることができる。例えば、この圧力は、約10kPa以上、例えば約500kPa以上であり得る。しかしながら、少なくとも1つの限定されない実施態様において、押し出し時に用いられる圧力は約4MPa以下であり得る。混合物101を押し出すのに用いられる圧力は、上述した任意の最小値から最大値の範囲内にあり得ることが理解されよう。
【0022】
特定の実例において、混合物101は、スクリーン151のすぐ近くのダイ103の一方の端にあるダイ開口部105を通して押し出すことができる。一実施態様に従って、スクリーン151は、特定の速度で方向153に移動させ、適切な処理工程を促すことができる。特に、スクリーン151は、ダイ開口部105を含む塗布領域183を通して移動させ、前駆体成形研磨粒子の形成を促すことができる。スクリーン151は、約3cm/s以上の速度で塗布領域を通して移動させてよい。他の実施態様では、スクリーン151の移動速度はそれより速くてよく、例えば約4cm/s以上、約6cm/s以上、約8cm/s以上、または約10cm/s以上であってよい。しかしながら、少なくとも1つの限定されない実施態様において、スクリーン151は、約5m/s以下の速度、例えば約1m/s以下、または約0.5m/s以下の速度で方向153に移動させてよい。スクリーン151は、上述した任意の最小値から最大値の範囲内の速度で移動させてよいことが理解されよう。
【0023】
加えて、ベルト109は、特定の速度で方向116に移動させ、適切な処理工程を促すことができる。例えば、ベルト109は、約3cm/s以上の速度で移動させることができる。他の実施態様では、ベルト109の移動速度はそれより速くてよく、例えば約4cm/s以上、約6cm/s以上、約8cm/s以上、または約10cm/s以上であってよい。しかしながら、少なくとも1つの限定されない実施態様において、ベルト109は、約5m/s以下の速度、例えば約1m/s以下、または約0.5m/s以下の速度で方向116に移動させてよい。ベルト109は、上述した任意の最小値から最大値の範囲内の速度で移動させてよいことが理解されよう。
【0024】
特定の実施態様に従って、スクリーン151は、ベルト109の移動速度に対して特定の速度で移動させることができる。例えば、塗布領域183内で、スクリーン151はベルト109と実質的に同じ移動速度で移動させてよい。つまり、スクリーンとベルトとの移動速度の差は、スクリーン151の移動速度に基づいて、約5%以下、例えば約3%以下、または約1%以下であってよい。
【0025】
図に示すように、システム100は、ダイ103のダイ開口部105を含む塗布領域183を含むことができる。塗布領域183内で、混合物101はダイ103から直接スクリーン151上に押し出すことができる。より具体的には、混合物101の一部は、ダイ開口部105から押し出し、さらに、スクリーン151にある1つまたは複数の開口部を通して、その下に位置するベルト109の上に押し出すことができる。
【0026】
図5について簡単に説明すると、スクリーン151の一部を図示したものである。図に示すように、スクリーン151は開口部152を、より具体的には、複数の開口部152を備えることができる。開口部は、スクリーン151の厚みにわたって伸び、混合物101がこの開口部を通過してベルト109上に到達するよう促す。一実施態様に従って、開口部152は、スクリーンの長さ(l)と幅(w)によって定義される平面において二次元形状を有することができる。開口部152が二次元三角形を有するように図示されているものの、他の形状が検討される。例えば、開口部152は、多角形、楕円形、数字、ギリシャ文字、アルファベット文字、ロシア文字、多角形を組み合わせた複雑な形状、およびそれらの組み合わせなどの二次元形状を有することができる。特定の実例において、開口部152は、二次元の多角形、例えば三角形、長方形、四辺形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、およびそれらの組み合わせを有していてよい。さらに、スクリーン151は、複数の異なる二次元形状を有する開口部152の組み合わせを有するよう形成することができる。
【0027】
再び
図1を参照すると、混合物101をダイ開口部105に押し通し、混合物101の一部をスクリーン151の開口部152に押し通した後に、前駆体成形研磨粒子153を、スクリーン151の下に配置されたベルト109上に印刷することができる。特定の実施態様による前駆体成形研磨粒子153は、実質的に開口部152の形状を複製した形状を有することができる。
【0028】
混合物101をスクリーン151の開口部152に押し出した後、ベルト109およびスクリーン151は解放領域185に移動させることができ、ここでベルト109とスクリーン151とを分離して、前駆体成形研磨粒子の形成を促すことができる。一実施態様に従って、スクリーン151およびベルト109は、解放領域185内で特定の解放角度155で互いから分離させることができる。具体的な実施態様に従って、解放角度155は、スクリーン151の下面154とベルト109の上面156との間の角度であり得る。
【0029】
一実施態様に従って、解放角度155は、
スクリーン151とベルト109とを個別に制御して成形研磨粒子の適切な形成を促すことができる。例えば、一実施態様に従って、解放角度は約15度以上かつ約45度以下であり得る。より具体的な実例では、解放角度155は約18度以上、例えば約20度以上、約22度以上、約24度以上、または約26度以上であってよい。しかしながら、解放角度は、約42度以下、例えば約40度以下、約38度以下、または約36度以下であってよい。解放角度は、上述した任意の最小値から最大値の範囲内であり得ることが理解されよう。
【0030】
特に、混合物101は、開口部152内の混合物101の平均滞留時間が、約2分未満、約1分未満、約40秒未満、または約20秒未満であり得るように、速やかにスクリーン151から押し出すことができる。特定の限定されない実施態様において、混合物101は、印刷中は、スクリーン開口部152を通って移動する際に実質的に不変であり得るため、構成要素の量に変化が生じず、また、スクリーン151の開口部152内で感知され得る乾燥を生じることがない。
【0031】
図2は、一実施態様に従った
図1のシステムの一部の説明図である。図に示すように、システム200は、混合物101を収容する容器102を備えるダイ103を含むことができる。一実施態様に従って、処理中に混合物101を方向180の圧力下に置き、混合物101を、ダイ開口部105を通して方向191に押し出すのを促すことができる。一実施態様に従って、スクリーン151は、押し出し方向191に対し角度を付けた方向153に移動させることができる。図に示すように、スクリーン151の移動方向153と押し出し方向191との角度は、実質的に直角(90度)であり得る。しかしながら、他の実施態様において、この角度は、例えば鋭角または代替的に鈍角など、異なっていてもよい。
【0032】
さらに図に示すように、スクリーン151の下に位置するベルト109は、押し出し方向191に対して特定の方向116に移動させることができる。本明細書に記載する1つの実施態様によるベルト109は、スクリーン151に関して上述した任意の実施態様を含めて、移動方向116と押し出し方向191との間に角度を生じる方向に移動させることができる。
【0033】
さらに図に示すように、塗布領域183内での押し出し時に、スクリーン151は、ベルト109の一部と直接接触していることができる。さらに、塗布領域183内での押し出し時に、混合物101は、ダイ開口部105を通して押し出すことができ、また、刃107を用いてスクリーン151の開口部152に押し入れることができる。ダイ103は、ダイ103の本体と一体的に形成された刃107を有することができる。特定の実例において、刃107はダイ103上に位置し、ダイ開口部105からの押し出し時に混合物101と係合するよう促すことができる。1つの実施態様による刃107は、スクリーン151の上面158と係合するよう構成されるように配置することができる。それにより、押し出し時に、刃107を用いて、混合物101をスクリーン151の開口部152に押し入れることができる。
【0034】
特定の実例において、刃107はダイ103と一体的に作られていてよい。したがって、刃107はダイ103の材料と同じ材料でできていてよい。他の実施態様では、刃107は、ダイ103の材料とは異なる材料でできていてよい。
【0035】
一実施態様に従って、刃107は、刃107とスクリーン151との間の力の最初のバランスの保持を促すことができ、したがって、パラメータの適切な処理を促す。システム100内で力のバランスが保持されるように、刃107は使用時に摩滅するよう構成してよい。より具体的な例において、刃107は、刃107の表面の少なくとも一部が、スクリーン151と接しながら摩滅され得るように形成されている。
【0036】
刃は摩滅可能な表面、より具体的には、スクリーン151の上面158と接している表面を有していてよい。摩滅可能な材料、より具体的には、スクリーン151と接する摩滅可能な材料を含む刃107の使用により、処理中に刃107の適切な摩耗を促すことができる。刃107の適切な材料の一部はポリマー材料であり得る。より具体的には、このポリマー材料は、フッ素化ポリマー、例えばポリテトラフルオルエチレン(PTFE)であってよい。一実施態様に従って、刃107は基本的にPTFEで構成することができる。
【0037】
さらに図に示すように、刃107は特定の寸法で形成することができる。例えば、刃107は、約0.5mm以上、例えば約1mm以上、または約2mm以上の高さであり得る。
【0038】
さらに、刃107は特定の接触面176を有するように形成してよい。接触面176は、スクリーン141に接することによって平らに摩滅した刃107の領域であってよく、また、実質的に平面輪郭を有することができる。加えて、接触面176は、本明細書に記載する実施態様による成形研磨粒子の処理および形成を促す特定の寸法を有していてよい。例えば、接触面176は、約0.01mm以上、例えば約0.05mm以上、約0.08mm以上、約0.1mm以上、約0.4mm以上、約0.8mm以上、または約1mm以上の幅178を有することができる。しかしながら、刃107の接触面176の幅178は、約20mm以下、例えば約10mm以下、または約3mm以下であってよい。接触面176の幅178は、上述した任意の最小値から最大値の範囲内であり得ることが理解されよう。
【0039】
さらに図に示すように、混合物101は、ダイ開口部105を通して押し出すことができ、また、刃107を用いてスクリーン151の開口部152に押し入れることができる。スクリーン151を塗布領域に移動させるとき、スクリーン151の開口部152は、実質的に開放されており、未充填であってよい。しかしながら、スクリーン151がダイ開口部105および刃107の下を通過した後に、開口部152が混合物101で充填されていることができる。理解されるように、スクリーン151をベルト109から分離する際、開口部152内の混合物101は、ベルト109上に保持され、その結果、前駆体成形研磨粒子を形成することができる。
【0040】
図3は、一実施態様に従った成形研磨粒子を形成するためのシステムの説明図である。図に示すように、システムは、ダイ103を含む塗布領域183を含むことができ、ここで混合物101をスクリーン151およびベルト109に塗布することができる。さらに図に示すように、システム300は、解放領域185内に位置する方向調整器186を含むことができる。方向調整器186は、ベルト109の表面に接するよう構成することができ、スクリーン151に対するベルト109の位置を変更することができる。いくつかの実例において、方向調整器186は、ベルト109の上面156と接することができる。1つの実施態様による方向調整器186は、解放領域185内で少なくとも第1の位置と第2の位置の間で作動させ、かつ移動させることができる。特に、方向調整器186は、使用者が作動させてよい。代替的に、方向調整器186は、コンピュータ制御し、ユーザパラメータに応じてベルト109の進路を調節するよう設定してよい。
【0041】
一実施態様に従って、方向調整器186は多様な方向に、例えば横の方向188に、縦の方向187に、およびそれらの組み合わせで移動させることができる。方向調整器186は、さまざまな位置に移動させ、ベルト109の進路を調節することができる。ベルトの進路を調節することにより、スクリーン151とベルト109との間の解放角度155の変更を促すことができる。さらに、方向調整器186は、少なくとも第1の位置と第2の位置の間を移動させることで、解放半径を変更することができる。解放半径は、解放領域185内のベルト109の曲率によって定義することができる。解放半径については、本明細書でさらに詳しく説明する。
【0042】
さらに図に示すように、システム300は、塗布領域183内に位置する台137を含むことができる。図に示すように、ベルト109は、塗布領域183内で台137の上を伸びていることができ、より具体的には、塗布領域183内で台137の表面138と直接接していてよい。一実施態様に従って、台137は移動可能で、システム300の処理条件の変更、とりわけ、スクリーン151とベルト109との間の関係の変更を促すことができる。1つの実施態様による台137は、使用者が移動させることができ、または代替的に、コンピュータ制御し、ユーザパラメータに応じて移動させることができる。
【0043】
一実施態様に従って、台137は、少なくとも第1の位置と第2の位置の間で移動可能であることができる。例えば、台137は、横の方向145、縦の方向144、およびそれらの組み合わせで移動させることができる。したがって、いくつかの実例では、台137を移動させて、塗布領域183内でベルト109の垂直位置を変更することができる。代替的に、台137を、第1の位置と第2の位置の間で移動させ、塗布領域183内でベルト109の水平位置の変更を促すこともできる。したがって、台137を作動させ、スクリーン151とベルト109との間の解放角度155の制御と変更を促すことができる。代替的に、またさらに、台137を移動させて、ベルト109の解放半径の変更を促してもよい。
【0044】
図4は、一実施態様に従った成形研磨粒子を形成するためのシステムの一部の説明図である。図に示すように、システムは、スクリーン151、およびスクリーン151の下に位置するベルト109を含むことができる。さらに図に示すように、ベルト109は、解放領域185内でスクリーン151から解放され、スクリーン151内の開口部152からの前駆体成形研磨粒子123の解放、および結果として得られる成形研磨粒子の適切な成形を促すことができる。特定の実施態様において、ベルト109は、特定の半径403でスクリーン151から分離させることができ、半径403は、点401と点402との間のベルトの弧で測定されるベルト109の曲率の半径を定義する。点401および点402は、ベルトが線形経路上を伸び、曲率403の半径を定義しなくなる点を定義することが理解されよう。一実施態様に従って、解放領域内のベルト109は、約6インチ以下である解放半径403を有することができる。他の実施態様では、解放半径403はそれよりも小さくてよく、例えば約5.8インチ以下、約5.4インチ以下、約4.8インチ以下、約4.4インチ以下、約4インチ以下、約3.8インチ以下、約3.4インチ以下、約3インチ以下、約2.8インチ以下、または約2.4インチ以下であってよい。しかしながら、少なくとも1つの限定されない実施態様において、ベルト109は、0.2インチ以上、例えば約0.5インチ以上、約0.8インチ以上、または約1インチ以上である解放半径403を有することができる。ベルト109の解放半径403は、上述した任意の最小値から最大値の範囲内であり得ることが理解されよう。
【0045】
理解されるように、スクリーン151とベルト109とを互いから解放した後に、前駆体成形研磨粒子123は、さらなる処理のために、ベルト109に沿って移動させることができる。さらなる処理は、成形、ドーパント材料の塗布、乾燥、焼結などであり得ることが理解されよう。実際に、前駆体成形研磨粒子123は成形領域を通して移動させてよく、そこで粒子の少なくとも1つの外面を成形してよい。成形は、1つまたは複数の工程、例えばエンボス加工、圧延、切削、彫刻、パターニング、伸張、ねじり、およびそれらの組み合わせによる、前駆体成形研磨粒子123の外形の変更を含むことができる。1つの特定の実施態様において、成形工程は、粒子の外面にテクスチャを設けるために、前駆体成形研磨粒子123の外面に対する特定のテクスチャを備える成形構造との接触工程を含むことができる。成形構造は、例えば表面に多様な特徴を有するローラなど、多様な形態をとり得ることが理解されよう。
【0046】
加えて、前駆体成形研磨粒子123は、塗布領域131を通して移動させてよく、そこでドーパント材料を、粒子の少なくとも1つの外面に塗布することができる。塗布領域131内で、ドーパント材料を、多様な方法、例えば噴霧、浸漬、被覆、含浸、転写、押し抜き、切削、プレス、破砕、およびそれらの任意の組み合わせを利用して塗布してよい。特定の実例において、塗布領域では、ドーパント材料を前駆体成形研磨粒子123に噴霧する噴霧ノズルまたは噴霧ノズルの組み合わせを利用してよい。
【0047】
一実施態様に従って、ドーパント材料の塗布工程は、塩などの特定材料の塗布を含むことができ、この塩は、最終的に形成される成形研磨粒子に組み込まれるドーパント材料を含む前駆体塩材料であり得る。例えば金属塩は、ドーパント材料である元素または化合物を含むことができる。塩材料は液状、例えば塩と液体担体から成る分散であってよいことが理解されよう。塩は窒素を含んでいてよく、より具体的には、硝酸塩を含むことができる。1つの実施態様において、塩は金属硝酸塩を含むことができ、より具体的には、基本的に金属硝酸塩から成ることができる。
【0048】
1つの実施態様において、ドーパント材料は、元素または化合物、例えばアルカリ元素、アルカリ土類元素、希土類元素、ハフニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、バナジウム、またはそれらの化合物を含むことができる。1つの特定の実施態様において、ドーパント材料は、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セシウム、プラセオジム、ニオブ、ハフニウム、ジルコン、タンタラ、モリブデン、バナジウム、クロム、コバルト、鉄、ゲルマニウム、マンガン、ニッケル、チタン、亜鉛などの元素およびそれらの化合物などの元素または化合物を含む。
【0049】
またさらに、前駆体成形研磨粒子123は、成形後領域125を通してベルト109上を移動させることができる。成形後領域125では、多様な工程、例えば加熱、硬化、振動、含浸、ドーピング、およびそれらの組み合わせを実施してよい。1つの実施態様では、成形後領域125は加熱工程を含み、前駆体成形研磨粒子123を乾燥させることができる。乾燥工程は、水などの揮発性物質を含む、特定含有量の材料の除去を含んでいてよい。一実施態様に従って、乾燥工程は、約300℃以下、例えば約280℃以下、または約250℃以下の乾燥温度で実施することができる。しかしながら、1つの限定されない実施態様では、乾燥工程は、約50℃以上の乾燥温度で実施してよい。乾燥温度は、上述した任意の最小値から最大値の範囲内であってよいことが理解されよう。
【0050】
成形後領域125を通して前駆体成形研磨粒子123を移動させた後に、粒子は、ベルト109から取り除くことができる。前駆体成形研磨粒子123は、さらなる処理のために、箱127に回収してよい。
【0051】
一実施態様に従って、成形研磨粒子を形成する工程はさらに焼結工程を含んでいてよい。いくつかの工程において、焼結は、前駆体成形研磨粒子123をベルト109から回収した後に実施することができる。代替的に、焼結工程は、前駆体成形研磨粒子123がベルト上にあるときに実施することができる工程であってよい。前駆体成形研磨粒子123の焼結工程を利用して、一般に未焼結状態である粒子を圧縮してもよい。特定の実例において、焼結工程はセラミック材料の高温相の形成を促すことができる。例えば1つの実施態様において、前駆体成形研磨粒子123は、αアルミナなどのアルミナの高温相が形成されるように焼結してよい。1つの実例において、成形研磨粒子は、粒子の総重量に対して、約90質量%以上のαアルミナを含むことができる。他の実例において、αアルミナの含有量は、成形研磨粒子が基本的にαアルミナから成るように、より多くてもよい。
【0052】
さらに、洗浄などの追加工程をスクリーン上で行い、定期的に行うくり返しの処理を促すことができる。例えば、洗浄工程は、混合物の押し出し工程後にスクリーン上で、より具体的には、解放領域185を通してスクリーン151を移動させた後に、スクリーン151の開口部152の洗浄工程を実施してよい。
【0053】
加えて、ベルト109はさらなる工程を実施し、処理の効率性を促すことができる。例えば、ベルト109に、混合物の押し出し工程後に、より具体的には、解放領域185を通してベルト109を移動させた後に、乾燥工程を実施してよい。加えて、ベルト109は、洗浄することで、連続使用できる状態にすることができる。一実施態様に従って、ベルト109は、押し出し工程後に、より具体的には、解放領域185内でスクリーン151から分離させた後に洗浄工程を実施してよい。特に、ベルト109の洗浄工程は、前駆体成形研磨粒子123を解放し、ベルト109から取り除いた後に実施することができる。
【0054】
本明細書に記載する実施態様の成形研磨粒子は、本体の長さによって測定される、特定の大きさを有することができる。例えば、成形研磨粒子は約5mm以下の平均粒径を有していてよい。代替的に、平均粒径はそれより小さく、例えば約4mm以下、約3mm以下、約2mm、または約1.5mm以下であってよい。さらに別の態様では、成形研磨粒子の平均粒径は、約10μm以上、約100μm以上、約200μm以上、約400μm以上、約600μm以上、または約800μm以上であり得る。成形研磨粒子の平均粒径は、任意の上述の最小値から最大値の範囲内であり得ることが理解されよう。
【0055】
本明細書に記載する実施態様の成形研磨粒子は、特にαアルミナ粒について、特定の大きさを有することができる。例えば、成形研磨粒子は、約500μm以下、例えば約250μm以下、または約100μm以下、約50μm以下、約20μm以下、または約1μm以下の平均粒径を有していてよい。別の態様では、平均粒径は、少なくとも約0.01μm、例えば約0.05μm以上、約0.08μm以上、または約0.1μm以上であり得る。成形研磨粒子の平均粒径は、任意の上述の最小値から最大値の範囲内であり得ることが理解されよう。
【0056】
本明細書に記載する実施態様の成形研磨粒子はドーパント材料を含んでいてよく、このドーパント材料は、元素または化合物、例えばアルカリ元素、アルカリ土類元素、希土類元素、ハフニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、バナジウム、またはそれらの化合物を含むことができる。1つの特定の実施態様では、ドーパント材料は、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セシウム、プラセオジム、ニオブ、ハフニウム、ジルコン、タンタラ、モリブデン、バナジウムなどの元素、およびそれらの化合物などの元素または化合物を含む。
【0057】
いくつかの実例では、成形研磨粒子は特定含有量のドーパント材料を有するよう形成することができる。例えば、成形研磨粒子の本体は、本体の総重量に対して約12質量%以下を含んでいてよい。他の実例では、ドーパント材料の量はそれより少なく、例えば本体の総重量に対して約11質量%以下、約10質量%以下、約9質量%以下、約8質量%以下、約7質量%以下、約6質量%以下、または約5質量%以下であり得る。少なくとも1つの限定されない実施態様において、ドーパント材料の量は、本体の総重量に対して約0.5質量%以上、例えば約1質量%以上、約1.3質量%以上、約1.8質量%以上、約2質量%以上、約2.3質量%以上、約2.8質量%以上、または約3質量%以上であり得る。成形研磨粒子の本体内のドーパント材料の量は、上述した任意の最小の割合から最大の割合の範囲内であり得ることが理解されよう。
【0058】
図6Aは、一実施態様に従った成形研磨粒子の斜視説明図である。本明細書に記載する実施態様の成形研磨粒子は、成形研磨粒子の任意の辺の最長寸法であり得る長さ(l)、成形研磨粒子の中点を通る成形研磨粒子の最長寸法として定義される幅(w)、および長さと幅に対して垂直な方向に伸びる成形研磨粒子の最短寸法として定義される厚さ(t)によって定義される本体を有することができる。いくつかの実例において、長さは幅より長いか、または幅と等しい可能性がある。さらに、幅は厚さより長いか、または厚さと等しい可能性がある。
【0059】
加えて、成形研磨粒子の本体は、特定の二次元形状を有することができる。例えば本体は、多角形、楕円形、数字、ギリシャ語のアルファベット文字、ラテン語のアルファベット文字、ロシア語のアルファベット文字、多角形を組み合わせた複雑な形状、およびそれらの組み合わせを有する、長さと幅によって定義される平面において二次元形状を有することができる。特定の多角形は、三角形、長方形、四辺形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、およびそれらの組み合わせを有している。
【0060】
図6Aは、一実施態様に従った成形研磨粒子の斜視説明図である。図に示すように、成形研磨粒子は、角が取られた三角形を有することができる。具体的には、成形研磨粒子の本体601は、長さ(l)、本体601の中点602を通って伸びる幅(w)、および厚さ(t)を有することができる。一実施態様に従って、本体601は、長さ:幅の比として定義される第1のアスペクト比を有することができる。いくつかの実例では、本体601の第1のアスペクト比は、約1.2:1以上、例えば約1.5:1以上、約2:1以上、約3:1以上、または約4:1以上であり得る。しかしながら、第1のアスペクト比は約100:1以下であってよい。本体601の第1のアスペクト比は、上述した任意の最小比から最大比の範囲内であってよいことが理解されよう。
【0061】
さらに、本体601は、長さ:厚さの比として定義される第2のアスペクト比を有することができる。いくつかの実例では、本体601の第2のアスペクト比は、約1.2:1以上、例えば約1.5:1以上、約2:1以上、約3:1以上、約4:1以上、約5:1以上、または約10:1以上であってよい。しかしながら、少なくとも1つの限定されない実施態様において、本体601は、約100:1以下である第2のアスペクト比を有することができる。第2のアスペクト比は、上述した任意の最小比から最大比の範囲内であってよいことが理解されよう。
【0062】
さらに、本明細書に記載する実施態様の成形研磨粒子は、幅:厚さの比として定義される第3のアスペクト比を有することができる。いくつかの実例では、本体601の第3のアスペクト比は、約1.2:1以上、例えば約1.5:1以上、約2:1以上、約3:1以上、約4:1以上、約5:1以上、または約10:1以上であってよい。しかしながら、少なくとも1つの限定されない実施態様において、本体601は、約100:1以下である第3のアスペクト比を有することができる。第3のアスペクト比は、上述した任意の最小比から最大比の範囲内であってよいことが理解されよう。
【0063】
図6Bは、一実施態様に従って形成される成形研磨粒子の斜視説明図である。特に、本体605は概して四辺形を有することができる。しかしながら、1つの特定の実施態様では、本体605は角が取られた四辺形であってよく、より具体的には、角が取られた平行四辺形または台形であってよい。具体的には、成形研磨粒子の本体605は、長さ(l)、本体605の中点606を通って伸びる幅(w)および厚さ(t)を有することができる。本体605は、本明細書の実施態様に記載する任意の成形研磨粒子の任意の特徴を備えていることができる。
【0064】
図6Cは、一実施態様に従って形成される成形研磨粒子の斜視説明図である。特に、本体607は概して多角形を有すること、より具体的には、長さ(l)と幅(w)によって定義される平面において二次元三角形を有することができる。具体的には、成形研磨粒子の本体607は、長さ(l)、本体607の中点608を通って伸びる幅(w)および厚さ(t)を有することができる。本体607は、本明細書の実施態様に記載する任意の成形研磨粒子の任意の特徴を備えていることができる。
【0065】
図7は、一実施態様に従った研磨粒子材料を組み込んだ研磨布紙品の断面説明図である。図に示すように、研磨布紙700は、基材701、および基材701の表面を覆うメークコート703を含むことができる。研磨布紙700は、研磨粒子材料706をさらに含むことができる。研磨粒子材料706は、成形研磨粒子705を含む第1の種類の粒子と、希釈研磨粒子の形態をとる研磨粒子材料707の第2の種類とを含むことができる。希釈研磨粒子は不規則な形状を有していることができ、また、必ずしも成形研磨粒子でなくてよい。研磨布紙700は、研磨粒子材料705、706、707、およびメークコート704を覆い、かつこれらに結合しているサイズコート704をさらに含んでいてよい。
【0066】
1つの実施態様による基材701は、有機材料、無機材料、およびそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実例では、基材701は織布材料を含むことができる。しかしながら、基材701は不織布材料で作られていてもよい。特に適切な基材は、ポリマーなどの有機材料、特に、ポリエステル、ポリウレタン、ポリプロピレン、デュポン社のカプトンなどのようなポリイミド、紙を含むことができる。適切な無機材料の一部は、金属、金属合金、特に銅箔、アルミニウム、鋼、およびそれらの組み合わせなどであってよい。
【0067】
メークコート703は、単一の工程で基材701の表面に塗布することができるか、または代替的に、研磨粒子材料705、706、707をメークコート703材料と混合し、基材701の表面に混合物として塗布することができる。メークコート703の適切な材料は、有機材料、特にポリマー材料、例えばポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリシロキサン、シリコーン、酢酸セルロース、ニトロセルロース、天然ゴム、デンプン、セラック、およびそれらの混合物などを含むことができる。1つの実施態様では、メークコート703はポリエステル樹脂を含むことができる。その後で塗布基材は、樹脂および研磨粒子材料を硬化させるために加熱することができる。一般に塗布基材701は、この硬化工程中に約100℃〜約250℃未満の温度で加熱することができる。
【0068】
研磨粒子材料706は、本明細書に記載する実施態様による成形研磨粒子を含むことができる。特定の実例において、研磨粒子材料706は、さまざまな種類の成形研磨粒子を含んでいてよい。さまざまな種類の成形研磨粒子は、本明細書の実施態様に記載する組成、二次元形状、三次元形状、大きさ、およびその組み合わせにおいて互いに異なっていてよい。図に示すように、研磨布紙700は、概して二次元三角形を有する成形研磨粒子705を含むことができる。
【0069】
他の種類の研磨粒子707は、成形研磨粒子705と異なる希釈粒子であり得る。例えば希釈粒子は、二次元形状、三次元形状、大きさ、およびその組み合わせにおいて成形研磨粒子705と異なっていてよい。例えば、研磨粒子707は、不規則な形状を有する、従来の粉砕された研磨グリットであり得る。研磨粒子707は、成形研磨粒子705の平均粒径より小さい平均粒径を有していてよい。
【0070】
研磨粒子材料706を用いてメークコート703を十分に形成した後に、サイズコート704を形成して、研磨粒子材料706を覆い、これを適当な位置で結合させることができる。サイズコート704は有機材料を含むことができ、基本的にポリマー材料でできていてよく、また特に、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリシロキサン、シリコーン、酢酸セルロース、ニトロセルロース、天然ゴム、デンプン、セラック、およびそれらの混合物を用いることができる。
【0071】
図8は、一実施態様に従った研磨粒子材料を組み込んだ固定砥粒品の説明図である。図に示すように、固定砥粒800は、結合材801、結合材に含まれた研磨粒子材料802、および結合材801内の気孔808を含むことができる。特定の実例において、結合材801は、有機材料、無機材料、およびそれらの組み合わせを含むことができる。適切な有機材料は、ポリマー、例えばエポキシ、樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミド、およびそれらの化合物を含むことができる。いくつかの適切な無機材料は、金属、金属合金、ガラス相材料、結晶相材料、セラミックス、およびそれらの組み合わせなどであってよい。
【0072】
一部の実例では、固定砥粒800の研磨粒子材料802は、成形研磨粒子803を含むことができる。特定の実例において、成形研磨粒子803は、さまざまな種類の粒子であってよく、このさまざまな種類の粒子は、本明細書の実施態様に記載する組成、二次元形状、三次元形状、大きさ、およびその組み合わせにおいて互いに異なっていてよい。代替的に、固定砥粒は単一の種類の成形研磨粒子を有していてもよい。
【0073】
固定砥粒800は、希釈粒子である1種類の研磨粒子材料807を含むことができ、この希釈粒子は、組成、二次元形状、三次元形状、大きさ、およびその組み合わせにおいて成形研磨粒子803と異なっていてよい。
【0074】
固定砥粒800の気孔808は、開放気孔、閉鎖気孔、およびそれらの組み合わせであり得る。気孔808は、固定砥粒800の本体の総容積に基づいて、過半量(容量%)で存在してよい。代替的に、気孔808は、固定砥粒800の本体の総容積に基づいて、少ない量(容量%)で存在することができる。結合材801は、固定砥粒800の本体の総容積に基づいて、過半量(容量%)で存在してよい。代替的に、結合材801は、固定砥粒800の本体の総容積に基づいて、少ない量(容量%)で存在することができる。加えて、研磨粒子材料802は、固定砥粒800の本体の総容積に基づいて、過半量(容量%)で存在してよい。代替的に、研磨粒子材料802は、固定砥粒800の本体の総容積に基づいて、少ない量(容量%)で存在することができる。
【実施例】
【0075】
実施例1
前駆体成形研磨粒子の第1のサンプル(CS1)は、以下に詳しく述べるスクリーン印刷工程を用いて形成する。ゲルの形態である混合物は、最初にSasol社の種晶のないDisperalとして市販されているベーマイト35〜40質量%を用いて作る。混合物は、水、硝酸、および有機材料も含む。混合物は、8〜10psiの圧力下でダイ開口部を通して、さらに、長さ2〜2.5mmの一辺を有する等辺三角形の開口部を有するスクリーンを通して押し出す。開口部は約0.8mmの深さを有する。スクリーンおよびベルトは約10cm/sの速度で移動させる。特に、解放領域内では、ベルトは約8インチの解放半径を示す。この工程によって形成される前駆体成形研磨粒子を
図9Aおよび9Bに示す。
【0076】
実施例2
前駆体成形研磨粒子の第2のサンプル(S1)は、本明細書に記載する一実施態様によるスクリーン印刷工程により形成する。特に、サンプルS1を生産する工程は、ベルト解放半径を約1.7インチに縮小する以外は実施例1と同じである。サンプルS1の前駆体(すなわち、非加熱処理の)成形研磨粒子を
図10Aおよび10Bに示す。前駆体成形研磨粒子のサンプルCS1とS1とを比較すると、実施例2(S1)の工程によって形成された粒子の方が、側壁の傾斜が小さく、スクリーン開口部に残存する混合物が少ないこと、また、S1の粒子は、サンプルCS1の粒子より高い「形状の正確性」を示したことが明らかである。「形状の正確性」という用語は、開口部の形状に対する前駆体成形研磨粒子の形状における複製の精度の判断である。
【0077】
本出願は、最先端技術とは一線を画している。当業界では、成形研磨粒子が、鋳造およびスクリーン印刷などの工程によって形成することができると理解されているものの、本明細書に記載する実施態様の工程は、そうした工程とは異なる。特に、本明細書に記載する実施態様は、特定の特徴を有する大量の成形研磨粒子の形成を容易にする工程特徴の組み合わせを含む。加えて、本明細書に記載する実施態様の成形研磨粒子は、他の粒子とは異なる特徴の特定の組み合わせを有することができ、その例にアスペクト比、組成、添加物、二次元形状、三次元形状、およびそれらの組み合わせがあるが、これらに限定されない。また、実際に、そのような組成は、固定砥粒または研磨布紙などの固定した研磨材に関連して研削性能の改善を促すことができる。
【0078】
以上に開示した内容は、例示的であり、かつ非制限的であるとみなされるべきものであり、また、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の範囲にあるあらゆる修正、拡大、およびその他の実施態様を包含することが意図される。したがって、法律によって認められる最大限の範囲まで、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらに相当するものの許容されるもっとも広い解釈によって定義されるべきであり、また、前述の詳細な説明によって制限または限定されるものではない。
【0079】
本開示の要約書は、特許法に従って提供されるものであり、特許請求の範囲または意図を解釈または限定するために用いるものではないという理解のもとで提出されている。また、上述の「発明を実施するための形態」において、本開示を簡素化する目的で、単一の実施態様に多様な特徴をまとめ、説明している場合がある。本開示は、請求対象の実施態様は各請求項で明示的に列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるものではない。むしろ、以下の請求項に示すように、発明の主題は、開示された任意の実施態様のすべての特徴よりも少ない特徴を備えるといえる。したがって、以下の請求項は「発明を実施するための形態」に組み込まれ、各請求項は個別に請求される限定的な主題としてそれ自体に基づく。