(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5847360
(24)【登録日】2015年12月4日
(45)【発行日】2016年1月20日
(54)【発明の名称】凝縮した霜から発生させた氷晶を分布させる圧力差を用いた凍結乾燥サイクルの凍結ステップにおける制御された核形成
(51)【国際特許分類】
F26B 5/06 20060101AFI20151224BHJP
【FI】
F26B5/06
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-526536(P2015-526536)
(86)(22)【出願日】2013年6月18日
(65)【公表番号】特表2015-530555(P2015-530555A)
(43)【公表日】2015年10月15日
(86)【国際出願番号】US2013046252
(87)【国際公開番号】WO2014028119
(87)【国際公開日】20140220
【審査請求日】2015年3月12日
(31)【優先権主張番号】13/572,978
(32)【優先日】2012年8月13日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513273225
【氏名又は名称】ミルロック テクノロジー,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MILLROCK TECHNOLOGY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】リング,ウェイジア
【審査官】
礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/034980(WO,A1)
【文献】
特表2009−526199(JP,A)
【文献】
特開平09−329380(JP,A)
【文献】
実開平05−040775(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 1/00 − 25/22
F25C 1/00 − 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結乾燥機内における生成物の核形成を制御および増進する方法であって、
上記凍結乾燥機の生成チャンバー内において、上記生成物を所定の温度および圧力に維持する工程と、
上記生成チャンバーから隔てられ、かつ、上記生成チャンバーに蒸気ポートを介して接続された凝縮チャンバーの内面に、所定の体積の凝縮した霜を生じさせる工程と、
上記凝縮した霜を砕いて氷晶にする気体の乱流を生じさせ、かつ、上記生成チャンバーの異なる領域に均一かつ急速な上記生成物の核形成を生じさせるために、上記蒸気ポートを上記生成チャンバーに対して開放する工程と、
を含んでおり、
上記凝縮チャンバーは、上記生成チャンバーの圧力より高い所定の圧力を有しており、
上記氷晶は、上記生成チャンバーへ急速に突入し、当該生成チャンバー内に均一に分布することを特徴とする方法。
【請求項2】
上記蒸気ポートは、上記生成チャンバーと上記凝縮チャンバーとの間の蒸気の流れを開閉するために、上記生成チャンバーと上記凝縮チャンバーとの間に遮断バルブを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記遮断バルブが開いている場合に、上記生成チャンバー内および上記凝縮チャンバー内の上記圧力を選択的に減圧するために、真空ポンプが上記凝縮チャンバーに接続されていることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記蒸気ポートが上記生成チャンバーに対して開放されている場合に、
上記生成チャンバー内の圧力は、50Torr程度であり、
上記凝縮チャンバーの圧力は、大気圧程度であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
上記蒸気ポートが上記生成チャンバーに対して開放されている場合に、
上記生成物の温度は、−0.5℃程度であり、
上記凝縮チャンバーの温度は0℃以下であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
所定の湿気を含んだ充填気体は、上記凝縮した霜を生成するために上記凝縮チャンバーに導入されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
上記凝縮チャンバーは、リリースバルブを有し、
上記リリースバルブは、上記所定の湿気を含んだ充填気体を上記凝縮チャンバーに導入させ、上記凝縮した霜を形成するために開放されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
上記充填気体は、濾過された周囲の大気であり、湿気を体積比で50−80%程度含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
上記充填気体は、湿気を加えられた窒素またはアルゴンであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
上記凝縮チャンバーの上記内面は、複数の内壁により規定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
上記内壁は、上記内面のサイズを最大にするために、コイル型であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の背景〕
1.発明の分野
本発明は、凍結乾燥サイクルの凍結ステップにおける核形成の制御方法に関する。より具体的には、所定の核形成温度において、凍結乾燥装置内の全ての薬瓶に自発的な核形成を開始させるために、氷霧を分布させる圧力差を用いる方法に関する。
【0002】
2.背景技術の説明
真空凍結乾燥プロセスまたは凍結乾燥プロセスの凍結段階で、一般にはランダムな核形成プロセスを制御することが、当該技術で強く求められる。当該制御の目的は、凍結乾燥の完了に要する処理時間を減少させること、および薬瓶毎の最終生成物の均一性を向上させることである。
【0003】
典型的な薬品の凍結乾燥プロセスでは、共通の水溶液が入った複数の薬瓶が、棚の上に載置され、一般に制御された冷却速度で、低温に冷却される。それぞれの薬瓶内の水溶液は、当該溶液の熱力学上の凝固点以下に冷却され、核形成が起こるまで過冷却された準安定な液体状態に保たれる。
【0004】
薬瓶ごとの核形成温度の範囲は、熱力学上の凝固点の近傍と、熱力学上の凝固点からある程度有意に(例えば約30℃まで)低い温度との間でランダムに分布している。この核形成温度の分布が、薬瓶間の氷晶構造のばらつきを引き起こし、最終的には凍結真空乾燥された生成物の物理的特性のばらつきを引き起こす。
【0005】
さらに、凍結乾燥プロセスの乾燥段階は、通常の確率の核形成現象によって生成される氷晶のサイズおよび構造の範囲を調節するために、過剰に長い時間を要しなければならない。
【0006】
核形成は、物質の微小領域における相転移の始まりである。例えば、相転移は、液体からの結晶の形成であってよい。溶液の凍結としばしば関連する結晶化のプロセス(すなわち、溶液からの固体結晶の形成)は、結晶の成長に先立つ核形成事象により開始する。
【0007】
氷晶は、それ自体が過冷却された水溶液に氷を形成する核形成剤として作用することができる。公知の「氷霧」法では、小さい氷粒子の蒸気の浮遊物を生成するために、高湿度の凍結乾燥機が低温の気体によって満たされる。当該氷粒子は、薬瓶内へ移動し、液体表面に接触して核形成を開始させる。
【0008】
従来用いられてきた「氷霧」法は、制御された時間および温度において、複数の薬瓶の核形成が同時に起こるように制御していない。言い換えれば、核形成事象は、凍結乾燥機内に低温の蒸気を導入する時に、全ての薬瓶において同時に、または瞬間的に発生するわけではない。
【0009】
氷晶は、それぞれの薬瓶内を進み、核形成を開始させるために、ある程度の時間を要する。そして、移動時間は、凍結乾燥機内での薬瓶の場所によって異なる。
【0010】
大規模な工業用の凍結乾燥機では、「氷霧」法を実施するために、システム設計の変更が必要になる場合がある。凍結乾燥機全体における「氷霧」がより均一に分布させるために、内部に対流装置が設けられる必要があり得るためである。凍結乾燥機の棚が、継続的に冷却される場合、最初の薬瓶が凍結してから最後の薬瓶が凍結するまでの時間差により、薬瓶ごとに温度差が生じる。当該温度差は、凍結乾燥された生成物の薬瓶ごとの不均一さを増大させる。
【0011】
従って、凍結乾燥装置内の全ての薬瓶の水溶液を、より高速かつ均一に凍結させる方法が要求される。本発明の方法は、この要求を満たす。
【0012】
〔発明の簡単な概要〕
本発明の新規かつ改善された方法では、生成チャンバー内に低温の気体(例えば液体窒素によって−196℃に冷却された気体)が導入されても、氷霧が形成されない。
【0013】
従来技術である公知の方法では、氷霧は、生成チャンバー内の湿度を利用して、小さい氷の粒子の浮遊物を生成する。これらの公知の方法では、核形成に要する時間の増大、凍結乾燥装置の異なる薬瓶での生成物の均一性の低減、および窒素気体冷却装置を必要とすることによるコストの増大および複雑化がもたらされた。
【0014】
係属中の特許出願13/097,219(2012年4月29日出願)に開示された、同出願人の関連する発明は、生成チャンバーと凝縮チャンバーとの圧力差を利用している。これにより、氷の核形成種を瞬間的に分布させて、凍結乾燥機の生成チャンバーにおいて制御された氷の核形成を開始させている。
【0015】
低温の凝縮器に湿気を注入することにより、核形成種は、凝縮チャンバー内に発生する。真空を開放し、凝縮器に入り込む空気に湿気を注入することにより、湿気注入される。注入された湿気は、凝縮チャンバー内で凍結して、浮遊する微細な氷晶(氷霧)となる。
【0016】
凝縮器の圧力は、大気圧に近い。一方、生成チャンバーの圧力は、減圧されている。チャンバー間の遮断バルブを開くと、凝縮器内の核形成種は、数秒以内に生成チャンバーに注入される。核形成種は、過冷却された生成物に均一に分布し、制御された氷の核形成を開始させる。
【0017】
遮断バルブを開いた時に、圧力の急激な変化が、凝縮チャンバー内に強い気体の乱流を生じさせることは、すでに明らかである。この乱流は、凝縮面上に緩やかに凝縮した霜を払いのけ、当該霜を砕いてより大きい氷晶にすることができる。より大きい氷晶は、凝縮面から剥離し、生成チャンバーへ突入するガス流と混合する。氷晶のサイズをより大きくすることにより、当該氷晶が生成チャンバーにより長時間残るため、核形成プロセスを一層有効にすることができる。
【0018】
より大きい氷晶は、均一な核形成の範囲(consistent nucleation coverage)を実現し、および制御された核形成の性能を著しく改善する助けとなる。特に、生成チャンバーのガス流が(側板等によって)制限されている場合、または、蒸気ポートが棚のスタックの下方もしくは上方に配置されている場合には、当該氷晶が大きな助けとなる。
【0019】
これまで、気体状態で浮遊する氷霧の体積は、凝縮器の体積によって制限されていた。凝縮面上に高密度の霜を付加することにより、凝縮器の物理的な体積は、もはや制限するものとはならない。所望の密度のより大きい氷晶を実現するために、霜の厚さは、核形成時に生成チャンバー内において容易に制御できる。
【0020】
凝縮した霜による方法は、任意の凝縮面において機能する。加えて、凝縮器内での気体の速度を増大させるため、凝縮チャンバーのサイズは、縮小されてもよい。
【0021】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、本発明の方法を実行する装置の1つの実施形態を示す概略図である。
【0022】
図2は、本発明の方法を実行する装置の第2実施形態であって、当該装置が内部に凝縮器を備えた凍結乾燥機に接続されている状態を示す概略図である。
【0023】
図3は、本発明の方法を実行する装置の第2実施形態であって、当該装置が外部に凝縮器を備えた凍結乾燥機に接続されている状態を示す概略図である。
【0024】
〔発明の詳細な説明〕
図1に示すように、本発明の方法を実行するための装置10は、凍結乾燥機12を備えている。凍結乾燥機12は、凍結乾燥される生成物の薬瓶を支持するための、1つ以上の棚14を有する。凝縮チャンバー16は、蒸気ポート18を介して凍結乾燥機12に接続されている。蒸気ポート18は、凝縮チャンバー16と凍結乾燥機12との間に、任意の好適な構成の遮断バルブ20を有する。遮断バルブ20は、両側の真空をシールする構成であることが好ましい。
【0025】
真空ポンプ22は、凝縮チャンバー16に接続されている。真空ポンプ22と凝縮チャンバー16との間には、任意の好適な構成のバルブ21が備えられている。凝縮チャンバー16は、任意の好適な構成のリリースバルブ24を有する。凍結乾燥機12は、任意の好適な構成の制御バルブ25およびリリースバルブ26を有する。
【0026】
図示した例では、本発明の方法による装置10の動作は以下の通りである。
【0027】
1.核形成のために、生成物を過冷却するのに十分な、水の凝固点以下のあらかじめ選択した温度(例えば−5℃)に、棚14を冷却する。
【0028】
2.全ての生成物の検出温度が、棚の温度に非常に近い温度(例えば0.5℃以内)になるまで、棚の温度を維持する。
【0029】
3.全ての薬瓶(図示せず)の温度がより均一になるように、さらに10〜20分維持する。
【0030】
4.遮断バルブ20を開いた状態で、バルブ21を開き、真空ポンプ22を駆動させる。真空ポンプ22により、凍結乾燥機12内のチャンバー13、および凝縮チャンバー16の圧力が減圧される。減圧された圧力(例えば50Torr)は、生成物の温度における水の蒸気圧よりも高圧に維持され、気泡の形成が防止される。
【0031】
5.生成チャンバー13と凝縮チャンバー16との間の遮断バルブ20を閉じ、バルブ21を閉じる。
【0032】
6.凝縮器の温度が最低値(通常−53℃から−85℃)であることを確認する。
【0033】
7.リリースバルブ24を開き、凝縮チャンバー16に、湿気を含んだ充填気体を、所定の圧力になるまでゆっくりと満たす。そうすることで、所望の厚さの凝縮した霜が、凝縮チャンバーの内面に形成される。
【0034】
a.凝縮チャンバーに充填される、実際の気体の種類および湿気は、凝縮した霜を発生させるのに十分な湿気を含むように、当業者の知識の範囲内で、ユーザーの選択によって適宜変更してもよい。図示した例では、凝縮チャンバー16に充填される当該気体および湿気は、十分な量の湿気を含ませた窒素またはアルゴンであってもよい。
【0035】
8.凝縮チャンバー16のリリースバルブ24を閉じる。
【0036】
9.生成チャンバー13(低圧状態)と凝縮チャンバー16(より高圧の状態で、内面に凝縮した霜を有する)との間の遮断バルブ20を開く。
【0037】
a.圧力の急激な変化により、気体の強い乱流が凝縮チャンバー内に発生する。当該乱流は、凝縮チャンバーの内面に緩やかに凝縮した霜を払いのけ、当該霜を砕いて、比較的大きな氷晶にする。当該氷晶が、ガス流と混合し、生成チャンバーへ突入することで、生成チャンバーでの核形成プロセスの有効性を増大させる。氷晶は、生成チャンバー13へ急速に注入され、チャンバー全体および全ての薬瓶の中に均一に分布する。氷晶は、過冷却された溶液中で自身が成長するための核形成の場所としての役割を担う。氷晶が均一に分布した状態とすることにより、全ての薬瓶において短時間での核形成が生じる。全ての薬瓶の核形成プロセスは、上部から始まって下降し、数秒以内に完了する。
【0038】
図2は、内部に凝縮器104を有する凍結乾燥機102に接続された、小型凝縮器100を示す。凝縮器104は、凝縮した霜を生成するようには構成されておらず、追加の種チャンバーおよびそれに関連するハードウェアを追加する必要がある。凍結乾燥機102は、凍結乾燥された生成物を支持する棚108を有する生成チャンバー106を内部に備える。
【0039】
小型凝縮器100は、霜が凝縮する面を規定する1つまたは複数の冷却面112を有する核形成シーディングジェネレーションチャンバー110を備える。小型凝縮器100の核形成シーディングジェネレーションチャンバー110内において、霜が凝縮された面の面積を大きくするために、冷却面112は、コイル、板、壁、または、任意の好適な形状であってもよい。
【0040】
湿気注入ノズル114は、核形成シーディングジェネレーションチャンバー110の中へ延伸している。また、湿気注入ノズル114には、湿気注入バルブ116が設けられている。フィルター120を有する気体供給ライン118は、真空開放バルブ122を介して核形成シーディングジェネレーションチャンバー110に接続されている。小型凝縮器100の核形成シーディングジェネレーションチャンバー110は、核形成バルブ124を介して凍結乾燥機102に接続されている。
【0041】
動作中には、核形成シーディングジェネレーションチャンバー110への気体および湿気の流れが、同心円状の壁112の壁面に凝縮した霜を発生させる。小型凝縮器100内の圧力は、凍結乾燥機102の圧力より高いので、核形成バルブ124が開くと、強い気体の乱流が核形成シーディングジェネレーションチャンバー110内に生じる。これにより壁112の壁面上に緩やかに凝縮した霜を除去し、当該霜を砕いて氷晶にすることができる。当該氷晶は、気体の流れと混合し、生成チャンバーへ突入することで、生成チャンバーでの核形成プロセスの有効性を増大させる。
【0042】
図3は、外部に凝縮器204を有する凍結乾燥機202に接続された、小型凝縮器200を示す。小型凝縮器200の構成および動作は、
図2に示した小型凝縮器100のそれと同じである。
【0043】
この核形成の方法は、外部から制御可能な凝縮した霜を事前に形成することを、急激な圧力差により氷晶を分布させる方法と組み合わせた点において独特である。これにより、当該方法が用いられるシステムのサイズに無関係に、数分ではなく数秒という時間によって、大きな氷晶に起因する急速な核形成を発生されることができる。当該方法は、ユーザーに核形成の温度および時間の正確な制御をもたらし、さらに以下の長所を有する。
【0044】
1.外部の凝縮チャンバーにおいて凝縮した霜を事前に形成することにより、氷晶の形成をより容易に制御可能となる。
【0045】
2.圧力差の比もまた、全ての薬瓶間での数秒以内での氷晶の均一な分布を最適化するために制御できる。
【0046】
3.実際の核形成に先立ち、局所的な、または一括製造工程での生成物の温度変化が生じないため、核形成を正確に制御できる。
【0047】
4.生成チャンバーは、氷晶の導入後であっても負圧に保たれる。正圧が生じる危険性はない。
【0048】
5.この方法は、システムを一切変更することなく、外部に凝縮器および遮断バルブを有する任意のサイズの凍結乾燥機に用いることができる。他の方法は、大規模な変更またはコストを要する。
【0049】
6.この方法は、薬品の製造環境へ適用される場合、シールされた無菌状態での動作モードを保証できる。
【0050】
7.均一な核形成の方法を凍結乾燥に適用することにより、全ての薬瓶ごとに、均一な結晶構造を有し、かつ、広範囲に亘って整然とした結晶が得られるという利点がある。それゆえ、最初の乾燥プロセスを短縮できる。
【0051】
8.凝縮チャンバーの内面に凝縮した霜を形成することで、高密度に凝縮した面の領域を有する、より小さい凝縮チャンバーを、任意の凍結乾燥機に対して使用および追加できるようになった。凝縮した霜は、浮遊する氷霧に比べて、必要とする体積が小さい。
【0052】
9.浮遊する氷霧の気体状態(核形成の開始の直前に発生させなければならない)と比較して、凝縮した霜は、より安定しており、より長期間貯蔵でき、必要に応じて使うことができる。
【0053】
10.霜を形成する環境は、凝縮チャンバーの高い圧力(例えば500Torr)、体積が大きくかつ低速なガス流、およびより暖かい凝縮面の温度(例えば0℃以下)を用いて、慎重に制御できる。これにより、圧力を開放した時の気体の乱流によって砕かれて氷晶となる、緩やかに凝縮した霜を発生させることができる。
【0054】
11.凝縮した霜から生じたより大きい氷晶は、気体状態の氷霧より高密度であり、核形成プロセスの促進のために生成チャンバーへ導入される時に、気体状態の氷霧より長時間に亘って凍結した状態を留める。
【0055】
12.外部に凝縮器を有しない、または既存の凝縮器が凝縮した霜を製造できない、あるいは既存の凝縮器を無菌状態にできないシステムに、より小型の凝縮器を追加することができる。
【0056】
上記の記載から、本発明の新規な方法では、凍結乾燥機の生成チャンバーの外部にある凝縮チャンバーによって凝縮した霜を生成した後、気体の乱流により、氷晶を生成チャンバー(凝縮チャンバーよりかなり低圧)へ急速に導入することが容易に理解される。この方法によれば、凍結乾燥機の異なる薬瓶において、急速かつ均一な生成物の核形成が得られる。
【0057】
本発明については、現時点で最も実用的で好ましいと考えられる実施形態に関して記載した。しかし、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、逆に、添付された特許請求の範囲に含まれる技術的思想の範囲内で、様々な変更および置換を包含することを意図していると了解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】本発明の方法を実行する装置の1つの実施形態を示す概略図である。
【
図2】本発明の方法を実行する装置の第2実施形態であって、当該装置が内部に凝縮器を備える凍結乾燥機に接続されている状態を示す概略図である。
【
図3】本発明の方法を実行する装置の第2実施形態であって、当該装置が外部に凝縮器を備える凍結乾燥機に接続されている状態を示す概略図である。