特許第5847802号(P5847802)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5847802スパークプラグ絶縁体のためのアルミナセラミック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5847802
(24)【登録日】2015年12月4日
(45)【発行日】2016年1月27日
(54)【発明の名称】スパークプラグ絶縁体のためのアルミナセラミック
(51)【国際特許分類】
   H01T 13/38 20060101AFI20160107BHJP
   H01B 3/12 20060101ALI20160107BHJP
【FI】
   H01T13/38
   H01B3/12 337
【請求項の数】21
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-506296(P2013-506296)
(86)(22)【出願日】2011年4月21日
(65)【公表番号】特表2013-529355(P2013-529355A)
(43)【公表日】2013年7月18日
(86)【国際出願番号】US2011033374
(87)【国際公開番号】WO2011133741
(87)【国際公開日】20111027
【審査請求日】2014年4月3日
(31)【優先権主張番号】12/869,259
(32)【優先日】2010年8月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/327,201
(32)【優先日】2010年4月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506146389
【氏名又は名称】フェデラル−モーグル・イグニション・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL−MOGUL IGNITION COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー,ウィリアム・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】サッコキア,マイケル・イー
【審査官】 佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−335360(JP,A)
【文献】 特開2003−112963(JP,A)
【文献】 特表2007−510617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01T 7/00−23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパークプラグの絶縁体のためのセラミック材料であって、前記セラミック材料の重量パーセント(重量%)で、
98.00重量%から99.50重量%の量の酸化アルミニウム(Al23を備え、前記Al23は、1.2μmから1.8μmのD50体積平均粒子径および2.5μmから6.0μmのD90体積粒子径を有する粒子から形成され、さらに
0.16重量%から0.70重量%の量の二族アルカリ土類金属の少なくとも1つの酸化物(二族酸化物)を備え前記二族酸化物は、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、および酸化ラジウム(RaO)からなる群から選択され、さらに
0.01重量%から0.16重量%の量の四族遷移金属の少なくとも1つの酸化物(四族酸化物)を備え、前記四族酸化物は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、および酸化ラザホジウム(RfO2)からなる群から選択され、さらに
0.25重量%から0.75重量%の量の二酸化ケイ素(SiO2)を備える、セラミック材料。
【請求項2】
前記Al23は、2.0m2/gから5.0m2/gの比表面積を有する粒子から形成される、請求項1に記載のセラミック材料。
【請求項3】
0.01重量%から0.15重量%の量のMgOを含む、請求項に記載のセラミック材料。
【請求項4】
0.15重量%から0.55重量%の量のCaOを含む、請求項に記載のセラミック材料。
【請求項5】
0.07重量%から0.10重量%の量のZrO2およびTiO2を含む、請求項に記載のセラミック材料。
【請求項6】
0.01重量%から0.15重量%の量のZrO2を含む、請求項に記載のセラミック材料。
【請求項7】
0.01重量%までの量のTiO2を含む、請求項に記載のセラミック材料。
【請求項8】
0.0060重量%未満の量の一族アルカリ金属の少なくとも1つの酸化物(一族酸化物)を含み、前記一族酸化物は、酸化カリウム(K2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化リチウム(Li2O)、酸化ルビジウム(Rb2O)、酸化セシウム(Cs2O)、および酸化フランシウム(Fr2O)からなる群から選択される、請求項1に記載のセラミック材料。
【請求項9】
0.0060重量%未満の量のK2OおよびNa2Oを含む、請求項に記載のセラミック材料。
【請求項10】
0.50重量%から2.0重量%の量のガラス相を含む、請求項1に記載のセラミック材料。
【請求項11】
前記ガラス相は、前記Al23、前記二族酸化物、および前記SiO2の少なくとも一部を含む、請求項1に記載のセラミック材料。
【請求項12】
前記ガラス相は、前記ガラス相の重量パーセントで、5.0重量%から50.0重量%の量の前記Al23、27.0重量%から50.0重量%の量の前記SiO2を含み、前記二族酸化物は、15.0重量%から24.0重量%の量のCaOおよび0.5重量%から7.7重量%の量のMgOを含む、請求項1に記載のセラミック材料。
【請求項13】
前記Al23、前記二族酸化物、および前記SiO2の少なくとも一部を備える二次結晶を含む、請求項1に記載のセラミック材料。
【請求項14】
前記二次結晶は、ヘキサアルミン酸カルシウム(CaAl1219)スピネル(MgAl24)、灰長石(CaAl2Si28)、およびムライト(Al6Si213)のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載のセラミック材料。
【請求項15】
98.85重量%の量の前記Al23、0.46重量%の量の前記二族酸化物、および0.60重量%の量の前記SiO2を含む、請求項1に記載のセラミック材料。
【請求項16】
前記二族酸化物はCaOおよびMgOを含み、前記セラミック材料は、98.85重量%の量の前記Al23、0.39重量%の量の前記CaO、0.073重量%の量の前記MgO、0.60重量%の量の前記SiO2、0.004重量%の量のTiO2、0.08重量%の量のZrO2、0.003重量%の量のK2O、0.0007重量%の量のNa2O、および0.0027重量%の量のP25を含む、請求項1に記載のセラミック材料。
【請求項17】
前記二族酸化物はCaOおよびMgOを含み、前記セラミック材料は、98.80重量%の量の前記Al23、0.46重量%の量の前記CaO、0.037重量%の量の前記MgO、0.62重量%の量の前記SiO2、0.005重量%の量のTiO2、0.08重量%の量のZrO2、0.004重量%の量のK2O、0.0008重量%の量のNa2O、および0.0031重量%の量のP25を含む、請求項1に記載のセラミック材料。
【請求項18】
スパークプラグのためのセラミック材料から形成される絶縁体であって、前記セラミック材料の重量パーセント(重量%)で、
98.00重量%から99.50重量%の量の酸化アルミニウム(Al23を備え、前記Al23は、1.2μmから1.8μmのD50体積平均粒子径および2.5μmから6.0μmのD90体積粒子径を有する粒子から形成され、さらに
0.16重量%から0.70重量%の量の二族アルカリ土類金属の少なくとも1つの酸化物(二族酸化物)を備え前記二族酸化物は、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、および酸化ラジウム(RaO)からなる群から選択され、さらに
0.01重量%から0.16重量%の量の四族遷移金属の少なくとも1つの酸化物(四族酸化物)を備え、前記四族酸化物は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、および酸化ラザホジウム(RfO2)からなる群から選択され、さらに
0.25重量%から0.75重量%の量の二酸化ケイ素(SiO2)を備える、絶縁体。
【請求項19】
セラミック材料から形成される絶縁体を含むスパークプラグであって、前記セラミック材料の重量パーセント(重量%)で、
98.00重量%から99.50重量%の量の酸化アルミニウム(Al23を備え、前記Al23は、1.2μmから1.8μmのD50体積平均粒子径および2.5μmから6.0μmのD90体積粒子径を有する粒子から形成され、さらに
0.16重量%から0.70重量%の量の二族アルカリ土類金属の少なくとも1つの酸化物(二族酸化物)を備え前記二族酸化物は、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、および酸化ラジウム(RaO)からなる群から選択され、さらに
0.01重量%から0.16重量%の量の四族遷移金属の少なくとも1つの酸化物(四族酸化物)を備え、前記四族酸化物は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、および酸化ラザホジウム(RfO2)からなる群から選択され、さらに
0.25重量%から0.75重量%の量の二酸化ケイ素(SiO2)を備える、スパークプラグ。
【請求項20】
スパークプラグの絶縁体のためのセラミック材料を作製する方法であって、
セラミック材料の重量パーセント重量%で、98.00重量%から99.50重量%の量の、1.2μmから1.8μmのD50体積平均粒子径および2.5μmから6.0μmのD90体積粒子径を有する酸化アルミニウム(Al23)と、0.16重量%から0.70重量%の量の二族アルカリ土類金属の少なくとも1つの酸化物(二族酸化物)であって、二族酸化物は、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、および酸化ラジウム(RaO)からなる群から選択される二族酸化物と、0.01重量%から0.16重量%の量の四族遷移金属の少なくとも1つの酸化物(四族酸化物)であって、前記四族酸化物は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、および酸化ラザホジウム(RfO2)からなる群から選択される四族酸化物と、0.25重量%から0.75重量%の量の二酸化ケイ素(SiO2)とを含むセラミック粒子を設けるステップと、
セラミック粒子を押し固めるステップと、
セラミック粒子を焼結するステップとを備える、方法。
【請求項21】
セラミック材料から形成される絶縁体を含むスパークプラグを作製する方法であって、
セラミック材料の重量パーセント重量%で、98.00重量%から99.50重量%の量の、1.2μmから1.8μmのD50体積平均粒子径および2.5μmから6.0μmのD90体積粒子径を有する酸化アルミニウム(Al23)と、0.16重量%から0.70重量%の量の二族アルカリ土類金属の少なくとも1つの酸化物(二族酸化物)であって、二族酸化物は、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、および酸化ラジウム(RaO)からなる群から選択される二族酸化物と、0.01重量%から0.16重量%の量の四族遷移金属の少なくとも1つの酸化物(四族酸化物)であって、前記四族酸化物は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、および酸化ラザホジウム(RfO2)からなる群から選択される四族酸化物と、0.25重量%から0.75重量%の量の二酸化ケイ素(SiO2)とを含むセラミック粒子を設けるステップと、
セラミック粒子を押し固めるステップと、
セラミック粒子を焼結するステップと、
セラミック粒子を予め定められた形状に成形するステップとを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2006年12月18日に出願された米国出願連続番号第11/611,946号および2010年4月23日に出願された米国仮出願連続番号第61/327,201号の優先権を主張する一部継続出願であり、その全体がここに引用により援用される。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
この発明は一般的にセラミック材料に関し、より特定的にはスパークプラグの絶縁体のためのセラミック材料に関する。
【背景技術】
【0003】
2.先行技術の説明
スパークプラグは典型的に、内燃機関の燃焼室の中に延在し、発火端とそれに取付けられたフック型の接地電極とを有する円筒形金属シェルを含む。円筒形絶縁体は一部が金属シェル内に配設され、発火端に向けておよび末端にも向けて金属シェルを越えて軸方向に延在する。発火端において、円筒形中心電極が絶縁体内に配設され、接地電極に向けて絶縁体から軸方向に突出し、電極同士の間に火花ギャップが規定される。
【0004】
動作の際、スパークプラグを通して中心電極に点火電圧パルスが印加され、これにより火花が中心電極と接地電極との間の火花ギャップを飛び越える。火花は燃焼室内の混合気に点火して高温燃焼を生じさせ、エンジンにパワーを与える。セラミック絶縁体を用いて電極での高電圧を絶縁し、中心電極の先端で火花が起こるがスパークプラグ上の他のどこでも起こらないようにすることを確実にする。絶縁体は約1000℃までの温度で厳しい条件に晒されるため、典型的に、十分な熱伝導率および絶縁体力を与えるようにセラミック材料から形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、燃焼機関がより複雑になり、高温で動作し、かつ火花が火花ギャップを飛び越えるのにより高い電圧が必要になるにつれて、セラミック絶縁体に対する性能の要求が増す。さらに、製造者は、スパークプラグ絶縁体のサイズおよびコストを最小限に保ちつつスパークプラグ絶縁体の耐用年数を長くすることを望む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
発明の1つの局面はスパークプラグの絶縁体のためのセラミック材料を提供し、セラミック材料は、セラミック材料の重量パーセント(重量%)で、98.00重量%から99.50重量%の量の酸化アルミニウム(Al23)と、0.16重量%から0.70重量%の量の二族アルカリ土類金属の少なくとも1つの酸化物(二族酸化物)と、0.01重量%から0.16重量%の量の四族遷移金属の少なくとも1つの酸化物(四族酸化物)と、0.25重量%から0.75重量%の量の二酸化ケイ素(SiO2)とを備える。二族酸化物は、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、および酸化ラジウム(RaO)からなる群から選択される。四族酸化物は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、および酸化ラザホジウム(RfO2)からなる群から選択される。セラミックを調製するのに用いられるAl23粉末は、1.2μmから1.8μmのD50体積平均粒子径および2.5μmから6.0μmのD90体積粒子径を有する。
【0007】
セラミック材料の成分の重量%は、セラミック材料の合計量に対する成分の濃度として定義される。Al23、二族酸化物、四族酸化物、およびSiO2の存在および量は、セラミック材料を焼結した後にX線蛍光(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)によって測定される。Al23の粒子径分布は、セラミック材料を押し固めて焼結する前にBeckman-Coulter LS-230レーザ散乱機器を用いて測定される。平均粒子径は粒子径分布から定められる。D50体積平均粒子径は粒子の球相当径であり、粒子の50.0%がより大きな相当径を有し、それ以外の50.0%がより小さな相当径を有する。平均粒子径は粒子径分布から定められる。D50体積平均粒子径は粒子の球相当径であり、粒子の50.0%がより大きな相当径を有し、それ以外の50.0%がより小さな相当径を有する。D90体積粒子径は粒子の球相当径であり、粒子の90.0%がD90相当径よりも小さな粒子径を有する。
【0008】
発明の別の局面は、スパークプラグのためのセラミック材料から形成される絶縁体であって、セラミック材料の重量%で、98.00重量%から99.50重量%の量のAl23と、0.16重量%から0.70重量%の量の少なくとも1つの二族酸化物と、0.01重量%から0.16重量%の量の少なくとも1つの四族酸化物と、0.25重量%から0.75重量%の量のSiO2とを備える、絶縁体を提供する。二族酸化物は、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、および酸化ラジウム(RaO)からなる群から選択される。四族酸化物は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、および酸化ラザホジウム(RfO2)からなる群から選択される。Al23は、1.2μmから1.8μmのD50体積平均粒子径および2.5μmから6.0μmのD90体積粒子径を有する。
【0009】
発明の別の局面は、セラミック材料から形成される絶縁体を含むスパークプラグであって、セラミック材料の重量%で、98.00重量%から99.50重量%の量のAl23と、0.16重量%から0.70重量%の量の少なくとも1つの二族酸化物と、0.01重量%から0.16重量%の量の少なくとも1つの四族酸化物と、0.25重量%から0.75重量%の量のSiO2とを備える、スパークプラグを提供する。二族酸化物は、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、および酸化ラジウム(RaO)からなる群から選択される。四族酸化物は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、および酸化ラザホジウム(RfO2)からなる群から選択される。Al23は、1.2μmから1.8μmのD50体積平均粒子径および2.5μmから6.0μmのD90体積粒子径を有する。
【0010】
発明のまた別の局面は、スパークプラグの絶縁体のためのセラミック材料を作製する方法を提供し、方法は、セラミック材料の重量%で、98.00重量%から99.50重量%の量の、D50体積平均粒子径が1.2μmから1.8μmでありD90体積粒子径が2.5μmから6.0μmのAl23と、0.16重量%から0.70重量%の量の少なくとも1つの二族酸化物であって、二族酸化物は、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、および酸化ラジウム(RaO)からなる群から選択される二族酸化物と、0.01重量%から0.16重量%の量の少なくとも1つの四族酸化物であって、四族酸化物は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、および酸化ラザホジウム(RfO2)からなる群から選択される四族酸化物と、0.25重量%から0.75重量%の量のSiO2とを備えるセラミック粒子を設けるステップと、セラミック粒子を押し固めるステップと、セラミック粒子を焼結するステップとを備える。
【0011】
発明の別の局面は、スパークプラグのためのセラミック材料から形成される絶縁体を作製する方法を提供し、方法は、セラミック材料の重量%で、98.00重量%から99.50重量%の量の、D50体積平均粒子径が1.2μmから1.8μmでありD90体積粒子径が2.5μmから6.0μmのAl23と、0.16重量%から0.70重量%の量の少なくとも1つの二族酸化物であって、二族酸化物は、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、および酸化ラジウム(RaO)からなる群から選択される二族酸化物と、0.01重量%から0.16重量%の量の少なくとも1つの四族酸化物であって、四族酸化物は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、および酸化ラザホジウム(RfO2)からなる群から選択される四族酸化物と、0.25重量%から0.75重量%の量のSiO2とを備えるセラミック粒子を設けるステップと、セラミック粒子を押し固めるステップと、セラミック粒子を焼結するステップと、セラミック粒子を予め定められた形状に成形するステップとを備える。
【0012】
スパークプラグ絶縁体のためのセラミック材料は、先行技術のセラミック絶縁体と比較して向上した熱伝導率および絶縁体力を与える。したがって、セラミック材料は、セラミック絶縁体のサイズまたはコストの大幅な増大なしに、より長い耐用年数と燃焼室の高温高電圧環境内での向上した性能とを与える。
【0013】
本発明の他の利点が容易に認められるであろう。というのも、添付の図面と関連して考慮すると、以下の詳細な説明を参照して本発明がよりよく理解されるからである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に従うセラミック絶縁体を有するスパークプラグの部分図である。
図2図2Aは、倍率200xでの発明のセラミック材料(08−B−10)の1つの実施形態の顕微鏡写真であり、図2Bは倍率1000xでの発明のセラミック材料(08−B−10)の1つの実施形態の顕微鏡写真である。
図3図3Aは、倍率200xでの先行技術のセラミック材料(09−B−23)の顕微鏡写真であり、図3Bは倍率500xでの先行技術のセラミック材料(09−B−23)の顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細な説明
図1を参照して、内燃機関中で混合気に点火するための代表的なスパークプラグ20を示す。スパークプラグ20は、セラミック材料の重量パーセント(重量%)で、98.00重量%から99.50重量%の量の酸化アルミニウム(Al23)と、0.16重量%から0.70重量%の量の二族アルカリ土類金属の少なくとも1つの酸化物(二族酸化物)と、0.25重量%から0.75重量%の量の二酸化ケイ素(SiO2)とを備えるセラミック材料から形成される絶縁体22を含む。Al23は、1.2ミクロン(μm)から1.8μmの体積平均粒子径(D50)を有する。セラミック材料は、Al23、少なくとも1つの二族酸化物、およびSiO2を含むセラミック粒子を設け、セラミック粒子を押し固め、セラミック粒子を焼結することによって作製される。
【0016】
セラミック材料の成分の重量%は、セラミック材料の合計量に対する成分の濃度として定義される。たとえば、セラミック材料が99.00重量%のAl23を含めば、合計セラミック材料の99.00%がAl23からなり、合計セラミック材料の残余の1.00%が他の化合物からなる。セラミック材料のAl23、二族酸化物、およびSiO2の存在および量は、セラミック材料を焼結した後にX線蛍光(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)によって測定される。Al23の粒子径分布は、セラミック材料を押し固めて焼結する前にBeckman-Coulter LS-230レーザ散乱機器を用いて測定される。平均粒子径は粒子径分布から定められる。
【0017】
代表的なスパークプラグ20アセンブリは、図1に示すように、金属シェル24と、絶縁体22と、中心電極26と、接地電極28とを含む。技術分野で一般的に公知のように、金属シェル24はその軸方向長さに沿って延在する中空ボアを有するほぼ円筒形の導電性構成要素である。そのボア内には、絶縁体22の直径方向に小さくなっていく断面を支持するようにサイズ決めされる一連の周方向肩部が存在する。金属シェル24のように、絶縁体22もほぼ円筒形状を有し、細長い軸方向ボアを含む。絶縁体22の下側軸方向端は、金属シェル24のいちばん下の部分からそれを越えて発火端36に向けて一般的に延在するノーズ部分を備える。絶縁体22の軸方向ボアは、一方端で末端電極30を受け、発火端36で中心電極26を受けるように設計される。中心配線アセンブリ32は末端電極30から中心電極26へ延在する。接地電極28は、機械的におよび電気的に金属シェル24の下側軸方向端に接続される。中心電極26の露出端と接地電極28の側面とは互いに対向し、これによりスパークプラグ20の発火端36で火花ギャップ34を規定する。図1に示されかつ本明細書中で説明されるスパークプラグ20は、多数の可能な実施形態のうちのただ1つの例示的な実施形態である。
【0018】
動作の際、末端電極30は、中心電極26の下側露出端に達するまで中心配線アセンブリ32に沿って移動する点火システム(図示せず)から高電圧点火パルスを受ける。パルスが火花ギャップ34を跨ぐのに十分なエネルギを有する場合、中心電極26と接地電極28との間に火花が形成され、これは次に金属シェル24を介してエンジンに接地される。火花はエンジン内の燃焼室に予め噴射された混合気に点火し、次にエンジンにパワーを与えるのに用いられる燃焼プロセスを開始させる。
【0019】
スパークプラグ20の絶縁体22は、セラミック材料の熱伝導率および絶縁体力に影響を及ぼすのに十分な量のAl23を備えるセラミック材料から形成される。セラミック材料は、セラミック材料の重量%で、98.00重量%から99.50重量%の量のAl23を含む。別の実施形態では、セラミック材料は、98.50重量%から99.30重量%の量のAl23を含む。また別の実施形態では、セラミック材料は、98.90重量%から99.10重量%の量のAl23を含む。以上述べたように、Al23の存在および量は、セラミック材料を焼結した後にX線蛍光(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)によって測定される。
【0020】
Al23は、セラミック材料の間隙率、密度、および絶縁体力に影響を及ぼすのに十分な粒子径を有するセラミック粒子の形態で設けられる。1つの実施形態では、Al23は、1.2μmから1.8μmのD50体積平均粒子径を有する。別の実施形態では、Al23は、1.3μmから1.7μmのD50体積平均粒子径を有する。また別の実施形態では、Al23は、1.4μmから1.6μmのD50体積平均粒子径を有する。D50平均粒子径は粒子の球相当径であり、粒子の50.0%はより大きな相当径を有し、それ以外の50.0%はより小さな相当径を有する。以上述べたように、粒子径分布は、セラミック粒子を押し固めて焼結する前にBeckman-Coulter LS-230レーザ散乱機器を用いて測定され、平均粒子径は粒子径分布から定められる。
【0021】
粒子径分布はD90粒子径としても記述することができる。1つの実施形態では、Al23は、2.5μmから6.0μmのD90体積粒子径を有する。別の実施形態では、Al23は、2.9μmから5.1μmのD90体積粒子径を有する。また別の実施形態では、Al23は、3.5μmから4.5μmのD90体積粒子径を有する。D90体積粒子径は粒子の球相当径であり、粒子の90.0%がD90相当径よりも小さな粒子径を有する。この粒子径分布測定も、セラミック粒子を押し固めて焼結する前にBeckman-Coulter LS-230レーザ散乱機器を用いて行なわれ、D90粒子径は粒子径分布から定められる。
【0022】
セラミックAl23粒子は、セラミック材料の間隙率、密度、および絶縁体力に影響を及ぼすのに十分な比表面積を有する。1つの実施形態では、Al23は2.0m2/gから5.0m2/gの比表面積を有する。別の実施形態では、Al23は2.5m2/gから4.5m2/gの比表面積を有する。また別の実施形態では、Al23は3.0m2/gから4.0m2/gの比表面積を有する。Al23粒子の比表面積は、Micromeritics Instrument Corporation Gemini II Model 2370を用いてBET法によって測定される。BET法は、分子の単一の層を形成するようにセラミック粒子の表面に吸収される窒素ガスの量を測定することによって比表面積を定めることに係る。Al23の比表面積はセラミック粒子を押し固めて焼結する前に測定される。
【0023】
セラミック絶縁体は、セラミック材料の熱伝導率および絶縁体力に影響を及ぼすのに十分な量の少なくとも1つの二族酸化物を含む。セラミック材料は、セラミック材料の重量%で、0.16重量%から0.70重量%の量の少なくとも1つの二族酸化物を含む。1つの実施形態では、セラミック材料は、0.33重量%から0.60重量%の量の少なくとも1つの二族酸化物を含む。また別の実施形態では、セラミック材料は、0.40重量%から0.53重量%の量の少なくとも1つの二族酸化物を含む。少なくとも1つの二族酸化物の重量%は、セラミック材料の合計量に対するセラミック材料の各々の二族酸化物の重量%の和に等しい。換言すると、少なくとも1つの二族酸化物の重量%は、セラミック材料の合計量に対する二族酸化物の濃度として定義される。二族酸化物の存在および量は、セラミック材料を焼結した後にX線蛍光(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)によって測定される。
【0024】
セラミック材料の二族酸化物は、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、および酸化ラジウム(RaO)を備える群のうち少なくとも1つを含む。1つの実施形態では、セラミック材料の二族酸化物は、0.16重量%から0.70重量%の量の酸化カルシウム(CaO)および酸化マグネシウム(MgO)を含む。
【0025】
1つの実施形態では、セラミック材料は、セラミック材料の重量%で、0.15重量%から0.55重量%の量のCaOを含む。別の実施形態では、セラミック材料は、0.30重量%から0.50重量%の量のCaOを含む。また別の実施形態では、セラミック材料は、0.35重量%から0.45重量%の量のCaOを含む。CaOの存在および量は、セラミック材料を焼結した後にX線蛍光(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)によって測定される。
【0026】
1つの実施形態では、セラミック材料は、セラミック材料の重量%で、0.01重量%から0.15重量%の量のMgOを含む。別の実施形態では、セラミック材料は、0.03重量%から0.10重量%の量のMgOを含む。また別の実施形態では、セラミック材料は、0.05重量%から0.08重量%の量のMgOを含む。MgOの存在および量は、セラミック材料を焼結した後にX線蛍光(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)によって測定される。
【0027】
セラミック材料は、セラミック材料の熱伝導率および絶縁体力に影響を及ぼすのに十分な量の二酸化ケイ素(SiO2)を含む。セラミック材料は、セラミック材料の重量%で、0.25重量%から0.75重量%の量のSiO2を含む。1つの実施形態では、セラミック材料は、0.50重量%から0.70重量%の量のSiO2を含む。また別の実施形態では、セラミック材料は、0.55重量%から0.65重量%の量のSiO2を含む。SiO2の存在および量は、セラミック材料を焼結した後にX線蛍光(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)によって測定される。
【0028】
1つの実施形態では、セラミック材料は、セラミック材料の熱伝導率および絶縁体力に影響を及ぼすのに十分な量の四族遷移金属の少なくとも1つの酸化物(四族酸化物)を含む。1つの実施形態では、セラミック材料は、セラミック材料の重量%で、0.01重量%から0.16重量%の量の少なくとも1つの四族酸化物を含む。別の実施形態では、セラミック材料は、0.04重量%から0.13重量%の量の少なくとも1つの四族酸化物を含む。また別の実施形態では、セラミック材料は、0.07重量%から0.10重量%の量の少なくとも1つの四族酸化物を含む。四族酸化物の存在および量は、セラミック材料を焼結した後にX線蛍光(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)によって測定される。
【0029】
セラミック材料の四族酸化物は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、および酸化ラザホジウム(RfO2)のうち少なくとも1つを含む。1つの実施形態では、四族酸化物は0.07重量%から0.10重量%の量のZrO2およびTiO2を含む。
【0030】
1つの実施形態では、セラミック材料は、セラミック材料の重量%で、0.01重量%から0.15重量%の量のZrO2を含む。別の実施形態では、セラミック材料は、0.04重量%から0.12重量%の量のZrO2を含む。また別の実施形態では、セラミック材料は、0.07重量%から0.09重量%の量のZrO2を含む。ZrO2の存在および量は、セラミック材料を焼結した後にX線蛍光(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)によって測定される。
【0031】
1つの実施形態では、セラミック材料は、セラミック材料の重量%で、0.01重量%までの量のTiO2を含む。別の実施形態では、セラミック材料は、0.006重量%までの量のTiO2を含む。また別の実施形態では、セラミック材料は、0.004重量%までの量のTiO2を含む。TiO2の存在および量は、セラミック材料を焼結した後にX線蛍光(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)によって測定される。
【0032】
1つの実施形態では、セラミック材料は、セラミック材料の熱伝導率および絶縁体力に影響を及ぼすのに十分な量の一族アルカリ金属の少なくとも1つの酸化物(一族酸化物)を含む。1つの実施形態では、セラミック材料は、セラミック材料の重量%で、0.0060重量%未満の量の少なくとも1つの一族酸化物を含む。別の実施形態では、セラミック材料は、0.0040重量%未満の量の少なくとも1つの一族酸化物を含む。また別の実施形態では、セラミック材料は、0.0020重量%未満の量の少なくとも1つの一族酸化物を含む。一族酸化物の存在および量は、セラミック材料を焼結した後にX線蛍光(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)によって測定される。
【0033】
セラミック材料の一族酸化物は、酸化カリウム(K2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化リチウム(Li2O)、酸化ルビジウム(Rb2O)、酸化セシウム(Cs2O)、および酸化フランシウム(Fr2O)のうち少なくとも1つを含む。1つの実施形態では、セラミック材料の一族酸化物は、0.0060重量%未満の量のK2OおよびNa2Oを含む。
【0034】
1つの実施形態では、セラミック材料は、少なくとも1つの二族酸化物、少なくとも1つの四族酸化物、および少なくとも1つの一族酸化物を含む。別の実施形態では、セラミック材料は、少なくとも1つの二族酸化物および少なくとも1つの四族酸化物を含む。また別の実施形態では、セラミック材料は、少なくとも1つの二族酸化物および少なくとも1つの一族酸化物を含む。
【0035】
1つの実施形態では、セラミック材料は、セラミック材料の重量%で、0.0050重量%未満の量のK2Oを含む。別の実施形態では、セラミック材料は、0.0030重量%未満の量のK2Oを含む。また別の実施形態では、セラミック材料は、0.0020重量%未満の量のK2Oを含む。K2Oの存在および量は、セラミック材料を焼結した後にX線蛍光(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)によって測定される。
【0036】
1つの実施形態では、セラミック材料は、セラミック材料の重量%で、0.0010重量%までの量のNa2Oを含む。別の実施形態では、セラミック材料は、0.0009重量%までの量のNa2Oを含む。また別の実施形態では、セラミック材料は、0.0007重量%までの量のNa2Oを含む。Na2Oの存在および量は、セラミック材料を焼結した後にX線蛍光(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)によって測定される。
【0037】
1つの実施形態では、セラミック材料は、セラミック材料の熱伝導率および絶縁体力に影響を及ぼすのに十分な量の五酸化リン(P25)を含む。1つの実施形態では、セラミック材料は、セラミック材料の重量%で、0.0040重量%未満の量のP25を含む。別の実施形態では、セラミック材料は、0.0010重量%から0.0035重量%の量のP25を含む。また別の実施形態では、セラミック材料は、0.0025重量%から0.0030重量%の量のP25を含む。P25の存在および量は、セラミック材料を焼結した後にX線蛍光(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)によって測定される。
【0038】
1つの実施形態では、セラミック材料は、セラミック材料の熱伝導率および絶縁体力に影響を及ぼすのに十分な量の酸化ホウ素(B23)を含む。1つの実施形態では、セラミック材料は、セラミック材料の重量%で、0.50重量%までの量のB23を含む。別の実施形態では、セラミック材料は、0.40重量%までの量のB23を含む。また別の実施形態では、セラミック材料は、0.30重量%までの量のB23を含む。B23の存在および量は、セラミック材料を焼結した後に誘導結合プラズマ(ICP)によって測定される。
【0039】
1つの実施形態では、セラミック材料は、セラミック材料の成分を互いに接着するのに十分な量の結合剤と混合される。結合剤は、各々の成分の重量%を定める際にはセラミック材料の組成に含まれない。結合剤は好ましくは、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)などの有機樹脂もしくはワックス、ワックス、またはワックス、水、および乳化剤を含む乳剤、またはこれらの有機樹脂およびワックスの混合物を含む。結合剤は、セラミック粉末の乾燥重量に基づく約1.5重量%から約2.5重量%の量で加えられる。典型的に、結合剤は焼結工程の間にきれいに燃え尽きて、焼結後のセラミック材料中には存在しない。
【0040】
1つの実施形態では、Al23、二族酸化物、およびSiO2の少なくとも一部は焼結の間に混合されてガラス相を形成する。焼結後のセラミック材料は、セラミック材料の重量%で、0.50重量%から2.0重量%の量のガラス相を含む。別の実施形態では、焼結後のセラミックは、0.75重量%から1.5重量%の量のガラス相を含む。また別の実施形態では、焼結後のセラミックは、0.85重量%から1.15重量%の量のガラス相を含む。相当する先行技術のセラミック材料は典型的に、4.0重量%から5.0重量%の量のガラス相を含む。焼結後のセラミック材料中のガラス相の存在は、セラミック材料を焼結した後に、X線回折(XRD)を用いてまたは分析的スクリーニング透過電子顕微鏡(ASTEM)を用いた電子回折によって測定される。ガラス相の量は、セラミック材料を焼結した後にX線蛍光(XRF)または誘導結合プラズマ(ICP)を用いて推定することができる。
【0041】
1つの実施形態では、ガラス相は、ガラス相の重量%で、5.0重量%から50.0重量%の量のAl23を含む。別の実施形態では、ガラス相は、15.0重量%から45.0重量%の量のAl23を含む。また別の実施形態では、ガラス相は、31.0重量%から39.0重量%の量のAl23を含む。ガラス相中のAl23の存在は、セラミック材料を焼結した後に、エネルギ分散性分光法EDSまたは分析的走査透過電子顕微鏡(ASTEM)を用いるEDXを用いて測定される。ガラス相中のAl23の量を分析的に定めることは困難であるが、Al23−SiO2−MgO−CaO状態図は、Al23が典型的に15.0重量%から45.0重量%の量で存在することを示している。
【0042】
1つの実施形態では、ガラス相は、ガラス相の重量%で、15.5重量%から31.7重量%の量の二族酸化物を含む。別の実施形態では、ガラス相は、17.0重量%から27.5重量%の量の二族酸化物を含む。また別の実施形態では、ガラス相は、21.2重量%から25.0重量%の量の二族酸化物を含む。ガラス相中の二族酸化物の存在は、セラミック材料を焼結した後にエネルギ分散性分光法EDSまたは分析的走査透過電子顕微鏡(ASTEM)を用いるEDXを用いて測定される。
【0043】
1つの実施形態では、ガラス相の二族酸化物は、15.0重量%から24.0重量%の量のCaOと0.5重量%から7.7重量%の量のMgOとを含む。別の実施形態では、二族酸化物は、17.0重量%から22.4重量%の量のCaOと0.9重量%から5.5重量%の量のMgOとを含む。別の実施形態では、二族酸化物は、19.0重量%から20.0重量%の量のCaOと2.5重量%から4.6重量%の量のMgOとを含む。
【0044】
1つの実施形態では、ガラス相は、ガラス相の重量%で、27.0重量%から50.0重量%の量のSiO2を含む。別の実施形態では、ガラス相は、34.0重量%から47.3重量%の量のSiO2を含む。また別の実施形態では、ガラス相は、40.0重量%から43.2重量%の量のSiO2を含む。ガラス相中のSiO2の存在は、セラミック材料を焼結した後にエネルギ分散性分光法EDSまたは分析的走査透過電子顕微鏡(ASTAM)を用いたEDXを用いる。
【0045】
1つの実施形態では、Al23、二族酸化物、およびSiO2の少なくとも一部は焼結の間に混合されて二次結晶を形成する。二次結晶は、ヘキサアルミン酸カルシウム(CaAl1219)スピネル(MgAl24)、灰長石(CaAl2Si28)、およびムライト(Al6Si213)のうち少なくとも1つを含む。二次結晶の存在および量は、エネルギ分散性X線分光法(EDS)を用いて走査電子顕微鏡(SEM)によって測定される。二次結晶の相組成は、X線回折(XRD)を用いて、または分析的走査透過電子顕微鏡(ASTAM)を用いる電子回折によって測定される。焼結後のセラミック材料は典型的に、1.0%未満の量の二次結晶を含む。二次結晶のうち各々の中のAl23、二族酸化物、およびSiO2の存在もエネルギ分散性X線分光法(EDS)を用いた走査電子顕微鏡(SEM)によって測定される。二次結晶中のAl、O、Si、および二族元素の量は、焼結後のセラミック材料中の二次結晶が少量であるために、分析的に定めることが難しい。
【0046】
表1は、発明のセラミック材料の多数の実施形態のうち1つである発明例1を含む。表1は、先行技術のセラミック材料である比較例1も含む。
【0047】
【表1】
【0048】
表2は、発明のセラミック材料の多数の実施形態のもう2つの特定的な実施形態である発明例2および3を含む。図2は倍率200xでの発明例1(08−B−10)の顕微鏡写真である。図2は、倍率1000xでの発明例1(08−B−10)の顕微鏡写真である。表2は、別の先行技術のセラミック材料である比較例2も含む。図3は倍率200xでの先行技術の比較例2(09−B−23)の顕微鏡写真である。図3は、倍率500xでの先行技術の比較例2(09−B−23)の顕微鏡写真である。焼結の後、発明例2のセラミック材料は約1.0重量%の量のガラス相を含み、比較例2のセラミック材料は約4.0重量%の量のガラス相を含む。
【0049】
【表2】
【0050】
発明例2(08−B−10)は、セラミック材料の重量%で、98.19重量%の量のAlmatis A152-SGアルミナ、0.84重量%の量のEdgar Plasticカオリン(EPK)、0.22重量%の量のYellowstoneタルク、0.68重量%の量のHubercarb CaCO3、および0.08重量%の量のCC10ジルコニアという市販の製品を含んでもよい。
【0051】
さらに、本発明は、スパークプラグ20の絶縁体22のためのセラミック材料を作製する方法を含む。以上で言及したように、方法は、平均粒子径が1.2μmから1.8μmのセラミック粒子の形態のAl23を設けるステップを含む。1つの実施形態では、方法は、セラミック粒子の形態のCaO、MgO、SiO2、TiO2、ZrO2、K2O、Na2O、およびP25を含むセラミック材料の他の成分を設けるステップを含む。以上で言及したように、方法は、98.00重量%から99.50重量%の量のAl23を設けるステップと、0.16重量%から0.70重量%の量の少なくとも1つの二族酸化物を設けるステップと、0.25重量%から0.75重量%の量のSiO2を設けるステップとを含む。
【0052】
方法の1つの実施形態は、水の中に分散されたセラミック粒子の懸濁液を約6時間の間粉砕する(milling)ステップを含む。実施形態は、Darvan 821Aなどの解膠剤および結合剤を懸濁液に加えるステップを含む。実施形態は次に、約125℃の出口温度で動作するBowen #1噴霧乾燥機などの噴霧乾燥機を用いてセラミック粒子を噴霧乾燥するステップを含む。次に、実施形態は、噴霧乾燥したセラミック粒子を約−60メッシュのサイズにスクリーニングするステップを含む。実施形態は、たとえばセラミック粒子を約30,000psiの圧力に押し固めて予め定められた形状にするなど、セラミック粒子を予め定められた形状に成形するステップを含む。しかしながら、セラミック粒子は他の圧力に押し固められてもよい。以上で言及したように、1つの実施形態では、セラミック粒子は、図1に示される絶縁体22を形成するようにほぼ円筒形状に押し固められる。1つの実施形態では、絶縁体22の外面は砥石車を用いて最終形状に形作られる。次に、実施形態は、押し固められたセラミック材料を約3時間程度の休止時間で約1600℃の温度まで焼結するまたは焼成するステップを含む。
【0053】
本発明の焼成後のセラミック材料は、先行技術のセラミック絶縁体と比較して、スパークプラグ絶縁体22としての使用のための向上した性質および性能を提供する。本発明の焼結後のセラミック材料は、ボイド空間とも称される複数の細孔を含む。セラミック材料の各々の細孔は15.0μm未満の最大細孔サイズおよび約3.0μmの平均細孔サイズを有する。細孔サイズは、単一の細孔の球相当径(ESD)によって測定される。焼結後のセラミック材料は、セラミック材料の面積パーセント(面積%)で、1.50面積%までの間隙率を有する。セラミック材料の合計面積は、固体成分の面積および細孔の面積の両者を含む。間隙率はセラミック材料の各々の細孔の面積の和に等しい。換言すると、間隙率は、セラミック材料の各々の細孔の面積を定め、次に面積を加算することによって得られる。細孔のサイズおよび間隙率は、セラミック材料を焼結した後に定められる。
【0054】
セラミック材料の間隙率および細孔サイズは、微分干渉コントラスト(DIC)を用いるNikon ME600 DPなどの反射光顕微鏡を用いてセラミック材料のサンプルを見ることで定められる。顕微鏡は、定規、またはEDSおよび各々の見える細孔の面積を測定する別の測定具を含む。図2は、倍率200xでの発明例1(08−B−10)の微細構造および細孔を示す。図2は、1000xでの発明例1(08−B−10)の微細構造および細孔を示す。図2は、細孔および粒ならびにそれらの対応のサイズも同定する。図3は。倍率200xでの先行技術のセラミック材料、比較例2(09−B−23)の微細構造および細孔を示す。図3は、500xでの比較例2(09−B−23)の微細構造および細孔を示す。図3は、細孔および粒ならびにそれらの対応のサイズも同定する。
【0055】
テストは、先行技術のセラミック材料(09−B−23)に対して、発明のセラミック材料(08−B−10)の1つの実施形態の平均細孔サイズ、最大細孔サイズ、合計細孔面積、および間隙率を比較するように行なわれた。各材料の試料は、従来の粉砕、噴霧乾燥、10,000psiでの円板への押し固め、および実験室窯炉中での約1580℃での焼成によって処理された。焼結後の試料は、ダイヤモンドウェハ成形鋸を用いて各試料の中心線断面を切断することによって分析用に準備された。結果的に得られた断面を、急結エポキシ樹脂を用いてマウントした。マウントしたサンプルは自動研磨システムを用いて研磨された。仕上げ研磨および機械的エッチングはpHが高い水性0.06μmコロイダルシリカスラリーを用いて達成された。試料毎に4つの画像を倍率200xで得て、ImagePro Ver. 5画像分析および処理ソフトウェアを用いて分析した。表3は、2つの試料の平均細孔サイズ、最大細孔サイズ、合計細孔面積、および間隙率(面積%)を報告する。平方ミクロン(μm2)での合計細孔面積は4つの試料の細孔面積の和を含む。細孔サイズおよび間隙率は4つの試料の平均である。表4は、μmで、各試料毎のすべての4つの画像で観察された10個の最も大きな細孔のESD測定サイズを報告する。表3および表4で示されるように、発明例1(08−B−10)は先行技術の比較例2(09−B−23)よりも小さな細孔サイズ、合計細孔面積、および間隙率を有する。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
テストは、焼成温度の範囲にわたって発明のセラミック材料(09−B−29)の1つの実施形態の平均細孔サイズ、最大細孔サイズ、間隙率、および平均粒径を測定するためにも行なわれた。試料は、従来の粉砕、噴霧乾燥、10,000psiでの円板への押し固め、および実験室窯炉中での1500℃から1650℃への一連の温度での焼成によって処理された。焼結後の試料は、ダイヤモンドウェハ成形鋸を用いて各試料の中心線断面を切断することによって分析用に準備された。結果的に得られた断面は、急結エポキシ樹脂を用いてマウントされた。マウントされたサンプルは自動研磨システムを用いて研磨された。サンプルはまず、貼り合わせダイヤモンドディスクを用いて研削され、9μmおよび3μmのダイヤモンドスラリーを用いて研磨された。仕上げ研磨および機械的エッチングは、水性0.05μmコロイダルアルミナスラリーを用いて達成された。細孔サイズの観察は、1000xまでの倍率で反射光顕微鏡を用いて行なわれ、取付けられたカメラシステムを用いて画像が捕捉された。試料当たり4つの画像を倍率200xで得て、ImagePro Ver. 5画像分析および処理ソフトウェアを用いて分析した。粒径分析は、ASTM E-112-96に従ってSEMを用いて試料の熱的にエッチングされた断面に対して行なわれた。表5は、1500℃から1650℃までの焼成温度の範囲にわたる試料の平均細孔サイズおよび間隙率を報告する。表6は、1520℃から1650℃までの温度の範囲にわたる試料の平均粒径を報告する。
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
発明のセラミック材料は、先行技術のセラミック材料よりも高い圧粉密度、湿態強度、焼結後嵩密度、および焼結後相対密度を有する。圧粉密度は押し固め後であって焼結前のセラミック材料の嵩密度に等しい。嵩密度は、セラミック材料の合計体積で除算したセラミック材料のセラミック粒子の質量に等しい。以上で述べたように、セラミック材料の合計体積は、固体成分の体積および細孔の体積の両者を含む。したがって、圧粉密度は押し固め後であって焼結前に測定される。湿態強度は、その微細な詳細および尖った端縁を損なわずに、押し固め後であって焼結前にセラミック材料に施される機械的作業に耐えるのに必要な機械的強度である。したがって、湿態強度は、セラミック材料を押し固めた後であるがしかし焼結の前に測定される。焼成後嵩密度および焼成後相対密度は、セラミック材料を焼結した後に測定される。焼結後嵩密度は、焼結後セラミック材料の合計体積で除算した焼結後セラミック材料の質量に等しい。焼結後相対密度は、材料の理論的密度に対するセラミック材料の焼結後嵩密度の比率である。
【0062】
先行技術のセラミック材料(09−B−23)に対して、発明のセラミック材料(08−B−10)の1つの実施形態の圧粉密度、湿態強度、焼成後嵩密度、および焼成後相対密度を比較するためにテストを行なった。各々の材料の試料は、従来の粉砕、噴霧乾燥、9,500psiでの円板への押し固め、ならびに約1560℃、1580℃、および1600℃での焼成によって処理された。圧粉密度は押し固め後であって焼成前にテストされた。表7は、試料の圧粉密度、湿態強度、焼成後嵩密度、および焼成後相対密度を報告する。表7に示すように、発明のセラミック材料(08−B−10)は、先行技術のセラミック材料(09−B−23)よりも高い圧粉密度、湿態強度、焼成後嵩密度、および焼成後相対密度を有する。
【0063】
【表7】
【0064】
発明のセラミック材料は、先行技術のセラミック材料よりも大きな絶縁破壊強度(DBS)を有する。絶縁破壊強度は、破壊することなく、すなわちその絶縁性の破損を経ることなく、セラミック材料が耐えることができる最大電界強度である。
【0065】
テストは、先行技術のセラミック材料(REG−F)に対して発明のセラミック材料(REG−G)のDBSを比較するように行なわれた。発明のセラミック材料(REG−G)は、上記表2の発明例2(08−B−10)と同じ組成を有する。先行技術のセラミック材料(REG−F)は、上記表2の比較例2(09−B−23)と同じ組成を有する。11個の絶縁体試料が発明のセラミック材料(REG−G)から形成され、12個の絶縁体試料が、従来の粉砕、噴霧乾燥、9,500psiでの円筒形ブランクへの押し固め、砥石車を用いた未焼成ブランクへの所望のプロファイルの切削、および約1600℃でのブランクの焼成によって先行技術のセラミック材料(REG−F)から形成された。絶縁体試料の各々は、10.0ミリメーター差込み(thread)設計を有するサンプルスパークプラグ中に置かれた。スパークプラグは、それらを試験装置に差込むことによってテストされ、火花が中心電極と接地電極との間で形成しないように発火端付近で加圧され、こうしてセラミック絶縁体試料を通して強制的に絶縁破壊させた。自動車の点火源によって与えられる電圧がスパークプラグに印加され、破損が起こるまで1秒当たり1kVの率で段階的に増大された。テストの後、サンプルスパークプラグの金属性シェルを取り外して、絶縁体試料において絶縁破壊が起こったことを検証した。
【0066】
絶縁テスト結果を表8に示し、発明のセラミック材料は先行技術のセラミック材料と比較して向上した絶縁体力および性能を有することを示す。発明のセラミック材料(REG−G)は破損時の平均電圧が46.4kVであったが、これは、破損時の平均電圧が43.9kVであった先行技術のセラミック材料(REG−F)よりも約5.7%高い。より重要なことに、発明のセラミック材料(REG−G)を含むサンプルスパークプラグの破損時の最小電圧は41.0kVであったが、これは39.0kVであった先行技術のセラミック材料(REG−F)を含むサンプルスパークプラグの最小破損電圧よりも5.1%高かった。
【0067】
【表8】
【0068】
テスト結果は、より小さな細孔サイズ、より小さな細孔面積、およびより高い密度が、セラミック材料の弱い所およびセラミック材料中でイオン化可能なトラップされたガスの量を低減することも示す。このように、発明のセラミック材料は、先行技術のセラミック材料と比較してDBSがより高く、絶縁破損の尤度が低減されている。
【0069】
テストは、焼成温度の範囲にわたる、発明の材料(09−B−29)の1つの実施形態の絶縁破壊強度および相関との細孔サイズおよび細孔面積の相関を定めるようにも行なわれた。以上で述べたように、絶縁破壊強度は、セラミック材料が本質的に破壊することなく耐えることができる最大電界強度である。このテストのために用いられる試料は約3.5mmの厚みの円板であった一方で、前述の絶縁テストは、壁厚みが2.0mmの絶縁体に対して行なわれた。絶縁破壊強度はASTM D-149に従って測定された。細孔サイズおよび細孔面積はASTM E-112に従って測定された。
【0070】
テストは、焼成温度の範囲にわたる、発明の材料(09−B−29)の1つの実施形態の粒子径と絶縁破壊強度との間の相関を定めるようにも行なわれた。このテストのために用いられる試料は約3.5mmの厚みの円板であった一方で、前述の絶縁テストは、壁厚みが2.0mmの絶縁体に対して行なわれた。絶縁破壊強度はASTM D-149に従って測定され、粒子径はASTM E-112に従って測定された。
【0071】
セラミック材料は、スパークプラグ絶縁体に用いられる先行技術のセラミック材料と比較して、より高い熱伝導率を提供する。発明のセラミック材料(08−B−10)の1つの実施形態は室温で約35W/mKの熱伝導率を有する一方で、先行技術のセラミック材料は典型的に、室温で約24W/mKの熱伝導率を有する。熱伝導率は、セラミック材料を焼結した後に測定され、レーザフラッシュ法(ASTM E 1461)によって測定することができる。
【0072】
明らかなことに、本発明の多数の修正例および変形が上記教示に照らして可能であり、発明の範囲内にあれば、具体的に記載された以外の態様で実践されてもよい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B