特許第5847951号(P5847951)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5847951少なくとも一部は送信電力に基づいたユーザの向きの変更
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5847951
(24)【登録日】2015年12月4日
(45)【発行日】2016年1月27日
(54)【発明の名称】少なくとも一部は送信電力に基づいたユーザの向きの変更
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20160107BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
【請求項の数】17
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-536343(P2014-536343)
(86)(22)【出願日】2011年12月5日
(65)【公表番号】特表2014-534715(P2014-534715A)
(43)【公表日】2014年12月18日
(86)【国際出願番号】IB2011055443
(87)【国際公開番号】WO2013057546
(87)【国際公開日】20130425
【審査請求日】2014年6月9日
(31)【優先権主張番号】3584/CHE/2011
(32)【優先日】2011年10月19日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】509348786
【氏名又は名称】エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】アルビンド・ビジェイ・キールティ
【審査官】 松平 英
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−283393(JP,A)
【文献】 特開2004−214923(JP,A)
【文献】 特開2011−119795(JP,A)
【文献】 米国特許第06456856(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04M 1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話機によって、前記携帯電話機に関連づけられた第1の送信電力を測定することであって、前記第1の送信電力が前記携帯電話機の第1の向きに関連づけられていることと、
前記携帯電話機によって、前記携帯電話機に関連づけられた更新される送信電力を測定することであって、前記更新される送信電力が前記携帯電話機の更新される向きに関連づけられていることと、
前記携帯電話機によって、前記更新される送信電力を前記第1の送信電力に対して比較することと、
前記携帯電話機によって、少なくとも一部は前記更新される送信電力の前記第1の送信電力に対する前記比較に基づいて基地局に対するユーザの向きをさらに変更するように前記ユーザに信号を送ることであって、前記基地局が前記携帯電話機と通信していることと
を含む方法。
【請求項2】
前記携帯電話機によって、前記更新される送信電力の前記測定に先立って前記基地局に対する前記ユーザの前記向きを変更するように前記ユーザに信号を送ることをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザに前記信号を送ることが2つ以上の振動パッドの1つを振動させて、前記携帯電話機の前記ユーザによる時計回りまたは反時計回り方向の枢動を指示することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記携帯電話によって、前記第1の送信電力に関連づけられた前記携帯電話機の前記第1の向きを決定することと、
前記携帯電話機によって、前記更新される送信電力に関連づけられた前記携帯電話機の前記更新される向きを決定することと
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記携帯電話機によって、記第1および更新される送信電力に関連づけられた前記携帯電話機の第1の地理的位置を決定することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記携帯電話機によって、前記第1の送信電力に関連づけられた前記携帯電話機の前記第1の向きを決定することと、
前記携帯電話機によって、前記更新される送信電力に関連づけられた前記携帯電話機の前記更新される向きを決定することと、
前記携帯電話機によって、前記第1および更新される送信電力に関連づけられた前記携帯電話機の第1の地理的位置を決定することと、
前記携帯電話機の前記第1の地理的位置に関連づけられた前記第1および更新された向きに対する前記第1および前記更新された送信電力のマップを作ることと
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記携帯電話機によって、前記第1の送信電力に関連づけられた前記携帯電話機の前記第1の向きを決定することと、
前記携帯電話機によって、前記更新される送信電力に関連づけられた前記携帯電話機の前記更新される向きを決定することと、
前記携帯電話機によって、前記第1および更新される送信電力に関連づけられた前記携帯電話機の第1の地理的位置を決定することと、
前記携帯電話機によって、前記携帯電話機の前記第1の地理的位置に関連づけられた前記第1および更新された向きに対する前記第1および更新された送信電力のマップを作ることと、
前記携帯電話機によって、前記マップにされた第1および更新された送信電力を前記第1および更新された向きに対して表示することであって、前記第1および更新された向きに対する前記マップにされた第1および更新された送信電力が低減された送信電力に関連づけられた推奨される向きの指示を含むことと
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記携帯電話機の向きが前記ユーザに対する前記携帯電話機の前記向きを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記携帯電話機の向きが前記基地局に対する前記携帯電話機の前記向きを含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記携帯電話機の前記向きが前記ユーザに対する前記携帯電話機の向きおよび前記基地局に対する前記携帯電話機の前記向きを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
コンピューティングデバイスが、
携帯電話機に関連づけられた第1の送信電力を測定することであって、前記第1の送信電力が前記携帯電話機の第1の向きに関連づけられていることと、
前記携帯電話機に関連づけられた更新される送信電力を測定することであって、前記更新される送信電力が前記携帯電話機の更新される向きに関連づけられていることと、
前記更新される送信電力を前記第1の送信電力に対して比較することと、
少なくとも一部は前記更新される送信電力の前記第1の送信電力に対する前記比較に基づいて、基地局に対するユーザの前記向きをさらに変更するように前記ユーザに信号を送ることであって、前記基地局が前記携帯電話機と通信していることと
を動作可能にするためのプログラム
【請求項12】
コンピューティングデバイスが前記更新される送信電力の前記決定に先立って前記基地局に対する前記ユーザの前記向きを変更するように前記ユーザに信号を送ることをさらに動作可能にできるようにする請求項11に記載のプログラム
【請求項13】
前記ユーザに前記信号を送ることが、2つ以上の振動パッドの1つを振動させて、前記携帯電話機の前記ユーザによる時計回りまたは反時計回りの方向の枢動を指示することを含む請求項11に記載のプログラム
【請求項14】
コンピューティングデバイスが、
第1の送信電力に関連づけられた前記携帯電話機の第1の向きを決定することと、
更新される送信電力に関連づけられた前記携帯電話機の更新される向きを決定することと、
前記第1および更新された送信電力に関連づけられた前記携帯電話機の第1の地理的位置を決定することと、
前記携帯電話機の前記第1の地理的位置に関連づけられた前記第1およびで更新された向きに対する前記第1および更新された送信電力のマップを作ることと
をさらに動作可能にできるようにする請求項11に記載のプログラム
【請求項15】
コンピューティングデバイスが、
第1の送信電力に関連づけられた前記携帯電話機の第1の向きを決定することと、
更新される送信電力に関連づけられた前記携帯電話機の更新される向きを決定することと、
前記第1および更新された送信電力に関連づけられた前記携帯電話機の第1の地理的位置を決定することと、
前記携帯電話機の前記第1の地理的位置に関連づけられた前記第1および更新された向きに対する前記第1および更新された送信電力のマップを作ることと、
前記マップにされた第1および更新された送信電力を前記第1および更新された向きに対して表示することであって、前記第1および更新された向きに対する前記マップにされた第1および更新された送信電力が低減された送信電力に関連づけられた推奨される向きの指示を含むことと
をさらに動作可能にするための請求項11に記載のプログラム
【請求項16】
前記携帯電話機の前記向きが前記ユーザに対する前記携帯電話機の向き、および前記基地局に対する前記携帯電話機の前記向きを含む請求項11に記載のプログラム
【請求項17】
請求項11-16の何れか1項記載のプログラムを格納する、コンピューティングデバイスが読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書において別段の指示がない限り、本節に記載される手法は、本出願における特許請求の範囲に対する従来技術ではなく、本節に含まれることによって従来技術であると認められるものではない。
【0002】
携帯電話ユーザの頭部および頸部は、携帯電話によって放出される放射線の最大50パーセントを吸収する。この吸収、およびその結果生じる信号電力の損失は、通話品質の低下をもたらす場合がある。さらに、携帯電話は、通常、送信される電力を増大することによって応答することがあり、このことが携帯電話ユーザによって吸収される放射線を増加させる可能性がある。ユーザの頭および頸によって吸収されるそうした放射線は、腫瘍および他の疾病をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
一部の例示的な方法、装置、およびシステムは、少なくとも一部は送信電力に基づいてユーザの向き変更することに関する。
【0004】
少なくとも一部は送信電力に基づいてユーザの向きを変更することに関する一部の例示的な装置およびシステムは、通信ネットワークにおいて通信を容易にするように構成された携帯電話機において実装され得る。そうした携帯電話機は、ハウジング、プロセッサ、RF送受信機、アンテナ、加速度計、および2つ以上の振動パッドを含むことができる。プロセッサは、ハウジング内に位置してもよい。RF送受信機は、プロセッサに動作可能に結合されてもよい。アンテナは、RF送受信機に動作可能に結合されてもよい。加速度計は、プロセッサに動作可能に結合されてもよい。2つ以上の振動パッドは、ハウジングの外装上に位置し、プロセッサに動作可能に結合されてもよい。プロセッサは、2つ以上の振動パッドの1つを振動させるように構成され、携帯電話機のユーザによる時計方向または反時計方向の枢動を指示することができる。
【0005】
そうした方法は、少なくとも一部は送信電力に基づいてユーザの向きを変更するために携帯電話機において実装されてもよい。そうした方法は、携帯電話機に関連づけられた第1の送信電力を決定することを含むことができ、この第1の送信電力を携帯電話機の第1の向きに関連づけることができる。携帯電話機に関連づけられた更新される送信電力を決定することができ、この更新される送信電力を携帯電話機の更新される向きに関連づけることができる。更新される送信電力を第1の送信電力に対して比較することができる。少なくとも一部は更新される送信電力の第1の送信電力に対する比較に基づいて、基地局に対するユーザの向きをさらに変更するようにユーザに信号を送ることができ、基地局が携帯電話機と通信していてもよい。
【0006】
一部の例示的な物品は、少なくとも一部は送信電力に基づいて、ユーザの向きを変更するための機械可読命令を含むことができる。そうした機械可読命令は、携帯電話機に関連づけられた第1の送信電力を決定することを含むことができ、この第1の送信電力を携帯電話機の第1の向きと関連づけることができる。携帯電話機に関連づけられた更新される送信電力を決定することができ、この更新される送信電力を携帯電話機の更新される向きと関連づけることができる。更新される送信電力を第1の送信電力に対して比較することができる。少なくとも一部は更新される送信電力の第1の送信電力に対する比較に基づいて、基地局に対するユーザの向きをさらに変更するようにユーザに信号を送ることができ、基地局が携帯電話機と通信していてもよい。
【0007】
前述の要約は、単に例示にすぎず、限定することは決して意図されていない。上記の例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴は、図面および以下の詳細な説明を参照することよって明らかになるであろう。
【0008】
主題は、本明細書の結論部分において具体的に指摘され、明確に特許請求される。本開示の前述のおよび他の特徴は、添付図面と併用して、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう。これらの図面は、本開示によるいくつかの実施形態を単に示すにすぎず、したがって、その範囲を限定していると考えられるべきではないことを理解しながら、本開示について、添付図面を使用することによってさらに具体的および詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された例示的な携帯電話機の概略図である。
図2】本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された例示的な携帯電話機の上面図である。
図3】本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された散乱の例を示す斜視図である。
図4】本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された散乱の別の例を示す斜視図である。
図5】本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された携帯電話機によるユーザの放射線に対する暴露の増加を示す斜視図である。
図6】本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された携帯電話機によるユーザの放射線に対する暴露の減少を示す斜視図である。
図7】本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された向きに対する送信電力のマップを表示する例示的な携帯電話機を示す斜視図である。
図8】本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された少なくとも一部は送信電力に基づいてユーザの向きを変更する例示的な処理を示す図である。
図9】本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された例示的なコンピュータプログラム製品を示す図である。
図10】本開示の少なくとも一部の実施形態により構成されたコンピューティングデバイスの例示的な実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
特許請求される主題についての完全な理解を提供するために、以下の説明は、具体的な詳細とともにさまざまな例について述べる。しかし、特許請求される主題が本明細書で開示されるいくつかのまたはより多くの具体的な詳細なしに実行可能なことが、当業者には理解されるであろう。さらに、一部の状況において、よく知られた方法、手順、システム、コンポーネント、および/または回路は、特許請求される主題を不必要に不明瞭にしないようにするために詳細には説明されていない。
【0011】
以下の詳細な説明において、その一部を形成する添付図面を参照する。図面において、文脈上別段の指示がない限り、同様の記号は、通常、同様のコンポーネントであると見なす。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲において記載される例示的な実施形態は、限定することを目的としていない。本明細書に提示される主題の趣旨または範囲から逸脱せずに、他の実施形態が利用されてもよく、他の変更がなされてもよい。本明細書で一般的に説明し、各図に示すような本開示の態様が、多種多様の異なる構成で配置され、置き換えられ、組み合わせられ、設計され得て、それらのすべてが明示的に考えられ、本開示の一部を成すことが、容易に理解されるであろう。
【0012】
本開示は、とりわけ、少なくとも一部は送信電力に基づいてユーザの向きを変更することに関連する方法、装置、およびシステムを対象とする。
【0013】
頭および頸によって吸収される携帯電話機の放射線が腫瘍および他の疾病をもたらし得るということを信じる理由があり得る。また、携帯電話機によって放出される放射線を低減することが可能な方法は、疾病が発現する機会を減らす、または少なくともそうした疾病の発現を先延ばしにすることができる。
【0014】
携帯電話ユーザの頭部および頸部は、携帯電話機によって放出される放射線の最大50パーセントを吸収する。この吸収は、携帯電話機にとって信号電力の損失をもたらす可能性がある。信号電力の損失に応じて、携帯電話機は、通常、送信される電力を増大させることがあり、これによって吸収される放射線をさらに増加させる可能性がある。ユーザを正しい方向に向けることによって、ユーザによる信号の損失を低減することが可能な場合がある。適切な方向に向けることによって、携帯電話機がその基地局へより多くのエネルギーを転送することができる場合、電力制御アルゴリズムは、携帯電話機によって送信される電力を低下させることができる。そうした低減された送信電力の利点は、ユーザに対する放射線暴露のレベルを対応して低減することができることである。
【0015】
以下でより詳細に説明するように、携帯電話機は、向きに応じて送信される電力を測定し、頭への放射線吸収を低下させるためにユーザに方向を変える(たとえば、向きを変える、および/または耳を換える)ように促すことができる。このようにして、携帯電話機は、基地局へより多くのエネルギーを転送することができ、電力制御アルゴリズムは、携帯電話機によって送信される電力を低下させることができる。携帯電話機は、ユーザに(たとえば、振動、オーディオトーン、および/または画面に表示される矢印によって)向きの変更を要求する信号を送ることができる。たとえば、第1のタイプのオーディオトーンは、携帯電話機のユーザによる時計回りの方向の枢動を指示することができ、第2のタイプのオーディオトーンは、携帯電話機のユーザによる反時計回りの方向の枢動を指示することができる。
【0016】
図1は、本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された例示的な携帯電話機の概略図である。図示する例において、携帯電話機100は、通信ネットワークにおいて通信を容易にするように構成されてもよい。
【0017】
一部の例において、携帯電話機100は、プロセッサ102、RF送受信機104、アンテナ106、加速度計108、および/または2つ以上の振動パッド110を含んでもよい。さらに、携帯電話機100は、さらなるアイテム、たとえば、スピーカ、ディスプレイ、メモリ、ルーター、ネットワークインターフェースロジックなども含むことができるが、明確にするため図1には示されていない。
【0018】
プロセッサ102は、携帯電話機100のハウジング内にあってもよい(たとえば、図2参照)。たとえば、プロセッサ102は、マイクロプロセッサまたは中央処理装置(CPU)であってもよい。他の実装形態において、プロセッサ102は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、または他の集積化方式であってもよい。
【0019】
RF送受信機104は、プロセッサ102に動作可能に結合されてもよい。RF送受信機104は、一部の実装形態において、無線周波数タイプ(RF)の送受信機であってもよい。また、RF送受信機104は、送受信機の一例であるが、特許請求される主題は、この点に関し限定されず、携帯電話機100は、たとえば、別個のRF受信機およびRF送信機回路を用いてもよい。
【0020】
アンテナ106は、RF送受信機104に動作可能に結合されてもよい。アンテナ106は、限定されないが、ループ、椀型、パラボラ、パネル、セクター、指向性、全方向性などを含む任意の適切なアンテナであってもよい。
【0021】
加速度計108は、プロセッサ102に動作可能に結合されてもよい。加速度計108は、モバイルデバイス100に対するユーザの向きを決定するように構成されてもよい。たとえば、加速度計108は、携帯電話機100が押されている面の側を判断するように構成されてもよい。同様に、加速度計108は、基地局に対するユーザの回転の向きおよび/または携帯電話機の向きを判断するように構成されてもよい。
【0022】
2つ以上の振動パッド110が、プロセッサ102に動作可能に結合されてもよい。プロセッサ102は、2つ以上の振動パッド110の1つを振動させるように構成され、携帯電話機100のユーザによる時計回りまたは反時計回りの方向の枢動を指示することができる。
【0023】
以下でより詳細に論じるように、携帯電話機100を使用して、図8に関連して以下に論じるさまざまな機能のうちのいくつかまたはすべてを行うことができる。たとえば、以下でさらに詳細に論じるように、携帯電話機100は、図8の動作のいずれかを請け負うように構成することができる向き調整ロジック112も含んでもよい。向き調整ロジック112は、本明細書に記載された機能性のいずれかを提供することができ、特許請求される主題は、処理ロジックの特定のタイプまたは具現形態に限定されない。
【0024】
図2は、本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された例示的な携帯電話機の上面図である。図示する例において、携帯電話機100は、通信ネットワークにおいて通信を容易にするように構成されてもよい。一部の例において、携帯電話機100は、ハウジング202を含んでもよい。2つ以上の振動パッド110がハウジング202の外装の内表面に位置してもよい。
【0025】
たとえば、振動パッド110の1つは、細長い形状を有し、携帯電話機100の左手部分204に隣接して置かれてもよい。同様に、振動パッド110の1つは、細長い形状を有し、携帯電話機100の右手部分206に隣接して置かれてもよい。そうしたデュアルの振動パッド110は、ユーザに時計回りまたは反時計回りに回転するよう警告を出すことができる。そうしたデュアルの振動パッド110のシステムは、ユーザに向きを変更させる目立たない方法であってもよい。
【0026】
動作において、携帯電話機100は、振動パッド110の1つを振動させることによって向きを変更させるよう要求する信号を送ることができる。たとえば、振動パッド110の後ろの1つだけを振動させることによって、画面が西を向いた北向きのユーザ(すなわち、電話はユーザの右耳にある)に、向きを変えさせ、東を向くようにさせることができる。一部の例において、より多くの量の振動(たとえば、より高い振動および/またはより多くの数の振動パルスの繰り返し)によって、より大きな角度の変更をさせるように要求する信号を送ることができ、またはより少ない量の振動(たとえば、より低い振動および/またはより少ない数の振動パルスの繰り返し)によって、より小さな角度の変更をさせるように要求する信号を送ることができる。
【0027】
さらに、またはあるいは、携帯電話機100は、画面208上に表示される視覚表示(たとえば、方向矢印)によって向き変更の方向を指し示すことができる。そうした視覚表示は、ユーザがスピーカーフォン、または無線ヘッドホンを着けており、それでもなお放射線暴露を低減するように方向を最適化したい場合に、有用である場合がある。
【0028】
図3は、携帯から基地局への無線経路が必ずしも携帯と基地局間で直線である必要がないことを示す散乱の例を示す斜視図である。携帯電話機100は、最も強い無線経路を表わす向きを発見することができ、したがって、ユーザに体または頭の向きを調整するように助言することができる。図示する例において、通信ネットワーク300の基地局302部分は、1つの反射散乱体306に遭遇する無線経路304を経由する携帯電話機100との間の通信の経路設定を行う。
【0029】
本明細書で使用されるように、用語「通信ネットワーク」は、通信ネットワークを介して互いに無線通信するのに適した複数の携帯電話機を含む任意の数の通信システムを指すことができる。たとえば、通信ネットワーク300は、以下の1つまたは複数を含む任意の数の通信システムを指してもよい。すなわち、具体的な用途によって、携帯電話ネットワーク、モバイルworldwide interoperability for microwave access network(WiMax)、(たとえば、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)を介した)ボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)システム、ロングタームエボリューションネットワーク(LTE)、直交周波数分割多元接続ネットワーク(OFDMA)など、および/またはそれらの組み合わせがある。さらに、またはあるいは、そうした通信ネットワーク300は、複数の携帯電話機にインターネットアクセスを提供する任意の数の通信システムを指すことができる。
【0030】
通信ネットワーク300は、本明細書において純粋に例示を目的として提示され、通信ネットワーク300が、明確にするために図3には示されていない追加のコンポーネントを有してもよいことを認識することができる。したがって、通信ネットワーク300は、ここでは示されていない任意の数のコンポーネント、たとえば、1つまたは複数の基地局302、基地局コントローラ、移動通信交換局など、および/またはそれらの組み合わせを含むことができる。本明細書で使用されるように、用語「基地局(base station)」は、複数のモバイルデバイス間で通信を容易にするように構成された通信ネットワーク300の一部を指すことができる。
【0031】
携帯電話機100は、通信ネットワーク300の基地局302の一部と通信するように構成され(たとえば、結合され)てもよい。たとえば、本明細書で使用されるように、用語「携帯電話機(mobile handset)」は、モバイルデバイス、たとえば、携帯電話、個人用携帯情報端末(PDA)など、および/またはそれらの組み合わせを指すことができる。
【0032】
図示する例において、屋外の散乱によって、携帯電話機100が、信号304を1つまたは複数の散乱物体306(たとえば、建物など)に当てて基地局302へはね返させるようにすることがある。たとえば、基地局302への直通路を伝わる信号308は、散乱物体310によって妨害されることがある。
【0033】
図4は、携帯電話機100と基地局302間の距離を横切る無線信号が遭遇する可能性のある散乱の別の例を示す斜視図である(たとえば、図3参照)。図示する例において、屋内の散乱によって、携帯電話機100が、信号404を1つまたは複数の散乱物体406(壁など)に当てて非散乱物体410(たとえば、窓など)にはね返させるようにすることがある。たとえば、ユーザが屋内にいる場合、携帯電話機100によって生成されるほとんどすべての放射線は、壁に反射されることがあり、その結果唯一の出口は窓などとなる。そうしたケースでは、携帯電話機100は、ユーザに携帯電話機100を非散乱物体410の方へ向けるように助言することができる場合がある。
【0034】
図5は、本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された携帯電話機によって放射線のユーザへの暴露が増加することを示す斜視図である。図示する例において、ユーザ500の向きは、携帯電話機100によって生成される放射線のレベルに影響を与える可能性がある。たとえば、信号504が通信ネットワーク300の基地局302部分にまっすぐに進むことができないような場所に携帯電話機100を配置するようにユーザ500を向けることができる。図示する例において、ユーザ500によって吸収される放射線506の一部、および/または空間で失われる放射線508の一部が、携帯電話機100がより有利に配置される場合に比べて大きくなるような場所に携帯電話機100を配置するようにユーザ500を向けることができる。ユーザ500によって吸収される放射線506の一部、および/または空間で失われる放射線508の一部が増加する場合、携帯電話機100は、また信号504に対して同じ信号強度を維持するために送信電力を増大(および対応して全体的な放射出力を増大)させなければならない。
【0035】
図6は、本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された携帯電話機によって放射線のユーザへの暴露が減少することを示す斜視図である。図示する例において、ユーザ500の向きは、携帯電話機100によって生成される放射線のレベルに影響を与える可能性がある。たとえば、信号504が通信ネットワーク300の基地局302部分にまっすぐに進むことができるような場所に携帯電話機100を配置するようにユーザ500を向けることができる。図示する例において、ユーザ500によって吸収される放射線506の一部、および/または空間で失われる放射線508の一部が最小となるような場所に携帯電話機100を配置するようにユーザ500を向けることできる。ユーザ500によって吸収される放射線506の一部、および/または空間で失われる放射線508の一部が最小になる場合、携帯電話機100は、また信号504に対して同じ信号強度を維持するために送信電力を減少(および対応して全体的な放射出力を減少)することができる。
【0036】
動作において、携帯電話機100は、2つ以上の振動パッド110(たとえば、図2参照)の1つを振動させて、携帯電話機100のユーザ500による時計回りまたは反時計回りの方向の枢動を指示するように構成されてもよい。たとえば、携帯電話機100は、携帯電話機100に関連づけられた第1の送信電力を決定することができ、この第1の送信電力を携帯電話機100の第1の向きと関連づけることができる。携帯電話機100に関連づけられた更新される送信電力の決定を行うことができ、この更新される送信電力を携帯電話機100の更新される向きと関連づけることができる。更新される送信電力を第1の送信電力に対して比較することができる。少なくとも一部は更新される送信電力の第1の送信電力に対する比較に基づいて、基地局302に対するユーザ500の向きをさらに変更するように、(振動パッド110などによる、たとえば図2参照)信号をユーザ500に送ることができる。
【0037】
図7は、本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された、向きに対する送信電力のマップを表示する例示的な携帯電話機を示す斜視図である。図示する例において、携帯電話機100は、マップ700を表示することができる。たとえば、携帯電話機100は、所与の地理的位置で2つ以上の向きに対する送信電力のマップを作ることができる。一部の例において、すべての(またはいくつかの)以前に横切った地理的位置(たとえば、所与の緯度および経度)について、向きに対する送信電力のマップを作ることができる。マップ700は、画面208に表示される視覚表示(たとえば、方向矢印702など)によって向き変更の方向(たとえば、低減された送信電力に関連づけられた推奨される向き)を指し示すことができる。
【0038】
動作において、携帯電話機100は、通話が行われる個々の位置について、送信電力対向きの記録をとることができる。内蔵のGPSおよび/または他のセンサによって位置を決定してもよい(または通信ネットワークから携帯電話機100に提供されてもよい)。たとえば、他のセンサには、以下のセンサ、すなわち、高度計タイプのセンサ、加速度計タイプのセンサなど、および/またはそれらの組み合わせのうちの1つもしくは複数が含まれてもよい。向きは、内蔵の加速度計108によって決定されてもよい(たとえば、図1参照)。いくつかの通話および付随する測定の後、携帯電話機100は、推奨される向き(たとえば、方向矢印702など)と共に送信電力対向きのマップ700を(少なくとも以前に使用した位置について)生成することができる。マップ700を表示した状態で、ユーザは、地面と平行に携帯電話機100を保持して、通話を始めるまたは通話に応答するときにユーザがどの方向に向くべきかを認識することができる。
【0039】
図8は、本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された、少なくとも一部は送信電力に基づいてユーザの向きを変更する例示的な処理を示す。処理800、および本明細書に記載される他の処理は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアによって行うことができる処理ステップ、機能動作、事象、および/または作用などとして記載されることがあるさまざまな機能ブロックまたは行為について説明する。当業者は、本開示に照らして図8に示す機能ブロックの数多くの代替形態をさまざまな実装形態で実行することができることを認識するであろう。たとえば、処理800は、図8に示すように、ブロックまたは行為の1つの特定の順番を含むことができるが、これらのブロックまたは行為が提示される順番は、必ずしも特許請求される主題をいかなる特定の順番にも限定するものではない。同様に、特許請求される主題の範囲から逸脱せずに、図8に示されない介在する行為、および/または図8に示されない追加の行為を用いることができ、および/または図8に示される行為の一部をなくすことができる。処理800は、例示的な動作802、804、806、および/または808によって示されるような1つまたは複数の機能動作を含むことができる。
【0040】
図示するように、処理800は、少なくとも一部は送信電力に基づいてユーザの向きを変更するために実装されてもよい。処理は、動作802「第1の送信電力を決定」において開始することができ、第1の送信電力を決定することができる。たとえば、携帯電話機によって、携帯電話機に関連づけられたそうした第1の送信電力を決定することがでる。そうした第1の送信電力を携帯電話機の第1の向きに関連づけることができる。たとえば、そうした携帯電話機は、加速度計によって携帯電話機の第1の向き決定し、この第1の向きを決定された第1の送信電力に関連づけることができる。
【0041】
本明細書で使用されるように、用語「携帯電話機の向き(orientation of the mobile handset)」は、ユーザに対する携帯電話機の向き、および/または基地局に対する携帯電話機の向きを含んでもよい。たとえば、携帯電話機の向きは、ユーザを基準としても、および/または基地局を基準としてもよい(たとえば、図5に示すように、携帯電話機と基地局間の見通し線を妨害するユーザの頭)。一部の例において、向きの変更は、ユーザの体を回すことによって、および/または電話での会話のために使用する耳を変更することによって遂行されてもよい。
【0042】
処理は、動作802から動作804「更新される送信電力を決定」に続くことができ、更新される送信電力を決定することができる。たとえば、携帯電話機によって、携帯電話機に関連づけられたそうした更新される送信電力を決定することができる。そうした更新される送信電力を携帯電話機の更新される向きと関連づけることができる。たとえば、そうした携帯電話機は、加速度計によって携帯電話機の更新される向きを決定することができ、この更新される向きを決定された更新される送信電力に関連づけることができる。
【0043】
一部の例において、携帯電話機は、更新される送信電力の決定に先立って基地局に対するユーザの向きを変更するようにユーザに信号を送ることができる。そうした例において、ユーザへの信号伝達は、2つ以上の振動パッドの1つを振動させて(または他の信号を送って)携帯電話機のユーザによる時計回りまたは反時計回りの方向の枢動を指示することを含んでもよい。
【0044】
一部の例において、ユーザが向き変更の要求を無視する場合、携帯電話機は、ユーザが通話に熱中しすぎて向きを最適化することに関与できないと見なすことがあり、向き変更の要求を出すことを全く停止してもよい。たとえば、処理800は、ある期間および/または所与の呼び出しに対して向き変更の要求を出すことを停止することができる。
【0045】
一部の例において、送信電力は、携帯電話機が急速なフェーディングに対応する状況において決定されてもよい。たとえば、フェードの期間は、通常、150ミリセカンドよりも短い場合がある。たとえば、送信電力が1.5秒(たとえば、10以上のフェードサイクル)にわたって平均化される場合、送信電力についての比較的正確な見当を得ることができる。したがって、急速なフェーディングによって影響を受ける場合に比べると、ゆっくりと(たとえば、1.5秒ごとに1回よりもゆっくりと)向き変更コマンドを出すことができる。
【0046】
処理は、動作804から動作806「更新される送信電力を第1の送信電力に対して比較」に続くことができ、更新される送信電力を第1の送信電力に対して比較することができる。たとえば、携帯電話機によって、更新される送信電力を第1の送信電力に対して比較することができる。
【0047】
処理は、動作806から動作808「ユーザにユーザの向きをさらに変更するように信号を送る」に続くことができ、ユーザにユーザの向きをさらに変更するように信号を送ることができる。たとえば、携帯電話機によって、ユーザに基地局に対するユーザの向きをさらに変更するように信号を送ることができる。ユーザの向きを変更するそうした信号は、少なくとも一部は更新される送信電力の第1の送信電力に対する比較に基づくことができる。更新される送信電力が第1の送信電力よりも低い可能性がある場合、向き変更を同じ方向に継続させるようにユーザに信号を送ることができる。更新される送信電力が第1の送信電力よりも高い可能性がある場合、向きを逆方向に変更するようにユーザに信号を送ることができる。大域的最小の、または局所的最小の送信電力が決定されるまで、および/またはユーザへの事前設定された数の信号が配信されるまで、処理800は、動作804〜808を繰り返すことができる。
【0048】
さらに、またはあるいは、携帯電話機は、第1および更新された送信電力に関連づけられた携帯電話機の第1の地理的位置を決定することができる。携帯電話機は、携帯電話機の第1の地理的位置に関連づけられた第1および更新された向きに対する第1および更新された送信電力のマップを作ることができる。携帯電話機によって、そうしたマップにされた第1および更新された向きに対する第1および更新された送信電力を表示することができる。マップにされた第1および更新された向きに対する第1および更新された送信電力は、低減された送信電力に関連づけられた推奨される向きの指示を含むことができる。
【0049】
動作において、処理800は、吸収される放射線を、携帯電話機から抽出する比較的単純な量である送信電力に結び付ける。処理800は、向きに応じて送信電力を測定するように携帯電話機に求め、頭での吸収を低減するために、(たとえば、ユーザが向く方向および/または耳を替えることによって)ユーザに向きを変更するように促すことができる。
【0050】
一部の例において、(たとえば、スピーカーフォン/ヘッドホンまたはデータモードの場合のように)、携帯電話機を頭のすぐそばに保持していなくても、向きを変更することによって放射線を低減することができる。そうした例において、ユーザは、胴体を通り抜ける放射線を少なくすることができ、したがって、ユーザがすでにスピーカーフォンを着けていたとしても、向きの変更によってなお恩恵を得ることができる。
【0051】
一部の例において、ユーザは、ときどき大量の電力を伝送せざるを得ない場合がある。たとえば、ユーザは、大量のデータを送っている場合があり、または位置を変更することができない場合がある。そうした例において、所与のユーザの状況の制約の範囲内でさえ、処理800は、送信電力を最小にするために、どのようにユーザを回転させるのが最良かを決定することができる。
【0052】
図9は、本開示の少なくとも一部の例により構成された例示的なコンピュータプログラム製品900を示す。プログラム製品900は、信号伝達媒体902を含んでもよい。信号伝達媒体902は、1つまたは複数の機械可読命令904を含むことができ、1つまたは複数のプロセッサによって実行された場合、この機械可読命令904によって、コンピューティングデバイスが図2に関して上記した機能性を動作可能に提供することができることがある。したがって、たとえば、図1のシステムを参照して、1つまたは複数の携帯電話機は、媒体902によって運ばれる命令904に応答して図8に示す行為の1つまたは複数を請け負うことができる。
【0053】
一部の実装形態において、信号伝達媒体902は、非一時的なコンピュータ可読媒体909、たとえば、限定されないが、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリなどを包含することができる。一部の実装形態において、信号伝達媒体902は、記録可能な媒体908、たとえば、限定されないが、メモリ、読み/書き(R/W)CD、R/W DVDなどを包含することができる。一部の実装形態において、信号伝達媒体902は、通信媒体910、たとえば、限定されないが、デジタルおよび/またはアナログ通信媒体(たとえば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンクなど)を包含することができる。
【0054】
図10は、本開示の少なくとも一部の実施形態により構成された、当業者によって具現化することができるような例示的なコンピューティングデバイス1000を示すブロック図である。例示的な一構成1001において、コンピューティングデバイス1000は、1つまたは複数のプロセッサ1010およびシステムメモリ1020を含むことができる。メモリバス1030は、プロセッサ1010とシステムメモリ1020間で通信するために使用されてもよい。
【0055】
所望の構成に応じて、プロセッサ1010は、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、またはそれらの任意の組み合わせを含み、これらに限定されない任意のタイプであってもよい。プロセッサ1010は、レベル1キャッシュ1011およびレベル2キャッシュ1012などの1つまたは複数のレベルのキャッシュ、プロセッサコア1013、ならびにレジスタ1014を含むことができる。プロセッサコア1013は、算術論理演算ユニット(ALU)、浮動小数点ユニット(FPU)、デジタル信号処理コア(DSPコア)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。また、メモリコントローラ1015は、プロセッサ1010とともに使用されてもよく、または一部の実装形態においては、メモリコントローラ1015は、プロセッサ1010の内部部品であってもよい。
【0056】
所望の構成に応じて、システムメモリ1020は、(RAMなどの)揮発性メモリ、(たとえば、ROM、フラッシュメモリなどの)不揮発性メモリ、またはそれらの任意の組み合わせを含み、これらに限定されない任意のタイプであってもよい。システムメモリ1020は、オペレーティングシステム1021、1つまたは複数のアプリケーション1022、およびプログラムデータ1024を含むことができる。アプリケーション1022は、図8の処理800に関して説明した機能ブロックおよび/または行為を含む、本明細書に記載されるような機能を行うように構成された配向アルゴリズム1023を含むことができる。プログラムデータ1024は、配向アルゴリズム1023とともに使用するための送信電力データ1025を含んでもよい。一部の例示的な実施形態において、少なくとも一部は送信電力に基づいてユーザの向きを変更する実装形態が本明細書に記載されるように提供され得るように、アプリケーション1022は、オペレーティングシステム1021上のプログラムデータ1024で動作するように構成されてもよい。たとえば、少なくとも一部は送信電力に基づいてユーザの向きを変更する実装形態が本明細書に記載されるように提供され得るように、1つまたは複数の携帯電話機100および/または通信ネットワーク300は、コンピューティングデバイス1000のすべてまたは一部を備えることができ、アプリケーション1022のすべてまたは一部を実行可能であってもよい。この説明した基本構成を、破線1001内のこれらのコンポーネントによって図10に示す。
【0057】
コンピューティングデバイス1000は、追加の特徴または機能性、ならびに基本構成1001と必要とされるどんなデバイスおよびインターフェースとの間でも通信を容易にする追加のインターフェースを有することができる。たとえば、バス/インターフェースコントローラ1040を使用して、ストレージインターフェースバス1041を介して基本構成1001と1つまたは複数のデータ記憶装置1050との間の通信を容易にすることができる。データ記憶装置1050は、取外し式ストレージ1051、非取外し式ストレージ1052、またはそれらの組み合わせであってもよい。取外し式記憶装置および非取外し式記憶装置の例には、いくつか例を挙げると、フレキシブルディスクドライブおよびハードディスクドライブ(HDD)などの磁気ディスクデバイス、コンパクトディスク(CD)ドライブまたはデジタルバーサタイルディスク(DVD)ドライブなどの光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、ならびにテープドライブが含まれる。例示的なコンピュータストレージ媒体には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法もしくは技術で実装される、揮発性および不揮発性、取外し式および非取外し式媒体が含まれてもよい。
【0058】
システムメモリ1020、取外し式ストレージ1051および非取外し式ストレージ1052は、すべてコンピュータストレージ媒体の例である。コンピュータストレージ媒体には、限定されないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、もしくは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタルバーサタイルディスク(DVD)もしくは他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶装置、または所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピューティングデバイス1000によってアクセスすることができる他の媒体が含まれる。そうしたコンピュータストレージ媒体はいずれも、装置1000の一部であってもよい。
【0059】
また、コンピューティングデバイス1000は、バス/インターフェースコントローラ1040を介して、さまざまなインターフェースデバイス(たとえば、出力インターフェース、周辺インターフェース、および通信インターフェース)から基本構成1001への通信を容易にするためのインターフェースバス1042を含むことができる。例示的な出力インターフェース1060には、グラフィック処理ユニット1061、およびオーディオ処理ユニット1062が含まれてもよく、これらは、1つまたは複数のA/Vポート1063を介してさまざまな外部装置、たとえば、ディスプレイまたはスピーカと通信するように構成されてもよい。例示的な周辺インターフェース1070には、シリアルインターフェースコントローラ1071またはパラレルインターフェースコントローラ1072が含まれてもよく、これらは、1つまたは複数のI/Oポート1073を介して外部装置、たとえば、入力装置(たとえば、キーボード、マウス、ペン、音声入力装置、タッチ入力装置など)または他の周辺機器(たとえば、プリンタ、スキャナなど)と通信するように構成されてもよい。例示的な通信インターフェース1080には、ネットワークコントローラ1081が含まれ、このネットワークコントローラ1081は、1つまたは複数のコミュニケーションポート1082を介してネットワーク通信によって1つまたは複数の他のコンピューティングデバイス1090との通信を容易にするように構成されてもよい。通信接続は、通信媒体の一例である。通信媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波もしくは他の搬送機構などの変調データ信号における他のデータによって具現化されてもよく、いかなる情報送達媒体を含んでもよい。「変調データ信号」は、信号内の情報をエンコードするようなやり方で設定されまたは変更される変調データ信号の特性のうちの1つまたは複数を有する信号であってもよい。限定することなく、例を挙げると、通信媒体には、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体、ならびに音響、無線周波数(RF)、赤外線(IR)、および他の無線媒体などの無線媒体が含まれてもよい。本明細書で使用されるようなコンピュータ可読媒体という用語は、ストレージ媒体および通信媒体の両方を含むことができる。
【0060】
コンピューティングデバイス1000は、小型ポータブル(もしくはモバイル)電子装置、たとえば、携帯電話、個人用携帯情報端末(PDA)、個人用メディアプレーヤ装置、無線ウェブ監視装置、個人用ヘッドセット装置、特定用途装置、または上記の機能のいずれかを含むハイブリッド装置の一部として実装されてもよい。また、コンピューティングデバイス1000は、ラップトップコンピュータおよび非ラップトップコンピュータ構成の両方を含むパーソナルコンピュータとして実装されてもよい。加えて、コンピューティングデバイス1000は、無線基地局、または他の無線システムもしくは装置の一部として実装されてもよい。
【0061】
前述の詳細な説明の一部分は、コンピュータメモリなどのコンピューティングシステムメモリ内に記憶されたデータビットまたは2値デジタル信号での動作のアルゴリズムまたは記号表現の点から提示される。これらのアルゴリズム的記述または表現は、他の当業者にその作業の実質を伝えるためにデータ処理技術における当業者によって使用される技術の例である。アルゴリズムは、ここでは、および一般的に、所望の結果に結びつく首尾一貫した動作のシーケンスまたは同様の処理であると見なされる。この文脈において、動作または処理は、物理量の物理的な操作を含んでいる。通常、必ずしもそうではないが、そうした量は、記憶し、転送し、結合し、比較し、もしくはその他の方法で操作することができる電気的または磁気的信号の形態をとることができる。ビット、データ、値、要素、記号、文字、用語、数、数字などとしてそうした信号に言及することが、主には一般的に利用されているという理由で時として都合がよいことが分かっている。しかし、これらおよび同様の用語はすべて、適切な物理量に関連づけられるはずであり、単に都合のよい標示にすぎないことを理解されたい。特に別記しない限り、以下の議論から明らかなように、本明細書の全体にわたって、用語「処理(processing)」、「コンピューティング(computing)」、「計算(calculating)」、「決定(determining)」などを利用する議論は、メモリ、レジスタ、もしくは他の情報記憶装置、送信装置、またはコンピューティングデバイスの表示装置内の物理的な電子的もしくは磁気的な量として表わされるデータを操作するもしくは変換するコンピューティングデバイスの行為または処理を指すことが認識される。
【0062】
特許請求される主題は、本明細書に記載される特定の実装形態に範囲を限定されない。たとえば、一部の実装形態は、装置または装置の組み合わせ上で動作するように用いられるようなハードウェアにあってもよく、たとえば、他の実装形態は、ソフトウェアおよび/またはファームウェアにあってもよい。同様に、特許請求される主題は、この点で範囲を限定されてないが、一部の実装形態は、1つの信号伝達媒体、1つのストレージ媒体、および/または複数のストレージ媒体などの1つまたは複数の物品を含むことができる。このストレージ媒体、たとえば、CD−ROM、コンピュータディスク、フラッシュメモリなどは、たとえば、記憶された命令を有することができ、この命令が、コンピューティングデバイス、たとえば、コンピューティングシステム、コンピューティングプラットフォーム、または他のシステムによって実行されたとき、たとえば、前述の実装形態のうちの1つなどの、特許請求される主題によるプロセッサの実行という結果になる。1つの可能性として、コンピューティングデバイスは、1つもしくは複数の処理装置またはプロセッサ、1つもしくは複数の入出力装置、たとえばディスプレイ、キーボードおよび/またはマウス、ならびに1つもしくは複数のメモリ、たとえばスタティックランダムアクセスメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、および/またはハードドライブを含んでもよい。
【0063】
システムの側面でのハードウェアの実装形態とソフトウェアの実装形態との間には、ほとんど相違が残されていない。ハードウェアまたはソフトウェアの使用は、一般に(いつもそうではないが、ある状況ではハードウェアとソフトウェアの間の選択が重要になり得るという点で)コスト対効果のトレードオフを表す設計上の選択である。本明細書に記載された、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術をもたらすことができるさまざまな達成手段があり(たとえば、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)、好ましい達成手段は、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術が導入される状況によって異なる。たとえば、実装者が速度と正確性が最も重要であると決定すると、実装者は主にハードウェアおよび/またはファームウェアの達成手段を選択することができる。フレキシビリティが最も重要なら、実装者は主にソフトウェアの実装形態を選択することができる。または、さらに別の代替案として、実装者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアのなんらかの組み合わせを選択することができる。
【0064】
前述の詳細な説明では、ブロック図、フローチャート、および/または例の使用によって、装置および/またはプロセスのさまざまな実施形態を説明してきた。そのようなブロック図、フローチャート、および/または例が1つまたは複数の機能および/または動作を含む限りにおいて、そのようなブロック図、フローチャート、または例の中のそれぞれの機能および/または動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または実質上それらのすべての組み合わせにより、個別におよび/または集合的に実装可能であることが、当業者には理解されるであろう。ある実施形態では、本明細書に記載された主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、または他の集積化方式によって実装することができる。しかし、本明細書で開示された実施形態のいくつかの態様が、全体においてまたは一部において、1つまたは複数のコンピュータ上で動作する1つまたは複数のコンピュータプログラムとして(たとえば、1つまたは複数のコンピュータシステム上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、1つまたは複数のプロセッサ上で動作する1つまたは複数のプログラムとして(たとえば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは実質上それらの任意の組み合わせとして、等価に集積回路に実装することができることを、当業者は認識するであろうし、電気回路の設計ならびに/またはソフトウェアおよび/もしくはファームウェアのコーディングが、本開示に照らして十分当業者の技能の範囲内であることを、当業者は認識するであろう。さらに、本明細書に記載された主題のメカニズムをさまざまな形式のプログラム製品として配布することができることを、当業者は理解するであろうし、本明細書に記載された主題の例示的な実施形態が、実際に配布を実行するために使用される信号伝達媒体の特定のタイプにかかわらず適用されることを、当業者は理解するであろう。信号伝達媒体の例には、フレキシブルディスク、ハードディスクドライブ(HDD)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリ、などの記録可能なタイプの媒体、ならびに、デジタル通信媒体および/またはアナログ通信媒体(たとえば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンクなど)の通信タイプの媒体が含まれるが、それらには限定されない。
【0065】
本明細書で説明したやり方で装置および/またはプロセスを記載し、その後そのように記載された装置および/またはプロセスを、データ処理システムに統合するためにエンジニアリング方式を使用することは、当技術分野で一般的であることを当業者は認識するであろう。すなわち、本明細書に記載された装置および/またはプロセスの少なくとも一部を、妥当な数の実験によってデータ処理システムに統合することができる。通常のデータ処理システムは、一般に、システムユニットハウジング、ビデオディスプレイ装置、揮発性メモリおよび不揮発性メモリなどのメモリ、マイクロプロセッサおよびデジタル信号プロセッサなどのプロセッサ、オペレーティングシステムなどの計算実体、ドライバ、グラフィカルユーザインタフェース、およびアプリケーションプログラムのうちの1つもしくは複数、タッチパッドもしくはスクリーンなどの1つもしくは複数の相互作用装置、ならびに/またはフィードバックループおよびコントロールモータを含むコントロールシステム(たとえば、位置検知用および/もしくは速度検知用フィードバック、コンポーネントの移動用および/もしくは数量の調整用コントロールモータ)を含むことを、当業者は理解するであろう。通常のデータ処理システムは、データコンピューティング/通信システムおよび/またはネットワークコンピューティング/通信システムの中に通常見られるコンポーネントなどの、市販の適切なコンポーネントを利用して実装することができる。
【0066】
本明細書に記載された主題は、さまざまなコンポーネントをしばしば例示しており、これらのコンポーネントは、他のさまざまなコンポーネントに包含されるか、または他のさまざまなコンポーネントに接続される。そのように図示されたアーキテクチャは、単に例示にすぎず、実際には、同じ機能を実現する多くの他のアーキテクチャが実装可能であることが理解されよう。概念的な意味で、同じ機能を実現するコンポーネントの任意の構成は、所望の機能が実現されるように効果的に「関連づけ」される。したがって、特定の機能を実現するために組み合わされた、本明細書における任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャまたは中間のコンポーネントにかかわらず、所望の機能が実現されるように、お互いに「関連づけ」されていると見ることができる。同様に、そのように関連づけされた任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に接続」または「動作可能に結合」されていると見なすこともでき、そのように関連づけ可能な任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に結合できる」と見なすこともできる。動作可能に結合できる場合の具体例には、物理的にかみ合わせ可能な、および/もしくは物理的に相互作用するコンポーネント、ならびに/またはワイヤレスに相互作用可能な、および/もしくはワイヤレスに相互作用するコンポーネント、ならびに/または論理的に相互作用する、および/もしくは論理的に相互作用可能なコンポーネントが含まれるが、それらに限定されない。
【0067】
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。さまざまな単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0068】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(たとえば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(たとえば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む発明に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(たとえば、「a」および/または「an」は、通常、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、通常、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(たとえば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、通常、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0069】
本明細書における「実装形態」、「1つの実装形態」、「一部の実装形態」または「他の実装形態」への言及は、1つまたは複数の実装形態に関連して記載された特定の特徴、構造、または特性が必ずしもすべての実装形態ではないが、少なくとも一部の実装形態に含まれてもよいことを意味する場合がある。前述の説明における「実装形態」、「1つの実装形態」、または「一部の実装形態」のさまざまな外観は必ずしもすべて同じ実装形態を指していない。
【0070】
ある例示的な技法が本明細書においてさまざまな方法およびシステムを使用して説明され示されているが、特許請求される主題から逸脱せずに、さまざまな他の変更がなされてもよく、均等物に置き換えられてもよいことが当業者によって理解されるはずである。さらに、本明細書に記載された中心的な概念から逸脱せずに、特定の状況を特許請求される主題の教示に適合させるために、多くの変更がなされてもよい。したがって、特許請求される主題は、開示された特定の例に限定されず、そうした特許請求される主題がまた、添付の特許請求の範囲の範囲内にある実装形態、およびその均等物をすべて含んでもよいことが意図されている。
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