(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5847983
(24)【登録日】2015年12月4日
(45)【発行日】2016年1月27日
(54)【発明の名称】乗客用座席のリクライニングおよびトレイテーブルの支持機構
(51)【国際特許分類】
B60N 3/00 20060101AFI20160107BHJP
【FI】
B60N3/00 A
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-501778(P2015-501778)
(86)(22)【出願日】2013年3月14日
(65)【公表番号】特表2015-516328(P2015-516328A)
(43)【公表日】2015年6月11日
(86)【国際出願番号】US2013031341
(87)【国際公開番号】WO2013142259
(87)【国際公開日】20130926
【審査請求日】2014年10月23日
(31)【優先権主張番号】61/614,822
(32)【優先日】2012年3月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/614,841
(32)【優先日】2012年3月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500413696
【氏名又は名称】ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】B/E Aerospace, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュア ライアン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ホンツ ジェフリー ダブリュー.
【審査官】
永安 真
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−515617(JP,A)
【文献】
特開2006−341752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客用座席のリクライニング機構であって、
背もたれリンクおよびトレイ・テーブル・リンクの独立式旋回の中心である旋回シャフトを支持する固定式座席フレーム部材と、
背もたれのリクライニングに伴って前記背もたれリンクが前側へ旋回するように、前記背もたれリンクへ旋回可能に接続される背もたれと、
トレイテーブル脚部と、を備え、
前記トレイテーブル脚部は、前記トレイテーブル脚部がしまい込まれる際には前記トレイ・テーブル・リンクが前記背もたれリンクと共に旋回し、かつ前記トレイテーブル脚部が展開される際には前記トレイ・テーブル・リンクが前記背もたれリンクとは独立して旋回するように、前記トレイ・テーブル・リンクへ旋回可能に接続される、乗客用座席のリクライニング機構。
【請求項2】
前記旋回シャフトより垂直方向の上の位置で前記固定式座席フレーム部材によって支持されるトレイテーブル停止ピンをさらに備える、請求項1に記載の乗客用座席のリクライニング機構。
【請求項3】
前記トレイ・テーブル・リンクの行程は、前方向を前記背もたれリンクによって、かつ後方向を前記トレイテーブル停止ピンによって制限される、請求項2に記載の乗客用座席のリクライニング機構。
【請求項4】
前記トレイ・テーブル・リンクの一部は、前記トレイ・テーブル・リンクが前記背もたれリンクの後方への進行に伴って前記背もたれリンクと共に後方へ進むように、横方向が前記背もたれリンクと重なる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗客用座席のリクライニング機構。
【請求項5】
前記トレイテーブル脚部の下方行程は、前記トレイ・テーブル・リンクによって制限される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の乗客用座席のリクライニング機構。
【請求項6】
前記旋回シャフトおよび前記トレイテーブル脚部は、前記トレイ・テーブル・リンクの対向する両端へ旋回可能に取り付けられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の乗客用座席のリクライニング機構。
【請求項7】
前記旋回シャフトおよび前記背もたれは、前記背もたれリンクの対向する両端へ旋回可能に取り付けられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の乗客用座席のリクライニング機構。
【請求項8】
前記背もたれリンクおよび前記トレイ・テーブル・リンクは、前記固定式座席フレーム部材と前記背もたれとの間で前記旋回シャフト上に支持される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の乗客用座席のリクライニング機構。
【請求項9】
トレイテーブルをさらに備え、
前記トレイテーブルは、展開される際の前記トレイテーブルの高さが前記背もたれの位置に関わりなく一定であるように、前記トレイテーブル脚部へ旋回可能に接続される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の乗客用座席のリクライニング機構。
【請求項10】
航空機の乗客用座席であって、
フレームによって支持される背もたれおよび座部であって、前記背もたれは直立位置とリクライニング位置との間で旋回するように構成される、背もたれおよび座部と、
各々が前記背もたれの両側へ取り付けられる1対の背もたれリクライニングおよびトレイテーブル支持機構と、
トレイテーブルと、を備え
各機構は、
前記フレームの固定式座席フレーム部材により支持される、背もたれリンクおよびトレイ・テーブル・リンクの独立的な旋回の中心である旋回シャフトと、
トレイテーブル脚部であって、前記トレイテーブル脚部がしまい込まれる際には前記トレイ・テーブル・リンクが前記背もたれリンクと共に旋回し、かつ前記トレイテーブル脚部が展開される際には前記トレイ・テーブル・リンクが前記背もたれリンクとは独立して旋回するように、前記トレイ・テーブル・リンクへ旋回可能に接続されるトレイテーブル脚部と、を含み、
前記トレイテーブルは、展開される際の前記トレイテーブルの高さが前記背もたれの位置に関わりなく一定であるように、前記機構の前記トレイテーブル脚部へ旋回可能に接続されかつこれらのトレイテーブル脚部間に支持され、
前記背もたれリンクが前記背もたれのリクライニングに伴って前側へ旋回するように、前記背もたれが前記背もたれリンクへ旋回可能に接続される、航空機の乗客用座席。
【請求項11】
各機構は、前記旋回シャフトより垂直方向の上の位置で前記固定式座席フレーム部材によって支持されるトレイテーブル停止ピンをさらに備える、請求項10に記載の乗客用座席。
【請求項12】
各機構において、前記トレイ・テーブル・リンクの行程は、前方向を前記背もたれリンクによって、かつ後方向を前記トレイテーブル停止ピンによって制限される、請求項11に記載の乗客用座席。
【請求項13】
各機構において、前記トレイ・テーブル・リンクの一部は、前記トレイ・テーブル・リンクが前記背もたれリンクの後方への進行に伴って前記背もたれリンクと共に後方へ進むように、横方向が前記背もたれリンクと重なる、請求項10〜12のいずれか一項に記載の乗客用座席。
【請求項14】
各機構において、前記トレイテーブル脚部の下方行程は、前記トレイ・テーブル・リンクによって制限される、請求項10〜13のいずれか一項に記載の乗客用座席。
【請求項15】
各機構において、前記背もたれリンクおよび前記トレイ・テーブル・リンクは、前記固定式座席フレーム部材と前記背もたれとの間で前記旋回シャフト上に支持される、請求項10〜14のいずれか一項に記載の乗客用座席。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、クレードル型座席リクライニング機構に関し、より具体的には、トレイテーブルがその展開に際して背もたれの位置に関わりなく姿勢および高さを保持できるように、背もたれとトレイテーブルとの独立的旋回動作を提供する座席のリクライニングおよびトレイテーブルの支持機構に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の乗客用座席は、典型的には、飛行中、快適さを高めるためにリクライニングするように構成される。プレミアムクラスの座席の中には、快適さを最大限にするフルフラットの座席位置を達成できるものがあるが、エコノミークラスの大部分の座席は、高い座席密度および他の座席の近接性の結果としてのスペース上の制約に起因して、僅かなリクライニングに限定されている。大部分の従来のエコノミークラス座席は、背もたれが直立位置とリクライニングされた座席位置との間で旋回し、不都合にも後部座席の乗客用空間に倒れ込んでリクライニングする。大部分のエコノミー座席も、背もたれに旋回式に取り付けられたトレイテーブルを含み、背もたれのリクライニングに伴ってトレイテーブルが動く。したがって、実際にトレイテーブルを使用する乗客は、トレイテーブルの位置を完全に制御できず、イライラして不快感が生じる。
【0003】
したがって、支持用座席のリクライニング機構とは独立して動作するトレイテーブル、ならびに座席背後のスペースへの侵入を最小限に抑えるクレードル型リクライニング動作をする座席が必要とされている。望ましい機構は、航空機乗客用座席沿いの限られたスペースに十分に適合するように単純かつパッケージ化されたものでもあると思われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的の1つは、従来技術の座席リクライニング機構の欠点を克服する乗客用座席リクライニングおよびトレイテーブル支持機構を提供することにある。
【0005】
本発明のさらなる目的は、背もたれの位置が、座席により支持される展開されたトレイテーブルの姿勢または高さを決定づけない座席リクライニング機構を含む、航空機客用座席を提供することにある。
【0006】
本発明のさらなる目的は、トレイテーブルが背もたれにぴったりとしまい込まれ、かつ後部座席の乗客が使用する際には背もたれから離れた水平位置まで展開する、座席リクライニングおよびトレイテーブル支持機構を提供することにある。
【0007】
本発明のさらなる目的は、十分にパッケージ化されて座席沿いの限られたスペースに適合する、座席リクライニングおよびトレイテーブル支持機構を提供することにある。
【0008】
本発明のさらなる目的は、航空機乗客用座席のための改良されたクレードル型リクライニング動作を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの、および他の特徴、目的および優位点は、背もたれリンクおよびトレイ・テーブル・リンクの独立式旋回の中心である旋回シャフトを支持する固定式座席フレーム部材と、背もたれのリクライニングに伴って背もたれリンクが前側へ旋回するように、背もたれリンクへ旋回可能に接続される背もたれと、トレイテーブル脚部がしまい込まれる際にはトレイ・テーブル・リンクが背もたれリンクと共に旋回し、かつトレイテーブル脚部が展開される際にはトレイ・テーブル・リンクが背もたれリンクとは独立して旋回するように、トレイ・テーブル・リンクへ旋回可能に接続されるトレイテーブル脚部と、を含む乗客用座席のリクライニング機構を提供することによって達成される。
【0010】
別の実施形態によれば、本機構は、さらに、旋回シャフトより垂直方向の上の位置で固定式座席フレーム部材によって支持されるトレイテーブル停止ピンを含んでもよい。
【0011】
別の実施形態によれば、トレイ・テーブル・リンクの行程は、前方向を背もたれリンクによって、かつ後方向をトレイテーブル停止ピンによって制限されてもよい。
【0012】
別の実施形態によれば、トレイ・テーブル・リンクの一部は、背もたれリンクの後方への進行に伴って背もたれリンクと共にトレイ・テーブル・リンクが後方へ進むように、横方向が背もたれリンクと重なってもよい。
【0013】
別の実施形態によれば、トレイテーブル脚部の下方への行程は、トレイ・テーブル・リンクによって制限されてもよい。
【0014】
別の実施形態によれば、旋回シャフトおよびトレイテーブル脚部は、トレイ・テーブル・リンクの対向する両端へ旋回可能に取り付けられてもよい。
【0015】
別の実施形態によれば、旋回シャフトおよび背もたれは、背もたれリンクの対向する両端へ旋回可能に取り付けられてもよい。
【0016】
別の実施形態によれば、背もたれリンクおよびトレイ・テーブル・リンクは、固定式座席フレーム部材と背もたれとの間で旋回シャフト上に支持されてもよい。
【0017】
別の実施形態によれば、本機構は、さらに、展開される際のトレイテーブルの高さが背もたれの位置に関わりなく一定であるように、トレイテーブル脚部へ旋回可能に接続されるトレイテーブルを含んでもよい。
【0018】
別の実施形態において提供される航空機の乗客用座席は、フレームによって支持される背もたれおよび座部であって、背もたれは直立位置とリクライニング位置との間で旋回するように構成される、背もたれおよび座部と、各々が背もたれの両側へ取り付けられる1対の背もたれリクライニングおよびトレイテーブル支持機構であって、各機構は、フレームの固定部材により支持される、背もたれリンクおよびトレイ・テーブル・リンクの独立的な旋回の中心である旋回シャフトであって、背もたれは背もたれリンクが背もたれのリクライニングに伴って前側へ旋回するように背もたれリンクへ旋回可能に接続される旋回シャフトと、トレイテーブル脚部のしまい込みに際してトレイ・テーブル・リンクが背もたれリンクと共に旋回しかつトレイテーブル脚部の展開に際してトレイ・テーブル・リンクが背もたれリンクとは独立して旋回するようにトレイ・テーブル・リンクへ旋回可能に接続されるトレイテーブル脚部とを含む、1対の背もたれリクライニングおよびトレイテーブル支持機構と、展開される際のトレイテーブルの高さが背もたれの位置に関わりなく一定であるように、本機構のトレイテーブル脚部へ旋回可能に接続されかつこれらのトレイテーブル脚部間に協調的に支持されるトレイテーブルと、を含む。
【0019】
別の実施形態によれば、各機構は、さらに、旋回シャフトより垂直方向の上の位置で固定式座席フレーム部材によって支持されるトレイテーブル停止ピンを含んでもよい。
【0020】
別の実施形態によれば、各機構において、トレイ・テーブル・リンクの行程は、前方向を背もたれリンクによって、かつ後方向をトレイテーブル停止ピンによって制限されてもよい。
【0021】
別の実施形態によれば、各機構において、トレイ・テーブル・リンクの一部は、背もたれリンクが後方へ進むにつれて背もたれリンクと共に後方へ進むように、横方向が背もたれリンクと重なってもよい。
【0022】
別の実施形態によれば、各機構において、トレイテーブル脚部の下方への行程は、トレイ・テーブル・リンクによって制限されてもよい。
【0023】
別の実施形態によれば、各機構において、旋回シャフトおよびトレイテーブル脚部は、トレイ・テーブル・リンクの対向する両端へ旋回可能に取り付けられてもよい。
【0024】
別の実施形態によれば、各機構において、旋回シャフトおよび背もたれは、背もたれリンクの対向する両端へ旋回可能に取り付けられてもよい。
【0025】
別の実施形態によれば、各機構において、背もたれリンクおよびトレイ・テーブル・リンクは、固定式座席フレーム部材と背もたれとの間で旋回シャフト上に支持されてもよい。
【0026】
別の実施形態によれば、トレイテーブルは、しまい込まれたときは背もたれに当たり、かつ展開されると背もたれから離隔されてもよい。
【0027】
本発明の実施形態は、上述の特徴のうちの1つまたはそれ以上、またはこれらの任意の組合せを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明は、添付の図面を参照して、本発明に関する以下の詳細な説明を読めば、最も良く理解される。
【0029】
【
図1】各々が本発明の好適な実施形態によるリクライニングおよびトレイテーブル支持機構を有する複数の座席を含む座席グループの等角図である。
【0030】
【
図2】
図1における一座席に沿って位置合わせされるリクライニングおよびトレイテーブル支持機構の詳細図である。
【0031】
【
図3】背もたれが直立しかつトレイテーブルがしまい込まれた状態を示す本機構の側面図である。
【0032】
【
図4】背もたれがリクライニングされかつトレイテーブルがしまい込まれた状態を示す本機構の側面図である。
【0033】
【
図5】背もたれがリクライニングされかつトレイテーブルが展開された状態を示す本機構の側面図である。
【0034】
【
図6】背もたれが直立しかつトレイテーブルが展開された状態を示す本機構の側面図である。
【0035】
【
図7】組込み式光ファイバ照明を含む乗客用座席グループの正側面斜視図である。
【0036】
【
図8】組込み式光ファイバ照明を含む乗客用座席グループの後側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して、本発明をより完全に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形式で具現されてもよく、よって、本明細書に記載される典型的な実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、かつ発明の範囲を十分に伝え、かつ一般的な当業者の一人が本発明を行い、使用しかつ実施できるように提供される。様々な図面を通じて、類似の参照数字は類似の要素を指す。
【0038】
ここで、図面を参照して、乗客用座席グループ、乗客用座席のリクライニングおよびトレイテーブル支持機構、および乗客用座席の組込み式光ファイバ照明システムについて説明する。ここでは、座席および機構を、民間航空機の普通席またはエコノミークラスにおける航空機座席を参照して説明するが、本明細書に記載する機構は、クレードル型動作をする任意の座席に適用され、かつ役立つものである。
【0039】
図1を参照すると、座席グループは、概して参照数字10で示され、かつ共通のフレームにより支持される横方向に隣接した3つの座席12を含む。各座席12は、クレードル動作をするクレードル型座席であり、背もたれ14は、直立位置とリクライニング位置との間でフレームに対して相対的に旋回する。座部16は、背もたれと共に調整される場合もあれば、されない場合もある。座席グループ10は、1つまたは複数の脚部18によって床へ取り付けられる。フットレスト/手荷物リテーナバー20は、床より上の位置で座席グループ10の両側および正面の周りに延在する。各座席は、座席の両側に個々に取り付けられる1対のアームレストを含んでもよい。奥の座席は、1つのアームレストのみを含む場合もあれば、一方が座席フレームへ、かつもう一方が機内の壁に取り付けられる1対のアームレストを含む場合もある。フレーム部材22は、後に詳述するように、座席パン16、背もたれ14、およびリクライニングおよびトレイテーブル支持機構へ固定されかつこれらを支持する。
【0040】
図2を参照すると、本明細書において「本機構」と称する、乗客用座席のリクライニングおよびトレイテーブル支持機構は、概して、背もたれリンク28およびトレイ・テーブル・リンク32の独立式旋回の中心である旋回シャフト26を支持する固定式フレーム部材22を含む。背もたれ14は、背もたれの直立位置からリクライニング位置への移動(即ち、リクライニング)に伴って背もたれリンクが「前側」へ旋回する(即ち、下方へ回転する)ように、背もたれリンク28へ旋回可能に接続される。トレイテーブル(
図3の40参照)を支持するためのトレイテーブル脚部34は、トレイテーブル脚部がしまい込まれる際にはトレイ・テーブル・リンクが背もたれリンクと共に旋回し、かつトレイテーブル脚部が展開される際にはトレイ・テーブル・リンクが背もたれリンクとは独立して旋回するように、トレイ・テーブル・リンク32へ旋回可能に接続される。本機構は、座席沿いの限られたスペースに嵌まるように十分にパッケージ化され、かつ具体的には、固定式フレーム部材22と、本明細書では「背もたれ14」と称する背もたれフレーム部材との間に位置合わせされる。
【0041】
固定式フレーム部材22は、さらに、旋回シャフト26より垂直方向の上の位置でトレイテーブル停止ピン36を支持し、かつトレイ・テーブル・リンク32の横方向重ね合わせ部44は、背もたれリンク28の頂部に横方向で重なる。この配置において、固定式フレーム部材22に隣接して位置合わせされるトレイ・テーブル・リンク32の行程は、前(即ち、下)方向を背もたれリンク28によって、かつ後(即ち、上)方向をトレイテーブル停止ピン36によって制限される。したがって、トレイ・テーブル・リンク32は、
図3と
図4との比較から証明されるように、比較的狭い範囲の旋回動作を有する。トレイ・テーブル・リンク32の旋回動作範囲は、他の要因の中でもとりわけ、背もたれ14の旋回動作範囲に依存する。このように、浅いリクライニングの背もたれは、旋回動作範囲が狭いトレイ・テーブル・リンク32を必要とし、逆もまた同様である。
【0042】
トレイ・テーブル・リンク32の横方向重ね合わせ部44は、背もたれ14のリクライニングから直立への移動に伴う背もたれリンクの後方動作が、トレイ・テーブル・リンクを共に運ぶように、背もたれリンク28の頂部上に存在する。横方向重ね合わせ部44が背もたれリンク28の頂面のみに重なることに起因して、かつ背もたれリンク28およびトレイ・テーブル・リンク32が旋回シャフト26を中心として独立して旋回することに起因して、トレイ・テーブル・リンクは、背もたれリンクが前側にある(即ち、背もたれ14がリクライニングされた)状態で後方へ旋回することができる。この配置では、トレイ・テーブル・リンク32およびトレイテーブル脚部34は、展開される場合、後に詳述するように、背もたれ14の位置に関わりなく、トレイテーブル40の姿勢および高さを一定に保つように協働して調整する。
【0043】
トレイテーブル脚部34の下方行程は、トレイ・テーブル・リンク32によって制限され、かつ具体的には、
図4において最も良く分かるように、横方向重ね合わせ部44は、トレイテーブル脚部の機械的停止装置として機能する。旋回シャフト26および背もたれ14は、背もたれリンク28の対向する両端で旋回可能に取り付けられる。背もたれ14は、
図2に示されているように、上側の背もたれ部材14を示す参照数字14および下側の背もたれ部材を示す参照数字24で表される1つまたは複数のフレーム部材を含んでもよい。座部および背もたれが一緒に動く(即ち、背もたれがリクライニングして前方へ平行移動し、かつ座席パンの前部が上昇して前方へ平行移動する)クレードル動作を提供するために、図示されているような、間に旋回なしに接続されるフレーム部材を使用することができる。フレーム部材の旋回は、一方のフレーム部材(例えば、背もたれ)のみに旋回動作を与えるために使用されてもよい。背もたれ14に対する背もたれの旋回シャフト30の旋回的接続位置は、所望される旋回軸および座席構成を基礎として調整可能である。
【0044】
図3〜
図6を参照すると、背もたれ14は、直立位置およびリクライニング位置の双方で、トレイテーブル40がこれらの背もたれ位置において各々しまい込まれた状態および展開された状態で示されている。背もたれは、完全な直立位置および完全なリクライニング位置でしか示されていないが、背もたれ14がこれらの極限位置間で無段階に調整可能であり、かつトレイ・テーブル・リンク32およびトレイテーブル脚部34が展開されたトレイテーブル40の位置を保持すべく適宜調整されることは理解されるべきである。
【0045】
図3を参照すると、背もたれ14は、完全に直立して示され、かつトレイテーブル40は、背もたれと同一平面にしまい込まれて示されている。この形では、トレイ・テーブル・リンク32および背もたれリンク28は共にその最も後側の位置にあり、かつ座席側面から見て一直線上に存在する。トレイテーブル40がしまい込まれた状態では、トレイテーブル脚部34はその最も上側の位置にある。
【0046】
図4を参照すると、背もたれ14は、完全にリクライニングして示され、かつトレイテーブル40は、背もたれと同一平面にしまい込まれて示されている。この構成では、トレイ・テーブル・リンク32および背もたれリンク28は、側面から見て一直線上に、但しそれらの最も前側の位置に存在する。しまい込まれた場合のトレイテーブル脚部34の位置は、
図3と
図4との比較から明らかなように、直立位置またはリクライニング位置の何れにおいても背もたれ14に対して同じままである。トレイ・テーブル・リンク32は、旋回シャフト26に対するトレイテーブル脚部34の下端位置の変化に対応して前方へ移動する。
【0047】
図5を参照すると、背もたれ14は、完全にリクライニングされて示され、かつトレイテーブル40は、展開されて略水平に示されている。この構成において、背もたれリンク28は、座席をリクライニングするために前方へ移動し、一方でトレイ・テーブル・リンク32は、後方にあるままであり、よって、旋回シャフト26を中心とする独立した旋回動作が示されている。トレイテーブル40を展開するために、トレイテーブル脚部34は、機械的停止装置として作用するトレイ・テーブル・リンク32の重ね合わせ部44に接触するまで下方へ進む。トレイテーブル脚部34の旋回動作範囲およびトレイテーブル脚部の曲がり形状は、共同してトレイテーブル40を、後部座席の乗客が使用するための予め決められた快適な高さに位置合わせする。トレイテーブル40が1対のトレイテーブル脚部34に対して旋回する動作範囲は、本明細書では論じていない従来手段によって達成可能である。
【0048】
図6を参照すると、背もたれ14は、完全に直立して示され、かつトレイテーブル40は、展開されて示されている。この構成において、背もたれリンク28およびトレイ・テーブル・リンク32は、一直線上にあり、かつこれらの最も後側の位置にある。トレイテーブル40が展開されている
図5および
図6を比較すると、背もたれリンクおよびトレイ・テーブル・リンクは共通の旋回シャフト26上へ取り付けられているものの、背もたれ14および背もたれリンク28がトレイ・テーブル・リンク32を中心として独立的に旋回することは明らかである。
【0049】
図7および
図8を参照すると、座席のリクライニングおよびトレイテーブル支持機構に加えて、座席または座席グループは、場合により/追加的に、組込み式照明機能を含んでもよい。
図1と同様に、
図7および
図8に示されている座席グループは、横方向に隣接して一列を成す3つの座席を含む。座席グループは、通路側の座席と、窓側の座席と、壁側の座席とを含む。通路側の座席は、通路側アームレスト50の底縁に沿って延びる細長い光ファイバ灯52と、バンパの底縁および後縁に沿って延びる細長い光ファイバ灯54とを含む。灯52は、アームレスト50の前端および後端にも渡って延びる。中間の座席および窓側の座席も、個々のアームレスト等の上に光ファイバ灯を含むことが可能である。
【0050】
光ファイバ灯52、54の長さは、発せられる光が、仮想の照明線によって示されるように均等に分散されることを可能にする。光ファイバ灯自体は、光が周辺の座席表面および通路へと下向きに反射されるように、部分的にシュラウドの背後に隠される。これにより、光が方向づけられ、かつ光を拡散させることができ、よって光の強烈さが和らぎ、かつ美観が増す。電源は、極めてフレキシブルであって、直接的な航空機電力、IFE、座席作動またはPCパワーボックスに限定されない。この追加的な照明光源を提供する能力は、典型的には夜間飛行中に存在するような、暗い機内で特に有益である。照明は、遺失物の発見および客室全体の総合ナビゲーションにおいて手助けとなり得る。
【0051】
灯は、照明の所望される長さ形状に合わせることができる柔軟な透明チューブ内に包含される場合もあれば、所望される形状に形成される硬質チューブ内に包含される場合もある。何れの場合も、灯52、54は、先に述べたように、発せられる光が隣接する座席表面へと下向きに配向されるように、シュラウドの下に位置合わせされてもよい。灯52、54は、他の機内照明と同様にして、運航乗務員および航空機の電力システムにより制御される。本組込み式照明機能の開示は、普通席クラスの座席グループに関連して行っているが、本照明機能は、任意の座席または座席グループ上で、または任意の座席クラスにおいて使用可能である。
【0052】
灯52、54の具体的な形状は、バンパ、アームレストまたは他の構造体の形状によって決定づけられてもよい。本発明は、光ファイバに関連して説明されているが、細長い構造体に形成されること、または組み込まれることが可能な、発光ダイオード(LED)およびハロゲン光等の他の光源も想定される。
【0053】
本明細書では、乗客用座席のリクライニングおよびトレイテーブルの支持機構、および照明機能を、具体的な実施形態および例を参照して説明しているが、本発明の様々な詳細は、発明の範囲を逸脱することなく変更されてもよい。さらに、これまでに述べた本発明の好適な実施形態および発明を実施するための最良の形態は、単に例示を目的として提示されたものであり、限定を目的とするものではない。