特許第5848098号(P5848098)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5848098
(24)【登録日】2015年12月4日
(45)【発行日】2016年1月27日
(54)【発明の名称】健康器具
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/042 20060101AFI20160107BHJP
【FI】
   A61F5/042 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-246884(P2011-246884)
(22)【出願日】2011年10月25日
(65)【公開番号】特開2013-90886(P2013-90886A)
(43)【公開日】2013年5月16日
【審査請求日】2014年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】502045781
【氏名又は名称】崎津 英昭
(74)【代理人】
【識別番号】100064469
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100099612
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100073450
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 英俊
(73)【特許権者】
【識別番号】511273517
【氏名又は名称】近藤 英三
(72)【発明者】
【氏名】崎津 英昭
(72)【発明者】
【氏名】近藤 英三
【審査官】 増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−139977(JP,A)
【文献】 特開2009−247378(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/017883(WO,A1)
【文献】 特開平11−221257(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0032834(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の胸部両側面部に当接することができる胸部両側面支持部と、椅子としての使用時には前記人体の少なくとも上腿部を下方から支持する座面部とを備えた椅子型の健康器具であって、前記座面部と前記胸部両側面支持部を同時に連動させる可動部を持つリンク機構を更に有し、前記胸部両側面支持部は、前記座面部が下方に変位すると前記リンク機構により連動して、前記体の上半身を下方から支持し、前記座面部は、下方に変位して前記胸部両側面支持部により上半身が支持された前記人体の上腿部の少なくとも一部から離反する一方、前記人体の腰部を空中に浮かせることを特徴とする健康器具。
【請求項2】
請求項1に記載された健康器具であって、前記リンク機構は、リンクセンターパイプと前記リンクセンターパイプに沿って上昇又は下降することができるリンクブロックとを備え、前記リンクブロックは、前記座面部及び前記胸部両側面支持部に連結され、前記座面部は、前記リンクセンターパイプに設けられた穴に挿入されるピンにより前記リンクブロックの下降が規制されて通常の椅子として使用できる状態に保持される一方、前記ピンによる規制を解除することにより下降が許容されて下方へ下がることができることを特徴とする健康器具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載された健康器具であって、前記座面部、前記胸部両側面支持部、前記リンク機構に連結されたスタンドを有し、前記胸部両側面支持部は、前記スタンドを支点に円弧の軌道を描くように垂直を保ちつつ変位して、左右から同時に胸部を内側にみ上半身を支えることを特徴とする健康器具。
【請求項4】
請求項3に記載された健康器具であって、前記スタンドの上部を左右同時に持ち上げることにより折り畳むことができ、前記ピンを前記リンクセンターパイプに設けられた下方の穴に挿入することにより折り畳み状態で固定されることを特徴とする健康器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は腰痛の予防又は治療に使用することができる健康器具の改良に関し、コンパクトに折りたたむ事ができ携帯性にも優れ、椅子としても使用することができる、日常の腰の健康器具。
【背景技術】
【0002】
腰痛を治療又は予防するための手段として、本発明者等は、図5に示すように胴体保持部を支持する一方、腰部を空中に浮かせて、腰部を上半身の重力から解放するなど、下半身の自重によって脊椎を自然に伸ばして、腰痛を非常に効果的に予防又は治療する医療器具を提案した(特許文献1、2参照)
【0003】
この医療器具は、主に、治療院等の治療するための施設や場所に設置されていて、通院する患者の治療に充てられて、腰痛の予防又は治療に非常に高い効果を発揮することができる実績を積み上げてきた。その結果、現在では、わざわざ通院することなく家庭や各種事業所等においても、同様の予防又は治療を受けたいとの要望が高まっている。
【0004】
しかし、上記の従来技術は、元々は、専門治療院向用に開発されたため、比較的大がかりで、また、上方から垂れ下がれた脚吊り手段図5の102等を有しているため、通常の家具として使用することは難しく、その結果、見栄えの問題から、必ずしも、一般の家庭や各種事務所の個人的空間に設置することには適さない問題もあった。また、購入コストに関しても、手軽に購入することができるレベルに抑制することが要求されるに至っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第00/41657パンフレット
【0006】
【特許文献2】国際公開第05/000172パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、腰痛を非常に効果的に予防又は治療することができる健康器具が通常時では、家具である椅子としても使用することがき、コンパクトに折りたたむことが可能で家庭や屋外など、どこでも気軽に設置使用することができる、簡易で安価な健康器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するための第一の手段として、人体に当接することができる胸部両側面支持部と、椅子としての使用時には人体の少なくとも上腿部を下方から支持することができる座面部を備えた椅子型の健康器具であって、座面部と胸部両側面支持部を同時に連動させる可動部を持つリンク機構を更に有し、胸部両側面支持部は、座面部が下方に変位するとリンク機構により連動して、人体の上半身を下方から支持し、座面部は、下方に変位して胸部両側面支持部により上半身が支持された人体の上腿部の少なくとも一部から離反する一方、人体の腰部を空中に浮かせることを特徴とする健康器具を提供するものである。
【0009】
本発明は上記の課題を解決するための第二の手段として、上記第一の解決手段において、リンク機構は、リンクセンターパイプとこのリンクセンターパイプに沿って上昇又は下降することができるリンクブロックとを備え、リンクブロックは、座面部及び胸部両側面支持部に連結され、座面部は、リンクセンターパイプに設けられた穴に挿入されるピンによりリンクブロックの下降が規制されて通常の椅子として使用できる状態に保持される一方、ピンによる規制を解除することにより下降が許容されて下方へ下がることができることを特徴とする健康器具を提供するものである。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するための第三の手段として、上記第一又は二のいずれかの解決手段において、座面部、胸部両側面支持部、リンク機構に連結されたスタンドを有し(図1乃至図4)、胸部両側面支持部は、スタンドを支点に円弧の軌道を描くように垂直を保ちつつ変位して、左右から同時に胸部を内側にみ上半身を支えることを特徴とする健康器具を提供するものである。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するための第四の手段として、上記第三の解決手段において、スタンドの上部を左右同時に持ち上げることにより折り畳むことができ、ピンをリンクセンターパイプに設けられた下方の穴に挿入することにより折り畳み状態で固定されることを特徴とする健康器具を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上記のように、胸部両側面支持部により上半身を支持し、座面部を下方に変位させることにより、人体の腰部を空中に浮かせているため、腰部を下半身の自重によって脊椎を自然に伸ばして腰痛を非常に効果的に予防又は、治療することができる実益がある。
【0013】
加えて、本発明は、比較的簡易な構成で製造できるため、製造コストを低減、抑制して、利用者が手軽に使用することができる実益もある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の健康器具の正面図である。
図2】本発明の健康器具の腰痛を予防または治療する状態を示す正面図である。
図3】本発明の健康器具の椅子としての使用時における正面図である。
図4】本発明の健康器具の収納時の正面図である。
図5】従来の健康器具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら明細に説明すると、図1乃至2は、本発明の健康器具15を示し、この健康器具15は、図1乃至図2に示すように人体の胸部両側面部に当接することができる胸部両側面支持部1を備え、椅子としての使用時には人体の上半身を支持する座面部10を備えている。即ち本発明の健康器具15は専ら腰痛の予防または治療を目的として用いられるものではあるが、それ以外の場合にも、通常は、家具である椅子として家庭内や事業所、屋外等に設置して使用することもできる。
【0016】
本発明の図1乃至図2に示す胸部両側面支持部1は、人体の胸部両側面を均等に圧着させるために、スタンド3を支点に平行に円弧の軌道をえがきながら1が垂直を保ちながら人体の左右同時に胸部側面を圧着支持する。従って使用者の胸部側面を圧着支持して上半身を持ち上げた状態にすることにより宙に浮いた腰部を浮かせやすくなり使用者の姿勢に無理な負担をかけることなく腰痛の治療または予防を円滑に行うことができる。
【0017】
さらに、胸部両側面支持部1のうち人体に密着する内側の構造は、クッション性を有するウレタン等の材料で被覆しさらに外側表面は布地材等で被覆して形成することが望ましい。従って人体に負担をかけずに、優しく自然に上体を保持することができる。
【0018】
本発明においては、図1乃至図2胸部両側面支持部1を左右同時に円滑に動かすために座面部10を動機に移動支えパイプ4に伝達されリンクブロック5がすみやかに下降することで、左右同時に胸部両側面支持部1が内側に傾き胸部側面を無理なく自然に支持するリンク機構を有することで左右均等の圧力で胸部側面を支持できる。
【0019】
また図1乃至図2座面部10は、通常はピン11により保持され通常の椅子として使用される。またピン11を解除することにより、座面部10が動機となり胸部両側面支持部1、胸部両側面支持部支持パイプ2、移動支えパイプ4、リンクブロック5、リンクセンターパイプ6が連動し胸部両側面支持部1が内側に均等に傾斜する。
【0020】
なお、本発明は利用者が手軽に使用することができることを考慮し図1乃至図2図のスタンド3の上部を左右同時に持ち上げることにより図4の状態になりピン11をリンクセンターパイプ6の下穴に挿入することでコンパクトに固定され、よって持ち運びや収納ができ、どこでも使用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 胸部両側面支持部
2 胸部両側面支持部支持パイプ
3 スタンド
4 移動支えパイプ
5 リンクブロック
6 リンクセンターパイプ
7 スタンド補助パイプ
8 床パイプ
9 リンク取りつけ平板
10 座面部
図1
図2
図3
図4
図5