(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5848114
(24)【登録日】2015年12月4日
(45)【発行日】2016年1月27日
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/54 20100101AFI20160107BHJP
H01L 33/56 20100101ALI20160107BHJP
【FI】
H01L33/00 422
H01L33/00 424
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-278026(P2011-278026)
(22)【出願日】2011年12月20日
(65)【公開番号】特開2013-131519(P2013-131519A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2014年12月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】特許業務法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】上川 俊美
(72)【発明者】
【氏名】落合 昭文
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 瞬一
【審査官】
高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−060344(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/043636(WO,A1)
【文献】
特開2005−136378(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0023711(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光放射面側に凹部を備えたハウジングと、
前記凹部の底面に配された素子搭載領域に搭載された発光素子と、
前記凹部内に前記発光素子を埋設するように充填されている樹脂からなる素子埋設部と、を有し、
前記素子埋設部は、前記発光素子を包含する封止部、及び前記封止部の樹脂よりも硬度の小さい樹脂からなる緩衝部からなり、
前記緩衝部は、前記発光素子と前記凹部の内側面との間の領域に、前記発光素子と離間して配されていることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記緩衝部は前記素子搭載領域の上面以上の高さまで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記凹部の底部は、前記凹部の底面から突出する素子搭載部と、前記素子搭載部を囲堯するリセス部とからなり、
前記素子搭載領域は、前記素子搭載部上に設けられ、前記緩衝部は前記リセス部を充填するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記緩衝部の少なくとも一部が、前記発光素子の上面を含む平面内に存在していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記素子搭載領域の周縁部に設けられた突起を有し、前記緩衝部は前記発光素子に対し、前記突起の外側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光蔵置。
【請求項6】
前記発光素子は前記ハウジング表面に形成された電極にボンディングワイヤによって接続され、前記封止部は前記発光素子及び前記ボンディングワイヤを包含することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記緩衝部が、前記凹部の前記底面及び前記内側面に接しているリング構造を形成していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記緩衝部は、JIS−A硬度規格において20〜50の範囲の硬度を有するシリコーン樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関し、特にLED(Light Emitting Diode)素子を搭載した発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、白熱電球や蛍光灯ランプに代わりLED素子等の発光素子を利用した発光装置が照明器具や車両用の灯具等に利用されている。このような発光装置においては、発光素子を外部から封止して保護するために、発光素子の周囲を透光性の樹脂等で覆う構造が多く用いられている。
【0003】
特許文献1には、蛍光体を含む透明なエポキシ注型樹脂を基材とするエレクトロルミネセンス素子用の注型材料がLED素子パッケージの凹部内に充填され、LED素子の周囲を覆っている発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−500584号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示されている発光装置等の従来の発光装置では、凹部全体にエポキシ樹脂を充填してLED素子を封止している。しかし、このように凹部全体をエポキシ樹脂で充填した場合、製造における半田リフロー時または実際の使用時等の温度変化に伴い、エポキシ樹脂内部に応力が発生し、樹脂内部に、特にLED素子の上面角部に端を発するクラックが生じてしまうことを本願発明者は見出した。LED素子付近に発生するクラックは、LED素子を破壊したり、ボンディングワイヤを破断させたりする。従って、クラックの発生により、発光装置の製造時の歩留まりが低下したり、発光装置の信頼性が損なわれたりしていた。
また、発光素子近傍のクラック発生により、発光素子から発せられた光が反射または減衰させられ、発光装置の光取り出し効率が低下する等の問題が発生していた。
【0006】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、発光装置の製造時の歩留まりを向上させ、かつ信頼性を向上させることが可能な発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発光装置は、光放射面側に凹部を備えたハウジングと、凹部の底面に配された素子搭載領域に搭載された発光素子と、凹部内に発光素子を埋設するように充填されている樹脂からなる素子埋設部と、を有し、素子埋設部は、発光素子を包含する封止部、及び封止部の樹脂よりも硬度の小さい樹脂からなる緩衝部からなり、緩衝部は、発光素子と凹部の内側面との間の領域に、発光素子と離間して配されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の発光装置では、発光素子の周囲を覆う樹脂よりも硬度の低い樹脂を発光素子とハウジングの凹部側面との間に配置する。それによって、発光装置の製造時または使用時の温度変化において封止樹脂内部に発生するクラックを防止し、発光装置製造時の歩留まり及び使用時の信頼性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1a】本発明の実施例1に係る発光装置の平面図である。
【
図1b】本発明の実施例1に係る発光装置の断面図である。
【
図2】本発明の実施例2に係る発光装置の断面図である。
【
図3a】本発明の実施例3に係る発光装置の断面図である。
【
図3b】本発明の実施例3に係る発光装置の断面図である。
【
図3c】本発明の実施例3に係る発光装置の断面図である。
【
図4】本発明の変形例に係る発光装置の断面図である。
【
図5】本発明の変形例に係る発光装置の平面図である。
【
図6】本発明の変形例に係る発光装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0011】
以下に、本発明の実施例1に係る発光装置1について、
図1a、bを参照しつつ説明する。
図1aは、本発明の実施例1に係る発光装置1の光放射面側からみた平面図である。
図1bは、
図1aにおける1b−1b線に沿った断面図である。
【0012】
ハウジング11は、例えばナイロン6等の熱可塑性のポリアミド樹脂をリードフレーム13とともに一体成形した矩形の平面形状を有する樹脂基板である。当該樹脂基板には、光反射性を持たせるために二酸化チタン等の白色顔料が混合されている。ハウジング11は、発光素子であるLED素子15を搭載する光放射面側の面(すなわち、ハウジングの上面)の中央に、押し出し成形または射出成形等によってハウジングと一体に成形された凹部17を有している。尚、凹部17は、穴の空いた基板等を複数重ね合わせることで形成されてもよい。また、ハウジング11を形成する樹脂は、ナイロン11、ナイロン66、ナイロン4T、ナイロン6T等の他のポリアミド、または、ポリエチレン、ポリエチレンテレフラタートもしくはポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂でもよい。また、ハウジング11を形成する樹脂に混合される白色顔料は、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素または酸化亜鉛等であってもよい。
【0013】
凹部17は、底面17Aと光放射方向(すなわち、底面17Aに垂直な方向)に向かって広がっていく内側面17Bとからなる円錐台形状を有しており、LED素子15から射出された光を光放射方向に向けて反射するリフレクタの役割を果たしている。凹部17の底面17Aには、LED素子15への電力供給のためにリードフレーム13の一部が露出している。リードフレーム13は、銅の表面に導体メッキ(銀メッキ、アルミニウムメッキまたは金メッキ等)を施した導電性の構造体であり、凹部17の底面17Aからハウジング11の内部及び側部を通ってハウジング11の光放射面と反対の面(すなわち、ハウジングの裏面)まで至っている。すなわち、LED素子15がハウジング11の裏面側から電力供給を受け得る構造になっている。
【0014】
LED素子15は、凹部17の底面17Aの中央に設けられた素子搭載領域18Aに搭載されている。LED素子15は、例えば、一辺が350μmの正方形を底辺とする高さH1が100μmの直方体であり、赤色光(波長660nm程度)を発する赤色発光ダイオードである。LED素子15は、リードフレーム表面に塗布したAgペースト等の導電性ペースト上に載置して、当該ペーストを硬化させるダイボンディングによって固定されている。LED素子15は、例えば、上面にP電極、下面にN電極を有しており、P電極は、金(銅、白金、アルミウムの導電体等でもよい)のボンディングワイヤ19を介してリードフレーム13に接続されており、N電極は上述のAgペーストを介したダイボンディングによってリードフレーム13に電気的に接続されている。
【0015】
凹部17内には、LED素子15を埋設するように樹脂が充填された素子埋設部20が設けられている。より詳細には、凹部17内には、比較的硬度の低い緩衝樹脂からなる緩衝部21及び比較的硬度の高い封止樹脂からなる封止部23が形成されている。緩衝部21は、LED素子15及びボンディングワイヤ19から離間し、かつ凹部17の底面17Aの周縁及び内側面17Bの下部を覆うように形成されている。すなわち、緩衝部21は、LED素子15及びボンディングワイヤ19の周囲を囲むリング体を形成している。
【0016】
緩衝部21は、硬化後に比較的低い硬度(例えば、JIS−A硬度が20−50程度)を有する樹脂、例えば、無色透明のシリコーン樹脂を、例えば、シリンジ等によって、凹部17の底部周縁に沿って滴下・塗布し、加熱硬化させることによって形成される。尚、緩衝部21を形成する緩衝樹脂には、白色顔料またはLED素子15の発光色と同色に着色した顔料を含有させてもよい。当該顔料には、例えば、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素または酸化亜鉛等を使用してもよい。
【0017】
封止部23は、LED素子15、ボンディングワイヤ19及び緩衝部21を埋設するように凹部17のほぼ全体に形成されている。封止部23は、LED素子15及びボンディングワイヤを外部衝撃等から保護するために、緩衝部21を形成する緩衝樹脂よりも高い硬化後の硬度(例えば、JIS−D硬度が60−90程度)を有し、かつ透光性を有する樹脂、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂を凹部17内に充填して硬化することによって形成されている。
【0018】
緩衝部21を形成する緩衝樹脂は、封止部23を形成する封止樹脂よりも低い硬度を有しているので、発光装置10に温度変化が生じて、封止部23を形成する封止樹脂が膨張または収縮した場合に発生する応力が緩衝部21を形成する緩衝樹脂の弾性的柔軟性故に緩和される。この緩和効果により、封止部23内のLED素子近傍に発生するクラックの発生が防止される。この結果、LED素子近傍に発生するクラックによるLED素子15及びボンディングワイヤ19の破損、並びに光取り出し効率の低下が防止される。
【0019】
尚、応力集中を生じやすいLED素子の上面角部における応力集中をさらに緩和するために、緩衝部21は、素子搭載面からLED素子15の上面までの高さH1以上の高さH2を有しているのが好ましい。また、LED素子15及びボンディングワイヤ19に緩衝部21を形成する緩衝樹脂が接したり付着したりすると、LED素子15の表面上やボンディングワイヤ19の表面上に、緩衝樹脂が這い上がり、LED素子15上及びボンディングワイヤ19上に、緩衝樹脂と封止樹脂との界面が形成される。この界面は温度上昇時に剥離を生じ、光取り出し効率を著しく低下させる恐れがある。従って、緩衝部21が形成するリング体の内側面は、LED素子の側面から適度に離して形成するのが好ましく、500−700μm(例えば、600μm)の距離にあるのが好ましい。
【0020】
よって、緩衝樹脂は、滴下または塗布後、硬化前に凹部17底部中央に向かって広がってしまわないように、適当なチキソ性を有する樹脂で形成されることが好ましい。例えば、このようなチキソ性を有する樹脂として、JIS−A硬度が30程度のシリコーン樹脂等が使用可能である。
【実施例2】
【0021】
以下に、本発明の実施例2に係る発光装置2について、
図2を参照して説明する。
図2は、本発明の実施例2に係る発光装置2の断面図である。
【0022】
実施例2に係る発光装置2は、凹部17の底面17Aに、緩衝部21を形成する緩衝樹脂の流出を防止する構造として突起25が形成されている以外の構成に関しては、実施例1の発光装置1の構成と同一である。
【0023】
突起25は、凹部17の底面17Aに、LED素子15及びボンディングワイヤ19の周囲を囲むようリング状に形成されている突起構造である。この突起25は、ハウジング11と一体に形成されてもよいし、凹部17の底面17Aにスタンプまたはシリンジによる滴下によって塗布されて硬化させられた樹脂材料、例えばシリコーン樹脂によって形成されてもよい。
【0024】
この突起25によって、硬化前の液状の緩衝樹脂が、凹部17の底面17Aの中央部に向かって流出するのを抑制することが可能となる。従って、実施例1の発光装置1の緩衝部21に使用される緩衝樹脂よりも、硬化前のチキソ性が低い緩衝樹脂を緩衝部21に使用することが可能となる等、製造が容易になる。
【0025】
尚、突起25の代わりにリング状の溝を形成してもよい。この溝によっても、突起25と同様の流出抑制効果が得られる。また、突起または溝は全体としてリング状を形成している断続的な構造であってもよい。
【実施例3】
【0026】
以下に、本発明の実施例3に係る発光装置3について、
図3a−cを参照して説明する。
図3a−cは、本発明の実施例3に係る発光装置3の断面図である。
【0027】
実施例3に係る発光装置3は、凹部17の底部の周縁に緩衝樹脂充填用のリセス18Bが形成されている以外の構成に関しては、実施例1の発光装置1の構成と同一である。すなわち、凹部17の底面17Aから突出し、その頂部表面が素子搭載領域18Aとなる素子搭載部22が設けられている。
【0028】
リセス18Bは、素子搭載領域18Aを囲む溝状の凹部である。リセス18Bは、緩衝部21を形成する緩衝樹脂のための液だまりを形成している。
【0029】
発光装置3においては、緩衝部21は、リセス18B内を緩衝樹脂で充填することによって形成されている。このようにすることで、緩衝部21の体積を増大させて、緩衝部21による応力緩和効果をさらに増大させることが可能である。また、発光装置1及び2よりも緩衝樹脂の滴下量の調整が容易になり、緩衝樹脂がLED素子側に流出する可能性が低減する。
【0030】
尚、リセス18Bによる体積増大効果を十分に得るために、リセス18Bの深さは、LED素子15の搭載面から少なくとも300μm以上(例えば400μm)であるのが好ましく、500μm以上の深さであるのが更に好ましい。また、
図3bのように、発光装置3においても、応力集中を生じやすいLED素子の上面角部における応力集中を緩和するために、緩衝部21は、素子搭載面以上の高さまで設けられているのが好ましく、素子搭載面からLED素子15の上面までの高さH1以上の素子搭載面からの高さH2′を有しているのが更に好ましい。
【0031】
尚、
図3cに示すように、発光装置3において、実施例2の発光装置2と同様に、緩衝樹脂がLED素子15の方向に流れ出すことを防止するために、素子搭載領域18Aの周縁部に突起25を設けてもよい。
【0032】
[実施例1及び比較例の評価]
実施例1の発光装置1の評価のため、比較例の発光装置を製造して、これらの比較評価を行った。
【0033】
比較例の発光装置の構造は、
図1bに示す緩衝部21を設けていない点を除いて、発光装置1の構造と同一である。評価は、リフロー処理の実施を想定して、比較例の発光装置及び発光装置1を温度が常温から260℃まで上昇する環境下におき、発光素子を封止している樹脂の状態をリアルタイムで確認することによって行った。
【0034】
比較例の発光装置においては、温度が250℃付近に達した際にLED素子の上面端部にクラックが発生し、その後の温度上昇とともにクラックが面状に成長していった。発光装置1においては、緩衝部21の上述の応力緩和効果によりクラックは発生しなかった。
【0035】
上述の実施例において、緩衝部21は、凹部17の内側面17Bに接している場合を例に説明したが、緩衝部21と内側面17Bとは必ずしも接している必要はない。例えば、
図4のように緩衝部21を内側面17Bと離間させて配置してもよい。
【0036】
また、上述の実施例において、緩衝部21が単一樹脂から形成されている場合を例に説明したが、緩衝部21は、封止樹脂よりも硬度が低い2種類以上の複数の樹脂から形成されていてもよい。例えば、封止部23に接している樹脂は比較的硬度が高く、封止部から離れるにつれて樹脂の硬度が低くなるように複数の樹脂で緩衝部21を形成してもよい。
【0037】
また、上述の実施例において、緩衝部21は、リング状の構造として示したが、必ずしもリング状の構造を有している必要は無い。例えば、
図5に示すように、断続的に緩衝部21が存在して、全体としてリング形状を形成していてもよい。その場合、実施例2の突起25及び実施例3のリセス18Bは、少なくとも緩衝部21がある場所に存在すればよい。
【0038】
また、上述の実施例において、緩衝部21が凹部17の底面17Aに接している場合を例に説明したが、必ずしも底面17Aに接している必要は無い。例えば、
図6に示すように、緩衝部21が底面17Aから離間するように設けられていてもよい。このような構造は、まず、凹部内に任意の量の封止樹脂を注入し、次に、その上から緩衝樹脂を滴下し、最後に、緩衝樹脂を覆うように、さらに封止樹脂を注入した後に硬化を行う方法で形成されてもよい。
【0039】
また、上述の実施例において、凹部17は円錐台状として説明したが、凹部17は四角錐台状、三角錐状台状等、LED素子15から射出された光を光取り出し方向に反射する形状であればどんな形状でもよい。その場合、緩衝部21の配置、突起25またはリセス18Bの形状は、凹部17の形状に合わせて、四角いリング状等としてもよい。
【0040】
上述の実施例において、発光素子は赤色LED素子としたが、青色または緑色等の他の色を発するLED素子、またはLED素子以外の他の発光素子を使用してもよい。また、LED素子15は、2本のボンディングワイヤによって電気的接続を得るタイプでもよく、ボンディングワイヤを用いないフリップチップ型の素子であってもよい。
【0041】
また、緩衝部21または封止部23に蛍光体や光散乱材を分散させてもよい。例えば、白色光を得るために、LED素子15を青色LED素子として、緩衝部21または封止部23にYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット:Y
3Al
5O
12)に付活剤としてCe(セリウム)を導入したYAG:Ce蛍光体を分散させてもよい。
【0042】
さらに、上述した実施例における種々の数値、寸法、材料等は、例示に過ぎず、用途及び使用される発光素子、封止樹脂等に応じて、適宜選択することができる。
【符号の説明】
【0043】
1、2、3 発光装置
11 ハウジング
13 リードフレーム
15 LED素子
17 凹部
17A 底面
17B 内側面
18A 素子搭載領域
18B リセス
19 ボンディングワイヤ
20 素子埋設部
21 緩衝部
22 素子搭載部
23 封止部
25 突起