(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記デフォルト抵抗値は前記温度測定装置が温度を測定可能な温度測定範囲の中間温度での前記負温度係数サーミスタの抵抗値より小さい、請求項8に記載の温度測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付した図面を参照し、本発明の実施例に対して本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳しく説明する。しかし、本発明は様々な相異なる形態に具現されてもよく、ここで説明する実施例に限定されることはない。そして、本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は図面から省略しており、明細書全体に渡って類似した部分に対しては類似した部面符号を付けている。
【0009】
また、ある部分がある構成要素を「含む」という際、これは特に反対する記載がない限りある構成要素以外を除くということではなく、他の構成要素を更に含むということを意味する。
【0010】
以下、
図1乃至
図3を参照して本発明の一実施形態による温度測定装置を説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施例による温度測定装置のブロック図である。
【0012】
図1を参照すると、温度測定装置100は直流電圧生成部110、温度センサ120、バッファ130、電圧温度マッチング部140、電圧温度テーブル記憶部150、異常動作判断部160、充電制御部170、バッテリ180を含む。
【0013】
直流電圧生成部110は直流電圧を生成する。
【0014】
電圧温度テーブル記憶部150は電圧温度テーブルを記憶する。電圧温度テーブルは、温度センサ120の複数の出力電圧にそれぞれ対応する複数の温度値を含む。
【0015】
充電制御部170は異常動作判断部160が出力する断線感知信号、短絡感知信号に応じて電気自動車のバッテリ180に関する充電動作などを制御する。
【0016】
温度測定装置100の他の構成要素に対しては、
図2を参照して詳しく説明する。
【0017】
図2は、本発明の一実施例による温度測定装置の回路図である。
【0018】
温度センサ120はNTCサーミスタRn1と固定抵抗R1を含む。NTCサーミスタRn1は直流電圧生成部110が生成する直流電圧が印加される一端を有する。固定抵抗R1の一端はNTCサーミスタRn1の他端に連結され、他端は接地される。
【0019】
固定抵抗R1に印加される電圧を温度センサ120の出力電圧とする。温度センサ120の出力電圧は入力電圧に、〔固定抵抗R1の大きさ/(NTCサーミスタRn1の抵抗値+固定抵抗R1の大きさ)〕をかけた値である。NTCサーミスタRn1の抵抗値は温度が上昇するにつれ小さくなる。よって、温度が上昇することで出力電圧が大きくなる。逆に、NTCサーミスタRn1の抵抗値は温度が下降するにつれて大きくなる。よって、温度が下降することによって出力電圧が小さくなる。
【0020】
バッファ130はOP Amp(Op)と固定抵抗R2で構成される。Op Amp(Op)の入力端は温度センサ120の出力が印加される固定抵抗R1の一端とNTCサーミスタRn1の他端に連結される。固定抵抗R2の一端はOp Amp(Op)の出力端に連結され、他端は接地される。バッファ130は能動素子であるOp Amp(Op)をその構成として有するため、負荷効果なしに温度センサ120の出力電圧をバッファリングしてバッファリングされた電圧を出力する。
【0021】
電圧温度マッチング部140の入力端はOP Amp(Op)の出力端と固定抵抗R2一端に連結される。
【0022】
図3は、本発明の一実施例による温度測定装置の動作を示すフローチャートである。
【0023】
温度センサ120は温度に応じて変化するNTCサーミスタRn1の抵抗値を利用し、現在温度に当たる電圧値を出力する(S101)。
【0024】
バッファ130は温度センサ120の出力電圧をバッファリングし、バッファリングされた電圧を出力する(S103)。温度センサ120と電圧温度マッチング部140がバッファ130なしに直接連結されると負荷効果が発生して電圧強化が発生し、それによって正確な電圧値が伝達されなくなる。よって、温度センサ120の出力電圧はバッファ130を介して電圧温度マッチング部140に正確に伝達される。
【0025】
電圧温度マッチング部140はバッファリングされた電圧を電圧温度テーブル記憶部150に記憶された電圧温度テーブル上の電圧とマッチングし、バッファリングされた電圧値に当たる現在温度を出力する(S105)。電圧温度テーブルは温度センサ120の特性によって異なる。一方、バッファ130は省略されてもよく、この場合、電圧温度マッチング部140は温度センサ120の出力電圧に当たる現在温度を出力する。
【0026】
異常動作判断部160は、現在温度が予め設定された正常動作温度範囲を逸脱するか否かを判断する(S107)。正常動作温度範囲とは、温度センサ120で測定可能な温度範囲内で断線又は短絡とみなされない出力電圧に対応する温度範囲を設定したものである。現在温度が正常動作温度範囲を逸脱している場合、断線・短絡の可能性がある。
【0027】
現在温度が正常動作温度範囲を逸脱しているのであれば、異常動作判断部160は現在温度が予め設定された基準時間を超過して正常動作温度範囲を逸脱する値を維持するか否かを判断する(S109)。異常動作の基準時間を超過しなければ、異常動作判断部160は正常動作状態であると判断する。
【0028】
現在温度が基準時間を超過して正常動作温度範囲を逸脱する値を維持するのであれば、異常動作判断部160は現在温度が正常動作温度範囲の下限値より低いか否かを判断する(S111)。
【0029】
現在温度が正常動作温度範囲の下限値より低くなければ、異常動作判断部160はNTCサーミスタの短絡を指示する短絡感知信号を出力する(S113)。正常動作温度範囲の上限値より高い値を有し、NTCサーミスタRn1が短絡しているのであれば、直流電圧生成部110が供給する電圧が全て固定抵抗R2に印加されて電圧温度マッチング部140が非常に高い現在温度を出力するためである。
【0030】
現在温度が正常動作温度範囲の下限値より低ければ、異常動作判断部160はNTCサーミスタの断線を指示する断線感知信号を出力する(S115)。NTCサーミスタRn1が断線しているのであれば、直流電圧生成部110が供給する電圧が固定抵抗R2に全く印加されないため電圧温度マッチング部140が非常に低い現在温度を出力するためである。
【0031】
以下、
図4乃至
図7を参照して本発明の他の実施例による温度センサの故障検出装置を説明する。
【0032】
図4は、負温度係数を利用した温度センサに含まれた抵抗値による温度センサの温度−電圧曲線の変化を示す図である。
【0033】
温度センサ120の出力電圧は、固定抵抗R1の大きさ/(NTCサーミスタRn1の抵抗値+固定抵抗R1の大きさ)である。よって、固定抵抗R1の大きさが大きくなるほどNTCサーミスタRn1の抵抗値が相対的に小さい高温ではNTCサーミスタRn1の抵抗値変化の影響が小さくなり、
図4の曲線はA曲線の方向に移動する。逆に、固定抵抗R1の大きさが小さくなるほどNTCサーミスタRn1の抵抗値が相対的に大きい低温ではNTCサーミスタRn1の抵抗値変化の影響が小さくなり、
図4の曲線はB曲線の方向に移動する。このような温度センサの特性によって、温度センサに含まれている固定抵抗R1の大きさに応じて低温又は高温での温度測定が不正確になる。
【0034】
よって、異常動作判断部160が、現在温度が正常動作温度範囲を逸脱する温度を基準時間以上維持するか否かに応じて断線・短絡を判断するのであれば、断線・短絡状態ではなくても断線・短絡と判断される恐れがある。
【0035】
よって、本発明の一実施例では温度測定範囲の中間温度以上での温度−電圧特性の線形性を向上させるよう、温度測定範囲の中間温度以上での勾配が温度測定範囲の中間温度以下での温度−電圧曲線の勾配より大きくなるように温度センサ120に含まれている固定抵抗R1の値を調整する。
図4において、曲線はB曲線方向に移動する。それによって、温度測定範囲の中間温度以上での温度を精密に測定する。
【0036】
NTCサーミスタが短絡しているか否かの判断は、
図1乃至
図3の実施例のように電圧温度マッチング部140の出力温度が正常動作温度範囲の上限値より高い温度を異常動作の基準時間を超過して維持するか否かで判断する。温度測定範囲の中間温度以下では相対的に温度測定の精密度が落ちるため、別途のスイッチと固定抵抗を追加して断線しているか否かを判断する。断線しているか否かの判断の詳しい動作は、
図5乃至
図7を参照して詳しく説明する。
【0037】
図5は、本発明の他の実施例による温度測定装置のブロック図である。
【0038】
図5を参照すると、温度測定装置200は直流電圧生成部210、温度センサ220、バッファ230、電圧温度マッチング部240、電圧温度テーブル記憶部250、異常動作判断部260、充電制御部270、バッテリ280を含む。
【0039】
直流電圧生成部210は直流電圧を生成する。
【0040】
温度センサ220はNTCサーミスタ223と可変抵抗部221を含む。可変抵抗部221は異常動作判断部260の制御によって複数の抵抗値のうち一つを有する。ここで、複数の抵抗値は温度測定のためのデフォルト抵抗値と断線判断のための臨時抵抗値である。
【0041】
電圧温度テーブル記憶部250は電圧温度テーブルを記憶する。電圧温度テーブルは、温度センサ220の複数の出力電圧にそれぞれ対応する複数の温度値を含む。
【0042】
充電制御部270は、異常動作判断部260が出力する断線感知信号及び短絡感知信号に応じて電気自動車のバッテリ280に関する充電動作などを制御する。
【0043】
図6は、本発明の一実施例による温度測定装置の回路図である。
【0044】
温度センサの可変抵抗部221は固定抵抗R3と固定抵抗R4、スイッチSWを含む。NTCサーミスタRn2は直流電圧生成部210が生成する直流電圧が印加される一端を有する。抵抗R3の一端はNTCサーミスタRn2の他端に連結され、他端は接地される。
【0045】
固定抵抗R4とスイッチSWはNTCサーミスタRn2と接地との間で直列連結される。一実施例において、固定抵抗R4の一端はNTCサーミスタRn2に連結され、スイッチSWの一端は抵抗R4の他端に連結され、他端は接地される。他の実施例において、スイッチSWの一端はNTCサーミスタRn2に連結され、抵抗R4の一端はスイッチSWの他端に連結され、他端は接地される。
【0046】
図6の実施例において、スイッチSWがターンオンされる場合、固定抵抗R3と固定抵抗R4の合成抵抗値が温度測定のためのデフォルト抵抗値になり得る。スイッチSWがターンオフされる場合、固定抵抗R3と固定抵抗R4の合成抵抗値が断線判断のための臨時抵抗値になり得る。
【0047】
図4のグラフにおいて、温度センサの温度−電圧特性がA曲線よりはB曲線に当たるために、可変抵抗部221のデフォルト抵抗値は温度測定範囲の中間温度でのNTCサーミスタRn2の抵抗値より小さくてもよい。温度測定範囲の上限温度と中間温度との間で温度センサの温度−電圧特性の線形性を向上させるために、可変抵抗部221のデフォルト抵抗値は温度測定範囲の中間温度でのNTCサーミスタRn2の抵抗値の1/5より小さくてもよい。
【0048】
一方、温度測定範囲の低温範囲で断線しているか否かの判断を容易にするために、可変抵抗部221の臨時抵抗は可変抵抗部221のデフォルト抵抗値より大きくてもよい。臨時抵抗値を有する場合の温度センサ220の出力電圧とデフォルト抵抗値を有する場合の温度センサ220の出力電圧値が著しい差を示さなければ、断線しているか否かの判断を明確にすることができないためである。
【0049】
温度測定範囲の低温範囲で可変抵抗部221が断線しているか否かの判断を更に容易にするために、可変抵抗部221の臨時抵抗は可変抵抗部221のデフォルト抵抗値より10倍大きくてもよい。そのため、固定抵抗R3の抵抗値は固定抵抗R4の抵抗値より10倍大きくてもよい。
【0050】
スイッチSWは異常動作判断部260によってターンオン、ターンオフされる。特に、スイッチSWはMOSFETのようなトランジスタであってもよい。
【0051】
バッファ230はOP Amp(Op)と固定抵抗R5で構成される。Op Amp(Op)の入力端は温度センサ220の出力が印加される固定抵抗R3の一端とNTCサーミスタRn2の他端に連結される。固定抵抗R5の一端はOp Amp(Op)の出力端に連結され、他端は接地される。バッファ230は能動素子であるOp Amp(Op)をその構成として有するため、負荷効果なしに温度センサ220の出力電圧をバッファリングしてバッファリングされた電圧を出力する。
【0052】
電圧温度マッチング部240の入力端はOP Amp(Op)の出力端と固定抵抗R5一端に連結される。
【0053】
温度センサ故障検出装置200の構成要素に対しては、
図7を参照して詳しく説明する。
【0054】
図7は、本発明の他の実施例による温度センサ故障検出方法を示すフローチャートである。
【0055】
温度センサ220は温度に応じて変化するNTCサーミスタの抵抗値と可変抵抗部211のデフォルト抵抗値を利用し、現在温度に当たる電圧値を出力する(S201)。
【0056】
バッファ230は温度センサ220の出力電圧をバッファリングし、バッファリングされた電圧を出力する(S203)。温度センサ220と電圧温度マッチング部240がバッファ230なしに直接連結されると負荷効果が発生して電圧降下が発生し、それによって正確な電圧値が伝達されなくなる。よって、温度センサ220の出力電圧はバッファ230を介して電圧温度マッチング部240に正確に伝達される。
【0057】
電圧温度マッチング部240はバッファリングされた電圧を電圧温度テーブル記憶部250に記憶された電圧温度テーブル上の電圧とマッチングし、バッファリングされた電圧値に当たる現在温度を出力する(S205)。電圧温度テーブルは温度センサ220の特性によって異なる。一方、バッファ230は省略されてもよく、この場合、電圧温度マッチング部240は温度センサ220の出力電圧に当たる現在温度を出力する。
【0058】
異常動作判断部260は、現在温度が予め設定された正常動作温度範囲を逸脱するかを判断する(S207)。異常動作判断部260は、異常動作の基準時間を超過しなければ正常動作状態であると判断する。
【0059】
現在温度が正常動作温度範囲を逸脱しているのであれば、異常動作判断部260は現在温度が予め設定された異常動作の基準時間を超過して正常動作温度範囲を逸脱する値を維持するかを判断する(S209)。異常動作判断部260は、異常動作の基準時間を超過しなければ正常動作状態であると判断する。
【0060】
現在温度が正常動作温度範囲を逸脱する値を維持する時間が基準時間を超過する場合、異常動作判断部260は現在温度が正常動作温度範囲の下限値より低いかを判断する(S211)。
【0061】
現在温度が正常動作温度範囲の下限値より低くなければ、異常動作判断部260はNTCサーミスタの短絡を指示する短絡感知信号を出力する(S213)。
【0062】
現在温度が正常動作温度範囲の下限値より低ければ、異常動作判断部260は温度センサ220内の可変抵抗部221が臨時抵抗値を有するように可変抵抗部221を制御する(S215)。特に、
図6の実施例において、異常動作判断部260は温度センサ内のスイッチをターンオフする。スイッチがターンオフされると、温度センサ220の固定抵抗R3と固定抵抗R4の合成抵抗の大きさが変更される。よって、NTCサーミスタRn2が断線されていなければ、温度センサ220の出力電圧はスイッチをターンオフする前と異なる。
【0063】
この際、スイッチがターンオフされることで電圧温度マッチング部240が温度センサ220の出力電圧を電圧温度テーブルにマッチングし現在温度を出力することはできない状態である。よって、スイッチが更に短絡する前又は断線信号が出力される前まで温度測定の空白期が発生する。このような空白期の間、異常動作判断部260はスイッチを開放する前の温度を出力して受電制御部270に入力する。よって、高速に動作するスイッチを使用するほど温度測定の空白期を減らすことができる長所がある。一般的な開放短絡の動作時間が20ms内であるほど高速に動作するMOSFETをスイッチとして使用すると温度測定の空白期を最小化することができる。
【0064】
異常動作判断部260は可変抵抗部221の臨時抵抗値によって温度センサ220が出力する電圧が断線判断の基準電圧より大きいかを判断する(S217)。特に、
図6の実施例において、異常動作判断部260はスイッチをターンオフした後の温度センサ220の出力電圧が断線判断の基準電圧より大きいかを判断する。一実施例において、固定抵抗R3の断線判断基準電圧の大きさは直流電圧生成部210の電圧の大きさの半分又は2/3に設定する。
【0065】
異常動作判断部260は温度センサ220の出力電圧が断線判断の基準電圧より小さければ温度センサが正常動作状態であると判断し、温度センサ220内のスイッチをターンオンする(S219)。
【0066】
異常動作判断部260は出力電圧が断線判断の基準電圧より小さければNTCサーミスタの断線感知信号を出力する(S221)。NTCサーミスタRn2が断線しているのであれば直流電圧生成部210から電圧が可変抵抗部221に供給されないため、断線判断の基準電圧より低い電圧が出力されるためである。
【0067】
以上、実施例に説明された特徴、構造、効果などは本発明の少なくとも一つの実施例に含まれるが、必ずしも一つの実施例にのみ限定されることはない。なお、各実施例にて例示された特徴、構造、効果などは、実施例が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施例に対しても組換え又は変形されて実施可能である。よって、このような組換えと変形に関する内容は本発明の範囲に含まれるものとして解析されるべきである。
【0068】
これまで実施例を中心に説明したが、これは単なる例示に過ぎないものであって本発明を限定するものでなく、本発明の属する分野の通常の知識を有する者であれば本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で上記に例示されていない多様な変形と応用が可能であることを理解できるはずである。例えば、実施例に具体的に示した各構成要素は変形して実施してもよいものである。そして、このような変形と応用に関する差は、添付した特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものとして解析されるべきである。