特許第5848434号(P5848434)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5848434ビニル末端プロピレンおよびエチレン/プロピレンマクロマーの生成のための触媒性能の向上
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5848434
(24)【登録日】2015年12月4日
(45)【発行日】2016年1月27日
(54)【発明の名称】ビニル末端プロピレンおよびエチレン/プロピレンマクロマーの生成のための触媒性能の向上
(51)【国際特許分類】
   C08F 4/6592 20060101AFI20160107BHJP
   C08F 10/00 20060101ALI20160107BHJP
【FI】
   C08F4/6592
   C08F10/00
【請求項の数】10
【全頁数】59
(21)【出願番号】特願2014-501093(P2014-501093)
(86)(22)【出願日】2012年3月5日
(65)【公表番号】特表2014-511911(P2014-511911A)
(43)【公表日】2014年5月19日
(86)【国際出願番号】US2012027688
(87)【国際公開番号】WO2012134720
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2013年9月20日
(31)【優先権主張番号】11167026.1
(32)【優先日】2011年5月23日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】13/072,279
(32)【優先日】2011年3月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509004675
【氏名又は名称】エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100147588
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 浩司
(72)【発明者】
【氏名】クローサー ドンナ ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ガネシュ レヌカ エヌ
(72)【発明者】
【氏名】ナルヴァエス アンドリュー ジー ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ブラント パトリック
【審査官】 久保 道弘
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0318644(US,A1)
【文献】 特表2011−524460(JP,A)
【文献】 特表2011−525212(JP,A)
【文献】 国際公開第99/029743(WO,A1)
【文献】 特表2001−525461(JP,A)
【文献】 特開平05−320260(JP,A)
【文献】 特開2009−299046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 4/659−4/82
C08F 10/00−10/14
C08F 110/00−110/14
C08F 210/00−210/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビニル末端ポリマーを生成するための方法であって、
1)a)プロピレンを含む1種または複数のオレフィンと、
b)式
【化1】
[式中、
Mは、ハフニウムまたはジルコニウムであり、
各Xは、独立して、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルラジカル、ヒドリド、アミド、アルコキシド、スルフィド、ホスフィド、ハロゲン、ジエン、アミン、ホスフィン、エーテル、またはこれらの組合せからなる群から選択され、
各R1およびR3は、独立して、C1−C8アルキル基であり、
各R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、およびR14は、独立して、水素であるか、または1〜8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のヒドロカルビル基であるが、ただし、前記R10〜R14基のうちの少なくとも3つは水素ではない]で表される遷移金属触媒化合物と
を接触させるステップと、
2)300g/モル以上のMnおよび少なくとも30%のビニル基(全不飽和に対して)を有するビニル末端ポリマーを得るステップと
を含む、方法。
【請求項2】
10〜R14がそれぞれメチル基である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
2、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9がすべて水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1およびR3がメチル基であり、R2が水素であり、R4〜R9がすべて水素であり、R10〜R14がすべてメチル基であり、各Xがメチル基である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒化合物が活性化剤と組み合わせられる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記活性化剤が式
【化2】
[式中、
各R1は、独立して、ハライドであり、
各R2は、独立して、ハライド、C6−C20置換芳香族ヒドロカルビル基または式−O−Si−Ra(式中、Raは、C1−C20ヒドロカルビルまたはヒドロカルビルシリル基である)のシロキシ基であり、
各R3は、ハライド、C6−C20置換されている芳香族ヒドロカルビル基、または式−O−Si−Ra(式中、Raは、C1−C20ヒドロカルビルまたはヒドロカルビルシリル基である)のシロキシ基であり、
Lは中性ルイス塩基であり、Hは水素であり、(L−H)+はブレンステッド酸であり、dは1であり、
前記アニオンは、1020g/モルを超える分子量を有し、
B原子上の置換基の少なくとも3つは、それぞれ250立方Åを超える分子体積を有する]
で表される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記活性化剤が、トリメチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムルテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリ(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、[4−t−ブチル−PhNMe2H][(C63(C6524B]またはこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記オレフィンが、エチレンとプロピレンとを含み、得られた前記ポリオレフィンが200〜60,000g/モルのMnを有し、0.1〜99.9モル%のプロピレンおよび99.1〜0.1モル%のエチレンを含み、少なくとも30%のビニル基を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマーが少なくともX%のビニル基を有し(1H NMRで測定した場合、全不飽和に対して)、1)10モル%〜60モル%のエチレンがコポリマー中に存在する場合、X=(−0.94(組み込まれたエチレンのモル%)+100)であり、2)60モル%超〜70モル%未満のエチレンがコポリマー中に存在する場合、X=45であり、および3)70モル%〜90モル%のエチレンがコポリマー中に存在する場合、X=(1.83*(組み込まれたエチレンのモル%)−83)である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリマーが90モル%を超えるプロピレンと、10モル%未満のエチレンとを含み、少なくとも93%のビニル基、500〜20,000g/モルの数平均分子量(Mn)、0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比、および1400ppm未満のアルミニウムを有する、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2011年3月25日に出願した米国特許出願第13/072,279号および2011年5月23日に出願した欧州特許出願公開第11167026号の利益および優先権を主張する。
本発明は、ビニル末端オリゴマーを生成するためのオレフィン重合、特にプロピレン−エチレンのオリゴマー化に対して有用な触媒化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルファ−オレフィン、特に約6〜約20個の炭素原子を含有するものが、洗浄剤または他の種類の商品の製造において中間体として使用されてきた。このようなアルファ−オレフィンはまた、モノマーとして、特に直鎖状低密度ポリエチレン中のモノマーとしても使用されてきた。商業的に生産されるアルファ−オレフィンは通常、エチレンをオリゴマー化することによって作製される。より長鎖のアルファ−オレフィン、例えばビニル末端ポリエチレンもまた公知であり、官能化の後の構成ブロックとしてまたはマクロモノマーとして有用となり得る。
【0003】
エチレンまたはプロピレンのアリル末端低分子量固体および液体は、通常重合反応において分枝として使用するために生成されてきた。例えば、Rulhoff, Sascha and Kaminsky, (“Synthesis and Characterization of Defined Branched Poly(Propylene)s with Different Microstructures by Copolymerization of Propylene and Linear Ethylene Oligomers (Cn=26-28) with Metallocenes/MAO Catalysts,” Macromolecules, 16, 2006, pp. 1450-1460)およびKaneyoshi, Hiromu et al. (“Synthesis of Block and Graft Copolymers with Linear Polyethylene Segments by Combination of Degenerative Transfer Coordination Polymerization and Atom Transfer Radical Polymerization,” Macromolecules, 38, 2005, pp. 5425-5435)を参照されたい。
さらに、米国特許第4,814,540号は、水素有りまたはなしで、2〜10の低重合度を有するアリル性ビニル末端プロピレンホモオリゴマーを作製するためのトルエンまたはヘキサン中のメチルアルモキサンを有する、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドおよびビス(テトラメチルn−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドを開示している。これらのオリゴマーは、高いMnを有しておらず、少なくとも93%のアリル性ビニル不飽和を有する。同様に、これらのオリゴマーは、コモノマーを欠き、低い生産性で生成され、大量に過剰のアルモキサンを出す(モル比≧600Al/M;M=Zr、Hf)。さらに、60重量%以上の溶媒(溶媒+プロピレンベース)がすべての例において存在する。
【0004】
Teuben et al. (J. Mol. Catal., 62, 1990, pp. 277-87)は、[Cp*2MMe(THT)]+[BPh4]、M=ZrおよびHf)を使用してプロピレンオリゴマーを作製した。M=Zrの場合、C24までのオリゴマー(Mn336)を有する、広範な生成物分布が室温で得られた。それに対して、M=Hfの場合、ダイマー4−メチル−1−ペンテンおよびトリマー4,6−ジメチル−1−ヘプテンしか形成されなかった。優位な停止メカニズムは、重水素標識による研究により実証されているように、成長鎖から金属中心へのベータ−メチル転移であるようにみえた。
X. Yang et al. (Angew. Chem., Intl Edn., Engl., 31, 1992, pp. 1375-1377)は、反応が低い活性を示す低温で作製された低分子量ポリプロピレン、および1H NMRにより、全不飽和に対して90%アリル性のビニルを有する生成物を開示している。その後、Resconi et al. (J. Am. Chem. Soc., 114, 1992, pp. 1025-1032)は、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムおよびビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ハフニウム中心を使用して、プロピレンを重合し、ベータ−メチル停止を得て、「主にアリル末端およびイソ−ブチル末端」鎖を有するオリゴマーおよび低分子量ポリマーが生じることを開示している。米国特許第4,814,540号の場合のように、生成されたオリゴマーは、少なくとも93%のアリル鎖末端、約500〜約20,000g/モルのMn(1H NMRで測定)を有しておらず、触媒の生産性は低い(生成物中に1〜12,620g/mmolメタロセン.hr;>3000wppm Al)。
【0005】
同様に、Small and Brookhart (Macromol., 32, 1999, pp. 2120-2130)は、低温重合においてピリジルビスアミド鉄触媒を使用して、主要なまたは独占的な2,1連鎖成長、ベータ−水素化物脱離を介した連鎖停止、および高い割合量のビニル末端基を明らかに有する低分子量のアモルファスのプロピレン材料を生成することを開示している。
Weng et al. (Macromol Rapid Comm. 2000, 21, pp. 1103-1107)は、トルエン中、約120℃で、ジメチルシリルビス(2−メチル、4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロリドおよびメチルアルモキサンを使用して作製された、約81パーセントまでのビニル末端を有する材料を開示している。この材料は、約12,300(1H NMRで測定)のMnおよび約143℃の融点を有する。
Macromolecules, 33, 2000, pp. 8541-8548は、ビニル末端ポリエチレンの再取り込みにより作製される分枝−ブロックエチレン−ブテンポリマーの調製を開示し、前記分枝−ブロックポリマーは、メチルアルモキサンで活性化したCp2ZrCL2と(C5Me4SiMe2NC1223)TiCl2の組合せにより作製された。
【0006】
Moscardi et al. (Organomet., 20, 2001, pp. 1918)は、プロピレンのバッチ重合において、rac−ジメチルシリルメチレンビス(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリドをメチルアルモキサンと共に使用することによって、「…アリル末端基は、任意の[プロペン]において、他の任意の末端基よりも常に優勢である」材料を生成することを開示している。これらの反応において、形態の制御は、限定されており、約60%の鎖末端はアリルである。
Coates et al. (Macromol., 2005, 38, pp. 6259-6268)は、−20〜+20℃の間で4時間作動するバッチ重合において、修飾メチルアルモキサン(Al/Tiモル比=200)を用いて活性したビス(フェノキシイミン)チタンジクロリド((PHI)2TiCl2)を使用して、約100%アリル末端基を有する低分子量シンジオタクチックポリプロピレン([rrrr]=0.46〜0.93)を調製することを開示している。これらの重合のために、プロピレンをトルエン中に溶解することによって、1.65Mトルエン溶液を作った。触媒生産性は極めて低かった(0.95〜1.14g/mmol Ti/hr)。
【0007】
日本国特許出願第2005−336092号は、H2SO4処理したモンモリロナイト、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウムなどの材料を使用したビニル末端プロピレンポリマーの製造を開示しており、この液体プロピレンは、トルエン中の触媒スラリーに供給される。この方法は、有意な量のアモルファス材料を有していない実質的にアイソタクチックのマクロモノマーを生成する。
Rose et al. (Macromolecules 2008, 41, pp. 559-567)は、有意な量のイソ−ブチル鎖末端を有していないポリ(エチレン−コ−プロピレン)マクロモノマーを開示している。これらは、修飾メチルアルモキサン(Al/Tiモル比の範囲は150〜292)で活性化したビス(フェノキシイミン)チタンジクロリドを用いて半バッチ重合で作製した(30psiプロピレンを0℃で30分間トルエン中に加え、続いて、32psiの過圧で約0℃において2.3から4時間の重合時間の間、エチレンガス流を加えて、約4800〜23,300のMnを有するE−Pコポリマーを生成した)。報告された4つの共重合において、エチレン組込みが増加するにつれて、アリル鎖末端は、大まかには以下の式に従い減少した:
アリル鎖末端の%(全不飽和に対する%)=−0.95(組み込まれたエチレンのモル%)+100。
【0008】
例えば、29モル%のエチレンを含有するE−Pコポリマーに対して、65%のアリル(全不飽和と比較して)が報告された。これは、達成された一番大きいアリル基の存在率である。組み込まれたエチレン64モル%に対して、不飽和の42%だけがアリルである。これらの重合の生産性は、0.78×102g/mmol Ti/時間〜4.62×102g/mmol Ti/時間の範囲であった。
この研究以前には、Zhuらは、B(C653およびMMAOで活性化した幾何拘束型メタロセン触媒[C5Me4(SiMe2N−tert−ブチル)TiMe2を用いて作製した、低い(約38%)ビニル末端エチレン−プロピレンコポリマーだけしか報告していなかった(Macromol., 2002, 35, pp. 10062-10070 and Macromol. Rap. Commun., 2003, 24, pp. 311-315)。
Janiak and Blankは、オレフィンのオリゴマー化に関連する様々な研究を要約している(Macromol. Symp., 236, 2006, pp. 14-22)。
Rodriguezらは、米国特許第2005/0159299において、特異的に処理した担体上の触媒化合物を用いた重合およびオリゴマー化を開示し、キャップされた担体上の触媒化合物であるジメチルシリルビス(2−メチル,4−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチルとの重合を例証している。しかしこのような触媒は通常、(不飽和である末端のうち)約50%のビニルおよび約50%のビニリデンの末端不飽和を生成する。
【0009】
国際出願第95/27717号の例18は、ジメチルシランジイルビス(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド化合物をメチルアルモキサンと共に50℃で使用して、95%のアリル末端、「オリゴマー化度」45(恐らく約1890のMnに匹敵する)、および予想されるAl含有量90,000ppmを有すると報告されたホモプロピレンオリゴマーを作製することを開示している。この活性もまた低いようにみえる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
すべての従来の技術において、プロピレンベースの重合、特にプロピレン−エチレン共重合に対して、高い割合のアリル鎖不飽和を、高収率で、広範囲な分子量で、高い生産性で生成することが示された触媒はない。したがって、商業的温度(例えば、25℃以上)および商業的速度(5,000g/mmol/時間以上の生産性)で作製することができる広範囲な分子量に対する制御を備え、高い割合(90%以上)で存在するアリル末端を有する、プロピレンベースのマクロモノマーに対する必要性が依然として存在する。あるいは、構造的ロバスト性を有するプロピレンエチレンオリゴマーの必要性が存在する(エチレンの添加が、ガラス転移温度を低下させながら、プロピレンに対して、粘度および溶解度パラメータを上げ、潜在的に結晶化可能なエチレン連鎖(run)をもたらす)。さらに、官能化(および/または誘導体化)することができ、添加剤の用途に使用することができる、ビニル末端を有するプロピレンベースの反応性材料に対する必要性が存在する。さらに、このような材料を生成するための商業的条件で作動することができる新規の、活性触媒に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ベンゾインデニルベースの配位子を含有するハフニウム(Hf)およびジルコニウム(Zr)触媒化合物を提供する。触媒化合物は、活性化剤有りまたはなしで、オレフィン、特にα−オレフィン、または他の不飽和モノマーを重合するために、特にビニル末端オリゴマーを生成するためのプロピレン−エチレンオリゴマー化に対して有用である。触媒化合物を使用して1種または複数の不飽和のモノマーをオリゴマー化および/または重合するためのシステムおよびプロセス、ならびにこれらから生成されるオリゴマーおよび/またはポリマーもまた提供される。
【0012】
触媒化合物は、以下の構造
【化1】
【0013】
[式中、
Mは、ハフニウムまたはジルコニウムであり、好ましくはハフニウムであり、
各Xは、独立して、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルラジカル、ヒドリド、アミド、アルコキシド、スルフィド、ホスフィド、ハロゲン、ジエン、アミン、ホスフィン、エーテル、またはこれらの組合せ、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベンジル、クロリド、ブロミド、ヨージドからなる群から選択され(あるいは、2つのXが、縮合環または環系の一部を形成してもよい)、
各R1およびR3は、独立して、C1−C8アルキル基であり、好ましくはC1−C8の直鎖アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルであり、R1は、R3と同じでも異なっていてもよく、好ましくは両方ともメチルであり、
各R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、およびR14は、独立して、水素であるか、または1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する置換ヒドロカルビルまたは非置換ヒドロカルビル基であり、好ましくは置換または非置換のC1−C8直鎖アルキル基、好ましくはメチルエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルであるが、ただし、R10〜R14基のうちの少なくとも3つは水素ではない(あるいは、R10〜R14基のうちの4つは水素ではない、あるいは、R10〜R14基のうちの5つは水素ではない)ものとする]
で表すことができる。
【0014】
好ましくは、R10〜R14のすべての5つの基はメチルであるか、またはR10〜R14基のうちの4つは水素ではなく、R10〜R14基のうちの少なくとも1つは、C2−C8置換ヒドロカルビルまたは非置換ヒドロカルビルである(好ましくは、R10〜R14基のうちの少なくとも2つ、3つ、4つまたは5つは、C2−C8置換または非置換のヒドロカルビルである)。
一実施形態では、R1およびR3はメチル基であり、R2は水素であり、R4〜R9はすべて水素であり、R10〜R14はすべてメチル基であり、各Xはメチル基である。
【0015】
本発明は、本明細書中に記載されている触媒を使用して、ビニル末端マクロモノマー、例えば、少なくとも30%のアリル鎖末端、好ましくは100g/モル以上、好ましくは200g/モル〜100,000g/モル、好ましくは200〜60,000g/モルのMnを有するポリマーを生成するための方法にさらに関する。
本発明は、均質なプロセスを含む、このようなポリマーを作製するためのプロセスにさらに関する。本発明はまた、このようなポリマーを作製するための、均質なプロセス、好ましくはバルクプロセスに関する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】生産性とプロピレン濃度とを対比したプロットである。
図2】分子量とプロピレン濃度との対比である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
定義
本明細書および特許請求の範囲全体に渡り描写されている構造体において、実線は結合を示し、矢印は結合が配位結合であってもよいことを示している。
本明細書で使用する場合、周期表族に対する新規表示法を、Chemical and Engineering News, 63(5), 27 (1985)において記載されているように使用する。
「置換されている」という用語は、水素基がヒドロカルビル基、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有基で置き換えられていることを意味する。例えばメチルシクロペンタジエン(Cp)は、メチル基で置換されているCp基であり、エチルアルコールは、−OH基で置換されているエチル基である。
「ヒドロカルビルラジカル」「ヒドロカルビル」および「ヒドロカルビル基」という用語は、本文書全体に渡り交換可能なように使用されている。同様に、「基」および「置換基」という用語もまた、本文書において交換可能なように使用されている。本開示において、「ヒドロカルビルラジカル」は、直鎖、分枝、または環状であってよい、C1−C20ラジカルであると定義され(芳香族または非芳香族)、下に定義されたような置換ヒドロカルビルラジカルを包含する。
置換ヒドロカルビルラジカルは、少なくとも1個の水素原子が、ヘテロ原子もしくはヘテロ原子含有基、好ましくは少なくとも1つの官能基、例えばハロゲン(Cl、Br、I、F)、NR*2、OR*、SeR*、TeR*、PR*2、AsR*2、SbR*2、SR*、BR*2、SiR*3、GeR*3、SnR*3、PbR*3などで置換されているか、または少なくとも1個のヘテロ原子が、ヒドロカルビルラジカル、例えばハロゲン(Cl、Br、I、F)、O、S、Se、Te、NR*、PR*、AsR*、SbR*、BR*、SiR*2、GeR*2、SnR*2、PbR*2などの中に挿入されているラジカルである(R*は、独立して、水素またはヒドロカルビルである)。
【0018】
一部の実施形態では、ヒドロカルビルラジカルは、独立して、メチル、エチル、エテニルならびにプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、ヘプタコセニル、オクタコセニル、ノナコセニル、トリアコンテニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、トリデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル、ヘキサデシニル、ヘプタデシニル、オクタデシニル、ノナデシニル、エイコシニル、ヘンエイコシニル、ドコシニル、トリコシニル、テトラコシニル、ペンタコシニル、ヘキサコシニル、ヘプタコシニル、オクタコシニル、ノナコシニル、およびトリアコンチニルの異性体から選択される。飽和した、部分的に不飽和のおよび芳香族環式の構造体の異性体も包含され、このラジカルは上記に記載されている種類の置換のさらに対象となり得る。例として、フェニル、メチルフェニル、ベンジル、メチルベンジル、ナフチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、メチルシクロヘキシルなどが挙げられる。本開示に対して、ラジカルが列挙されている場合、これは、そのラジカルの種類が上で定義された置換の対象となる時点で、そのラジカルの種類およびすべての他のラジカルが形成されることを示している。列挙したアルキル、アルケニル、およびアルキニルラジカルは、適切な場合には、環状異性体を含めたすべての異性体を包含し、例えば、ブチルは、n−ブチル、2−メチルプロピル、1−メチルプロピル、tert−ブチル、およびシクロブチル(および類似の置換シクロプロピル)を含み、ペンチルは、n−ペンチル、シクロペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1−エチルプロピル、およびネオペンチル(および類似の置換シクロブチルおよびシクロプロピル)を含み、ブテニルは、EおよびZ型の1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、および2−メチル−2−プロペニル(さらに、シクロブテニルおよびシクロプロペニル)を含む。置換を有する環式化合物は、すべての異性体型を包含し、例えば、メチルフェニルであれば、オルト−メチルフェニル、メタ−メチルフェニルおよびパラ−メチルフェニルを含み、ジメチルフェニルであれば、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジフェニルメチル、3,4−ジメチルフェニル、および3,5−ジメチルフェニルを含む。
【0019】
「オレフィン」は、あるいは「アルケン」とも呼ばれ、これは少なくとも1つの二重結合を有する、炭素および水素の直鎖の、分枝の、または環式化合物である。本明細書およびこれに付随する特許請求の範囲において、ポリマーまたはコポリマーが、これらに限定されないが、エチレン、プロピレン、およびブテンを含めたオレフィンを含むと言及されている場合、このようなポリマーまたはコポリマー内に存在するオレフィンは、重合した形態のオレフィンである。例えば、コポリマーが35重量%〜55重量%の「エチレン」含有量を有するといわれている場合、コポリマー内のモノマー単位は、重合反応においてエチレンから誘導され、前記由来の単位は、コポリマーの重量を基準として、35重量%〜55重量%存在することが理解される。「ポリマー」は、2つ以上の同じまたは異なるモノマー単位を有する。「ホモポリマー」は、同じモノマー単位を有するポリマーである。「コポリマー」は、互いに異なる2つ以上のモノマー単位を有するポリマーである。「ターポリマー」は、互いに異なる3つのモノマー単位を有するポリマーである。モノマー単位を指すために使用された場合、「異なる」とは、モノマー単位が互いに少なくとも1個の原子により異なるか、または異性体により異なることを示す。したがって、コポリマーの定義は、本明細書で使用する場合、ターポリマーなどを包含する。オリゴマーは低分子量を有するポリマーである。一部の実施形態では、オリゴマーは、21,000g/モル以下のMn(好ましくは2,500g/モル以下)を有し、他の実施形態では、オリゴマーは、低数のモノマー単位(例えば、75以下のモノマー単位)を有する。
【0020】
本開示において、「α−オレフィン」という用語は、エチレンを含む。α−オレフィンの非限定的例としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ヘンエイコセン、1−ドコセン、1−トリコセン、1−テトラコセン、1−ペンタコセン、1−ヘキサコセン、1−ヘプタコセン、1−オクタコセン、1−ノナコセン、1−トリアコンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ノネン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、およびビニルノルボルナンが挙げられる。環状オレフィンおよびジオレフィンの非限定的例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、ノルボルネン、4−メチルノルボルネン、2−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ビニルシクロヘキセン、5−ビニル−2−ノルボルネン、1,3−ジビニルシクロペンタン、1,2−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,5−ジビニルシクロオクタン、1−アリル−4−ビニルシクロヘキサン、1,4−ジアリルシクロヘキサン、1−アリル−5−ビニルシクロオクタン、および1,5−ジアリルシクロオクタンが挙げられる。
【0021】
「触媒」および「触媒化合物」という用語は、触媒作用を開始することが可能な化合物を意味すると定義される。本明細書の明細書において、触媒は、触媒前駆体、プレ触媒化合物、または遷移金属化合物として記載されてもよく、これらの用語は、交換可能なように使用される。触媒化合物は、それ自体で使用することによって、触媒作用を開始することができ、または触媒作用を開始するための活性化剤と組み合わせて使用することができる。触媒化合物を、触媒作用を開始するための活性化剤と組み合わせる場合、触媒化合物はしばしばプレ触媒または触媒前駆体と呼ばれる。「触媒系」とは、少なくとも1種の触媒化合物と、少なくとも1種の活性化剤と、任意選択の共活性化剤、および任意選択の担持材料の組合せであり、この系は、モノマーをポリマーへと重合することができる。本発明およびその特許請求の範囲において、触媒系が中性の安定した成分形態を含むものとして記載されている場合、この成分のイオン形態は、モノマーと反応してポリマーを生成する形態であることが、当業者には十分理解されている。
「アニオン配位子」は、1つまたは複数の電子対を金属イオンに放出する、負の電荷をもつ配位子である。「中性ドナー配位子」とは、1つまたは複数の電子対を金属イオンに放出する中性の電荷をもつ配位子である。
【0022】
捕捉剤は通常、不純物を捕捉することでオリゴマー化または重合を促進させるために加えられる化合物である。いくつかの捕捉剤はまた、活性化剤として作用することもでき、共活性化剤と呼ばれることもある。捕捉剤ではない共活性化剤はまた、活性化剤と併用して使用することによって、活性のある触媒を形成してもよい。一部の実施形態では、共活性化剤は、触媒化合物と予備混合することによって、アルキル化した触媒化合物を形成することができる。これは、アルキル化した発明化合物とも呼ばれる。
【0023】
プロピレンポリマーは、少なくとも50モル%のプロピレンを有するポリマーである。本明細書で使用する場合、Mnは数平均分子量(別途述べられていない限り1H NMRで測定)であり、Mwは重量平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーで測定)であり、Mzは平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーで測定)であり、重量%は重量パーセントであり、モル%はモルパーセントである。分子量分布(MWD)は、MwをMnで割ったものであると定義される。特に明示されていない限り、すべての分子量単位(例えば、Mw、Mn、Mz)はg/モルである。
【0024】
「アリル鎖末端」(「アリル性ビニル基」または「アリル性ビニル末端基」とも呼ばれる)は、式I
【化2】
[式中、「・・・・」はポリマー鎖を表す]
で表される少なくとも1つの末端を有するポリマー(CH2CH−CH2−ポリマー)であると定義される。好ましい実施形態において、アリル鎖末端は、式IIで表される。
【0025】
【化3】
アリル鎖末端の量は、500MHz機器上で120℃において溶媒として重水素化テトラクロロエタンを使用して1H NMRを用いて求め、特定の場合には13C NMRで確認する。J American Chemical Soc., 114, 1992, pp. 1025-1032において、Resconiは、本明細書中で有用なビニル末端プロピレンオリゴマーに対するプロトンおよび炭素配置を報告している(無溶媒の過重水素化したテトラクロロエタンをプロトンスペクトルに使用し、直鎖および過重水素化したテトラクロロエタンの50:50混合物を炭素スペクトルに使用した。すべてのスペクトルは、プロトンに対して300MHzで、および炭素に対して75.43MHzで作動するBruker AM 300分光計上で、100℃で記録した)。
【0026】
「イソブチル鎖末端」はまた「イソブチル末端基」とも呼ばれ、式
【化4】
[式中、Mはポリマー鎖を表す]
で表される少なくとも1つの末端を有するポリマーであると定義される。好ましい実施形態において、イソブチル鎖末端は、以下の式
【0027】
【化5】
[式中、Mはポリマー鎖を表す]
のうちの1つで表される。
イソブチル末端基のパーセンテージは、13C NMR(以下に記載されている通り)および100%プロピレンポリマーに対する、Resconi et al, J Am. Chem. Soc., 1992, 114, pp. 1025-1032の化学シフト配置を使用して、E−Pコポリマーに対して国際公開第2009/155471号の図2に記述されているように求める。
「イソブチル鎖末端基対アリル性ビニル基の比」は、(イソブチル鎖末端のパーセンテージ)対(アリル鎖末端のパーセンテージ)の比であると定義される。
【0028】
以下の略語は本明細書全体に渡り使用することができる:Meはメチル、Phはフェニル、Etはエチル、Prはプロピル、iPrはイソプロピル、n−Prは直鎖プロピル、Buはブチル、iBuはイソブチル、tBuは第3級ブチル、p−tBuはパラ−第3級ブチル、nBuは直鎖ブチル、TMSはトリメチルシリル、TIBALはトリイソブチルアルミニウム、TNOALはトリイソブチルn−オクチルアルミニウム、MAOはメチルアルモキサン、pMeはパラ−メチル、Ar*は2,6−ジイソプロピルアリール、Bzはベンジル、THFはテトラヒドロフラン、RTは室温およびtolはトルエンである。
【0029】
本発明は、ビニル末端ポリマー(VTM)を生成するための本明細書中に記載されている触媒の使用であって、ビニル末端ポリマーが、少なくとも30%(好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%)のアリル鎖末端、および好ましくは2000g/モル以上、好ましくは200〜60,000g/モル、好ましくは200〜100,000g/モルのMnを有するポリマーである使用に関する。
【0030】
本発明はまた、プロピレンと、0.5重量%未満のコモノマー、好ましくは0重量%のコモノマーとを含む、プロピレンポリマーを生成するための本明細書中に記載されている触媒の使用であって、ポリマーが、
i)少なくとも93%(好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%)のアリル鎖末端と、
ii)1H NMRで測定した場合に約500〜約20,000g/モル(好ましくは500〜15,000、好ましくは700〜10,000、好ましくは800〜8,000g/モル、好ましくは900〜7,000、好ましくは1000〜6,000、好ましくは1000〜5,000)の数平均分子量(Mn)と、
iii)0.8:1〜1.3:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比と、
iv)1400ppm未満(好ましくは1200ppm未満、好ましくは1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、好ましくは100ppm未満)のアルミニウムと
を有する、使用に関する。
【0031】
本発明はまた、1H NMRで測定した場合に、300〜30,000g/モル(好ましくは400〜20,000、好ましくは500〜15,000、好ましくは600〜12,000、好ましくは800〜10,000、好ましくは900〜8,000、好ましくは900〜7,000g/モル)のMnを有し、10〜90モル%(好ましくは15〜85モル%、好ましくは20〜80モル%、好ましくは30〜75モル%、好ましくは50〜90モル%)のプロピレンおよび10〜90モル%(好ましくは85〜15モル%、好ましくは20〜80モル%、好ましくは25〜70モル%、好ましくは10〜50モル%)の1種または複数のアルファ−オレフィンコモノマー(好ましくはエチレン、ブテン、ヘキセン、またはオクテン、好ましくはエチレン)を含む、本明細書中に記載されている触媒を用いて生成されたプロピレンコポリマーであって、(全不飽和に対して)少なくともX%のアリル鎖末端を有し、1)10〜60モル%のエチレンがコポリマー中に存在する場合、X=(−0.94(組み込まれたエチレンのモル%)+100{あるいは1.20(−0.94(組み込まれたエチレンのモル%)+100)、あるいは1.50(−0.94(組み込まれたエチレンのモル%)+100)})であり;2)60モル%超および70モル%未満のエチレンがコポリマー中に存在する場合、X=45(あるいは50、あるいは60)であり;3)70〜90モル%のエチレンがコポリマー中に存在する場合、X=(1.83*(組み込まれたエチレンのモル%)−83、{あるいは1.20[1.83*(組み込まれたエチレンのモル%)−83]、あるいは1.50[1.83*(組み込まれたエチレンのモル%)−83]})である、コポリマーに関する。あるいは、Xは、80%以上、好ましくは85%以上、好ましくは90%以上、好ましくは95%以上である。
【0032】
代替実施形態では、ポリマーは、少なくとも80%のイソブチル鎖末端(イソブチルとn−プロピル飽和鎖末端の合計を基準として)、好ましくは少なくとも85%のイソブチル鎖末端、好ましくは少なくとも90%のイソブチル鎖末端を有する。あるいは、ポリマーは、0.8:1〜1.35:1.0、好ましくは0.9:1〜1.20:1.0、好ましくは0.9:1.0〜1.1:1.0のイソブチル鎖末端基対アリル性ビニル基の比を有する。
【0033】
本発明はまた、90モル%を超える(好ましくは95〜99モル%、好ましくは98〜9モル%)プロピレンおよび10モル%未満(好ましくは1〜4モル%、好ましくは1〜2モル%)のエチレンを含む、本明細書中に記載されている触媒を用いて調製したプロピレンポリマーであって、
少なくとも93%(好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%)のアリル鎖末端と、
1H NMRで測定した場合に約400〜約30,000g/モル(好ましくは500〜20,000、好ましくは600〜15,000、好ましくは700〜10,000g/モル、好ましくは800〜9,000、好ましくは900〜8,000、好ましくは1000〜6,000)の数平均分子量(Mn)と、
0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比と、
1400ppm未満(好ましくは1200ppm未満、好ましくは1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、好ましくは100ppm未満)のアルミニウムと
を有する、ポリマーに関する。
【0034】
本発明はまた、
少なくとも50(好ましくは60〜90、好ましくは70〜90)モル%のプロピレンと、10〜50(好ましくは10〜40、好ましくは10〜30)モル%のエチレンとを含む、本明細書中に記載されている触媒を用いて調製したプロピレンポリマーであって、
少なくとも90%(好ましくは少なくとも91%、好ましくは少なくとも93%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%)のアリル鎖末端と、
1H NMRで測定した場合に約150〜約20,000g/モル(好ましくは200〜15,000、好ましくは250〜15,000、好ましくは300〜10,000、好ましくは400〜9,500、好ましくは500〜9,000、好ましくは750〜9,000)のMnと、
0.8:1〜1.3:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比と
を有し、
4個以上の炭素原子を有するモノマーが0〜3モル%(好ましくは1モル%未満、好ましくは0.5モル%未満、好ましくは0モル%)存在する
ポリマーに関する。
【0035】
本発明はさらにまた、
少なくとも50(好ましくは少なくとも60、好ましくは70〜99.5、好ましくは80〜99、好ましくは90〜98.5)モル%のプロピレンと、0.1〜45(好ましくは、少なくとも35、好ましくは0.5〜30、好ましくは1〜20、好ましくは1.5〜10)モル%のエチレンと、0.1〜5(好ましくは0.5〜3、好ましくは0.5〜1)モル%のC4−C12オレフィン(例えば、ブテン、ヘキセンまたはオクテン、好ましくはブテンなど)とを含む、本明細書中に記載されている触媒を使用して調製したプロピレンポリマーであって、
少なくとも90%(好ましくは少なくとも91%、好ましくは少なくとも93%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%)のアリル鎖末端と、
1H NMRで測定した場合に約150〜約15,000g/モル(好ましくは200〜12,000、好ましくは250〜10,000、好ましくは300〜10,000、好ましくは400〜9500、好ましくは500〜9,000、好ましくは750〜9,000)の数平均分子量(Mn)と、
0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比と
を有する、ポリマーに関する。
【0036】
本発明はさらにまた、
少なくとも50(好ましくは少なくとも60、好ましくは70〜99.5、好ましくは80〜99、好ましくは90〜98.5)モル%のプロピレンと、0.1〜45(好ましくは少なくとも35、好ましくは0.5〜30、好ましくは1〜20、好ましくは1.5〜10)モル%のエチレンと、0.1〜5(好ましくは0.5〜3、好ましくは0.5〜1)モル%のジエン(例えば、C4−C12アルファ−オメガジエン(例えばブタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン)、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ノルボルナジエン、およびジシクロペンタジエンなど)とを含む、本明細書中に記載されている触媒を用いて生成されたプロピレンポリマーであって、
少なくとも90%のアリル鎖末端(好ましくは少なくとも91%、好ましくは少なくとも93%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%)と、
1H NMRで測定した場合に約150〜約20,000g/モル(好ましくは200〜15,000、好ましくは250〜12,000、好ましくは300〜10,000、好ましくは400〜9,500、好ましくは500〜9,000、好ましくは750〜9,000)の数平均分子量(Mn)と、
0.7:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比と
を有する、ポリマーに関する。
【0037】
本発明は、100〜60,000g/モルのMn(1H NMRで測定した場合)を有し、10〜90モル%のプロピレンと10〜90モル%のエチレンとを含むプロピレンコポリマーを生成するための本明細書中に記載されている触媒の使用であって、コポリマーが、(全不飽和に対して)少なくともX%のアリル鎖末端を有し、1)10〜60モル%のエチレンがコポリマー中に存在する場合、X=(−0.94(組み込まれたエチレンのモル%)+100)であり;2)60モル%超および70モル%未満のエチレンがコポリマー中に存在する場合、X=45であり;3)70〜90モル%のエチレンがコポリマー中に存在する場合、X=(1.83*(組み込まれたエチレンのモル%)−83)である、使用に関する。
【0038】
本発明はさらに、90モル%を超えるプロピレンと、10モル%未満のエチレンとを含む、プロピレンポリマーを生成するための本明細書中に記載されている触媒の使用であって、少なくとも93%のアリル鎖末端、約500〜約20,000g/モルのMn(1H NMRで測定した場合)、0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比と、1400ppm未満のアルミニウムとを有する、使用に関する。
本発明はさらに、少なくとも50モル%のプロピレンと、10〜50モル%のエチレンとを含むプロピレンポリマーを生成するための本明細書中に記載されている触媒の使用であって、少なくとも90%のアリル鎖末端と、約150〜約10,000g/モルのMn(1H NMRで測定した場合)と、0.8:1〜1.3:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比とを有し、4個以上の炭素原子を有するモノマーが0〜3モル%存在する、使用に関する。
【0039】
本発明はさらに、少なくとも50モル%のプロピレンと、0.1〜45モル%のエチレンと、0.1〜5モル%のC4−C12オレフィンとを含む、プロピレンコポリマーを生成するための本明細書中に記載されている触媒の使用であって、少なくとも87%のアリル鎖末端(あるいは少なくとも90%)、約150〜約10,000g/モルのMn(1H NMRで測定した場合)と、0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比とを有する、使用に関する。
本発明はさらに、少なくとも50モル%のプロピレンと、0.1〜45モル%のエチレンと、0.1〜5モル%のジエンとを含む、プロピレンポリマーを生成するための本明細書中に記載されている触媒の使用であって、少なくとも90%のアリル鎖末端と、約150〜約10,000g/モルのMn(1H NMRで測定した場合)と、0.7:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比を有する、使用に関する。
【0040】
本発明はさらに、プロピレンホモポリマーを生成するための本明細書中に記載されている触媒の使用であって、少なくとも93%アリル鎖末端と、約500〜約20,000g/モルのMn(1H NMRで測定した場合)と、0.8:1〜1.2:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比と、1400ppm未満のアルミニウムとを有する、使用に関する。
本発明およびその特許請求の範囲において、ビニル末端ポリマー(ビニル末端ポリオレフィンとも呼ばれる)という用語は、ビニル末端ポリマーおよびビニル末端コポリマーを包含する。本発明で生成される好ましいビニル末端ポリオレフィンとして、ビニル末端アイソタクチックポリプロピレン(好ましくは、100℃以上、好ましくは150℃以上の融点を有する)、およびビニル末端ポリエチレン(好ましくは、100℃以上、好ましくは115℃以上の融点を有する)が挙げられる。
【0041】
好ましい実施形態では、本明細書中に記載されているいずれのビニル末端ポリオレフィンも、(全不飽和に対して)少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%のアリル鎖末端を有する。
好ましい実施形態では、本明細書中に記載されているいずれのビニル末端ポリオレフィンも、200g/モル以上、あるいは200〜60,000g/モル、好ましくは200〜50,000g/モル、好ましくは200〜40,000g/モル、好ましくは500〜30,000g/モル、好ましくは1000〜10,000g/モルのMnを有する。
【0042】
好ましい実施形態では、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、少なくとも10モル%(あるいは少なくとも20モル%、あるいは少なくとも40モル%、あるいは少なくとも60モル%)のC4以上のオレフィン(例えば、ブテン、ペンテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、好ましくはC5−C40アルファオレフィン、例えば、ペンテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン)を含み、1)(全不飽和に対して)少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%のアリル鎖末端と、2)200〜60,000g/モル、好ましくは200〜50,000g/モル、好ましくは500〜40,000g/モルのMnとを有する。
【0043】
好ましい実施形態では、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、1種または複数のC2−C40オレフィン、好ましくはC2−C40アルファオレフィン、好ましくはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンおよび/または4−メチルペンテン−1を含むホモポリマーまたはコポリマーである。好ましい実施形態では、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、200〜60,000g/モル、好ましくは500〜30,000g/モル、好ましくは1,000〜20,000g/モルのMnを有し、2種以上のC2−C40オレフィン、好ましくは2種以上のC3−C20アルファオレフィン、好ましくはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセンおよび/またはドデセンのうちの2種以上を含むホモポリマーまたはコポリマーであり、少なくとも30%のアリル鎖末端(全不飽和に対して)、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%を有する。
【0044】
好ましい実施形態では、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、200〜21,000g/モル(好ましくは500〜15,000、好ましくは800〜20,000g/モル)のMnを有するポリマーであり、C2−C40アルファオレフィン、好ましくはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、およびドデセンからなる群から選択される1種または複数のアルファオレフィンを含む。好ましい実施形態では、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、500〜21,000g/モル(好ましくは700〜21,000、好ましくは800〜20,000g/モル)のMnを有し、C2−C40アルファオレフィン、好ましくはC3−C20アルファオレフィン、好ましくはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセンおよびドデセンからなる群から選択される、2種以上のアルファオレフィンを含むポリマーであり、(全不飽和に対して)少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%のアリル鎖末端を有する。
【0045】
好ましくは、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、エチレンポリマー、例えば、エチレンのホモポリマー、またはエチレンと、50モル%まで(好ましくは0.5〜25モル%、好ましくは1〜20モル%)の1種または複数のC3−C40アルファオレフィンコモノマー(好ましくは、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、およびドデセンからなる群から選択される)とのコポリマーである。あるいは、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、プロピレンポリマー、例えば、プロピレンのホモポリマー、またはプロピレンと、50モル%まで(好ましくは0.5〜25モル%、好ましくは1〜20モル%)の1種または複数のC2およびC4−C40アルファオレフィンコモノマー(好ましくは、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、およびドデセンからなる群から選択される)とのコポリマーである。あるいは、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、エチレンおよび/またはプロピレンと、C4−C40アルファ−オレフィン、例えば、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセンおよびドデセンなどとのコポリマーであり、(全不飽和に対して)少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%のアリル鎖末端を有する。あるいは、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、エチレンおよび/またはプロピレンと、2種以上のC4−C40アルファオレフィン、例えば、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセンおよびドデセンとのコポリマーである。特に好ましい実施形態では、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、全不飽和に対して、少なくとも30%(好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%)のアリル鎖末端を有し、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、
1)エチレンと、2種以上のC4−C40アルファオレフィン、例えば、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセンなどとのコポリマー、または
2)プロピレンと、2種以上のC4−C40アルファオレフィン、例えば、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセンなどとのポリマー、または
3)エチレンおよびプロピレンと、2種以上のC4−C40アルファオレフィン、例えば、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセンなどとのコポリマー、または
4)プロピレンと、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、およびドデセンから選択される2種以上のアルファオレフィンとのコポリマー
である。
【0046】
好ましい実施形態では、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、C2−C40アルファオレフィン、好ましくはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、および4−メチル−ペンテン−1からなる群から選択される、1種または複数のアルファオレフィンを含む、1,000g/モル(好ましくは2,000〜60,000、好ましくは5,000〜50,000g/モル)を超えるMnを有するポリマーである。好ましくは、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、エチレンポリマー、例えば、エチレンのホモポリマー、またはエチレンと、50モル%まで(好ましくは0.5〜25モル%、好ましくは1〜20モル%)の1種または複数のC3−C40アルファオレフィンコモノマー(好ましくは、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、および4−メチル−ペンテン−1からなる群から選択される)とのコポリマーである。あるいは、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、プロピレンポリマー、例えば、プロピレンのホモポリマー、またはプロピレンと、全不飽和に対して少なくとも30%(好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%)のアリル鎖末端を有する、50モル%まで(好ましくは0.5〜25モル%、好ましくは1〜20モル%)の1種または複数のC2−C40アルファオレフィンコモノマー(好ましくはエチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、および4−メチル−ペンテン−1からなる群から選択される)とのコポリマーである。
【0047】
別の実施形態では、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、200g/モル以上(好ましくは300〜60,000g/モル、400〜50,000g/モル、好ましくは500〜35,000g/モル、好ましくは300〜15,000g/モル、好ましくは400〜12,000g/モル、または好ましくは750〜10,000g/モル)のMn(1H NMRで測定)を有する1種または複数のビニル末端ポリオレフィンであってよく、(i)約20〜99.9モル%(好ましくは約25〜約90モル%、約30〜約85モル%、約35〜約80モル%、約40〜約75モル%、または約50〜約95モル%)の少なくとも1種のC5−C40オレフィン(好ましくはC5-C30α−オレフィン、より好ましくはC5−C20α−オレフィン、好ましくは、C5−C12α−オレフィン、好ましくはペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ノルボルネン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロドデセン、7−オキサノルボルネン、7−オキサノルボルナジエン、その置換誘導体、およびその異性体、好ましくはヘキサン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、1−ヒドロキシ−4−シクロオクテン、1−アセトキシ−4−シクロオクテン、5−メチルシクロペンテン、シクロペンテン、ノルボルネン、およびこれらのそれぞれのホモログおよび誘導体、好ましくはノルボルネン)と、(ii)約0.1モル%〜約80モル%のプロピレン(好ましくは約5モル%〜約70モル%、約10モル%〜約65モル%、約15モル%〜約55モル%、約25モル%〜約50モル%、または約30モル%〜約80モル%)とを含み、本発明で生成されるこのビニル末端ポリオレフィンは、全不飽和に対して少なくとも40%(好ましくは少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%)のアリル鎖末端、任意選択で、0.70:1未満(好ましくは0.65:1未満、0.60:1未満、0.50:1未満、0.25:1未満)のイソブチル鎖末端対アリル性鎖末端の比、さらに任意選択で、(1H NMRで求めた場合)2:1を超える(好ましくは2.5:1を超える、3:1を超える、5:1を超える、10:1を超える)のアリル鎖末端対ビニリデン鎖末端の比、さらに任意選択で、10:1を超える(好ましくは15:1を超える、20:1を超える)アリル鎖末端対ビニレン鎖末端の比を有し、さらに任意選択で、好ましくはイソブチル鎖末端を実質的に有していない(好ましくは0.1重量%未満のイソブチル鎖末端)。
【0048】
別の実施形態では、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、200g/モル以上(好ましくは300〜60,000g/モル、400〜50,000g/モル、好ましくは500〜35,000g/モル、好ましくは300〜15,000g/モル、好ましくは400〜12,000g/モル、または好ましくは750〜10,000g/モル)のMn(1H NMRで測定)を有する1種または複数のビニル末端ポリオレフィンであってよく、(i)約80〜99.9モル%(好ましくは85〜99.9モル%、より好ましくは90〜99.9モル%)の少なくとも1種のC4オレフィン(好ましくは1−ブテン)と、(ii)約0.1〜20モル%、好ましくは0.1〜15モル%、より好ましくは0.1〜10モル%のプロピレンとを含み、このビニル末端ポリマーは、全不飽和に対して、少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%;または少なくとも80%のアリル鎖末端、任意選択で、0.70:1未満、0.65:1未満、0.60:1未満、0.50:1未満、0.25:1未満のイソブチル鎖末端対アリル性鎖末端の比、さらに任意選択で、2:1を超える、2.5:1を超える、3:1を超える、5:1を超える、10:1を超えるアリル鎖末端対ビニリデン鎖末端の比、さらに任意選択で、10:1を超える(好ましくは15:1を超える、20:1を超える)アリル鎖末端対ビニレン鎖末端の比を有し、さらに任意選択で、好ましくはイソブチル鎖末端を実質的に有していない(好ましくは0.1重量%未満)。
【0049】
好ましい実施形態では、本発明で生成されるビニル末端ポリマーは、少なくとも10モル%(あるいは少なくとも20モル%、あるいは少なくとも40モル%、あるいは少なくとも60モル%)のC4以上のオレフィン(例えば、ブテン、ペンテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン)を含み、1)(全不飽和に対して)少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%のアリル鎖末端;および2)200〜60,000g/モル、好ましくは200〜50,000g/モル、好ましくは500〜40,000g/モルのMnを有する。
【0050】
別の実施形態では、本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、200g/モル以上(好ましくは300〜60,000/gmol、好ましくは400〜50,000g/モル、好ましくは500〜35,000g/モル、好ましくは300〜15,000g/モル、好ましくは400〜12,000g/モル、または好ましくは750〜10,000g/モル)のMn(1H NMRで測定)を有する1種または複数のビニル末端ポリオレフィンであってよく、(i)約20モル%〜約99.9モル%(好ましくは約25モル%〜約90モル%、好ましくは約30モル%〜約85モル%、好ましくは約35モル%〜約80モル%、好ましくは約40モル%〜約75モル%、または約50モル%〜約95モル%)の少なくとも1種のC5−C40α−オレフィン(好ましくはC5−C30α−オレフィン、好ましくはC5−C20α−オレフィン、好ましくはC5−C12α−オレフィン、好ましくはペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロドデセン、7−オキサノルボルネン、7−オキサノルボルナジエン、その置換誘導体、およびその異性体、好ましくはヘキサン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、1−ヒドロキシ−4−シクロオクテン、1−アセトキシ−4−シクロオクテン、5−メチルシクロペンテン、シクロペンテン、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ならびにこれらのそれぞれのホモログおよび誘導体、好ましくはノルボルネン、ノルボルナジエン、およびジシクロペンタジエン)と、(ii)約0.1モル%〜80モル%のプロピレン(好ましくは約5モル%〜70モル%、好ましくは約10モル%〜約65モル%、好ましくは約15モル%〜約55モル%、好ましくは約25モル%〜約50モル%、好ましくは約30モル%〜約80モル%)とを含み、このビニル末端ポリオレフィンは、少なくとも40%(好ましくは少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%)のアリル鎖末端、任意選択で、0.70:1未満(好ましくは0.65:1未満、0.60:1未満、0.50:1未満、0.25:1未満)のイソブチル鎖末端対アリル性鎖末端の比、さらに任意選択で、(1H NMRで求めた場合)2:1を超える(好ましくは、2.5:1を超える、3:1を超える、5:1を超える、10:1を超える)アリル鎖末端対ビニリデン鎖末端の比、さらに任意選択で、10:1を超える(好ましくは、15:1を超える、20:1を超える)アリル鎖末端対ビニレン鎖末端の比を有し、さらに任意選択で、好ましくはイソブチル鎖末端を実質的に有していない(好ましくは0.1重量%未満)。
【0051】
本明細書の特定の実施形態では、本発明は、少なくとも200g/モル(好ましくは200〜100,000g/モル、好ましくは200〜75,000g/モル、好ましくは200〜60,000g/モル、好ましくは300〜60,000g/モル、または好ましくは750〜30,000g/モル)のMn(1H NMRで測定)を有し、1つまたは複数(好ましくは2つ以上、3つ以上、4つ以上など)のC4−C40(好ましくはC5−C30、C6−C20、またはC8−C12、好ましくはブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロドデセン、7−オキサノルボルネン、7−オキサノルボルナジエン、その置換誘導体、およびその異性体)の高級オレフィン由来単位を含む、本発明で生成されるビニル末端ポリマーを含む組成物であって、ビニル末端高級オレフィンポリマーが、プロピレン由来単位を実質的に含まず(好ましくは0.1重量%未満のプロピレン)、高級オレフィンポリマーが、全不飽和に対して、少なくとも5%(少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%;少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%)のアリル鎖末端、任意選択で、2:1を超える(好ましくは2.5:1を超える、3:1を超える、5:1を超える、10:1を超える)アリル鎖末端対ビニリデン鎖末端の比、さらに任意選択で、10:1を超える(好ましくは、15:1を超える、20:1を超える)アリル鎖末端対ビニレン鎖末端の比を有し、さらに任意選択で、好ましくはイソブチル鎖末端を実質的に有していない(好ましくは0.1重量%未満のイソブチル鎖末端を有する)、組成物に関する。一部の実施形態では、これらの高級オレフィンビニル末端ポリオレフィンは、エチレン由来単位、好ましくは少なくとも5モル%のエチレン(好ましくは少なくとも15モル%のエチレン、好ましくは少なくとも25モル%のエチレン、好ましくは少なくとも35モル%のエチレン、好ましくは少なくとも45モル%のエチレン、好ましくは少なくとも60モル%のエチレン、好ましくは少なくとも75モル%のエチレン、または好ましくは少なくとも90モル%のエチレン)を含み得る。
【0052】
本発明で調製するポリマーのいずれかは、好ましくは1400ppm未満のアルミニウム、好ましくは1000ppm未満のアルミニウム、好ましくは500ppm未満のアルミニウム、好ましくは100ppm未満のアルミニウム、好ましくは50ppm未満のアルミニウム、好ましくは20ppm未満のアルミニウム、好ましくは5ppm未満のアルミニウムを有する。
【0053】
本発明で生成されるビニル末端ポリオレフィンは、アイソタクチック、高アイソタクチック、シンジオタクチック、または高シンジオタクチックのプロピレンポリマー、特にアイソタクチックのポリプロピレンであってよい。本明細書で使用する場合、「アイソタクチック」とは、13C−NMRによる分析に従い、プロピレン由来のメチル基の少なくとも10%のアイソタクチックペンタッド分率を有し、好ましくは少なくとも40%のアイソタクチックペンタッド分率を有していると定義される。本明細書で使用する場合、「高アイソタクチック」とは、13C−NMRによる分析に従い、少なくとも60%のアイソタクチックペンタッド分率を有していると定義される。望ましい実施形態では、VTM(好ましくはポリプロピレン)は、少なくとも85%のアイソタクシティーを有する。本明細書で使用する場合、「シンジオタクチック」とは、13C−NMRによる分析に従い、少なくとも10%、好ましくは少なくとも40%のシンジオタクチックペンタッド分率を有すると定義される。本明細書で使用する場合、「高シンジオタクチック」とは、13C−NMRによる分析に従い、少なくとも60%のシンジオタクチックペンタッド分率を有すると定義される。別の実施形態では、VTM(好ましくはポリプロピレン)は、少なくとも85%のシンジオタクチシティを有する。
好ましい実施形態では、プロピレンポリマーは、ヒドロキシド、アリールおよび置換アリール、ハロゲン、アルコキシ、カルボキシレート、エステル、アクリレート、酸素、窒素、およびカルボキシルから選択される官能基を、ポリマー重量を基準として、3重量%未満、好ましくは2重量%未満、より好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満、より好ましくは0重量%含む。
【0054】
本明細書中に記載されている触媒を使用して生成されるいずれのポリマーも、150〜60,000g/モル、200〜50,000g/モル、好ましくは250〜30,000g/モル、好ましくは300〜20,000g/モル、好ましくは400〜5,000g/モル、好ましくは750〜2,000g/モルのMnを有し得る。さらに、望ましい分子量の範囲は、上記に記載されている任意の分子量の上限と、任意の分子量の下限との任意の組合せとすることができる。Mnは、例のセクションにおいて以下に記載されている方法に従って求める。
本明細書中に記載されている触媒を使用して生成される任意のポリマーは、0℃以下(以下に記載されている示差走査熱量測定で求めた場合)、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−20℃以下、より好ましくは−30℃以下、より好ましくは−50℃以下のガラス転移温度(Tg)を有し得る。
【0055】
一部の実施形態では、本明細書中に記載されている触媒により生成されるポリマーは、好ましくはオリゴマーの重量を基準として、80重量%未満のC4オレフィン(複数可)(例えば、イソブチレンn−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、およびブタジエン)、ポリマーの重量を基準として、好ましくは10重量%未満、好ましくは5重量%、好ましくは4重量%未満、好ましくは3重量%未満、好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.25重量%未満のC4オレフィン(複数可)を含有する。
あるいは、ポリマーは、ポリマーの重量を基準として、20重量%未満のC4以上のオレフィン(複数可)(例えば、C4−C30オレフィン、通常例えば、C4−C12オレフィン、通常例えば、C4、C6、C8、C12、オレフィンなど)、13C NMRで求めた場合、ポリマーの重量を基準として、好ましくは10重量%未満、好ましくは5重量%、好ましくは4重量%未満、好ましくは3重量%未満、好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.25重量%未満のC4オレフィン(複数可)を含有し得る。
【0056】
別の実施形態では、本発明で生成されたポリマー組成物は、1本の鎖当たり1つの不飽和があると仮定して、1H NMRで測定した場合、少なくとも36個の炭素原子(好ましくは少なくとも51個の炭素原子、好ましくは少なくとも102個の炭素原子)を有するオレフィンを、少なくとも50重量%(ポリマー組成物の重量を基準として、好ましくは少なくとも75重量%、好ましくは少なくとも90重量%)含む。
【0057】
別の実施形態では、本発明で生成されたポリマー組成物は、ガスクロマトグラフィーで測定した場合、20重量%未満のダイマーおよびトリマー(ポリマー組成物の重量を基準として、好ましくは10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは2重量%未満)を含む。生成物は、担体ガスとしてヘリウムを38cm/秒で使用するガスクロマトグラフィー(自動インジェクターを備えたAgilent 6890N)で分析する。水素炎イオン化検出器(FID)を備える長さ60mのカラム(J & W Scientific DB−1、60m×0.25mm I.D.×1.0μm膜厚)、インジェクター温度250℃、および検出器温度250℃を使用する。オーブン内、70℃で、試料をカラムに注入し、次いで22分間にわたり275℃に加熱した(傾斜速度10℃/分で100℃まで、30℃/分で275℃までで保つ)。通常モノマーである内部標準を使用して、得られるダイマーまたはトリマー生成物の量を導き出す。ダイマーおよびトリマー生成物の収率を、分光計に記録したデータから計算する。ダイマーまたはトリマー生成物の量を、GCトレース上の関連するピークの下の面積から、内部標準を基準として計算する。
【0058】
別の実施形態では、本発明で生成されるポリマーは、生成されたポリマーの収率および利用した触媒の質量に基づき、25ppm未満のハフニウム、好ましくは10ppm未満のハフニウム、好ましくは5ppm未満のハフニウムを含有する。
別の実施形態では、本明細書中に記載されているポリマーは、60〜130℃、あるいは50〜100℃の融点(DSCの第1のメルト)を有し得る。別の実施形態では、本明細書中に記載されているポリマーは、周囲温度(23℃)で少なくとも48時間の貯蔵後、DSCにより検出可能な融点を有さない。
【0059】
溶融温度(Tm)およびガラス転移温度(Tg)は、市販の機器、例えば、TA Instruments 2920DSCなどを使用する示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定する。通常、室温で少なくとも48時間保存した6〜10mgの試料をアルミニウムパンの中に密閉し、室温で装置内に入れる。試料を25℃で平衡化し、次いでこれを10℃/分の冷却速度で−80℃に冷却する。試料を−80℃で5分間保持し、次いで10℃/分の加熱速度で25℃に加熱する。ガラス転移温度を加熱サイクルから測定する。代わりに、試料を25℃で平衡化し、次いで10℃/分の加熱速度で150℃に加熱する。存在する場合、吸熱性融解転移は、転移の開始およびピーク温度について分析する。報告された溶融温度は、他に特定されていない限り、第1加熱からのピーク溶融温度である。複数のピークを示す試料については、融点(または溶融温度)は、DSC溶融トレースからのピーク溶融温度(すなわち、その温度範囲における最大吸熱性熱量測定反応に伴う温度)であると定義される。
【0060】
別の実施形態では、本発明で生成されるビニル末端ポリマーは、0.98以下、あるいは0.96以下、あるいは0.95以下、あるいは0.93以下、あるいは0.90以下、あるいは0.85以下、あるいは0.80以下、あるいは0.75以下、あるいは0.70以下、あるいは0.65以下、あるいは0.60以下、あるいは0.55以下の分枝指数、g’visを有する。
別の実施形態では,本発明で生成されるポリマーは、25℃で液体である。
別の実施形態では、本発明で生成されるポリマーは、1,000〜約200,000g/モル、あるいは2000〜150,000g/モル、あるいは3,000〜30,000g/モルのMw、および/または約1700〜約150,000g/モル、あるいは800〜100,000g/モルのMzを有する。
別の実施形態では、本明細書中に記載されているまたは有用なビニル末端ポリオレフィンのいずれかは、式
【0061】
【化6】
[式中、「・・・・」は、ポリオレフィン鎖を表し、Rbは、C1−C38アルキル基、好ましくは、C1−C20アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル(docecyl)などである]
で表される、3−アルキルビニル末端基(ここで、アルキルは、C1−C38アルキルである)(「3−アルキル鎖末端」または「3−アルキルビニル末端」とも呼ばれる)
を有する。3−アルキル鎖末端の量は、以下に設定されているように13C NMRを使用して求める。
【0062】
好ましい実施形態では、本明細書中に記載されているまたは有用なビニル末端ポリオレフィンのいずれかは、全不飽和に対して、少なくとも5%(好ましくは少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%)の3−アルキル鎖末端を有する。
【0063】
好ましい実施形態では、本明細書中に記載されているまたは有用なビニル末端ポリオレフィンのいずれかは、全不飽和に対して、少なくとも5%の3−アルキル+アリル鎖末端(例えば、すべての3−アルキル鎖末端とすべてのアリル鎖末端)、好ましくは少なくとも10%の3−アルキル+アリル鎖末端、少なくとも20%の3−アルキル+アリル鎖末端、少なくとも30%の3−アルキル+アリル鎖末端;少なくとも40%の3−アルキル+アリル鎖末端、少なくとも50%の3−アルキル+アリル鎖末端、少なくとも60%の3−アルキル+アリル鎖末端、少なくとも70%の3−アルキル+アリル鎖末端;少なくとも80%の3−アルキル+アリル鎖末端、少なくとも90%の3−アルキル+アリル鎖末端;少なくとも95%の3−アルキル+アリル鎖末端を有する。
【0064】
一部の実施形態では、本発明のオリゴマーは、1.5〜20、あるいは1.7〜10のMw/Mn(GPC−DRIによる)を有する。
【0065】
Mw、Mn、およびMzは、示差屈折率計(DRI)、光散乱LS検出器および粘度計を備えた高温サイズ排除クロマトグラフ(Waters CorporationまたはPolymer Laboratories製)を使用してゲル浸透クロマトグラフィーで測定する。実験の詳細は、T. Sun, P. Brant, R. R. Chance, and W. W. Graessley, Macromolecules, Volume 34, Number 19, pp. 6812-6820, (2001)およびその中の参考文献に記載されている。3本のPolymer Laboratories PLgel 10mm Mixed−BLSカラムを使用する。設定流量は0.5cm3/分であり、設定注入量は300μLである。様々な移動ライン、カラムおよび示差屈折率計(DRI検出器)を、45℃で維持したオーブンに入れる。SEC実験用溶媒を、4リットルのAldrich社の試薬グレードの1,2,4トリクロロベンゼン(TCB)中に、抗酸化剤として6グラムのブチル化ヒドロキシトルエンを溶解させることによって調製する。次いでTCB混合物を、0.7μmのガラスプレフィルターを介して濾過し、引き続き0.1μmのテフロンフィルターを介して濾過する。次いでTCBをオンライン脱ガス装置で脱気してから、サイズ排除クロマトグラフに入れる。ポリマー溶液は、乾燥ポリマーをガラス容器内に配置し、所定量のTCBを加え、次いで、連続的に約2時間撹拌しながらこの混合物を160℃に加熱することによって調製する。すべての量は重量測定法で測定する。TCB密度を使用してポリマー濃度を質量/体積単位で表現すると室温で1.463g/mlであり、135℃で1.324g/mlである。注入濃度は、0.75〜2.0mg/mlであり、より高い分子量の試料に対してより低い濃度を使用する。各試料を作動する前に、DRI検出器およびインジェクターをパージする。次いで、装置の流速を0.5ml/分間に増加させ、第1の試料を注入する前にDRIを8〜9時間かけて安定化させる。クロマトグラムの各点における濃度cは、以下の式を使用して、ベースラインを差し引いたDRI信号、IDRIから計算する:
c=KDRIDRI/(dn/dc)
[式中、KDRIは、DRIを較正することによって求めた定数であり、(dn/dc)は、その系の屈折率の増加分である]。
145℃およびλ=690nmにおけるTCBの屈折率n=1.500である。本発明およびその特許請求の範囲において、プロピレンポリマーに対して(dn/dc)=0.104であり、ブテンポリマーに対して0.098であり、他のものに対しては0.1である。SEC測定法についての本発明の記載全体にわたり、パラメータの単位は、濃度をg/cm3で表現し、分子量をg/モルで表現し、内因性粘度をdL/gで表現するようになっている。
【0066】
LS検出器は、Wyatt Technology High Temperature mini−DAWNである。クロマトグラムの各点における分子量Mは、静的光散乱のためのZimmモデルを使用して、LS出力を分析することによって求める(M.B. Huglin, Light Scattering from Polymer Solutions, Academic Press, 1971):
【0067】
【数1】
ここで、ΔR(θ)は、散乱角度θで測定された過剰のレイリー散乱強度であり、cは、DRI分析から求めたポリマー濃度であり、A2は、第2のビリアル係数であり[本発明において、プロピレンポリマーに対してはA2=0.0006であり、ブテンポリマーに対しては0.0015であり、他のものに対しては0.001である]、P(θ)は、単分散ランダムコイルに対する形状係数であり、Koは、系に対する光学定数である:
【0068】
【数2】
[式中、NAは、アボガドロ数であり、(dn/dc)は、系に対する屈折率増加分である]。145℃およびλ=690nmにおけるTCBに対する屈折率n=1.500である。
【0069】
2つの圧力トランスデューサを有するWheatstoneブリッジ構成で配置された4つのキャピラリーを有する、Viscotek Corporationの高温粘度計を使用して比粘度を求める。一方のトランスデューサは、検出器全域での全圧力降下を測定し、他方は、ブリッジの2つの側面の間に位置し、差圧を測定する。粘度計を介して流れる溶液に対する比粘度ηsは、これらの出力から計算する。クロマトグラムの各点での固有粘度[η]は、式
ηs=c[η]+0.3(c[η])2
[式中、cは濃度である]
から計算し、DRI出力から求めた。
分枝指数(g’vis)は、SEC−DRI−LS−VIS法の出力を使用して以下の通り計算する。試料の平均固有粘度、[η]avgは、
【0070】
【数3】
により計算する。ここで、和は、積分眼界間のクロマトグラフィースライスiの全体にわたる。
【0071】
分枝指数g’visは、以下のように定義される:
【数4】
ここで、本発明およびその特許請求の範囲において、直鎖エチレンポリマーに対して、α=0.695およびk=0.000579であり、直鎖プロピレンポリマーに対して、α=0.705およびk=0.000262であり、直鎖ブテンポリマーに対して、α=0.695およびk=0.000181である。Mvは、LS分析で求めた分子量に基づく粘度平均分子量である。同様の分子量およびコモノマー含有量を有する直鎖標準を選択し、k係数およびα指数を決定する上でのガイダンスについては、Macromolecules, 2001, 34, pp. 6812-6820 および Macromolecules, 2005, 38, pp. 7181-7183を参照されたい。
【0072】
13C NMRデータは、少なくとも400MHzの1水素周波数を用いるVarian分光計を使用して、10mmプローブ内で、120℃で収集した。90度パルス、0.1〜0.12Hzの間のデジタル分解能を得るように調節した取得時間、ゲーティングをしない掃引矩形波変調を使用する連続広帯域プロトンデカップリングによる少なくとも10秒間のパルス取得遅延時間を全取得期間中に利用した。目的の信号を測定するために適当な信号/ノイズレベルを得られる時間平均を使用してスペクトルを取得した。試料は、テトラクロロエタン−d2中に10重量%〜15重量%の間の濃度で溶解してから、分光計磁石中に挿入した。データ解析前に、6〜29.9ppmの(−CH2−)n信号の化学シフトを設定することによって、スペクトルを参照した。量子化に対する鎖末端は、以下の表に示されている信号を使用して同定した。N−ブチルおよびn−プロピルは、以下の表に示されている鎖末端と比べて、存在度が低い(5%未満)ため報告しなかった。
【0073】
【表1】
【0074】
ポリプロピレンミクロ構造は、アイソタクチックのおよびシンジオタクチックジアド([m]および[r])、トリアド([mm]および[rr])、およびペンタッド([mmmm]および[rrrr])の濃度を含めて、13C−NMR分光法により求める。記号表示「m」または「r」は、対の隣接するプロピレン基の立体配置を記載し、「m」はメソを指し、「r」はラセミを指す。試料をd2−1,1,2,2−テトラクロロエタン中に溶解し、100MHz(またはより高い)NMR分光計を使用して125℃でスペクトルを記録した。ポリマー共鳴ピークは、mmmm=21.8ppmを参照する。NMRによるポリマーの特性決定に関与する計算が、F. A. Bovey in Polymer Conformation and Configuration (Academic Press, New York 1969)およびJ. Randall in Polymer Sequence Determination, 13C-NMR Method (Academic Press, New York, 1977)に記載されている。
【0075】
1H NMR
1H NMRデータは、少なくとも400MHzの1水素周波数を有するVarian分光計を使用して、5mmプローブ内で室温または120℃(特許請求の範囲においては、120℃を使用するものとする)で収集した。最大パルス幅45°、パルス間隔8秒および信号平均化120トランジエントを使用してデータを記録した。スペクトル信号を積算し、1000個の炭素当たりの不飽和の種類の数を、種々の基に1000をかけ、計算結果を炭素の総数で割ることによって計算した。
【0076】
オレフィン種に対する1HNMR化学シフト領域は、以下のスペクトル領域内であると定義される。
【表2】
J. W. Olesik, “Inductively Coupled Plasma-Optical Emission Spectroscopy,” in the Encyclopedia of Materials Characterization, C. R. Brundle, C. A. Evans, Jr. and S. Wilson, eds., Butterworth-Heinemann, Boston, Mass., 1992, pp. 633-644において記載されているICPES(誘導結合されたプラズマ発光分光分析)を使用して、材料中の元素の量を求める。
【0077】
重合プロセス
本発明はまた、本明細書中に記載されているビニル末端ポリマーを作製するための方法、好ましくは均一プロセスまたはバルクプロセスに関する。好ましい実施形態では、モノマー(例えばプロピレン)および任意選択のコモノマー(例えばエチレン)は、触媒系(本明細書中に記載されている触媒、および任意選択で、1種または複数の活性化剤を含む)をオレフィンと反応させることによって重合することができる。所望する場合には、他の添加剤、例えば捕捉剤および/または水素なども使用してもよい。任意の従来の懸濁重合、均一重合、バルク重合、溶液重合、スラリー重合、または高圧重合プロセスを使用することができる。このようなプロセスは、バッチ、半バッチ、または連続モードで作動させることができる。均一重合プロセスが好ましい。(均一重合プロセスとは、少なくとも90重量%の生成物が反応媒体に溶解しているプロセスであると定義される)。バルク均一プロセスが特に好ましい。(バルクプロセスとは、反応器へのすべての供給原料中のモノマー濃度が70容量%以上であるプロセスと定義される)。あるいは、反応媒体中に溶媒または希釈剤が、存在しないまたは加えられていない(ただし、触媒系または他の添加剤に対する担体として使用される少量、またはモノマーに通常見出される量;例えば、プロピレンのプロパンなどを除く)。
【0078】
重合に対して適切な希釈剤/溶媒は、非配位性の不活性な液体を含む。例として、直鎖状および分枝鎖状の炭化水素、例えばイソブタン、ブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカンおよびこれらの混合物;環式および脂環式炭化水素、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタンおよびこれらの混合物、例えば、商業的に見出すことができるもの(Isopars);過ハロゲン化炭化水素、例えば、パーフルオロ化C4-10アルカン、クロロベンゼン、ならびに芳香族およびアルキル置換芳香族化合物、例えば、ベンゼン、トルエン、メシチレンおよびキシレンなどが挙げられる。適切な溶媒として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンおよび1−デセンを含めた、モノマーまたはコモノマーとして作用することができる液体オレフィンも挙げられる。前述の混合物もまた適切である。好ましい実施形態では、脂肪族炭化水素溶媒、例えば、イソブタン、ブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカンおよびこれらの混合物;環式および脂環式炭化水素、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタンおよびこれらの混合物が好ましい。別の実施形態では、溶媒は、芳香族ではなく、好ましくは、芳香族は、溶媒の重量を基準として、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0重量%未満で溶媒中に存在する。
好ましい実施形態では、重合に対する供給原料の濃度は、60容量%以下、好ましくは40容量%以下、好ましくは20容量%以下の溶媒である。好ましくは、重合はバルクプロセスで作動する。
【0079】
重合プロセスに適切な添加剤として、1種または複数の捕捉剤、促進剤、変性剤、連鎖移動剤、還元剤、酸化剤、水素、アルミニウムアルキル、またはシランを挙げることができる。
好ましい実施形態では水素は、重合反応器中に、0.001〜50psig(0.007〜345kPa)、好ましくは0.01〜25psig(0.07〜172kPa)、より好ましくは0.1〜10psig(0.7〜70kPa)の分圧で存在する。本発明の系では、水素が、アリル性鎖末端を生成する触媒の能力を有意に損なうことなく、活性の増加を得るために使用することができることが見出された。好ましくは、触媒活性(g/ミリモル(触媒)/時間として計算)は、水素の存在しない同じ反応よりも少なくとも20%高く、好ましくは少なくとも50%高く、好ましくは少なくとも100%高い。
「触媒生産性」は、Wgの触媒(cat)を含む重合触媒を使用して、T時間という時間にわたり何グラムのポリマー(P)が生成されたかを測定するもので、以下の式:P/(T×W)で表現されてもよく、gPgcat-1hr-1の単位で表現されてもよい。変換率とは、ポリマー生成物へ変換されたモノマーの量であり、モル%として報告され、ポリマー収量および反応器に供給されるモノマーの量に基づいて計算される。触媒活性は、触媒にどれくらい活性があるかを測定し、使用された触媒(cat)の1モル(kgP/モルcat)当たり生成される生成物ポリマー(P)の質量として報告される。
【0080】
代替の実施形態では、触媒の活性は少なくとも50g/ミリモル/時間、好ましくは500g/ミリモル/時間以上、好ましくは5000g/ミリモル/時間以上、好ましくは50,000g/ミリモル/時間以上である。代替の実施形態では、オレフィンモノマーの変換率は、ポリマー収量および反応ゾーンに入るモノマーの重量を基準として、少なくとも10%、好ましくは20%以上、好ましくは30%以上、好ましくは50%以上、好ましくは80%以上である。代替実施形態では、生産性は、少なくとも4500g/ミリモル/時間、好ましくは5000g/ミリモル/時間以上、好ましくは10,000g/ミリモル/時間以上、好ましくは50,000g/ミリモル/時間以上である。
【0081】
代替の実施形態では、生産性は少なくとも80,000g/ミリモル/時間、好ましくは少なくとも150,000g/ミリモル/時間、好ましくは少なくとも200,000g/ミリモル/時間、好ましくは少なくとも250,000g/ミリモル/時間、好ましくは少なくとも300,000g/ミリモル/時間である。好ましい重合は、典型的温度および/または圧力、例えば、0℃〜300℃、好ましくは25℃〜150℃、好ましくは40℃〜120℃、好ましくは45℃〜80℃で、好ましくは大気圧〜10MPa、好ましくは0.35〜10MPa、好ましくは0.45〜6MPa、好ましくは0.5〜4MPaで作動させることができる。
典型的重合では、反応の滞留時間は、60分間まで、好ましくは5〜50分間の間、好ましくは10〜40分間の間である。
【0082】
好ましい実施形態では、ビニル末端マクロマーを生成するための方法において、アルモキサンは、ほとんどまたはまったく使用されない。好ましくは、アルモキサンは、ゼロモル%存在し、あるいはアルモキサンは、500:1未満、好ましくは300:1未満、好ましくは100:1未満、好ましくは1:1未満のアルミニウム対遷移金属のモル比で存在する。
【0083】
代替の実施形態では、アルモキサンがVTMを生成するために使用される場合、アルモキサンを処理することによって、遊離のアルキルアルミニウム化合物、特にトリメチルアルミニウムを取り除く。
さらに、好ましい実施形態では、ビニル末端マクロマーを生成するために本明細書で使用された活性化剤は、本明細書中で定義されたようなかさ高い活性化剤であり、別個のものである。
【0084】
好ましい実施形態では、ビニル末端マクロマーを生成するための方法において、捕捉剤は、ほとんどまたはまったく使用されない。好ましくは、捕捉剤(例えば、トリアルキルアルミニウム)はゼロモル%で存在するか、あるいは捕捉剤は、100:1未満、好ましくは50:1未満、好ましくは15:1未満、好ましくは10:1未満の捕捉剤金属対遷移金属のモル比で存在する。
【0085】
好ましい実施形態では、重合は、1)0℃〜300℃(好ましくは25℃〜150℃、好ましくは40℃〜120℃、好ましくは45℃〜80℃)の温度で行われ;2)大気圧〜10MPa(好ましくは0.35〜10MPa、好ましくは0.45〜6MPa、好ましくは0.5〜4MPa)の圧力で行われ;3)脂肪族炭化水素溶媒(例えば、イソブタン、ブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、およびこれらの混合物中;環式および脂環式炭化水素、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタン、およびこれらの混合物中;好ましくは芳香族が溶媒中に、溶媒の重量を基準として、1重量%未満、好ましくは0.5重量%、好ましくは0重量%存在する)中で行われ;4)重合に使用される触媒系が0.5モル%未満、好ましくは0モル%のアルモキサンを含むか、あるいは、アルモキサンは、500:1未満、好ましくは300:1未満、好ましくは100:1未満、好ましくは1:1未満のアルミニウム対遷移金属のモル比で存在し;5)重合は1つの反応ゾーンで生じ;6)触媒化合物の生産性は少なくとも80,000g/ミリモル/時間(好ましくは少なくとも150,000g/ミリモル/時間、好ましくは少なくとも200,000g/ミリモル/時間、好ましくは少なくとも250,000g/ミリモル/時間、好ましくは少なくとも300,000g/ミリモル/時間)であり;7)任意選択で捕捉剤(例えば、トリアルキルアルミニウム化合物)は存在せず(例えば、ゼロモル%で存在するか、あるいは捕捉剤は、100:1未満、好ましくは50:1未満、好ましくは15:1未満、好ましくは10:1未満の捕捉剤金属対遷移金属のモル比で存在する);8)任意選択で水素は、重合反応器内に、0.001〜50psig(0.007〜345kPa)(好ましくは0.01〜25psig(0.07〜172kPa)、より好ましくは0.1〜10psig(0.7〜70kPa))の分圧で存在する。好ましい実施形態では、重合に使用される触媒系は、複数の触媒化合物を含まない。「反応ゾーン」とは、重合が起きる容器、例えばバッチ反応器である。2つの異なる反応器内で2つの段階で生じる重合であれば、2つの反応ゾーンを有することになる。
【0086】
触媒化合物
本明細書中で有用な触媒化合物は、式
【化7】
[式中、
Mは、ハフニウムまたはジルコニウムであり、好ましくはハフニウムであり、
各Xは、独立して、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルラジカル、ヒドリド、アミド、アルコキシド、スルフィド、ホスフィド、ハロゲン、ジエン、アミン、ホスフィン、エーテル、またはこれらの組合せ、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベンジル、クロリド、ブロミド、ヨージドからなる群から選択され(あるいは、2つのXは、縮合環または環系の一部を形成してもよい);
各R1およびR3は、独立して、C1−C8アルキル基であり、好ましくはC1−C8直鎖アルキル基、好ましくはメチルエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルであり、R1は、R3と同じでも異なっていてもよく、好ましくは両方ともメチルであり、
各R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、およびR14は、独立して、水素であるか、または1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のヒドロカルビル基、好ましくは置換もしくは非置換のC1−C8直鎖のアルキル基、好ましくはメチルエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルであるが、ただし、R10〜R14基のうちの少なくとも3つは水素ではない(あるいは、R10〜R14基のうちの4つは水素ではない、あるいはR10〜R14基のうちの5つは水素ではない)]
で表される1種または複数の化合物(複数可)を含む。
【0087】
好ましい実施形態では、R10〜R14のすべての5つの基はメチルであるか、またはR10〜R14基のうちの4つは水素ではなく、R10〜R14基のうちの少なくとも1つは、C2−C8置換または非置換のヒドロカルビル(好ましくは、R10〜R14基のうちの少なくとも2、3、4または5つは、C2−C8置換または非置換のヒドロカルビル)である。
【0088】
一実施形態では、R1およびR3はメチル基であり、R2は水素であり、R4〜R9はすべて水素であり、R10〜R14はすべてメチル基であり、各Xはメチル基である。
【0089】
本発明において特に有用な触媒化合物として、(CpMe5)(1,3−Me2ベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe5)(1−メチル−3−n−プロピルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe5)(1−n−プロピル,3−メチルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe5)(1−メチル−3−n−ブチルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe5)(1−n−ブチル,3−メチルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe5)(1−エチル,3−メチルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe5)(1−メチル、3−エチルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe4n−プロピル)(1,3−Me2ベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe4−n−プロピル)(1−メチル−3−n−プロピルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe4−n−プロピル)(1−n−プロピル,3−メチルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe4−n−プロピル)(1−メチル−3−n−ブチルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe4−n−プロピル)(1−n−ブチル,3−メチルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe4−n−プロピル)(1−エチル,3−メチルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe4−n−プロピル)(1−メチル、3−エチルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe4n−ブチル)(1,3−Me2ベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe4n−ブチル)(1−メチル−3−n−プロピルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe4n−ブチル)(1−n−プロピル,3−メチルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe4n−ブチル)(1−メチル−3−n−ブチルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe4n−ブチル)(1−n−ブチル,3−メチルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe4n−ブチル)(1−エチル,3−メチルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、(CpMe4n−ブチル)(1−メチル、3−エチルベンゾ[e]インデニル)HfMe2、およびそのジルコニウム類似体が挙げられる。代替の実施形態では、上記の触媒HfおよびZr化合物のリストの遷移金属の後の「ジメチル」(Me2)は、特にアルモキサン活性化剤との使用のために、ジハライド(例えば、ジクロリドまたはジフルオリド)またはビスフェノキシドと置き換えられる。
【0090】
触媒化合物のための活性化剤および活性化方法
「助触媒」および「活性化剤」という用語は、本明細書では交換可能なように使用され、中性触媒化合物を触媒として活性のある触媒化合物カチオンに変換することによって、上記に記載されている触媒化合物のうちのいずれか1種を活性化することができる任意の化合物であると定義される。例えば、非限定的な活性化剤として、アルモキサン、アルミニウムアルキル、イオン化活性化剤(中性でも、イオン性でもよい)および従来の種類の助触媒が挙げられる。好ましい活性化剤として通常、1つの反応性の、σ結合した、金属配位子を抽出し、金属錯体をカチオン性にし、荷電平衡した非配位のまたは弱く配位したアニオンを提供する、アルモキサン化合物、修飾アルモキサン化合物、およびイオン化アニオン前駆体化合物が挙げられる。
【0091】
一実施形態では、アルモキサン活性化剤は、触媒組成物の活性化剤として利用される。アルモキサンは、一般的に−Al(R1)−O−サブユニット(式中、R1はアルキル基である)を含有するオリゴマー化合物である。アルモキサンの例として、メチルアルモキサン(MAO)、修飾メチルアルモキサン(MMAO)、エチルアルモキサンおよびイソブチルアルモキサンが挙げられる。アルキルアルモキサンおよび修飾アルキルアルモキサンは、特に抽出可能な配位子がアルキル、ハライド、アルコキシド、またはアミドである場合、触媒活性化剤として適切である。異なるアルモキサンおよび修飾アルモキサンの混合物もまた使用し得る。目視により透明なメチルアルモキサンを使用することが好ましいこともある。濁ったまたはゲル状アルモキサンは、濾過することによって透明な溶液を生成することができ、または透明なアルモキサンは、濁った溶液からデカントすることができる。有用なアルモキサンは、修飾メチルアルモキサン(MMAO)助触媒タイプ3A(Akzo Chemicals,Inc.から商標名Modified Methylalumoxaneタイプ3Aで市販され、米国特許第5,041,584号で保護されている)である。
【0092】
活性化剤がアルモキサン(修飾または未修飾)の場合、いくつかの実施形態は、触媒前駆体よりも5000倍モル過剰のAl/Mで最大量の活性化剤を選択する(1つの金属触媒部位当たり)。最小の活性化剤対触媒前駆体の比は、1:1モル比である。代わりの好ましい範囲として、1:1〜500:1、あるいは1:1〜200:1、あるいは1:1〜100:1、あるいは1:1〜50:1が挙げられる。
【0093】
共活性化剤(または捕捉剤)として利用し得るアルミニウムアルキルまたはオルガノアルミニウム化合物として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、ジエチル亜鉛などが挙げられる。
【0094】
イオン化活性化剤
イオン化または化学量論的活性化剤、中性またはイオン性活性化剤、例えば、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリスパーフルオロフェニルボロン半金属前駆体またはトリスパーフルオロナフチルボロン半金属前駆体、ポリハロゲン化ヘテロボランアニオン(WO98/43983)、ホウ酸(米国特許第5,942,459号)またはこれらの組合せなどを使用するのは本発明の範囲内である。中性またはイオン性活性化剤を単独で、またはアルモキサンまたは修飾アルモキサン活性化剤と組み合わせて使用するのも本発明の範囲内である。さらに好ましい活性化剤はイオン性活性化剤である。
【0095】
中性の化学量論的活性化剤の例として、三置換ホウ素、テルリウム、アルミニウム、ガリウムおよびインジウムまたはこれらの混合物が挙げられる。3つの置換基は、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、ハロゲン、置換アルキル、アリール、ハロゲン化アリール、アルコキシおよびハライドから選択される。好ましくは、この3つの基は、独立して、ハロゲン、単環式または多環式(ハロ置換を含む)アリール、アルキル、およびアルケニル化合物およびこれらの混合物から選択され、好ましいのは、1〜20個の炭素原子を有するアルケニル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、および3〜20個の炭素原子を有するアリール基(置換アリールを含む)である。より好ましくは、この3つの基は、1〜4個の炭素基を有するアルキル、フェニル、ナフチル、またはこれらの混合物である。さらにより好ましくは、この3つの基は、ハロゲン化、好ましくはフッ化アリール基である。最も好ましくは、中性の化学量論的活性化剤は、トリスパーフルオロフェニルボロンまたはトリスパーフルオロナフチルボロンである。
【0096】
イオン性化学量論的活性化剤化合物は、イオン化化合物の残りのイオンに付随しているが、配位結合されていない、または軽く配位結合されているだけの、活性のあるプロトン、またはいくつかの他のカチオンを含有し得る。このような化合物などは、これらすべてが参照により本明細書に完全に組み込まれている、欧州特許出願公開第0570982号;欧州特許出願公開第0520732号;欧州特許出願公開第0495375号;欧州特許出願公開第0500944号;欧州特許出願公開第0277003号;欧州特許出願公開第0277004号;米国特許第5,153,157号;第5,198,401号;第5,066,741号;第5,206,197号;第5,241,025号;第5,384,299号;第5,502,124号;および米国特許出願第08/285,380号(1994年8月3日に出願)に記載されている。
イオン性触媒は、遷移金属化合物を、いくつかの中性ルイス酸、例えばB(C663などと反応させることにより調製でき、この中性ルイス酸は、触媒化合物の加水分解可能な配位子(X)との反応により、([B(C653(X)]−)などのアニオンを形成し、これが反応により生成したカチオン性の遷移金属種を安定化する。触媒は、イオン性化合物または組成物である活性化剤成分を用いて調製することができる、好ましくは調製する。
【0097】
本発明の方法に使用されるイオン性触媒系の調製に活性化剤成分として有用な好ましい化合物はカチオンを含み、これは、好ましくは、プロトンを放出することが可能なブレンステッド酸であり、相容性の非配位アニオンであり、このアニオンは、比較的に大量にあり(かさ高い)、活性触媒種(第4族カチオン)を安定化させることができ、この活性触媒種は、2つの化合物が組み合わせられた場合形成され、前記アニオンは、オレフィン、ジオレフィンおよびアセチレン性不飽和の基質または他の中性のルイス塩基、例えばエーテル、アミンなどにより置換されるだけ十分な反応活性度がある。2つのクラスの相容性の非配位アニオンが、欧州特許第0277003号および欧州特許第0277004号で開示されている:1)アニオン性配位錯体は、共有結合により配位結合され、中心の電荷保持金属または半金属コアを遮蔽している、複数の親油性ラジカルを含み、2)アニオンは、複数のホウ素原子、例えば、カルボラン、メタラカルボランおよびボランなどを含む。
【0098】
好ましい実施形態では、本明細書中で有用な化学量論的活性化剤は、カチオンおよびアニオン成分を含み、これらは以下の式で表すことができる。
(L−H)d+(Ad-)(14)
[式中、Lは、中性ルイス塩基であり、Hは水素であり、(L−H)+はブレンステッド酸であり、Ad-は電荷d−を有する非配位アニオンであり、dは1〜3の整数である]
カチオン成分(L−H)d+は、アルキルまたはアリールなどの部分を、遷移金属触媒前駆体を含有するかさ高い配位子メタロセンからプロトン化し、カチオン性遷移金属種を生じることができるプロトン化ルイス塩基などのブレンステッド酸を含み得る。
【0099】
活性化カチオン(L−H)d+は、ブレンステッド酸であってよく、プロトンを遷移金属触媒の前駆体へ放出することが可能で、アンモニウム、オキソニウム、ホスホニウム、シリリウム、およびこれらの混合物、好ましくはメチルアミン、アニリン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルアニリン、ジフェニルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、メチルジフェニルアミン、ピリジン、p−ブロモN,N−ジメチルアニリン、p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリンのアンモニウム、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、およびジフェニルホスフィンからのホスホニウム、エーテルからのオキソニウム、例えばジメチルエーテルジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなど、チオエーテルからのスルホニウム、例えばジエチルチオエーテルおよびテトラヒドロチオフェンなど、ならびにこれらの混合物を含めた遷移金属カチオンを生じる。
【0100】
アニオン成分Ad-は、式[Mk+Qnd-[式中、kは、1、2、または3であり、nは、2、3、4、5、または6であり、n−k=dであり、Mは、元素周期表の第13族から選択される元素であり、好ましくはホウ素またはアルミニウムであり、Qは、独立して、ヒドリド、架橋されたまたは非架橋のジアルキルアミド、ハライド、アルコキシド、アリールオキシド、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ハロカルビル、置換ハロカルビル、およびハロ置換ヒドロカルビルラジカルであり、1回以下の出現においてQはハライドであることを条件として、前記Qは、20個までの炭素原子を有する]を有するものを含む。好ましくは、各Qは、1〜20個の炭素原子を有するフッ化ヒドロカルビル基であり、より好ましくは、各Qはフッ化アリール基であり、最も好ましくは各Qはペンタフルオリルアリール基である。適切なAd-の例はまた、完全に本明細書に参照により組み込まれている、米国特許第5,447,895号に開示されているようなジボロン化合物も含む。
【0101】
本発明の改善された触媒の調製において活性化助触媒として使用することができるホウ素化合物の、例示的であるが、限定的ではない例は、三置換アンモニウム塩、例えば、
トリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(t−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラフェニルボレート、トロピリウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートトリエチルシリリウムテトラフェニルボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(sec−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
【0102】
トリメチルアンモニウムテトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロ−フェニル)ボレート、ジメチル(t−ブチル)アンモニウムテトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリプロピルアンモニウムルテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリ(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トロピリウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、
【0103】
トリフェニルホスホニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリ(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、
【0104】
トリメチルアンモニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムルテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリ(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、およびジアルキルアンモニウム塩、例えば、ジ−(i−プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、およびジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;および追加の三置換ホスホニウム塩、例えばトリ(o−トリル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、およびトリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
【0105】
好ましくは、活性化剤は、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、またはトリフェニルカルベニウムテトラキス(パーフルオロフェニル)ボレートである。
【0106】
一実施形態では、活性プロトンを含有しないが、かさ高い配位子メタロセン触媒カチオンおよびこれらの非配位性アニオンを生成することが可能な、イオン化するイオン性化合物を使用する活性化方法もまた想定され、これらすべてが本明細書中に参照により組み込まれている、欧州特許出願公開第0426637号、欧州特許出願公開第0573403号、および米国特許第5,387,568号において記載されている。
【0107】
「非配位性アニオン」(NCA)という用語は、前記カチオンに配位しないか、または前記カチオンに弱くしか配位結合せず、これによって、中性ルイス塩基で置換されるだけ十分な反応活性度を維持するアニオン、例えばオレフィンモノマーなどを意味する。「相容性の」非配位性アニオンとは、最初に形成された錯体が分解する場合、中性まで崩壊しないものである。さらに、アニオンは、アニオン性置換基またはフラグメントをカチオンに移動させず、その結果、このアニオンから中性の四配位メタロセン化合物および中性の副生成物の形成が引き起こされることはない。本発明による有用な非配位性アニオンは、相容性であり、そのイオン電荷を+1で平衡に保つという意味で、触媒カチオンを安定化し、しかも重合中にエチレン性またはアセチレン性不飽和モノマーによる置換を可能にするくらい十分な反応活性度を保持する。相容性の、弱く配位している錯体を形成することができる任意の金属または半金属を使用してもよいし、または非配位性アニオン中に含有してもよい。適切な金属として、これらに限定されないが、アルミニウム、金、および白金が挙げられる。適切な半金属として、これらに限定されないが、ホウ素、アルミニウム、リン、およびケイ素が挙げられる。化学量論的活性化剤は、中性またはイオン性のいずれかであってよい。イオン性活性化剤および化学量論的イオン性活性化剤という用語は、交換可能なように使用することができる。同様に、中性の化学量論的活性化剤、およびルイス酸活性化剤という用語は、交換可能なように使用することができる。これら活性化剤化合物または助触媒に加えて、捕捉剤、例えば、トリ−イソブチルアルミニウムまたはトリ−オクチルアルミニウムなどが使用される。
【0108】
本発明方法はまた、最初は中性のルイス酸であるが、本発明化合物と反応するとカチオン性金属錯体および非配位性アニオン、または両性イオン錯体を形成する、助触媒化合物または活性化剤化合物を利用することもできる。例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素またはアルミニウムは、ヒドロカルビルまたはヒドリド配位子を抽出して、本発明のカチオン性金属錯体および安定化させる非配位性アニオンを生じるように作用する。類似する第4族メタロセン化合物の例示として、欧州特許出願公開第0427697号および欧州特許出願公開第0520732号を参照されたい。また、欧州特許出願公開第0495375号の方法および化合物も参照されたい。類似の第4族化合物を使用する両性イオン錯体の形成については、米国特許第5,624,878号;第5,486,632号および第5,527,929号を参照されたい。
【0109】
別の適切なイオン形成性の活性化助触媒は、式
(OXe+d(Ad-e (16)
[式中、OXe+は、e+の電荷を有するカチオン性酸化剤であり、eは、1、2、または3であり、Aは、d−の電荷を有する非配位性アニオンであり、dは、1、2、または3である]
で表されるカチオン性酸化剤および非配位性、相容性のアニオンの塩を含む。カチオン性酸化剤の例として、フェロセニウム、ヒドロカルビル置換フェロセニウム、Ag+、またはPb+2が挙げられる。Ad-の好ましい実施形態は、ブレンステッド酸含有活性化剤に関して以前に定義されたようなアニオン、特にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
非アルモキサン活性化剤対触媒前駆体の典型的な比は、1:1モル比である。代わりの好ましい範囲として、0.1:1〜100:1、あるいは0.5:1〜200:1、あるいは1:1〜500:1あるいは1:1〜1000:1が挙げられる。特に有用な範囲は、0.5:1〜10:1、好ましくは1:1〜5:1である。
【0110】
かさ高性活性化剤
本発明の方法はまた、「かさ高性活性化剤」を使用することもできる。
【0111】
本明細書で使用する場合、「かさ高性活性化剤」とは、式
【化8】
[式中、
各R1は、独立して、ハライドであり、好ましくはフルオリドであり、
各R2は、独立して、ハライドであり、C6−C20置換芳香族ヒドロカルビル基または式−O−Si−Ra(式中、Raは、C1−C20ヒドロカルビルまたはヒドロカルビルシリル基のシロキシ基であり(好ましくは、R2は、フルオリドまたはパーフルオロ化フェニル基である))、
各R3は、ハライド、C6−C20置換芳香族ヒドロカルビル基または式−O−Si−Ra(式中、Raは、C1−C20ヒドロカルビルまたはヒドロカルビルシリル基である)のシロキシ基であり(好ましくは、R3は、フルオリドまたはC6パーフルオロ化芳香族ヒドロカルビル基である)、R2およびR3は、1つまたは複数の飽和または不飽和の、置換または非置換の環を形成することができ(好ましくは、R2およびR3は、パーフルオロ化フェニル環を形成する)、
Lは中性ルイス塩基であり、(L−H)+はブレンステッド酸であり、dは1、2、または3であり、
アニオンは、1020g/モルを超える分子量を有し、
ホウ素、B原子上の置換基のうちの少なくとも3つは、それぞれ、250立方Åを超える、あるいは300立方Åを超える、あるいは500立方体Åを超える分子量を有する]
で表されるアニオン性活性化剤を指す。
【0112】
「分子量」とは、溶液中での活性化剤分子の空間的、立体的なかさ高さの近似値として本明細書中で使用されている。異なる分子体積を有する置換基の比較により、より小さい分子体積を有する置換基は、より大きな分子体積を有する置換基と比較して、「あまりかさ高くない」とみなすことができる。逆に、より大きな分子体積を有する置換基は、小さな分子体積を有する置換基よりも「よりかさ高い」とみなすことができる。
【0113】
分子体積は、“A Simple “Back of the Envelope” Method for Estimating the Densities and Molecular Volumes of Liquids and Solids,” Journal of Chemical Education, Vol. 71, No. 11, November 1994, pp. 962-964で報告されているように計算し得る。分子体積(MV)は、立方Åの単位で、式:MV=8.3Vs(式中、Vsは縮尺した量である)を使用して計算する。Vsは、成分原子の相対体積の合計であり、以下の相対体積の表を使用して置換基の分子式から計算する。縮合環に対して、Vsは縮合環1つ当たり7.5%ずつ減少する。
【0114】
【表3】
【0115】
本明細書中の適切な活性化剤の例示的な、かさ高い置換基およびこれらのそれぞれ縮尺した体積および分子量を以下の表に示す。破線で示される結合は、ホウ素との結合を示す。
【化9】
【0116】
本明細書中の触媒系に有用な例示的かさ高い活性化剤として、トリメチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリ(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トロピリウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリ(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、[4−t−ブチル−PhNMe2H][(C63(C6524B]、および米国特許第7,297,653号に開示されている種類が挙げられる。
【0117】
上記触媒と共に有用な活性化剤として、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラキス(ヘプタフルオロナフチル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムルテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリ(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、[4−t−ブチル−PhNMe2H][(C63(C6524B]が挙げられる。
【0118】
活性化剤の組合せ
触媒化合物を1種または複数の活性化剤または上記に記載されている活性化方法と組み合わせることができることは本発明の範囲内である。例えば、活性化剤の組合せは、米国特許第5,153,157号、第5,453,410号、欧州特許出願公開第0573120号、国際公開第94/07928号および国際公開第95/14044号に記載されている。これらの文献はすべて、イオン化活性化剤と組み合わせたアルモキサンの使用について考察している。
【0119】
モノマー
本発明での重合に有用なオレフィンとして、C2−C40オレフィン、好ましくはアルファ−オレフィン、好ましくはエチレンおよびプロピレンのポリマーが挙げられる。
本発明で調製したビニル末端ポリマーは通常、エチレンおよび/またはプロピレンのポリマーであり、さらにエチレンおよび/またはプロピレンと、C4−C40オレフィン、好ましくはエチレンおよび/またはC5−C25オレフィン、または好ましくはC6−C18オレフィンのコモノマーとのコポリマーであり得る。C4−C40オレフィンモノマーは、直鎖、分枝、または環式であってよい。C4−C40環式オレフィンは、歪んでいても、または歪んでいなくてもよく、単環式または多環式であってよく、任意選択でヘテロ原子および/または1つまたは複数の官能基を含んでいてもよい。例示的C4−C40オレフィンモノマーとして、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロドデセン、7−オキサノルボルネン、7−オキサノルボルナジエン、その置換誘導体およびその異性体、好ましくはヘキサン、ヘプタン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、1−ヒドロキシ−4−シクロオクテン、1−アセトキシ−4−シクロオクテン、5−メチルシクロペンテン、シクロペンテン、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、およびこれらそれぞれのホモログおよび誘導体、好ましくは、以下に示されているようなノルボルネン、ノルボルナジエン、およびジシクロペンタジエンが挙げられる。
【0120】
【化10】
【0121】
本発明で生成される好ましいビニル末端ポリマーとして、ホモポリプロピレン、エチレンと共重合したプロピレン、ならびにエチレンおよび/または上記に列挙したC4−C40オレフィンと共重合したプロピレンが挙げられる。
好ましい実施形態では、ポリマーは、0.1モル%〜99.9モル%のエチレンおよび/または0.1モル%〜99.9モル%のプロピレンを含む。
好ましい実施形態では、ポリマーは、エチレンおよびプロピレンおよび0%〜40%のターモノマーを含む。
【0122】
1から24を継続的に列挙した以下の段落は、本発明の様々な態様を提供する。一実施形態では、第1の段落(1)において、本発明は、構造のうちの1つで表される遷移金属触媒化合物を提供する。
【0123】
1.式
【化11】
[式中、
Mは、ハフニウムまたはジルコニウムであり、好ましくはハフニウムであり、
各Xは、独立して、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルラジカル、ヒドリド、アミド、アルコキシド、スルフィド、ホスフィド、ハロゲン、ジエン、アミン、ホスフィン、エーテル、またはこれらの組合せ、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベンジル、クロリド、ブロミド、ヨージドからなる群から選択され(あるいは2個のXが、縮合環または環系の一部を形成してもよい)、
各R1およびR3は、独立して、C1−C8アルキル基、好ましくはC1−C8直鎖アルキル基、好ましくはメチルエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルであり、R1は、R3と同じでも異なっていてもよく、好ましくは両方ともメチルであり、
各R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、およびR14は、独立して、水素であるか、または1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する、置換もしくは非置換のヒドロカルビル基であり、好ましくは、置換または非置換のC1−C8直鎖のアルキル基、好ましくはメチルエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルであるが、ただし、R10〜R14基のうちの少なくとも3つは、水素ではない(あるいはR10〜R14基のうちの4つは水素ではない、あるいはR10〜R14基のうちの5つは水素ではない)ものとする]
で表される遷移金属触媒化合物。
【0124】
2.各Xがメチル基である、段落1の遷移金属触媒化合物。
3.各R1およびR3がメチル基である、段落1または2のいずれかの遷移金属触媒化合物。
【0125】
4.R10、R11、R12、R13、およびR14がそれぞれメチル基である、段落1から3までのいずれかの遷移金属触媒化合物。
5.R2、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9がすべて水素である、段落1から4までのいずれかの遷移金属触媒化合物。
【0126】
6.R1およびR3がメチル基であり、R2が水素であり、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9がすべて水素であり、R10、R11、R12、R13、およびR14がすべてメチル基であり、各Xがメチル基である、段落1の遷移金属触媒化合物。
【0127】
7.式
【化12】
[式中、
Mは、ハフニウムまたはジルコニウムであり、好ましくはハフニウムであり、
各Xは、独立して、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルラジカル、ヒドリド、アミド、アルコキシド、スルフィド、ホスフィド、ハロゲン、ジエン、アミン、ホスフィン、エーテル、またはこれらの組合せ、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベンジル、クロリド、ブロミド、ヨージドからなる群から選択され(あるいは2つのXは、縮合環または環系の一部を形成してもよい)、
各R1およびR3は、独立して、C1−C8アルキル基、好ましくはC1−C8直鎖アルキル基、好ましくはメチルエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルであり、R1はR3と同じでも異なっていてもよく、好ましくは両方ともメチルであり、
各R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、およびR14は、独立して、水素であるか、または1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のヒドロカルビル基、好ましくは置換もしくは非置換のC1−C8直鎖アルキル基、好ましくはメチルエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルであるが、ただし、R10〜R14基のうちの少なくとも3つは水素ではない(あるいは、R10〜R14基のうちの4つは水素ではなく、あるいは、R10〜R14基のうちの5つは水素ではない)]
で表される活性化剤および触媒化合物を含む遷移金属触媒系。
【0128】
8.各Xがメチル基である、段落7の触媒系。
9.各R1およびR3がメチル基である、段落7または8のいずれかの触媒系。
10.R10、R11、R12、R13、およびR14がそれぞれメチル基である、段落7から9までのいずれかの触媒系。
11.R2、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9がすべて水素である、段落7から10までのいずれかの触媒系。
12.R1およびR3はメチル基であり、R2は水素であり、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9がすべて水素であり、R10、R11、R12、R13、およびR14がすべてメチル基であり、各Xがメチル基である、段落7の触媒系。
【0129】
13.活性化剤が、トリメチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムルテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリ(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、[4−t−ブチル−PhNMe2H][(C63(C6524B]またはこれらの混合物から選択される、段落7から12までのいずれかの触媒系。
【0130】
14.1)段落1〜6の触媒化合物または段落7〜13の触媒系をオレフィンと接触させるステップと、
2)少なくとも30%のアリル鎖末端および200g/モル以上のMnを有するポリマーを得るステップと
を含むビニル末端ポリマーを生成するための方法。
【0131】
15.1)エチレンおよびプロピレンを、段落1〜6の化合物または段落7〜13の触媒と接触させるステップと、
2)300〜60,000g/モルのMnを有し、10モル%〜90モル%のプロピレンおよび10モル%〜90モル%のエチレンを含むポリマーを得るステップであって、このポリマーが少なくともX%のアリル鎖末端(1H NMRで測定した場合、全不飽和に対して)を有し、1)10モル%〜60モル%のエチレンがポリマー中に存在する場合、X=(−0.94(組み込まれたエチレンのモル%)+100)であり、2)60モル%超および70モル%未満のエチレンがポリマーに存在する場合、X=45であり、3)70モル%〜90モル%のエチレンがポリマー中に存在する場合、X=(1.83*(組み込まれたエチレンのモル%)−83)であるステップと
を含む重合するための方法。
【0132】
16.ポリマーが、90%を超えるアリル鎖末端(全不飽和に対して)を有する、段落14または15の方法。
17.ポリマーが、15重量%〜95重量%のエチレンを含み、80%を超えるアリル鎖末端(全不飽和に対して)を有する、段落14または15の方法。
18.ポリマーが30重量%〜95重量%のエチレンを含み、70%を超えるアリル鎖末端(全不飽和に対して)を有する、段落14または15のプ方法。
19.ポリマーが30重量%〜95重量%のエチレンを含み、90%を超えるアリル鎖末端(全不飽和に対して)を有する、段落14または15の方法。
【0133】
20.ポリマーが90モル%を超えるプロピレンと、10モル%未満のエチレンとを含み、ポリマーが、少なくとも93%のアリル鎖末端、約500〜約20,000g/モルの数平均分子量(Mn)、0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比、および1400ppm未満のアルミニウムを有する、段落14または15の方法。
21.ポリマーが、少なくとも50モル%のプロピレンと、10モル%〜50モル%のエチレンとを含み、ポリマーが、少なくとも90%のアリル鎖末端、約150〜約10,000g/モルのMnおよび0.8:1〜1.2:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比を有し、4個以上の炭素原子を有するモノマーが0モル%〜3モル%存在する、段落14または15の方法。
【0134】
22.ポリマーが、少なくとも50モル%のプロピレンと、0.1モル%〜45モル%のエチレンと、0.1モル%〜5モル%のC4−C12オレフィンとを含み、ポリマーが、少なくとも90%のアリル鎖末端、約150〜約10,000g/モルのMnおよび0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比を有する、段落14または15の方法。
23.ポリマーが、少なくとも50モル%のプロピレンと、0.1モル%〜45モル%のエチレンと、0.1モル%〜5モル%のジエンとを含み、ポリマーが、少なくとも90%のアリル鎖末端、約150〜約10,000g/モルのMn、および0.7:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比を有する、段落14または15の方法。
24.ポリマーが、本明細書中で上記に記載されている任意のポリマーである、段落14または15の方法。
【0135】
別の実施形態では、本発明は、以下に関する:
1A.ビニル末端ポリマーを生成するための方法であって、
1)a)1種または複数のオレフィンと、
b)式
【化13】
[式中、
Mは、ハフニウムまたはジルコニウムであり、
各Xは、独立して、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルラジカル、ヒドリド、アミド、アルコキシド、スルフィド、ホスフィド、ハロゲン、ジエン、アミン、ホスフィン、エーテル、またはこれらの組合せからなる群から選択され、
各R1およびR3は、独立して、C1−C8アルキル基であり、
各R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、およびR14は、独立して、水素であるか、または1〜8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のヒドロカルビル基であるが、ただし、R10〜R14基のうちの少なくとも3つは水素ではないものする]
で表される遷移金属触媒化合物と
を接触させるステップと、
2)300g/モル以上のMnおよび少なくとも30%のアリル鎖末端(全不飽和に対して)を有するビニル末端ポリマーを得るステップと
を含む、方法。
【0136】
2A.各Xがメチル基である、段落1Aの方法。
3A.各R1およびR3がメチル基である、段落1Aまたは2Aのいずれかの方法。
【0137】
4A.R10〜R14がそれぞれメチル基である、段落1Aから3Aまでのいずれかの方法。
5A.R2、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9がすべて水素である、段落1Aから4Aまでのいずれかの方法。
【0138】
6A.R1およびR3がメチル基であり、R2が水素であり、R4〜R9がすべて水素であり、R10〜R14がすべてメチル基であり、各Xがメチル基である、段落1Aの方法。
7A.MがHfである、段落1Aから6Aまでのいずれかの方法。
【0139】
8A.触媒化合物が活性化剤と組み合わせられる、段落1Aから7Aまでのいずれかの方法。
9A.活性化剤が、式
【化14】
[式中、
各R1は、独立して、ハライドであり、
各R2は、独立して、ハライド、C6−C20置換芳香族ヒドロカルビル基または式−O−Si−Ra(式中、Raは、C1−C20ヒドロカルビルまたはヒドロカルビルシリル基である)のシロキシ基であり、
各R3は、ハライド、C6−C20置換芳香族ヒドロカルビル基、または式−O−Si−Ra(式中、RaはC1−C20ヒドロカルビルまたはヒドロカルビルシリル基である)のシロキシ基であり、
Lは、中性のルイス塩基であり、Hは水素であり、(L−H)+は、ブレンステッド酸であり、dは1〜3の整数であり、
アニオンは、1020g/モルを超える分子量を有し、
B原子上の置換基のうちの少なくとも3つは、それぞれ250立方Åを超える分子体積を有する]
で表される、段落8Aの方法。
【0140】
10A.活性化剤が、トリメチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムルテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリ(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(パーフルオロビフェニル)ボレート、[4−t−ブチル−PhNMe2H][(C63(C6524B]またはこれらの混合物から選択される、段落1Aから8Aまでのいずれかの方法。
【0141】
11A.オレフィンがエチレンおよび/またはプロピレンである、段落1Aから10Aまでのいずれかの方法。
12A.ターモノマーが0モル%〜50モル%存在する、段落1Aから11Aまでのいずれかの方法。
13A.オレフィンがプロピレンである、段落1Aから11Aのいずれかの方法。
【0142】
14A.オレフィンがエチレンとプロピレンとを含み、得られたポリオレフィンが、200〜60,000g/モルのMnを有し、0.1〜99.9モル%のプロピレンおよび99.1〜0.1モル%のエチレンを含み、少なくとも30%のアリル鎖末端を有する、段落1Aから13Aまでのいずれかの方法。
【0143】
15A.ポリマーがX%のアリル鎖末端(1H NMRで測定した場合、全不飽和に対して)を有し、1)10モル%〜60モル%エチレンがコポリマー中に存在する場合、X=(−0.94(組み込まれたエチレンのモル%)+100)であり;2)60モル%超〜70モル%未満のエチレンがコオリゴマー中に存在する場合、X=45であり;3)70モル%〜90モル%のエチレンがコポリマー中に存在する場合、X=(1.83*(組み込まれたエチレンのモル%)−83)である、段落14Aの方法。
【0144】
16A.ポリマーが90%を超えるアリル鎖末端(全不飽和に対して)を有する、段落14Aの方法。
17A.ポリマーが15重量%〜95重量%のエチレンを含み、80%を超えるアリル鎖末端(全不飽和に対して)を有する、段落14Aの方法。
18A.ポリマーが30重量%〜95重量%のエチレンを含み、70%を超えるアリル鎖末端(全不飽和に対して)を有する、段落14Aの方法。
19A.ポリマーが30重量%〜95重量%のエチレンを含み、90%を超えるアリル鎖末端(全不飽和に対して)を有する、段落14Aの方法。
【0145】
20A.ポリマーが、90モル%を超えるプロピレンと、10モル%未満のエチレンとを含み、ポリマーが、少なくとも93%のアリル鎖末端、約500〜約20,000g/モルの数平均分子量(Mn)、0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比、および1400ppm未満のアルミニウムを有する、段落14Aの方法。
21A.ポリマーが、少なくとも50モル%のプロピレンと、10モル%〜50モル%のエチレンとを含み、ポリマーが、少なくとも90%のアリル鎖末端、約150〜約10,000g/モルのMn、および0.8:1〜1.2:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比を有し、4個以上の炭素原子を有するモノマーが0モル%〜3モル%存在する、段落14Aの方法。
【0146】
22A.ポリマーが、少なくとも50モル%のプロピレンと、0.1モル%〜45モル%のエチレンと、0.1モル%〜5モル%のC4−C12オレフィンとを含み、ポリマーが、少なくとも90%のアリル鎖末端、約150〜約10,000g/モルのMn、および0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比を有する、段落14Aの方法。
23A.ポリマーが、少なくとも50モル%のプロピレンと、0.1モル%〜45モル%のエチレンと、0.1モル%〜5モル%のジエンとを含み、ポリマーが、少なくとも90%アリル鎖末端、約150〜約10,000g/モルのMn、および0.7:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比を有する、段落14Aの方法。
24A.触媒が(CpMe2)(1,3Me2ベンゾ[e]インデニル)HfMe2であり、活性化剤がN,N−ジメチルアニリニウムパーフルオロテトラフェニルボレート(perflurotetraphenylborate)またはN,N−ジメチルアニリニウム−テトラキス(ヘプタフルオロ−1−ナフチル(naphtyl))ボレート(式中、Cpはシクロペンタジエニルであり、Meがメチルである)である、上記段落1Aから23Aまでのいずれかの方法。
25A.ポリマーが300〜60,000g/モルのMnを有する、上記段落1から24までのいずれかの方法。
26A.式
【0147】
【化15】
[式中、
Mは、ハフニウムまたはジルコニウムであり、
各Xは、独立して、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルラジカル、ヒドリド、アミド、アルコキシド、スルフィド、ホスフィド、ハロゲン、ジエン、アミン、ホスフィン、エーテル、またはこれらの組合せからなる群から選択され、
各R1およびR3は、独立して、C1−C8アルキル基であり、
各R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、およびR14は、独立して、水素であるか、または1〜8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のヒドロカルビル基であるが、ただし、R10〜R14基のうちの少なくとも3つは水素ではない]
で表される遷移金属触媒組成物および活性化剤。
【0148】
27A.各Xがメチル基である、段落26Aの遷移金属触媒組成物。
28A.各R1およびR3がメチル基である、段落26Aまたは27Aのいずれかの遷移金属触媒組成物。
29A.R10〜R14がそれぞれメチル基である、段落26Aから28Aまでのいずれかの遷移金属触媒組成物。
【0149】
30A.R2、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9がすべて水素である、段落26Aから29Aまでのいずれかの遷移金属触媒組成物。
31A.R1およびR3がメチル基であり、R2が水素であり、R4〜R9がすべて水素であり、R10〜R14がすべてメチル基であり、各Xがメチル基である、段落26Aの遷移金属触媒組成物。
【0150】
32A.MがZrである、段落26Aから31Aまでのいずれかの遷移金属触媒組成物。
33A.段落1Aから25Aの方法までのいずれかにより生成されるプロピレンのポリマー。
34A.30,000g/モルを超えるMnおよび少なくとも30%のアリル鎖末端(全不飽和に対して)を有するプロピレンのポリマー。
35A.ポリマーが、0.8:1〜1.3:1.0のイソブチル鎖末端対アリル性ビニル基の比、任意選択で1400ppm未満のアルミニウムを有する、段落34Aのポリマー。
【実施例】
【0151】
メタロセン合成
乾燥させたガラス製品(90℃、4時間)および3Aシーブ上でさらに乾燥させた無水溶媒(SIGMA Aldrich(St.Louis、MO)から購入)の使用を含む、空気感受性化合物の合成のための典型的なドライボックス手順に従った。3H−ベンゾ[e]インデン(ベンゾ(4,5)インデン)をBoulder Scientific(Boulder、Colorado)から購入した。ペンタメチルシクロペンタジエンをNorquayから購入した。すべて他の試薬をSIGMA−Aldrichから購入した。
【0152】
[Li][1,3−ジメチルベンゾ[e]インデン]の合成
1.1当量のn−BuLi(7.90mLの10M/ヘキサン、0.079モル)をゆっくりと加え、3H−ベンゾ[e]インデン(12.0g、0.072モル)と反応させることによって、エーテル中に[Li][ベンゾ[e]インデン]を生成した。2時間後、真空下でのエーテルの除去により、この[Li][ベンゾ[e]インデン]を単離した。残渣をヘキサンと共に粉砕することによって、オフホワイト色の固体を得た。固体を真空濾過により、中間サイズのガラスフリット上に収集し、過剰のヘキサンで洗浄し、真空中で乾燥させることによって、オフホワイト色の固体として、純粋な[Li][ベンゾ[e]インデン]を得た(12.0g、97%)。生成物の特性決定を、1H NMRによって行った:(THF-d8, 250 MHz) δ ppm: 8.02 (d, J=10 Hz, C10H6, 1H), 7.47 (t, J=6.3 Hz, C10H6, 2H), 7.09 (t, J=6.2 Hz, C10H6, 1H), 6.91 (t, J=1 Hz, C10H6, 1H), 6.74 (d, J=10 Hz, C10H6, 1H), 6.59 (s, インデニルプロトン, 1H), 6.46 (s, インデニルプロトン, 1H), 6.46 (s, インデニルプロトン, 1H), 6.09 (s, インデニルプロトン, 1H).
【0153】
[Li][ベンゾ[e]インデン](12.0g、0.070モル)をエーテル中に溶解し、−35℃に冷却し、6.0当量のMeI(59.34g、0.418ミリモル)と反応させた。反応物を周囲温度まで温めた。12時間後、反応を水でクエンチし、エーテルで抽出した。有機物を濃縮することによって、原油を生成した。Kugelrohr装置を使用してこれを蒸留することによって、透明な油を得た。これは、3−メチル−3H−ベンゾ[e]インデンと1−メチル−1H−ベンゾ[e]インデン異性体の混じりけのない混合物であった(7.58g、58%)。生成物の特性決定を、1H NMRによって行った:(CD2Cl2, 250 MHz) δ ppm: 8.25-7.42 (m, C10H6, 10H), 7.15 (d, J=6.3 Hz, C10H6, 2H), 7.09 (t, J=6.2 Hz, C10H6, 1H), 6.91 (t, J=1 Hz, C10H6, 1H), 6.74 (d, J=10 Hz, C10H6, 1H), 6.59 (s, インデニルプロトン, 1H), 6.46 (s, インデニルプロトン, 1H), 6.46 (s, インデニルプロトン, 1H), 6.09 (s, インデニルプロトン, 1H).
【0154】
同様に、1.1当量のn−BuLi(4.45mLの10M/ヘキサン、0.045モル)をゆっくりと加え、3−メチル−3H−ベンゾ[e]インデンと1−メチル−1H−ベンゾ[e]インデン(7.58g、0.041モル)の異性体混合物と反応させることによって、[Li][メチルベンゾ[e]インデン]をエーテル中で生成した。2時間後、真空下でのエーテルの除去により、[Li][メチルベンゾ[e]インデン]を単離した。残渣をヘキサンと共に粉砕することによって、オフホワイト色の固体を得た。固体を、真空濾過により、中間サイズのガラスフリット上に収集し、過剰のヘキサンで洗浄し、真空中で乾燥させることによって、オフホワイト色の固体として純粋な[Li][メチルベンゾ[e]インデン]を得た(6.97g、85%)。
[Li][メチルベンゾ[e]インデン](6.97g、0.037モル)をエーテル中に溶解し、−35℃に冷却し、3.7当量のMeI(19.52g、0.138ミリモル)と反応させた。反応物を周囲温度まで温めた。12時間後、反応を水でクエンチし、エーテルで抽出した。有機物を濃縮することによって、黄色の油を生成した。これは、1,3−ジメチル−3H−ベンゾ[e]インデン、1,3−ジメチル−1H−ベンゾ[e]インデン、3,3−ジメチル−3H−ベンゾ[e]インデン、および1,1−ジメチル−1H−ベンゾ[e]インデン異性体の混合物であった(6.63g、91%)。
【0155】
同様に、1.1当量のn−BuLi(3.74mLの10M/ヘキサン、0.037モル)をゆっくりと加え、ジメチルベンゾインデンの上記異性体混合物(6.63g、0.034モル)と反応させることによって、[Li][1,3−ジメチルベンゾ[e]インデン]をエーテル中で生成した。2時間後、真空下でのエーテルの除去により、[Li][1,3−ジメチルベンゾ[e]インデン]を単離した。残渣をヘキサンと共に粉砕することによって、オフホワイト色の固体を得た。固体を真空濾過により中間サイズのガラスフリット上に収集し、過剰のヘキサンで洗浄し、真空中で乾燥させることによって、オフホワイト色の固体として、純粋な[Li][1,3−ジメチルベンゾ[e]インデン]を得た(5.43g、79%)。生成物の特性決定を、1H NMRによって行った:(THF-d8, 250 MHz) δ ppm: 8.19 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.48 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.33 (d, J=7.5 Hz, 2H), 7.09 (t, J=1.4 Hz, 1H), 6.91 (t, J=1.2 Hz, 1H), 6.67 (d, J=8.5 Hz, 1H), 5.98 (s, 1H), 2.65 (s, 3H), 2.34 (s, 3H).
【0156】
【化16】
【0157】
(CpMe5)(1,3−Me2ベンゾ[e]インデニル)HfMe2(2)の合成
CpMe5HfCl3(3.8g)を、[Li][1,3−Me2ベンゾ[e]インデニル](2.5g、4.3ミリモル)とEt2O(80ml)中で48時間反応させた。(Crowther, D.: Baenziger, N.; Jordan, R.; J. Journal of the American Chemical Society (1991), 113(4), pp. 1455-1457)薄黄色の生成物を、濾過でガラスフリット上に収集し、乾燥させることによって、LiClとの混合物として、粗製の(CpMe5)(1,3−Me2ベンゾ[e]インデニル)HfCl2(3.2g)を生成した。1H NMR (CD2Cl2, 250 MHz) δ ppm; 8.13, 7.80 (d, Ha, Ha', 1H), 7.59〜7.36 (多重線, Hb, Hb', Hc, Hc', 4 H) 6.10 (s, Hd, 1H), 2.62, 2.45 (s, 1,3Me2C9H5, 3 H), 2.10 (s, CpMe5).
(CpMe5)(1,3−Me2ベンゾ[e]インデニル)HfCl2(2.5g)をトルエン(100ml)中でスラリー化し、MeMgI(4.2g、2.1当量、Et2O中3.0M)と反応させた。この反応混合物を3時間80℃に加熱した。冷却後、揮発物を真空中で取り除くことによって、固体を生成した。これをヘキサン(4×40ml)で抽出した。ヘキサンを合わせた抽出物から除去することによって、固体の黄色い(CpMe5)(1,3−Me295)HfMe2(1.6g)を生成した。1H NMR (C6D6, 300 MHz) δ ppm; 7.55-7.48 (m, C6H4, 2H), 7.20-7.16 (m, C9H5, 3H), 2.00 (s, 1,3Me2C9H5, 6H), 1.76 (s, CpMe5, 15H), -0.95 (s, Hf-Me, 6H).
【0158】
重合
2Lの撹拌オートクレーブ反応器を使用してバッチ重合を行った。2(CpMe5)(1,3Me2ベンゾ[e]インデニル)HfMe2で使用した重合条件を表1に記載する。乾燥窒素でパージしたVacuum Atmospheres(商標)ドライボックス中で、ほぼ等モルの(通常1.00:1.05)の量のメタロセンおよび活性化剤を、10mLガラスバイアル内の乾燥トルエン2mLに加えることによって、触媒溶液を調製した。この混合物を数分間撹拌し、次いできれいな、オーブン乾燥した触媒管に移した。基礎的な重合手順の例は以下に続く:ヘキサン中25重量%のトリ−n−オクチルアルミニウム(TNOA)2mLの捕捉剤および500mLのプロピレンを反応器に加え、この反応器を70℃に加熱し、次いで触媒2/活性化剤A(N,N−ジメチルアニリニウムパーフルオロテトラフェニルボレート)を500mLのヘキサンで触媒管から反応器にフラッシュした。重合を30分間行い、次いで反応器を冷却し、降圧し、および開放した。生成物中の残留プロピレンおよびヘキサン濃度は、「ウェザリング」または窒素パージ下でのオーブン内の試料の加熱のいずれかを介して減少させた。最低分子量のオリゴマー生成物の一部は、プロピレンと共に失われたと推定された。時には、残留プロピレンは、30℃で記録された1H NMRにおいて生成物中に依然として検出されることもあった(120℃で記録されたスペクトルでは検出されなかった)。
【0159】
【表4】
2つの異なる温度で記録された触媒生産性に対するプロピレン濃度の影響を図1に示す。
【0160】
生成物の特性決定
2を用いて調製した生成物について、1H NMRおよびGPC−DRI(PP std)で特性決定を行った。CDCl3(30℃)またはテトラクロロエタン−d2(120℃)(TMSロック)中に溶解したポリマー溶液について1H NMRスペクトルを記録した。1H NMRデータを表2に要約している。2および活性化剤Aを用いて作製した生成物は、高いアリル性ビニル存在率を保持する(96%〜97%)。
GPC−DRIデータを表3において報告する。
【0161】
【表5】
【0162】
【表6】
溶媒としてイソヘキサンを使用して、1リットルの内部容積連続流撹拌タンク反応器内でプロピレン−エチレンポリマーの連続的重合を行った。液体で満たされた反応器は、約15〜45分間の可変滞留時間を有し、圧力は320psig(2206kPa)で維持した。イソヘキサン、エチレンおよびプロピレンの混合した供給原料を約−30℃に事前に冷やしておくことで、反応器に入る前に重合熱を取り除いた。事前に冷やす温度を調節することによって、指摘された溶液重合温度を維持した。トルエン中の触媒/活性化剤の溶液およびイソヘキサン中の捕捉剤を別々におよび持続的に反応器に入れることによって、重合を開始した。反応器温度を50℃〜60℃の間で変化させた。
【0163】
イソヘキサン、エチレン、およびプロピレンを表4に示されている速度で反応器に供給した。触媒2を以下の表4に示された、N,N’−ジメチルアニリニウム−テトラキス(ヘプタフルオロ−1−ナフチル)ボレートとのモル比1:102で用いて、インビトロで活性化し、表4で示された速度で重合反応器に導入した。トリn−オクチルアルミニウムの希釈液を捕捉剤として反応器に導入した。約5.16×10-3ミリモル/分の速度で、捕捉剤をこの重合用ユニットに持続的に供給した。安定した重合で5回の滞留後、この重合において生成された代表的なポリマー試料を収集した。ポリマーの溶液を上部から回収し、次いで水蒸気蒸留させてポリマーを単離した。重合生成物を特定の時間収集し、表7に示されているように変換を計算した。この重合において生成されたポリマーを、FT−IR(表6において報告)およびGPC(表6において報告)によりエチレン含有量について解析した。不飽和鎖末端を1H NMR(6+120℃)で求め、表7において報告した。
【0164】
【表7】
【0165】
【表8】
【0166】
【表9】
【0167】
【表10】
【0168】
(例A)
活性化剤I〜IIIの比較
温度制御のための外部ヒーター、ガラス挿入部(反応器の内部容積=22.5mL)、セプタム注入口、調節された窒素、プロピレンの供給を備え、使い捨てPEEK(ポリエーテルEtherKetone)機械撹拌装置(800RPM)を備えた、48Cell Parallel Pressure Reactors(PPR)を使用して、不活性雰囲気(N2)ドライボックス内で重合を行った。150℃で5時間、次いで25℃で5時間、乾燥窒素でパージすることによって、PPRを重合用に準備した。反応器を25℃に加熱し、次いでプロピレンを反応器に充填した。次に、処理温度および圧力で捕捉剤/助触媒の溶液を、シリンジを介して反応器に加えた。反応器を処理温度(85℃)に加熱し、800RPMで撹拌した。触媒を活性化剤と混合し、トルエン中周囲温度および周囲圧力で撹拌し、重合を開始する溶液として、シリンジを介して反応器に加えた(プロセス温度および圧力で)。シリンジを介して溶液を加えたので、これらの添加に続いてヘキサン溶液も同じシリンジを介して注入することによって、シリンジ内に残っている溶液が確実に最小になるようにした。捕捉剤/助触媒溶液ならびに触媒溶液の添加後この手順を適用した。レギュレーターを用いてプロピレンを所望の圧力まで反応器内に入るようにし、重合中に滴下させた。実験中に圧力制御は利用しなかった。反応器温度をモニターし、通常+/−1℃の温度範囲内に維持した。約50psi(345kPa)デルタのIndustrial Grade Airを約60秒添加することによって重合をクエンチした。重合は所望の重合時間後にクエンチした。反応器を冷却し、ベントした。残りの反応成分を真空中で除去した後、ポリマーを単離した。報告された収量は、ポリマーおよび残留触媒の総重量を含む。収量を以下の表Aに列挙する。表Aに示されている通り実験時間を変化させ;活性化剤対メタロセンの比は1:1であり、反応温度は85℃であり、触媒濃度は5×10-5モル/Lであり、TNOAL濃度は1.2×10-4モル/Lであった。全溶液体積は5mLであった。
【0169】
【表11】
【0170】
(表続き)
【0171】
いくつかのセル生成物の分析データを以下の表5Bに示す。
【表12】
【0172】
例Aに使用したメタロセン
以下のメタロセンを例Aで使用した。
【化17】

【0173】
使用した活性化剤
以下の活性化剤を例Aで使用した。
【表13】
【0174】
本明細書中に記載されているすべての文献は、このような実施が許容されているすべての権限において、任意の優先権文献、関連出願、および/または試験手順を含めて、本テキストと矛盾しない程度まで、参照により本明細書に組み込まれている。ただし、最初に出願された出願または出願文献に指名されていない優先権文献はいずれも、参照により本明細書に組み込まれることはない。前述の一般的明細書および特定の実施形態から明らかなように、本発明の形は例示および記載されているが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができる。したがって、本発明がこれにより限定されることを意図しない。同様に、「含んでいる(comprising)」という用語は、オーストラリアの法律において、「含む(including)」という用語と同じ意味であると考えられる。同様に、組成物、元素または元素の群に先行して「含む(comprising)」という移行句が付いている場合はいつでも、組成物、元素、または複数の元素の列挙に先行する移行句「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」「〜からなる(consisting of)」「〜からなる群から選択される(selected from the group of consisting of)」または「〜である(is)」を有する同じ組成物または元素の群もまた想定されること、さらに逆もまた同様であることを理解されたい。
図1
図2