特許第5848455号(P5848455)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルカテル−ルーセントの特許一覧

特許5848455CoMP通信システムにおいて仮想セルIDに基づいて直交リソースを決定する方法
<>
  • 特許5848455-CoMP通信システムにおいて仮想セルIDに基づいて直交リソースを決定する方法 図000002
  • 特許5848455-CoMP通信システムにおいて仮想セルIDに基づいて直交リソースを決定する方法 図000003
  • 特許5848455-CoMP通信システムにおいて仮想セルIDに基づいて直交リソースを決定する方法 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5848455
(24)【登録日】2015年12月4日
(45)【発行日】2016年1月27日
(54)【発明の名称】CoMP通信システムにおいて仮想セルIDに基づいて直交リソースを決定する方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/16 20090101AFI20160107BHJP
   H04W 16/24 20090101ALI20160107BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20160107BHJP
   H04W 8/26 20090101ALI20160107BHJP
【FI】
   H04W28/16
   H04W16/24
   H04W72/12
   H04W8/26
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-532497(P2014-532497)
(86)(22)【出願日】2012年9月21日
(65)【公表番号】特表2014-531849(P2014-531849A)
(43)【公表日】2014年11月27日
(86)【国際出願番号】IB2012002170
(87)【国際公開番号】WO2013046024
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2014年5月26日
(31)【優先権主張番号】201110296400.8
(32)【優先日】2011年9月30日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ,シュドン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ユボ
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/041598(WO,A2)
【文献】 特表2013−507064(JP,A)
【文献】 Panasonic,Uplink enhancement for Rel.11,3GPP R1-112367,3GPP,2011年 8月22日
【文献】 Panasonic,Discussion on PUCCH coordination for UL CoMP,3GPP R1-091165,3GPP,2009年 3月23日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムの受信ポイントにおいて、ユーザ機器に仮想セルIDを提供する方法であって、
ネットワーク制御デバイスから前記受信ポイントに対応する、前記受信ポイントが属するクラスタを示すために使用されている仮想セルIDを受信するステップと、
前記受信ポイントによってサービスされる少なくとも1つのユーザ機器に対して前記仮想セルIDを提供するステップと、
前記少なくとも1つのユーザ機器のうちの各ユーザ機器に対応するリソース・インデックス情報をそれぞれ前記各ユーザ機器に対して送信するステップと
を含み、
前記仮想セルIDを提供する前記ステップは、前記少なくとも1つのユーザ機器のうちの各ユーザ機器に対応する基準信号ポート情報をそれぞれ前記各ユーザ機器に対して送信するステップを含み、前記ユーザ機器は、前記基準信号ポート情報に従ってポートから仮想セルIDへのマッピング・テーブルから現在のユーザ機器に対応する仮想セルIDを決定する、方法。
【請求項2】
前記仮想セルIDを提供する前記ステップは、RRCシグナリングを経由して前記受信ポイントによってサービスされる前記少なくとも1つのユーザ機器に対してそれぞれ前記仮想セルIDを送信するステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
受信ポイントによってサービスされる、通信システムのユーザ機器において、直交リソースを決定する方法であって、
前記受信ポイントの仮想セルIDを取得するステップと、
前記受信ポイントから現在のユーザ機器に対応するリソース・インデックス情報を受信するステップと、
前記仮想セルIDと、前記リソース・インデックス情報とに従って、前記現在のユーザ機器に対応する直交リソースを決定するステップと、
前記決定された直交リソースの上でアップリンク制御情報を前記受信ポイントに対して送信するステップと
を含み、
前記仮想セルIDを取得する前記ステップは、
前記受信ポイントから前記現在のユーザ機器に対応する基準信号ポート情報を受信するステップと、
前記基準信号ポート情報に従って、ポートから仮想セルIDへのマッピング・テーブルから前記現在のユーザ機器に対応する前記仮想セルIDを決定するステップと
を含む、方法。
【請求項4】
前記仮想セルIDを取得する前記ステップは、RRCシグナリングを経由して送信される前記仮想セルIDを前記受信ポイントから受信するステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
通信システムの受信ポイントにおいて、ユーザ機器に仮想セルIDを提供するための装置であって、
ネットワーク制御デバイスから前記受信ポイントに対応する、前記受信ポイントが属するクラスタを示すために使用されている仮想セルIDを受信するように構成された第1の受信デバイスと、
前記受信ポイントによってサービスされる少なくとも1つのユーザ機器に対して前記仮想セルIDを提供するように構成された提供デバイスと、
前記少なくとも1つのユーザ機器のうちの各ユーザ機器に対応するリソース・インデックス情報をそれぞれ前記各ユーザ機器に対して送信するように構成された第2の送信デバイスと
を備え
前記提供デバイスは、さらに、前記少なくとも1つのユーザ機器のうちの各ユーザ機器に対応する基準信号ポート情報をそれぞれ前記各ユーザ機器に対して送信するように構成されており、前記ユーザ機器は、前記基準信号ポート情報に従ってポートから仮想セルIDへのマッピング・テーブルから現在のユーザ機器に対応する仮想セルIDを決定する、装置。
【請求項6】
前記提供デバイスは、さらに、RRCシグナリングを経由して前記受信ポイントによってサービスされる前記少なくとも1つのユーザ機器に対してそれぞれ前記仮想セルIDを送信するように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項7】
受信ポイントによってサービスされる、通信システムのユーザ機器において、直交リソースを決定するための装置であって、
前記受信ポイントの仮想セルIDを取得するように構成された取得デバイスと、
前記受信ポイントから現在のユーザ機器に対応するリソース・インデックス情報を受信するように構成された第2の受信デバイスと、
前記仮想セルIDと、前記リソース・インデックス情報とに従って、前記現在のユーザ機器に対応する直交リソースを決定するように構成された決定デバイスと、
前記決定された直交リソースの上でアップリンク制御情報を前記受信ポイントに対して送信するように構成された第3の送信デバイスと
を備え
前記取得デバイスは、さらに、
前記受信ポイントから前記現在のユーザ機器に対応する基準信号ポート情報を受信し、また
前記基準信号ポート情報に従って、ポートから仮想セルIDへのマッピング・テーブルから前記現在のユーザ機器に対応する前記仮想セルIDを決定するように構成されている、装置。
【請求項8】
前記取得デバイスは、さらに、RRCシグナリングを経由して送信される前記仮想セルIDを前記受信ポイントから受信するように構成されている、請求項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤレス通信の分野に関し、また詳細には協調マルチ・ポイント送信/受信(CoMP:Coordinated Multi−Point transmission/reception)に基づいた通信システムにおいて、仮想セルIDに基づいて直交リソースを決定する方法、および決定するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE R11システムに対するダウンリンク(DL:downlink)マルチ・ポイント協調技術の導入に起因して、ダウンリンクにおいてフィードバックされる必要がある増大された量の情報が存在しており、すなわち、アップリンク制御チャネルの容量が不十分となっている。
【0003】
先ず第1に、既存のネットワークに比べて、複数のポイントのチャネル情報は、マルチ・ポイント協調技術のためにフィードバックされる必要があるが、既存のシステムにおいては、ただ1つのポイントのチャネル情報が、フィードバックされる必要があり、このようにしてフィードバック容量についての増大された要求を結果としてもたらしている。CoMPと異機種ネットワーク(HTN:Heterogeneous Network)との導入は、より多数のユーザ機器が、同じ無線カバレッジ・エリアにおいてサポートされることを可能にしており、その結果、ハイブリッド自動反復要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat request)についてのその結果として増大された量のフィードバックが、存在するようになる。さらに、制御チャネルの変調スキームおよび符号化スキームが、固定されているので、マルチ・ポイント協調技術は、データ・チャネルの容量を増大させることができるが、制御チャネルの容量を増大させることはできない。したがって、チャネル品質の改善は、チャネル容量を改善することができない。
【0004】
HTNネットワークにおいては、チャネル干渉の問題は、マルチ・ポイント協調に起因してデータ・チャネルについては対処されるが、制御チャネルの性能は、このモードが制御チャネルのために依然として採用される場合には、伝統的なシングル・ポイント受信モードについての深刻な同一チャネル干渉に起因して、非常に悪化してしまう可能性がある。
【0005】
CoMPシナリオ4(ここでは、複数のワイヤレス受信ポイントが、セルIDを共用する)においては、リモート受信ポイントは、エリア分割の利得と、アップリンク制御チャネルの増大された容量とのために、アップリンク制御チャネル(PUCCH:uplink control channel)の直交リソースの一部分を再使用することができる。
【0006】
LTE R11システムに対するDLマルチ・ポイント協調技術の導入に起因した、アップリンク制御チャネルの不十分な容量についての問題に対処するために、2つの既存の関連のある技術的問題解決手法と、それらの欠点とは、以下のようである。
【0007】
第1の問題解決手法においては、直交リソースが、各マクロ・セルまたは隣接セルにおけるユーザ機器のために割り付けられる。この問題解決手法は、シナリオ4において使用するために適していて、それによってそれぞれのユーザ機器についての直交リソースを保証している。しかしながら、直交リソースは、それらがマクロ・セルにおけるすべてのユーザ機器のために割り付けられる必要があるので、不十分になる可能性がある。この問題解決手法は、異なるセルIDが、シーケンスをランダムにするためにそれぞれのセルにおいて採用されるので、シナリオ3において使用するためには適しておらず、このようにして、直交リソースが、異なるセルにおいてユーザ機器のために割り付けられることを保証することができなくなる。
【0008】
第2の問題解決手法においては、ユーザ機器は、制御チャネルの情報が、送信のためにデータ・チャネルの上へと組み込まれることになるように、制御チャネルと、データ・チャネルとの上で同時送信を実行しないように構成されており、このようにして制御チャネルの必要とされる容量の一部分を解放している。しかしながら、多数のユーザ機器を有するシナリオにおいては、全体のデータ・チャネルは、ユーザ機器の一部分によって占有される。データ・チャネルが割り付けられないこれらのユーザ機器は、制御チャネルの上で送信する必要があり、その結果、他のユーザ機器の制御情報は、依然として限られた制御チャネルについて競合する必要があり、このようにして制御チャネルの容量を制約している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、CoMP通信システム、例えば、CoMPシナリオ3およびCoMPシナリオ4に適しており、また直交リソースの数と干渉強度との間でトレードオフを達成することができる技術的問題解決手法を提供することが、望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の関心事を考慮して、本発明の一実施形態においては、CoMP通信システムのネットワーク制御デバイスにおいて、複数の受信ポイントをグループ分けする方法が、提供されている。本方法は、複数の受信ポイントをいくつかのクラスタへとグループ分けするステップであって、各クラスタの中の受信ポイントは、仮想セルIDを共用する、グループ分けするステップと、複数の受信ポイントのうちの各受信ポイントに対応する仮想セルIDをそれぞれ各受信ポイントに対して送信するステップとを含む。
【0011】
本発明の別の実施形態においては、通信システムの受信ポイントにおいて、ユーザ機器に仮想セルIDを提供する方法が、提供されている。本方法は、ネットワーク制御デバイスから受信ポイントに対応する、受信ポイントが属するクラスタを示すために使用されている仮想セルIDを受信するステップと、受信ポイントによってサービスされる少なくとも1つのユーザ機器に対して仮想セルIDを提供するステップと、少なくとも1つのユーザ機器のうちの各ユーザ機器に対応するリソース・インデックス情報をそれぞれ各ユーザ機器に対して送信するステップとを含む。
【0012】
本発明のさらなる一実施形態においては、通信システムのユーザ機器において、直交リソースを決定する方法が、提供されており、ユーザ機器は、受信ポイントによってサービスされている。本方法は、受信ポイントの仮想セルIDを取得するステップと、受信ポイントから現在のユーザ機器に対応するリソース・インデックス情報を受信するステップと、仮想セルIDと、リソース・インデックス情報とに従って、現在のユーザ機器に対応する直交リソースを決定するステップと、決定された直交リソースの上でアップリンク制御情報を受信ポイントに対して送信するステップとを含む。
【0013】
各クラスタの中の受信ポイントが、仮想セルIDを共用する複数の受信ポイントが、例えば、ロケーション情報、および/または複数の受信ポイントの無線カバレッジ・エリアに従って、いくつかのクラスタへとグループ分けされた後に、複数の受信ポイントのうちの各受信ポイントに対応する仮想セルIDが、各受信ポイントに対してそれぞれ送信される。次いで、これらの受信ポイントのおのおのは、以下の方法ステップにおいて、すなわち、受信ポイントが、最初に、ネットワーク制御デバイスから、受信ポイントに対応する仮想セルIDを受信するステップと、さらに受信ポイントによってサービスされる少なくとも1つのユーザ機器に対して仮想セルIDを提供するステップと、次いで少なくとも1つのユーザ機器のうちの各ユーザ機器に対応するリソース・インデックス情報をそれぞれ各ユーザ機器に対して送信するステップとにおいて、そのサービスされたユーザ機器に対応する仮想セルIDを提供する。サービスされたユーザ機器は、対応する仮想セルIDと、その対応するリソース・インデックス情報とを取得し、次いで仮想セルIDと、リソース・インデックス情報とに従って現在のユーザ機器に対応する直交リソースを決定し、また決定された直交リソースの上でアップリンク制御情報を受信ポイントに対して送信する。このポイントにおいて、ワイヤレス通信の技術分野におけるCoMP通信における仮想セルIDに基づいて直交リソースを決定する全体のプロセスは、終了されている。
【0014】
直交リソースの数と、干渉強度との間のトレードオフは、本発明の実施形態による方法において達成される可能性がある。
【0015】
本発明の一実施形態においては、協調されたマルチ・ポイント送信に基づいた通信システムのネットワーク制御デバイスにおいて、複数の受信ポイントをグループ分けするための装置が、提供されている。本装置は、複数の受信ポイントをいくつかのクラスタへとグループ分けするように構成されたグルーピング・デバイスであって、各クラスタの中の受信ポイントが、仮想セルIDを共用する、グルーピング・デバイスと、複数の受信ポイントのうちの各受信ポイントに対応する仮想セルIDをそれぞれ各受信ポイントに対して送信するように構成された第1の送信デバイスとを備える。
【0016】
本発明の別の実施形態においては、通信システムの受信ポイントにおいて、ユーザ機器に仮想セルIDを提供するための装置が提供されている。本装置は、ネットワーク制御デバイスから受信ポイントに対応する、受信ポイントが属するクラスタを示すために使用されている仮想セルIDを受信するように構成された第1の受信デバイスと、受信ポイントによってサービスされる少なくとも1つのユーザ機器に対して仮想セルIDを提供するように構成された提供デバイスと、少なくとも1つのユーザ機器のうちの各ユーザ機器に対応するリソース・インデックス情報をそれぞれ各ユーザ機器に対して送信するように構成された第2の送信デバイスとを備える。
【0017】
本発明のさらなる一実施形態においては、通信システムのユーザ機器において、直交リソースを決定するための装置が提供されており、ユーザ機器は、受信ポイントによってサービスされている。本装置は、受信ポイントの仮想セルIDを取得するように構成された取得デバイスと、受信ポイントから現在のユーザ機器に対応するリソース・インデックス情報を受信するように構成された第2の受信デバイスと、仮想セルIDとリソース・インデックス情報とに従って現在のユーザ機器に対応する直交リソースを決定するように構成された決定デバイスと、決定された直交リソースの上でアップリンク制御情報を受信ポイントに対して送信するように構成された第3の送信デバイスとを備える。
【0018】
本発明の上記特徴と他の特徴とは、図面を参照して示される実施形態についての上記詳細な説明からもっと明らかになるであろう。これらの図面においては、同一の参照番号は、同一のコンポーネントまたは同様なコンポーネントを示している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態による、協調されたマルチ・ポイント送信に基づいた通信システムのネットワーク制御デバイスにおいて複数の受信ポイントをグループ分けする概略図である。
図2】協調されたマルチ・ポイント送信に基づいた通信システムの受信ポイントにおいて、本発明の一実施形態による、ユーザ機器に仮想セルIDを提供する方法のフロー・チャートである。
図3】協調されたマルチ・ポイント送信に基づいた通信システムのユーザ機器において、本発明の一実施形態による、直交リソースを決定する方法のフロー・チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施形態による、協調されたマルチ・ポイント送信に基づいた通信システムのネットワーク制御デバイスにおいて複数の受信ポイントをグループ分けする概略図を示すものである。
【0021】
図においては、6つの受信ポイントが、すなわち、受信ポイント1と、受信ポイント2と、受信ポイント3と、受信ポイント4と、受信ポイント5と、受信ポイント6とが、示されており、そこでは、受信ポイント1と、受信ポイント2と、受信ポイントとは、地理的ロケーションにおいて、互いに隣接しており、また受信ポイント4と、受信ポイント5と、受信ポイント6とは、地理的ロケーションにおいて、互いに隣接している。図1において示される6つの受信ポイントは、単に例示的であるにすぎず、また当業者なら、受信ポイントの数が、実用的なアプリケーションにおいて任意の数とすることもできることを理解することができることに注意すべきである。
【0022】
本発明においては、ネットワーク制御デバイスは、例えば、それらのロケーション情報および/または無線カバレッジ・エリアに従って、最初に6つの受信ポイントをグループ分けし、すなわち、地理的ロケーションおよび/または無線カバレッジ・エリアに従って、6つの受信ポイントをいくつかのクラスタへとグループ分けする。例えば、図1に示されるように、ネットワーク制御デバイスは、6つの受信ポイントの間の相互の距離、および/または6つの受信ポイントの無線カバレッジ・エリアに従って、受信ポイント1と、受信ポイント2と、受信ポイント3とをクラスタC1へとグループ分けし、また受信ポイント4と、受信ポイント5と、受信ポイント6とをクラスタC2へとグループ分けすることができ、そこでは各クラスタの中の受信ポイントが、仮想セルIDを共用する。
【0023】
ネットワーク制御デバイスは、6つの受信ポイントをいくつかのクラスタへとグループ分けした後に、6つの受信ポイントのうちの各受信ポイントに対応する仮想セルIDをそれぞれ各受信ポイントに対して送信する。
【0024】
以下の説明は、ネットワーク制御デバイスから仮想セルIDを取得し、またそれをユーザ機器に対して提供するクラスタの中のある受信ポイントの観点と、仮想セルIDに基づいて直交リソースを決定するユーザ機器の観点とからそれぞれ与えられるであろう。
【0025】
図2は、協調されたマルチ・ポイント送信に基づいた通信システムの受信ポイントにおいて、本発明の一実施形態による、ユーザ機器に仮想セルIDを提供する方法のフロー・チャートを示すものである。フローは、ステップS201と、S202と、S203とを含んでおり、そこでは受信ポイントは、あるセルなどとすることができる。
【0026】
第1に、受信ポイントは、ステップS201において、ネットワーク制御デバイスから受信ポイントに対応する仮想セルIDを受信する。
【0027】
第2に、受信ポイントは、ステップS202において、受信ポイントによってサービスされる少なくとも1つのユーザ機器に対して仮想セルIDを提供する。
【0028】
具体的には、受信ポイントは、非常に多数のやり方で受信ポイントによってサービスされる少なくとも1つのユーザ機器に対して仮想セルIDを提供することができる。
【0029】
例えば、RRCシグナリングが、本発明において新しく規定される可能性がある。次いで、受信ポイントは、RRCシグナリングを経由して受信ポイントによってサービスされる少なくとも1つのユーザ機器に対して仮想セルIDを提供することができる。
【0030】
別の例においては、基準信号ポートから仮想セルIDへのマッピング・テーブル(reference signal port−to−virtual cell ID mapping table)が、ユーザ機器側に記憶される可能性がある。基準信号ポートから仮想セルIDへのマッピング・テーブルは、1対1または複数対1とすることができる。受信ポイントが、ユーザ機器に対応する基準信号ポート情報をユーザ機器に対して送信した後に、ユーザ機器は、受信された基準信号ポート情報に従って対応する仮想セルIDを求めて、記憶されたポートから仮想セルIDへのマッピング・テーブルを検索することができる。ユーザ機器が、複数の基準信号ポートを割り付けられるときに、ユーザ機器は、仮想セルIDを示す基準値として基準信号ポートの受信されたシーケンスの中の第1の基準信号ポートを取得し、また基準値に基づいて対応する仮想セルIDを求めて、記憶されたポートから仮想セルIDへのマッピング・テーブルを検索することができる。ユーザ機器が、複数の基準信号ポートを割り付けられるときに、ユーザ機器は、前もって合意されるように、仮想セルIDを示す基準値として基準信号ポートの受信されたシーケンスの中の任意の他の基準信号ポートを代わりに取得することができることに注意すべきである。例えば、仮想セルIDを示す基準値として基準信号ポートの受信されたシーケンスの中の第2の基準信号ポートを取得することが、前もって合意される可能性がある。
【0031】
余分なシグナリング・オーバーヘッドは、このようにして仮想セルID情報を提供することにより節約される可能性がある。
【0032】
最後に、ステップS203において、受信ポイントは、少なくとも1つのユーザ機器のうちの各ユーザ機器に対応するリソース・インデックス情報をそれぞれ各ユーザ機器に対して送信する。
【0033】
図3は、協調されたマルチ・ポイント送信に基づいた通信システムのユーザ機器において、本発明の一実施形態による、直交リソースを決定する方法のフロー・チャートを示すものであり、ここでユーザ機器は、受信ポイントによってサービスされる。フローは、ステップS301と、S302と、S303と、S304とを含む。
【0034】
最初に、ステップS301において、ユーザ機器は、受信ポイントの仮想セルIDを取得する。
【0035】
この場合にもやはり、ユーザ機器は、非常に多数のやり方で、受信ポイントの仮想セルIDを取得することができる。
【0036】
例えば、ユーザ機器は、図2において説明されるように、RRCシグナリングを経由して送信される仮想セルIDを受信ポイントから受信する。
【0037】
別の例においては、基準信号ポートから仮想セルIDへのマッピング・テーブルが、ユーザ機器側に記憶される可能性がある。基準信号ポートから仮想セルIDへのマッピング・テーブルは、1対1または複数対1とすることができる。受信ポイントが、ユーザ機器に対応する基準信号ポート情報をユーザ機器に対して送信した後に、ユーザ機器は、受信された基準信号ポート情報に従って対応する仮想セルIDを求めて、記憶されたポートから仮想セルIDへのマッピング・テーブルを検索することができる。ユーザ機器が、複数の基準信号ポートを割り付けられるときに、ユーザ機器は、仮想セルIDを示す基準値として基準信号ポートの受信されたシーケンスの中の第1の基準信号ポートを取得し、また基準値に基づいて対応する仮想セルIDを求めて、記憶されたポートから仮想セルIDへのマッピング・テーブルを検索することができる。
【0038】
次いで、ステップS302において、ユーザ機器は、受信ポイントから現在のユーザ機器に対応するリソース・インデックス情報を受信する。
【0039】
次に、ステップS303において、ユーザ機器は、取得された仮想セルIDと、受信されたリソース・インデックス情報とに従って、現在のユーザ機器に対応する直交リソースを決定する。
【0040】
最後に、ステップS304において、ユーザ機器は、決定された直交リソースの上でアップリンク制御情報(UCI:Uplink Control Information)を受信ポイントに対して送信する。
【0041】
本発明の技術的問題解決手法は、方法の観点から上記で説明されてきており、また装置の観点から以下でさらに説明されるであろう。
【0042】
本発明の一実施形態においては、協調されたマルチ・ポイント送信に基づいた通信システムのネットワーク制御デバイスにおいて、複数の受信ポイントをグループ分けするための装置が、提供されている。本装置は、
複数の受信ポイントをいくつかのクラスタへとグループ分けするように構成されたグルーピング・デバイスであって、各クラスタの中の受信ポイントが、仮想セルIDを共用する、グルーピング・デバイスと、
複数の受信ポイントのうちの各受信ポイントに対応する仮想セルIDをそれぞれ各受信ポイントに対して送信するように構成された第1の送信デバイスと
を備える。
【0043】
本発明の別の実施形態においては、通信システムの受信ポイントにおいて、ユーザ機器に仮想セルIDを提供するための装置が提供されている。本装置は、
ネットワーク制御デバイスから受信ポイントに対応する、受信ポイントが属するクラスタを示すために使用されている仮想セルIDを受信するように構成された第1の受信デバイスと、
受信ポイントによってサービスされる少なくとも1つのユーザ機器に対して仮想セルIDを提供するように構成された提供デバイスと、
少なくとも1つのユーザ機器のうちの各ユーザ機器に対応するリソース・インデックス情報をそれぞれ各ユーザ機器に対して送信するように構成された第2の送信デバイスと
を備える。
【0044】
本発明のさらなる一実施形態においては、通信システムのユーザ機器において、直交リソースを決定するための装置が提供されており、ユーザ機器は、受信ポイントによってサービスされている。本装置は、
受信ポイントの仮想セルIDを取得するように構成された取得デバイスと、
受信ポイントから現在のユーザ機器に対応するリソース・インデックス情報を受信するように構成された第2の受信デバイスと、
仮想セルIDとリソース・インデックス情報とに従って現在のユーザ機器に対応する直交リソースを決定するように構成された決定デバイスと、
決定された直交リソースの上でアップリンク制御情報を受信ポイントに対して送信するように構成された第3の送信デバイスと
を備える。
【0045】
さらに、本発明の実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアとの組合せの形で実施される可能性がある。ハードウェアの一部分は、専用のロジックの形で実施されることもあり、またソフトウェアの一部分は、メモリに記憶され、また適切な命令実行システムにより、例えば、マイクロプロセッサまたは特別に設計されたハードウェアにより、実行される可能性がある。当業者なら、上記の方法およびシステムが、コンピュータ実行可能な命令の形で実施され、かつ/またはプロセッサ制御コードの中に含められる可能性があり、例えば、そのようなコードは、キャリア媒体、例えば、磁気ディスク、CDまたはDVD−ROM、プログラマブル・メモリ、例えば、リード・オンリー・メモリ(ファームウェア)、あるいはデータ・キャリア、例えば、光学的信号キャリアまたは電子的信号キャリアの形で搬送されることを理解することができる。実施形態についてのシステムおよびそのコンポーネントは、例えば、超大規模集積回路もしくはゲート・アレイ、半導体、例えば、論理チップ、トランジスタなど、またはプログラマブル・ハードウェア・デバイス、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラマブル論理デバイスなどの形で、様々のプロセッサによって実行されるソフトウェアの形で、あるいは上記のハードウェア回路とソフトウェアとの組合せの形で、例えば、ファームウェアの形で、実施される可能性がある。
【0046】
本発明は、今まで考えられる実施形態に関連して説明されてきているが、本発明は、開示された実施形態だけには限定されないようになることを、理解すべきである。それとは逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲についての趣旨および範囲に含まれる様々な修正形態と同等な構成とを包含することを意図している。添付の特許請求の範囲には、すべてのこれらの修正形態、ならびに同等な構造および機能を包含するようにするために、最も広い解釈を与えられるべきである。
図1
図2
図3