(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
図柄の変動開始から確定停止までを1回とする図柄変動ゲームを表示する表示手段を備え、1回の図柄変動ゲームにおいて複数回の変動サイクルを実行し、予め定めた大当り表示結果が表示される可能性を報知する大当り期待度が前記変動サイクルの実行回数に応じて高くなる連続予告演出を実行可能な遊技機において、
次回の変動サイクルが実行され、前記連続予告演出が継続することを報知する継続演出を実行する継続演出実行手段と、
前記継続演出実行手段を制御する継続演出制御手段と、
予め定めた規定条件が成立している場合に、今回の図柄変動ゲームにおいて実行が許容されている変動サイクルの回数である許容回数のうちから、前記継続演出を伴う通常変動内容による変動サイクルの回数である第1回数と、前記継続演出を伴わない特殊変動内容による変動サイクルの回数である第2回数と、を決定する回数決定手段と、
前記許容回数の変動サイクルを前記表示手段に実行させることにより、前記連続予告演出を実行させる演出制御手段と、
所定の報知を実行する報知手段と、を備え、
前記継続演出制御手段は、前記第1回数として1回以上の回数が決定されている場合であって、前記第2回数として1回以上の回数が決定されているときには、前記回数決定手段が決定している第1回数分の変動サイクルが実行されるに際して、変動サイクル毎に前記継続演出を実行させるとともに、前記第1回数分の変動サイクルが終了した後に、前記回数決定手段が決定している第2回数分の変動サイクルが実行されるに際して、変動サイクル毎に前記継続演出を実行させないことにより、前記通常変動内容による第1回数の変動サイクルが終了した後に、前記特殊変動内容による第2回数の変動サイクルが実行されるようになっており、
前記報知手段は、前記回数決定手段が決定している第2回数の報知を、前記特殊変動内容による変動サイクルが開始されるよりも前に開始させることを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した第1実施形態を
図1〜
図6に従って説明する。
【0013】
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するため、「1」〜「7」の数字を飾り図柄(演出図柄、飾図)として用いて行われる。また、演出表示装置11の左下方には、特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄(特図)を変動させて表示する図柄変動ゲーム(特図変動ゲーム)が行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。また、以下の説明では、特図変動ゲームと飾図による図柄変動ゲームを纏めて、単に「図柄変動ゲーム」と示す場合がある。
【0014】
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも、大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄は、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせ([222],[777]など)とされている。
【0015】
また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ([135],[246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせ([151],[767]など)とされている。
【0016】
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するとともに、変動停止によって図柄列毎に飾図が一旦停止表示される。そして、本実施形態では、特定の複数列(左右の2列)の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせが、リーチの図柄組み合わせとなる。図柄の変動が停止するとは、演出表示装置11において図柄が停止表示されている状態を示す。そして、停止表示には、図柄がゆれ変動状態で表示されている一旦停止表示と、図柄が確定停止している確定停止表示とがある。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。
【0017】
また、特別図柄表示装置12の右方には、複数個(本実施形態では2個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した特図用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動入賞口14に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口14へ遊技球が入球すると、保留記憶数はさらに加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。
【0018】
また、画像表示部GHの下方領域には、保留記憶数を画像表示するための保留画像表示領域Hが形成されている。保留画像表示領域Hは、保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域Ha,Hb,Hc,Hdを含んで構成されている。例えば、保留記憶数が「2」の場合には、個別表示領域Ha,Hbが保留無表示の態様(図中では白丸)から、保留有の態様(図中では色付きの丸)とし、保留画像Yが画像表示される。保留画像表示領域Hは、遊技者が常に注目する画像表示部GHに形成されている。このため、遊技者は、保留画像表示領域Hにおいて保留有の態様で画像表示された個別表示領域Ha〜Hdの個数から保留記憶数を認識する。
【0019】
また、画像表示部GHの下方領域であって、個別表示領域Haの右方には、液晶入賞口GHaが画像表示されている。そして、特別図柄保留表示装置13の表示内容と、保留画像表示領域H(個別表示領域Ha〜Hd)の表示内容は、通常、同じ保留記憶数に基づいて制御されている。これにより、保留記憶数が1減算され、特別図柄保留表示装置13の保留記憶数が1減算されると、個別表示領域Haに表示されていた球を模した保留画像Yを液晶入賞口GHa内に移動させるような態様で表示され、保留画像表示領域Hにおける保留記憶数が1減算する。
【0020】
また、演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口14aを有する始動入賞口14が配設されている。そして、始動入賞口14の奥方には入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(
図2に示す)が配設されている。始動入賞口14は、入球した遊技球を始動口スイッチSW1で検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0021】
また、遊技盤10の右下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉15aを備えた大入賞口(特別電動役物)15が配設されている。大入賞口15の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(
図2に示す)が配設されている。大入賞口15は、入球した遊技球をカウントスイッチSW2で入球検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口15は、大当り遊技中に大入賞口扉15aの開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
【0022】
大当り遊技は、特図変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示され、その特図変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口15が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口15の開閉動作が所定回数(本実施形態では1回)行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口15は、入球上限個数の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、最終回のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて大当り遊技が終了する。
【0023】
そして、本実施形態では、図柄の変動開始が定められた変動サイクルが設定されている。より詳しくは、全列の変動開始〜変動停止までを1回の変動サイクルとしている。そして、本実施形態のパチンコ遊技機では、複数種類の図柄の変動開始から確定停止までを1回とする1回の図柄変動ゲームにおいて、変動サイクルを複数回、連続して実行する連続予告演出を実行可能に構成されている。なお、連続予告演出は、演出表示装置11と特別図柄表示装置12で行われる1回の図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置11のみで演出として表現される。1回の図柄変動ゲームは、図柄(特図と飾図)の変動開始によって開始し、図柄の変動が停止した後に図柄が確定停止表示されることによって終了する。この1回の図柄変動ゲームは、1球の始動保留球に対応して実行されるものである。すなわち、連続予告演出を伴う1回の図柄変動ゲームは、内部制御において1回の図柄変動ゲームを、恰も複数回の図柄変動ゲームが連続して行われているかのように擬似的に演出表現してなされるものである。
【0024】
そして、連続予告演出を伴う1回の図柄変動ゲームは、当該ゲームを構成する変動サイクルの実行回数によって大当り表示結果(大当り図柄)が表示されるか否かの可能性が変化するように構成されている。すなわち、大当り抽選に当選した場合には大当り抽選に当選していない場合に比して変動サイクルの実行回数が多い連続予告演出を伴って図柄変動ゲームが行われ易くなっている。以下、連続予告演出を「擬似連」と示す。
【0025】
次に、パチンコ遊技機の制御構成について説明する。
図2に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が配設されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が配設されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置11の動作を制御する。
【0026】
ここで、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成について以下に説明する。
まず、主制御基板30について説明する。
図2に示すように、主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1,SW2が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12及び特別図柄保留表示装置13が接続されている。
【0027】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、特図振分用乱数、及びリーチ判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り図柄となる特図を決定する場合に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0028】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、リーチ判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。
【0029】
また、主制御用ROM30bには、
図3に示すように、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類される。大当り変動は、大当り抽選に当選した場合に行われる変動である。そして、大当り変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。一方、大当り変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。なお、飾図による図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、大当り図柄を導出させる。
【0030】
はずれリーチ変動は、大当り抽選に当選せずに、リーチ抽選に当選した場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。
【0031】
はずれ変動は、大当り抽選及びリーチ抽選の何れにも当選しなかった場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、特図変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。
【0032】
以下、変動パターンに定められた演出内容について
図3に従って説明する。
なお、
図3における「系統1」は、擬似連の有無を示すとともに、擬似連を実行させる場合、擬似連を構成する変動サイクルの実行回数を示している。また、「系統2」は、変動パターンによって特定される変動内容を示し、擬似連を実行させる場合は、最終回の変動サイクルにおける変動内容を示している。
【0033】
変動パターンP1,P2は、擬似連を伴わない変動パターンである(図中、「なし」と示す)。変動パターンP1は、変動内容として「通常変動」を特定し、変動パターンP2は、変動内容として「短縮変動」を特定する変動パターンである。また、変動パターンP3(P3a,P3b),P4(P4a,P4b)は、擬似連を伴わないリーチ変動用の変動パターンである(図中、「なし」と示す)。変動パターンP3は、変動内容として「ノーマルリーチ(図中、「ノーマル」と示す)」を特定し、変動パターンP4は、変動内容として「スーパーリーチ(図中、「SP」と示す)」を特定する。そして、変動パターンP3a,P4aは、はずれリーチ変動用の変動パターンである一方、変動パターンP3b,P4bは、大当り変動用の変動パターンである。
【0034】
「通常変動」では、図柄変動ゲームの開始後、各図柄列の図柄(飾図)が予め定めた変動停止順(本実施形態では、左列→右列→中列)に従って変動が停止されて図柄が導出される。また、「短縮変動」では、図柄変動ゲームの開始後、各図柄列の変動がほぼ同一のタイミングで停止されて各図柄列に図柄が導出される。なお、「通常変動」と「短縮変動」では、「短縮変動」の方が、変動時間が短く設定されている。
【0035】
ノーマルリーチは、予め定めた複数の図柄列(本実施形態では、左列と右列の2列)に同一の飾図を導出させてリーチを形成し、残り1列(本実施形態では、中列)を変動させて飾図を導出する変動内容のリーチ演出である。スーパーリーチは、ノーマルリーチの演出で残り1列の変動中又は変動が停止した後、例えば、特定のキャラクタが登場し、その登場キャラクタの名称で呼ばれる「○○リーチ」へ移行(発展)して飾図を導出する変動内容のリーチ演出である。
【0036】
このようにリーチ演出の演出内容を複数の段階に発展させることにより、遊技者が抱く大当りへの期待感を変化させることができ、発展前の演出(ノーマルリーチ)に比して、発展後の演出(スーパーリーチ)の方が、大当り期待度が高い。大当り期待度とは、大当りになる場合の出現率とはずれになる場合の出現率を合算した全体出現率に対し、大当りになる場合の出現率の割合を示すものである。このため、大当り期待度は、全体出現率に対して大当りになる場合の出現率の割合が高いほど高くなる。
【0037】
一方、変動パターンP5(P5a,P5b),P6(P6a,P6b),P7(P7a,P7b),P8(P8a,P8b),P9は、変動内容として擬似連を伴う図柄変動ゲームを行うパターンとされている。そしてこれらの変動パターンでは、擬似連を構成する変動サイクルの実行回数(変動サイクル数)が相違している。つまり、変動パターンによって、異なる変動サイクルの実行回数が規定されている。
【0038】
変動パターンP5は、擬似連を構成する変動サイクル数を「2回」に定めたパターンとなっている。変動パターンP5では、1回の変動サイクルを実行した後、2回目(最終回)の変動サイクルでスーパーリーチ演出を実行させるようになっている。なお、変動パターンP5aは、はずれリーチ変動用の変動パターンである一方、変動パターンP5bは、大当り変動用の変動パターンである。
【0039】
変動パターンP6は、擬似連を構成する変動サイクル数を「3回」に定めたパターンとなっている。変動パターンP6では、2回の変動サイクルを実行した後、3回目(最終回)の変動サイクルでスーパーリーチ演出を実行させるようになっている。なお、変動パターンP6aは、はずれリーチ変動用の変動パターンである一方、変動パターンP6bは、大当り変動用の変動パターンである。
【0040】
変動パターンP7は、擬似連を構成する変動サイクル数を「4回」に定めたパターンとなっている。変動パターンP7では、3回の変動サイクルを実行した後、4回目(最終回)の変動サイクルでスーパーリーチ演出を実行させるようになっている。なお、変動パターンP7aは、はずれリーチ変動用の変動パターンである一方、変動パターンP7bは、大当り変動用の変動パターンである。
【0041】
変動パターンP8は、擬似連を構成する変動サイクル数を「5回」に定めたパターンとなっている。変動パターンP8では、4回の変動サイクルを実行した後、5回目(最終回)の変動サイクルでスーパーリーチ演出を実行させるようになっている。なお、変動パターンP8aは、はずれリーチ変動用の変動パターンである一方、変動パターンP8bは、大当り変動用の変動パターンである。
【0042】
変動パターンP9は、擬似連を構成する変動サイクル数を「6回」に定めたパターンとなっている。変動パターンP9では、5回の変動サイクルを実行した後、6回目(最終回)の変動サイクルでスーパーリーチ演出を実行させるようになっている。なお、本実施形態では、変動サイクル数を6回に定めたはずれリーチ変動用の変動パターンを設定していない。これにより、擬似連が6回の変動サイクルに跨って実行された場合、大当りが確定する。
【0043】
そして、本実施形態では、変動サイクル数が多くなるほど、すなわち、擬似なし<擬似2回<擬似3回<擬似4回<擬似5回<擬似6回の順に大当り期待度が高まるように変動パターンの選択確率が規定されている。つまり、大当り抽選に当選した場合ほど、変動サイクル数が多い変動パターンが選択され易く、大当り抽選に当選していない場合ほど、変動サイクル数が少ない変動パターンが選択され易くなっている。
【0044】
次に、演出制御基板31について説明する。
図2に示すように、演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。そして、演出制御用CPU31aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
【0045】
また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
【0046】
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。なお、特別図柄開始処理は、特別図柄入力処理の終了後に実行される。
【0047】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づき、始動入賞口14に遊技球が入球したか否かを判定する。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。始動入賞口14に遊技球が入球したか否かの判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する。この判定結果が否定(保留記憶数が4未満でない)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、保留記憶数が4未満である場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を+1(1加算)する。すなわち、主制御用CPU30aは、始動入賞口14で入球検知された遊技球を始動保留球として主制御用RAM30cに記憶させる。保留記憶数を更新(1加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、加算後の保留記憶数を指示する保留指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力するように送信バッファにセットする。保留指定コマンドは次周期からの制御周期において出力される。
【0048】
次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を特図保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。本実施形態において、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、特図振分用乱数、及びリーチ判定用乱数の各値を取得する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0049】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0050】
一方、実行条件判定の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する。保留記憶数が「0(零)」の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在しないので、特別図柄開始処理を終了する。一方、保留記憶数が1以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、保留記憶数を−1(1減算)する。保留記憶数を更新(1減算)した主制御用CPU30aは、更新後(減算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、減算後の保留記憶数を指示する保留指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力するように送信バッファにセットする。
【0051】
そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた大当り判定用乱数の値を読み出す。このとき、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている始動保留球のうち、最も早く記憶した始動保留球に対応する大当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、当該大当り判定値と一致するか否かの大当り判定(大当り抽選)をする。
【0052】
大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた特図振分用乱数の値を読み出し、読み出した特図振分用乱数の値をもとに特図の大当り図柄を特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図として決定する。また、大当りを決定した主制御用CPU30aは、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。このとき、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選しなかった場合に比して、変動サイクル数が多く設定された変動パターンを高確率で決定する。また、擬似連を伴わない変動パターンを選択する場合、ノーマルリーチ演出を特定する変動パターンP3bよりもスーパーリーチ演出を特定する変動パターンP4bを高確率で選択する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。本実施形態では、大当り抽選を実行する主制御用CPU30aが、大当り抽選手段として機能する。
【0053】
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較してリーチか否かのリーチ判定(リーチ抽選)を行う。このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選でリーチに当選したことから、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。このとき、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選した場合に比して、変動サイクル数が少なく設定された変動パターンを高確率で決定する。また、擬似連を伴わない変動パターンを選択する場合、スーパーリーチ演出を特定する変動パターンP4aよりもノーマルリーチ演出を特定する変動パターンP3aを高確率で選択する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0054】
また、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。このとき、主制御用CPU30aは、保留記憶数を確認し、保留記憶数が多いときには、変動パターンP1よりも変動パターンP2を高確率で選択する。一方、主制御用CPU30aは、保留記憶数が少ない場合には、変動パターンP1よりも変動パターンP2を高確率で選択する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。本実施形態では、主制御用CPU30aが、変動パターン決定手段として機能する。
【0055】
そして、特別図柄開始処理において特図及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指示する特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する全図柄停止コマンドを変動時間の経過に伴って出力する。
【0056】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、指示された変動パターンが擬似連を特定する変動パターンであるか否かを問わず、特図指定コマンドに従って演出表示装置11に確定停止表示させる飾図を決定する。なお、演出制御用CPU31aは、擬似連を特定する変動パターンである場合、最終回の変動サイクルで確定停止表示させる飾図を決定することになる。
【0057】
特図として大当り図柄が指示されている場合、演出制御用CPU31aは、大当りを認識し得る大当りの図柄組み合わせ(例えば、[777])を決定する。その一方で、特図としてはずれ図柄が指示されている場合、演出制御用CPU31aは、飾図としてはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、はずれリーチ変動用の変動パターンが指示されている場合、演出制御用CPU31aは、飾図として、リーチ図柄を含むはずれの図柄組み合わせを決定する。その一方、はずれ変動用の変動パターンが指示されている場合、演出制御用CPU31aは、飾図として、リーチ図柄を含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。
【0058】
なお、演出制御用CPU31aは、擬似連を特定する変動パターンが指示されている場合、最終回よりも前の各変動サイクルの終了時に一旦停止表示させる飾図の図柄組み合わせを決定する。詳細は後述する。
【0059】
そして、演出制御用CPU31aは、画像データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、演出制御用CPU31aは、決定した飾図を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
【0060】
また、演出制御用CPU31aは、保留指定コマンドを入力すると、該保留指定コマンドにより指定された表示態様で保留画像を演出表示装置11の画像表示部GHに表示させる制御を行う。具体的に説明すると、保留記憶数の1加算後に出力された保留指定コマンドを入力した場合、演出制御用CPU31aは、保留有の態様とする個別表示領域の個数を1つ増加させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。一方、保留記憶数の1減算後に出力された保留指定コマンドを入力した場合、演出制御用CPU31aは、個別表示領域Haに表示されていた球を模した保留画像Yを液晶入賞口GHa内に移動させるような態様となるように表示し、個別表示領域Haを保留無の態様とする。
【0061】
このように構成された本実施形態のパチンコ遊技機では、擬似連を特定する変動パターンを入力した場合、通常変動内容で擬似連を実行するか、又は特殊変動内容で擬似連を実行するかを決定し、決定した内容に従って擬似連を実行させるようになっている。
【0062】
以下、通常変動内容と特殊変動内容について説明する。
まず、通常変動内容について説明する。
図5(c)に示すように、通常変動内容とは、最終回よりも前の各変動サイクルで、左右図柄が、大当りの図柄組み合わせを構成し得る数字図柄によって構成される一方で、中図柄が、大当りの図柄組み合わせを構成しない予告専用の特殊図柄Kによって構成される継続図柄組み合わせ(
図5(c)では、「1☆1」で示す)が導出される演出態様を指す。
【0063】
そして、最終回よりも前の変動サイクルで継続図柄組み合わせが導出されると次の変動サイクルが開始される一方で、最終回の変動サイクルで継続図柄組み合わせが導出されないと、最終回の変動サイクルで擬似連が終了する。
【0064】
本実施形態では、継続図柄組み合わせが表示されることが、次回の変動サイクルが実行され、擬似連が継続することを報知する継続演出に相当する。また、継続図柄組み合わせが表示される演出表示装置11が、継続演出実行手段に相当する。
【0065】
次に、特殊変動内容について説明する。
図6(e),(f)に示すように、特殊変動内容とは、最終回よりも前の変動サイクルで、継続図柄組み合わせが導出されず、大当りを認識し得ない図柄組み合わせ(
図6(e)では、「121」)が導出される演出態様を指す。大当りを認識し得ない図柄組み合わせが導出された場合、遊技者は、継続図柄組み合わせが導出されなかったことで、擬似連が終了するという印象を抱くことになる。ところが、
図6(e)に示すように、擬似連を伴う図柄変動ゲーム中、液晶入賞口GHaの右方に保留図柄Q1が表示されている場合、大当りを認識し得ない図柄組み合わせが一旦停止表示された後、その図柄組み合わせの前面を覆い隠すように、保留図柄Q1を拡大したチャンス図柄Z1が表示される。その後、チャンス図柄Z1が非表示状態となった後、次変動サイクルの変動が開始されるようになっている。
【0066】
つまり、継続図柄組み合わせが導出されていない場合であっても、保留図柄Q1が表示されている際には、擬似連が継続するようになっている。ただし、保留図柄Q1が表示されておらず、かつ継続図柄組み合わせが導出されていない場合、最終回の変動サイクルで擬似連が終了する。また、保留図柄Q1は、少なくとも1回の変動サイクルを特殊変動内容で実行させることが決定された図柄変動ゲーム毎に表示される。なお、保留図柄Q1は、保留図柄Q1が表示された同一図柄変動ゲーム内において、最終回を除くいずれかの変動サイクルの終了タイミングで使用されるようになっている。つまり、保留図柄Q1が表示された図柄変動ゲームで保留図柄Q1が使用されず、次の図柄変動ゲームで保留図柄Q1が使用されるということがない。本実施形態では、特殊変動内容で変動サイクルを実行させることが決定されている状態が、規定条件の成立に相当する。
【0067】
以下、通常変動内容又は特殊変動内容で擬似連を実行させるために、演出制御用CPU31aが実行する制御内容について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、指示された変動パターンに従ってサブパターンを選択する。サブパターンとは、通常変動内容又は特殊変動内容を特定するとともに、特殊変動内容とする場合には、特殊変動内容とする変動サイクルを特定するパターンである。
【0068】
以下、サブパターンについて
図4に従って説明する。
なお、
図4では、○(白丸)が、通常変動内容で実行される変動サイクルを示す一方で、斜線を付した丸が、特殊変動内容で実行される変動サイクルを示す。また、最終回の変動サイクルは、通常変動内容及び特殊変動内容の実行対象とならないため、白丸及び黒丸と区別するために△(三角)で示している。
【0069】
サブパターンSP1,SP2は、擬似2回を特定する変動パターンP5a,P5bに対応付けられている。サブパターンSP1は、2回目の変動サイクルが継続することを、通常変動内容によって報知することを特定するパターンである。サブパターンSP2は、2回目の変動サイクルが継続することを、特殊変動内容によって報知することを特定するパターンである。
【0070】
サブパターンSP3,SP4,SP5は、擬似3回を特定する変動パターンP6a,P6bに対応付けられている。サブパターンSP3は、2,3回目の変動サイクルが継続することを、通常変動内容によって報知することを特定するパターンである。サブパターンSP4は、2回目の変動サイクルが継続することを、通常変動内容によって報知する一方で、3回目の変動サイクルが継続することを、特殊変動内容によって報知することを特定するパターンである。サブパターンSP5は、2,3回目の変動サイクルが継続することを、特殊変動内容によって報知することを特定するパターンである。
【0071】
サブパターンSP6,SP7,SP8,SP9は、擬似4回を特定する変動パターンP7a,P7bに対応付けられている。サブパターンSP6は、2〜4回目の変動サイクルが継続することを、通常変動内容によって報知することを特定するパターンである。サブパターンSP7は、2,3回目の変動サイクルが継続することを、通常変動内容によって報知する一方で、4回目の変動サイクルが継続することを、特殊変動内容によって報知することを特定するパターンである。サブパターンSP8は、2回目の変動サイクルが継続することを、通常変動内容によって報知する一方で、3,4回目の変動サイクルが継続することを、特殊変動内容によって報知することを特定するパターンである。サブパターンSP9は、2〜4回目の変動サイクルが継続することを、特殊変動内容によって報知することを特定するパターンである。
【0072】
サブパターンSP10,SP11,SP12,SP13,SP14は、擬似5回を特定する変動パターンP8a,P8bに対応付けられている。サブパターンSP10は、2〜5回目の変動サイクルが継続することを、通常変動内容によって報知することを特定するパターンである。サブパターンSP11は、2〜4回目の変動サイクルが継続することを、通常変動内容によって報知する一方で、5回目の変動サイクルが継続することを、特殊変動内容によって報知することを特定するパターンである。サブパターンSP12は、2,3回目の変動サイクルが継続することを、通常変動内容によって報知する一方で、4,5回目の変動サイクルが継続することを、特殊変動内容によって報知することを特定するパターンである。サブパターンSP13は、2回目の変動サイクルが継続することを、通常変動内容によって報知する一方で、3〜5回目の変動サイクルが継続することを、特殊変動内容によって報知することを特定するパターンである。サブパターンSP14は、2〜5回目の変動サイクルが継続することを、特殊変動内容によって報知することを特定するパターンである。
【0073】
サブパターンSP15,SP16,SP17,SP18,SP19,SP20は、擬似6回を特定する変動パターンP9に対応付けられている。サブパターンSP15は、2〜6回目の変動サイクルが継続することを、通常変動内容によって報知することを特定するパターンである。サブパターンSP16は、2〜5回目の変動サイクルが継続することを、通常変動内容によって報知する一方で、6回目の変動サイクルが継続することを、特殊変動内容によって報知することを特定するパターンである。サブパターンSP17は、2〜4回目の変動サイクルが継続することを、通常変動内容によって報知する一方で、5,6回目の変動サイクルが継続することを、特殊変動内容によって報知することを特定するパターンである。サブパターンSP18は、2,3回目の変動サイクルが継続することを、通常変動内容によって報知する一方で、4〜6回目の変動サイクルが継続することを、特殊変動内容によって報知することを特定するパターンである。サブパターンSP19は、2回目の変動サイクルが継続することを、通常変動内容によって報知する一方で、3〜6回目の変動サイクルが継続することを、特殊変動内容によって報知することを特定するパターンである。サブパターンSP20は、2〜6回目の変動サイクルが継続することを、特殊変動内容によって報知することを特定するパターンである。
【0074】
このように、サブパターンSP1〜SP20には、変動パターンに定められた変動サイクル数未満となる回数の中から、特殊変動内容とする変動サイクル数が決定されるように各種変動内容が定められている。
【0075】
そして、これらのサブパターンSP1〜SP20は、
図3に示すように、変動パターンによって特定される変動サイクル数と一致する回数を定めたサブパターンのうちいずれか1つを略同一確率で選択し得るように、乱数の取り得る数値が振り分けられている。ちなみに、複数回の変動サイクルを特定しない変動パターンP1,P2,P3a,P3b,P4a,P4bには、サブパターンを選択し得るように乱数の取り得る数値が振り分けられていない。
【0076】
そして、演出制御用CPU31aは、
図3に示すサブパターン振分テーブルを参照し、指示された変動パターンに定められたサブパターンの中からいずれか1つのサブパターンを決定する。これにより、演出制御用CPU31aは、最終回よりも前の変動サイクルの変動内容を通常変動内容又は特殊変動内容とするかを決定するととともに、特殊変動内容とする場合には、特殊変動内容とする変動サイクルを特定することができる。
【0077】
本実施形態では、サブパターンを決定することで、最終回よりも前の変動サイクルの変動内容を通常変動内容又は特殊変動内容とするかを決定できることから、演出制御用CPU31aが、回数決定手段として機能する。
【0078】
次に、演出制御用CPU31aは、擬似連を特定する変動パターンが指示されている場合、当該コマンドと決定したサブパターンに従って、最終回よりも前の各変動サイクルの終了時に演出表示装置11に一旦停止表示させる飾図の図柄組み合わせを決定する。
【0079】
演出制御用CPU31aは、通常変動内容が対応付けられた変動サイクルで一旦停止表示させる飾図の図柄組み合わせとして、継続図柄組み合わせ(
図5(c)参照)を決定する。一方、演出制御用CPU31aは、特殊変動内容が対応付けられた変動サイクルで一旦停止表示させる飾図の図柄組み合わせとして、大当りを認識し得ない図柄組み合わせ(
図6(e)参照)を決定する。
【0080】
なお、特殊変動内容を含むサブパターンを決定していた場合、演出制御用CPU31aは、
図6(b)に示すように演出表示装置11の表示内容を制御する。すなわち、演出表示装置11における図柄変動ゲームの開始時において、個別表示領域Haに表示されていた球を模した保留画像Yを液晶入賞口GHa内に移動させるような態様(
図6(a)では矢印Y1で示す)となるように演出表示装置11の表示内容を制御する。その後、演出制御用CPU31aは、液晶入賞口GHaから保留図柄Q1が飛び出たかのような態様(
図6(b)では矢印Y2で示す)となるように演出表示装置11の表示内容を制御し、液晶入賞口GHaの右方に保留図柄Q1を表示させる。このとき、演出制御用CPU31aは、サブパターンにおいて特殊変動内容で実行させることが定められた変動サイクル数と同一数を、特殊変動内容で実行させる変動サイクルの残り回数として、保留図柄Q1と合わせて表示させる。本実施形態では、特殊変動内容で実行させる変動サイクルの残り回数を表示する演出表示装置11が、報知手段として機能する。
【0081】
一方、特殊変動内容を含まないサブパターンを決定していた場合、演出制御用CPU31aは、
図5(a)に示すように、図柄変動ゲームの開始時において、個別表示領域Haに表示されていた球を模した保留画像Yを液晶入賞口GHa内に移動させるような態様(
図5(a)では矢印Y1で示す)となるように演出表示装置11の表示内容を制御する。しかし、演出制御用CPU31aは、液晶入賞口GHaの右方に保留図柄Q1を表示させない。
【0082】
そして、演出制御用CPU31aは、選択したサブパターンに定められた画像を表示させるための画像データを特定する。演出制御用CPU31aは、各変動サイクルの開始時に、特定した画像データを用いて、通常変動内容又は特殊変動内容で変動サイクル中の演出を実行させる。
【0083】
その後、最終回よりも前の各変動サイクルの終了タイミングに到達すると、決定した飾図を演出表示装置11に一旦停止表示させる。通常変動内容で当該変動サイクルを実行させている場合、演出制御用CPU31aは、
図5(c)に示すように、継続図柄組み合わせを一旦停止表示させた後、変動サイクルを終了させる。
【0084】
一方、特殊変動内容で当該変動サイクルを実行させている場合、演出制御用CPU31aは、
図6(e)に示すように、大当りを認識し得ない図柄組み合わせを一旦停止表示させる。その後、演出制御用CPU31aは、液晶入賞口GHaの右方に表示されていた保留図柄Q1を拡大したチャンス図柄Z1を表示させ、一旦停止表示させている図柄組み合わせの前面を覆い隠す。それとともに、演出制御用CPU31aは、液晶入賞口GHaの右方に表示された残り回数を1減算した値を表示させ、実行中の変動サイクルを終了させる。なお、1減算後の残り回数が「0」となった場合、演出制御用CPU31aは、保留図柄Q1を非表示状態とする。
【0085】
その後、次の変動サイクルが残っているのであれば、演出制御用CPU31aは、再度、図柄の変動を開始するとともに、画像データを用いて、通常変動内容又は特殊変動内容で変動サイクル中の演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、最終回の変動サイクルでは、通常変動内容及び特殊変動内容で変動サイクル中の演出を実行させない。すなわち、擬似連を伴わない変動パターンが指示されている場合、演出制御用CPU31aは、指示された変動パターンに対応する画像データを用いて変動サイクル中の演出を実行させる。一方、擬似連を伴う変動パターンが指示されている場合、演出制御用CPU31aは、リーチ演出を実行させる態様で最終回の変動サイクル中の演出を実行させる。そして、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、演出制御用CPU31aは、決定した飾図を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
【0086】
本実施形態では、継続図柄組み合わせを演出表示装置11に表示させる演出制御用CPU31aが、継続演出制御手段として機能する。また、擬似連を演出表示装置11に表示させる演出制御用CPU31aが、演出制御手段として機能する。
【0087】
以下、擬似連中の演出の流れについて、その作用とともに説明する。
図5(a)〜(e)は、最終回よりも前の各変動サイクルが、通常変動内容で行われたときの流れを示している。なお、
図5(a)〜(e)では、擬似2回を特定するはずれリーチ変動用の変動パターンP5aが選択され、かつサブパターンSP1が選択されたことを前提とする。
【0088】
図5(a)に示すように、演出表示装置11において図柄変動ゲームが開始されると、個別表示領域Haに表示されていた球を模した保留画像Yを液晶入賞口GHa内に移動させるような態様で表示演出が行われる。これにより、
図5(b)に示すように、保留記憶数が1減算され、2球の始動保留球が記憶されていることを示すように、個別表示領域Ha,Hbが保留有の態様で表示される一方で、個別表示領域Hc,Hdが保留無の態様で表示される。ただし、2回目の変動サイクルが継続することを通常変動内容によって報知することを特定するサブパターンSP1が選択されているため、液晶入賞口GHaの右方に保留図柄Q1が表示されない。
【0089】
その後、
図5(b)に示すように、1回目の変動サイクルが開始される。そして、1回目の変動サイクルの終了タイミングに到達すると、
図5(c)に示すように、リーチ状態の形成を経て継続図柄組み合わせが一旦停止表示される。この継続図柄組み合わせが導出されたことにより、遊技者は、次の変動サイクルが継続することを認識する。そして、
図5(d)に示すように、図柄の再変動が行われ、2回目の変動サイクルが開始する。なお、図柄変動ゲームの開始ではなく、変動サイクルが開始されたことにより、保留画像表示領域Hの表示態様は変化しない。
【0090】
そして、2回目の変動サイクルの終了タイミングに到達すると、擬似2回を特定する変動パターンP5aを選択したことから、
図5(e)に示すように、リーチ状態が生起された後、継続図柄組み合わせが表示されることなくリーチ演出に移行する。これにより、遊技者は、当該変動サイクルで擬似連が終了することを認識する。
【0091】
図6(a)〜(h)は、2回目の変動サイクルが、特殊変動内容で行われたときの流れを示している。なお、
図6(a)〜(h)では、擬似3回を特定するはずれリーチ変動用の変動パターンP6aが選択され、かつサブパターンSP4が選択されたことを前提とする。
【0092】
図6(a)に示すように、演出表示装置11において図柄変動ゲームが開始されると、個別表示領域Haに表示されていた球を模した保留画像Yを液晶入賞口GHa内に移動させるような態様で表示演出が行われる。これにより、
図6(b)に示すように、保留記憶数が1減算される。また、3回目の変動サイクルが継続することを特殊変動内容によって報知することを特定するサブパターンSP4が選択されているため、液晶入賞口GHaの右方に保留図柄Q1が表示される。これにより、遊技者は、消化された始動保留球が、保留図柄Q1に変化したかのような印象を抱くことになる。また、サブパターンSP4が選択されていることから、保留図柄Q1と合わせて残り回数「1」を示す数字が表示される。
【0093】
その後、
図6(b)に示すように、1回目の変動サイクルが開始される。そして、1回目の変動サイクルの終了タイミングに到達すると、
図6(c)に示すように、リーチ状態の形成を経て、継続図柄組み合わせが一旦停止表示される。この継続図柄組み合わせが導出されたことにより、遊技者は、次の変動サイクルが継続することを認識する。また、継続図柄組み合わせが導出された時点で保留図柄Q1が表示されているため、遊技者は、少なくともあと2回は変動サイクルが継続することを認識する。そして、
図6(d)に示すように、図柄の再変動が行われ、2回目の変動サイクルが開始する。
【0094】
2回目の変動サイクルの終了タイミングに到達すると、
図6(e)に示すように、サブパターンSP4が選択されていることから、リーチ状態の形成を経て、大当りを認識し得ない図柄組み合わせ(この例では「121」)が一旦停止表示される。このとき、遊技者は、
図5と同じ2回目の変動サイクルで継続図柄組み合わせが導出されなかったことで、当該変動サイクルで擬似連が終了するかもしれないと感じることになる。ただし、大当りを認識し得ない図柄組み合わせが導出されてから所定時間が経過すると、
図6(f)に示すように、一旦停止表示されている図柄組み合わせの前面が、チャンス図柄Z1によって覆い隠される。その後、
図6(g)に示すように、チャンス図柄Z1が非表示状態となると、3回目の変動サイクルが開始している。また、3回目の変動サイクルが開始された場合、残り回数が1減算されて「0」となるため、保留図柄Q1が非表示状態となる。これにより、遊技者は、継続図柄組み合わせが導出されなかったが、保留図柄Q1が保留されていたことを起因として、擬似連が継続したかのような印象を抱くことになる。
【0095】
その後、擬似3回を特定する変動パターンP6aを選択したことから、
図6(h)に示すように、リーチ状態が生起された後、継続図柄組み合わせが表示されることなくリーチ演出に移行する。これにより、遊技者は、当該変動サイクルで擬似連が終了することを認識する。
【0096】
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)変動サイクルにおいて継続図柄組み合わせが導出された場合、又は継続図柄組み合わせが導出されないが、特殊変動内容で変動サイクルを実行させることが決定されていた場合、次回の変動サイクルが開始され、擬似連が継続する。一方、特殊変動内容で変動サイクルを実行させることが決定されていない状態で継続図柄組み合わせが導出されなかった場合、次回の変動サイクルが開始されることなく、擬似連が終了する。遊技者は、継続図柄組み合わせが導出されないと擬似連が終了することを意識することになるが、継続図柄組み合わせが導出されない場合であっても、特殊変動内容で変動サイクルを実行させることが決定されていたときには、擬似連が継続することになる。よって、遊技者に対して、継続図柄組み合わせが導出されない場合であっても、擬似連が継続することに期待を持たせることができる。
【0097】
(2)特殊変動内容で実行させる変動サイクルの残り回数が演出表示装置11に表示されているので、その残り回数から、今回の図柄変動ゲームで実行され得る擬似連の最低継続回数を把握することができる。例えば、1回目の変動サイクルで継続図柄組み合わせが導出された時点で、特殊変動内容で実行させる変動サイクルの残り回数として「1回」が報知されている場合、今回の図柄変動ゲームでは、擬似連が3回以上行われることを把握させることができる。
【0098】
(3)擬似連の実行回数として変動パターンに定められた変動サイクル数と同一回数だけ擬似連を実行させる場合、その実行態様としては、継続図柄組み合わせが導出されて擬似連が継続する場合と、特殊変動内容で変動サイクルを実行させることが決定されたことで、継続図柄組み合わせの導出を経ずに擬似連が継続する場合と、がある。これにより、擬似連の実行態様のバリエーションが増加し、遊技者の興趣が低下しない。
【0099】
(4)特殊変動内容で変動サイクルを実行させることが決定されている場合、継続図柄組み合わせが導出されないことで、擬似連が終了するかのように演出が実行されるが、その後、擬似連が継続されるので、結果、決定された変動パターンで特定される回数よりも少ない回数で擬似連が終了するということがなくなる。よって、継続図柄組み合わせが導出されなかったときでも、擬似連を継続させることで、復活的な印象を与えることができる。
【0100】
(5)通常変動内容は、予め定めた特定変動列(実施形態では中列)において、大当り表示結果を形成する図柄とは異なる予告専用の特殊図柄Kを一旦停止表示させる態様で行われるので、擬似連が継続するか否かを、特殊図柄Kが一旦停止するか否かという分かり易い態様で報知することができる。そして、特殊図柄Kが一旦停止表示しなかった場合であっても、特殊変動内容で変動サイクルを実行させることが決定されている際には、次回の変動サイクルが開始されることになるので、継続図柄組み合わせが導出されなかったとしても、擬似連が継続することに期待を持たせることができる。
【0101】
(6)サブパターンによって、どの変動サイクルを通常変動内容とするか、特殊変動内容とするかが規定されているため、演出制御用CPU31aは、一度、サブパターンを決定するだけで、全ての変動サイクルの変動内容を同時に決定することができ、変動内容決定にかかる制御的な手間を省くことができる。
【0102】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
なお、以下に説明する実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0103】
第2実施形態における特殊変動内容では、演出表示装置11における図柄変動ゲームの開始時ではなく、特殊変動内容で行われる対象変動サイクルの開始時に、保留図柄Q1とは表示形態の異なる保留図柄Q2が表示されるようになっている。
【0104】
このような表示態様とする場合、演出制御用CPU31aは、変動パターンが指示された後、最終回を除く各変動サイクルの開始時に、通常変動内容とするか特殊変動内容とするかを抽選で決定する。このとき、演出制御用CPU31aは、サブパターンを選択することで各変動サイクルの変動内容を決定するのではなく、変動サイクル毎に抽選で決定するようになっている。通常変動内容とすることを決定した場合、演出制御用CPU31aは、第1実施形態と同じく、継続図柄組み合わせを決定し、対象となる変動サイクルの終了時に継続図柄組み合わせを一旦停止表示させ、次の変動サイクルを開始させる。なお、本実施形態では、第1実施形態のように、サブパターンを決定することで、変動サイクルを通常変動内容で実行するか、又は特殊変動内容で実行するかを決定することもできる。
【0105】
一方、特殊変動内容とすることを決定した場合、演出制御用CPU31aは、対象となる変動サイクルの開始時に、
図7(d)に示すような、継続の「継」という文字が記載された保留図柄Q2を表示させる。保留図柄Q2では、特殊変動内容で実行される変動サイクルの残り回数が表示されず、保留図柄Q2の個数自体によって残り回数が報知されるようになっている。したがって、2回の変動サイクルが特殊変動内容で実行される場合、2回の変動サイクルにおいて、それぞれ1個ずつ保留図柄Q2が表示されることになる。
【0106】
演出制御用CPU31aは、第1実施形態と同じく、変動サイクルの終了タイミングに到達すると、大当りを認識し得ない図柄組み合わせを一旦停止表示させる。その後、演出制御用CPU31aは、液晶入賞口GHaの右方に表示されていた保留図柄Q2を拡大したチャンス図柄Z2を表示させ、一旦停止表示させている図柄組み合わせの前面を覆い隠す。それとともに、演出制御用CPU31aは、液晶入賞口GHaの右方に表示されていた保留図柄Q2を非表示状態とし、変動サイクルを終了させる。その後、次の変動サイクルが残っているのであれば、演出制御用CPU31aは、再度、図柄の変動を開始するとともに、画像データを用いて、通常変動内容又は特殊変動内容で変動サイクル中の演出を実行させる。
【0107】
以下、擬似連中の演出の流れについて、その作用とともに説明する。
図7(a)〜(h)は、2回目の変動サイクルが、特殊変動内容で行われたときの流れを示している。なお、
図7(a)〜(h)では、擬似3回を特定するはずれリーチ変動用の変動パターンP6aが選択され、かつ3回目の変動サイクルが継続することを特殊変動内容によって報知することが決定されたことを前提とする。
【0108】
図7(a)に示すように、演出表示装置11において図柄変動ゲームが開始されると、個別表示領域Haに表示されていた球を模した保留画像Yを液晶入賞口GHa内に移動させるような態様(
図7(a)では矢印Y1で示す)で表示演出が行われるが、
図7(b)に示すように、液晶入賞口GHaの右方に保留図柄Q2が表示されない。
【0109】
その後、
図7(b),(c)に示すように、
図6(b),(c)に示した流れと同一の態様で1回目の変動サイクルが終了し、
図7(d)に示すように2回目の変動サイクルが開始する。なお、演出表示装置11における2回目の変動サイクルの開始時には、液晶入賞口GHaの右方に、保留図柄Q2が表示される。
【0110】
その後、2回目の変動サイクルの終了タイミングに到達すると、
図7(e)に示すように、リーチ状態の形成を経て、大当りを認識し得ない図柄組み合わせが一旦停止表示される。このとき、遊技者は、継続図柄組み合わせが導出されなかったことで、当該変動サイクルで擬似連が終了するかもしれないと感じることになる。ただし、大当りを認識し得ない図柄組み合わせが導出されてから所定時間が経過すると、
図7(f)に示すように、一旦停止表示されている図柄組み合わせの前面が、チャンス図柄Z2によって覆い隠される。その後、
図7(g)に示すように、チャンス図柄Z2が非表示状態となると、3回目の変動サイクルが開始している。また、3回目の変動サイクルが開始された場合、保留図柄Q2が非表示状態となる。これにより、遊技者は、継続図柄組み合わせが導出されなかったが、保留図柄Q2が保留されていたことに起因して、擬似連が継続したかのような印象を抱くことになる。
【0111】
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1),(3)〜(5)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(7)演出表示装置11における図柄変動ゲームの開始時ではなく、特殊変動内容で行われる対象変動サイクルの開始時に、保留図柄Q2が表示される。これにより、特殊変動内容の対象となる変動サイクルを遊技者に分かり易く報知することができる。また、抽選結果によっては、通常変動内容で実行される変動サイクルと、特殊変動内容で実行される変動サイクルとが交互に実行されることもあるので、遊技者に、より一層、擬似連が継続する際の演出態様に興味を持たせることができる。
【0112】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
なお、以下に説明する実施形態において、既に説明した第2実施形態と同一構成及び同一制御内容などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0113】
本実施形態では、1回の図柄変動ゲーム中、開始演出の実行から終了演出の実行までを1回とする加算予告演出が複数回実行されるようになっている。
以下、加算予告演出について説明する。
【0114】
加算予告演出は、指示された変動パターンに定められた変動サイクル数に係わらず、指示された変動パターンに定められた変動時間に基づき、1回の図柄変動ゲーム中に複数回実行され得るようになっている。また、加算予告演出では、
図15(b)に示すように、閉状態の扉Tが表示されること開始演出と定めている。一方、加算予告演出では、
図15(d)に示すように、図柄組み合わせが一旦停止表示又は確定停止表示させることを終了演出と定めている。つまり、第1,第2実施形態では、図柄の変動開始から図柄の変動停止までが、1回の演出単位であったが、本実施形態では、閉状態の扉Tが表示されてから図柄の変動停止までが、1回の演出単位となる。
【0115】
そして、加算予告演出中、予告演出専用の演出画像としてのキャラクタが表示され得るようになっている。加算予告演出では、1回の加算予告演出で複数のキャラクタが表示されることもある一方、特定回数目の加算予告演出ではキャラクタが表示されないこともある。
【0116】
また、キャラクタには、演算値としての得点が予め定められており、キャラクタが表示される度に得点が加算されるようになっている。そして、表示済みのキャラクタの組み合わせが予め定めた組み合わせに相当する場合、キャラクタが表示されたことで加算された得点に対して、さらに得点が加算されるようになっている。そして、1回の図柄変動ゲーム中における得点の合計値によって、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなる可能性が報知されるようになっている。なお、以下の説明では、表示済みのキャラクタの組み合わせが予め定めた組み合わせとなることを「コンボが成立した」と示す。
【0117】
図11に示すように、本実施形態では、コンボC1〜C23を構成し得るキャラK1〜K25が設定されているが、キャラクタ自体に得点の差はなく、それぞれ1点が加算されるようになっている。
【0118】
以下、加算予告演出を実行させるために演出制御用CPU31aが実行する制御内容について説明する。
まず、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターンに従って、
図8に示す特定パターン決定テーブルを参照して、特定パターンを決定する。特定パターンは、1回の図柄変動ゲームにおける加算予告演出の実行回数や、リーチ演出の実行タイミングなどを特定するパターンである。そして、特定パターン決定テーブルは、特定パターンを決定するために参照されるテーブルであって、演出制御用ROM31bに記憶されている。特定パターン決定テーブルでは、指示された変動パターンの種類毎に、複数の特定パターンのうちいずれか1つを選択し得るように乱数値が所定個数ずつ振り分けられている。
【0119】
以下、特定パターンに定められた内容を
図9に従って説明する。
なお、特定パターンには、特定パターンHX(X:1〜6)a、HX(X:2〜6)b、HX(X:2〜6)cが定められている。そして、a,b,cが同一の特定パターンに関しては(例えば、特定パターンH1a,H2a)、1回の図柄変動ゲームにおける加算予告演出の実行回数は異なるものの、リーチ演出の流れが同一となっている。以下、特定パターンHXaで特定される内容を「第1変動内容」と示し、特定パターンHXbで特定される内容を「第2変動内容」と示し、特定パターンHXcで特定される内容を「第3変動内容」と示す。また、図中、タイミングt1〜t12は、加算予告演出の開始タイミング、すなわち、扉Tが閉鎖されるタイミングを示している。
【0120】
詳しく説明すると、特定パターンH1aは、変動パターンP4が指示されたときに選択されるパターンであり、変動パターンP4と同じ変動時間が定められている。また、特定パターンH1aでは、第1変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「2回」実行させることが定められている。
【0121】
特定パターンH1aに定められた第1変動内容では、通常変動(図中、「通常」と示す)の内容で全列の図柄が変動された後、1回目の加算予告演出が実行される。つまり、タイミングt1で扉Tが閉鎖する。なお、閉鎖していた扉Tが開放すると、扉Tの奥方にキャラクタが表示されていることがある。そして、1回目の加算予告演出が終了すると、最終回(2回目)の加算予告演出が実行される。つまり、タイミングt2で扉Tが閉鎖する。なお、最終回の加算予告演出では、タイミングt3において、開状態の扉Tを小刻みに振動させるような態様で表示が行われるが、ノーマルリーチ演出(図中、「N」と示す)が実行される。つまり、扉Tが閉鎖しない(加算予告演出が開始しない)。そして、ノーマルリーチ演出の終了後、リーチ演出が発展することを示す発展演出(図中、「発展」と示す)を経て、スーパーリーチ演出(図中、「SP」と示す)が実行される。
【0122】
特定パターンH2a,H2b,H2cは、擬似2回を特定する変動パターンP5が指示されたときに選択されるパターンであり、変動パターンP5と同じ変動時間がそれぞれ定められている。また、特定パターンH2aでは、第1変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「4回」実行させることが定められている。特定パターンH2bでは、第2変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「2回」実行させることが定められている。特定パターンH2cでは、第3変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「1回」実行させることが定められている。
【0123】
特定パターンH2aでは、特定パターンH1aよりも1回の図柄変動ゲーム中に行われる加算予告演出の実行回数が2回多くなっているが、その他は、特定パターンH1aに定められた第1変動内容と同一である。また、特定パターンH2a,H2b,H2cに定められた加算予告演出の実行回数は、変動パターンP5に定められた変動サイクル数によって定められているわけではない。
【0124】
特定パターンH2bに定められた第2変動内容では、図柄変動ゲームの開始後、「1↓1」などリーチ状態(図中、「テンパイ」と示す)が生起された後、1回目の加算予告演出が実行される。つまり、タイミングt2で扉Tが閉鎖する。その後、2回目(最終回)の加算予告演出が行われる。つまり、タイミングt3で扉Tが閉鎖する。なお、最終回(2回目)の加算予告演出では、タイミングt4において、開状態の扉Tを小刻みに振動させるような態様で表示が行われるが、ノーマルリーチ演出に発展する。つまり、扉Tが閉鎖しない。なお、第2変動内容に定められたノーマルリーチ演出の実行時間は、第1変動内容に定められたノーマルリーチ演出の実行時間よりも長い。一方、発展演出やスーパーリーチ演出の実行時間は、第1変動内容に定められた発展演出やスーパーリーチ演出の実行時間と同一である。
【0125】
特定パターンH2cに定められた第3変動内容では、図柄変動ゲームの開始後、「1↓1」などリーチ状態が生起された後、ノーマルリーチ演出が開始された後、1回目(最終回)の加算予告演出が実行される。つまり、タイミングt3で扉Tが閉鎖する。なお、最終回(1回目)の加算予告演出では、タイミングt4において、開状態の扉Tを小刻みに振動させるような態様で表示が行われるが、リーチ演出に発展する。つまり、扉Tが閉鎖しない。なお、第3変動内容に定められたノーマルリーチ演出の総実行時間は、第2変動内容に定められたノーマルリーチ演出の総実行時間よりも長い。一方、発展演出やスーパーリーチ演出の実行時間は、第2変動内容に定められた発展演出やスーパーリーチ演出の実行時間と同一である。
【0126】
特定パターンH3a,H3b,H3cは、擬似3回を特定する変動パターンP6が指示されたときに選択されるパターンであり、変動パターンP6と同じ変動時間がそれぞれ定められている。また、特定パターンH3aでは、第1変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「6回」実行させることが定められている。特定パターンH3bでは、第2変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「4回」実行させることが定められている。特定パターンH3cでは、第3変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「3回」実行させることが定められている。
【0127】
特定パターンH3a,H3b,H3cでは、特定パターンH2a,H2b,H2cよりも1回の図柄変動ゲーム中に行われる加算予告演出の実行回数がそれぞれ2回多くなっているが、その他は、特定パターンH2a,H2b,H2cに定められた第1〜第3変動内容とそれぞれ同一である。また、特定パターンH3a,H3b,H3cに定められた加算予告演出の実行回数は、変動パターンP6に定められた変動サイクル数によって定められているわけではない。
【0128】
特定パターンH4a,H4b,H4cは、擬似4回を特定する変動パターンP7が指示されたときに選択されるパターンであり、変動パターンP7と同じ変動時間がそれぞれ定められている。また、特定パターンH4aでは、第1変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「8回」実行させることが定められている。特定パターンH4bでは、第2変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「6回」実行させることが定められている。特定パターンH4cでは、第3変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「5回」実行させることが定められている。
【0129】
特定パターンH4a,H4b,H4cでは、特定パターンH3a,H3b,H3cよりも1回の図柄変動ゲーム中に行われる加算予告演出の実行回数がそれぞれ2回多くなっているが、その他は、特定パターンH3a,H3b,H3cに定められた第1〜第3変動内容とそれぞれ同一である。また、特定パターンH4a,H4b,H4cに定められた加算予告演出の実行回数は、変動パターンP7に定められた変動サイクル数によって定められているわけではない。
【0130】
特定パターンH5a,H5b,H5cは、擬似5回を特定する変動パターンP8が指示されたときに選択されるパターンであり、変動パターンP8と同じ変動時間がそれぞれ定められている。また、特定パターンH5aでは、第1変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「10回」実行させることが定められている。特定パターンH5bでは、第2変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「8回」実行させることが定められている。特定パターンH5cでは、第3変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「7回」実行させることが定められている。
【0131】
特定パターンH5a,H5b,H5cでは、特定パターンH4a,H4b,H4cよりも1回の図柄変動ゲーム中に行われる加算予告演出の実行回数がそれぞれ2回多くなっているが、その他は、特定パターンH4a,H4b,H4cに定められた第1〜第3変動内容とそれぞれ同一である。また、特定パターンH5a,H5b,H5cに定められた加算予告演出の実行回数は、変動パターンP8に定められた変動サイクル数によって定められているわけではない。
【0132】
特定パターンH6a,H6b,H6cは、擬似6回を特定する変動パターンP9が指示されたときに選択されるパターンであり、変動パターンP9と同じ変動時間がそれぞれ定められている。また、特定パターンH6aでは、第1変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「12回」実行させることが定められている。特定パターンH6bでは、第2変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「10回」実行させることが定められている。特定パターンH6cでは、第3変動内容で行われる1回の図柄変動ゲーム中、加算予告演出を「9回」実行させることが定められている。
【0133】
特定パターンH6a,H6b,H6cでは、特定パターンH5a,H5b,H5cよりも1回の図柄変動ゲーム中に行われる加算予告演出の実行回数がそれぞれ2回多くなっているが、その他は、特定パターンH5a,H5b,H5cに定められた第1〜第3変動内容とそれぞれ同一である。また、特定パターンH6a,H6b,H6cに定められた加算予告演出の実行回数は、変動パターンP9に定められた変動サイクル数によって定められているわけではない。
【0134】
そして、
図8に示すように、特定パターン決定テーブルでは、変動パターンP4a,P4bに対し、特定パターンH1aのみ選択し得るように乱数値が振り分けられている。一方、変動パターンP5a,P5bに対し、1回の図柄変動ゲーム中に行われる加算予告演出の実行回数が多い特定パターンH2aよりも実行回数が少ない特定パターンH2b,H2cの方が選択され易くなるように乱数値が振り分けられている。また、変動パターンP6a,P6bに対し、1回の図柄変動ゲーム中に行われる加算予告演出の実行回数が多い特定パターンH3aよりも実行回数が少ない特定パターンH3b,H3cの方が選択され易くなるように乱数値が振り分けられている。
【0135】
また、変動パターンP7a,P7bに対し、1回の図柄変動ゲーム中に行われる加算予告演出の実行回数が多い特定パターンH4aよりも実行回数が少ない特定パターンH4b,H4cの方が選択され易くなるように乱数値が振り分けられている。また、変動パターンP8a,P8bに対し、1回の図柄変動ゲーム中に行われる加算予告演出の実行回数が多い特定パターンH5aよりも実行回数が少ない特定パターンH5b,H5cの方が選択され易くなるように乱数値が振り分けられている。一方、変動パターンP9に対し、1回の図柄変動ゲーム中に行われる加算予告演出の実行回数が多い特定パターンH6aよりも実行回数が少ない特定パターンH6b,H6cの方が選択され易くなるように乱数値が振り分けられている。
【0136】
このように特定パターンを対応付けることで、変動パターンに定められた大当り期待度と加算予告演出の実行回数の多少が対応付けられることになる。そして、加算予告演出では、加算予告演出毎にキャラクタが表示されるため、加算予告演出の実行回数が多いほど、多くのキャラクタが表示される機会が増えることになり、結果、コンボが成立する機会も増加する。
【0137】
そして、演出制御用CPU31aは、指示された変動パターンに従って、いずれか1つの特定パターンを決定する。特定パターンを選択した後、演出制御用CPU31aは、最終回の加算予告演出を除く各加算予告演出の開始時に、次回の加算予告演出が継続する際に行う演出として、通常変動内容を実行するか特殊変動内容を実行するかを抽選で決定する。通常変動内容を実行することを決定した場合、演出制御用CPU31aは、継続図柄組み合わせを決定する。一方、特殊変動内容を実行することを決定した場合、演出制御用CPU31aは、大当りを認識し得ない図柄組み合わせを決定する。つまり、本実施形態において演出制御用CPU31aは、指示された変動パターンに定められた変動サイクル単位ではなく、特定パターンに定められた加算予告演出単位で、図柄組み合わせを決定する。なお、本実施形態において、最終回の加算予告演出では、通常変動内容及び特殊変動内容で加算予告演出を実行させない。すなわち、演出制御用CPU31aは、リーチ演出を実行させる態様で最終回の加算予告演出を実行させる。そして、演出制御用CPU31aは、最終回の加算予告演出で確定停止表示させる図柄組み合わせを、変動パターンに従って決定する。
【0138】
そして、決定した図柄組み合わせを導出させる場合、特定パターンに定められた各加算予告演出の終了タイミングに到達すると、演出制御用CPU31aは、決定した図柄組み合わせを一旦停止表示させる。継続図柄組み合わせを一旦停止表示させることを決定した場合、演出制御用CPU31aは、継続図柄組み合わせを一旦停止表示させて加算予告演出を終了させる。その後、特定パターンに従って、
図16(a)に示すように、閉状態の扉Tを表示させ、次以降の加算予告演出を実行させる。
【0139】
一方、大当りを認識し得ない図柄組み合わせを一旦停止表示させることを決定した場合、演出制御用CPU31aは、
図16(b)に示すように、加算予告演出の開始時に、液晶入賞口GHaの右方に保留図柄Q2を表示させる。そして、演出制御用CPU31aは、加算予告演出の終了タイミングに到達すると、
図16(c)に示すように、大当りを認識し得ない図柄組み合わせを一旦停止表示させる。その後、演出制御用CPU31aは、
図16(d)に示すように、保留図柄Q2を拡大したチャンス図柄Z2を表示させ、一旦停止表示させている図柄組み合わせの前面を覆い隠すとともに保留図柄Q2を非表示状態とする。その後、演出制御用CPU31aは、特定パターンに従って、
図17(a)に示すように、閉状態の扉Tを表示させ、次以降の加算予告演出を実行させる。
【0140】
また、演出制御用CPU31aは、最終回の加算予告演出において、リーチ演出に移行するタイミングでは、短間隔で扉Tを開閉させるような画像を表示させた後、閉状態の扉Tを表示させることなく、リーチ演出に移行させる。
【0141】
次に、加算予告演出中に加算される得点の決定方法について説明する。
特定パターンを決定した後、演出制御用CPU31aは、変動パターンに従って、
図10に示す得点範囲決定テーブルを参照して得点範囲を決定する。
【0142】
得点範囲とは、1回の図柄変動ゲーム中における総得点(合計値)を含む数値範囲を示す。つまり、本実施形態では、1回の図柄変動ゲーム中における総得点を一義的に決定するのではなく、得点範囲を超えないように総得点を決定するようになっている。これにより、同じ得点範囲を選択している場合であっても、決定する値によっては総得点が異なることがある。そして、得点範囲決定テーブルは、演出制御用ROM31bに記憶されている。得点範囲決定テーブルでは、指示された変動パターンに従って、複数の得点範囲からいずれか1つを選択し得るように乱数値が所定個数ずつ振り分けられている。
【0143】
得点範囲としては、「0〜9」と「10〜19」と「20〜29」と「30〜39」と「40〜49」と「50〜」の6つの範囲が規定されている。
そして、
図10に示すように、大当り変動用の変動パターンが選択された場合のみ、得点範囲「50〜」を選択可能となるように乱数値が振り分けられている。また、はずれリーチ変動用の変動パターンよりも大当り変動用の変動パターンが選択された場合の方が、高得点を含む得点範囲を選択可能となるように乱数値が振り分けられている。
【0144】
例えば、はずれリーチ変動用の変動パターンP6aには、「10〜19」<「20〜29」<「30〜39」=「40〜49」となるように乱数値が振り分けられている。大当り変動用の変動パターンP9には、「0〜9」=「10〜19」=「20〜29」<「30〜39」=「50〜」<「40〜49」の順に選択率が高くなるように乱数値が振り分けられている。
【0145】
そして、演出制御用CPU31aは、指示された変動パターンに従って、いずれか1つの得点範囲を決定する。得点範囲を決定した後、演出制御用CPU31aは、決定した得点範囲内で総得点を決定する。そして、演出制御用CPU31aは、総得点を超えないように、コンボ成立によって加算される得点を考慮して、1回の図柄変動ゲーム中に表示させるキャラクタの人数及び種類を決定する。
【0146】
図11は、コンボの種類と、コンボを構成するキャラクタ、及びコンボ成立時に加算される得点を規定している。
図11において、コンボC1〜C23は、コンボの種類を示している。また、「コンボ得点」の欄に示す数値は、コンボ成立によって加算される得点を示している。一方、「キャラによる得点」の欄に示す数値は、コンボを構成するキャラクタのみによって加算される得点(キャラクタの人数でもある)を示している。また、「総得点」の欄に示す数値は、コンボ成立時に加算される総得点(コンボ得点+キャラによる得点)を示している。
【0147】
コンボC1〜C14は、特定の3人のキャラクタによって構成されるとともに、コンボ成立時に「5点」が加算される組み合わせである。コンボC15〜C18は、特定の4人のキャラクタによって構成されるとともに、コンボ成立時に「10点」が加算される組み合わせである。コンボC19〜C21は、特定の5人のキャラクタによって構成されるとともに、コンボ成立時に「20点」が加算される組み合わせである。コンボC22,C23は、特定の6人のキャラクタによって構成されるとともに、コンボ成立時に「50点」が加算される組み合わせである。このように、コンボ成立時に加算される得点は、キャラクタに定められた得点よりも大きい。また、コンボ毎に加算される得点も異なっている。
【0148】
本実施形態では、キャラクタに定められた得点(1点)が、第1演算値に相当する。また、コンボに定められた得点(5点、10点、20点、50点)が、第2演算値に相当する。また、コンボC1〜C23が、特定の組み合わせに相当する。
【0149】
例えば、コンボC1は、キャラK8,K12,K17によって構成される。そして、コンボC1成立時には、3人のキャラクタが表示されたことと、コンボC1が成立したことにより、「3+5=8点」が加算される。また、コンボC18は、キャラK1,K5,K8,K19によって構成される。そして、コンボC18成立時には、4人のキャラクタが表示されたことと、コンボC18が成立したことにより、「4+10=14点」が加算される。
【0150】
また、コンボC19は、キャラK1,K2,K3,K20,K21によって構成される。そして、コンボC19成立時には、5人のキャラクタが表示されたことと、コンボC19が成立したことにより、「5+20=25点」が加算される。また、コンボC22は、キャラK1,K5,K6,K7,K8,K11によって構成される。そして、コンボC22成立時には、6人のキャラクタが表示されたことと、コンボC22が成立したことにより、「6+50=56点」が加算される。
【0151】
本実施形態では、コンボを構成するキャラクタの人数が多いほど、多くの得点が加算されるため、キャラクタの人数によって総得点も異なることになる。また、コンボを構成するキャラクタは、1つのコンボのみに含まれるのではなく、複数のコンボに含まれている。これにより、例えば、キャラK1が表示された時点では、コンボC4,C12〜C14,C16〜C19,C22のうちいずれかのコンボが成立することに期待を持たせることができる。
【0152】
以下、コンボ成立によって加算される得点を考慮したキャラクタの人数及びキャラクタの種類の決定方法について詳細に説明する。
まず、演出制御用CPU31aは、決定した得点範囲の中から任意の数値をランダムに決定する。次に、演出制御用CPU31aは、決定した任意の数値と、決定した特定パターンに定められた加算予告演出の実行回数に従って、
図12に示すコンボパターン決定テーブルを参照して、コンボパターンを決定する。
【0153】
図13に示すように、コンボパターンは、コンボ数、コンボを構成するキャラクタの上限及びコンボ成立時に加算される総得点の上限を定めたパターンである。そして、コンボパターン決定テーブルは、コンボパターンを決定するために参照されるテーブルであって、演出制御用ROM31bに記憶されている。また、
図13において、コンボパターンm1〜m21の横欄に記載される「0」〜「4」までの数値は、コンボ成立数を示している。
【0154】
以下、コンボパターンについて
図13に従って説明する。
図13に示すように、コンボパターンとして、21種類のコンボパターンm1〜m21が定められている。例えば、コンボパターンm1には、1回の図柄変動ゲーム中、コンボを成立させないことが規定されていることになる。
【0155】
コンボパターンm2には、1回の図柄変動ゲーム中、コンボ成立時に5点を加算するコンボ(コンボC1〜C14)を1つ成立させることが規定されている。この場合、1つのコンボを構成するために必要なキャラクタは「3人」となるため、1つのコンボ成立によって「3+5=8点」が加算される。
【0156】
また、コンボパターンm3には、1回の図柄変動ゲーム中、コンボ成立時に5点を加算するコンボ(コンボC1〜C14)を2つ成立させることが規定されている。この場合、2つのコンボでキャラクタが重複していない限り、2つのコンボを構成するために必要なキャラクタの上限は最大で「6人」となるので、2つのコンボ成立によって最大で「3+5+3+5=16点」が加算される。
【0157】
一方、コンボパターンm8には、1回の図柄変動ゲーム中、コンボ成立時に5点を加算するコンボ(コンボC1〜C14)を2つと、コンボ成立時に10点を加算するコンボ(コンボC15〜C18)を1つ成立させることが規定されている。この場合、3つのコンボでキャラクタが重複していない限り、3つのコンボを構成するために必要なキャラクタの上限は最大で「10人」となるので、3つのコンボ成立によって最大で「3+5+3+5+4+10=30点」が加算される。
【0158】
以下、その他のコンボパターンm4〜m7,m9〜m21に対しても、コンボの成立個数と、コンボ成立に必要なキャラクタの上限と、コンボ成立によって加算される総得点の上限が定められている。
【0159】
図12の説明に戻り、コンボパターン決定テーブルには、特定パターンで特定される加算予告演出の実行回数毎に、決定した総得点に応じていずれか1つのコンボパターンが対応付けられている。これにより、演出制御用CPU31aは、総得点を決定した後、加算予告演出の実行回数に基づいて、いずれか1つのコンボパターンを特定し得る。例えば、加算予告演出の実行回数として「3回」を定めた特定パターンH3cを選択するとともに、総得点として「23点」を決定した場合、コンボパターンm7が特定されることになる。
【0160】
このような場合、演出制御用CPU31aは、コンボパターンm7に基づいて、決定した総得点を超えないように、コンボの種類とコンボを形成するキャラクタの種類、何回目の加算予告演出でどのキャラクタを表示させるかなどを決定する。
【0161】
図14(a)は、コンボパターンm7が選択されたときに決定されるコンボの種類とコンボを形成するキャラクタの種類、及びキャラクタを表示させる加算予告演出の段階数の決定結果を示している。なお、
図14(a)に示す決定結果は一例であって、決定した総得点「23点」を超えないのであれば、その他のキャラクタ及びコンボを決定することもある。
【0162】
以下、コンボの種類やキャラクタの決定方法について、
図14(a)に従って説明する。
演出制御用CPU31aは、コンボパターンm7を選択したことにより、コンボ成立によって5点を加算するコンボC1〜C14の中からいずれか1つのコンボを決定する。さらに、演出制御用CPU31aは、コンボ成立によって10点を加算するコンボC15〜C18の中からいずれか1つのコンボを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、決定したコンボを構成するキャラクタを特定する。このとき、演出制御用CPU31aは、決定したコンボを構成するキャラクタの組み合わせによって、コンボパターンに定められた総得点の上限値を超えないか否か、すなわち、異なるコンボがさらに決定されないか否かを判定する。
【0163】
例えば、コンボパターンm15を選択したことで、コンボ成立によって20点を加算するコンボC19〜C21の中からコンボC19を選択したとする。コンボC19を構成するキャラクタは、キャラK1,K2,K3,K20,K21である。ところが、コンボC4を構成するキャラクタとして、キャラK1,K2,K3が定められているため、コンボC19が成立すると必然的にコンボC4も成立してしまい、決定した総得点の上限を超えてしまうことがある。
【0164】
したがって、演出制御用CPU31aは、決定したコンボを構成するキャラクタの組み合わせによって、総得点の上限値を超える場合、すなわち、異なるコンボがさらに成立する場合には、再度、コンボを決定し直す。そして、決定したコンボを構成するキャラクタの組み合わせが、総得点の上限値を超えない場合、すなわち、異なるコンボが成立しない場合には、そのコンボを確定させる。
【0165】
次に、演出制御用CPU31aは、決定したコンボや該コンボを構成するキャラクタによって付与される得点が、決定した総得点に満たないか否かを判定する。決定した総得点に満たない場合、演出制御用CPU31aは、決定した総得点と一致し、かつ異なるコンボを形成しないように、新たに表示させるキャラクタを決定する。
【0166】
次に、演出制御用CPU31aは、決定したコンボを構成するキャラクタを、何段階目の加算予告演出で何人表示させるかを決定する。このとき、演出制御用CPU31aは、例えば、決定したキャラクタを特定し、総人数を加算予告演出の実行回数で除した人数を、1回の加算予告演出で表示させる人数として決定する。なお、総人数を加算予告演出の実行回数で除した際に剰余値が発生した場合、その剰余値を最終回の加算予告演出から1回ずつ前に遡って1ずつ加算する。例えば、総人数が「8人」であって、加算予告演出の実行回数が「3回」である場合、1回目の加算予告演出で2人のキャラクタが表示され、2,3回目の加算予告演出で3人のキャラクタがそれぞれ表示されることになる。また、演出制御用CPU31aは、各加算予告演出で表示させるキャラクタの種類をランダムに決定する。
【0167】
図14(a)では、1回の図柄変動ゲーム中、コンボC14,C17を成立させることを決定している。そして、演出制御用CPU31aは、コンボC14,C17をそれぞれ成立させるために、1回目の加算予告演出でキャラK4,K13を表示させ、2回目の加算予告演出でキャラK6,K7,K25を表示させ、3回目の加算予告演出でキャラK1,K9,K10を表示させることを決定している。
【0168】
この場合、1回目の加算予告演出では、2人のキャラK4,K13が表示される。ただし、キャラK4及びキャラK13の2人のキャラクタによってコンボC14又はコンボC17が成立するわけではないので、1回目の加算予告演出終了時における総得点は、「2点」となる。
【0169】
そして、2回目の加算予告演出では、3人のキャラK6,K7,K25が表示される。ただし、キャラK6,K7,K25と、1回目で表示されたキャラK4,K13とでは、コンボが成立しないため、2回目の加算予告演出終了時における総得点は、「2+3=5点」となる。
【0170】
次に、3回目の加算予告演出では、3人のキャラK1,K9,K10が表示される。キャラK1は、2回目で表示されたキャラK6,K25とコンボC14を構成し得るキャラクタである。また、キャラK1,K9,K10は、2回目で表示されたキャラK7とコンボC17を構成し得るキャラクタである。これにより、3回目の加算予告演出終了時における総得点は、「5+3+5+10=23点」となる。この総得点「23点」は、得点範囲「20〜29」の上限を超えていない。
【0171】
また、加算予告演出の実行回数として「5回」を定めた特定パターンH4cを選択するとともに、総得点として「20点」を決定した場合、コンボパターンm3が特定されることになる。
【0172】
このような場合、演出制御用CPU31aは、コンボパターンm3に基づいて、決定した総得点を超えないように、コンボの種類とコンボを形成するキャラクタの種類、何回目の加算予告演出でどのキャラクタを表示させるかなどを決定する。
図14(b)は、コンボパターンm3が選択されたときに決定されるコンボの種類とコンボを形成するキャラクタの種類、及びキャラクタを表示させる加算予告演出の段階数の決定結果を示している。なお、
図14(b)に示す決定結果は一例であって、決定した総得点「20点」を超えないのであれば、その他のキャラクタ及びコンボを決定することもある。
【0173】
図14(b)では、1回の図柄変動ゲーム中、コンボC4,C12を成立させることを決定している。そして、演出制御用CPU31aは、コンボC4,C12をそれぞれ成立させるとともに、決定した総得点「20点」とするために、1回目の加算予告演出でキャラK18を表示させ、2回目の加算予告演出でキャラK4,K14を表示させることが定められている。さらに、3回目の加算予告演出でキャラK1,K3を表示させ、4回目の加算予告演出でキャラK2,K20を表示させ、5回目の加算予告演出でキャラK8,K22,K23を表示させることを決定している。
【0174】
この場合、1回目の加算予告演出では、1人のキャラK18が表示されるだけであるため、どのコンボも成立せず、1回目の加算予告演出終了時における総得点は、「1点」となる。そして、2回目の加算予告演出では、2人のキャラK14,K14が表示される。ただし、キャラK4,K14と、1回目で表示されたキャラK18とでは、コンボが成立しないため、2回目の加算予告演出終了時における総得点は、「1+2=3点」となる。
【0175】
次に、3回目の加算予告演出では、2人のキャラK1,K3が表示される。ただし、キャラK1,K3と、1,2回目で表示されたキャラK4,K14,K18とコンボを構成し得ないため、3回目の加算予告演出終了時における総得点は、「3+2=5点」となる。
【0176】
次に、4回目の加算予告演出では、2人のキャラK2,K20が表示される。キャラK2は、3回目の加算予告演出で表示されたキャラK1,K3とコンボC4を構成し得るキャラクタである。これにより、4回目の加算予告演出終了時における総得点は、「5+2+5=12点」となる。
【0177】
次に、5回目の加算予告演出では、3人のキャラK8,K22,K23が表示される。キャラK8,K23は、3回目で表示されたキャラK1とコンボC12を構成し得るキャラクタである。これにより、5回目の加算予告演出終了時における総得点は、「12+3+5=20点」となる。この総得点「20点」は、得点範囲「20〜29」の上限を超えない。
【0178】
また、加算予告演出の実行回数として「12回」を定めた特定パターンH6aを選択するとともに、総得点として「9点」を決定した場合、コンボパターンm1が特定されることになる。このとき、演出制御用CPU31aは、12回の加算予告演出のうち、いずれかの加算予告演出ではキャラクタを表示させず、かつ残りの加算予告演出においても、コンボを形成し得ないキャラクタを決定することになる。
【0179】
本実施形態では、コンボパターンを特定することで、1回の図柄変動ゲーム中に表示させるキャラクタを決定する演出制御用CPU31aが、演出画像決定手段として機能する。
【0180】
そして、演出制御用CPU31aは、キャラクタを加算予告演出の実行タイミングに合わせて表示させることになる。
具体的に説明すると、演出制御用CPU31aは、特定パターン及びコンボパターンに従って決定したキャラクタを表示させる(
図15(c)参照)。このとき、演出制御用CPU31aは、キャラクタとともに、キャラK1〜K25の名称を記載した名称画像MGを表示させ、表示させたキャラクタを特定する名称画像MGを点灯させるように表示制御する。
【0181】
また、各キャラクタには得点が対応付けられているため、演出制御用CPU31aは、キャラクタが表示される度に、表示されたキャラクタに定められた得点を加算する演算処理を、演出制御用RAM31cにおいて行う。なお、1回の図柄変動ゲームにおいて加算予告演出が複数回実行される場合、演出制御用CPU31aは、複数回の加算予告演出に跨って得点を継続して記憶する。そして、演出制御用CPU31aは、1回の図柄変動ゲームが終了する度に演算した値をリセットするようになっている。また、演出制御用CPU31aは、演出表示装置11にキャラクタを表示させる度に、表示されたキャラクタの種類を演出制御用RAM31cに記憶する。そして、演出制御用CPU31aは、1回の図柄変動ゲームが終了する度に、記憶したキャラクタをリセットする。さらに、演出制御用CPU31aは、加算後の得点を遊技者に報知するため、
図15(c)に示すように、メータMのゲージを上昇させる。つまり、得点に応じてメータMを上昇させる。
【0182】
その後、演出制御用CPU31aは、加算予告演出単位で、コンボが成立したか否かを判定する。この判定は、表示済みのキャラクタとして演出制御用RAM31cに記憶したキャラクタの中に、予め決定したコンボを構成する全キャラクタが含まれているか否かを判定することで行う。予め決定したコンボが成立している場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cで記憶している得点に、成立したコンボに定められている得点をさらに加算する。また、演出制御用CPU31aは、「コンボ○○成立」のように、コンボが成立していることを示す画像(
図17(c)参照)を演出表示装置11に表示させる。また、演出制御用CPU31aは、加算後の得点を遊技者に報知するため、メータMのゲージを上昇させる。
【0183】
一方、コンボが成立していない場合、演出制御用CPU31aは、表示済みのキャラクタに基づき、残り1人のキャラクタが出現すれば、予め決定したコンボが成立する状態であるか否かを判定する。詳しくは、演出制御用CPU31aは、表示済みのキャラクタとして演出制御用RAM31cに記憶したキャラクタの種類と、予め決定したコンボを構成するキャラクタと比較し、どのキャラクタが表示されていないかを判定する。
【0184】
残り1人のキャラクタが出現すれば、予め決定したコンボが成立する状態である場合、演出制御用CPU31aは、表示済みのキャラクタとコンボを構成し得る未表示キャラクタの名称画像MGを点滅させるように表示制御する(
図16(b)参照)。一方、予め決定したコンボを構成するキャラクタの残り人数が2人以上である場合、演出制御用CPU31aは、名称画像MGの点滅制御を行わない。
【0185】
本実施形態では、1回の図柄変動ゲーム中に表示されたキャラクタを記憶する演出制御用RAM31cが、記憶手段として機能する。また、キャラクタが表示される度に表示されたキャラクタに定められた得点を加算する演出制御用CPU31aが、演算手段として機能する。また、決定したキャラクタを1回の図柄変動ゲーム中、演出表示装置11に表示させる演出制御用CPU31aが、演出制御手段として機能する。また、表示済みのキャラクタとコンボを構成し得る未表示キャラクタの名称画像MGを点滅させることが、報知演出に相当する。また、演出表示装置11にて報知演出を実行させる演出制御用CPU31aが、報知演出制御手段として機能する。
【0186】
以下、加算予告演出の流れについてその作用とともに説明する。
図15〜
図17では、演出制御用CPU31aが、特定パターンH3cを選択するとともに総得点として「23点」を決定したことでコンボパターンm7が特定され、かつ
図14(a)に示すようなコンボ及びキャラクタが決定されたことを前提とする。また、2回目の加算予告演出が継続することを通常変動内容にて報知することを決定する一方で、3回目の加算予告演出が継続することを特殊変動内容にて報知することを決定したことを前提とする。
【0187】
このような場合、
図15(a)に示すように、図柄変動ゲームの開始後、リーチ状態の生起を経て、
図15(b)に示すように、1回目の加算予告演出が実行される。つまり、タイミングt3で扉Tが閉鎖する。そして、扉Tが開放すると、
図15(c)に示すように、1回目の加算予告演出では、キャラK4,K13が同時に表示される。加えて、名称画像MGのうち、キャラK4,K13を特定する名称画像MGが点灯される。さらに、キャラK4,K13が表示されたことで、メータMが2ゲージ分、上昇する。
【0188】
その後、1回目の加算予告演出の終了タイミングに到達すると、前提により、
図15(d)に示すように、リーチ状態の形成を経て継続図柄組み合わせ(この例では「1☆1」)が一旦停止表示される。これにより、遊技者は、次の加算予告演出が継続することを認識する。そして、
図16(a)に示すように、2回目の加算予告演出が実行される。つまり、タイミングt4で扉Tが閉鎖する。
【0189】
そして、扉Tが開放すると、
図16(b)に示すように、2回目の加算予告演出では、キャラK6,K7,K25が同時に表示される。また、1回目の加算予告演出で点灯させたキャラK4,K13の名称画像MGに加え、キャラK6,K7,K25を特定する名称画像MGが点灯される。さらに、キャラK6,K7,K25が表示されたことで、メータMが3ゲージ分、上昇する。
【0190】
また、1,2回目の加算予告演出でキャラK4,K6,K7,K13,K25が表示されている。
図11に示すように、コンボC14は、キャラK1,K6,K25によって構成されるとともに、コンボC17は、キャラK1,K7,K9,K10によって構成されている。これにより、コンボC14を構成し得ることを遊技者に報知するために、キャラK1を特定する名称画像MGが点滅する。この点滅により、点滅しているキャラクタが次以降の加算予告演出で表示されたのであれば、コンボC14が成立し、遊技者は、より多くの得点が加算されることに期待することになる。
【0191】
一方、コンボC17を構成するキャラクタのうち、1,2回目の加算予告演出では、キャラK7しか表示されておらず、残りのキャラK1,K9,K10が表示されていないため、キャラK9,K10を特定する名称画像MGは点滅しない。
【0192】
また、前提により、3回目の加算予告演出が継続することを特殊変動内容にて報知することが決定されている。これにより、
図16(b)では、液晶入賞口GHaの右方に、保留図柄Q2が表示される。
【0193】
その後、2回目の加算予告演出の終了タイミングに到達すると、前提により、
図16(c)に示すように、リーチ状態の形成を経て、大当りを認識し得ない図柄組み合わせ(この例では「121」)が一旦停止表示される。このとき、遊技者は、継続図柄組み合わせが導出されなかったことで、当該加算予告演出で図柄変動ゲームが終了するかもしれないと感じることになる。
【0194】
ただし、大当りを認識し得ない図柄組み合わせが導出されてから所定時間が経過すると、
図16(d)に示すように、一旦停止表示されている図柄組み合わせの前面が、チャンス図柄Z2によって覆い隠される。その後、
図17(a)に示すように、チャンス図柄Z2が非表示状態となると、3回目(最終回)の加算予告演出が実行される。つまり、タイミングt5で扉Tが閉鎖する。これにより、遊技者は、継続図柄組み合わせが導出されなかったが、保留図柄Q2が保留されていたことで、加算予告演出が継続したかのような印象を抱くことになる。
【0195】
そして、扉Tが開放すると、
図17(b)に示すように、3回目の加算予告演出では、キャラK1,K9,K10が表示される。また、1,2回目の加算予告演出で点灯させたキャラK4,K6,K7,K13,K25の名称画像MGに加え、キャラK1,K9,K10を特定する名称画像MGが点灯される。さらに、キャラK1,K9,K10が表示されたことで、メータMが3ゲージ分、上昇する。
【0196】
また、3回目の加算予告演出では、2回目の加算予告演出において、点滅表示されていたキャラクタに対応するキャラK1が表示されている。これにより、1〜3回目の加算予告演出に跨って、キャラK1,K6,K25が表示されたことでコンボC14が成立する。一方、コンボC17を構成するキャラK9,K10を特定する名称画像MGの点滅は行われていないが、3回目の加算予告演出でキャラK1,K9,K10が表示されたことで、1〜3回目の加算予告演出に跨って、キャラK1,K7,K9,K10が表示されたことでコンボC17が成立する。
【0197】
これにより、
図17(c)に示すように、コンボC14とコンボC17が成立したことを示す画像が表示される。また、
図11に示すように、コンボC14成立時に加算される得点が「5点」に定められている一方で、コンボC17成立時に加算される得点が「10点」に定められている。このことから、
図17(c)に示すように、コンボC14,C17の成立によって、メータMが18(3+5+10)ゲージ分、上昇する。このとき、メータMが大幅に上昇したことで、遊技者は、実行中の図柄変動ゲームにおいて大当り表示結果が導出されることに期待を持ち易くなる。
【0198】
その後、特定パターンH3cを選択していたことにより、タイミングt6において、開状態の扉Tが小刻みに振動されるが、扉Tが閉鎖することなく、
図17(d)に示すように、ノーマルリーチ演出が実行され、その後、発展演出を経て、スーパーリーチ演出が実行される。
【0199】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(8)演出制御用CPU31aは、キャラクタ(演出画像)が表示される度に、表示されたキャラクタに定められた得点を累積加算する。そして、演出制御用RAM31cに記憶された表示済みのキャラクタがコンボを構成し得る場合、キャラクタに定められた得点の合計値に、コンボが成立したことによる得点を加算するようにした。これによれば、遊技者は、コンボの成立によってさらに得点が加算されることを望むため、これまで表示されたキャラクタの種類、キャラクタの数など1回の図柄変動ゲーム中における一連の演出の展開にも興味を持たせることができるので、さらなる興趣の向上を図ることができる。
【0200】
(9)表示済みのキャラクタとコンボを構成し得る未表示キャラクタの名称画像MGを点滅させるようにした。これにより、どのキャラクタが表示されたらコンボが構成されるのかを、遊技者に分かり易く報知することができる。また、残り1人のキャラクタを報知することで、あと1人表示されたらコンボが成立することになるので、遊技者のやる気を掻き立てることができる。
【0201】
(10)コンボに定められた得点は、キャラクタに定められた得点よりも大きいため、単にキャラクタが表示された際に加算される得点の合計値が低い場合であっても、キャラクタの組み合わせによってコンボが構成される場合、コンボ成立によってさらに得点が加算されることになる。よって、遊技者に対して、最後まで大当りとなることに対して継続して期待を持たせることができる。
【0202】
(11)コンボを複数種類設定し、かつコンボ毎に得点を異ならせた。これによれば、コンボを構成し得るか否かに加え、コンボ成立によって加算される得点が最も大きいコンボを構成するキャラクタが表示されるか否かについて、興味を持たせることができる。
【0203】
(12)特定のキャラクタ(例えば、キャラK1)を、複数のコンボ(例えば、コンボC12,C19,C22)に含ませている。これにより、初期段階で特定のキャラクタ(例えば、キャラK1)が表示されると、その後に表示されるキャラクタによっては、様々なコンボを構成する可能性があるため、どのようなコンボを構成し得るかに対して、興味を持たせることができる。
【0204】
(13)先に得点範囲を決定した後に、その範囲に収まるように総得点を決定するようにした。さらに、総得点に基づいてコンボパターンを決定し、そのコンボパターンに基づいてコンボやキャラクタの種類を決定するようにした。同一得点を付与するコンボを複数種類設定しているので、総得点に到達させるための組み合わせが一義的ではなくなるため、表示されるキャラクタ及びコンボのバリエーションが増加し、遊技者を飽きさせない。
【0205】
(14)コンボを構成するキャラクタの数によって総得点が異なる。これによれば、コンボ成立によって加算される得点だけでなく、コンボを構成するキャラクタに基づく得点の合計値も総得点に影響してくることになる。これにより、遊技者に対して、コンボを構成するキャラクタの数にも注目させることができる。
【0206】
(15)加算予告演出が実行される度に、キャラクタが必ず1人以上表示されるのではなく、キャラクタが表示されない加算予告演出もある。このような場合、遊技の態様が単調ではなくなるため、遊技者を飽きさせない。
【0207】
なお、上記各実施形態は以下のように変更しても良い。
・第1,第2実施形態において、特殊変動内容で変動サイクルを実行させるための規定条件は、擬似2回以上を定めた変動パターンが選択されることとしても良いし、擬似2回以上を定めた変動パターンが選択された際に実行する抽選に当選することとしても良い。
【0208】
・第1,第2実施形態において、保留画像の使用タイミングは、リーチ演出の実行中としても良い。このような演出態様とする場合、例えば、大当り期待度の低いリーチ演出の実行中に保留画像を使用してチャンス図柄を表示させた際には、チャンス図柄が非表示状態となった後、リーチ演出の内容を大当り期待度の高いリーチ演出に変更させるなどしても良い。
【0209】
・第1,第2実施形態において、保留画像が表示されている場合であっても、保留画像が使用されずに擬似連が終了しても良い。
・第1,第2実施形態において、表示された保留画像は、同一図柄変動ゲーム内で使用されなくても良く、複数回の図柄変動ゲームに跨って使用されても良い。
【0210】
・第1,第2実施形態では、同一の変動サイクル数が定められた変動パターンにおいて、大当り変動用の変動パターンであるか、はずれリーチ変動用の変動パターンであるかに係わらず、同一確率でサブパターンが選択されるように乱数値を振り分けていた。その変更例として、はずれリーチ変動用の変動パターンでは、通常変動内容で実行させる変動サイクル数が多く設定されたサブパターン(例えば、サブパターンSP3)の選択率を高めても良い。加えて、大当り変動用の変動パターンでは、特殊変動内容で実行させる変動サイクル数が多く設定されたサブパターン(例えば、サブパターンSP5)の選択率を高めても良い。これによれば、大当り変動用の変動パターンが選択されている場合、1回目の変動サイクルや2回目の変動サイクルなど比較的早い段階で大当りを認識し得ない図柄組み合わせが導出されることになる。遊技者は、変動サイクルの実行回数が少ないほど大当りに期待を持ち難いという印象を抱いているため、比較的早い段階で大当りを認識し得ない図柄組み合わせが導出された場合、大当りとなることに期待を持ち難くなる。ところが、特殊変動内容で実行させる変動サイクル数が多く設定されたサブパターンが選択されているのであれば、大当りを認識し得ない図柄組み合わせが導出された場合であっても、擬似連が継続する可能性があるので、当該図柄変動ゲームに期待を持てなくなっていた遊技者に対して、復活的な印象を与えることができる。
【0211】
・第1,第2実施形態において、サブパターンを決定した後、演出制御用CPU31aが、変動パターンに定められた変動サイクル数のうち、実行済みの変動サイクル数を計数するようにしても良い。そして、演出制御用CPU31aは、変動パターンに定められている変動サイクル数(最終回の変動サイクルを除く)から計数値を減算した値が、特殊変動内容で実行させる変動サイクルの残り回数と同一である場合、残りの変動サイクルは、全て特殊変動内容で実行させるようにしても良い。一方、変動パターンに定められている変動サイクル数(最終回の変動サイクルを除く)から計数値を減算した値が、特殊変動内容で実行させる変動サイクルの残り回数よりも多い場合、残りの変動サイクルは、通常変動内容で実行させても良いし、特殊変動内容で実行させても良い。
【0212】
・第1,第2実施形態において、特殊変動内容で実行させる変動サイクルの残り回数は、演出制御用RAM31cが内部的に記憶しているだけで、演出表示装置11においては、残り回数が如何なる値である場合であっても、保留図柄を1個しか表示させなくても良い。これによれば、遊技者は、少なくとも1回は変動サイクルが実行されて擬似連が継続することに対して安心することができるとともに、より多い回数の変動サイクルが実行されることにも期待を持たせることができる。
【0213】
・第1,第2実施形態における継続演出は、スベリ演出を経て継続図柄組み合わせが導出される態様としても良い。なお、スベリ演出とは、一旦停止表示させた飾図の一部又は全部を再変動させる演出を指す。このような演出態様とする場合、スベリ演出を経て継続図柄組み合わせが導出されることが、継続演出の成功となる。一方、スベリ演出自体は行われるが、再変動後、継続図柄組み合わせが導出されないことが、継続演出の失敗となる。
【0214】
・第1,第2実施形態において、継続演出としては、中列に特殊図柄を変動停止させるのではなく、数字図柄を用いて、予め定めた継続目を変動停止させるようにしても良い。例えば、「122」などを継続図柄組み合わせとする場合、リーチ状態(例えば、「1↓1」)を形成した後、右列の左図柄に対してスベリ演出が行われ、中列と右列に「2」が導出されたことを継続演出の成功とすることもできる。また、継続演出としては、最終停止列ではなく各列の何れかに特殊図柄を変動停止させるようにすることもできる。また、継続演出としては、各列の飾図の図柄組み合わせを用いないような演出としても良く、遊技者が変動サイクルの継続を把握し得る演出であれば変更しても良い。例えば、継続演出は、画面上に「もう1回」などのメッセージを画像表示させる演出でも良い。
【0215】
・第1,第2実施形態において、継続演出は、発光演出を行うランプの発光や、スピーカによる音声出力などとしても良い。
・第3実施形態において、加算予告演出が行われる場合、1回の加算予告演出で少なくともキャラクタを1人以上表示させるようにしても良い。また、特定パターンH5a,H6a,H6bなど、加算予告演出の実行回数が10回以上に定められた特定パターンが選択された際に、得点範囲として「0〜9」が選択された場合、得点範囲の再決定を行ったり、「0〜9」の範囲を超えて総得点を決定しても良い。
【0216】
・第3実施形態では、加算予告演出を変動サイクル単位で実行させても良い。
・第3実施形態において、演出制御用CPU31aは、得点範囲に収まるように総得点を決定するのではなく、総得点を一義的に決定しても良い。
【0217】
・第3実施形態では、各加算予告演出において、略均等にキャラクタが表示され得るようにしていたが、特定の加算予告演出で決定したキャラクタの大半を表示させ、その他の加算予告演出では、キャラクタを1人も表示させないようにするなどしても良い。
【0218】
・第3実施形態では、演出制御用CPU31aは、決定したコンボを構成するキャラクタの組み合わせによって、総得点の上限値を超える場合、すなわち、異なるコンボがさらに成立する場合には、再度、コンボを決定し直すようにしていた。その変更例として、総得点の上限値を超えないように定められたコンボの組み合わせを定めたパターンを定めても良い。これによれば、コンボを決定し直す必要がないので、制御負担を削減することができる。
【0219】
・第3実施形態において、キャラK1〜K25に関し、特定のキャラクタのみ得点を高くするなど得点を異ならせても良い。
・第3実施形態では、キャラクタの着ている服や装飾具などの付加価値の有無によって、同一のキャラクタが表示されている場合であっても得点を異ならせても良い。
【0220】
・第3実施形態では、1回目の加算予告演出が開始された以降、表示済みのキャラクタの有無を問わず、特定のコンボを構成し得るキャラクタを報知する態様であっても良い。つまり、1回目の加算予告演出が行われた時点では、どのキャラクタも表示されていないので、コンボを形成し得ないが、特定のコンボを構成し得るキャラクタが報知されていれば、遊技者は、どのキャラクタが表示されたらコンボが成立するのかを認識し易くなる。また、遊技者が操作可能な演出用操作ボタンを演出制御用CPU31aに接続し、演出用操作ボタンが操作される度に、異なるコンボを構成し得るキャラクタを報知できるようにしても良い。これによれば、複数のコンボを構成するために必要なキャラクタを認識させることができる。
【0221】
・第3実施形態では、加算予告演出の終了タイミングで図柄の変動を停止させず、扉Tが閉まることを加算予告演出の開始と定義しても良い。つまり、変動サイクルでは、図柄の変動や停止を必要とせず、開始演出(扉Tが閉まること)を含むものを「変動サイクル」としても良い。
【0222】
・第3実施形態は、大当り抽選の抽選結果を図柄組み合わせの導出で報知しなくても良い。例えば、大当り抽選に当選しているときには、遊技者を投影する味方キャラが敵キャラに勝利する画像を表示させる一方で、大当り抽選に当選していないときには、味方キャラが敵キャラに敗北する画像を表示させるなどして、大当り抽選の抽選結果を報知しても良い。
【0223】
・第3実施形態では、扉Tが閉鎖されることを加算予告演出の開始契機としたが、前回の加算予告演出との区切りを明確に報知することのできる態様であれば、どのような演出を加算予告演出の開始契機としても良い。例えば、画像表示部GHをホワイトアウトさせた後、新たな加算予告演出を実行させるなどしても良い。
【0224】
・各実施形態において、擬似連又は加算予告演出では、3列のうちいずれか1列が停止したことを変動サイクルの終了としても良い。
・各実施形態では、主制御用CPU30aが、特図指定コマンドに代えて、当りの種類を示す制御コマンドを出力しても良い。なお、この制御コマンドは、当りの種類毎に設定されたコマンドであって、特図の種類は特定できない。また、当りの種類毎に変動パターンを設定した場合には、変動パターン指定コマンドをもとに演出制御用CPU31aが、当りの種類を把握するようにしても良い。
【0225】
・各実施形態において、演出制御基板31を、演出表示装置11を制御する演出表示制御基板と、演出表示制御基板を制御するサブ統括制御基板とに分けても良い。
・各実施形態は、特図と飾図を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特図のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
【0226】
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)大当りか否かの大当り抽選を行う大当り抽選手段を備え、前記回数決定手段は、前記大当り抽選に当選しなかった場合に比して、前記大当り抽選に当選した場合に、前記継続演出を実行させずに連続予告演出を継続させる変動サイクル数として多い回数を決定し易
い。
【0227】
(ロ)前記継続演出は、予め定めた特定変動列において、大当り表示結果を形成する図柄とは異なる予告専用の特殊図柄を一旦停止表示させる態様で行われ
る。
【0228】
(ハ)複数種類の図柄の変動開始から確定停止までを1回とする図柄変動ゲームを表示する表示手段を備え、1回の図柄変動ゲームにおいて、図柄の変動開始から変動停止までを1回とする変動サイクルを複数回、連続して実行し、前記変動サイクルの実行回数によって予め定めた大当り表示結果が表示される可能性を報知する大当り期待度が変化する連続予告演出を実行可能な遊技機において、次回の変動サイクルが実行され、前記連続予告演出が継続することを報知する継続演出を継続演出実行手段に実行させる継続演出制御手段と、前記継続演出とは異なる態様で前記連続予告演出が継続することを報知する特定演出を特定演出実行手段に実行させる特定演出制御手段と、前記連続予告演出を前記表示手段にて実行させる演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記継続演出が実行された際には、次回の変動サイクルを開始させて前記連続予告演出を継続させる一方で、前記継続演出が実行されなかった場合であっても、前記特定演出が実行されているときには、次回の変動サイクルを開始させて前記連続予告演出を継続させることを特徴とする遊技機。
【0229】
(ニ)前記変動サイクルの実行回数を計測する計測手段を備え、前記継続演出制御手段は、前記変動パターンに定められている変動サイクル数から前記計測手段によって計測された計測値を減算した値が、前記継続演出を実行させずに前記連続予告演出を継続させる変動サイクル数の残り回数と同一である場合、残りの変動サイクルにおいて前記継続演出を実行させない一方で、前記変動パターンに定められている変動サイクル数から前記計測手段によって計測された計測値を減算した値が、前記継続演出を実行させずに前記連続予告演出を継続させる変動サイクル数の残り回数よりも多い場合、残りの変動サイクルにおいて前記継続演出を実行させる場合と、実行させない場合とがあ
る。
【0230】
(ホ)前記規定条件は、前記変動サイクルの実行回数として2回以上が決定されることであ
る。