【実施例】
【0013】
図面を参照しながら、実施例の食器洗浄機10について説明する。
図1に示すように、食器洗浄機10は、筺体12と、筺体12に収容可能な洗浄槽14を備える。筺体12は、その前部12aが開放されており、洗浄槽14を前後方向へスライド可能に支持している。洗浄槽14は、前方へスライドすることによって筺体12から引き出され、後方へスライドすることによって筺体12に収容される。洗浄槽14は、上部に開口14aを有しており、その内部に使用後の食器2を収容する。洗浄槽14の内部には、食器2を支持する食器かご16や、洗浄液を噴射しながら回転する洗浄ノズル18が設けられている。
【0014】
図1、
図2に示すように、筺体12は、天面12eと右壁12cと左壁12dと背壁12bとを備えており、互いに結合されることによって、洗浄槽14を収容する箱状体を形成している。筺体12には、一対のレール機構19が取り付けられている。一対のレール機構19は、洗浄槽14をスライド可能に支持している。なお、本実施例における筺体12の構成は一例であり、筺体12の構造は特定のものに限定されない。
【0015】
図2に示すように、食器洗浄機10は、可動蓋20を備えている。可動蓋20は、筺体12の内部に配置されており、洗浄槽14が筺体12に収容されたときに、洗浄槽14の開口14aを閉塞する。可動蓋20は、複数のリンク30を介して、筺体12に取り付けられている。一例ではあるが、本実施例では、可動蓋20の右側縁20cと左側縁20dのそれぞれに、二つのリンク30が配置されている。各々のリンク30は、ねじ40によって筺体12に取り付けられている。ねじ40は、段付きねじである。それにより、リンク30は、筺体12に対して回転可能に支持されている。また、リンク30は、可動蓋20に対しても回転可能に連結されている。可動蓋20とリンク30との連結構造については、後段において詳細に説明する。
【0016】
図3、
図4を参照して、可動蓋20及びリンク30の構造について詳述する。
図3に示すように、可動蓋20は、概して板状の蓋本体22と、蓋本体22の周囲に固定された枠体24を備えている。蓋本体22は、樹脂材料で形成されている。枠体24は、金属材料で形成されている。可動蓋20は、引っ張りばね42によって、前方に向けて付勢されている。なお、引っ張りばね42の図示省略された一端は、筺体12に固定されている。ここで、引っ張りばね42は、他の構造のばね、又はその他の弾性部材であってもよい。また、引っ張りばね42(又はそれに代わる付勢部材)は、リンク30を前記した一方方向へ付勢するものであってもよい。
【0017】
図4に示すように、リンク30は、板状のリンク本体32を備える。リンク本体32には、ねじ40のための穴34が設けられている。即ち、リンク30の回転中心は、穴34の位置となる。また、リンク本体32には、当接突起部36が設けられている。当接突起部36は、円筒状の突起である。当接突起部36は、洗浄槽14が筺体12へ収容されたときに、洗浄槽14の傾斜面14b(
図2参照)に当接する。傾斜面14bは、その法線方向が後方かつ下方を向く傾斜面であり、当接したリンク30を一方方向(リンク30の上部が後方へ移動する方向)へ回転させる。リンク30が一方方向へ回転すると、可動蓋20は後方かつ下方へ平行移動して、洗浄槽14の開口14aを閉塞する。
【0018】
一方、洗浄槽14が筺体12から引き出されると、洗浄槽14の傾斜面14bはリンク30の当接突起部36から離間する。その結果、リンク30は、引っ張りばね42の付勢力によって、他方方向(リンク30の上部が前方へ移動する方向)へ回転する。リンク30が他方方向へ回転すると、可動蓋20は前方かつ上方へ移動して、洗浄槽14の開口14aを開放する。このように、リンク30は、洗浄槽14のスライド運動に伴って揺動し、洗浄槽14の開口14aを可動蓋20によって開閉する。
【0019】
次に、可動蓋20とリンク30との連結構造について説明する。
図3に示すように、可動蓋20の枠体24には、リンク30と連結するリンク連結部26が一体に設けられている。リンク連結部26は、可動蓋20の右側縁20cと左側縁20dのそれぞれで、前後二箇所に設けられている。なお、可動蓋20は左右対称の構造を有しているので、
図3では可動蓋20の右側縁20cのみを図示している。リンク連結部26には、スリット28が設けられている。スリット28は、前後方向へ伸びており、その前方が開放されている。スリット28の開口部分28aは、その幅が徐々に拡大するテーパ形状を有している。
【0020】
一方、
図3、
図4に示すように、リンク30には、連結突起部38が設けられている。連結突起部38は、リンク本体32に一体に設けられている。連結突起部38は、板状のリンク本体32に対して垂直に伸びている。連結突起部38は、可動蓋20のスリット28に係合し、それによって、可動蓋20とリンク30とが回転可能に連結される。連結突起部38の先端には、スリット28の幅寸法よりも大きい頭部38aが形成されている。頭部38aは、連結突起部38の周方向の一部のみに形成されている。具体的には、上方に位置する半周部分には頭部38aが形成されているが、下方に位置する半周部分には頭部38aが形成されていない。また、連結突起部38aには、補強リブ38bが一体に形成されている。補強リブ38bは、連結突起部38に対して径方向へ板状に伸びている。
【0021】
上記のように、本実施例の食器洗浄機10では、リンク30に設けられた連結突起部38が、可動蓋20に設けられたスリット28に係合する構造となっている。このような構造であると、リンク30と可動蓋20との連結部分に、段付きねじ又はその他のねじ類を使用する必要がない。従って、リンク30に対して可動蓋20を着脱しやすく、食器洗浄機10の製造やメンテナンスを実施しやすい。
【0022】
上記した構造に関して、スリット28と連結突起部38の位置関係は、互いに入れ替えてもよい。即ち、スリット28をリンク30に設けるとともに、連結突起部38を可動蓋20に設けてもよい。また、スリット28は、連結突起部38と係合可能な穴であってもよい。連結突起部38が穴に係合する構造であっても、段付きねじ又はその他のねじ類を使用する必要をなくして、食器洗浄機10の製造やメンテナンスを容易にすることができる。
【0023】
また、本実施例の食器洗浄機10では、連結突起部38の先端に、スリット28の幅寸法よりも大きい頭部38aが形成されている。このような構成によると、スリット28に係合する突起部38が、スリット28から意図せず外れてしまうことが防止される。可動蓋20とリンク30とが強固に連結されることで、洗浄槽14の開口14aに可動蓋20を強く押し付ける構造とすることができ、洗浄槽14からの水漏れを確実に防止することができる。ただし、連結突起部38に頭部38aを設けることは、付加的な事項であり、必ずしも必要とされない。
【0024】
また、本実施例の食器洗浄機10では、スリット28と連結突起部38との係合が維持されるように、引っ張りばね42が可動蓋20を前方へ付勢する構造となっている。このような構成によると、スリット28に係合する突起部38が、スリット28から意図せず外れてしまうことが防止される。なお、引っ張りばね42は、可動蓋20に代えて、リンク30を付勢するものであってよい。この場合、引っ張りばね42がリンク30を後方へ付勢するように構成するとよい。また、引っ張りばね42は、付勢部材の一例であり、その他の弾性体であってもよい。
【0025】
図2に示すように、本実施例の食器洗浄機10では、筺体12からその天面12aを取り外すと、可動蓋20がリンク30に対して着脱可能となるように、筺体12の上部が開放されるように構成されている。このような構造であると、例えばメンテナンス時において、作業者は、筺体12を分解することなく、食器洗浄機10から可動蓋20を取り外したり、取り付けたりすることができる。従って、スペースの限られたキッチンなどでも作業しやすい。
【0026】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0027】
なお、上記した説明では省略したが、本実施例の食器洗浄機10は、従来の食器洗浄機と同じく、洗浄液の循環ポンプ、ヒータ、送風ファン、電磁バルブ、各種のセンサ、及びそれらの動作を制御するコンピュータなどを備えている。
【0028】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。