特許第5849076号(P5849076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5849076ドライブスルー用金融店舗の車両の誘導方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5849076
(24)【登録日】2015年12月4日
(45)【発行日】2016年1月27日
(54)【発明の名称】ドライブスルー用金融店舗の車両の誘導方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20160107BHJP
   E04H 3/02 20060101ALI20160107BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20160107BHJP
【FI】
   G08G1/09 A
   E04H3/02 C
   G06Q50/10
【請求項の数】1
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-195675(P2013-195675)
(22)【出願日】2013年9月20日
(65)【公開番号】特開2015-60534(P2015-60534A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2014年8月11日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 特許法第30条第2項適用、平成25年4月15日株式会社大垣共立銀行ながくて出張所において開催されたながくて出張所オープン記念展示会で発表
(73)【特許権者】
【識別番号】595154409
【氏名又は名称】株式会社大垣共立銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】土屋 嶢
【審査官】 高田 基史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−049990(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0035643(US,A1)
【文献】 特開平07−272065(JP,A)
【文献】 特開2005−340871(JP,A)
【文献】 特開2012−118798(JP,A)
【文献】 特開2011−059745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00−99/00
E04H 3/00− 4/16
G06Q 50/00−50/34
G07D 1/00
3/00
9/00
9/04
G07G 1/00− 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓口部を側面に備えた建物と、前記建物の周囲を車両が走行可能に形成された通行部であって、前記建物の窓口部に対応して設けられた窓口対応領域及び車両が待機する待機領域を含む通行部と、前記通行部に進入する車両に案内を行う案内部と、前記待機領域に待機する車両の前記窓口対応領域への進入を抑制及び抑制の解除を行う進入抑制装置を有するドライブスルー用金融店舗における車両の誘導方法であって、
前記通行部に進入する車両に対して、前記窓口部が受付可能または受付不能である状態に応じて、前記案内部にて、前記窓口部または前記待機領域にそれぞれ誘導し、前記待機領域に誘導した場合には、前記進入抑制装置により前記窓口部への進入を抑制し、
前記待機領域に誘導した後、前記受付不能の窓口部が受付可能に変わった場合、新たに通行部へ進入する車両に対する前記受付可能に変じた窓口部への前記案内部の案内を無効化するとともに、前記進入抑制装置の進入抑制を解除して、前記待機領域に待機していた車両を、新たに進入した車両よりも優先して前記受付可能に変わった前記窓口部の窓口対応領域に誘導するドライブスルー用金融店舗における車両の誘導方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブスルー用金融店舗の車両の誘導方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ファーストフード店等の店舗では、ドライブスルー用店舗が公知である(特許文献1〜4)。特許文献1のドライブスルー用店舗は、道路沿いに設けられたメニューボードを備えた操作パネルと、前記操作パネルで注文した商品を渡すファーストフード設備の取出し窓を備えた建物が設けられている。
【0003】
特許文献1では、商品の注文場所と商品の渡し場所を2箇所設けるだけであるため、一般的には直線の道路を設けるだけで済む利点がある。なお、特許文献1において、商品の料金の支払いは、前記商品の渡し場所で現金で行うか、前記操作パネルに設けられたクレジットカード読み取り手段でクレジットカードを読み取りさせて行うようにしている。
【0004】
特許文献2のドライブスルー用店舗では、平面略四角形状の家屋の3つの側面に予約カード発行手段、精算手段及び商品受け渡し部を設けるようにしている。そして、前記家屋の周囲に設けた道路に車を走らせて、商品の注文、精算及び商品渡しを順次行うようにしている。
【0005】
特許文献3のドライブスルー用店舗は、金融機関の店舗にATM(現金自動預け払い機)、或いはCD(現金自動払い出し機)等の現金自動取引装置を配置して、ドライブスルーで、前記自動取引装置を使用可能にしたものである。
【0006】
特許文献4は、店舗側面部に受付窓口を有するとともに店舗背面部に受渡窓口を有する調剤薬局と、調剤が出来上がるまで車内で顧客が待つための駐車場を設けた調剤薬局が提案されている。特許文献4では、調剤時間の間、顧客が駐車場で待機できる利点がある。また、特許文献5では、受付窓口でPHSまたは携帯電話を貸して、顧客の車両を駐車場で駐車させて、店舗からの指示があるまで待ってもらうようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表昭63−502702号公報
【特許文献2】特開2001−214628号公報
【特許文献3】特開2002−42206号公報
【特許文献4】特開2004−44084号公報
【特許文献5】特開2003−199808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、金融店舗では特許文献3のように現金自動取引装置をドライブスルーに対応できるようにしたものが提案されているが、金融機関の窓口をドライブスルーで対応可能にしたものは提案されていない。しかし、金融機関の店舗においても、ドライブスルーで窓口業務のサービスを受けたいとする顧客の要望がある。しかしながら、従来においてもドライブスルーではない金融機関では、店内の受付窓口で各種の処理を依頼した場合でも、処理時間を要する場合が多い。このため、金融機関の店舗をドライブスルー用店舗にする場合、必然的に車の待機場所である駐車場が必要となる。このため、駐車場が用意されていない特許文献1、2の店舗よりも特許文献3、4のような駐車場が用意された店舗型の方が、金融機関でのドライブスルー用店舗によりふさわしい。ところが、特許文献3,4で提案されている店舗では、呼び出しが掛けられて駐車場から出る車両と、店舗のドライブスルー用の道路に新たに進入する車両との干渉防止のための提案はなされていない。
【0009】
本発明の目的は、新たに通行部へ進入しようとする車両と、待機領域に待機していた車両との干渉を抑制することができるドライブスルー用金融店舗の車両の誘導方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題点を解決するために、ドライブスルー用金融店舗における車両の誘導方法は、窓口部を側面に備えた建物と、前記建物の周囲を車両が走行可能に形成された通行部であって、前記建物の窓口部に対応して設けられた窓口対応領域及び車両が待機する待機領域を含む通行部と、前記通行部に進入する車両に案内を行う案内部と、前記待機領域に待機する車両の前記窓口対応領域への進入を抑制及び抑制の解除を行う進入抑制装置を有するドライブスルー用金融店舗における車両の誘導方法であって、前記通行部に進入する車両に対して、前記窓口部が受付可能または受付不能である状態に応じて、前記案内部にて、前記窓口部または前記待機領域にそれぞれ誘導し、前記待機領域に誘導した場合には、前記進入抑制装置により前記窓口部への進入を抑制し、前記待機領域に誘導した後、前記受付不能の窓口部が受付可能に変わった場合、新たに通行部へ進入する車両に対する前記受付可能に変じた窓口部への前記案内部の案内を無効化するとともに、前記進入抑制装置の進入抑制を解除して、前記待機領域に待機していた車両を、新たに進入した車両よりも優先して前記受付可能に変わった前記窓口部の窓口対応領域に誘導するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、新たに通行部へ進入しようとする車両と、待機領域に待機していた車両との干渉を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明を具体化した一実施形態のドライブスルー用金融店舗の斜視図。
図2】一実施形態のドライブスルー用金融店舗の平面図。
図3】一実施形態のドライブスルー用金融店舗における通行部の説明図。
図4】案内システムの電気ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化したドライブスルー用金融店舗の車両の誘導方法の一実施形態を図1図4を参照して説明する。
図1図4に示すようにドライブスルー用金融店舗(以下、単に店舗という)は、金融機関の建物10と、建物10の四方周囲を囲むように配置された通行部20を備えている。図1図4に示すように建物10は、平面略四角形状に形成されている。建物10の互いに反対方向に位置する一対の側面には、第1窓口部30、第2窓口部40が設けられている。第1窓口部30及び第2窓口部40は、金融機関の職員が、ドライブスルーで利用する顧客に窓口業務を提供するためのものである。建物10の残りの二側面のうち、一側面には、建物10内の図示しないロビーに入るための玄関ドア12が設けられている。図示はしないが前記ロビーには、窓口業務を行うための窓口及びATM(現金自動預け払い機)が設けられている。
【0019】
図3に示すように通行部20は、窓口通路22A,22B、待機通路24及び待機領域60を有する。図3に示すように、待機通路24及び待機領域60とにより、建物10の周囲全体を車両が走行可能にループ状の一方通行の通路が形成されている。図2及び図3に示すように待機領域60は、相互に平行に配置された複数の駐車領域50,52及び通行領域54を介して建物10の玄関ドア12を有する側面と離間し、かつ、これらの領域と平行に配置されている。また、通行領域54は、駐車領域52と待機領域60の間に配置されている。なお、待機領域60は、必ずしも前記他の領域、或いは建物10側面と平行で有る必要はなく、斜めであってもよい。
【0020】
待機通路24及び通行領域54により、建物10の周囲全体を車両が走行可能にループ状をなす一方通行の通路が形成されている。図3に示すように窓口通路22Aは、待機領域60、通行領域54、駐車領域52,50の前方を横切って配置された部位と、第1窓口部30に対応する領域(窓口対応領域32)に向かう部位を有するように延出されている。なお、図2に示すように、窓口通路22Aの始端には、通路上に「窓口1」の案内文字とともに案内矢印Aを先端に有する点線が案内線として印されている。
【0021】
図3に示すように窓口通路22Bは、待機領域60、通行領域54、駐車領域52,50の前方を横切って配置された部位と、建物10の背面に沿った部位と、第2窓口部40に対応する領域(窓口対応領域42)に向かう部位を有するように延出されている。また、図2に示すように、窓口通路22Bである建物10の背面に沿った部位には通路上に案内文字「窓口2」とともに、窓口2(第2窓口部40)を案内する案内矢印Cが印されている。また、図2に示すように、符号Dは、待機通路24上に印された「出口」、「駐車レーン」、「待機レーン」の案内矢印である。符号Eは、待機通路24上に印された「待機レーン」の案内矢印である。符号Fは、待機通路24に上に印された「駐車レーン」の案内矢印である。また、符号Gは、待機通路24に上に印された「出口」へ向かう通路を案内する案内矢印であり、前記矢印は通行領域54に向いている。なお、前記駐車レーンは、明細書上では「駐車領域」のことを意味している。また、「待機レーン」は、待機領域のことを意味している。
【0022】
図3に示すように待機通路24は、待機領域60、通行領域54、駐車領域52,50の前方を横切って配置された部位と、窓口対応領域32、窓口通路22B及び窓口対応領域42を迂回する部位と、前記迂回する部位から待機領域60に向かう部位を有する。図2に示すように、本実施形態では、待機通路24及び窓口通路22Bの始端には、通路上に「窓口2」、「待機レーン」及び「出口」の案内文字とともに、案内矢印Bを先端に有する点線が案内線として印されている。なお、窓口通路22A,22B及び待機通路24において、待機領域60、通行領域54、駐車領域52,50の前方を横切って配置された部位は、共通であってもよく、相互に平行に配置されていてもよい。
【0023】
また、図2に示すように、建物10の第1窓口部30側の側面から外方に離間した位置であって、窓口通路22A、22B、待機通路24を挟む領域には、一対のATM(現金自動預け払い機)62,64が離間して配置されている。図2図3に示すように前記店舗の敷地周辺には、外部の道路から通行部20に車両が進入するための進入部70が設けられている。本実施形態では進入部70は、外部の道路から進入した車両を通行部20に案内する案内路となっている。また、図3に示すように進入部70の終端は、通行部20及びATM(現金自動預け払い機)の誘導路80,82に接続されている。
【0024】
前記誘導路80は、図3に示すように、窓口対応領域32の外側の窓口通路22B、待機通路24の外周側に沿って設けられていて、ATM62の装置対応領域63に車両を誘導する。また、誘導路82は、図3に示すように、誘導路80の外側に沿って設けられていて、ATM64の装置対応領域65に車両を誘導する。図3に示すように誘導路80,82の終端は、それぞれ待機通路24に接続される。また、図2図3に示すように前記店舗の敷地周辺には、待機通路24から前記外部の道路へ案内する退出部90が設けられている。本実施形態では退出部90は、外部の道路へ退出する車両を出すための出口となっている。なお、図3図4に示すように、店舗の前記通路上の適宜位置には、車両の一旦停止を促す停止線L1〜L7が印されている。
【0025】
(案内システム)
次に、前記店舗が備える案内システムの構成を図4の電気ブロック図を参照して説明する。図4に示すように案内システムは、店舗内に設けられた制御部100と、前記制御部100に接続された待機センサ120、第1窓口センサ130、第2窓口センサ140、電光表示器150,160及びストッパ装置170を備える。また、前記制御部100には第1窓口部30の職員が操作する操作部200及び第2窓口部40の職員が操作する操作部300が接続されている。ここでストッパ装置170は、進入抑制装置に相当する。電光表示器150は案内部に相当する。操作部200、300は対応状態入力部に相当する。
【0026】
図2図3に示すように入口センサ110は、進入部70の入口に設けられていて、進入部70の入口から店舗内の敷地に入った車両及び人を検出する。入口センサ110は、例えば透過型センサ、または反射型センサ等により構成されているが限定されるものではない。入口センサ110が車両及び人を検出すると、第1窓口部30及び第2窓口部40にそれぞれ設けられた図示しないブザーが鳴動して、進入部70に人または車両が入ったことを各窓口部の職員に知らせる。図2図3に示すように待機センサ120は、待機領域60の近辺に設けられていて、待機領域60内での車両の有無を検出する。待機センサ120も同様に例えば透過型光センサ、反射型光センサ、または超音波センサ等により構成されているが限定されるものではない。待機センサ120は検出部に相当する。
【0027】
第1窓口センサ130、及び第2窓口センサ140は、建物10の側面、軒下等に設けられていて、それぞれ窓口対応領域32、42での車両の有無を検出する。第1窓口センサ130、及び第2窓口センサ140を設ける場所は、それぞれの窓口部の窓口対応領域32、42に車両の有無を検出可能な場所であれば限定されない。図3では、第1窓口センサ130、及び第2窓口センサ140がそれぞれ軒下に設けられている例が示されている。両センサ130,140は、透過型光センサ、反射型光センサ、超音波センサ等により構成されているが限定されるものではない。図3に示すように、電光表示器150は進入部70と、窓口通路22A,22B,待機通路24との接続部位の周辺に設けられており、前記接続部位に到着した車両を案内する。また、図3に示すように、電光表示器160は、待機領域60の近辺に設けられている。電光表示器160はその表示面が待機領域60に向けられており、前記表示面に各種情報を表示して待機領域60に待機している車両に報知する。前記各種情報には、少なくとも案内情報が含まれている。また、図4に示すように電光表示器160には、スピーカ162を備えている。電光表示器160は報知部に相当する。図2図3に示すようにストッパ装置170は、待機領域60において車両の前進方向の終端近辺に設けられている。ストッパ装置170は、図示しない駆動モータを備え、前記駆動モータが作動すると伝達機構を介して可動部材としてのバー172を揺動する。すなわち、図4に示すようにバー172は、前記駆動モータが前記制御部100により制御されることにより、実線で示す車両の前進を防止する防止位置と、二点鎖線で示す車両の移動を許容する許容位置のいずれかの位置変更が可能である。
【0028】
また、待機領域60に近位の場所または建物10には、図示はしないがモニタカメラが設けられている。前記モニタカメラが第1窓口部30及び第2窓口部40に設けられた図示しない表示装置に撮像した画像を表示することにより、各窓口部にいる職員が目視で待機領域60に車両が待機しているか否かの確認が可能とされている。
【0029】
次に、図4を参照して操作部200について説明する。なお、操作部300は操作部200と同じ構成のため、以下の説明中で、操作部300に関しては、「第1窓口部30」、「第1窓口センサ130」と記述されている箇所は、「第2窓口部40」、「第2窓口センサ140」とそれぞれ読み替えて頂きたい。操作部200は、例えば操作ボックス202に設けられた受付可能ボタン210、呼び出しボタン220、処理中ボタン230、終了ボタン240及び表示灯250を備えている。受付可能ボタン210は、第1窓口部30が受付可能なときにオン操作される。表示灯250は、待機待ち報知部に相当する。呼び出しボタン220は、待機領域60にいる車両を呼び出す場合にオン操作される。処理中ボタン230は、当該第1窓口部30が窓口業務を処理する場合にオン操作される。なお、制御部100は、処理中ボタン230がオン操作されない場合であって、受付可能ボタン210または呼び出しボタン220がオン操作されている場合に、第1窓口センサ130が車両の検出をした場合には、制御部100は、処理中ボタン230がオン操作された場合と同様の制御を行う。このように処理中ボタン230のオン操作がされていた場合、または窓口センサが車両を検出した場合は、窓口部では新たな顧客のための受付不能である状態である。また、終了ボタン240は、窓口部を閉鎖し、前記ロビーで受付する場合にオン操作するためのものである。
【0030】
(実施形態の作用)
次に、上記のように構成された店舗に車両が入ってきた場合の案内の仕方を説明する。説明の便宜上、まず、車両が店舗内にない場合について説明する。この場合、制御部100は、待機領域60のバー172を防止位置に位置させている。
【0031】
(1.第1窓口部30及び第2窓口部40に車両が停車していない場合)
店舗に顧客の車両がない場合、第1窓口部30及び第2窓口部40に車両が停車していないため、すなわち、窓口業務が行われていないため、第1窓口部30及び第2窓口部40の操作部200,300の受付可能ボタン210がオン操作されている。このオン操作によって、制御部100は、第1窓口部30及び第2窓口部40の対応状態が、「受付可」であることを把握する。
【0032】
この場合、制御部100は、受付可能ボタン210のオン操作に基づいて電光表示器150の表示面に、進入部70に最も近い窓口に案内情報を表示する。本実施形態では、進入部70に最も近い窓口を案内するため、第1窓口部30である、「窓口1」を前記案内情報としては、例えば、電光表示器150は、「「窓口1へ」と「窓口1へお進み下さい」」の表示を交互に行う。表示の仕方は、前記案内情報を交互に行うことに限定されるものではなく、いずれか一方のみを表示するようにしてもよい。なお、案内する窓口として、進入部70に最も遠い第2窓口部40であってもよい。この場合は、電光表示器150での上記表示の「窓口1」を、「窓口2」に代えればよい。話を元に戻して、電光表示器150による案内情報(「窓口1へ」等)による案内及び図2の窓口通路22Aの通路上の案内矢印Aに従って、車両は、窓口通路22Aを通って、第1窓口部30の窓口対応領域32に移動する。
【0033】
この後、第1窓口センサ130が窓口対応領域32に移動した前記車両を検出するか、或いは、第1窓口部30の職員が操作部200の処理中ボタン230をオン操作すると、制御部100は、第1窓口部30の対応状態が、「処理中」であることを把握する。第1窓口部30において、職員は車両に搭乗している顧客と応対し、窓口業務を提供する。この窓口業務に時間を要すると職員が判断したときは、職員は、PHS等の携帯電話を顧客に渡して、駐車領域50,52で待機していただくように案内を行う。
【0034】
この場合、顧客は、図3に示す窓口通路22Aから待機通路24を通って、駐車領域50,52で車両を駐車させる。第1窓口部30からの前記PHS等の携帯電話で呼び出しがあると、顧客は車両を駐車領域50,52から出して、再び、第1窓口部30の窓口対応領域32に停車して、窓口業務の提供を受けて、前記PHS等の携帯電話を返還した後、車両を待機通路24を通って、退出部90(出口)から出る。
【0035】
第1窓口部30の職員は、窓口対応領域32から車両が出ると、操作部200の受付可能ボタン210をオン操作する。このオン操作により、制御部100は、第1窓口部30の対応状態が、「受付可」であることを把握する。
【0036】
なお、上記説明では、第1窓口部30からの前記PHS等の携帯電話で呼び出しがある場合で説明したが、場合によっては、第2窓口部40から前記PHS等の携帯電話で呼び出しする場合がある。この場合は、顧客は車両を駐車領域50,52から出して、第2窓口部40の窓口対応領域42に車両を停車して、窓口業務の提供を受けるとともに前記PHS等の携帯電話を返還する。この後、顧客は車両を待機通路24、通行領域54、及び待機通路24を走行させて、退出部90(出口)から出る。
【0037】
(2.第1窓口部30が処理中で、第2窓口部40が受付可の場合)
この場合、第1窓口部30の操作部200の処理中ボタン230がオン操作されているか、或いは、第1窓口センサ130の車両の検出により、制御部100は、第1窓口部30の対応状態が「処理中」であることを把握する。一方、第2窓口部40の操作部300の受付可能ボタン210がオン操作されているため、制御部100は、第2窓口部40の対応状態が「受付可」であることを把握する。
【0038】
この場合、制御部100は、第1窓口部30及び第2窓口部40の対応状態に基づいて、第2窓口部40が受付可となっているため、電光表示器150の表示面に、第2窓口部40への案内情報を表示する。具体的には、例えば、電光表示器150は、「「窓口2へ」と「窓口2へお進み下さい」」の表示を交互に行う。表示の仕方は、前記案内情報を交互に行うことに限定されるものではなく、いずれか一方のみを表示するようにしてもよい。電光表示器150による案内情報(「窓口2」へ等)による案内及び図2の待機通路24上の案内矢印B,Cに従って、車両は、待機通路24(窓口通路22B)を通って、第2窓口部40の窓口対応領域42に移動する。
【0039】
この後、第2窓口センサ140が窓口対応領域42に移動した前記車両を検出するか、或いは、第2窓口部40の職員が操作部300の処理中ボタン230をオン操作すると、制御部100は、第2窓口部40の対応状態が、「処理中」であることを把握する。第2窓口部40において、職員は車両に搭乗している顧客と応対し、窓口業務を提供する。この窓口業務に時間を要すると職員が判断したときは、職員は、PHS等の携帯電話を顧客に渡して、駐車領域50,52で待機していただくように案内を行う。
【0040】
この場合、顧客は、図3に示す窓口通路22Bを通って、駐車領域50,52で車両を駐車させる。前記PHS等の携帯電話で呼び出しがあると、顧客は車両を駐車領域50,52から出して、再び、第2窓口部40の窓口対応領域42に停車して、窓口業務の提供を受けて、前記PHS等の携帯電話を返還する。この後、顧客は通路上の案内矢印Cに従って、車両を通行領域54に通過させ、この後、待機通路24を通って、退出部90(出口)から出る。第2窓口部40の職員は、窓口対応領域42から車両が出ると、操作部300の受付可能ボタン210をオン操作する。このオン操作により、制御部100は、第2窓口部40の対応状態が、「受付可」であることを把握する。
【0041】
(3.第1窓口部30が受付可で、第2窓口部40が処理中の場合)
この場合は、第1窓口部30の操作部200の受付可能ボタン210がオン操作されているため、制御部100は、第1窓口部30の対応状態が「受付可」であることを把握する。一方、第2窓口部40の操作部300の処理中ボタン230がオン操作されているか、或いは、第2窓口センサ140の車両の検出により、制御部100は、第2窓口部40の対応状態が「処理中」であることを把握する。
【0042】
制御部100は、第1窓口部30及び第2窓口部40が上記の対応状態の場合は、前記(1.第1窓口部30及び第2窓口部40に車両が停車していない場合)と同様の処理を行って、進入部70に来た車両を第1窓口部30に誘導(案内)する。第1窓口部30に来た車両の顧客の対応は、(1.第1窓口部30及び第2窓口部40に車両が停車していない場合)と同じであるため、説明を省略する。
【0043】
(4.両窓口部30,40の両方に車両が停車している場合)
この場合は、両窓口部30,40の操作部200,300の処理中ボタン230がオン操作されているか、或いは両窓口センサ130、140の車両の検出により、制御部100は両窓口部30,40の対応状態が「処理中」であることを把握する。制御部100は、前記両窓口部の対応状態に基づいて電光表示器150の表示面に案内情報として「待機レーンにお進み下さい」を表示する。
【0044】
図2に示すように、この案内情報の提示により、車両は待機通路24、案内矢印B、D、E、Gに従って走行し、待機領域60内に入って待機する。待機領域60内に入ると、待機センサ120が待機領域60内の車両を検出し、この検出に基づいて、制御部100は、操作部200,300の表示灯250を点灯する。この表示灯250の点灯により、第1窓口部30、及び第2窓口部40のそれぞれの職員に対して待機領域60に待機している車両が存在することを報知する。待機領域60に待機する車両は、ストッパ装置170のバー172が進入防止位置に位置しているため、バー172が許容位置に位置するまでは、待機領域60から前進して移動することが抑制(進入抑制)されている。ストッパ装置170の待機領域60に待機する車両の待機通路24への進入抑制により、当該待機領域60からの車両と進入部70から新たに来た車両との干渉が抑制できる。
【0045】
この後、第1窓口部30、第2窓口部40のうちいずれか一方の窓口部において、職員が操作部200,300の呼び出しボタン220をオン操作すると、制御部100はこの操作に基づいて、呼び出しボタン220が操作された窓口部への誘導情報を電光表示器160に表示する。具体的には、操作部200の呼び出しボタン220がオン操作された場合は、制御部100により、電光表示器160は、例えば、「窓口1へ」と「窓口1へお進み下さい」の表示を交互に行う。或いは、操作部300の呼び出しボタン220がオン操作された場合は、制御部100により、電光表示器160は、例えば、「窓口2へ」と「窓口2へお進み下さい」の表示を交互に行う。これらの表示の仕方は、前記案内情報を交互に行うことに限定されるものではなく、いずれか一方のみを表示するようにしてもよい。また、制御部100は、電光表示器160のスピーカ162から誘導情報として「窓口1(または窓口2)へお進み下さい」の音声案内を行わせる。このような誘導情報の報知によって、待機領域60に待機している車両の顧客に、空いている窓口部への誘導が行われる。また、制御部100は、電光表示器160の前記誘導情報の報知と同時、或いは相前後して、ストッパ装置170の図示しない駆動モータを駆動してバー172を進入防止位置から許容位置へ移動させて、進入抑制を解除する。
【0046】
このバー172の許容位置への移動により、待機領域60で待機していた車両は、空いている窓口部への走行が許容される。待機領域60から移動した車両の走行は、誘導情報により示された窓口部への通行部を通って行われる。
【0047】
(5.ATM62,64の使用を希望する車両がある場合)
図3に示すように進入部70に進入した車両の顧客がドライブスルー用のATMを利用する場合は、車両は、誘導路80または誘導路82を走行して、ATM62、64の装置対応領域63、65のいずれかまで移動する。ATM62、64の利用が終了した場合、車両は、誘導路80または誘導路82から待機通路24を通って、退出部90(出口)から出る。
【0048】
(6.ロビー内のATM、または窓口を希望する車両がある場合)
顧客が、建物10内のロビーに設けられた図示しないATM、または窓口を利用する場合は、進入部70、待機通路24上の案内矢印B,D,Fの案内を受けた上で、車両を駐車領域50,52に駐車する。ロビーでの用件が終了した後は、車両は駐車領域50,52から、再び待機通路24の一部を通って退出部90(出口)から出る。なお、天気等の影響等により第1窓口部30及び第2窓口部40で窓口業務が行えない場合は、操作部200,300の終了ボタン240がオン操作される。このオン操作に基づいて制御部100の制御により、電光表示器150、160はその表示面にドライブスルー窓口が閉鎖中である旨と店舗内の窓口へ顧客を誘導する旨の表示を行う。
【0049】
さて、本実施形態によれば、以下のような特徴がある。
(1)本実施形態の店舗における車両の誘導方法は、通行部20に進入する車両に対して、第1窓口部30、第2窓口部40(窓口部)が受付可能または受付不能である状態に応じて、電光表示器150(案内部)にて第1窓口部30、第2窓口部40(窓口部)または待機領域60に誘導する。また、待機領域60に車両を誘導した場合には、誘導した車両に対して、ストッパ装置170(進入抑制装置)により第1窓口部30、第2窓口部40への進入を抑制する。待機領域60に誘導した後、受付不能の第1窓口部30、第2窓口部40が受付可能に変わった場合、新たに通行部20へ進入する車両に対する前記受付可能に変じた第1窓口部30、第2窓口部40への電光表示器150の案内を無効化する。そして、ストッパ装置170の進入抑制を解除して、待機領域60に待機していた車両を受付可能に変じた第1窓口部30、第2窓口部40の窓口対応領域32,42に誘導する。この結果、本実施形態によれば、新たに通行部へ進入しようとする車両と、待機領域に待機していた車両との干渉を抑制することができる。すなわち、待機領域に待機していた車両が呼び出し受ける場合は、新た通行部に進入しようとする窓口部への車両の案内が無効化されているため、受付可能となった窓口部から呼び出された車両が前記窓口部に移動しても新たに通行部に進入する車両を抑制できるため、相互の車両の干渉が抑制できる。
【0050】
(2)本実施形態の店舗は、第1窓口部30、第2窓口部40(窓口部)を側面に備えた建物10を有する。また、店舗には、建物10の周囲を車両が走行可能に形成された通行部であって、建物の第1窓口部30、第2窓口部40に対応して設けられた窓口対応領域32、42及び車両が待機する待機領域60を含む通行部20を有する。また、店舗には、通行部20に進入する車両に案内を行う電光表示器150(案内部)と待機領域60に待機する車両の窓口対応領域32、42への進入を抑制及び抑制の解除を行うストッパ装置170(進入抑制装置)を有する。この結果、本実施形態の店舗は、上記(1)の方法に使用することができる。
【0051】
(3)本実施形態の店舗は、通行部20に外部から車両が進入する進入部70を備える。また、通行部20は、進入部70と接続されるとともに窓口対応領域32,42に向かう窓口通路22A、22Bと、進入部70と接続されるとともに窓口対応領域22A、22Bの外側を迂回して待機領域60に向かう待機通路24を有する。また、前記店舗は、待機通路24と待機領域60とにより建物10の周囲全体を車両が走行可能なループ状の通路が形成されている。この結果、本実施形態によれば、建物の周囲全体を車両が走行可能なループ状の通路を有することにより、外部から通行部への進入及び通行部から出るルートの配置を容易にできる。
【0052】
(4)本実施形態の店舗は、待機領域60が建物10から離間して配置されている。また、待機領域60と建物10との間には、車両が駐車可能な駐車領域50,52が設けられている。この結果、待機領域と建物の間に駐車領域が設けられていることにより、駐車領域に駐車した車両と建物間を出入りする人が、通行部を通る車両により邪魔されることがない。
【0053】
(5)本実施形態の店舗は、待機領域60に車両が存在するか否かを検出する待機センサ120(検出部)と、待機領域60の車両に対して報知する電光表示器160(報知部)を備える。また、前記店舗は、第1窓口部30、第2窓口部40(窓口部)に設けられ、当該第1窓口部30、第2窓口部40の対応状態を入力する操作部200、300(対応状態入力部)を備える。また、操作部200、300により対応状態が受付可能である旨の入力がされた際、待機センサ120(検出部)の検出結果が前記待機領域に車両の存在を示す場合は電光表示器160に窓口部30、窓口部40への誘導情報を報知させる制御部100を備える。この結果、本実施形態によれば、待機領域に待機している車両に対して、受付可能となった窓口部への誘導情報を提供することができる。
【0054】
(6)また、制御部100は、通行部20に進入する車両に対し第1窓口部30、第2窓口部40が受付可能または受付不能である状態に応じて、電光表示器150にて、第1窓口部30、第2窓口部40または待機領域60にそれぞれ誘導する。また、待機領域60に車両を誘導した場合には、ストッパ装置170(進入抑制装置)により第1窓口部30、第2窓口部40への進入を抑制する。この結果、窓口部の対応状態に応じて、窓口部または待機領域に新たに通行部に進入した車両に対して案内できる。
【0055】
(7)また、第1窓口部30、第2窓口部40(窓口部)には、表示灯250(待機待ち報知部)を備えている。また、制御部100は、待機センサ120(検出部)の検出結果が待機領域60に車両の存在を示す場合は表示灯250(待機待ち報知部)にて待機待ち車両があることを報知させる。この結果、窓口部の職員は、待機待ち車両があることを知った上で窓口部の対応状態を入力する対応状態入力部に、受付可能である旨の入力を行うことができ、かつ、制御部により待機する車両に誘導情報を表示することができる。
【0056】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では窓口部は2つ設けられているが、2つに限定するものではなく、建物10の側面に、1つ又は、3つ以上設けてもよい。この場合、通行部には同様に窓口対応領域が設けられ、その窓口対応領域に向かう通路を設ければよい。
【0057】
・前記実施形態では、進入部70を案内路としたが、進入部70を外部の道路から敷地内に入るための入口としてもよい。
・前記実施形態では進入抑制装置として、ストッパ装置170としたが、警告装置であってもよい。この場合、窓口部への案内がない状態で、車両が待機領域60からの移動を検出するセンサを設ける。前記センサは、例えば待機領域60の車両の後部を検出する可能な距離センサとし、車両の前進により車両の後部が検出されなくなった場合、車両が前進したことが検出できる。前記センサが車両の待機領域60からの移動を検出すると、制御部100は、電光表示器160を警告装置として移動しないように警告表示を行う。
【0058】
・操作部200,300の表示灯250の代わりに、例えば液晶表示装置等のディスプレイを待機待ち報知部としてもよい。すなわち、このディスプレイにて待機領域60に待機車両が存在することを表示するようにしてもよい。また、報知部として、スピーカであってもよい。この場合、確認スイッチを押すと、スピーカから、検出部である待機センサ120からの検出結果に応じて、車両が待機領域60に有る場合は、その旨をスピーカで報知する。
【0059】
・また、前記実施形態では、表示灯250を操作部200,300に設けたが、操作部200,300に限定するものではなく、窓口部において、職員が確認できる場所であればよい。
【0060】
・前記実施形態では、電光表示器160に誘導情報を表示面に表示させるとともに、スピーカ162により誘導情報を報知するようにしたが、いずれか一方のみを行うようにしてもよい。例えば電光表示器160を省略して、ストッパ装置170にスピーカ162を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10…建物、20…通行部、22A,22B…窓口通路、24…待機通路、
30…第1窓口部、32…窓口対応領域、40…第2窓口部、42…窓口対応領域、
50,52…駐車領域、60…待機領域、70…進入部、100…制御部、
110…入口センサ、120…待機センサ(検出部)、
150…電光表示器(案内部)、160…電光表示器(報知部)、
170…ストッパ装置(進入抑制装置)、172…バー(可動部材)、
200、300…操作部(対応状態入力部)、210…受付可能ボタン、
220…呼び出しボタン、230…処理中ボタン、240…終了ボタン、
250…表示灯(待機待ち報知部)。
図1
図2
図3
図4