(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のアノードガイドの各々の最上表面は、前記上部の前記頂点の表面より高いが、前記煙突構造の表面より低い、請求項1から6のいずれかに記載のアノードシュラウド。
前記内側管の外側表面および前記外側管の内側表面は、前記本体部分の前記オフガス収集空洞に至る環状空間を画定し、前記煙突構造は、前記環状空間が、前記オフガス収集空洞からのオフガスを希釈し、冷却し、除去するために、スイープガスを前記本体部分の前記オフガス収集空洞内に流すための入口経路を提供するように構成される、請求項1から7のいずれかに記載のアノードシュラウド。
前記本体部分は、前記上部の1つまたは複数の傾斜の下に、前記頂点から前記上部の基部まで延在する1つまたは複数の内部チャネルを含む、請求項8に記載のアノードシュラウド。
前記1つまたは複数の内部チャネルは、前記上部の基部で1つまたは複数のポート穴を介して前記オフガス収集空洞に接続される、請求項10に記載のアノードシュラウド。
前記内側管は、12.7mmから38.1mmまでの直径を有し、前記外側管は、15.2mmから50.8mmまでの直径を有する、請求項1から13のいずれかに記載のアノードシュラウド。
前記Ni−Cr−Al−Fe合金は、75重量%のNi、16重量%のCr、4.5重量%のAl、および3重量%のFeを含む、請求項19に記載のアノードシュラウド。
【背景技術】
【0002】
電気化学プロセスを、不純な供給物から金属を回収するため、および/または、金属酸化物から金属を抽出するために使用することができる。従来のプロセスは、典型的には、金属酸化物をその対応する金属に還元するために、電解分解または選択的電子輸送が後に続く、金属酸化物を電解質内に溶解する工程を含む。金属酸化物をそれらの対応する金属状態に還元する従来の電気化学プロセスは、単一のステップまたは複数のステップのアプローチを用いることができる。
【0003】
複数ステップアプローチは、典型的に、金属酸化物が電解質に比較的低い溶解度を有する場合に使用される。複数ステップアプローチは、2つの別個の容器を利用する2ステッププロセスであってもよい。例えば、使用済み核燃料の酸化ウランからのウランの抽出は、ウランおよびLi
2Oを第1の容器内に生成するように、溶融LiCl電解質に溶解したリチウムによって酸化ウランを還元する最初のステップを含み、Li
2Oは溶融LiCl電解質内に溶解したままである。プロセスは、次に、リチウムを再生するために溶融LiCl内の溶解Li
2Oが電解分解される、第2の容器内の電解採取のその後のステップを含む。したがって、再生されたリチウムを伴う溶融LiClを、他のバッチの還元ステップで使用するためにリサイクルすることができるのと同時に、結果として生じるウランを抽出することができる。
【0004】
しかしながら、複数ステップアプローチは、高温の溶融塩および還元体のある容器から他の容器への移動に関する問題のようないくつかの工学的複雑さを含む。さらに、溶融塩中の酸化物の還元は、電解還元システムに依存して熱力学的に制約される可能性がある。具体的には、この熱力学的制約は、所定のバッチで還元することができる酸化物の量を制限することになる。結果として、溶融電解質および還元体のより頻繁な移動が、生産要件を満たすために必要とされることになる。
【0005】
他方では、単一ステップアプローチは、一般的に、アノードおよびカソードと共に互換性のある溶融電解質中に金属酸化物を浸漬する工程を含む。アノードおよびカソードを充電することによって、金属酸化物を、電解転換、および、溶融電解質を介したイオン交換を介して、その対応する金属に還元することができる。しかしながら、従来の単一ステップアプローチは、複数ステップアプローチより複雑さは少ないかもしれないが、金属回収率は依然として比較的低い。さらに、金属酸化物をその対応する金属に還元することは、結果として酸素ガスの発生を生じることになり、酸素ガスは腐食性であり、したがって、適切に処理されないとシステムに対して有害である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
要素または層が他の要素または層の「上に(on)」ある、これらに「接続される(connected to)」、これらに「結合される(coupled to)」またはこれらを「覆う(covering)」として言及される場合、他の要素または層の直接上にあっても、これらに直接接続されても、これらに直接結合されても、またはこれらを直接覆ってもよく、介在する要素または層が存在してもよいことを理解すべきである。これに対して、要素が他の要素または層の「直接上に(directly on)」ある、これらに「直接接続される(directly connected to)」またはこれらに「直接結合される(directly coupled to)」として言及される場合、介在する要素または層は存在しない。明細書全体を通じて、同様の番号は同様の要素を指す。本明細書で使用されるとき、用語「および/または(and/or)」は、1つまたは複数の関連する列挙された項目の任意およびすべての組み合わせを含む。
【0011】
第1、第2、第3等の用語を、本明細書では、種々の要素、構成要素、領域、層および/または区域を説明するために使用することができるが、これらの要素、構成要素、領域、層および/または区域はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解すべきである。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、層または区域を、他の領域、層または区域から区別するためにのみ使用される。したがって、以下に論じる第1の要素、構成要素、領域、層または区域は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層または区域と呼ぶことができる。
【0012】
空間的に相対的な用語(例えば、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下部(lower)」、「上方(above)」、「上部(upper)」等)は、本明細書では、図面に示すようなある要素または特徴の他の要素(複数可)または特徴(複数可)との関係を説明するために、説明を容易にするために使用することができる。空間的に相対的な用語は、図面に示す方向に加えて、使用中または動作中の装置の異なった方向を包含することが意図されることを理解すべきである。例えば、図中の装置がひっくり返された場合、他の要素または特徴の「下方(below)」または「下(beneath)」として記載された要素は、他の要素または特徴の「上方(above)」に向けられることになる。したがって、用語「下方(below)」は、上方および下方の両方の方向を包含することができる。装置は、他の状態に配向されてもよく(例えば、90度回転したまたは他の方向に)、適宜に解釈される本明細書で使用される空間的に相対的な記述子であってもよい。
【0013】
本明細書で使用される用語は、種々の実施形態を説明する目的のためだけのものであり、例示的な実施形態を限定することを意図しない。本明細書で使用されるとき、単数形の「1つ(a)(an)」および「その(the)」は、文脈が別途明らかに示さない限り、複数形をもまた含むことが意図される。用語「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprises)」および/または「備えている(comprising)」は、本明細書で使用されるとき、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を除外しないことも理解されるであろう。
【0014】
例示的な実施形態が、例示的な実施形態の理想化された実施形態(および中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書に記載される。そのため、例えば製造技術および/または公差の、結果として図の形状からの変形が予想される。したがって、例示的な実施形態は、本明細書で示される領域の形状に限定されるものとして解釈されるべきではなく、例えば製造から結果として生じる形状の偏差を含むものである。例えば、長方形として示される埋設領域は、典型的には、丸められたもしくは曲げられた特徴を有し、および/または、埋設領域から非埋設領域への二値的変化ではなく、そのエッジで埋設濃度の勾配を有するであろう。同様に、埋設によって形成される埋め込まれた領域は、埋め込まれた領域と、埋設が行われる表面との間の領域で、いくらかの埋設を結果として生じる可能性がある。したがって、図に示された領域は、概略的な性質のものであり、それらの形状は、装置の領域の実際の形状を示すものではなく、例示的な実施形態の範囲を限定するものではない。
【0015】
特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当業者によって理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されるものを含む用語は、関連技術の文脈でのそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明確にそのように定義されない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されることはないことは、さらに理解されるであろう。
【0016】
本発明の非限定的な実施形態による電解酸化物還元システムは、金属のその後の回収を可能にするために、酸化物のその金属形態への還元を容易にするように構成される。一般的に、電解酸化物還元システムは、複数のアノード組立品、複数のアノード組立品の各々のためのアノードシュラウド、複数のカソード組立品、および、複数のアノードおよびカソード組立品のための配電システムを含む。しかしながら、電解酸化物還元システムはこれらに限定されず、本明細書に具体的に示されていない可能性がある他の構成要素を含んでもよいことを理解すべきである。
【0017】
本明細書の開示に加えて、電解酸化物還元システムは、2010年12月23日に出願された、「ELECTROLYTIC OXIDE REDUCTION SYSTEM」という名称の関連する米国特許出願第12/978027号;HDP Ref.8564−000228/US;GE Ref.24AR246140に記載のようであってもよく、配電システムは、2010年12月23日に出願された、「ANODE−CATHODE POWER DISTRIBUTION SYSTEMS AND METHODS OF USING THE SAME FOR ELECTROCHEMICAL REDUCTION」という名称の関連する米国特許出願第12/977839号;HDP Ref.8564−000225/US;GE Ref.24AR246136に記載のようであってもよく、アノード組立品は、2010年12月23日に出願された、「MODULAR ANODE ASSEMBLIES AND METHODS OF USING THE SAME FOR ELECTROCHEMICAL REDUCTION」という名称の関連する米国特許出願第12/977916号;HDP Ref.8564−000226/US;GE Ref.24AR246138に記載のようであってもよく、カソード組立品は、2010年12月23日に出願された、「MODULAR CATHODE ASSEMBLIES AND METHODS OF USING THE SAME FOR ELECTROCHEMICAL REDUCTION」という名称の関連する米国特許出願第12/978005号;HDP Ref.8564−000227/US;GE Ref.24AR246139に記載のようであってもよく、これらの各々の内容全体は参照によって本明細書に組み込まれる。組み込まれた出願の表を以下に示す。
【0018】
【表1】
電解酸化物還元システムの動作中、複数のアノードおよびカソード組立品は、溶融塩電解質中に浸漬される。例示的な実施形態はこれらに限定されないが、溶融塩電解質を約650℃(+/−50℃)に維持することができる。電気化学プロセスは、酸化物供給材料(例えば金属酸化物)を含むカソード組立品に還元電位が発生されるように行われる。還元電位の影響下で、金属酸化物(MO)供給材料からの酸素(O)は、酸化物イオンとして溶融塩電解質中に溶解し、それによってカソード組立品に金属(M)を残す。カソード反応は以下のようであってもよい。
【0019】
MO+2e
-→M+O
2-
アノード組立品では、酸化物イオンは酸素ガスに変換される。プロセス中に電解酸化物還元システムからの酸素ガスを希釈し、冷却し、除去するために、アノード組立品の各々のアノードシュラウドを使用することができる。アノード反応は以下のようであってもよい。
【0020】
O
2-→1/2O
2+2e
-
非限定的な実施形態では、金属酸化物は二酸化ウラン(UO
2)であってもよく、還元生成物は金属ウランであってもよい。しかしながら、本発明による電解酸化物還元システムで、他の種類の酸化物をそれらの対応する金属に還元することもできることを理解すべきである。同様に、本発明による電解酸化物還元システムで使用される溶融塩電解質は、特にこれらに限定されず、還元される酸化物供給材料に応じて変化してもよい。先行技術の装置と比較して、本発明による電解酸化物還元システムは、還元生成物の回収率を著しく大きくすることができる。
【0021】
図1は、本発明の非限定的な実施形態による電解酸化物還元システムの斜視図である。
図1を参照すると、電解酸化物還元システム100は、溶融塩電解質を保持するように設計された容器102を含む。したがって、容器102は、溶融塩電解質を安全に保持することができるように、約700℃までの温度に耐えることができる材料で形成される。容器102は、外部から加熱されてもよく、長手方向の支持体を設けられてもよい。容器102は、より効率的な動作と、プロセスの混乱からの回復とを可能にするために、区域加熱するように構成されてもよい。電解酸化物還元システム100の動作中、複数のアノードおよびカソード組立品200および300(例えば
図4)が、容器102内の溶融塩電解質中に部分的に浸漬されるように配置される。アノードおよびカソード組立品200および300を、
図2A〜2Bおよび3に関連してさらに詳細に論じる。
【0022】
複数のナイフエッジ接点104を介して、アノードおよびカソード組立品200および300に電力が分配される。ナイフエッジ接点104は、容器102の上方に位置するグローブボックスフロア106上に対で配置される。ナイフエッジ接点104の各対は、容器102の対向する側にあるように配置される。
図1に示すように、ナイフエッジ接点104は、1対の列および2対の列で交互に配置され、最終列は1対のナイフエッジ接点104で構成される。
【0023】
ナイフエッジ接点104の1対の列は、アノード組立品200に係合するように構成され、2対の列は、カソード組立品300に係合するように構成される。より明確に述べると、複数のナイフエッジ接点104は、アノード組立品200が1対のナイフエッジ接点104(2つのナイフエッジ接点104)を介して1つの電源から電力を受け、カソード組立品300が2対のナイフエッジ接点104(4つのナイフエッジ接点104)を介して2つの電源から電力を受けるように配置される。カソード組立品300のための2対のナイフエッジ接点104に関して、内側の対は低電力フィードスルーに接続されてもよく、外側の対は高電力フィードスルーに接続されてもよい(またはその逆でもよい)。
【0024】
例えば、電解酸化物還元システム100が、11のアノード組立品200および10のカソード組立品300を保持するように設計されている場合(例示的な実施形態はこれに限定されないが)、22のナイフエッジ接点104(11対)が11のアノード組立品に関係付けられ、40のナイフエッジ接点104(20対)が10のカソード組立品300に関係付けられることになる。上述したように、本明細書の開示に加えて、配電システムは、本明細書と同一日付で出願された、「ANODE−CATHODE POWER DISTRIBUTION SYSTEMS AND METHODS OF USING THE SAME FOR ELECTROCHEMICAL REDUCTION」という名称の関連する米国特許出願第XX/XXX,XXX号;HDP Ref.8564−000225/US;GE Ref.24AR246136に記載のようであってもよく、その内容全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0025】
電解酸化物還元システム100は、容器102からの熱損失を制限するように設計されたモジュール式熱シールドを追加で含むことができる。モジュール式熱シールドは、プロセス動作中に電流、電圧、およびオフガス組成を監視するように構成された計装ポートを有することができる。さらに、冷却チャネルおよび伸縮継手が、グローブボックスフロア106および容器102間に配置されてもよい。伸縮継手は、C字形であってもよく、18ゲージの金属薄板から作られてもよい。冷却チャネルは、グローブボックスフロア106の下、伸縮継手の上に固定されてもよい。結果として、容器102は約700℃の温度に達する可能性があるという事実にもかかわらず、冷却チャネルは伸縮継手(容器102の上部に固定された)から熱を除去することができ、それによって、グローブボックスフロア106を約80℃以下の温度に保つことができる。
【0026】
図2A〜2Bは、本発明の非限定的な実施形態による電解酸化物還元システム用のアノード組立品の斜視図である。
図2A〜2Bを参照すると、アノード組立品200は、アノードバスバー208に接続された複数のアノードロッド202を含む。各アノードロッド202の上部および下部は、異なる材料で形成されてもよい。例えば、例示的な実施形態はそれらに限定されないが、アノードロッド202の上部はニッケル合金で形成されてもよく、アノードロッド202の下部はプラチナで形成されてもよい。アノードロッド202の下部は、電解酸化物還元システム100の動作中、溶融塩電解質レベルより下に位置することができ、下部を他の材料に置換または変更できるように取り外し可能であってもよい。
【0027】
アノードバスバー208は、熱膨張を低減するために分割されてもよく、アノードバスバー208の各部分は銅で形成されてもよい。アノードバスバー208の部分は、スリップコネクタで結合されてもよい。加えて、スリップコネクタは、アノードロッド202が溶融塩電解質中に落ちないことを確実にするために、アノードロッド202の上面に付着してもよい。アノード組立品200は、上記の例のいずれによっても限定されるものではない。むしろ、他の適切な構成および材料が使用されてもよいことを理解すべきである。
【0028】
アノード組立品200が電解酸化物還元システム200中に降ろされると、アノードバスバー208の下端部はナイフエッジ接点104の対応する対と係合することになり、アノードロッド202は容器102内の溶融塩電解質中に延在することになる。4つのアノードロッド202が
図2A〜2Bに示されているが、例示的な実施形態はこれに限定されないことを理解すべきである。したがって、アノード組立品202は、十分なアノード電流が電解酸化物還元システム100に供給されていることを条件に、4つより少ないアノードロッド202または4つより多いアノードロッド202を含むことができる。
【0029】
電解酸化物還元システム100の動作中、アノード組立品200は、約150℃以下の温度に維持されてもよい。適切な動作温度を維持するために、アノード組立品200は、冷却ガスを供給する冷却ライン204、並びに、冷却ライン204によって供給される冷却ガスおよび還元プロセスによって発生されるオフガスを除去するオフガスライン206を含む。例示的な実施形態はそれらに限定されないが、冷却ガスは不活性ガス(例えばアルゴン)であってもよく、オフガスは酸素を含む可能性がある。結果として、オフガスの濃度および温度を低下させることができ、それによってその腐食性を低減させることができる。冷却ガスを本明細書では「スイープガス」と呼ぶこともできることも理解すべきである。
【0030】
冷却ガスは、グローブボックス雰囲気によって供給されてもよい。非限定的な実施形態では、グローブボックスの外部の加圧されていないガスが使用される。このような場合、ガス供給は、グローブボックス内部の送風機を使用して加圧されてもよく、オフガスの排出は、外部真空源を有することになる。ガス供給を動作するすべてのモータおよび制御は、より容易なアクセスおよび整備のために、グローブボックスの外部に配置されてもよい。溶融塩電解質を凍結させないように、供給プロセスは、アノードシュラウド内部の冷却ガスが約610℃以下にならないように構成されてもよい。
【0031】
アノード組立品200は、アノードガード210、リフトベイル212、および、計装案内管214をさらに含むことができる。アノードガード210は、アノードバスバー208からの保護を提供し、カソード組立品300を挿入するための誘導も提供することができる。アノードガード210は、金属で形成されてもよく、アノード組立品200の上面からの熱損失を可能にするために穿孔されてもよい。リフトベイル212は、アノード組立品200の除去を援助する。計装案内管214は、溶融塩電解質中および/またはアノード組立品200の下にあるガス空間中に計装を挿入するためのポートを提供する。上述したように、本明細書の開示に加えて、アノード組立品は、本明細書と同一日付で出願された、「MODULAR ANODE ASSEMBLIES AND METHODS OF USING THE SAME FOR ELECTROCHEMICAL REDUCTION」という名称の関連する米国特許出願第XX/XXX,XXX号;HDP Ref.8564−000226/US;GE Ref.24AR246138に記載のようであってもよく、その内容全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0032】
図3は、本発明の非限定的な実施形態による電解酸化物還元システム用のカソード組立品の斜視図である。
図3を参照すると、カソード組立品300は、還元プロセスのための酸化物供給材料を含むように設計され、上部バスケット302、下部バスケット306、並びに、上部および下部バスケット302および306内に収容されたカソードプレート304を含む。組み立てられると、カソードプレート304は、上部バスケット302の上端から下部バスケット306の下端まで延在することになる。カソードプレート304の側縁部は、剛性を提供するために取り囲まれてもよい。剛性を追加するために、カソードプレート304の中心の下に逆曲げ部が設けられてもよい。下部バスケット306は、4つの高強度リベットで上部バスケット302に取り付けられてもよい。下部バスケット306または上部バスケット302のいずれかに損傷が生じた場合、リベットに穴を開け、損傷したバスケットを交換し、継続的な動作のために再びリベット留めすることができる。
【0033】
カソードバスケット(上部バスケット302および下部バスケット306を含む)は、カソードプレート304から電気的に絶縁される。各カソード組立品300は、2つの電源から電力を受けるように、2対のナイフエッジ接点104(4つのナイフエッジ接点104)に係合するように構成される。例えば、カソードプレート304は、一次還元電流を受けることができ、カソードバスケットは、還元プロセスの種々の副産物を制御するために二次電流を受けることができる。カソードバスケットを、還元プロセス中に溶融塩電解質が出入りできるように十分に開いており、それにもかかわらず酸化物供給材料および結果として生じる金属生成物を保持するのに十分なほど微細な多孔質金属板で形成することができる。
【0034】
歪を減少させるまたは防止するために、カソードバスケットの内部に補強リブを設けることができる。下部バスケット306内に垂直補強リブが設けられる場合、カソードプレート304は、カソードプレート304がカソードバスケット内に挿入されるときに補強リブの周囲にクリアランスを与えるために、対応するスロットを有することになる。例えば、下部バスケット306に2つの垂直補強リブが設けられると、カソードプレート304は、2つの補強リブの周囲にクリアランスを与えるために2つの対応するスロットを有することになる。加えて、酸化物供給材料を装填するときにカソードプレート304がカソードバスケットの中央にとどまることを確実にするために、カソードプレート304の両面の中央部付近に位置スペーサを設けることができる。位置スペーサは、セラミックであってもよく、垂直に配向されてもよい。さらに、カソード組立品300の上面への輻射および伝導性熱伝達のための遮熱を提供するために、カソードプレート304の両側の上部に千鳥状スペーサを設けることができる。千鳥状スペーサは、セラミックであってもよく、水平に配向されてもよい。
【0035】
カソード組立品300は、端部に配置されたリフトタブ310を有するリフトブラケット308を含むこともできる。リフトタブ310は、電解酸化物還元システム100のリフトシステムとインタフェースで接続するように設計される。上述したように、本明細書の開示に加えて、カソード組立品は、本明細書と同一日付で出願された、「MODULAR CATHODE ASSEMBLIES AND METHODS OF USING THE SAME FOR ELECTROCHEMICAL REDUCTION」という名称の関連する米国特許出願第XX/XXX,XXX号;HDP Ref.8564−000227/US;GE Ref.24AR246139に記載のようであってもよく、その内容全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0036】
図4は、本発明の非限定的な実施形態による、アノード組立品およびカソード組立品並びに下降位置にあるリフトシステムを有する電解酸化物還元システムの斜視図である。リフトシステムは、本明細書と同一日付で出願された、「ELECTROLYTIC OXIDE REDUCTION SYSTEM」という名称の関連する米国特許出願第XX/XXX,XXX号;HDP Ref.8564−000228/US;GE Ref.24AR246140に記載のようであってもよく、その内容全体は参照によって本明細書に組み込まれる。リフトシステムに加えて、
図4は、動作中に電解酸化物還元システム100内に配置されるような複数のアノードおよびカソード組立品200および300も示す。アノードおよびカソード組立品200および300は、各カソード組立品300の両側に2つのアノード組立品200があるように、交互に配置されてもよい。
図4の電解酸化物還元システム100は、11のアノード組立品200および10のカソード組立品を有するように示されているが、例示的な実施形態はこれに限定されないことを理解すべきである。代わりに、電解酸化物還元システム100のモジュール式の設計は、より多いまたはより少ないアノードおよびカソード組立品を含めることを可能にする。
【0037】
上述したように、アノードシュラウド(
図5A〜5Cおよび6に関連して以下にさらに詳細に論じる)を、電解酸化物還元システムの各アノード組立品に設けることができる。したがって、電解酸化物還元システムが11のアノード組立品を含む場合、11のアノードシュラウドも含まれることになる(例示的な実施形態はこれに限定されないが)。アノードシュラウドは、アノード組立品200の冷却、並びに、還元プロセスによって発生されるオフガスの除去を容易にする。例えば、アノード組立品の各々のアノードシュラウドを、ウラン酸化物の金属ウランへの還元中に、電解酸化物還元システムからの酸素ガスを希釈し、冷却し、除去するために使用することができる。
【0038】
図5Aは、本発明の非限定的な実施形態による電解酸化物還元システム用のアノードシュラウドの斜視図である。
図5Aを参照すると、アノードシュラウド500は、上部504および下部508を有する本体部分502を含む。下部508は、上部504に直接隣接してもよく、垂直側壁を有してもよい。上部504は、先細りであり、頂点506を含む。上部504の頂点506は、本体部分502の平面図に対して中央に配置される。上部504は、頂点506から下部508に下向きに傾斜する。上部504は、水平基準線に対して約25度から75度までの角度で傾斜することができる。例えば、例示的な実施形態はこれに限定されないが、上部504は水平基準線に対して50度の角度で傾斜することができる。
【0039】
複数のアノードガイド510が、本体部分502の上部504の対向する斜面に配置される。アノードガイド510は、アノード組立品200のアノードロッド202を受けるように設計され、したがって、適宜に離間されてもよい。非限定的な実施形態では、複数のアノードガイド510は、互いに均等に離間されてもよい。
図5Aは、アノードシュラウド500を4つのアノードガイド510を有するものとして示しているが、アノードガイド510の数は、アノードシュラウド500に対応するアノード組立品200のアノードロッド202の数に応じて変化することを理解すべきである。例えば、アノード組立品200が6つのアノードロッド202を有する場合、対応するアノードシュラウド500は、6つのアノードロッド202を受けるために6つのアノードガイド510を有することになる。
【0040】
複数のアノードガイド510の各々は、本体部分502内のオフガス収集空洞530(
図6)に至る通路を画定する。本体部分502の内壁は、オフガス収集空洞530を画定する。本体部分502の下面は、囲まれていない(
図5B)。アノードシュラウド500は、還元プロセス中に本体部分502の下端部が溶融塩電解質中に沈められるように、電解酸化物還元システム100内に配置されるように設計される。このような場合では、本体部分502内のオフガス収集空洞530は、溶融塩電解質によって底面から境界づけられる。さらに、アノード組立品200のアノードロッド202は、アノードシュラウド500のアノードガイド510を介して内部のオフガス収集空洞530中に、かつ、電解酸化物還元システム100の容器102内の溶融塩電解質中に延在することになる。
【0041】
煙突構造514は、上部504の頂点506から延在し、本体部分502のオフガス収集空洞530に接続される。煙突構造514は、外側管518内の内側管516を含む。内側管516は、約0.5インチから1.5インチまでの直径を有することができ、外側管518は、約0.6インチから2.0インチまでの直径を有することができる。とはいえ、内側管516は、約0.05インチから0・25インチまでの距離だけ外側管518から離間されてもよい。非限定的な実施形態では、内側管516および外側管518は同心円状に配置されてもよい。煙突構造514は、内側管516がスイープガスおよびオフガスのための出口経路を提供するように構成される。
【0042】
煙突構造514は、同じ数のアノードガイド510によって隣接されてもよい。しかしながら、奇数のアノードガイド510が設けられる場合、煙突構造514は、等しくない数のアノードガイド510によって隣接されることになることを理解すべきである。例えば、5つのアノードガイド510が設けられる場合、煙突構造514は、3つのアノードガイド510によって一方の側に隣接され、2つのアノードガイド510によって他方の側に隣接されてもよい。
【0043】
複数のアノードガイド510の最上表面は、互いに同じ高さであってもよい。加えて、複数のアノードガイド510の各々の最上表面は、上部504の頂点506の表面より高いが、煙突構造514の表面より低くてもよい。さらに、
図5Aに示す計器ポートガイド512は、アノード組立品200の計装案内管214に対応することができる。
【0044】
内側管516の外側表面および外側管518の内側表面は、本体部分502のオフガス収集空洞530に至る環状空間526(
図6)を画定する。煙突構造514は、環状空間526が、オフガス収集空洞530からのオフガスを希釈し、冷却し、除去するために、冷却ガス/スイープガスを本体部分502のオフガス収集空洞530内に流すための入口経路を提供するように構成される。
【0045】
本体部分502は、上部504の1つまたは複数の傾斜の下に、頂点506から上部506の基部まで延在する1つまたは複数の内部チャネル528(
図6)を含むことができる。非限定的な実施形態では、内部チャネル528は、上部504の各傾斜の下に延在してもよい。内部チャネル528は、環状空間526に接続される。
【0046】
内側管516は、その外面からその内面まで延在する水抜き穴を含むことができる。水抜き穴は、環状空間526から内側管516の内面によって画定される出口経路へのショートカットを提供する。結果として、スイープガスが環状空間526を下向きに移動する場合、スイープガスの少ない一部は、水抜き穴を経て内側管516によって画定される出口経路内に分流される可能性があり、スイープガスの大部分は、内側管516によって画定される出口経路を経てオフガスと共に上向きに移動する前に、内部チャネル528に、および、オフガス収集空洞530中に下向きに継続することになる。水抜き穴によって分流されたスイープガスは、内側管516によって画定される出口経路を経てオフガス収集空洞530から除去されるオフガスの希釈および冷却を助けることができる。内側管516内の水抜き穴の数、配置およびサイズは変化してもよい。例えば、複数の水抜き穴が、内側管516の周囲に1つまたは複数のリングパターンで設けられてもよい。リングパターンは、1つに集められてもよく、または予め決められた間隔だけ離間されてもよい。さらに、水抜き穴は、内側管516の上部、中央部、および/または下部に設けられてもよい。水抜き穴の各々の直径は、約0.05インチから0.25インチまでの範囲であってもよい。非限定的な実施形態では、各水抜き穴は、約0.15インチの直径を有することができる。
【0047】
アノードシュラウド500は、電解酸化物還元プロセス中に起こりうる腐食に比較的耐性がある合金で形成される。合金は、Ni−Cr−Al−Fe合金であってもよい。例えば、Ni−Cr−Al−Fe合金は、約75重量%のNi、16重量%のCr、4.5重量%のAl、および3重量%のFeを含むことができる。しかしながら、比較的高い温度の溶融塩電解質に耐えることができる他の種類の耐食合金を使用することもできることを理解すべきである。
【0048】
図5Bは、本発明の非限定的な実施形態による電解酸化物還元システム用のアノードシュラウドの下面図である。
図5Bを参照すると、内部チャネル528(
図6)は、上部504の基部の1つまたは複数のポート穴520を介してオフガス収集空洞530に接続される。ポート穴520は、アノードシュラウド500の右下側に明確に示されているだけだが、ポート穴520は、アノードシュラウド500の左下側にも設けられており、図の角度に基づく視界から隠されているだけであることを理解すべきである。加えて、3つのポート穴520が
図5Bに示されているが、例示的な実施形態はこれに限定されないことを理解すべきである。例えば、アノードシュラウド500は、アノードシュラウド500の右下側および左下側の各々に、4つ以上(または2つ以下)のポート穴を設けられてもよい。
【0049】
図5Cは、本発明の非限定的な実施形態による電解酸化物還元システム用のアノードシュラウドの分解図である。この分解図は、内部チャネル528(
図6)の性質を明らかにすることを意図している。
図5Cを参照すると、内部チャネル528は、上部本体プレート522および下部本体プレート524によって画定される。組み立て中、煙突構造514(
図5A)の外側管518は上部本体プレート522に固定されることになり、煙突構造514の内側管516は下部本体プレート524に固定されることになる。加えて、上部および下部本体プレート522および524は、内部チャネル528を提供するために、組み立て中、互いから適切に離間されることになる。
【0050】
図6は、本発明の非限定的な実施形態による電解酸化物還元システム用のアノードシュラウド内のスイープガスおよびオフガスの流れを示す断面図である。上述したように、酸化物供給材料をその対応する金属に還元するプロセス中、電解酸化物還元システム100のアノード組立品200で酸素ガスがオフガスとして形成される。アノード組立品200から酸素オフガスを収集し、電解酸化物還元システム100から除去するために、アノードシュラウド500が使用される。酸素ガスは腐食性であるため、アノードシュラウド500内の溶融塩電解質を凍結することなく、酸素ガスを希釈し、冷却し、除去すべきである。オフガスを希釈し、その温度を低下させることによって、酸素ガスの腐食性を低減させることができる。
【0051】
図6を参照すると、アノードシュラウド500の煙突構造514に供給されるスイープガスは、最初に外側管518および内側管516間の環状空間526を下方に移動する。スイープガスが環状空間526を下方に移動すると、内側管516内の水抜き穴(図示せず)に遭遇する。水抜き穴は、スイープガスの少ない一部が上向きに移動するオフガスと混合するように内側管516に入ることを可能にし、これによって、除去されるオフガスの濃度および温度を低下させる。スイープガスの大部分は、環状空間526を継続して下り、本体部分502に近づくに連れて温度が上昇する。環状空間526から、スイープガスは、内部チャネル528を下向きに移動し、ポート穴520(
図5B)を経てオフガス収集空洞530に入ることになる。結果として、オフガスは、オフガス収集空洞530から掃引され、電解酸化物還元システム100からのその後の除去のための煙突構造514の内側管516によって画定される出口経路内に上向きに配向されることになる。スイープガスは、そのオフガス収集空洞530への移動中、加熱されるため、溶融塩電解質の凍結を防ぐことができる。さらに、上述したように、出て行くオフガスを、スイープガスが内側管516内の水抜き穴を経て環状空間526内に下向きに移動することによって、希釈および冷却することができる。
【0052】
多数の例示的な実施形態が本明細書で開示されているが、他の変形が可能でありうることを理解すべきである。このような変形は、本開示の趣旨および範囲からの逸脱とみなされるべきではなく、当業者には明らかであるように、すべてのこのような変更は、以下の特許請求の範囲に含まれるものとする。