(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(スロットマシンS)
スロットマシンSは、
図1に示すように、正面側(遊技者と対向する前面側)に開口部を有する方形の筐体Bと、この筐体Bの開口部を塞ぐ前扉Dを備えている。
筺体Bの内部には、スロットマシンSの作動を制御するための制御装置1、外周面に複数の図柄が付された3個の回転リール61,62,63を有するリールユニット2、メダルを貯留するとともに貯留されているメダルを払い出すためのホッパーユニット3、スロットマシンSに備えられた各種装置に電力を供給するための電源装置4等が設置されている。
【0011】
前扉Dには、
図1に示すように、3個の回転リール61〜63の図柄を視認可能な図柄表示窓Wが形成されている。そして、この図柄表示窓Wの下方であってスロットマシンSの高さ方向略中央部は、スロットマシンSを作動させるための操作スイッチが設けられたカウンター状の操作部Cとなっている。操作部Cの上面右端にはメダル投入口5が設けられ、操作部Cの上面左側には、スロットマシンSに電子的に貯留されているメダルであるクレジットメダルを、遊技を行うためのメダルのベットに代えるためのベットスイッチ10が設けられている。
【0012】
また、操作部Cの正面左側には、回転リール61〜63を回転開始させるためのスタートスイッチ20が設けられ、操作部Cの正面中央部には、3個の回転リール61〜63を個々に停止させるための3個の停止スイッチ31,32,33が設けられている。具体的には、左側に位置する停止スイッチ31は左側に位置する回転リール61を停止させるものであり、中央に位置する停止スイッチ32は中央に位置する回転リール62を停止させるものであり、右側に位置する停止スイッチ33は右側に位置する回転リール63を停止させるものである。操作部Cの正面左端には、クレジットを払い戻すための精算スイッチ40が設けられている。
【0013】
前記ベットスイッチ10は、上下方向に移動可能なボタンスイッチであって、ベットスイッチ10の筐体内部側には、ボタンの位置移動を検出する検知部が設けられており、検知部の検出信号がベットスイッチ10の操作信号として扱われるようになっている。
スタートスイッチ20は、上下方向に揺動可能なレバースイッチであって、スタートスイッチ200の筐体内部側には、押下操作によるレバーの位置移動を検出する検知部が設けられており、検知部の検出信号がスタートスイッチ20の操作信号として扱われるようになっている。
停止スイッチ31〜33は、前後方向に移動可能なボタンスイッチであって、各停止スイッチ31〜33の筐体内部側には、特に図示しないが、押圧操作によるボタンの位置移動を検出する検知部がそれぞれ設けられており、検知部の検出信号が各停止スイッチ31〜33の操作信号として扱われるようになっている。
なお、操作部Cに設けられる操作スイッチとして、遊技者が演出内容を選択することができる演出スイッチを設けてもよい。
【0014】
前扉Dにおいて図柄表示窓Wの上方には、液晶表示装置などの画像表示部70が設けられ、図柄表示窓Wの両側に位置する前扉Dの側部及び前扉Dの上端部には、ランプ80が設けられている。また、前扉Dの下部には、メダルを貯留可能な下皿6が設けられているとともに、下皿6の奥壁には、ホッパーユニット3から払い出されたメダルを下皿6に排出するためのメダル排出口8と、メダル排出口8の両側に配置されたスピーカ90が設けられている。そして、メダル投入口5の下方であって前扉Dの裏側には、投入メダルを検知しメダルを判別するためのメダルセレクター7が設けられている。
【0015】
リールユニット2は、図示しない枠体に固定された3個のリールモータM1,M2,M3(
図2参照)と、各リールモータM1〜M3の駆動軸にそれぞれ固定された3個の回転リール61〜63と、リールモータM1〜M3を駆動させるためのモータ駆動基板(図示せず)を備えている。なお、図示しないが、リールモータM1には回転リール61が固定され、リールモータM2には回転リール62が固定され、リールモータM3には回転リール63が固定されている。
【0016】
リールモータM1〜M3は、ステッピングモータであって、図示しないが、駆動軸に連結されたロータと4相のコイルを備えており、コイルが順次励磁されることにより、ロータが回転して駆動軸が回転し、駆動軸に固定された回転リール61〜63が回転するようになっている。4相のコイルは、モータ駆動基板に所定の駆動パルスが供給されることにより励磁し、駆動パルスのパルス数やパルス幅などが制御されることによって、回転リール61〜63に付されている図柄が図柄表示窓Wを上側から下側へ向けて通過するように回転リール61〜63を回転(正回転)させることができるとともに、回転リール61〜63を図柄単位で停止させることができるようになっている。
【0017】
各回転リール61〜63の外周面には、
図3に示すように、「赤7」、「青7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカA」、「スイカB」、「ベル」、「チェリー」、「ダミーA」、「ダミーB」などの図柄が、1つの回転リールにつき21個ずつ付されている。ここで、回転リールに表示されている1図柄分の領域を1コマと称し、回転リール61〜63はそれぞれ、21個の図柄に対応して等分割された21コマを有している。そして、各回転リール61〜63の外周面に連続して配置されている3つの図柄が、図柄表示窓Wから視認可能となっている。
【0018】
ここで、図柄表示窓Wを通して図柄を視認するための表示位置として、各回転リール61〜63について上段、中段、下段が設けられており、各回転リール61〜63の表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。有効ラインとは、3個の回転リール61〜63の各表示位置にある縦3個横3個合計9個の図柄を1個ずつ繋いでできるライン(入賞ライン)のうち、入賞するために有効となる図柄組合せの並びを規定したラインである。本実施の形態においては、
図1に示すように、各回転リール61〜63の中段に位置する図柄を結ぶ中段ラインLが入賞ラインとして設定されている。また、本実施の形態では、1回の遊技を行うために、メダルを3枚又は2枚ベットする(掛ける)ことが可能となっており、3枚のメダルをベットした場合も、2枚のメダルをベットした場合も、入賞ラインLが有効になり、有効ラインとなるものである。そして、スロットマシンSは、スタートスイッチ20の操作によって回転開始し停止スイッチ31〜33の操作によって回転停止した回転リール61〜63の停止図柄により、役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示される(以下、このことを入賞という)と、役に応じた利益が付与されるようになっている。
【0019】
(制御装置1)
制御装置1は、図示しないメイン基板ケースにメイン基板を収納したメイン基板ユニットと、図示しないサブ基板ケースにサブ基板を収納したサブ基板ユニットとから構成される。メイン基板及びサブ基板は、IC等の各種電子部品を搭載した制御基板であり、メイン基板はスロットマシンSの遊技に関する制御を行うメイン制御装置100(
図2参照)を構成し、サブ基板は演出や報知に関する制御を行うサブ制御装置200(
図2参照)を構成する。また、メイン制御装置100とサブ制御装置200との間では、メイン制御装置100からサブ制御装置200への一方へ向けてのみコマンドやデータが出力され、サブ制御装置200からメイン制御装置100へ向けてはコマンドやデータが出力されないようになっている。
【0020】
(メイン制御装置100)
メイン制御装置100は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作に基づき、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するものである。
メイン制御装置100の入力側には、
図2に示すように、メダルセンサ7A、リールセンサ2A、払い出しセンサ3A、ベットスイッチ10、スタートスイッチ20、停止スイッチ61〜63及び精算スイッチ40が接続されている。ここで、メダルセンサ7Aは、
図1に示すように、メダルセレクター7に設けられた検知部であって、メダル投入口5から投入されホッパーユニット3に移送されるメダルを検出するためのものである。リールセンサ2Aは、図示しないが、リールユニット2の枠体に設けられた検知部であって、回転リール61〜63に設けられたスタートインデックスを検出して回転リール61〜63の回転を検知するためのものである。払い出しセンサ3Aは、図示しないが、ホッパーユニット3に設けられた検知部であって、メダル払出装置から払い出されるメダルを検出するためのものである。
【0021】
一方、メイン制御装置100の出力側には、
図2に示すように、リールモータM1〜M3、ホッパーモータ3B、ブロッカー7B、ベット表示部11及びクレジット表示部12が接続されている。ホッパーモータ3Bは、図示しないが、ホッパーユニット3に貯留されているメダルを1枚ずつ排出するメダル払出装置を駆動させるためのものである。ブロッカー7Bは、図示しないが、メダルセレクター4の内部を通過するメダルを、メダルセンサ7Aで検出される前にメダルセレクター4の外部に排出するためのメダルキャンセル装置である。排出されたメダルは、下皿6に払い戻される。ベット表示部11は、
図1に示すように、図柄表示窓Wの下方に設けられた発光表示部であって、1回の遊技を行うために掛けた(ベットした)メダル数を発光する発光領域の数により表示するものである。クレジット表示部12は、同じく図柄表示窓Wの下方に設けられた7セグメント表示部であり、クレジットされているメダル数を数字で表示するものである。
【0022】
メイン制御装置100を構成するメイン基板には、図示しないが、遊技に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて遊技の進行に関する制御を行うメインCPU、読み書き可能であって遊技の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRWM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、
図2に示すように、投入制御手段110、役抽選手段120、リール制御手段130、遊技結果判定手段140、払出制御手段150、内部抽選状態移行手段160、フリーズ設定手段170、擬似遊技制御手段180、回胴演出制御手段185及び外部信号出力手段190の各手段として機能する。
【0023】
(投入制御手段110)
投入制御手段110は、メダル投入口5からのメダルの投入又はベットスイッチ10の操作(以下投入操作という)と、遊技結果判定手段140の判定結果に基づいて、1回の遊技を行うためのメダルが掛けられた状態(ベット状態)を設定するためのものである。
【0024】
具体的には、投入制御手段110は、メダル投入口5からメダルが投入されメダルセンサ7Aがメダルを検出することに伴って、規定数を限度として、検出された数のメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定する。ベット数はベット表示部11に表示される。規定数とは、1回の遊技に掛けることができるメダルの数であり、本実施の形態においては、規定数が3である場合と2である場合が存在する。また、規定数を超えてメダルが投入された場合には、所定数(50)を限度として、投入されたメダルがスロットマシンSに電子的に貯留(クレジット)されたものとして取り扱う。クレジット数はクレジット表示部12に表示される。なお、クレジット数が所定数に達した場合には、ブロッカー7Bが作動してメダル投入口5から投入されたメダルがキャンセルされるようになっている。
【0025】
そして、投入制御手段110は、クレジットがされている状態でベットスイッチ10が操作されベットスイッチ10の操作信号が入力されることに伴って、規定数を限度として、クレジットされたメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定する。すなわち、ベットスイッチ10の操作信号の入力に伴い、クレジット表示部12に表示されている数値を規定数分だけ減じて表示するとともに、ベット表示部11に規定数のベット数を表示する。本実施の形態では、ベットスイッチ10を1回操作するごとに規定数のメダル(規定数が3の場合には3枚、規定数が2の場合には2枚)がベットされるように形成されているが、ベットスイッチ10を1回操作するごとに1枚のメダルがベットされるようにしてもよい。あるいは、1回操作するごとに1枚のメダルがベットされるシングルベットスイッチを別に設けてもよい。
さらに、投入制御手段110は、遊技結果判定手段140が後述するリプレイの入賞を判定した場合には、前回の遊技と同一のベット数で自動的にベット状態を設定する。投入制御手段110によって自動的にベット状態が設定されることを、再遊技の作動という。
【0026】
(役抽選手段120)
役抽選手段120は、回転リール61〜63に付されている図柄による所定の図柄組合せが対応付けられた「役」について、当選か否かの役抽選を行うものであり、図示しないが、乱数発生手段、乱数抽出手段、役抽選テーブル、判定手段及び当選状態設定手段を備えている。乱数発生手段は、一定時間に所定(例えば0から65535)の数字を繰り返してカウントするループカウンタであり、乱数抽出手段は、スタートスイッチ20の操作信号を入力したタイミングで、ループカウンタのカウント値を読み取って記憶するものである。ループカウンタは乱数を発生しているわけではないが、ループカウンタのカウント値を乱数抽出手段が読み取ることにより、ランダムな数値を抽出できるので、便宜上乱数発生手段というものとする。役抽選テーブルは、ループカウンタがカウントする数値(乱数発生手段の発生可能な全乱数値)を全領域として各役についての当選領域を規定したものである。判定手段は、カウント値抽出手段の読み取ったカウント値と役抽選テーブルの当選領域とを照合し、カウント値が所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、カウント値がいずれの不当選の領域に属する場合には、「ハズレ」の決定をするものである。当選状態設定手段は、判定手段が当選を決定した場合に、当該当選に対応する当選フラグを成立させることにより当選状態を設定するものである。なお、当選状態設定手段は、判定手段の判定結果に関わらず当選状態を設定する場合があるがこれについては後述する。
【0027】
前記役としては、入賞により所定枚数のメダルが払い出される小役と、入賞により次遊技において投入操作を行うことなく再度の遊技を行えるリプレイと、入賞により次遊技からボーナス遊技が行われるボーナスとを備えている。
本実施の形態においては、
図4に示すように、ボーナスとして、「スイカB・ダミーB・ダミーA」の図柄組合せが対応付けられたBB(ビッグボーナス)が設けられている。BBが入賞すると、次の遊技からボーナス遊技が開始される。ボーナス遊技では、役抽選の抽選結果に関わらず小役が当選状態になるとともに、少なくとも1個の回転リールについて、後述するスベリコマ数が最大スベリコマ数よりも少ないコマ数以下となる。また、本実施の形態では、ボーナス遊技以外の遊技では、規定数が3に設定されており、ボーナス遊技中は、規定数が2に変更される。ボーナス遊技中は、
図4に示すように、小役が入賞しても1回の遊技で投入枚数以下のメダルしか払い出されない。ボーナス遊技は、払い出しメダルの総数があらかじめ定められた一定枚数、例えば28枚を超えた場合に終了する。
【0028】
前記小役としては、ベル1〜ベル9までの9個のベル役と、チェリー役が設けられている。各ベル役には、ベル図柄、リプレイ図柄、BAR図柄、スイカA図柄、スイカB図柄、チェリー図柄、赤7図柄、青7図柄、ダミーA図柄、ダミーB図柄を組み合わせて構成される図柄組合せが対応付けられている。例えばベル1は「ベル・ベル・ベル」の図柄組合せが対応付けられており、ベル2は「青7・ベル・リプレイ」など6個の図柄組合せが対応付けられている。また、チェリー役には、「青7・チェリー・ANY」(ANYは何の図柄でもよい意味)など4個の図柄組合せが対応付けられている。小役の入賞により払い出されるメダル数は、規定数に応じて設定されている。すなわち、規定数が2の場合には、全ての小役は入賞により2枚以下のメダルが払い出される。一方、規定数が3の場合には、ベル1については入賞により9枚のメダルが払い出され、その他のベル役は入賞により1枚のメダルが払い出されるように形成されている。
【0029】
前記リプレイとしては、リプレイ1〜リプレイ3の3個が設けられている。リプレイ1〜リプレイ3のそれぞれには、リプレイ図柄、ベル図柄、スイカA図柄、スイカB図柄、ダミーA図柄、赤7図柄を組み合わせて構成される図柄組合せが対応付けられている。例えば、リプレイ1には、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せが対応付けられており、リプレイ2には「ベル・スイカA・ベル」などの3個の図柄組合せが対応付けられており、リプレイ3には、「赤7・赤7・赤7」「赤7・赤7・ベル」などの8個の図柄組合せが対応付けられている。なお、リプレイ2が入賞すると、左側の回転リール61の上段位置、中央の回転リール62の中段位置、右側の回転リール63の下段位置を結ぶ右下がりライン(有効ラインでないライン=無効ライン)に、「スイカ(A又はB)・スイカ(A又はB)・スイカ(A又はB)」の図柄組合せ(一般的に小役「スイカ」に対応する図柄組合せとして知られている)が揃う場合がある。リプレイ1〜リプレイ3のいずれかが入賞すると、再遊技が作動し、当該遊技終了後の次遊技において、投入操作を行うことなくスタートスイッチ20が操作可能となる。
【0030】
本実施の形態における役抽選テーブルの概念図を
図5に示す。ここで、
図5は、複数の役抽選テーブルに設定されている当選領域の有無を示したものであり、左欄に示した当選領域が含まれていることを丸印で表している。当選領域には不当選(ハズレ)も含まれる。
役抽選テーブルとしては、
図5に示すように、通常状態において用いられる通常テーブルと、ボーナス内部中において用いられる内部中テーブルと、ボーナス作動中において用いられるボーナステーブルとが設けられている。
【0031】
ここで、通常状態、ボーナス内部中、ボーナス作動中は、それぞれ、役抽選手段120の抽選態様の違いに基づくスロットマシンSの内部抽選状態を表すものである。ボーナス作動中とはボーナス遊技が行われる内部抽選状態のことであり、ボーナス内部中とは、後述するボーナスフラグ(BBフラグ)が持ち越されている内部抽選状態のことであり、通常状態とは、それらのいずれでもない内部抽選状態のことである。通常テーブルには、
図5に示すように、単独又は複数の所定の役から構成される当選領域と、不当選領域とが設けられている。内部中テーブルには、BBの当選領域と不当選領域が設けられていない。ボーナステーブルは、不当選の領域のみが設けられている。
【0032】
また、
図5に示す「中ベル1」〜「右ベル6」の12個の当選領域に対しては、3個の停止スイッチ31〜33に基づく6通りの打順(操作順序)のうち、左側に位置する停止スイッチ31を最初に操作する打順(左押し)以外の打順が、それぞれ割り当てられている。具体的には、「中ベル1」〜「中ベル3」の各当選領域に対しては、停止スイッチ32、停止スイッチ31、停止スイッチ33の順で操作する打順(中左右)が、「中ベル4」〜「中ベル6」の各当選領域に対しては、停止スイッチ32、停止スイッチ33、停止スイッチ31の順で操作する打順(中右左)が、「右ベル1」〜「右ベル3」の各当選領域に対しては、停止スイッチ33、停止スイッチ31、停止スイッチ32の順で操作する打順(右左中)が、「右ベル4」〜「右ベル6」の各当選領域に対しては、停止スイッチ33、停止スイッチ32、停止スイッチ31の順で操作する打順(右中左)が、それぞれ割り当てられている。割り当てられている打順が、各当選領域の当選に対する正解の打順となる。そして、「中ベル1」〜「右ベル6」のいずれかが当選した場合、正解の打順で停止スイッチ31〜33が操作されたか否かによって、入賞し得るベル役が変化するようになっているが、これについては後述する。上記したように打順が設定されている当選領域「中ベル1」〜「右ベル6」を総称して「打順ベル」というものとする。
【0033】
さて、
図5では明記していないが、各役抽選テーブルにおける全ての小役の当選領域の全領域に対する割合(当選確率)は、通常テーブル及び内部中テーブルにおいて、同等に設定されている。また、ボーナステーブル以外の役抽選テーブルにおけるリプレイの当選確率(合算値)は、通常テーブルよりも内部中テーブルの方が高くなるように設定されている。例えば、通常テーブルでは、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されており、内部中テーブルでは、リプレイの当選確率が約1/1.5に設定されている。
また、「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」の各当選確率は、「リプレイA」が比較的頻繁に当選し、「リプレイB」「リプレイC」は希に当選するような設定となっている。
なお、上記した役抽選テーブルの構成や当選確率は一例であって、上記した態様や数値に限られるものではない。例えば、ボーナステーブルに小役やリプレイや不当選の当選領域が設けられていてもよい。
【0034】
上記した当選状態設定手段は、ボーナス作動中でない場合において、前記役抽選手段120による役抽選の結果、小役が当選した場合には小役フラグ(ベル1フラグ、チェリーフラグなど)を成立させ、ボーナスが当選した場合にはボーナスフラグ(BBフラグ)を成立させ、リプレイが当選した場合にはリプレイフラグ(リプレイ1フラグなど)を成立させる。また、複数の役から構成される当選領域が当選した場合には、当該領域に含まれる全ての役に対応する当選フラグを成立させる。小役フラグ及びリプレイフラグは1回の遊技限りでリセットされるが、ボーナスフラグは、当該ボーナスが入賞するまでリセットされない。すなわち、ボーナス当選の場合には、当選状態が次の遊技以降に持ち越されるようになっている。さらに、当選状態設定手段は、ボーナス作動中においては、役抽選の結果に関わらず、全ての小役フラグを成立させるようになっている。すなわち、ボーナス作動中は、役抽選の結果が不当選であっても、全ての小役(ベル1〜9、チェリー)の当選フラグを成立させる。これにより、ボーナス作動中は全ての小役が当選状態に設定され、小役の入賞が容易な状態となる。ただし、ボーナス作動中は小役が入賞しても規定数を超えるメダルは払い出されないので、メダルの獲得に関してはボーナス内部中よりも不利な状態となる。
なお、BBテーブルに、全ての小役が同時に当選する当選領域を設け、ボーナス作動中は、役抽選の抽選結結果に基づいて、全ての小役が当選状態となるように形成してもよい。
【0035】
(リール制御手段130)
リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作信号に基づいて、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するためのものである。以下、リール制御手段130による回転リール61〜63の回転制御及び停止制御について説明する。
(回転制御)
リール制御手段130は、スタートスイッチ20の有効な操作信号を入力した場合に、リールモータM1〜M3を駆動させて回転リール61〜63を回転させるものである。すなわち、規定数のメダルがベットされている状態でスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール61〜63の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、全ての回転リール61〜63を一斉に、あるいは所定の順番で回転開始させる。そして、全ての回転リール61〜63の回転速度が、停止スイッチ31〜33の操作(以下停止操作という)を可能とするためにあらかじめ設定された定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度を維持する定常回転を行わせるものとなっている。
【0036】
ここで、リール制御手段130は、リールモータM1〜M3の駆動速度を制御するための制御データ(加速度データ)に基づいて、回転リール61〜63の回転を制御する。加速度データは、リールモータM1〜M3を励磁させるための駆動パルス(駆動信号)の出力態様をテーブル上に規定したものであり、加速度データに基づいて所定の駆動信号がモータ駆動回路に出力されることにより、回転リール61〜63を回転開始させ、回転速度を加速又は減速させ、あるいは一定速度(定常回転速度)を保って回転させることができるようになっている。
【0037】
本実施の形態では、加速度データとして、回転リール61〜63の作動態様による演出である回胴演出が行われない場合(すなわち通常の回転時)の回転リール61〜63の挙動を制御するための通常回転データと、前記回胴演出を実行する際の回転リール61〜63の挙動を制御するための回胴演出回転データとを備えている。通常回転データは、当該データを参照して駆動信号の出力処理を行う通常回転制御により、停止している回転リール61〜63が回転開始し、所定の加速度で加速し、一定時間後に定常回転速度に達するように設定されたものである。回胴演出回転データは、当該データを参照して駆動信号の出力又は出力停止処理を行う回胴演出制御により、回転リール61〜63が種々の態様で作動するように設定されたものである。そして、通常回転制御により、スタートスイッチ20の操作(以下スタート操作という)から停止操作が許可されるまでの間、回転リール61〜63はあらかじめ定められた通常の態様で回転し、回胴演出制御により、スタート操作から停止操作が許可されるまでの間、所定の回胴演出が行われることとなる。回胴演出は、メイン制御装置100の制御に基づくメイン演出の一つとして位置づけられる。
【0038】
また、本実施の形態においては、回胴演出回転データとして、リールモータM1〜M3を逆転駆動させて回転リール61〜63を逆回転(回転リール61〜63に表示されている図柄が正面視して下側から上側に移動する方向に回転)させるための逆回転データと、回転リール61〜63の各赤7図柄を横並びに揃えるように回転リール61〜63を回転させるための7揃い回転データとが少なくとも設けられている。逆回転データは、例えば、所定の回転速度でリールモータM1〜M3を所定ステップ数(例えば回転リール61〜63の5回転分)逆転駆動させた後に駆動停止させるように、駆動信号の出力態様が規定されたものとすることができる。なお、前記所定時間を、回転リール61〜63が所定回数回転する時間とすれば、回胴演出回転データに基づく処理の終了(回胴演出の終了)後、回胴演出の開始前の停止図柄の態様で回転リール61〜63を停止させることができる。また、7揃い回転データは、回転リール61〜63についての所定位置にある停止図柄から赤7図柄までのコマ数(正転方向でも逆転方向でもよい)に基づいて、所定の回転速度でリールモータM1〜M3を所定コマ数分だけ駆動(正転でも逆転でもよい)させた後に駆動停止するように、駆動信号の出力態様が規定されたものとすることができる。
【0039】
なお、回胴演出回転データは、7揃い回転データや逆回転データに限られず、リールモータM1〜M3の正転逆転を繰り返して回転リール61〜63を振動させる制御を行わせるデータや、回転リール61〜63を所定時間停止させるデータや、回転リール61〜63を回転させないデータなどを設けてもよい。
そして、本実施の形態においては、リール制御手段130は、後述するフリーズ設定手段170がフリーズを設定している場合における所定時に、前記した回胴演出回転データに基づき回転リール61〜63の作動を制御することができるように形成されている。
【0040】
(停止制御)
リール制御手段130は、リールセンサ2A(
図2参照)の検出信号に基づき回転リール61〜63の回転角度を把握しつつ、停止スイッチ31〜33の作動時点(停止スイッチ31〜33の操作が検出された時点=停止操作のタイミング)での回転リール61〜63の回転角度から、有効ライン上に位置している図柄を特定すること(以下図柄参照という)ができるようになっている。そして、リール制御手段130は、停止操作がされた時点において所定位置(例えば上段位置)にある回転リール61〜63の図柄を基準図柄として、回転リール61〜63の回転角度が前記基準図柄をあらかじめ定められたコマ数(最大スベリコマ数、例えば4コマ)だけ回転方向に移動させたコマ数(引き込み可能コマ数、例えば5コマ)の範囲内となるように、回転リール61〜63を停止させることができる。
【0041】
具体的には、前記基準図柄を所定位置(上段位置)に停止させてもよい場合には、停止操作のタイミングで、リールモータM1〜M3の駆動を停止させるための停止信号を出力してそのまま回転リール61〜63を停止させる。また、基準図柄を所定位置に停止させることによって有効ライン上に停止させてはいけない図柄が停止することとなる場合には、停止信号を出力するタイミングを遅らせて、有効ライン上からその図柄を蹴飛ばす蹴飛ばし処理を行う。また、前記引き込み可能コマ数の範囲内に、当選した役に対応付けられた図柄組合せを構成する図柄(当選図柄)が含まれている場合には、停止信号を出力するタイミングを遅らせて、有効ライン上にその当選図柄を引き込む引き込み処理を行う。
【0042】
リール制御手段130は、これらの処理を、回転リール61〜63の停止位置候補を特定するためのあらかじめ定められた優先順位に基づいて、基準図柄から何コマ分回転させて回転リール61〜63を停止させるかを役抽選の結果及び停止操作のタイミングに応じて図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルを用いて行う。
本実施の形態では、役についての優先順位が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められており、停止テーブルでは、ボーナスと小役が同時に当選している場合(ボーナス内部中に小役が当選した場合)には小役に対応付けられた小役図柄を優先的に有効ライン上に引き込み、ボーナスとリプレイが同時に当選している場合(ボーナス内部中にリプレイが当選した場合)にはリプレイに対応付けられたリプレイ図柄を優先的に有効ライン上に引き込むように形成されている。したがって、ボーナス内部中において、ボーナスに対応付けられたボーナス図柄が優先的に引き込まれるのは、役抽選の結果がハズレの場合のみとなる。しかし、本実施の形態においては、内部中テーブルのハズレの領域が無いので、ボーナス当選に係る遊技でボーナスが入賞しなかった場合には、特定の場合(例えば所定の小役の当選時に、所定の打順かつ特定のタイミングで停止操作された場合)を除き、ボーナスが入賞する場合はないようになっている。
【0043】
また、停止テーブルとしては、引き込み可能コマ数の範囲内で当選図柄を有効ライン上に引き込み、当選図柄以外の図柄を有効ライン上から蹴飛ばすように、回転リール61〜63の停止位置が規定された当選図柄引き込みテーブルと、引き込み可能コマ数の範囲内で、いかなる役に対応する図柄組合せも有効ライン上に揃わないように、回転リール61〜63の停止位置が規定されたハズレテーブルとが設けられている。停止テーブルは、3個の回転リール61〜63にそれぞれ対応して設けられており、先に停止した回転リールの停止図柄に応じて、未停止の回転リールの停止テーブルが選択されるようになっている。
【0044】
ここで、ボーナス作動中においては、全ての小役フラグが成立している状態に対応した停止テーブルが用いられる。これにより、停止操作のタイミングによって、いずれの小役図柄でも、有効ライン上に引き込み可能となっている。また、ボーナス作動中においては、あらかじめ設定された少なくとも1個の回転リール(例えば左リール61)について、スベリコマ数が1コマ以下(1コマ又は0コマ)となるように対応された停止テーブルが用いられる。これにより、ボーナス作動中においては、少なくとも1個の回転リールについては、当選図柄の引き込みコマ数が最大1コマとなる。
【0045】
(打順ベル当選時の停止制御)
次に、「打順ベル」のいずれか、すなわち
図5に示す「中ベル1」〜「右ベル6」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態においては、「打順ベル」の領域に共通して含まれるベル1の図柄組合せを構成する図柄(ベル図柄)は、全ての回転リール61〜63において通常状態及びボーナス内部中における最大スベリコマ数(4コマ)を超える間隔をあけずに配置されている。また、「中ベル1」〜「中ベル6」の領域に共通して含まれるベル2の図柄組合せを構成する図柄と、「右ベル1」〜「右ベル6」の領域に共通して含まれるベル3の図柄組合せを構成する図柄は、個々の図柄組合せについてみると全ての回転リール61〜63において4コマを超える間隔をあけずに配置されているわけではないが、複数の図柄組合せを合わせると、全ての回転リール61〜63において4コマを超える間隔をあけずに配置されているものとなっている。つまり、ベル1〜3は、最大スベリコマ数が4コマに設定されている制御中(ボーナス作動中以外)においては、停止操作のタイミングに関わらず入賞可能な設定となっている。一方、「打順ベル」に含まれる、ベル4〜9のベル役の図柄組合せを構成する図柄には、回転リール61〜63のいずれかにおいて4コマを超える間隔をあけて配置されている図柄が含まれており、ベル4〜9が単独で当選したとしても目押しをしないと入賞できない設定となっている。そして、リール制御手段130は、ボーナス作動中以外において、役抽選により、いずれかの「打順ベル」が当選した場合には、停止操作の態様に応じて、当該領域に含まれるベル1〜9のいずれかのベル役に対応する図柄組合せを有効ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。これらの制御は、停止スイッチ31〜33の打順に応じて設けられている停止テーブルを参照して行われる。
【0046】
具体的には、役抽選により「打順ベル」が当選した場合に、当選した当選領域に対して割り当てられている正解の打順で各停止スイッチ31〜33が操作された場合には、停止操作のタイミングに関わらず、ベル1の図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。すなわち、そのような停止位置が設定されている停止テーブルを用いて停止位置を決定し、回転リール61〜63を停止させる(以下同様)。これによりベル1が入賞し、9枚のメダルが払い出される。一方、その正解の打順以外の打順(不正解の打順)で各停止スイッチ31〜33が操作された場合には、ベル2乃至ベル9のいずれかの図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。これによりベル2乃至ベル9のいずれかが入賞し、1枚のメダルが払い出される。すなわち、ベル1は正解の打順で停止操作したときに入賞する正解役であり、それ以外のベル役は不正解の打順で停止操作したときに入賞する不正解役として位置づけられている。
【0047】
(リプレイC当選時の停止制御)
本実施の形態においては、リプレイ1とリプレイ3の重複当選領域である「リプレイC」が当選した場合には、打順に応じて、入賞するリプレイが異なるようになっている。
具体的には、「リプレイC」の当選時に、左押しで停止操作された場合には、回転リール61でベル図柄及び赤7図柄に優先してリプレイ図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。これにより、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せ(以下リプレイ揃いという)が表示されてリプレイ1が入賞する。また、「リプレイC」の当選時に、左押し以外の打順で停止操作された場合には、回転リール62ではリプレイ図柄に優先して赤7図柄を有効ライン上に引き込み、回転リール61及び回転リール63ではリプレイ図柄及びベル図柄に優先して赤7図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。停止操作のタイミングで赤7図柄を有効ライン上に引き込めた場合には、「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せ(以下赤7揃いという)が表示されてリプレイ3が入賞する。一方、停止操作のタイミングで赤7図柄を有効ライン上に引き込めない場合には、回転リール61、63において、リプレイ図柄に優先してベル図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。この場合には、「ベル・赤7・ベル」や「赤7・リプレイ・ベル」などの、リプレイ3に対応付けられた赤7揃い以外の図柄組合せが表示されてリプレイ3が入賞する。
【0048】
ところで、本実施の形態においては、フリーズ設定手段170がフリーズを設定している場合に、スタートスイッチ20の操作信号に基づき回転リール61〜63を擬似的に回転させ、停止スイッチ30〜33の操作信号に基づき回転リール61〜63を擬似的に停止させる擬似遊技を実行可能に形成されている。上記した通常回転データに基づく回転制御及び停止制御は、本来の遊技中において行われるものである。そして、リール制御手段130は、擬似遊技中において、回転リール61〜63の擬似的な回転及び擬似的な停止を制御することができるものとなっているが、この詳細については後述する。
【0049】
(遊技結果判定手段140)
遊技結果判定手段140は、停止スイッチ31〜33の操作によって回転リール61〜63が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するためのものである。
具体的には、回転リール61〜63が停止したときに所定の記憶部に記憶される停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断する。そして、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、その判定結果情報を、払出制御手段150及び内部抽選状態移行手段160に送信する。前述したように、入賞によるメダルの払い出し枚数は、規定数によって異なっており、内部抽選状態がボーナス作動中である場合には、規定数が2の場合に対応する払い出しを決定し、ボーナス作動中でない場合には、規定数が3の場合に対応する払い出しを決定する(
図4参照)。小役が入賞した判定結果情報を受信した払出制御手段150は、ホッパーユニット3を作動させて入賞メダルの払い出し処理を行う。リプレイが入賞した判定結果情報を受信した投入制御手段110は自動ベット処理を行い、ボーナスが入賞した判定結果を受信した内部抽選状態移行手段160は、ボーナス作動中への移行準備処理を行い、ボーナスが当選した遊技でボーナスが入賞しなかった判定結果を受信した内部抽選状態移行手段160は、ボーナス内部中への移行準備処理を行う。
【0050】
(払出制御手段150)
払出制御手段150は、遊技結果判定手段140の判定結果及び精算スイッチ40の操作に基づいて、ホッパーモータ3Bを作動させてホッパーユニット3からメダルを払い出させるものである。すなわち、遊技結果判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ40の操作信号を入力したときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出させるようになっている。
なお、入賞により払い出されるメダルを、クレジットに電子的に貯留し、クレジットを超過する払い出し分をホッパーユニット3から払い出させるようにしてもよい。
【0051】
(内部抽選状態移行手段160)
内部抽選状態移行手段160は、内部抽選状態の移行を制御するものである。本実施の形態では、前述したように、内部抽選状態として、通常状態と、ボーナス内部中と、ボーナス作動中とが設けられている(
図6(A)参照)。スロットマシンSの内部抽選状態は、初期状態(工場出荷時又は設定変更時)において通常状態に設定されており、内部抽選状態移行手段160は、通常状態中にボーナス(BB)が当選すると、内部抽選状態をボーナス内部中に移行させる。また、ボーナス内部中においてボーナスが入賞すると、内部抽選状態をボーナス作動中に移行させる。そして、所定のボーナス終了条件(所定枚数を超える払い出し)に該当した場合には、内部抽選状態を通常状態に移行させる。そして、役抽選手段120が内部抽選状態に応じた役抽選テーブルを取得し役抽選を行うことにより、通常状態、ボーナス内部中、ボーナス作動中の各内部抽選状態が発動する。
【0052】
ここで、既述したように、本実施の形態においては、ボーナス内部中にボーナスを入賞させることが極めて希な仕様となっている。したがって、本実施の形態における内部抽選状態は、いったんボーナスが当選し当該遊技でボーナスが入賞しなかった場合には、ほぼ常にボーナス内部中に滞在することとなる。また、通常テーブルにおいて、BBの当選確率を高く設定しておく(例えば小役やリプレイと重複当選させておく)ことにより、初期状態から早期にボーナス内部中に移行させることができる。
【0053】
(フリーズ設定手段170)
フリーズ設定手段170は、所定の契機で、本来の遊技の進行が停止した状態となるフリーズの発生及び終了を制御するものである。
具体的には、フリーズ設定手段170は、所定のフリーズ開始条件に該当した場合に、スタートスイッチ20の操作を契機としてフリーズを設定する。フリーズ設定手段170がフリーズを設定することにより、本来の遊技の進行が停止するフリーズが発生する。
また、フリーズ設定手段170は、所定のフリーズ終了条件に該当した場合には、フリーズの設定を解除する。フリーズ設定手段170がフリーズの設定を解除することにより、フリーズが終了する。
【0054】
ここで、メイン制御装置100は、基本的に、回転リール61〜63の回転中や入賞によるメダルの払い出し中、あるいは再遊技の作動中には、ベット操作(メダルの投入又はベットスイッチ10の操作)を無効としている。すなわち、メダルセレクター4をメダルキャンセル状態にし、ベットスイッチ10の操作を無効としている(操作信号を受け付けない、あるいは受け付けても無視する。以下同様)。また、回転リール61〜63の回転中はもちろんのこと、回転リール61〜63が停止していてもベットがされていない状態では、スタートスイッチ20の操作を無効とし、所定のウエイト時間が経過するまでは、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61〜63の回転開始を保留する。すなわち、ウエイト時間の経過前にスタートスイッチ20の操作信号を入力しても、ウエイト時間が経過するまではリールモータM1〜M3に駆動信号が出力されないようになっている。ただし、スタートスイッチ20の操作信号に基づく役抽選処理は行われ、ウエイト時間の経過後、回転リール61〜63は再度のスタートスイッチ20の操作なしに回転開始する。また、回転リール61〜63が停止している場合はもちろんのこと、回転リール61〜63の回転開始後、回転速度が定常回転速度に達し、かつ全ての回転リール61〜63についてスタートインデックスが検知されて図柄参照が可能な状態となるまでは、停止スイッチ31〜33の操作を無効としている。
【0055】
一方、メイン制御装置100は、フリーズ制御手段170がフリーズの設定した場合には、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61〜63の本来の回転開始を保留する。また、フリーズ制御手段170がフリーズの設定をしている間(フリーズ中)において、メイン制御装置100は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作信号を受け付け、これらの操作信号入力に基づき後述する擬似遊技又は回胴演出が行われるようになっている。
そして、フリーズ制御手段170によりフリーズの設定が解除されると、メイン制御装置100は回転リール61〜63の回転開始の保留を解除する。これにより、フリーズ終了後、再度スタートスイッチ20が操作されなくても、回転リール61〜63は本来の回転を開始する。
【0056】
なお、フリーズ中であってもブロッカー7Aを作動させずにメダル投入口5から投入されたメダルを受け付け可能とし、クレジットが満杯でないことを条件に、投入されたメダルをクレジットに回すようにしてもよい。また、擬似遊技の結果、所定のリプレイの図柄組合せが表示されることに基づき、ベット表示部11に擬似的なベット表示がされるようにしてもよい。
さらに、フリーズ制御手段170は、上記以外のフリーズを設定可能であってもよい。例えば、所定の場合に、当該遊技で停止スイッチ31〜33の操作が無効とされるフリーズや、ベットスイッチ10の操作が無効とされるフリーズを設定可能に形成してもよい。
【0057】
(擬似遊技制御手段180)
擬似遊技制御手段180は、擬似遊技の開始及び終了を制御するものである。擬似遊技は、前述したフリーズが設定されているときに擬似的に進行される遊技であって、スタートスイッチ20の操作に基づき回転リール61〜63を擬似的に回転させ、擬似的に回転している回転リール61〜63を、それぞれに対応する停止スイッチ31〜33の操作に基づき擬似的に停止させるように設定されたものである。そして、擬似遊技制御手段180は、
図2に示すように、実行決定手段181及び停止制御決定手段182を備えている。
【0058】
ここで、本実施の形態における擬似遊技の概略を説明すると、スタートスイッチ20の操作を契機にフリーズ設定手段170がフリーズを設定することを契機に、リール制御手段130が回転リール61〜63を回転開始させる。この際、リール制御手段130が通常回転データを参照することにより、本来の遊技と同様の制御ロジックで回転処理や図柄参照が行われるが、フリーズが設定されている間(フリーズ中)に回転リール61〜63を回転させることを、本来の遊技の回転リール61〜63の回転と区別して擬似回転というものとする。また、回転リール61〜63が擬似回転しているときに、停止スイッチ30〜33の操作信号を入力すると、リール制御手段130が回転リール61〜63を停止させる。この際、リール制御手段130が、あらかじめ定められた抽選結果(所定のリプレイの当選)に応じた本来の遊技における停止制御に用いられる停止テーブルを参照することにより、本来の遊技と同様の引き込み処理や蹴飛ばし処理が行われるが、フリーズ中に回転リール61〜63を停止させることを、本来の遊技の回転リール61〜63の停止と区別して擬似停止というものとする。そして、3個の回転リール61〜63を擬似停止させると、1回の擬似遊技が終了したものとなる。
【0059】
また、フリーズ中において、遊技結果判定手段140は、擬似遊技の遊技結果を判定するが、擬似遊技の結果、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されても、そのことによって入賞に応じた利益が付与されることはない。すなわち、小役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されてもメダルの払い出しは行われず、リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されても再遊技は作動せず、ボーナスに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されてもボーナスは作動しない。フリーズ中に遊技結果判定を行うことを、本来の遊技の遊技結果判定と区別して擬似遊技結果判定というものとする。なお、本実施の形態における擬似遊技では、所定のリプレイに対応する図柄組合せを有効ライン上に表示させるようにしている。
【0060】
さらに、本実施の形態では、メイン制御装置100は、リール制御手段130が回転リール61〜63を擬似停止させた後、スタートスイッチ20の操作信号を受け付け、回転リール61〜63が擬似停止しているときにスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、リール制御手段130が回転リール61〜63を擬似回転させる。このようにして、フリーズ中に複数回の擬似遊技を実行させることができるようになっている。ただし、フリーズ中にスタートスイッチ20の操作信号を入力しても役抽選手段120は役抽選を行わない。
以上のように、擬似遊技では、本来の遊技と同様の操作手順で本来の遊技と同様の回転リール61〜63の挙動が実現されるが、擬似遊技は、フリーズ中における所定の操作スイッチの操作信号入力に基づいて行われる回胴演出の一態様として位置づけられるものである。本実施の形態では、フリーズ中に回胴演出回転データを用いて回転リール61〜63を作動させる回胴演出を「回胴演出」といい、フリーズ中に通常回転データを用いて回転リール61〜63を作動させ停止スイッチ31〜33の操作に基づき回転リール61〜63を停止させる回胴演出を「擬似遊技」というものである。
【0061】
(実行決定手段181)
実行決定手段181は、擬似遊技を実行するか否かを決定するためのものである。本実施の形態では、所定のリプレイの当選時にあらかじめ定められた打順で停止操作された場合に、擬似遊技の実行を決定するものとなっている。
具体的には、実行決定手段181は、「リプレイA」の当選時に「右左中」の打順で停止操作された場合、及び「リプレイB」の当選時に「右中左」の打順で停止操作された場合、及び「リプレイC」の当選時に「左右中」の打順で停止操作された場合(
図7参照)に、次遊技での擬似遊技の実行を決定する。なお、「リプレイA」の当選時に「右左中」の打順で停止操作された場合にはリプレイ1が入賞し、「リプレイB」の当選時に「右中左」の打順で停止操作された場合にはリプレイ2が入賞し、「リプレイC」の当選時に「左右中」の打順で停止操作された場合にはリプレイ1が入賞する。
【0062】
そして、実行決定手段181は、擬似遊技の実行を決定した場合には、擬似遊技実行フラグをセット(ON)して、その旨を記憶する。擬似遊技の実行が決定されると、フリーズ設定手段170がフリーズを発生させるので、擬似遊技の実行が決定される打順は、フリーズを発生させるための正解打順(フリーズ正解打順)として位置づけられる。
また、本実施の形態では、サブ制御装置200の制御に基づく演出状態に応じて、フリーズ正解打順が遊技者に報知(ナビ)されるとともに、フリーズ中に行われる擬似遊技において、特定の打順(擬似遊技正解打順)で停止操作されることに基づいて、特定の処理が行われるようになっているが、これについては後述する。
なお、フリーズ正解打順を、抽選により決定するようにしてもよい。
【0063】
さて、実行決定手段181は、擬似遊技において、前記した擬似遊技正解打順で停止操作されることが2回連続した場合に、擬似遊技の終了を決定し、擬似遊技実行フラグをOFFにする。特定の処理を行うために擬似遊技正解打順での停止操作を複数回要求することとしたのは、擬似遊技を発生させるべきでないときに操作ミスや変則押しによってフリーズ(擬似遊技)が発生してしまった場合に、本来行われるべきでない特定の処理が行われる可能性を低くするためである。一方、擬似遊技において、擬似遊技正解打順で停止操作されなかった場合にも、擬似遊技の終了を決定して、擬似遊技実行フラグをOFFにする。擬似遊技実行フラグがOFFとなることにより、複数回の擬似遊技を実行可能な擬似遊技の期間が終了したものとなる。そして、擬似遊技正解打順で停止操作されたことに基づいて擬似遊技の期間が終了した場合には、前記特定の処理が行われ、擬似遊技正解打順で停止操作されないことに基づいて擬似遊技の期間が終了した場合には、前記特定の処理が行われないようになっている。
【0064】
そして、フリーズ設定手段170は、本来の遊技におけるスタートスイッチ20の操作信号入力時に、擬似遊技実行フラグがONとなっている場合に、フリーズ開始条件に該当したものとしてフリーズを設定し、擬似遊技実行フラグがOFFとなった場合に、フリーズ終了条件に該当したものとしてフリーズの設定を解除する。ただし、擬似遊技中に、後述する回胴演出実行フラグがONとなっている場合には、擬似遊技実行フラグがOFFとなった後もフリーズの設定を解除せず、フリーズを維持する。
【0065】
また、本実施の形態では、擬似遊技において回転リール61〜63が全て停止した状態で擬似遊技の終了が決定され、擬似遊技の期間が終了すると、フリーズ設定手段170は、スタートスイッチ20の操作信号の入力に伴いフリーズの設定を解除するようになっている。その後、フリーズの設定により保留されていた本来の遊技のスタートスイッチ20の操作に基づく駆動信号の出力開始により、回転リール61〜63が本来の回転を開始する。これにより、フリーズの設定の解除契機となったスタートスイッチ20の操作に基づいて回転リール61〜63が回転し次の遊技が開始されたように見えるが、実際には、フリーズにより進行が停止していた本来の遊技が再開されるものである。
【0066】
(停止制御決定手段182)
停止制御決定手段182は、擬似遊技中において、リール制御手段130が回転リール61〜63を擬似停止させる際に参照する停止制御データ(停止テーブル)を決定するためのものである。
上述したように、本実施の形態では、フリーズ中において停止スイッチ31〜33の操作信号の入力に基づいてリール制御手段130が回転リール61〜63を停止させる際、あらかじめ定められた抽選結果に応じて本来の遊技と同様の引き込み処理や蹴飛ばし処理を行うようになっている。停止制御決定手段182は、このあらかじめ定められた抽選結果(擬似抽選結果)を、擬似遊技の実行回数に応じて決定する。また、停止制御決定手段182は、上述した擬似遊技正解打順を、打順抽選により決定する。
【0067】
具体的には、停止制御決定手段182は、
図8(A)に示すように、1回目の擬似遊技では擬似抽選結果を「リプレイA」に設定し、2回目の擬似遊技では擬似抽選結果を「リプレイC」に設定する。そして、停止制御決定手段182は、擬似抽選結果に基づき、擬似遊技において参照すべき所定の停止テーブルを決定する。すなわち、擬似抽選結果を「リプレイA」に設定した場合には、本来の遊技において「リプレイA」の当選時に用いられる停止テーブルを、擬似遊技で参照すべき停止テーブルとして決定する。また、擬似抽選結果を「リプレイC」に設定した場合には、本来の遊技において「リプレイC」の当選時に用いられる停止テーブルを、擬似遊技で参照すべき停止テーブルとして決定する。
【0068】
また、擬似遊技正解打順の抽選は、擬似遊技正解打順抽選用の乱数と、擬似遊技正解打順抽選用の抽選テーブルを用いて、役抽選と同様の手法で行われる。擬似遊技正解打順抽選用の抽選テーブルは、例えば、0〜255までの乱数値の所定範囲に対して、0〜3までの擬似遊技停止制御番号が当選項目として設定されたものである(
図8(B)参照)。各擬似遊技停止制御番号には、
図8(C)に示すように、停止スイッチ31〜33の6通りの打順のうち、左押し以外の4通りの打順が対応付けられている。例えば、停止制御番号0には「中左右」の打順が、停止制御番号1には「中右左」の打順が対応付けられている。当選した擬似遊技停止制御番号に対応する打順が、擬似遊技において操作されるべき正解の打順となる。この擬似遊技正解打順はサブ制御装置200に出力され、前述したように、演出状態に応じて、擬似遊技正解打順が遊技者に報知(ナビ)されるようになっている。
【0069】
(回胴演出制御手段185)
回胴演出制御手段185は、回胴演出の開始及び終了を制御するものであり、図示しないが、実行判定手段及び継続抽選手段を備えている。本実施の形態では、フリーズ中において、リール制御手段130が、7揃い回転データに基づき赤7図柄を有効ライン上に揃えた後、逆回転データに基づき回転リール61〜63を一斉に逆回転させてから停止させる回胴演出を実行可能に形成されている。また、回胴演出の継続が決定されている場合には、1回の回胴演出の終了後、スタートスイッチ20の操作信号の入力に基づき、回転リール61〜63を逆回転させて停止させる回胴演出が繰り返されるようになっている。なお、本実施の形態では、回胴演出が行われるごとに、後述するATの遊技回数が上乗せされるようになっている。
【0070】
実行判定手段は、回胴演出の開始及び継続及び終了を決定するものである。
ここで、メイン制御装置100の制御状態の一つである信号出力状態として、後述する外部信号出力手段190により所定の外部信号(AT作動信号)が出力されている状態(信号出力中)と、前記外部信号が出力されていない状態(信号停止中)とがある。実行判定手段は、信号出力中において、「リプレイA」又は「リプレイB」又は「リプレイC」の当選時にフリーズ正解打順で停止操作されることに基づいて実行される擬似遊技で、擬似遊技正解打順で停止操作されることを条件として、当該擬似遊技に引き続き回胴演出を行う決定をし、回胴演出実行フラグをONにしてその旨を記憶する。このように、擬似遊技に引き続き回胴演出を行うようにする(間に本来の遊技を挟まない)ことにより、無駄なメダルの消費を抑えることができるとともに、本来の遊技の役抽選において何らかの契機役が当選した場合を考慮する必要がなくなり、制御を簡素化できる。
【0071】
そして、擬似遊技の期間の終了時に、回胴演出実行フラグがONとなっている場合には、フリーズ設定手段170はフリーズの設定を維持する。この場合には、フリーズ中のスタートスイッチ20の操作に基づきサブ制御装置200に回胴演出開始コマンドが出力され、リール制御手段130は、このフリーズ中に、7揃い回転データに基づき赤7図柄を揃える処理及び回胴演出回転データに基づき回転リール61〜63を逆回転させる逆回転処理を行う。なお、擬似遊技の2回目で赤7揃いが表示されている場合には、赤7図柄を揃える処理は行わない。
また、実行判定手段は、擬似遊技において、擬似遊技正解打順で停止操作されなかった場合には、回胴演出の実行を決定せず、回胴演出実行フラグをセットしない。この場合には、フリーズ設定手段170は、擬似遊技実行フラグがOFFとなった後スタートスイッチ20が操作されることを契機に、フリーズの設定を解除する。
【0072】
継続抽選手段は、1回の回胴演出の終了後、スタートスイッチ20の操作信号を入力することを契機に、回胴演出を継続するか否かの継続抽選を行う。また、継続抽選手段は、リール制御手段130による逆回転処理が終了した後、一定時間スタートスイッチ20の操作信号を入力しない場合には、一定時間の経過を契機に、継続抽選を行う。継続抽選は、継続抽選用の乱数と継続抽選用の抽選テーブルを用いて、役抽選と同様の手法で行われる。継続抽選に当選した場合には、実行判定手段は回胴演出の継続を決定する。回胴演出の継続が決定されると、サブ制御装置200に回胴演出継続コマンドが出力され、リール制御手段130が逆回転処理を行う。一方、継続抽選に不当選の場合には、実行判定手段は回胴演出の終了を決定し、回胴演出実行フラグをOFFにする。回胴演出の終了が決定されると、サブ制御装置200に回胴演出終了コマンドが出力され、フリーズ設定手段170は、回胴演出実行フラグがOFFとなった場合に、フリーズ終了条件に該当したものとしてフリーズの設定を解除する。
【0073】
(外部信号出力手段190)
外部信号出力手段190は、スロットマシンSの遊技状態が所定の有利状態となっている旨の信号を外部に出力するためのものである。ここで、遊技状態とは、メイン制御装置100の制御状態とサブ制御装置200の制御状態をあわせたスロットマシンSの作動状態のことである。外部信号出力手段190は、スロットマシンSが設置される遊技場の島設備に設けられ遊技場のホールコンピュータに接続された情報表示装置に、所定の信号を出力可能に形成されており、情報表示装置にスロットマシンSの作動情報を表示させたり、ホールコンピュータでスロットマシンSの稼働状況を管理したりすることができるようになっている。
そして、外部信号出力手段190は、所定の信号出力条件に該当した場合にはAT作動信号(補助演出状態作動信号)を出力し、所定の信号停止条件に該当した場合にはAT作動信号の出力を停止する。AT作動信号は、サブ制御装置200の制御に基づく演出状態がAT状態である蓋然性が高い場合に出力される外部出力信号である。
【0074】
具体的には、外部信号出力手段190は、AT作動信号の出力中でない場合には、信号出力フラグをOFFにしてその旨を記憶し、信号出力フラグがOFFとなっているとき(すなわち信号停止中)において発生した擬似遊技で、擬似遊技正解打順で停止操作されることが2回連続した場合にはAT作動信号の出力を決定し、信号出力決定フラグをONにしてその旨を記憶する。そして、当該遊技の終了後にAT作動信号の出力を開始し、信号出力決定フラグをOFFにして信号出力フラグをONにする。また、信号出力フラグがONとなっているとき(すなわち信号出力中)において、「打順ベル」の当選時において遊技の結果ベル1の非入賞(つまり正解打順で停止操作されないこと)が2回連続した場合には、当該遊技の終了後にAT作動信号の出力を停止して、信号出力フラグをOFFにする。
【0075】
(サブ制御装置200)
サブ制御装置200は、メイン制御装置100から出力されるコマンドやデータ(遊技制御情報)に基づいて、画像表示部70やランプ80やスピーカ90等を制御するためのものである。メイン制御装置100がサブ制御装置200に出力する遊技制御情報としては、スタートスイッチ20等の操作スイッチの操作に関する情報や、役抽選の抽選結果に関する情報や、リールユニット2の作動情報(回転リール61〜63の回転及び停止に関する情報)や、停止図柄の表示態様などの遊技結果に関する情報がある。また、内部抽選状態の移行に関する情報や、信号出力状態に関する情報や、擬似遊技又は回胴演出に関する情報がある。擬似遊技に関する情報としては、擬似抽選結果に関する情報や、フリーズ正解打順及び擬似遊技正解打順に関する情報などがある。回胴演出に関する情報としては、回胴演出開始コマンドや、回胴演出継続コマンド、回胴演出終了コマンドなどがある。
【0076】
サブ制御装置200を構成するサブ基板には、図示しないが、演出に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて演出の進行に関する制御を行うメインCPU、読み書き可能であって遊技の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRWM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、
図2に示すように、少なくとも、演出状態移行手段210、演出実行制御手段220、AT制御手段230として機能する。
【0077】
(演出状態移行手段210)
演出状態移行手段210は、サブ制御装置200の制御に基づく演出状態の移行を制御するためのものである。
演出状態としては、
図6(B)に示すように、大きく分けて、役抽選の結果に関する情報が遊技者に報知されるAT(アシストタイム)が実行される演出状態であるAT状態(補助演出状態)と、AT状態以外の演出状態である非AT状態とが設けられている。非AT状態は、サブ通常状態であり、AT状態には、通常のATが行われる通常AT状態と、メイン制御装置100の制御に基づく回胴演出が行われる特別AT状態が設けられている。
【0078】
スロットマシンSの演出状態は、初期状態(工場出荷時等)においては、サブ通常状態となっている。そして、演出状態移行手段210は、サブ通常状態中(以下サブ通常中と省略)において、後述する通常AT移行抽選に当選した場合には、演出状態を通常AT状態に移行させる。通常AT状態は、例えば最低40回の遊技が保証されており、後述する上乗せ抽選に当選した場合には、さらに所定の遊技回数が上乗せされる。通常AT状態中(以下通常AT中と省略)においては、「打順ベル」の当選時に、ベル1を入賞させるための正解の打順が報知される打順ナビ(小役の入賞を補助する補助演出としてのベルナビ)が行われる。そして、設定された回数の遊技が終了すると、演出状態移行手段210は、演出状態を通常AT状態からサブ通常状態に移行させる。なお、初期状態(設定変更後)又はAT終了後、次回ATを開始するまでの遊技回数が所定回数(例えば1000回)となった場合には、AT移行抽選に当選しなくてもAT状態に移行させるように形成してもよい。
【0079】
また、演出状態移行手段210は、通常AT中において、後述する特別AT移行抽選に当選した場合には、演出状態を特別AT状態に移行させる。特別AT状態中(以下特別AT中と省略)において、回胴演出開始コマンドを入力した場合には、所定数のAT遊技回数が上乗せされるとともに、回胴演出継続コマンドを入力した場合には、上乗せ抽選が行われ、さらに所定数のAT遊技回数が上乗せされる。そして、演出状態移行手段210は、特別AT中に、回胴演出終了コマンドを入力した場合には、演出状態を特別AT状態から通常AT状態に移行させる。なお、回胴演出開始コマンドを入力しないままフリーズの設定が解除された場合には、演出状態を特別AT状態から通常AT状態に移行させる。
【0080】
(演出実行制御手段220)
演出実行制御手段220は、画像表示部70やランプ80やスピーカ90等の演出装置の作動を制御するためのものであり、以下に述べるAT制御手段230や、図示しない演出決定手段の決定に基づき、ROMに記憶されている演出データをもとに、AT中の打順ナビや、演出状態に応じた演出を行わせる。
【0081】
打順ナビは、画像表示部70に、正解打順を矢印で示したり、停止操作すべき停止スイッチ31〜33の位置を左、中、右などの文字で表示させたり、それらをスピーカ90から音声により指示したり、停止スイッチ31〜33のボタンの内部に設けた発光体の発光色を変化させて、最初に操作すべき停止スイッチ31〜33を示すことなどにより行われる。打順ナビとしては、上述したベルナビの他に、「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」の当選時にフリーズ正解打順をナビするフリーズナビ、擬似遊技中に擬似遊技正解打順をナビする擬似遊技ナビ、赤7揃いを表示可能とする抽選結果又は擬似抽選結果のときに赤7図柄を狙って停止操作することを促す赤7ナビとがある。
演出状態に応じた演出としては、例えば、サブ通常中においてAT状態への移行をほのめかす演出や、AT状態への移行が確定した場合に行われる確定演出や、AT中の遊技を盛り上げるための演出や、回胴演出中(特別AT中)に所定の操作(スタートスイッチ20の操作)を促す報知や、特別AT中に上乗せされたATの遊技回数を告知する演出などがある。
【0082】
(AT制御手段230)
AT制御手段230は、補助演出制御手段であって、小役の入賞を補助する情報が報知されるAT(アシストタイム)を制御するものである。そして、AT制御手段230は、図示しないが、AT抽選手段、遊技回数管理手段、報知実行手段を備え、メイン制御装置100から出力される遊技制御情報や演出状態等に基づき、ATの開始及び終了を制御する。
【0083】
AT抽選手段は、ATに関する抽選を行うものである。本実施の形態においては、AT抽選手段は、通常AT移行抽選、上乗せ抽選、及び特別AT移行抽選を行う。
通常AT移行抽選は、サブ通常中に、所定の移行抽選契機が発生(例えば「チェリー」や「リプレイB」や「リプレイC」が当選)した場合に、通常AT状態に移行するか否かを抽選により決定するものである。
上乗せ抽選は、通常AT中に、所定の上乗せ抽選契機が発生(例えば「チェリー」や「リプレイB」や「リプレイC」が当選)した場合に、ATの遊技回数の上乗せの有無及び上乗せ回数を、抽選により決定するものである。また、上乗せ抽選は、回胴演出開始コマンドを入力した場合と、回胴演出継続コマンドを入力した場合にも行われる。
特別AT移行抽選は、通常AT中に、所定の移行抽選契機が発生(例えば「チェリー」や「リプレイB」や「リプレイC」が当選)した場合に、特別AT状態に移行するか否かを抽選により決定するものである。
【0084】
遊技回数管理手段は、ATの遊技回数の設定や上乗せを管理するものであり、図示しないATカウンタを備えている。ATカウンタは、ATの遊技回数をカウントするものである。具体的には、遊技回数管理手段は、通常AT移行抽選に当選することに基づいて通常AT状態への移行が確定すると、ATカウンタにATの遊技回数を最低限保証された回数分だけ設定して記憶する。そして、ATの開始後、ATカウンタの記憶値を、1回の遊技終了ごとに1ずつ減算する。また、通常AT中に上乗せ抽選に当選した場合には、ATカウンタの記憶値に抽選で決定された数値を加算する。また、特別AT中においてメイン制御装置200から回胴演出開始コマンドを入力した場合には、あらかじめ定められた又は抽選により決定した所定回数をATカウンタの記憶値に加算するとともに、特別AT中において回胴演出継続コマンドの入力を契機に上乗せ抽選が行われた場合は、抽選により決定された回数をATカウンタの記憶値に加算する。これらにより、ATの遊技回数が上乗せされる。
【0085】
報知実行手段は、演出実行制御手段220に打順ナビ(上述したベルナビ、フリーズナビ及び擬似遊技ナビ)を実行させるためのものである。報知実行手段は、通常AT状態に移行した場合には、いずれかのリプレイ(「リプレイA」又は「リプレイB」又は「リプレイC」)の当選時にフリーズナビを行わせる。そして、いずれかのリプレイの当選時にフリーズ正解打順で停止操作されたことに基づき実行される擬似遊技の1回目では、擬似遊技ナビを行わせる(この場合はリプレイ揃いが表示される)とともに、擬似遊技の2回目では、赤7ナビも加えて行わせる。擬似遊技ナビは左押し以外の打順に設定されているので、擬似遊技において赤7ナビに従って停止操作した場合には、赤7揃いを表示させることができる。そして、擬似遊技ナビに従って停止操作された場合には、赤7揃いが表示されなくても、ATの開始を告知させる。ATの開始後は、「打順ベル」の当選時にベルナビを行わせる。なお、擬似遊技ナビに従って停止操作された場合には、外部信号出力手段190がAT作動信号を出力する。このように形成することにより、赤7揃いを表示した次遊技で、ATが開始されると同時に信号出力も行われるものとなる。なお、擬似遊技ナビに従って停止操作されなかった場合には、AT作動信号を出力させるために、再度いずれかのリプレイの当選時にフリーズナビを行わせ、フリーズ中に擬似遊技ナビを行わせる。このフリーズナビや擬似遊技ナビに従って停止操作されない場合には、演出状態移行手段210が演出状態をサブ通常状態に移行させ、AT状態を強制終了させるようにしてもよい。
【0086】
また、報知実行手段は、通常AT中に特別AT移行抽選に当選した場合には、いずれかのリプレイの当選時にフリーズナビを行わせる。フリーズナビに従って停止操作されることに基づいて次遊技で実行される1回目の擬似遊技では、擬似遊技ナビを行わせるとともに、擬似遊技の2回目では、赤7ナビも加えて行わせる。擬似遊技ナビに従って停止操作された場合には、赤7揃いが表示されなくても、回胴演出の開始が決定され、擬似遊技の期間の終了後に、スタートスイッチ20の操作に基づいて引き続き回胴演出が行われるものとなる。回胴演出中においては、報知実行手段は、回胴演出の継続が決定されるごとに、スタートスイッチ20の操作を促す報知を行わせる。なお、フリーズナビや擬似遊技ナビに従わない場合には回胴演出が行われず、回胴演出が行われない場合には、擬似遊技で赤7揃いが表示されても、演出状態は特別AT状態から通常AT状態へと移行する。
【0087】
ところで、本実施の形態においては、AT状態でないとき(ナビが行われない状態)に、停止スイッチ31〜33が左押し以外の打順で操作(いわゆる変則押し)されたことに基づいて、所定のペナルティを設定するようになっており、AT制御手段230は、このペナルティに関する制御をも行うものである。具体的には、AT制御手段230は、図示しないペナルティカウンタを備えており、ペナルティの設定条件に該当すると、ペナルティカウンタに所定の遊技回数がセットされる。ペナルティ遊技回数は、遊技消化ごとに減算されるが、ペナルティカウンタが遊技回数を有している間(ペナルティ中)は、通常AT移行抽選や特別AT移行抽選や上乗せ抽選を行わない、フリーズナビや擬似遊技ナビを行わない等のペナルティが実行される。また、ペナルティに該当する行為(変則押し)が行われた場合には、所定の警告表示がなされ、遊技者に適正な操作を促すようになっている。
【0088】
(スロットマシンSの作動)
上記構成を有するスロットマシンSの、メイン制御装置100の制御に基づく処理について、サブ制御装置200の制御に基づく処理についての説明を交えつつ説明する。
図9は、メイン制御装置100の制御に基づく1遊技における遊技制御処理を示す。
スロットマシンSは、規定数のメダルがベットされることによりスタートスイッチ20の操作が有効化され、スタートスイッチ20がONとなる(操作信号を入力する)ことに伴って、役抽選処理が行われる(S100、S102)。また、役抽選の結果に基づき、役抽選に伴う処理が行われる(S103)。その後、回転リール61〜63の回転開始処理が行われ(
図9のS104)、いずれかの停止スイッチ31〜33がONとなった場合には、対応する回転リール61〜63について回転停止処理が行われる(S105、S106)。全ての回転リール61〜63が停止するまでS105〜106が繰り返され(S105〜S107)、全ての回転リール61〜63が停止した場合には、遊技結果判定処理が行われる(S108)。具体的には、小役が入賞したと判定された場合には対応するメダルの払い出し処理が行われ、ボーナスが入賞したと判定された場合にはボーナス作動中に移行するための処理(ボーナステーブルの取得等)が行われる。また、リプレイが入賞したと判定された場合には、再遊技の作動の処理が行われ、ボーナス当選に係る遊技でボーナスが入賞しなかった場合には、ボーナス内部中に移行するための処理(内部中テーブルの取得等)が行われる。その後、遊技結果に基づいて停止後擬似遊技実行判定処理が行われるとともに(S109)、信号出力判定処理が行われる(S110)。そして、1遊技における遊技制御処理を終了する。
【0089】
次に、
図9のステップ103における役抽選に伴う処理について、
図10のフローに基づき説明する。
まず、役抽選の結果、所定のリプレイ、すなわち「リプレイA」又は「リプレイB」又は「リプレイC」が当選した場合(S200でYes)には、サブ制御装置200に、当選したリプレイに応じたフリーズ正解打順(
図7参照)に関する情報が出力される(S201)。そして、役抽選に伴う処理を終了する。
【0090】
図9のステップ104における回転リール回転開始処理について、
図11のフローに基づき説明する。
まず、擬似遊技実行フラグがONとなっている場合(S300でYes)には、擬似遊技実行処理が行われる(S301)。ここで、擬似遊技実行フラグがONである場合とは、前回の遊技でいずれかのリプレイが当選しかつフリーズ正解打順で停止操作されていた場合(後述する
図15のS701参照)である。その後、回胴演出実行フラグがONとなっているか否かが判断される。ここで、擬似遊技実行処理の終了後に回胴演出実行フラグがONである場合とは、信号出力中におけるいずれかのリプレイの当選時にフリーズ正解打順で停止操作されたことに基づいて発生した擬似遊技中に、擬似遊技正解打順で停止操作が行われた場合である。
【0091】
回胴演出実行フラグがONとなっている場合(S302でYes)には、回胴演出実行処理が行われ(S303)、回胴演出実行フラグがONでない場合(S302でNo)にはそのまま、次のS304に進む。なお、擬似遊技実行フラグがONでない場合(S300でNo)には、回胴演出実行フラグもONにならにない。
S304において、ウエイト時間が経過していると判断された場合(S304でYes)には、通常回転データに基づく回転リール61〜63の回転処理が行われ(S305)、本来の遊技における回転リール61〜63の回転が開始される。その後、所定の停止可能要件が満たされたことを条件に、停止スイッチ31〜33の操作無効状態が解除される(S306〜S307)。ここでの停止可能要件とは、回転リール61〜63の回転速度が定常回転速度に達し、全ての回転リール61〜63についてスタートインデックスが検知されることにより、図柄参照が可能な状態となっていることである。そして、回転リール回転開始処理を終了する。
【0092】
なお、本実施の形態では、ウエイト時間が経過していないと駆動信号を出力しない構成としてあるが、ベット操作後、スタートスイッチ20が操作された場合は、ウエイト時間が経過しているか否か関わらず、駆動信号を出力するように形成してもよい。この場合は、S306の停止可能要件に、ウエイト時間が経過していることが含まれるものとなる。
ところで、本実施の形態では、回胴演出において、遊技者の停止操作に基づかず特定図柄組合せ(赤7揃い)をメイン制御装置100において表示させているので、回胴演出の終了後に、本来の遊技での回転リール61〜63を回転させる際、各リールモータM1〜M3に駆動信号を出力するタイミングを異ならせたり、加速度を異ならせたりして、回胴演出で表示された図柄組合せ(赤7揃い)をランダムにばらけさせるのが好ましい。あるいは、回胴演出の開始前に停止していた図柄組合せを再現するようにしてもよい。
【0093】
続いて、
図11のS301における擬似遊技実行処理について、
図12及び
図13のフローに基づき説明する。ここで、図中「N」は、擬似遊技実行回数としてあらかじめ設定された数を示す自然数であり、本実施の形態では「2」である。
まず、フリーズ設定手段170によりフリーズが設定され(S400)、擬似遊技実行回数がN回に設定される(S401)。また、擬似遊技実行回数に応じた擬似抽選結果が設定される(S402)。具体的には、N=2の場合すなわち1回目の擬似遊技では「リプレイA」が設定され、N=1すなわち2回目の擬似遊技では「リプレイC」が設定される。そして、擬似遊技正解打順を決定する打順抽選処理が行われるとともに、抽選により決定された擬似遊技正解打順の情報がサブ制御装置200に出力される(S403)。演出状態がAT状態であれば、擬似遊技正解打順に関する情報を入力したサブ制御装置200の制御に基づき、擬似遊技正解打順がナビされる。また、2回目の擬似遊技では赤7ナビも行われる。
【0094】
そして、回転リール61〜63を擬似的に回転させる擬似回転処理が行われ(S404)、停止操作に基づいて回転リール61〜63を擬似的に停止させる擬似停止処理が行われる(S405)。擬似遊技正解打順で停止操作された場合(S406でYes)には、擬似遊技実行回数が1減算され(S407)、擬似遊技実行回数が0でない場合(S408でYes)には、スタートスイッチ20がONとなることを契機に、擬似抽選結果の設定が行われる(S409→S402)。
一方、擬似遊技実行回数が0となった場合(S408でNo)には、信号出力フラグがONであるか否か、すなわち信号出力中であるか否かが判断される(
図13のS500)。信号出力フラグがONでない場合、すなわち信号停止中である場合(S500でNo)には、信号出力決定フラグがONとされ(S501)、擬似遊技実行フラグがOFFとされる(S502)。そして、スタートスイッチ20がONとなることを契機に、フリーズの設定が解除される(S503、S504)。そして、擬似遊技実行処理を終了する。この後、サブ制御装置200により、ATの開始を告知する演出が行われる。
【0095】
また、信号出力フラグがONである場合(S500でYes)には、回胴演出実行フラグがONとされ(S505)、擬似遊技実行フラグがOFFとされる(S506)。そして、スタートスイッチ20がONとなること(S507でYes)を契機に、擬似遊技実行処理を終了する。すなわち、フリーズの設定が解除されないまま、擬似遊技が終了する。
図12のS406において擬似遊技正解打順で停止操作されなかったと判断された場合には、擬似遊技実行フラグがOFFとされ(
図13のS502)、スタートスイッチ20がONとなること(S503でYes)を契機に、フリーズの設定が解除される(S504)。そして、擬似遊技終了処理を終了する。
【0096】
次に、
図11のS303における回胴演出実行処理について、
図14のフローに基づき説明する。
まず、サブ制御装置200に回胴演出開始コマンドが出力される(S600)。回胴演出開始コマンドを入力したサブ制御装置200は、あらかじめ定められた又は抽選により決定した回数のAT遊技回数を上乗せする。すなわち、回胴演出が行われる場合には、必ず所定数の上乗せが保証されるようになっている。次に、有効ライン上に赤7図柄が停止していない回転リール61〜63について、7揃い回転データに基づき赤7図柄を揃える処理が行われる(S601)。なお、擬似遊技の結果、赤7揃いが表示されている場合には、S601の処理は省略される。その後、逆回転データに基づき回転リール61〜63の逆回転処理が行われる(S602)。逆回転処理が終了して回転リール61〜63が停止した場合には、図示していないが、タイマーが計時を開始するとともに、サブ制御装置200に逆回転処理が終了した旨の信号が出力される。これに基づき、サブ制御装置200により、上乗せ抽選の結果(上乗せされる遊技回数)を告知する演出(例えば画像表示部70に「+10」などの数字を表示)や、スタートスイッチ20の操作を促す演出(例えば画像表示部70に”レバーを叩け!”などの文字を表示)が行われる。
【0097】
逆回転処理の終了後、スタートスイッチ20がONとなること(S603でYes)、又は一定時間が経過すること(S604でYes)を契機に、継続抽選処理が行われる(S605)。継続抽選に当選した場合(S606でYes)には、サブ制御装置200に回胴演出継続コマンドが出力される(S607)とともに、回転リール61〜63の逆回転処理が行われる(S602)。なお、回胴演出継続コマンドを入力したサブ制御装置200では、ATの遊技回数の上乗せ数を決定する上乗せ抽選が行われる。一方、継続抽選に当選しなかった場合(S606でNo)には、回胴演出実行フラグがOFFとされるとともに、サブ制御装置200に回胴演出終了コマンドが出力される(S608)。回胴演出終了コマンドを入力したサブ制御装置200により、上乗せされた遊技回数の合計値を告知する演出が行われる。そして、フリーズの設定が解除され(S609)、回胴演出実行処理を終了する。
【0098】
図9のステップ109における擬似遊技実行判定処理について、
図15のフローに基づき説明する。
まず、当該遊技でいずれかのリプレイが当選しており(S700でYes)、かつフリーズ正解打順で停止操作されていた場合(S701でYes)には、擬似遊技実行フラグがONとされる(S702)。これにより、次遊技において擬似遊技行われるものとなる。
【0099】
続いて、
図9のステップ110における信号出力判定処理について、
図16のフローに基づき説明する。
まず、信号出力決定フラグがONとなっている場合(S800でYes)には、信号出力決定フラグをOFFにして信号出力フラグをONにする(S810)とともに、AT作動信号の出力を開始する(S811)。そして信号出力判定処理を終了する。
また、信号出力フラグがONである場合(S801でYes)には、「打順ベル」の当選時にベル1が非入賞であったか否かを判断し(S802、S803)、ベル1が非入賞であった場合(S803でYes)には、非入賞回数を1加算し(S805)、ベル1が非入賞でなかった場合(S803でNo)すなわちベル1が入賞した場合には、非入賞回数が1以上であることを条件に非入賞回数を1減算する(S804)。なお、非入賞回数が0である場合には減算は行わない。そして、非入賞回数が2となった場合(S806でYes)、すなわち、「打順ベル」の当選時にベル1が入賞しないことが2回連続した場合には、AT作動信号の出力を停止して(S807)、信号出力フラグをOFFにする(S808)。なお、非入賞回数は、信号出力停止時又は次回信号出力フラグをONとするときに0クリアする。一方、非入賞回数が2になっていない場合(S806でNo)には、AT作動信号の出力を継続する(S809)。そして、信号出力判定処理を終了する。
【0100】
(まとめ)
以上のように、本実施の形態では、所定の契機でフリーズを発生させ、フリーズ中に擬似遊技を行わせるとともに、擬似遊技中において打順抽選により決定された擬似遊技正解打順で停止操作されることに基づいて、外部信号(AT作動信号)の出力や、回胴演出の実行を決定するようにしている。打順抽選により決定された擬似遊技正解打順は、サブ制御装置200の制御に基づく演出状態が特定の状態(通常AT状態、特別AT状態)である場合に遊技者にナビされるので、外部信号の出力や、回胴演出などの、メイン制御装置100の制御に基づく処理を、サブ制御装置200の都合に合わせて行わせることができる。
【0101】
ここで、外部信号の出力や回胴演出の実行など、メイン制御装置100の制御に基づく特定の処理の可否を、本来の遊技における打順により管理しようとすると、本来の遊技の抽選結果に影響されて迅速な処理が行えない場合があった。例えば、正解打順で停止操作された場合に入賞する正解役(ベル1)の入賞回数をカウントしてAT作動信号を出力するようにした場合、対象となる「打順ベル」が複数回当選するまで信号出力の可否を判定できないので、ATが開始されてからAT作動信号が出力されるまでにタイムラグが発生していた。また、所定の役の当選時に特定の打順で停止操作された場合に回胴演出を実行させるようにした場合、故意や操作ミスによって意図しないときに回胴演出を発生させないために、複数回、特定の打順で停止操作されることを条件とすることが望ましいが、このようにした場合には、回胴演出の実行を決定してから実際に実行されるまでに、複数回の遊技を消化しなければならず、そのためにメダルを費やさなければならなかった。
【0102】
この点、本実施の形態では、頻繁に当選するリプレイの当選時にフリーズ正解打順で停止操作されたか否かに基づいて擬似遊技の実行の有無を決定し、擬似遊技において擬似遊技正解打順で停止操作されたか否かに基づいて、その後の処理を決定している。このため、特定の処理を発生させたいタイミングで遅滞なく擬似遊技を発生させることができるとともに、擬似遊技を発生させた場合には、役抽選の結果に拘束されずに、1回の遊技中において正解打順の停止操作を複数回行わせることが可能となる。これにより、処理の決定から実行までのタイムラグを少なくし、迅速な処理の実行を実現することができるとともに、無駄なメダルの消費を抑制することができる。
【0103】
また、メイン制御装置100の制御に基づく特定の処理の可否を、本来の遊技における停止スイッチ31〜33の打順で管理する場合には、他の条件の判定と被らないようにするため、特定の処理の可否判定用の役や当選領域を設ける必要がある。この点、本実施の形態では、擬似遊技において抽選で決定された打順を正解打順として、その正解打順で停止操作されたか否かを判断すれば足りる。これにより、判定用の役や当選領域を設ける必要がなく、メイン制御装置100のメモリー容量を節約できる。
【0104】
また、本実施の形態における擬似遊技は、本来の遊技のスタートスイッチ20の操作を契機に、本来の遊技と同様の挙動で回転リール61〜63を擬似回転させるとともに、本来の遊技と同様の挙動で回転している回転リール61〜63を停止スイッチ31〜33の操作に基づいて擬似停止させるようにしている。これにより、スタートスイッチ20の操作から、回転リール61〜63を停止させるまでの回転リール61〜63の挙動について、本来の遊技と全く見分けがつかないようにすることができ、遊技者に違和感を抱かせずにあたかも1回の遊技を消化したかのように思わせることができる。
【0105】
ここで、擬似遊技中にスタートスイッチ20の操作信号を受け付けた場合、本来の遊技と同様に、所定のウエイト時間が経過するまで回転リール61〜63を回転させないようにしてもよい。このように形成した場合には、より、本来の遊技と擬似遊技の見分けがつかないようにすることができる。逆に、擬似遊技中はウエイト時間を設けず、回転リール61〜63の停止後すぐにスタートスイッチ20が有効化されるようにしてもよい。このように形成した場合には、擬似遊技を迅速に進めることができる。
また、回転リール61〜63を擬似回転させた後、停止スイッチ31〜33の操作が有効となったことを、本来の遊技と同様に報知するようにしてもよい。例えば、本来の遊技において、停止スイッチ31〜33のボタンの内部に設けた発光体を赤色から青色に変えて停止操作が有効になったことを報知している場合には、擬似遊技においても同様の手法で報知する。これにより、本来の遊技と擬似遊技の見分けがつかないようにすることができる。
【0106】
また、擬似遊技では、回転リール61〜63の回転を本来の遊技と同等の制御ロジックを用いて行い、本来の遊技において設定されている役が当選しているものとして本来の遊技と同様の手法で引き込み処理及び蹴飛ばし処理を行わせている。このように、擬似遊技での抽選結果、回転リール61〜63の回転制御、停止制御の制御ロジックを共通化することで、設計コストや制御装置1の処理負荷を低減することができる。
また、本実施の形態では、擬似遊技の遊技結果として、リプレイ(リプレイ1、リプレイ3)に対応付けられた図柄組合せを、本来の遊技で有効ラインとなる中段ラインLに表示させるようにしているので、遊技者が擬似遊技を本来の遊技と勘違いしても、リプレイが表示されることでベット操作なしにもう1回遊技を行うことができると認識できる。これにより、遊技者が擬似遊技の途中で遊技をやめてしまうのを防ぐことができる。
なお、リプレイに対応付けられる図柄組合せや回転リール61〜63の図柄配列によっては、リプレイの入賞時に、いずれかの無効ラインにリプレイ揃いが表示されるようにすることもできる。このように形成した場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
【0107】
(変形例)
上記した実施の形態では、いずれかのリプレイの当選時にフリーズ正解打順で停止操作された場合に擬似遊技が行われるように形成してあったが、特定役の当選を契機としてフリーズを発生させ、そこで擬似遊技を行わせるようにしてもよい。
例えば、「リプレイC」が当選した場合には無条件でフリーズが発生するように形成し、フリーズ中に擬似遊技を行わせる。そして、この擬似遊技においては、擬似抽選結果を「リプレイA」に設定し、擬似遊技正解打順で停止操作されることが所定回数(例えば3回)連続した場合には、信号出力を決定する。サブ制御装置200は、「リプレイC」の当選時にAT移行抽選を行い、AT移行抽選に当選した場合に擬似遊技正解打順をナビする。そして、擬似遊技正解打順で所定回数停止操作された場合には、フリーズ終了後に再開される本来の遊技で、赤7揃いを表示可能とする打順をナビし、ATの開始を報知する。このように形成した場合にも、赤7揃いの表示でATが開始されAT作動信号が出力される一連の処理を、1回の遊技において完結させることができる。
【0108】
あるいは、「リプレイA」が当選した場合には無条件でフリーズが発生するように形成し、フリーズ中に「リプレイA」を擬似抽選結果に設定して擬似遊技を行わせる。サブ制御装置200は、AT状態への移行が確定している場合には、擬似遊技正解打順をナビする。擬似遊技正解打順で停止操作されることが所定回数連続した場合には、擬似抽選結果を「リプレイC」に設定して、引き続き擬似遊技を行わせる。なお、前記した所定回数は、変則押しや操作ミスにより偶然擬似遊技正解打順で停止操作されてしまうことを防ぐために、ある程度の回数、例えば3〜5回程度に設定するのが好ましい。そして、擬似抽選結果を「リプレイC」に設定した後は、赤7揃いが表示されるまで擬似遊技を行わせ、擬似遊技の結果赤7揃いが表示された場合(打順は問わない)に、フリーズを終了するとともにAT作動信号の出力を決定し、ATが開始されるようにしてもよい。このように形成すれば、上記と同様に、1回の遊技においてAT移行に関する一連の処理を完結させることができるとともに、役抽選の結果に基づくボーナスが当選している状態であるように見せることができる。しかも、擬似遊技なので、余計なメダルを消費することもない。この場合、所定回数(例えば5回)の擬似遊技中に赤7揃いを表示できない場合には、リール制御手段130が強制的に赤7図柄を揃える処理を行わせるようにしてもよい。あるいは、擬似停止制御において、最大スベリコマ数を例えば20コマに増やして、停止操作のタイミングにかかわらず赤7図柄を引き込み可能としてもよい。このように形成すれば、赤7揃いをなかなか表示させることができない遊技者が無駄に時間を費やすことがなくなる。
【0109】
また、上記とは逆に、なかなか赤7揃いを表示できないように形成してもよい。例えば、役抽選の抽選対象として、有効ライン上に赤7図柄が2つ揃うが赤7揃いが表示されない設定となっている図柄組合せを含む図柄組合せが対応付けられたリプレイXを設け、「リプレイA」を擬似抽選結果に設定した擬似遊技が正解打順で所定回数行われた後に、上記したリプレイXを擬似抽選結果に設定した擬似遊技を行わせる。これにより、擬似遊技でリーチ目が表示されるようにすることができる。そして、あらかじめ定められた又は抽選により決定した回数だけ、リプレイXが擬似抽選結果に設定された擬似遊技を行わせた後、擬似抽選結果を「リプレイC」に設定し、赤7揃いを表示可能とするようにしてもよい。このように形成した場合には、特定の場合(ATへの移行が決定されている場合)に特定の出目(リーチ目)を連続して表示可能とするという、内部抽選状態が変化しない仕様における本来の遊技では実現が困難な挙動を擬似遊技によって実現でき、遊技性の幅を広げることができる。
【0110】
なお、有利度が異なる複数のAT状態(例えば200枚を超えるメダル払い出しにより終了するビッグATと、50枚を超えるメダル払い出しにより終了するレギュラーAT、あるいは、100回の遊技が保証されるビッグATと、30回の遊技が保証されるレギュラーAT)を設け、それぞれのAT状態に応じたAT作動信号を出力させるようにしてもよい。この場合には、擬似遊技おいて、ビッグAT作動信号を出力させるための打順と、レギュラーAT作動信号を出力させるための打順とを設け、どの打順で停止操作されたかに基づいて出力させる信号の種類を決定することができる。具体例を挙げると、リプレイ揃いを表示可能とする擬似抽選結果を設定した擬似遊技において、ビッグAT作動信号を出力させるための打順(例えば中右左、右左中の中から打順抽選により決定された打順)で所定回数停止操作された場合には、ビッグAT作動信号の出力を決定する。その後、赤7揃いを表示可能とする擬似抽選結果を設定した擬似遊技を行わせる。また、リプレイ揃いを表示可能とする擬似抽選結果を設定した擬似遊技において、レギュラーAT作動信号を出力させるための打順(例えば中左中、右中左の中から打順抽選により決定された打順)で所定回数停止操作された場合には、レギュラーAT作動信号の出力を決定する。その後、例えば「BAR・BAR・BAR」の図柄組合せ(BAR揃い)を表示可能とする擬似抽選結果を設定した擬似遊技を行わせる。このように形成した場合には、役抽選の結果に拘束されずに、赤7揃いが表示された場合にはビッグATが開始され、BAR揃いが表示された場合にはレギュラーATが開始されるという遊技の流れを作ることができる。
【0111】
また、上記した実施の形態では、信号出力中の擬似遊技において擬似遊技正解打順で停止操作された場合に、回転リール61〜63が通常の遊技とは異なる態様で作動(逆回転)する回胴演出が行われるように形成してあったが、ここで実行される回胴演出(特別AT中の回胴演出)はそのような態様に限られない。例えば、回胴演出として、擬似遊技を行わせるようにしてもよい。この場合の擬似遊技の実行回数は、所定回数(例えば20回)にあらかじめ定められていてもよいし、所定の終了条件(継続抽選に不当選)に該当するまで継続するようにしてもよい。また、この擬似遊技における擬似抽選結果を「リプレイB」に設定し、サブ制御装置200では、擬似遊技の結果、右下がりラインにスイカ図柄(スイカA又はスイカB)が揃って表示された場合(打順は問わない)に、ATの遊技回数の上乗せを行うようにすることができる。このように形成した場合には、擬似遊技によって、特定の出目が表示されることに基づきATの遊技回数が上乗せされるという特典が付与される特化ゾーンを作り出すことができる。
【0112】
なお、擬似遊技の結果付与される特典は、ATに関するものに限られない。例えば、擬似遊技の結果に応じて所定のポイントが付与されるようにし、ポイントが所定値に達すると、普段は出現しない特別な演出が実行可能になるように形成することができる。また、遊技開始時やAT開始時などに、所定の操作手段の操作(例えば演出スイッチの操作)に基づいて遊技者が演出内容(演出モードや演出に登場するキャラクタ)を選択可能に形成されている場合に、擬似遊技で取得したポイント数に応じて、選択可能な演出内容が変化するように形成してもよい。
【0113】
また、上記した実施の形態では、演出状態がAT状態である場合に擬似遊技正解打順がナビされ、擬似遊技中に擬似遊技正解打順で停止操作されることを条件として特定の処理が行われるように形成してあったが、擬似遊技中に擬似遊技正解打順のナビを行わずに、遊技者に正解打順を当てさせるようにしてもよい。例えば、信号停止中(非AT中)の所定契機(例えば擬似遊技実行抽選に当選)でフリーズを発生させ、フリーズ中に行われる擬似遊技で、遊技者が擬似遊技正解打順を打ち当てた場合に、サブ制御装置100においてはAT状態への移行が確定し、メイン制御装置100においてはAT作動信号の出力(特定の処理の実行)が決定されるように形成することができる。このように形成した場合には、本来の遊技での役抽選の結果に拘束されずに、正解打順当て遊技ゾーン(AT自力解除ゾーン)を作ることができる。
【0114】
また、ATがセット数で管理されている場合に、AT継続の有無を判定するときに、上記した正解打順をナビしない擬似遊技を応用してもよい。例えば、ATにおいては、1セット30回の遊技が最大8セット行われ得るものとし、1セット終了後にフリーズを発生させて擬似遊技を行わせ、1回又は複数回、正解打順で停止操作された場合に、ATの継続(次セットの実行)が決定されるようにすることもできる。この場合に、複数の擬似抽選結果の中から一を抽選(擬似役抽選)により決定して擬似停止制御を行い、正解打順で停止操作された場合には、擬似役抽選で当選している役に対応付けられた特定の図柄組合せが表示されるように形成してもよい。この場合の擬似遊技正解打順を、本来の遊技においてその抽選結果の発生時に特定の図柄組合せを表示可能とする打順と同一にすれば、本来の遊技と同一の制御ロジックで擬似遊技においても特定の図柄組合せを表示させることができるとともに、本来の遊技における役抽選の結果に拘束されずに、特定の図柄組合せの表示に基づきATの継続が決定されるという遊技の流れを作ることができる。
【0115】
さらに、擬似遊技中に擬似遊技正解打順で停止操作された場合に移行する特定の処理が実行される特定の制御状態は、信号出力や回胴演出が行われる状態に限られず、特定のメイン演出が許可される状態であってもよい。例えば、所定契機で発生したフリーズ中の擬似遊技において、所定回数、擬似遊技正解打順で停止操作された場合には、メイン制御装置100の制御状態が、特定のフリーズ(例えば特定役の当選時に停止スイッチ31〜33の操作が無効とされるフリーズ)を許可する(禁止しない)状態に移行するように形成してもよい。特定のフリーズが許可されていない状態では、所定契機に該当しても特定のフリーズは発生せず、特定のフリーズが許可されている状態では、所定契機に該当すると特定のフリーズが発生するように形成することができる。これにより、例えばAT中や所定の遊技ゾーンにおいてのみ、停止スイッチ31〜33が効かなくなることによる特定役の当選報知などを行うことができる。
【0116】
以上のように、本発明は、擬似遊技中に特定の打順で停止操作された結果、スロットマシンSの制御状態が、外部信号の出力(AT状態への移行)や、所定の回胴演出(フリーズ)の実行など、特定の処理が実行され得る特定の制御状態に移行するように形成されているものであれば、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良なども含むものである。また、本発明は、矛盾を生じない範囲で、上述した実施の形態及び変形例に記載されている事項を適宜組み合わせ、あるいは組み替えてもよいものである。
さらに本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。