特許第5849387号(P5849387)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

特許5849387導電性ハードコートフィルムの製造方法、導電性ハードコート付偏光板の製造方法、透過型液晶ディスプレイの製造方法
<>
  • 特許5849387-導電性ハードコートフィルムの製造方法、導電性ハードコート付偏光板の製造方法、透過型液晶ディスプレイの製造方法 図000003
  • 特許5849387-導電性ハードコートフィルムの製造方法、導電性ハードコート付偏光板の製造方法、透過型液晶ディスプレイの製造方法 図000004
  • 特許5849387-導電性ハードコートフィルムの製造方法、導電性ハードコート付偏光板の製造方法、透過型液晶ディスプレイの製造方法 図000005
  • 特許5849387-導電性ハードコートフィルムの製造方法、導電性ハードコート付偏光板の製造方法、透過型液晶ディスプレイの製造方法 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5849387
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年1月27日
(54)【発明の名称】導電性ハードコートフィルムの製造方法、導電性ハードコート付偏光板の製造方法、透過型液晶ディスプレイの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20160107BHJP
   H01B 5/14 20060101ALI20160107BHJP
【FI】
   G02F1/1335 510
   H01B5/14 A
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2010-217677(P2010-217677)
(22)【出願日】2010年9月28日
(65)【公開番号】特開2012-73377(P2012-73377A)
(43)【公開日】2012年4月12日
【審査請求日】2013年8月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】薮原 靖史
【審査官】 鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0208350(US,A1)
【文献】 特開2003−326649(JP,A)
【文献】 特開2009−053691(JP,A)
【文献】 特開2009−066891(JP,A)
【文献】 特開2005−156642(JP,A)
【文献】 特開2006−039024(JP,A)
【文献】 特開2007−334064(JP,A)
【文献】 特開2009−098666(JP,A)
【文献】 特開2010−107639(JP,A)
【文献】 特開2005−043647(JP,A)
【文献】 特開2006−035493(JP,A)
【文献】 特開2006−159415(JP,A)
【文献】 特開2010−237648(JP,A)
【文献】 特開2011−081121(JP,A)
【文献】 特開2011−174974(JP,A)
【文献】 特開2011−215552(JP,A)
【文献】 特開2012−068415(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/109419(WO,A1)
【文献】 特開2005−298716(JP,A)
【文献】 特開2010−097005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1335
G02B 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基材の少なくとも片面側にハードコート層を備える導電性ハードコートフィルムの製造方法であって、
前記ハードコート層、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に有する多官能性モノマーを含有する電離放射線硬化型樹脂と、ATO、ITO、Sb、TiO、ZnO、Ceの金属酸化物粒子のうち少なくとも1種類以上を含有する導電性材料と、溶剤と、フッ素系レベリング剤とを含む塗布液を塗布、乾燥、電離放射線硬化して形成する一連の工程を備え、
当該工程では、前記フッ素系レベリング剤、前記ハードコート層100重量部に対し0.05重量部以上5.0重量部以下用い、
前記フッ素系レベリング剤として、パーフルオロアルキル基またはフッ素化アルケニル基を主鎖ないし側鎖に有する化合物い、
前記電離放射線硬化型樹脂が90重量部から99重量部に対し、前記導電性材料が10重量部から1重量部の範囲であり、
さらに、
前記溶剤として、前記透明基材表面を溶解または膨潤させる溶剤1と、前記金属酸化物微粒子の凝集を起こすことなく安定した塗液状態を維持することのできる溶剤2とを少なくとも含む溶剤を用い、
前記溶剤1は70重量部から95重量部、前記溶剤2は30重量部から5重量部の範囲であり、前記溶剤1と前記溶剤2を合わせた時に100重量部となるように調液され、
前記ハードコート層を、
前記ハードコート層の中心線平均高さ(Ra)が0.001μm以上0.010μm以下であること、及び凹凸の平均間隔(Sm)が0.15mm以上1.00mm以下であることを満たし、
且つ、前記ハードコート層表面より深さ50nm部分の超微小押し込み硬度が0.40GPa以上1.0GPa以下の範囲にあり、
記ハードコート層の膜厚が5μm以上10μm以下の範囲となるように形成することを特徴とする導電性ハードコートフィルムの製造方法
【請求項2】
請求項1に記載の導電性ハードコートフィルムの製造方法により製造した導電性ハードコートフィルムを備える導電性ハードコート付偏光板の製造方法であって、
前記導電性ハードコートフィルムは、透明基材の一方の面側に前記ハードコート層を配置し、当該透明基材の他方の面であるハードコート層非形成面に偏光板を配置することを特徴とする導電性ハードコート付偏光板の製造方法
【請求項3】
観察者側から順に、請求項2に記載の導電性ハードコート付偏光板の製造方法により製造した導電性ハードコート付偏光板と、液晶セル、偏光板、バックライトユニットをこの順に配置し、前記導電性ハードコート付偏光板のハードコート層非形成面側に液晶セルを配置することを特徴とする透過型液晶ディスプレイの製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れたハードコート性、帯電防止性、透明性を備え、耐ブロッキング性に優れた導電性ハードコートフィルムの製造方法、及びその導電性ハードコートフィルムを使用した導電性ハードコート付偏光板の製造方法、透過型液晶ディスプレイの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種ディスプレイに用いられる透明基材に硬度を付帯させるためにアクリル系UV樹脂等をコーティングし、ハードコート性を付帯させる方法が用いられてきた。しかし、これに伴い透明基材およびアクリル系樹脂が帯電しやすく、作業時あるいは使用時に塵やほこりが付着するという問題がある。
この問題点を改良するために各種導電性材料を添加することが行われている。このため、透明基材上にハードコート層を備えるフィルムにおいて、ハードコート層に帯電防止機能を付与する方法が提案されている(特許文献1,2参照)。
【0003】
また、ディスプレイ表面に用いられる場合、視認性を高くするためにハードコートフィルムは高い透明性が要求される。ハードコートフィルムの透明性を上げるために、ハードコート層表面を平滑にし、外光の散乱をなくす方法がある(特許文献3,4参照)。
しかし、この方法ではその平滑さ故にフィルムの滑り性が悪く、フィルムを重ねたり、ロール状にしたりした場合、ブロッキング(貼り付き)が発生してしまい、剥がす際にフィルム表面があれてしまう。ブロッキングの改良としてはフィルムの両端にテープなどのスペーサーを挟む方法や、フィルム表面に微細な凹凸をつける方法などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−92750号公報
【特許文献2】特開平7−314619号公報
【特許文献3】特開2003−45234号公報
【特許文献4】特開2005−144858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、これらの方法ではフィルム加工時にテープを除去する手間や、フィルム表面の微細な凹凸によりフィルムの透明性が劣化するという問題点が発生する。
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、優れたハードコート性、帯電防止性、透明性を備え、耐ブロッキング性に優れた導電性ハードコートフィルムの製造方法、及びその導電性ハードコートフィルムを使用した導電性ハードコート付偏光板の製造方法、透過型液晶ディスプレイの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、透明基材の少なくとも片面側にハードコート層を備える導電性ハードコートフィルムの製造方法であって、
前記ハードコート層、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に有する多官能性モノマーを含有する電離放射線硬化型樹脂と、ATO、ITO、Sb、TiO、ZnO、Ceの金属酸化物粒子のうち少なくとも1種類以上を含有する導電性材料と、溶剤と、フッ素系レベリング剤とを含む塗布液を塗布、乾燥、電離放射線硬化して形成する一連の工程を備え、
当該工程では、前記フッ素系レベリング剤、前記ハードコート層100重量部に対し0.05重量部以上5.0重量部以下用い、
前記フッ素系レベリング剤として、パーフルオロアルキル基またはフッ素化アルケニル基を主鎖ないし側鎖に有する化合物い、
前記電離放射線硬化型樹脂が90重量部から99重量部に対し、前記導電性材料が10重量部から1重量部の範囲であり、
さらに、
前記溶剤として、前記透明基材表面を溶解または膨潤させる溶剤1と、前記金属酸化物微粒子の凝集を起こすことなく安定した塗液状態を維持することのできる溶剤2とを少なくとも含む溶剤を用い、
前記溶剤1は70重量部から95重量部、前記溶剤2は30重量部から5重量部の範囲であり、前記溶剤1と前記溶剤2を合わせた時に100重量部となるように調液され、
前記ハードコート層を、
前記ハードコート層の中心線平均高さ(Ra)が0.001μm以上0.010μm以下であること、及び凹凸の平均間隔(Sm)が0.15mm以上1.00mm以下であることを満たし、
且つ、前記ハードコート層表面より深さ50nm部分の超微小押し込み硬度が0.40GPa以上1.0GPa以下の範囲にあり、
記ハードコート層の膜厚が5μm以上10μm以下の範囲となるように形成することを特徴とする。
(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタアクリロイル基を言う。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の導電性ハードコートフィルムの製造方法により製造した導電性ハードコートフィルムを備える導電性ハードコート付偏光板の製造方法であって、
前記導電性ハードコートフィルムは、透明基材の一方の面側に前記ハードコート層を配置し、当該透明基材の他方の面であるハードコート層非形成面に偏光板を配置することを特徴とする導電性ハードコート付偏光板の製造方法を提供するものである。
また、請求項3に係る発明は、観察者側から順に、請求項2に記載の導電性ハードコート付偏光板の製造方法により製造した導電性ハードコート付偏光板と、液晶セル、偏光板、バックライトユニットをこの順に配置し、前記導電性ハードコート付偏光板のハードコート層非形成面側に液晶セルを配置することを特徴とする透過型液晶ディスプレイの製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、優れたハードコート性、帯電防止性、透明性を備え、耐ブロッキング性に優れた導電性ハードコートフィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に基づく実施形態に係る導電性ハードコートフィルムの断面模式図である。
図2】本発明に基づく実施形態に係る導電性ハードコートフィルムを備えた偏光板の断面模式図である。
図3】本発明に基づく実施形態に係る導電性ハードコート付偏光板を備えた透過型ディスプレイの断面模式図である。
図4】本発明に基づく実施形態に係る導電性ハードコート付偏光板を備えた透過型ディスプレイの断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に、本実施形態に係る導電性ハードコートフィルムの構成の断面図を示す。
本実施形態の導電性ハードコートフィルム1は、図1に示すように、透明基材11の少なくとも片面に対し、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有する多官能性モノマーを主成分とする電離放射線硬化型樹脂121と導電性材料122を主成分とするハードコート層12を順次積層した積層体である。前記ハードコート層12は、塗布液を透明基材上に塗布・乾燥・硬化することにより形成され、該塗布液は電離放射線硬化型樹脂121及び導電性材料122以外に溶剤及びフッ素系レベリング剤を含む塗布液を用いて形成される。
【0011】
図1は、上面(表面)にだけハードコート層12を形成した場合の例である。
前記透明基材11としては、トリアセチルセルロースフィルム等のセルロース系フィルムが用いられる。複屈折が少なく、透明性、屈折率、分散などの光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性の点に優れており、更に溶剤によって容易に溶解または膨潤する為、本発明においては他のフィルムよりも好ましい。
【0012】
前記透明基材11には、各種安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等が添加されていても良い。また、透明基材11の厚さは特に限定されるものではないが、20μm以上200μm以下が好ましい。さらにトリアセチルセルロースフィルムである場合には、40μm以上80μm以下が好ましい。
また前記電離放射線硬化型樹脂121とは、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂も包含するものであって、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有する多官能性モノマーを主成分とする。
【0013】
多官能性モノマーとしては、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスβ‐(メタ)アクリロイルオキシプロピネート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2,3‐ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシメチル[2.2.1]ヘプタン、ポリ1,2−ブタジエンジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルヘキサン、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカンエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、10−デカンジオール(メタ)アクリレート、3,8−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.10]デカン、水素添加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバリンサンエステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、エポキシ変成ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。多官能モノマーは、単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。また、必要で有れば単官能モノマーと併用して共重合させることもできる。
【0014】
また、本発明に好ましい多官能性モノマーとして、ウレタンアクリレートも挙げられ、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に水酸基を有するアクリレートモノマーを反応させ容易に形成されるものを挙げることができる。
具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどを用いることができる。また、これらの単量体は、1種または2種以上を混合して使用することができる。また、これらは塗液においてモノマーであってもよいし、一部が重合したオリゴマーであってもかまわない。
【0015】
光重合開始剤としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、p−クロロベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、アセトフェノン、2−クロロチオキサントン等が挙げられる。これらを単独、もしくは2種類以上合わせて用いても良い。なお、光重合開始剤は電離放射線硬化型樹脂100重量部に対し、2重量部以上25重量部以下の範囲内で添加させることが好ましい。
光増感剤としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール等の3級アミン、トリフェニルホスフィン等のアルキルフォスフィン系、β−チオジグリコール等のチオエーテル系をあげることが出来、これらを1種類あるいは2種類以上を混合して使用することもできる。
【0016】
また、本実施形態の導電性ハードコートフィルム1にあっては、フッ素系レベリング剤を、ハードコート層形成樹脂100重量部に対し0.05〜5.0重量部用いられていることが望ましい。透明基材11上にアクリル系樹脂等をコーティングし、硬化させる際に、アクリル系樹脂の希釈溶剤を揮発させる必要があるが、この際、気化熱により樹脂表面付近の空気が冷やされ、空気中の水分が凝集する。この水分が樹脂表面に取り込まれてしまい、樹脂が硬化する際に、樹脂表面に微小な凹凸が発生してしまう。フッ素系レベリング剤が、ハードコート層形成樹脂100重量部に対して0.05重量部に満たない場合、ハードコート層表面のレベリング性が弱く、この表面の微細な凹凸を平滑にすることができない。また、フッ素系レベリング剤が、ハードコート層形成樹脂100重量部に対して5.0重量部を超える場合、透明基材11との間にハジキが発生してしまう。
【0017】
フッ素系レベリング剤としては、パーフルオロアルキル基またはフッ素化アルケニル基を主鎖ないし側鎖に有する化合物を用いることができる。パーフルオロアルキル基はCn2n+1(n=自然数)の構造を有し、疎水・疎油基として機能する。そのため、表面に整然と配列する特徴を持つため、少量で表面を覆うレベリング材料として機能することができる。このとき、親油基と組み合わせることで、さらにレベリング材料としての効果を増加させることが可能となる。
【0018】
フッ素系レベリング剤としては、具体的には、ビックケミージャパン社製BYK−340、ネオス社製フタージェント222F、DIC社製 F470、大阪有機化学工業社製 V−8FM等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
さらに、性能改良のため、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤等を含有することもできる。
【0019】
また、本実施形態の導電性ハードコートフィルム1にあっては、該ハードコート層12の中心線平均高さ(Ra)が0.010μm以下であること、もしくは凹凸の平均間隔(Sm)が0.15mm以上であることを満たす。ハードコート層12の中心線平均粗さ(Ra)が0.010μmを超え、且つ、凹凸の平均間隔(Sm)が0.15mmを満たさない場合、ハードコート層表面の凹凸により外部からの光が散乱し、フィルム表面が白化してしまい、フィルムの透明性が低くなってしまう。該ハードコート層12の中心線平均高さ(Ra)が0.010μm以下であること、もしくは、凹凸の平均間隔(Sm)が0.15mm以上であることを満たせば、フィルム表面が白化してしまいフィルムの透明性が低くなることを防ぐことができる。
【0020】
なお、本実施形態の導電性ハードコートフィルム1において、ハードコート層12の中心線平均高さ(Ra)は0.001μm以上0.010μm以下であること、もしくは、凹凸の平均間隔(Sm)が0.15mm以上1.00mm以下の範囲内であることを満たすことが好ましい。本実施形態の導電性ハードコートフィルム1において、ハードコート層12の中心線平均高さ(Ra)は小さければ小さいほど好ましく、また、凹凸の平均間隔(Sm)は大きければ多いほど望ましいが、中心線平均高さ(Ra)が0.001μm未満のハードコートフィルムを製造することは困難であり、同様に、凹凸の平均間隔(Sm)が0.15mm以上1.00mmを超えるハードコートフィルムを製造することは困難である。
【0021】
また、本実施形態の導電性ハードコートフィルム1にあっては、ハードコート層表面より深さ50nm部分の超微小押し込み硬度が0.40GPa以上1.0GPa以下の範囲にある。ハードコート層表面より深さ50nm部分の超微小押し込み硬度が0.40GPaに満たない場合、フィルムを重ねた際、ブロッキングが発生してしまう。これはフィルムの透明性を上げるために施したハードコート層表面の平滑さに加え、ハードコート層表面の柔軟性により、ハードコート層12とハードコート層裏面の透明基材11の密着性が良いことに起因される。また、ハードコート層表面の硬度不足により耐擦傷性も弱くなってしまう。一方、ハードコート層表面より深さ50nm部分の超微小押し込み硬度が1.0GPaを超える場合、ハードコート層表面の柔軟性がなくなり、フィルムを曲げた際にクラック(亀裂)が入り易くなってしまう。
【0022】
本実施形態のハードコートフィルム1においてハードコート層表面は、ハードコート層12の中心線平均高さ(Ra)が0.010μm以下であること、もしくは、凹凸の平均間隔(Sm)が0.15mm以上であることを満たす。これによって、きわめて平滑な表面を有する。このとき、ハードコート層12の表面近傍の硬度が不十分であるとフィルムを重ねた際にブロッキングが発生してしまう。ハードコート層表面より深さ50nm部分の超微小押し込み硬度が0.40GPa以上とすることにより、ハードコート層12が平滑であってもブロッキングの発生を防ぐことができる。
【0023】
導電性材料122としては、ATO(酸化アンチモン/酸化スズ)、ITO(酸化インジウム/酸化スズ)、Sb25、TiO2、ZnO2、Ce23等の金属酸化物微粒子が挙げられる。その中でも導電性に優れたATO微粒子の使用が望ましい。
本実施形態の導電性ハードコートフィルム1におけるハードコート層12は、電離放射線硬化型樹脂121は、90重量部から99重量部に対し、導電性材料122は、10重量部から1重量部の範囲が好ましい。
ハードコート層12における導電性材料が1重量部以下であると、十分な導電性を発現せず、10重量部以上であると金属酸化物微粒子による着色、光学散乱が発生してしまい、導電性ハードコートフィルムとしての十分な機能を発現しなくなる。
【0024】
ハードコート層12の形成方法としては、ウェットコーティング法とされる、ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、プレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法等などにより透明基材11の少なくとも片面に塗布することにより形成することができる。特に薄く、均一に層を形成する必要性があることより、マイクログラビアコーティング法を用いることが好ましい。また、厚い層を構成する必要が生じた場合には、ダイコーティング法を用いることも可能である。
【0025】
ハードコート層12を形成する際の硬化方法としては、例えば、紫外線照射、加熱等を用いることができる。紫外線照射の場合、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、フュージョンランプ等を使用することができる。紫外線照射量は、通常100mJ/cm2以上800mJ/cm2以下である。
また、ハードコート層12の膜厚は3μm以上あれば十分な強度となるが、塗工精度、取扱いから5μm以上10μm以下の範囲が好ましい。10μm以上では硬化収縮による基材の反り、ゆがみ、基材折れが発生してしまうためである。さらに、膜厚としては、5μm以上7μm以下の範囲であるとハードコート層12としては非常に好ましい。
【0026】
ハードコート層12を形成するための塗布液に含まれる溶剤としては、透明基材表面を溶解または膨潤させる溶剤1と、金属酸化物微粒子の凝集等を起こすことなく安定した塗液状態を維持することのできる溶剤2を少なくとも含むことが好ましい。
透明基材表面を溶解または膨潤させる溶剤を含む塗布液用いてハードコート層12を形成することにより、透明基材11とハードコート層12の密着性を向上させることができる。透明基材成分とハードコート層成分が混在したハードコート層12を形成することができ、得られるハードコートフィルムの干渉ムラの発生を防ぐことができる。
また、金属酸化物微粒子の凝集等を起こすことなく安定した塗液状態を維持することのできる溶剤2を用いることにより、金属酸化物粒子の凝集を防ぐことができ塗液を安定化させることができる。得られるハードコートフィルムにおいてハードコート層12中の金属酸化物粒子の面内の分散状態を良好なものとすることができる。
【0027】
溶剤1としては、透明基材11としてセルロース系フィルムを用いた場合には、セルロース系フィルム表面を溶解または膨潤させる溶剤として、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、またアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらにメチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類が挙げられる。これらを単独、もしくは2種類以上合わせて用いても良い。また、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセトン、シクロヘキサノンのうち少なくとも1種類を用いることが好ましい。
【0028】
溶剤2としては、金属酸化物微粒子の凝集等を起こすことなく安定した塗液状態を維持することのできる溶剤であり、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール等のアルコール類、またメチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、さらにメチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類が挙げられる。これらを単独、もしくは2種類以上合わせて用いても良い。また、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ペンタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、セロソルブのうち少なくとも1種類を用いることが好ましい。
【0029】
これら溶剤1及び溶剤2は、溶剤1は70重量部から95重量部及び、溶剤2は30重量部から5重量部であり、溶剤1と溶剤2を合わせた時に100重量部となるように調液することが好ましい。また、透明基材表面を溶解または膨潤させる溶剤1の性質と金属酸化物微粒子の凝集等を起こすことなく安定した塗液状態を維持することのできる溶剤2の性質を併せ持つ溶剤であれば、塗布液中に1種類の溶剤のみを使用してもかまわない。
【0030】
なお、溶剤1が70重量部以下であると、セルロース系フィルム表面を溶解・膨潤させるのに十分でなく、ハードコート層の密着性低下を引き起こしてしまう。一方、溶剤1が95重量部以上であると、導電性材料が塗液中にて不安定になってしまい、微粒子の凝集等の不具合がおこってしまう。
なお、本実施形態のハードコートフィルム1にあっては、ハードコート層12と透明基材11のフィルムの間またはハードコート層表面に他の機能層を設けてもかまわない。他の機能層としては、反射防止性能を有する反射防止層、電磁波シールド性能を有する電磁波シールド層、赤外線吸収性能を有する赤外吸収層、紫外線吸収性能を有する紫外線吸収層、色補正性能を有する色補正層等を挙げることができる。
【0031】
例えば、透明基材11と反対側のハードコート層12上に反射防止層を設けることによりハードコートフィルム1に反射防止性能を付与することができる。反射防止層としては、例えば、その膜厚(d)に低屈折率層の屈折率(n)をかけることによって得られる光学膜厚(nd)が可視光の波長の1/4と等しくなるように設定され形成される低屈折率層を用いることができる。
【0032】
(導電性ハードコート付偏光板)
図2に本実施形態の導電性ハードコートフィルム1を用いた導電性ハードコート付偏光板200について説明する。
図2の導電性ハードコート付偏光板200においては、第1の透明基材11の一方の面に導電性ハードコート層12を備えており、導電性ハードコート層非形成面側(下面側)に、第1の偏光層23と、第2の透明基材11を順に備えた導電性ハードコート付偏光板200となる。
本実施形態の実施の形態に係る導電性ハードコートフィルム1は、ディスプレイ部材、画像装置の一部として用いることができる。
【0033】
(透過型液晶ディスプレイ)
図3及び図4に本実施形態の導電性ハードコートフィルム1を用いた透過型液晶ディスプレイの構成について説明する。
図3の透過型液晶ディスプレイにおいては、第1の偏光板2の一方の面(上面)に本実施形態の導電性ハードコートフィルム1を貼り合わせた導電性ハードコート付偏光板200の非導電性ハードコート層形成面側に、液晶セル3、第2の偏光板4、バックライトユニット5を、この順に備えている。このとき、導電性ハードコート層1側が観察側すなわちディスプレイ表面となる。
【0034】
図3にあっては、導電性ハードコートフィルム1の透明基材11と第1の偏光板2の透明基材を別々に備える透過型液晶ディスプレイとなっている。
バックライトユニット5は、光源と光拡散板を備える。液晶セル3は、一方の透明基材に電極が設けられ、もう一方の透明基材に電極及びカラーフィルターを備えており、両電極間に液晶が封入された構造となっている。液晶セルを挟むように設けられる第1、第2の偏光板2,4にあっては、透明基材21、22、41、42間に偏光層23、43を挟持した構造となっている。
【0035】
また、図4にあっては、透明基材22の一方の面に導電性ハードコート層12を備えた導電性ハードコートフィルム1と、当該導電性ハードコートフィルムの導電性ハードコート層非形成面に、偏光層23、透明基材22を順に備えて、導電性ハードコート付偏光板200を形成し、導電性ハードコート付偏光板200、液晶セル3、第2の偏光板4、バックライトユニット5をこの順に備えている。このとき、導電性ハードコートフィルム1の導電性ハードコート層12側が観察側すなわちディスプレイ表面となる。
【0036】
図4にあっては、導電性ハードコートフィルムの導電性ハードコート層非形成面に、第1の偏光板として、偏光層23と透明基材22を、この順に備えた導電性ハードコート付偏光板210を備えた透過型液晶ディスプレイとなっている。
図4においても、図3と同様に、バックライトユニット5は、光源と光拡散板を備える。液晶セル3は、一方の透明基材に電極が設けられ、もう一方の透明基材に電極及びカラーフィルターを備えており、両電極間に液晶が封入された構造となっている。液晶セルを挟むように設けられる第1、第2の偏光板にあっては、透明基材11、22、41、42間に偏光層23、43を挟持した構造となっている。
【0037】
また、本実施形態の透過型液晶ディスプレイにあっては、他の機能性部材を備えても良い。他の機能性部材としては、例えば、バックライトから発せられる光を有効に使うための、拡散フィルム、プリズムシート、輝度向上フィルムや、液晶セルや偏光板の位相差を補償するための位相差フィルムが挙げられるが、本発明の透過型液晶ディスプレイはこれらに限定されるものではない。
以上により、本発明の導電性ハードコートフィルムを用いた、透過型液晶ディスプレイが製造される。
【実施例】
【0038】
(実施例1)
図1に示すように、透明基材11としては、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムを用意した。
透明基材11上に、導電性ハードコート層処方を撹拌混合した塗布液を、バーコーティング法により乾燥後の膜厚が5μm程度になるように塗布、乾燥させ、高圧水銀灯により600mJ/cm2の紫外線を照射し、ハードコート層を形成した。
前記ハードコート層処方においては、ウレタンアクリレート:UV−1700B(日本合成化学社製)80重量部と導電性金属酸化物(五酸化アンチモン、屈折率n=1.60)10重量部、光重合開始剤イルガキュアー184(チバ・ジャパン社製)5重量部、フッ素系レベリング剤BYK−340(ビックケミー社製)0.2重量部を混合したものを、アセトン80重量部、エタノール20重量部の混合溶剤で希釈した。
【0039】
(実施例2)は、(実施例1)のハードコート層について、光重合開始剤添加量を10重量部に変化させた例である。
(比較例1)は、(実施例1)のハードコート層について、フッ素系レベリング剤添加量を0.01重量部に変化させた例である。
(比較例2)は、(実施例1)のハードコート層について、光重合開始剤添加量を1重量部に変化させた例である。
前記(実施例1)、(実施例2)及び(比較例1)、(比較例2)で作製したハードコートフィルムを以下に示す試験・評価によりおこなう。
【0040】
「ヘイズ値測定」
得られた導電性ハードコートフィルムについて、写像性測定器(日本電色工業社製、NDH−2000)を使用して、JIS−K7105−1981に準拠して、ヘイズ値を測定した。
「表面抵抗」
得られた導電性ハードコートフィルムについて、高抵抗抵抗率計(株式会社ダイアインスツルメンツ社製、ハイレスターMCP−HT260)を使用して、JIS−K6911−1994に準拠して、表面抵抗値を測定した。
【0041】
「鉛筆硬度試験」
得られた導電性ハードコートフィルムについて、クレメンス型引掻き硬度試験機(テスター産業株式会社製、HA−301)を用いて、JIS−K5400−1990に準拠して、ハードコート層表面に500gの荷重をかけた硬度3Hの鉛筆(三菱UNI)を用い、試験を行い、キズによる外観の変化を目視で評価した。ハードコート層表面にキズが発生していないものを丸印(○)、ハードコート層表面にキズが発生しているものをバツ印(×)で示した。
【0042】
「ハードコート層表面の中心線平均高さ(Ra)」
得られた導電性ハードコートフィルムについて、高精度微細形状測定器(小坂研究所製サーフコーダーET4000A)を用い、JIS−B0601−1994に準拠して、ハードコート層表面の中心線平均高さ(Ra)を測定した(カットオフ=0.8mm、評価長さ=2.4mm、走査速度=0.2mm/sec)。
「ハードコート層表面凹凸の平均間隔(Sm)」
得られた導電性ハードコートフィルムについて、高精度微細形状測定器(小坂研究所製サーフコーダーET4000A)を用い、JIS−B0601−1994に準拠して、ハードコート層表面凹凸の平均間隔(Sm)を測定した(カットオフ=0.8mm、評価長さ=2.4mm、走査速度=0.2mm/sec)。
【0043】
「白化」
得られた導電性ハードコートフィルムに蛍光灯の光を当て、ハードコート層表面の光の拡散具合を評価した。光の拡散具合が小さく、ハードコート層表面が白化していないものを丸印(○)、ハードコート層表面が白化しているものをバツ印(×)で示した。
「超微小押し込み硬度」
得られた導電性ハードコートフィルムについて、超微小押し込み硬度試験機(MTSシステムズ社製NanoIndenterSA2)を用い、ハードコート層表面より50nm部分の押し込み硬度を測定した(圧子:先端曲率半径100nm、稜角度80°の三角錐圧子、押し込み速度=2.0nm/s)。
【0044】
「耐ブロッキング性」
ガラス板上に10cm角にカットした導電性ハードコートフィルムを5枚重ね、50℃の状態に24時間静置し、フィルム面積(100cm2)に占めるブロッキング部分の面積を目視により評価した。フィルム面積に占めるブロッキング部分の面積が80%未満であるものを丸印(○)、80%以上であるものをバツ印(×)で示した。
以上の試験・評価について、導電性ハードコートフィルムの性能評価結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
表1から分かるように、(実施例1)、(実施例2)で得られた本発明のハードコートフィルムは、耐擦傷性に優れ、帯電防止性、透明性を備え、ハードコート層表面の白化を抑え、耐ブロッキング性を備えたものである。
これに対して、(比較例1)で得られた本発明のハードコートフィルムは、ハードコートフィルム表面に白化の発生が認められた。また、(比較例2)で得られた本発明のハードコートフィルムは、ブロッキングの発生が認められた。
【符号の説明】
【0047】
1 ・・・導電性ハードコートフィルム
11 ・・・透明基材
12 ・・・導電性ハードコート層
121 ・・・電離放射線硬化型樹脂
122 ・・・導電性材料(導電性粒子)
2 ・・・第1の偏光板
21 ・・・透明基材
22 ・・・透明基材
23 ・・・偏光板
200 ・・・導電性ハードコート付偏光板
3 ・・・液晶セル
4 ・・・第2の偏光板
41 ・・・透明基材
42 ・・・透明基材
43 ・・・偏光層
5 ・・・バックライトユニット
図1
図2
図3
図4