(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記硬化剤が、アミノ基、アミド結合、シアノ基及びイミダゾール骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する化合物、並びに/又はこれらの変性物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
前記硬化剤が、ポリアミン、ポリアミド、イミダゾール化合物およびこれらの変性物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明について以下詳細に説明する。
本発明の接着剤組成物(本発明の組成物)は、
溶解度パラメーターが9.5(cal/cm
3)
0.5以上12.0(cal/cm
3)
0.5以下であるポリウレタン、シリカ微粒子、エポキシ樹脂及び前記エポキシ樹脂の硬化剤を含有し、
前記エポキシ樹脂の溶解度パラメーターと前記ポリウレタンの前記溶解度パラメーターとの差[(エポキシ樹脂の溶解度パラメーター)−(ポリウレタンの溶解度パラメーター)]が−1.5〜+1.5(cal/cm
3)
0.5である、接着剤組成物である。
【0010】
本発明において、溶解度パラメーター(SP値)は、文献Properties of Polymers 3
rd Edition Part3およびPart4にある、分子体積と分子凝集エネルギー値を、ポリウレタンおよびエポキシ樹脂の化学構造に当てはめて算出した。
【0011】
また、本明細書において、接着性に優れることを本発明の効果に優れるといい、接着性により優れることを本発明の効果により優れるということがある。
本明細書において数値範囲を示す「A〜B」はA以上B以下であることを意味する。
【0012】
本発明の組成物は、マトリックス樹脂としてのエポキシ樹脂とシリカ微粒子とを含有する組成物に対して、特定のSP値を有するポリウレタンを使用し、エポキシ樹脂とポリウレタンのSP値との差が特定の範囲であることによって、接着性に優れる。
これは、上記ポリウレタンがエポキシ樹脂とシリカ微粒子との相溶性を優れたものとすることができるため、及び/又は、ポリウレタンがエポキシ樹脂と相溶しやすいことによってマトリックス樹脂に強靭性を付与することができるためと考えられる。
なおメカニズムが上記以外のものであっても本発明の範囲内である。
【0013】
エポキシ樹脂について以下に説明する。
本発明の組成物に含有されるエポキシ樹脂は1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物である。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。なかでも、本発明の効果により優れ、容易に入手できるという観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
【0014】
エポキシ樹脂の重量平均分子量は、本発明の効果により優れ、加工性に優れるという観点から、380〜1000であるのが好ましく、380〜500であるのがより好ましい。本発明において、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算値である。
【0015】
エポキシ樹脂の溶解度パラメーターは、本発明の効果により優れるという観点から、8.0〜13.5(cal/cm
3)
0.5であるのが好ましく、8.0〜12.5(cal/cm
3)
0.5であるのがより好ましく、9.0〜11.0であるのが更に好ましい。
【0016】
硬化剤について以下に説明する。
本発明の組成物に含有される硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させることが可能な硬化剤として一般的に使用されるものであれば特に制限されない。
【0017】
硬化剤は、本発明の効果により優れ、汎用性に優れるという観点から、アミノ基、アミド結合、シアノ基及びイミダゾール骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する化合物、並びに/又はこれらの変性物であるのが好ましい。
アミノ基、アミド結合、シアノ基及びイミダゾール骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基は有機基に結合することができる。
【0018】
有機基は特に制限されない。例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有してもよい炭化水素基が挙げられる。炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はこれらの組み合わせが挙げられる。炭化水素基が有する炭素原子又は水素原子の少なくとも1個が、置換基と置き換わってもよい。
【0019】
置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、ハロゲンのような1価の置換基;エーテル結合、イミノ結合、スルフィド結合、ポリスルフィド結合、ウレタン結合、ウレア結合、エステル結合、アミド結合のような2価の置換基が挙げられる。
変性物としては、例えば、ウレタン変性体、エーテル変性体が挙げられる。
【0020】
硬化剤としては、例えば、ポリアミン、ポリアミド、イミダゾール化合物およびこれらの変性物からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
ポリアミンは、1分子中にアミノ基を2個以上有する化合物であれば特に制限されない。アミノ基は有機基と結合することができる。有機基は上記と同義である。
【0021】
ポリアミンは、本発明の効果により優れ、硬化物の強靭性に優れるという観点から、ジシアンジアミドが好ましい。
【0022】
ポリアミドは、1分子中にアミド結合を2個以上有する化合物であれば特に制限されない。アミド結合は有機基と結合することができる。有機基は上記と同義である。
ポリアミドは、本発明の効果により優れ、加工性・安全性に優れるという観点から、ポリアミドアミンであるのが好ましい。ポリアミドアミンは、1分子にアミノ基を2個以上有する化合物が好ましい。
ポリアミドアミンとしては、例えば、ダイマー酸変性ポリアミドアミンが挙げられる。
【0023】
イミダゾール化合物は、1分子中にイミダゾール骨格を1個以上有する化合物であれば特に制限されない。イミダゾール骨格は有機基と結合することができる。有機基は上記と同義である。
イミダゾール化合物は、本発明の効果により優れ、エポキシ樹脂との反応性に優れるという観点から、アルキル変性イミダゾールが好ましい。
【0024】
硬化剤の溶解度パラメーターは、本発明の効果により優れるという観点から、8.0〜13.5(cal/cm
3)
0.5であるのが好ましく、10.5(cal/cm
3)
0.5以上12.5(cal/cm
3)
0.5以下であるのがより好ましい。
【0025】
シリカ微粒子について以下に説明する。
本発明の組成物に含有されるシリカ微粒子は、シリカの微細な粒である。
シリカ微粒子としては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土が挙げられる。シリカ微粒子は本発明の効果により優れ、加工性に優れるという観点から、湿式シリカ、ヒュームドシリカが好ましい。
シリカ微粒子は、その表面にシラノール基を有するのが好ましい。
シリカ微粒子の平均粒径は、本発明の効果により優れ、加工性に優れるという観点から、0.007〜100μmであるのが好ましく、0.01〜50μmであるのがより好ましい。
シリカ微粒子はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0026】
シリカ微粒子の量は、本発明の効果により優れ、加工性に優れるという観点から、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.5〜100質量部であるのが好ましく、5〜70質量部であるのがより好ましい。
【0027】
ポリウレタンについて以下に説明する。
本発明の組成物に含有されるポリウレタンは、1分子中にウレタン結合を2個以上有する化合物である。
ウレタン結合は有機基に結合することができる。有機基は上記と同義である。
【0028】
ポリウレタンは、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させることによって製造することができる。
【0029】
ポリウレタンを製造する際に使用されるポリイソシアネートは、1分子内にイソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI。例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート)、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H
6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H
12MDI)のような、脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアネート;これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネートはなかでも、本発明の効果により優れ、ポリオールとの反応性に優れるという観点から、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、TDI、MDIがより好ましい。
【0030】
ポリオールは、1分子中にヒドロキシ基を2個以上有する化合物である。
ポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレンジオール、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオールのようなポリエーテルポリオール;ポリエステルポリオール;アクリルポリオール、ポリブタジエンジオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール;ポリカプロラクトンポリオール;ひまし油ポリオール;これらの組み合わせが挙げられる。
ポリオールは、なかでも、本発明の効果により優れ、イソシアネートとの反応性に優れるという観点から、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオールが好ましい。
【0031】
ポリオールの重量平均分子量は、本発明の効果により優れ、加工性に優れるという観点から、500〜20000であるのが好ましく、1000〜15000であるのがより好ましい。本発明において、ポリオールの分子量(重量平均分子量)は、THFを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値である。
【0032】
ポリウレタンは、本発明の効果により優れるという観点から、更にカルボキシル基を有するのが好ましい。
ポリウレタンにカルボキシル基を導入するために使用される、カルボキシル基を有するモノマーは、1分子中に、1個以上のカルボキシ基を有する化合物である。カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、1分子中に、1個以上のカルボキシ基と2個以上のヒドロキシ基とを有する化合物が挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、具体的には例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸が挙げられる。
【0033】
カルボキシル基を有するモノマーの量は、本発明の効果により優れるという観点から、ポリウレタンを構成する全モノマー(ポリイソシアネート、ポリオール及びカルボキシル基を有するモノマーの合計)中の10モル%以上60モル%以下であるのが好ましく、10モル%以上50モル%以下であるのがより好ましく、15モル%以上45モル%以下であるのが更に好ましい。
【0034】
ポリウレタンを製造する際の、NCO基/ヒドロキシ基のモル比は、1.1〜2であるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0035】
ポリウレタンの製造は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
ポリウレタンの重量平均分子量は、本発明の効果により優れるという観点から、2500以上10万以下であるのが好ましく、30000以上10万以下であるのがより好ましい。
【0036】
本発明において、ポリウレタンの溶解度パラメーターは、9.5(cal/cm
3)
0.5以上12.0(cal/cm
3)
0.5以下である。
ポリウレタンのSP値は、本発明の効果により優れるという観点から、9.5(cal/cm
3)
0.5以上11.5(cal/cm
3)
0.5以下であるのが好ましい。
【0037】
ポリウレタンの量は、本発明の効果により優れ、加工性に優れるという観点から、エポキシ樹脂100質量部に対して、10〜100質量部であるのが好ましく、20〜80質量部であるのがより好ましい。
【0038】
本発明において、エポキシ樹脂の溶解度パラメーターとポリウレタンの前記溶解度パラメーターとの差[(エポキシ樹脂の溶解度パラメーター)−(ポリウレタンの溶解度パラメーター)]は、−1.5〜+1.5(cal/cm
3)
0.5である。
上記差は、本発明の効果により優れ、加工性に優れるという観点から、−1.5〜+1.3(cal/cm
3)
0.5であるのが好ましく、−1.2〜+1.0(cal/cm
3)
0.5であるのがより好ましい。
【0039】
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、所定以外のSP値を有するポリウレタン、硬化触媒、シリカ以外の充填剤、老化防止剤、溶剤、難燃剤、反応遅延剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、レベリング剤を含む、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤が挙げられる。添加剤の量は適宜選択できる。
【0040】
本発明の組成物はその製造について特に制限されない。例えば、ポリウレタン、シリカ微粒子、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤、必要に応じて使用することができる添加剤を混合装置で混合することによって製造することができる。
【0041】
本発明の組成物は接着剤として使用することができる。例えば、構造用の接着剤として本発明の組成物を使用することができる。
本発明の組成物を適用することができる被着体は特に制限されない。例えば、プラスチック、ガラス、ゴム、金属等が挙げられる。
本発明の組成物を被着体に適用する方法は特に制限されない。例えば、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート等の公知の方法が挙げられる。
本発明の組成物は、例えば、50〜200℃の条件下において硬化することができる。
【0042】
本発明の接着剤組成物を用いて形成された接着層を有する積層体について、添付の図面を用いて以下に説明する。本発明は添付の図面に制限されない。
図1は、本発明の接着剤組成物を用いて形成された接着層を有する積層体の一例の断面図である。
【0043】
図1において、積層体100は、第1の部材としての部材102と、第2の部材としての部材106と、本発明の組成物を用いて形成される接着層104とを有する。部材102と部材106とは、接着層104によって接着されている。
各部材(被着体)および接着層の厚さは特に制限されない。
【0044】
積層体の製造方法としては、例えば、第1の部材上に、本発明の組成物を付与し、必要ならば乾燥させた後、第2の部材を重ねあわせ、これを50〜200℃の条件下において硬化させる方法が挙げられる。
ここで、本発明の組成物を適用する方法は特に限定されない。上記と同様のものが挙げられる。
【実施例】
【0045】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただ、本発明はこれらに限定されない。
<ポリウレタンの製造>
下記第1表の各成分を第1表に示す組成で用いて、これらを1リットルのメチルエチルケトンに投入し、撹拌機で撹拌しながらし、80℃の条件下で反応させ、反応後メチルエチルケトンを留去し、ポリウレタンを製造した。
【0046】
【表1】
【0047】
第1表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
・TDI:トリレンジイソシアネート、商品名TDI−100、三井化学社製
・MDI:フェニルメタンジイソシアネート、商品名コスモネートPH、三井化学社製
・ポリプロピレングリコール1:ポリオキシプロピレンジオール、商品名PPG1000、三洋化成工業社製
・ポリプロピレングリコール2:ポリオキシプロピレンジオール、商品名PPG2000、三洋化成工業社製
・ポリエチレングリコール:ポリオキシエチレンジオール、商品名PEG、和光純薬社製
・ポリエステルポリオール:1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸とから形成されたポリエステルジオール、商品名ニッポラン164、日本ポリウレタン社製
・ポリカプロラクトンジオール:商品名プラクセル200、ダイセル社製
・ひまし油ポリオール:商品名ひまし油工1、伊藤製油社製
・ジメチロールブタン酸:日本化成社製
【0048】
<組成物の製造>
下記第2表の各成分を第2表に示す組成(質量部)で用いて、これらを撹拌機で混合し、組成物を製造した。
【0049】
<積層体の製造>
まず、冷間圧延鋼板(SPCC鋼板、幅:25mm、長さ:120mm、厚さ:3mm)を2枚用意した。
次に、第1の部材としての一方の冷間圧延鋼板の表面に、上記のとおり製造した各組成物を幅25mm、長さ10mmとなるように塗布した後、これを第2の部材としての他方の冷間圧延鋼板と張り合わせ、圧着させることで積層体を製造した。圧着後の接着材層の厚さは5mmであった。
上記のとおり製造した積層体を以下の条件下に置いて、接着性評価用の試験体を得た。
・条件1(常態):25℃の条件下で10時間放置
・条件2(温水):25℃の条件下で10時間放置後、更に50℃の温水に3日間浸漬
【0050】
<接着性(剪断強度)>
上記のとおり得られた試験体を用いて、25℃の条件下でJIS K6850:1999に準じ引張試験(引っ張り速度50mm/分)を行い、常温せん断接着力(MPa)、耐温水せん断接着力(MPa)を測定した。また、耐温水試験後の剪断接着力の保持率を、下記式に当てはめて算出した。結果を下記第1表に示す。
保持率(%)=[(耐温水試験後の剪断接着力)/(常温せん断接着力)]×100
本発明において、保持率が70%以上である場合、接着性に優れるといえる。
【0051】
【表2】
【0052】
第2表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
・エポキシ樹脂(ビスA):ビスフェノールA型エポキシ樹脂、分子量380、商品名エピコート828、ジャパンエポキシレジン社製、SP値 10.2(cal/cm
3)
0.5
・エポキシ樹脂(ビスF):ビスフェノールF型エポキシ樹脂、分子量 350、商品名エピコート807、ジャパンエポキシレジン社製、SP値 8.7(cal/cm
3)
0.5
・ポリアミドアミン:ダイマー酸変性ポリアミドアミン、商品名トーマイド296、富士化成工業社製、SP値 11.1(cal/cm
3)
0.5
・DICY:ジシアンジアミド、商品名ジシアンジアミド、日本カーバイト工業社製、SP値 12.0(cal/cm
3)
0.5
・イミダゾール:化合物名2メチルイミダゾール、商品名2MZ、四国化成工業社製、SP値11.8(cal/cm
3)
0.5
・シリカ微粒子:商品名Zeosil 1165MP、ローディア社製、平均粒径20μm、N
2SA:160m
2/g、湿式シリカ
・エポキシシラン:γグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、商品名KBM403、信越化学社製
・アミノシラン:化合物名γアミノプロピルトリメトキシシラン、商品名KMB903、信越化学社製
・ポリウレタン1〜9:上記のとおり製造したポリウレタン
【0053】
第2表に示す結果から明らかなように、特定のポリウレタンを含有しない比較例1〜3はせん断接着力の保持率が低く、接着性に劣った。
SP値が所定の範囲未満であるポリウレタンを含有する比較例4は、せん断接着力の保持率が低く、接着性に劣った。
SP値が所定の範囲より大きいポリウレタンを含有し、エポキシ樹脂とポリウレタンとのSP値の差が特定の範囲より大きい比較例5、6は、せん断接着力の保持率が低く、接着性に劣った。
エポキシ樹脂とポリウレタンとのSP値の差が特定の範囲より大きい比較例7は、せん断接着力の保持率が低く、接着性に劣った。
【0054】
これに対して、実施例1〜6は保持率が高く接着性に優れる。
実施例2、4と実施例6とを比較した場合、カルボキシル基を有するポリウレタン3、5を含有する実施例2、4は、カルボキシル基を有さないポリウレタン7を含有する実施例6より、保持率が高く、より接着性に優れる。
実施例3、5と実施例1との比較でも同様のことが言える。
以下であるポリウレタン、シリカ微粒子、エポキシ樹脂及び前記エポキシ樹脂の硬化剤を含有し、前記エポキシ樹脂の溶解度パラメーターと前記ポリウレタンの前記溶解度パラメーターとの差が−1.5〜+1.5(cal/cm