(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
空気の水分を吸着する吸着剤が担持された吸着熱交換器(31,32)によって室外空気及び室内空気の一方を除湿し他方を加湿した後、当該室外空気を室内に供給し当該室内空気を室外に排出する調湿装置であって、
ケーシング(11A,11B)と、
前記吸着熱交換器(31,32)、冷媒を循環させる圧縮機(27)、冷媒の循環方向を切り換える切換機構(26)、及びこれらを接続する冷媒配管(29)を有している冷媒回路(12)と、
前記ケーシング(11A,11B)内に室外空気及び室内空気をそれぞれ取り入れるファン(34,35)と、
当該調湿装置(10)の制御部品を含む電装品ユニット(15)と、を備えており、
前記ケーシング(11A,11B)が、前記ファン(34,35)、前記切換機構(26)、及び前記電装品ユニット(15)が配置された第1ケーシング(11A)と、
前記吸着熱交換器(31,32)が配置された第2ケーシング(11B)と、からなり、
前記第1ケーシング(11A)と前記第2ケーシング(11B)とがダクト(D5,D6)を介して相互に接続されていることを特徴とする調湿装置。
前記ダクト(D5,D6)は、前記外気取入口(51)から前記第2ケーシング(11B)内に取り入れられた室外空気を前記第1ケーシング(11A)内へ導入させる外気用ダクト(D5)と、前記内気取入口(53)から前記第2ケーシング(11A)内に取り入れられた室内空気を前記第1ケーシング(11A)内へ導入させる内気用ダクト(D6)とからなる、請求項2に記載の調湿装置。
前記ダクト(D5,D6)は、前記外気取入口(51)から前記第1ケーシング(11A)内に取り入れられた室外空気を前記第2ケーシング(11B)内へ導入させる外気用ダクト(D5)と、前記内気取入口(53)から前記第1ケーシング(11A)内に取り入れられた室内空気を前記第2ケーシング(11B)内へ導入させる内気用ダクト(D6)とからなる、請求項3又は4に記載の調湿装置。
前記第1ケーシング(11A)及びその内部機器と、前記圧縮機(27)とにより構成された第1ユニット(10A)に対して、前記第2ケーシング(11B)及びその内部機器により構成された第2ユニット(10B)が複数並列して接続されている、請求項7又は8に記載の調湿装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る調湿装置の内部の平面説明図である。
図2は、
図1におけるA−A線矢視方向から見た調湿装置の内部の説明図である。
図3は、
図1におけるB−B線矢視方向から見た調湿装置の内部の説明図である。
本実施の形態の調湿装置10は、室内の換気を行いながら除湿又は加湿を行うものであり、ケーシング11A,11Bと、冷媒回路12と、空気流制御機構13等を備えている。
【0018】
ケーシングは、第1ケーシング11Aと第2ケーシング11Bとから構成されている。そして、第1ケーシング11Aは、例えば、室外の通路等の天井裏や機械室等に配置され、第2ケーシング11Bは室内の天井裏等に配置される。第1ケーシング11Aと第2ケーシング11Bとは、いずれも扁平な直方体の箱形に形成されている。
【0019】
具体的に、第1ケーシング11Aは、底板18aと、天板18bと、4枚の側板(第1〜第4側板)21a〜21dとを備えている。これら底板18a、天板18b、及び側板21a〜21dによって囲まれた空間内に冷媒回路12の一部や空気流制御機構13の一部等が収容されている。また、第1ケーシング11Aの一側面(第1側板21aの外面)には、電装品ユニット15が設けられている。
【0020】
なお、以下の説明においては、第1ケーシング11Aの平面形状(長方形状)における短辺に沿った方向を前後方向とし、長辺に沿った方向を左右方向とする。また、前後方向については、第1側板21a側を前側とし、第4側板21d側を後側とする。第1ケーシング11Aは、前後方向の長さよりも左右方向の長さのほうが大きく、細長い直方体形状に形成されている。
【0021】
第2ケーシング11Bは、底板19aと、天板19bと、4枚の側板(第5〜第8側板)24a〜24dとを備えている。これら底板19a、天板19b、及び側板24a〜24dによって囲まれた空間内に冷媒回路12の一部や空気流制御機構13の一部等が収容されている。なお、第2ケーシング11Bに関しては、その前部に第5側板24aが、後部に第8側板24dが、左右側部に第6,第7側板24b,24cがそれぞれ配置されているものとする。
【0022】
第1,第2ケーシング11A,11Bに収容されている冷媒回路12について説明する。
図4は、調湿装置10の冷媒回路12を示す配管系統図である。
冷媒回路12は、第1熱交換器31、四路切換弁(切換機構)26、圧縮機27、第2熱交換器32、及び電動膨張弁(膨張機構)28を冷媒配管29によって接続してなり、冷媒を循環させることによって蒸気圧縮式の冷凍サイクルを実行するように構成されている。
圧縮機27は、その吐出側が四路切換弁26の第1のポートに接続され、その吸入側が四路切換弁26の第2のポートに接続されている。第1熱交換器31の一端は、四路切換弁26の第3のポートに接続されている。第1熱交換器31の他端は、電動膨張弁28に接続されている。第2熱交換器32の一端は、四路切換弁26の第4のポートに接続されている。第2熱交換器32の他端は、電動膨張弁28に接続されている。
【0023】
圧縮機27は、いわゆる全密閉型であり、インバータによって運転回転数(運転周波数)が制御される容量可変型の圧縮機とされている。
第1熱交換器31及び第2熱交換器32は、いずれも、伝熱管と多数のフィンとを備えた、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ式熱交換器により構成されている。また、第1熱交換器31及び第2熱交換器32の外表面には、その概ね全面に亘ってゼオライト等の吸着剤が担持されている。
【0024】
四路切換弁26は、第1のポートと第3のポートとが連通しかつ第2のポートと第4のポートとが連通する状態(
図4(a)参照)と、第1のポートと第4のポートとが連通しかつ第2のポートと第3のポートとが連通する状態(
図4(b)参照)とに切り換え可能に構成されている。そして、冷媒回路12は、この四路切換弁26のポートの連通状態を切り換えることにより、冷媒循環方向を反転させ、第1熱交換器31が凝縮器として機能し、第2熱交換器32が蒸発器として機能する第1の冷凍サイクル動作と、第1熱交換器31が蒸発器として機能し、第2熱交換器32が凝縮器として機能する第2の冷凍サイクル動作とを行うことができる。
【0025】
図1〜
図3に示されるように、空気流制御機構13は、第2ケーシング11B内に室外空気及び室内空気を取り込み、これらをそれぞれ熱交換器31,32を通過させた後に第1ケーシング11Aへ送り、第1ケーシング11Aから室内及び室外に吹き出す空気流を生成するものである。具体的に、空気流制御機構13は、ケーシング11A,11Bから空気を吹き出す第1ファン34及び第2ファン35を有している。
【0026】
第1ファン34及び第2ファン35は、シロッコファンにより構成されている。シロッコファンは、
図1に示されるように、モータ36によって回転する多翼の羽根車37をファンケーシング38内に設けたものである。ファンケーシング38は円筒形に形成され、ファンケーシング38の両側面には吸込口が形成され、外周面には吐出口38bが形成されている。また、第1ファン34及び第2ファン35は、インバータ制御によって風量を調整可能に構成されている。
【0027】
また、空気流制御機構13は、
図1〜
図3に示されるように、第1,第2ファン34,35によってケーシング11A,11B内に取り込まれた空気の流通路を制御する複数のダンパ41〜48を備えている。このダンパ41〜48の具体的な動作については後述する。
【0028】
図1に示されるように、第1ケーシング11Aの第2側板21bには、室内の空気を第1ケーシング11Aから吹き出すための排気吹出口52が形成されている。この排気吹出口52には室外に通じるダクトD1が接続されている。排気吹出口52の近傍における第1ケーシング11A内には、排気吹出用の第1ファン34が配置され、この第1ファン34の吐出口38bが排気吹出口52に接続されている。
【0029】
第1ケーシング11Aの第3側板21cには、第1ケーシング11A内の空気を室内に吹き出すための給気吹出口54が形成されている。この給気吹出口54には室内に通じるダクトD3が接続されている。また、給気吹出口54の近傍における第1ケーシング11A内には、給気吹出用の第2ファン35が配置され、この第2ファン35の吐出口38bが給気吹出口54に接続されている。
【0030】
第1ケーシング11Aの第4側板21dにおける左右両端部には、それぞれ第1及び第2中継取入口22b,23bが形成されている。第1及び第2中継取入口22b,23bには、それぞれ第2ケーシング11Bに通じる内気用ダクトD6及び外気用ダクトD5の一端が接続されている。したがって、内気用ダクトD6及び外気用ダクトD5から送られた空気が第1,第2中継取入口22b、23bを介して第1ケーシング11A内に取り入れられる。
【0031】
第2ケーシング11Bにおける第6側板24bの後部側には、室外の空気を第2ケーシング11B内に取り入れるための外気取入口51が形成されている。この外気取入口51には、室外に通じるダクトD2が接続されている。また、第2ケーシング11Bにおける第7側板24cの後部側には、室内の空気を第2ケーシング11B内に取り入れるための内気取入口53が形成されている。この内気取入口53には、室内に通じるダクトD4が接続されている。
【0032】
第2ケーシング11Bにおける第6側板24b及び第7側板24cの前部側には、それぞれ第1及び第2中継吹出口22a,23aが形成されている。そして、第1中継吹出口22aには内気用ダクトD6の他端が接続され、第2中継吹出口23aには外気用ダクトD5の他端が接続されている。したがって、外気取入口51から第2ケーシング11B内に取り入れられた室外の空気は外気用ダクトD5を介して第1ケーシング11A内に取り入れられ、内気取入口53から第2ケーシング11B内に取り入れられた室内の空気は内気用ダクトD6を介して第1ケーシング11A内に取り入れられる。
【0033】
以上の構成により、室外と室内とは、ダクトD1〜D6及び第1,第2ケーシング11A,11Bを介して相互に連通されている。
なお、
図1に示されるように、外気取入口51から第2ケーシング11B内に取り入れられる空気をOA、内気取入口53から第2ケーシング11B内に取り入れられる空気をRA、排気吹出口52から第1ケーシング11A外へ排出される空気をEA、給気吹出口54から第1ケーシング11A外へ排出される空気をSAと表記することがある。
【0034】
図1に示されるように、第1ケーシング11Aの内部には、第1ファン34及び第2ファン35が配置される送風室56a,56bが設けられている。この送風室56a,56bは、第2区画壁62によって、排気吹出用の第1ファン34が配置される第1送風室56aと、給気吹出用の第2ファン35が配置される第2送風室56bとに区画されている。第2送風室56bは第1送風室56aよりも左右方向に広く形成されている。
【0035】
第1ファン34と第2ファン35との間における第2送風室56b内のスペースSには、冷媒回路12を構成する四路切換弁26等(
図4参照)が配置されている。このスペースSから第1側板21aを貫通して引き出された冷媒配管29には、第1ケーシング11Aの外部に設置された圧縮機27が接続されている。本実施の形態においては、第1ケーシング11Aとその内部機器、及び圧縮機27によって第1ユニット(機能ユニット)10Aが構成されている。なお、圧縮機27は、第1ケーシング11A内のスペースSに配置されていてもよい。
【0036】
第1,第2ファン34,35は、室外に設置される第1ケーシング11A内に設けられるので、第1,第2ファン34,35の作動音や送風音が室内に伝わるのを防止することができる。特に、第2ファン35は、ダクトD3を通じて距離の離れた室内に接続されており、第2ファン35の音は長いダクトD3を通る間に減衰するので、室内に伝播されるのを好適に防止することができる。
【0037】
第1ケーシング11Aの第1側板21aの前面に配置された電装品ユニット15は、電装品箱内に、調湿装置10全体の制御基板、圧縮機27や第1,第2ファン34,35の制御基板(インバータ基板)等の電気部品を収容してなる。この電装品ユニット15の点検や部品交換等を行うため、第1ケーシング11Aの前方にはメンテナンス用の作業スペースが形成される。また、第1側板21aを取り外すことによって、第1,第2ファン34,35に対するメンテナンスや冷媒回路12における四路切換弁26等のメンテナンスも第1ケーシング11Aの前方の作業スペースにおいて行うことができる。
【0038】
したがって、本実施の形態では、比較的メンテナンス頻度の高い電装品ユニット15、第1,第2ファン34,35、及び冷媒回路12の一部(四路切換弁26等)が第1ケーシング11Aに集中して配置され、これらのメンテナンスのための作業スペースを第1ケーシング11Aの一側(第1側板21aの前方)に集中して設けることができる。その結果、当該作業スペースをケーシングの周囲に分散して設ける場合に比べて、作業スペース全体の平面的な面積を可及的に小さくすることができ、メンテナンス作業を一箇所で容易に行うことができる。また、第1ケーシング11Aを室外におけるメンテナンスのし易い場所に配置すれば、よりメンテナンス性を高めることができる。また、第1ケーシング11Aは、第2ケーシング11Bと比較して小型化することができるので、室外の狭いスペース(デッドスペース等)を利用して設置することが可能となる。
【0039】
図1に示されるように、第2ケーシング11B内には、熱交換室57,58と空気流通路59,60とが形成されている。具体的に、第5側板24aと第8側板24dとの間には、前後方向に沿って延びる第3区画壁63と第4区画壁64とが左右方向に並べて設けられている。第3区画壁63及び第4区画壁64の前端は第5側板24aに接続され、後端は第8側板24dに接続されている。第3区画壁63と第4区画壁64との間には、第1,第2熱交換器31,32が配置される熱交換室57,58が形成されている。第3区画壁63と第6側板24bとの間、及び、第4区画壁64と第7側板24cとの間には、それぞれ前後方向に延びる第1空気流通路59及び第2空気流通路60が形成されている。第1,第2空気流通路59,60には、エアフィルタ71が設けられている。
【0040】
熱交換室57,58は、第5区画壁65によって前後に区画されている。そして、前側の第1熱交換室57には第1熱交換器31が配置され、後側の第2熱交換室58には第2熱交換器32が配置されている。第1熱交換器31及び第2熱交換器32は、
図7及び
図8に示されるように、それぞれ第1空気流通路59側が第2空気流通路60側よりも高くなるように傾斜した姿勢で配置されている。そのため、第1及び第2熱交換室57,58内の空気流は、第1及び第2熱交換器31,32を左右方向かつ上下方向に流通するようになっている。なお、第1及び第2熱交換器31は、
図7及び
図8に示すものとは左右逆に傾斜して配置されていてもよい。また、第1熱交換器31と第2熱交換器32とは互いに逆向きに傾斜していてもよい。
【0041】
このように第1及び第2熱交換器31,32を傾斜した姿勢で配置することで、空気の流通面積を拡大し、熱交換効率の向上及び吸着剤による水分の吸着効率の向上を図ることができる。なお、第1,第2熱交換器31,32は、
図1に示されるように、冷媒配管29aによって第1ケーシング11A内の冷媒回路12に接続されている。また、第2ケーシング11Bにおいて、第1,第2熱交換器31,32の間には、電動膨張弁28(
図4参照)も配置されている。本実施の形態では、第2ケーシング11Bとその内部機器とによって第2ユニット(調湿ユニット)10Bが構成されている。
【0042】
図2に示されるように、第1空気流通路59は、第6区画壁66によって上下2段に区画されている。第6側板24b(
図1参照)に形成された第1中継吹出口22aは、下段側の第1空気流通路59bに連通している。また、外気取入口51は、上段側の第1空気流通路59aに連通している。
図3に示されるように、第2空気流通路60は、第7区画壁67によって上下2段に区画されている。第7側板24c(
図1参照)に形成された第2中継吹出口23aは、上段側の第2空気流通路60aに連通している。また、内気取入口53は、下段側の第2空気流通路60bに連通している。
【0043】
図1に示されるように、第1中継吹出口22a及び外気取入口51は第6側板24bに形成され、第2中継吹出口23a及び内気取入口53は第7側板24cに形成されている。したがって、第2ケーシング11Bの第5,第8側板24a,24dには、空気が流通する開口は形成されず、ダクトも接続されない。そのため、第5,第8側板24a,24dの周辺にはダクト等を配置するためのスペースは不要となっている。また、熱交換器31,32に対する点検や交換等のメンテナンスは、第5側板24a及び第8側板24dの一方を取り外すことによって行うことができる。したがって、第5側板24a及び第8側板24dの一方側にはメンテナンスのための作業スペースが必要であるが、他方側には当該作業スペースを確保する必要がないので、当該他方側を建物の壁際等に配置するような第2ケーシング11Bの設置が可能となる。そのため、第2ケーシング11Bの設置場所の制約を少なくし、設置の自由度を高めることができる。
【0044】
図9は、調湿装置の設置態様の一例を示す概略図である。この図では、1台の第1ユニット(機能ユニット)10Aに対して複数台の第2ユニット(調湿ユニット)10Bが並列に接続されている。第1ユニット10Aは、室外の通路Cの天井裏や機械室等に配置されている。複数の第2ユニット10Bは、各部屋Rの天井裏等に設置されている。第1ユニット10Aと第2ユニット10BとはダクトD5,D6によって接続されている。第2ユニット10Bは、熱交換器31,32や膨張弁28等の音の発生が少ない部品を備えているので、室内に対する騒音の原因になることはほとんどない。したがって、病院の病室やホテルの客室等の静音性が求められる場所に設置することが可能となっている。これに対して第1ユニット10Aは、ファン34,35や圧縮機27等の比較的大きな音が発生する部品を備えているが、室外に配置することができるので、室内に対する騒音の問題になることはほとんどない。また、第1ユニット10Aを室外に配置することで、ファン34,35、圧縮機27等のメンテナンスを室外で行うことができ、当該メンテナンスの間も室内は通常通り使用することができる。また、調湿装置を第1ユニット10Aと第2ユニット10Bとに分けて構成することによって、両者を一体に構成する場合に比べて、それぞれを小型化することができる。そのため第1ユニット10A及び第2ユニット10Bの運搬、保管、設置等を容易に行うことができる。
【0045】
次に、空気流制御機構13の構成についてより詳細に説明する。
図2に示されるように、第2ケーシング11Bの第3区画壁63には、4つの通気口81〜84が前後上下に並べて形成されている。これらの通気口81〜84は、それぞれダンパ41〜44によって開閉可能に構成されている。
また、
図3に示されるように、第4区画壁64には、4つの通気口85〜88が前後上下に並べて形成されている。これらの通気口85〜88は、それぞれダンパ45〜48によって開閉可能に構成されている。
【0046】
図2に示されるように、第3区画壁63に形成された上段側の通気口83,84は、上段側の第1空気流通路59aに連通している。また、下段側の通気口81,82は、下段側の第1空気流通路59bに連通している。
図3に示されるように、第4区画壁64に形成された上段側の通気口85,86は、上段側の第2空気流通路60aに連通している。また、下段側の通気口87,88は、下段側の第2空気流通路60bに連通している。
【0047】
また、第3,第4区画壁63,64に形成された通気口81〜88のうち、前側に配置された4つの通気口81,83,85,87は、前側の第1熱交換室57(
図1参照)に連通し、後側に配置された4つの通気口82,84,86,88は、後側の第2熱交換室58(
図1参照)に連通している。
【0048】
各ダンパ41〜48は、次の開閉パターンに従って開閉動作を行う。
図2に示されるように、第3区画壁63に設けられたダンパ41〜44のうち、上段側の前後のダンパ43,44は交互に開閉し(一方が開いたときに他方が閉じ、他方が開いたときに一方が閉じる)、同様に、下段側の前後のダンパ41,42も交互に開閉する。また、前側の上下のダンパ43,41は交互に開閉し、後側の上下のダンパ44,42も交互に開閉する。
【0049】
図3に示されるように、第4区画壁64に設けられたダンパ45〜48のうち、上段側の前後のダンパ45,46は交互に開閉し、下段側の前後のダンパ47,48も交互に開閉する。また、前側の上下のダンパ45,47は交互に開閉し、後側の上下のダンパ46,48も交互に開閉する。
【0050】
また、第3,第4区画壁63,64に設けられた下段側のダンパ41,42,47,48のうち、前側に配置された2つのダンパ41,47が組となって同時に開閉し(一方が開いたときに他方も開き、一方が閉じたときに他方も閉じる)、後側に配置された2つのダンパ42,48が組となって同時に開閉する。
同様に、第3,第4区画壁63,64に設けられた上段側のダンパ43,44,45,46のうち、前側に配置された2つのダンパ43,45が組となって同時に開閉し、後側に配置された2つのダンパ44,46が組となって同時に開閉する。
【0051】
そして、本実施の形態では、以上のようなダンパ41〜48の開閉パターンの組み合わせによって、
図5に示される態様と、
図6に示される態様とに空気流が切り換えられる。
図5に示される態様では、第1ファン34によって内気取入口53から取り入れられた室内空気が、第1熱交換室57を通過して第1中継吹出口22a及び第1中継取入口22bを介して第1ケーシング11A内に流入し、排気吹出口52から排出される。また、第2ファン35によって外気取入口51から取り入れられた室外空気が、第2熱交換室58を通過して第2中継吹出口23a及び第2中継取入口23bを介して第1ケーシング11A内に流入し、給気吹出口54から排出される。
【0052】
また、
図6に示される態様では、第1ファン34によって内気取入口53から取り入れられた室内空気が、第2熱交換室58を通過して第1中継吹出口22a及び第1中継取入口22bを介して第1ケーシング11A内に流入し、排気吹出口52から排出される。また、第2ファン35によって外気取入口51から取り入れられた室内空気が、第1熱交換室57を通過して第2中継吹出口23a及び第2中継取入口23bを介して第1ケーシング11A内に流入し、給気吹出口54から排出される。
【0053】
図7は、
図5に示される空気流の態様に対応した、第1,第2空気流通路59,60と第1,第2熱交換室57,58との間の空気流れを示す説明図である。
図7(a)に示されるように、内気取入口53から下段側の第2空気流通路60bを流れる空気流は、第4区画壁64の下段前側に形成された通気口87を介して第1熱交換室57に流入する。その後、当該空気流は、第1熱交換器31を通過し、第3区画壁63の下段前側に形成された通気口81を介して下段側の第1空気流通路59bに流入し、第1中継吹出口22aから排出される。
【0054】
同時に、
図7(b)に示されるように、外気取入口51から上段側の第1空気流通路59aを流れる空気流は、第3区画壁63の上段後側に形成された通気口84を介して第2熱交換室58に流入する。その後、当該空気流は、第2熱交換器32を通過し、第4区画壁64の上段後側に形成された通気口86を介して上段側の第2空気流通路60aに流入し、第2中継吹出口23aから排出される。
【0055】
図8は、
図6に示される空気流の態様に対応した、第1,第2空気流通路59,60と第1,第2熱交換室57,58との間の空気の流れを示す説明図である。
図8(a)に示されるように、内気取入口53から下段側の第2空気流通路60bを流れる空気流は、第4区画壁64の下段後側に形成された通気口88を介して第2熱交換室58に流入する。その後、当該空気流は、第2熱交換器32を通過し、第3区画壁63の下段後側に形成された通気口82を介して下段側の第1空気流通路59bに流入し、第1中継吹出口22aから室内に排出される。
【0056】
同時に、
図8(b)に示されるように、外気取入口51から上段側の第1空気流通路59aを流れる空気流は、第3区画壁63の上段前側に形成された通気口83を介して第1熱交換室57に流入する。その後、当該空気流は、第1熱交換器31を通過し、第4区画壁64の上段前側に形成された通気口85を介して上段側の第2空気流通路60aに流入し、第2中継吹出口23aから室外に排出される。
【0057】
図5及び
図7に示される空気流の態様と
図6及び
図8に示される空気流の態様とは、
図4に示される冷媒循環方向の切換動作(第1及び第2の冷凍サイクル動作)に合わせて所定時間毎(例えば、3分毎)に交互に繰り返して実行される。これによって調湿装置10は、除湿運転と加湿運転とを行うことが可能となっている。
【0058】
(除湿運転の説明)
まず、除湿運転について説明する。第1の冷凍サイクル動作は、
図4(a)に示されるように、圧縮機27から吐出された冷媒が、第1熱交換器31で放熱して凝縮し、その後に電動膨張弁28へ送られて減圧される。減圧された冷媒は、第2熱交換器32で吸熱して蒸発し、その後に圧縮機27に吸入されて圧縮され、再び吐出される。したがって、第1の冷凍サイクル動作では、第1熱交換器31が凝縮器として機能し、第2熱交換器32が蒸発器として機能する。
【0059】
このとき、
図5及び
図7に示されるように、外気取入口51から取り入れられた室外空気OAは第2熱交換器32を通過し、熱交換後の空気SAが給気吹出口54から排出される。また、内気取入口53から取り入れられた室内空気RAは第1熱交換器31を通過し、熱交換後の空気EAが排気吹出口52から排出される。具体的に、凝縮器としての第1熱交換器31においては、吸着剤に吸着されていた水分が冷媒の熱によって脱離し、室内空気RAに取り込まれる。これにより、第1熱交換器31の吸着剤が再生されるとともに、室内空気RAが加湿され、加湿後の空気EAが排気吹出口52から室外に排出される。また、蒸発器としての第2熱交換器32においては、冷媒の吸熱によって室外空気OAに含まれる水分が吸着剤に吸着(回収)され、室外空気OAが除湿される。除湿後の空気SAは給気吹出口54から室内に供給される。
【0060】
第2の冷凍サイクル動作は、
図4(b)に示されるように、圧縮機27から吐出された冷媒が、第2熱交換器32で放熱して凝縮し、その後に電動膨張弁28へ送られて減圧される。減圧された冷媒は、第1熱交換器31で吸熱して蒸発し、その後に圧縮機27へ吸入されて圧縮され、再び吐出される。したがって、第2の冷凍サイクル動作では、第1熱交換器31が蒸発器として機能し、第2熱交換器32が凝縮器として機能する。
【0061】
このとき、
図6及び
図8に示されるように、外気取入口51から取り入れられた室外空気OAは第1熱交換器31を通過し、熱交換後の空気SAが給気吹出口54から排出される。内気取入口53から取り入れられた室内空気RAは第2熱交換器32を通過し、熱交換後の空気EAが排気吹出口52から排出される。具体的に、凝縮器としての第2熱交換器32においては、吸着剤に吸着されていた水分が冷媒の熱によって脱離し、室内空気RAに取り込まれる。これにより、第2熱交換器32の吸着剤が再生されるとともに、室内空気RAが加湿され、加湿後の空気EAは排気吹出口52から室外に排出される。また、蒸発器としての第1熱交換器31においては、冷媒の吸熱によって室外空気OAに含まれる水分が吸着剤に吸着(回収)され、室外空気OAが除湿される。除湿後の空気SAは、給気吹出口54から室内に供給される。
【0062】
(加湿運転の説明)
次に、加湿運転について説明する。
図4(a)に示される第1冷凍サイクル動作では、第1熱交換器31が凝縮器として機能し、第2熱交換器32が蒸発器として機能する。このとき、
図6及び
図8に示されるように、外気取入口51から取り入れられた室外空気OAは第1熱交換器31を通過し、熱交換後の空気SAが給気吹出口54から排出される。内気取入口53から取り入れられた室内空気RAは第2熱交換器32を通過し、熱交換後の空気EAが排気吹出口52から排出される。具体的に、凝縮器としての第1熱交換器31においては、吸着剤に吸着されていた水分が冷媒の熱によって脱離し、室外空気OAに取り込まれる。これにより、吸着剤が再生されるとともに室外空気OAが加湿され、加湿後の空気SAが給気吹出口54から室内に供給される。また、蒸発器としての第2熱交換器32においては、冷媒の吸熱によって室内空気RAに含まれる水分が吸着剤に吸着(回収)され、室内空気RAが除湿される。除湿後の空気EAは、排気吹出口52から室外へ排出される。
【0063】
図4(b)に示される第2の冷凍サイクル動作では、第1熱交換器31が蒸発器として機能し、第2熱交換器32が凝縮器として機能する。このとき、
図5及び
図7に示されるように、外気取入口51から取り入れられた室外空気OAは第2熱交換器32を通過し、熱交換後の空気SAが給気吹出口54から排出される。内気取入口53から取り入れられた室内空気RAは第1熱交換器31を通過し、熱交換後の空気EAが排気吹出口52から排出される。具体的に、凝縮器としての第2熱交換器32においては、吸着剤に吸着されていた水分が冷媒の熱によって脱離し、室外空気OAに取り込まれる。これにより、吸着剤が再生されるとともに室外空気OAが加湿され、加湿後の空気SAが給気吹出口54から室内に供給される。また、蒸発器としての第1熱交換器31においては、冷媒の吸熱によって室内空気RAに含まれる水分が吸着剤に吸着(回収)され、室内空気RAが除湿される。除湿後の空気EAは、排気吹出口52から室外へ排出される。
【0064】
<第2の実施の形態>
次に、
図10〜
図17を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、主に空気流制御機構13の構成が上記第1の実施の形態と異なっている。
本実施の形態の空気流制御機構13は、
図10〜
図12に示されるように、第1ケーシング11A内に室外空気及び室内空気を取り込み、これらを第2ケーシング11Bへ送ってそれぞれ熱交換器31,32を通過させた後に第2ケーシング11Bから室内及び室外に吹き出す空気流を生成するように構成されている。具体的に、空気流制御機構13における第1ファン34及び第2ファン35は、第1ケーシング11A内に室外空気及び室内空気を吸い込む。
【0065】
第1ファン34及び第2ファン35は、第1の実施の形態と同様に、シロッコファンにより構成されている。シロッコファンは、
図17に示されるように、モータ36によって回転する多翼の羽根車37をファンケーシング38内に設けたものである。ファンケーシング38は円筒形に形成され、ファンケーシング38の両側面には吸込口38aが形成され、外周面には吐出口38bが形成されている。また、第1ファン34及び第2ファン35は、インバータ制御によって風量を調整可能に構成されている。
【0066】
また、空気流制御機構13は、
図10〜
図12に示されるように、第1,第2ファン34,35によってケーシング11A,11B内に取り込まれた空気の流通路を制御する複数のダンパ41〜48を備えている。また、第1ケーシング11Aの第2側板21bには、室外の空気を第1ケーシング11A内に取り入れるための外気取入口51が形成されている。この外気取入口51には室外に通じるダクトD1が接続されている。外気取入口51の近傍における第1ケーシング11A内には、外気取入用の第1ファン34が配置されている。
【0067】
第1ケーシング11Aの第3側板21cには、室内の空気を第1ケーシング11A内に取り入れるための内気取入口53が形成されている。この内気取入口53には室内に通じるダクトD3が接続されている。また、内気取入口53の近傍における第1ケーシング11A内には、内気取入用の第2ファン35が配置されている。
【0068】
第1ケーシング11Aの第4側板21dにおける左右両端部には、それぞれ第1及び第2中継吹出口22a,23aが形成されている。外気取入口51から第1ケーシング11A内に取り入れられた室外の空気は、第1中継吹出口22aから吹き出され、内気取入口53から第1ケーシング11A内に取り入れられた室内空気は第2中継吹出口23aから吹き出される。第1及び第2中継吹出口22a,23aには、それぞれ第2ケーシング11Bに通じる外気用ダクトD5及び内気用ダクトD6の一端が接続されている。
【0069】
第2ケーシング11Bにおける第6側板24bの後部側には、当該第2ケーシング11Bから室外に空気を排出するための排気吹出口52が形成されている。この排気吹出口52には、室外に通じるダクトD2が接続されている。また、第2ケーシング11Bにおける第7側板24cの後部側には、当該第2ケーシング11Bから室内に空気を排出するための給気吹出口54が形成されている。この給気吹出口54には、室内に通じるダクトD4が接続されている。
【0070】
第2ケーシング11Bにおける第6側板24b及び第7側板24cの前部側には、それぞれ第1及び第2中継取入口22b,23bが形成されている。そして、第1中継取入口22bには外気用ダクトD5の他端が接続され、第2中継取入口23bには内気用ダクトD6の他端が接続されている。したがって、第1ケーシング11A内に取り入れられた室外の空気は外気用ダクトD5を介して第2ケーシング11B内に取り入れられ、第1ケーシング11A内に取り入れられた室内の空気は内気用ダクトD6を介して第2ケーシング11B内に取り入れられる。
【0071】
以上の構成により、室外と室内とは、ダクトD1〜D6及び第1,第2ケーシング11A,11Bを介して相互に連通されている。
図10に示されるように、第1ケーシング11Aの内部には、第1の実施の形態と同様に、第1ファン34及び第2ファン35が配置される第1,第2送風室56a,56bが第2区画壁62により区画されて設けられている。
図10及び
図17に示されるように、第4側板21dの左右両端部の前側には、左右方向の外側ほど前方に位置するように傾斜する傾斜板21d1が設けられている。そして、この傾斜板21d1に第1,第2ファン34,35の吐出口38bが接続されている。また、第1,第2ファン34,35は、各羽根車37の回転軸が、傾斜板21d1と略平行となるように配置されている。したがって、第1,第2ファン34,35は、第2側板21b及び第3側板21cに対して傾斜した姿勢で配置されている。
【0072】
そのため、第1,第2ファン34,35のファンケーシング38の側面に形成された吸込口38aは、第2側板21b及び第3側板21cから離れて配置され、両者の間には平面視で略三角形状の空気引込空間70が形成されている。この空気引込空間70は、吸込口38aからファンケーシング38内へ吸い込まれる前の空気の流動スペースとして機能している。特に、空気引込空間70は、吸込口38aの外周側から吸込口38aへ流入する空気(
図17に矢印aで示す)の流動スペースとして有効に機能し、吸込口38aへ空気流を円滑に導くために役立っている。したがって、このような空気引込空間70を形成することによって、外気取入口51及び内気取入口53から第1,第2ファン34,35の吸込口38aへ吸い込まれる空気の圧力損失を効果的に低減し、効率よく室外空気及び室内空気を第1ケーシング11A内に取り入れることができる。
【0073】
また、外気取入口51及び内気取入口53の近傍に第1,第2ファン34,35が配置されているので、第1,第2ファン34,35の作動音や送風音は、第1,第2ケーシング11A,11B内やダクトD5,D6を空気流が通過する間に減衰される。したがって、当該音が第1,第2ケーシング11A,11B外に伝播し、騒音の原因となることを防止することができる。なお、以上のような第1,第2ファン34,35の配置に加え、この第1,第2ファン34,35が収容される第1ケーシング11Aは室外に配置されるので、第1,第2ファン34,35の音が室内に伝わるのをより確実に防止することができる。
【0074】
空気引込空間70にはエアフィルタ71が配置されている。このエアフィルタ71は、ファン34,35の側面と略平行に配置されている。したがって、エアフィルタ71も第2側板21b及び第3側板21cに対して傾斜して配置されている。このようにエアフィルタ71を傾斜して配置することによって空気の流通面積を拡大することができる。また、第1ケーシング11Aの第1側板21aの一部又は全部は着脱可能に構成されており、第1側板21aの一部又は全部を取り外すことによって、エアフィルタ71を着脱するための着脱口を形成することが可能となっている。そして、
図10に矢印bで示すように、エアフィルタ71を斜め前方へ引き出すことによって第1ケーシング11Aからエアフィルタ71を取り外すことができ、当該エアフィルタ71の清掃や交換を行うことができる。
【0075】
空気引込空間70には、外気取入口51や内気取入口53から取り入れられる空気の温度や湿度を計測するセンサ類72,73が設けられている。このセンサ類72,73の電気配線は、それぞれ第1、第2送風室56a,56bから第1側板21aに設けられた電装品ユニット15に引き込まれている。このように外気取入口51及び内気取入口53を電装品ユニット15とともに第1ケーシング11Aに配置することによって、センサ類72,73の電気配線を短い距離で電装品ユニット15に接続することができる。また、電気配線が第1ケーシング11A内の区画壁を貫通することを可及的に少なくし、区画された空間相互で空気漏れが生じるのを防止することができる。
【0076】
第1ケーシング11Aの前方には、第1の実施の形態と同様に、電装品ユニット15の点検や部品交換等を行うためのメンテナンス用の作業スペースが形成されるが、前述したように、エアフィルタ71は、第1ケーシング11Aの前方にて着脱されるので、同じ作業スペースを利用してエアフィルタ71の着脱作業も行うことができる。
したがって、本実施の形態では、比較的メンテナンス頻度の高い電装品ユニット15、第1,第2ファン34,35、及び冷媒回路12の一部(四路切換弁26等)とともに、エアフィルタ71も第1ケーシング11Aに集中して配置され、これらのメンテナンスのための作業スペースを第1ケーシング11Aの一側(第1側板21aの前方)に集中して形成することができる。
【0077】
第2ケーシング11B内における、第1,第2熱交換室57,58、及び第1,第2空気流通路59,60の構成や、第1及び第2熱交換器31,32の配置等は、第1の実施の形態と同様である。
図11に示されるように、第1空気流通路59は、第6区画壁66によって上下2段に区画されている。第6側板24b(
図10参照)に形成された第1中継取入口22bは、下段側の第1空気流通路59bに連通している。また、排気吹出口52は、上段側の第1空気流通路59aに連通している。
図12に示されるように、第2空気流通路60は、第7区画壁67によって上下2段に区画されている。第7側板24c(
図10参照)に形成された第2中継取入口23bは、上段側の第2空気流通路60aに連通している。また、給気吹出口54は、下段側の第2空気流通路60bに連通している。
【0078】
以上のように、第1中継取入口22b及び排気吹出口52は第6側板24bに形成され、第2中継取入口23b及び給気吹出口54は第7側板24cに形成されているので、第1の実施の形態と同様に、第2ケーシング11Bの第5,第8側板24a,24dには、空気が流通する開口は形成されず、ダクトも接続されない。そのため、第5,第8側板24a,24dの周辺にはダクト等を配置するためのスペースは不要であり、熱交換器31,32に対する点検や交換等のメンテナンスは、第5側板24a及び第8側板24dの一方を取り外すことによって行うことができる。
【0079】
また、本実施の形態においても、調湿装置の設置態様を、
図9に示されるように構成することができる。特に、本実施の形態では、第1ユニット10Aを室外に配置することで、ファン34,35、圧縮機27等とともにエアフィルタ71のメンテナンスも室外で行うことができ、当該メンテナンスの間も室内は通常通り使用することができる。
【0080】
次に、空気流制御機構13の構成についてより詳細に説明する。
なお、本実施の形態においても、第2ケーシング11Bに形成された通気口81〜88や、これを開閉するダンパ41〜44の構成は第1の実施の形態と同様である。
また、各ダンパ41〜48の開閉パターンも第1の実施の形態と同様である。そして、本実施の形態では、上記ダンパ41〜48の開閉パターンの組み合わせによって、
図13に示される態様と、
図14に示される態様とに空気流が切り換えられる。
図13に示される態様では、第1ケーシング11A内の第1ファン34によって外気取入口51から取り入れられた室外空気が、第1中継吹出口22a及び第1中継取入口22bを介して第2ケーシング11B内に流入し、第1熱交換室57を通過して給気吹出口54から排出される。また、第1ケーシング11A内の第2ファン35によって内気取入口53から取り入れられた室内空気が、第2中継吹出口23a及び第2中継取入口23bを介して第2ケーシング11B内に流入し、第2熱交換室58を通過して排気吹出口52から排出される。
【0081】
また、
図14に示される態様では、第1ケーシング11A内の第1ファン34によって外気取入口51から取り入れられた室外空気が、第1中継吹出口22a及び第1中継取入口22bを介して第2ケーシング11B内に流入し、第2熱交換室58を通過して給気吹出口54から排出される。また、第1ケーシング11A内の第2ファン35によって内気取入口53から取り入れられた室内空気が、第2中継吹出口23a及び第2中継取入口23bを介して第2ケーシング11B内に流入し、第1熱交換室57を通過して排気吹出口52から排出される。
【0082】
図15は、
図13に示される空気流の態様に対応した、第1,第2空気流通路59,60と第1,第2熱交換室57,58との間の空気流れを示す説明図である。
図15(a)に示されるように、第1中継取入口22bから下段側の第1空気流通路59bを流れる空気流は、第3区画壁63の下段前側に形成された通気口81を介して第1熱交換室57に流入する。その後、当該空気流は、第1熱交換器31を通過し、第4区画壁64の下段前側に形成された通気口87を介して下段側の第2空気流通路60bに流入し、給気吹出口54から室内に排出される。
【0083】
同時に、
図15(b)に示されるように、第2中継取入口23bから上段側の第2空気流通路60aを流れる空気流は、第4区画壁64の上段後側に形成された通気口86を介して第2熱交換室58に流入する。その後、当該空気流は、第2熱交換器32を通過し、第3区画壁63の上段後側に形成された通気口84を介して上段側の第1空気流通路59aに流入し、排気吹出口52から室外に排出される。
【0084】
図16は、
図14に示される空気流の態様に対応した、第1,第2空気流通路59,60と第1,第2熱交換室57,58との間の空気の流れを示す説明図である。
図16(a)に示されるように、第1中継取入口22bから下段側の第1空気流通路59bを流れる空気流は、第3区画壁63の下段後側に形成された通気口82を介して第2熱交換室58に流入する。その後、当該空気流は、第2熱交換器32を通過し、第4区画壁64の下段後側に形成された通気口88を介して下段側の第2空気流通路60bに流入し、給気吹出口54から室内に排出される。
【0085】
同時に、
図16(b)に示されるように、第2中継取入口23bから上段側の第2空気流通路60aを流れる空気流は、第4区画壁64の上段前側に形成された通気口85を介して第1熱交換室57に流入する。その後、当該空気流は、第1熱交換器31を通過し、第3区画壁63の上段前側に形成された通気口83を介して上段側の第1空気流通路59aに流入し、排気吹出口52から室外に排出される。
【0086】
図13及び
図15に示される空気流の態様と
図14及び
図16に示される空気流の態様とは、
図4に示される冷媒循環方向の切換動作(第1及び第2の冷凍サイクル動作)に合わせて所定時間毎(例えば、3分毎)に交互に繰り返して実行される。これによって調湿装置10は、除湿運転と加湿運転とを行うことが可能となっている。
【0087】
(除湿運転の説明)
本実施の形態における除湿運転について説明する。
図4(a)に示される第1の冷凍サイクル動作では、圧縮機27から吐出された冷媒が、第1熱交換器31で放熱して凝縮し、その後に電動膨張弁28へ送られて減圧される。減圧された冷媒は、第2熱交換器32で吸熱して蒸発し、その後に圧縮機27に吸入されて圧縮され、再び吐出される。したがって、第1の冷凍サイクル動作では、第1熱交換器31が凝縮器として機能し、第2熱交換器32が蒸発器として機能する。
【0088】
このとき、
図14及び
図16に示されるように、外気取入口51から取り入れられた室外空気OAは第2熱交換器32を通過し、熱交換後の空気SAが給気吹出口54から排出される。また、内気取入口53から取り入れられた室内空気RAは第1熱交換器31を通過し、熱交換後の空気EAが排気吹出口52から排出される。具体的に、凝縮器としての第1熱交換器31においては、吸着剤に吸着されていた水分が冷媒の熱によって脱離し、室内空気RAに取り込まれる。これにより、第1熱交換器31の吸着剤が再生されるとともに、室内空気RAが加湿され、加湿後の空気EAが排気吹出口52から室外に排出される。また、蒸発器としての第2熱交換器32においては、冷媒の吸熱によって室外空気OAに含まれる水分が吸着剤に吸着(回収)され、室外空気OAが除湿される。除湿後の空気SAは給気吹出口54から室内に供給される。
【0089】
図4(b)に示される第2の冷凍サイクル動作では、圧縮機27から吐出された冷媒が、第2熱交換器32で放熱して凝縮し、その後に電動膨張弁28へ送られて減圧される。減圧された冷媒は、第1熱交換器31で吸熱して蒸発し、その後に圧縮機27へ吸入されて圧縮され、再び吐出される。したがって、第2の冷凍サイクル動作では、第1熱交換器31が蒸発器として機能し、第2熱交換器32が凝縮器として機能する。
【0090】
このとき、
図13及び
図15に示されるように、外気取入口51から取り入れられた室外空気OAは第1熱交換器31を通過し、熱交換後の空気SAが給気吹出口54から排出される。内気取入口53から取り入れられた室内空気RAは第2熱交換器32を通過し、熱交換後の空気EAが排気吹出口52から排出される。具体的に、凝縮器としての第2熱交換器32においては、吸着剤に吸着されていた水分が冷媒の熱によって脱離し、室内空気RAに取り込まれる。これにより、第2熱交換器32の吸着剤が再生されるとともに、室内空気RAが加湿され、加湿後の空気EAは排気吹出口52から室外に排出される。また、蒸発器としての第1熱交換器31においては、冷媒の吸熱によって室外空気OAに含まれる水分が吸着剤に吸着(回収)され、室外空気OAが除湿される。除湿後の空気SAは、給気吹出口54から室内に供給される。
【0091】
(加湿運転の説明)
次に、加湿運転について説明する。
図4(a)に示される第1冷凍サイクル動作では、第1熱交換器31が凝縮器として機能し、第2熱交換器32が蒸発器として機能する。このとき、
図13及び
図15に示されるように、外気取入口51から取り入れられた室外空気OAは第1熱交換器31を通過し、熱交換後の空気SAが給気吹出口54から排出される。内気取入口53から取り入れられた室内空気RAは第2熱交換器32を通過し、熱交換後の空気EAが排気吹出口52から排出される。具体的に、凝縮器としての第1熱交換器31においては、吸着剤に吸着されていた水分が冷媒の熱によって脱離し、室外空気OAに取り込まれる。これにより、吸着剤が再生されるとともに室外空気OAが加湿され、加湿後の空気SAが給気吹出口54から室内に供給される。また、蒸発器としての第2熱交換器32においては、冷媒の吸熱によって室内空気RAに含まれる水分が吸着剤に吸着(回収)され、室内空気RAが除湿される。除湿後の空気EAは、排気吹出口52から室外へ排出される。
【0092】
図4(b)に示される第2の冷凍サイクル動作では、第1熱交換器31が蒸発器として機能し、第2熱交換器32が凝縮器として機能する。このとき、
図14及び
図16に示されるように、外気取入口51から取り入れられた室外空気OAは第2熱交換器32を通過し、熱交換後の空気SAが給気吹出口54から排出される。内気取入口53から取り入れられた室内空気RAは第1熱交換器31を通過し、熱交換後の空気EAが排気吹出口52から排出される。具体的に、凝縮器としての第2熱交換器32においては、吸着剤に吸着されていた水分が冷媒の熱によって脱離し、室外空気OAに取り込まれる。これにより、吸着剤が再生されるとともに室外空気OAが加湿され、加湿後の空気SAが給気吹出口54から室内に供給される。また、蒸発器としての第1熱交換器31においては、冷媒の吸熱によって室内空気RAに含まれる水分が吸着剤に吸着(回収)され、室内空気RAが除湿される。除湿後の空気EAは、排気吹出口52から室外へ排出される。
【0093】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更することができる。
例えば、第1の実施の形態では、
図1に示されるように、外気取入口51及び内気取入口53が、それぞれ第6側板24b及び第7側板24cに形成されているが、いずれも第8側板24dに形成することができる。また、第2の実施の形態では、
図10に示されるように、排気吹出口52及び給気吹出口54は、それぞれ第6側板24b及び第7側板24cに形成されているが、いずれも第8側板24dに形成することができる。
また、第2の実施の形態において、第1,第2ファン34,35は、吸込口38aが設けられた側面が第2側板21b及び第3側板21cと平行になるように配置されていてもよい。この場合においても、第1,第2ファン34,35と第1ケーシング11Aの第2,第3側板21b,21cとの間には空気引込空間70が形成されていることが好ましい。
【0094】
また、空気流制御機構13における具体的な空気流の態様についても適宜変更可能である。例えば、上記各実施の形態では、上側の空気流通路59a,60aから熱交換室57,58を通過した空気流は同じく上側の空気流通路60a,59aに流入し、下側の空気流通路59b,60bから熱交換室57.58を通過した空気流は、同じく下側の空気流通路60b,59bに流入するように構成されているが、これとは異なり、上側の空気流通路59a,60aから熱交換室57,58を通過した空気流は下側の空気流通路60b,59bに流入し、下側の空気流通路59b,60bから熱交換室57,58を通過した空気流は上側の空気流通路60a,59aに流入するように構成されていてもよい。