(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記使用電力を削減すべきと判定されるのに応じて、前記使用電力が一定以下となるように通信網経由で接続された設備機器の動作を制御するデマンド制御を実行するデマンド制御部をさらに備え、
前記デマンド制御部は、前記節電ナビゲーション画面に入力された設備機器の状態に基づいて、前記手動操作が行われる設備機器により削減される電力を推定し、この推定した電力に基づいて設備機器を制御することにより削減すべき制御目標電力を求め、この求められた制御目標電力に基づいて作成した運転計画にしたがって前記デマンド制御を実行する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電力管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[電力管理システムの構成]
以下、本発明の一実施形態による電力管理装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態による電力管理装置を含む電力管理システムの構成例を示す図である。
この図に示す電力管理システムは、施設1における電力管理装置100と、節電ナビゲーションサーバ300と、メールサーバ400と、ユーザ端末装置500を備える。電力管理装置100と節電ナビゲーションサーバ300とメールサーバ400とユーザ端末装置500は、ネットワーク600を経由して通信可能に接続されている。
【0012】
施設1には、N個の建物200−1〜200−Nが存在している。なお、以降において、建物200−1〜200−Nについて特に区別しない場合には、建物200と記載する。
建物200内には配電部210と複数の部屋220が設けられる。配電部210は同じ建物200内の各部屋220に対して、例えば電力会社が供給する商用電源や蓄電装置など(図示せず)から供給される電力を分配して各部屋220に供給する。
部屋220は、それぞれ、建物200における所定階の所定の場所に配置されている。部屋220の中には、複数の設備機器が設けられている。
【0013】
電力管理装置100は、BEMS(Building and Energy Management System)ともいわれるもので、施設1において使用される電力を管理する。本実施形態において、施設1の電力使用に関しては電力会社とデマンド契約が行われている。これに応じて、電力管理装置100は、デマンド制御を実行する。つまり、電力管理装置100は、施設1における使用電力が契約電力を越えることが無いように、各部屋220において通信網経由で接続されている設備機器を制御する。
【0014】
図2は、部屋220の内部の一例を示している。この図の部屋220は、設備機器として、制御対象機器222と非制御対象機器223の2種類が備えられる。
制御対象機器222は、電力管理装置100と通信網経由で接続されることで、電力管理装置100が動作を制御可能な設備機器である。
非制御対象機器223は、電力管理装置100と通信網経由で接続されておらず、したがって、電力管理装置100がその動作を制御できない設備機器である。
これら制御対象機器222と非制御対象機器223は、例えばその電源ケーブルのコネクタが電源タップ221と接続されることで配電部210から電源供給を受けて動作できるようになっている。
なお、この図では、各2つの制御対象機器222と非制御対象機器223が示されるが、部屋220における制御対象機器222と非制御対象機器223の各数は特に限定されない。また、この図では、1つの電源タップ221が示されているが、電源タップ221も部屋220において複数が備えられてよい。
【0015】
説明を
図1に戻す。
節電ナビゲーションサーバ300は、ユーザが使用するものとして登録されている部屋(室)別に電力管理装置100が生成した節電ナビゲーション画面を、そのネットワーク上のアドレス(URL(Uniform Resource Locator))とともに管理されるようにして保存する。なお、この節電ナビゲーションサーバ300は、節電ナビゲーション画面を提供するウェブサーバとしての構成を有する。
【0016】
メールサーバ400は、電子メールを配送する。電力管理装置100は、予測される施設1における電力需要量について抑制すべきことを判定した場合に、節電を要請する節電要請メールを、各ユーザ端末装置500を宛先として送信する。メールサーバ400は、このように送信された節電要請メールを、宛先のユーザ端末装置500に転送する。
【0017】
ユーザ端末装置500は、施設1における設備機器の使用者として登録されたユーザの各々が所有する端末装置である。このユーザ端末装置500は、例えばインターネットなどのネットワーク上のウェブサイトにアクセスして閲覧するためのウェブブラウザ機能と、電子メールを送受信する機能を有する。具体的に、ユーザ端末装置500は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話などとなる。
【0018】
[電力管理の概要]
次に、
図3を参照して、電力管理装置100により実現される電力管理の概要について説明する。
図3におけるグラフは、或る1日において予測される所定時間長による時間帯ごとの電力需要量を示している。この予測電力需要量は、施設1全体において必要であると予測される電力であり、電力管理装置100が例えば天気予報の予測気温を用いて予測する。
ここで、曲線A1で示す予測気温は、前日もしくはこの1日が開始されるタイミングで更新された天気予報が示すものであり、曲線A2で示す予測気温は、1日が開始されてから或る時間を経過したタイミングで更新された天気予報が示すものである。
【0019】
図3に示すように、電力管理装置100は、予測電力需要量に対して予め定めた閾値thを設定している。この閾値は、例えば施設1に関して電力会社と契約した契約電力に基づいて設定される。
【0020】
電力管理装置100は、予測電力需要量が閾値thを越えた場合、使用電力が閾値thを越えないように電力削減量を決定する。そして、電力管理装置100は、この決定した電力削減量となるように制御対象機器222を対象とする運転計画を作成する。そして、電力管理装置100は、この運転計画にしたがってデマンド制御を実行する。つまり、通信を経由して制御対象機器222の電源や設定を適宜制御する。
本実施形態において、電力管理装置100は、曲線A1で示す前日もしくは1日の開始タイミングでの予測気温に基づいて予測された電力需要量が閾値thを越えた場合をレベル1として認識する。
【0021】
さらに、この図では、曲線A2で示す当日の途中における予測気温は、曲線A1よりも高くなっている。このために、曲線A2に基づいて予測される電力需要量も、曲線A2に基づいて予測された電力需要量よりも高くなる。この場合、電力管理装置100は、レベル2の節電モードを設定する。レベル2は、レベル1よりも削減すべき電力が多く、また、デマンド制御を行うにあたっての緊急性が高い。レベル2の節電モードであると認識した場合、電力管理装置100は、削減電力を再決定し、この再決定した削減電力となるように運転計画も変更し、デマンド制御を実行する。
【0022】
デマンド制御では、
図2にて説明したように、通信を経由して各部屋220の制御対象機器222の動作を制御するので、非制御対象機器223の動作については制御できない。このために、デマンド制御を行っていても、部屋220において非制御対象機器223が多く稼働しているような状況となることは避けられない。これは、制御対象機器222のみを制御するだけでは有効にデマンド制御を行うことができない場合があることを意味する。この問題は、例えば施設1が大規模化して非制御対象機器223の数も増加するほど顕著となる。
【0023】
そこで、本実施形態の電力管理システムは、デマンド制御に際して、以下に説明するように、これらの非制御対象機器223の動作も間接的にコントロールできるようにする。これにより、制御対象機器222に対するデマンド制御と併せてより有効に電力を削減することが可能になる。
【0024】
電力管理装置100は、例えば前日の所定時刻において、次の日の天気予報をネットワーク600経由で取得し、この取得した天気予報が示す予測気温に基づいて、次の日の施設1における電力需要量を予測する。
次に、電力管理装置100は、この予測した電力需要量が閾値th以上であればレベル1によるデマンド制御を実行すべきと判定する。この際、電力管理装置100は、施設1の使用者として登録されているユーザのユーザ端末装置500を宛先としてレベル1対応の第1次節電要請メールを送信する。このレベル1対応の第1次節電要請メールは、例えば、明日において電力需要量が増えることが予測されるので節電に協力してもらいたい旨の内容を有する。
レベル1対応の第1次節電要請メールを受信したユーザは、明日において節電する心構えを事前に持つことができる。
【0025】
この後、当日の開始に対応したタイミングで、電力管理装置100は、現在における最新の天気予報を取得して電力需要量を再び予測する。このとき取得される天気予報は、例えば前日の天気予報よりも信頼性が高い。つまり、電力管理装置100は、当日の開始に対応したタイミングでこのように電力需要量を再予測することにより、より高い信頼性で電力需要量を予測することができる。
【0026】
例えば前日の予報よりも予測気温が低かったなどして、この当日の開始に対応したタイミングで予測した電力需要量が閾値thを越えていなかった場合、電力管理装置100は、前日に設定したレベル1の節電モードを解除する。これにより、当日においてデマンド制御は実行されない。
これに対して、この当日の開始に対応したタイミングで予測した電力需要量が閾値thを越えていた場合、電力管理装置100は、前日に判定したレベル1の節電モードを維持する。
そのうえで、電力管理装置100は、節電ナビゲーション画面を生成し、節電ナビゲーションサーバ300に保存する。節電ナビゲーション画面は、ユーザが使用するものとして登録された部屋(室)に設置されている設備機器(非制御対象機器223)のリストを提示するととともに、提示された非制御対象機器223ごとについて手動操作によりユーザが設定する状態を入力する操作が行われる画面である。
次に、電力管理装置100は、施設1の使用者として登録されているユーザのユーザ端末装置500を宛先としてレベル1対応の第2次節電要請メールを送信する。
【0027】
図4(a)は、レベル1対応の第2次節電要請メールを受信したユーザ端末装置500が、その本文を表示させた際の内容例を示している。この図に示すように、レベル1対応の第2次節電要請メールでは、まず、今日において節電してもらうことを依頼する内容の文章と、このユーザに対応して生成された節電ナビゲーション画面のURLへのリンクが表示されている。
そこで、ユーザは、このレベル1対応の第2次節電要請メールにおいて表示されているURLのリンクをクリックする操作を行う。この操作に応じて、ユーザ端末装置500のウェブブラウザは、クリックされたURLにより示される節電ナビゲーション画面へのアクセスを行って、その画像を表示する。このように表示された節電ナビゲーション画面700の例を
図5(a)に示す。
【0028】
図5(a)に示される節電ナビゲーション画面700は、例えばHTMLなどのマークアップ言語により記述されるもので、図示するように、機器リストエリア710と、機器リストエリア710にリストアップされた設備機器ごとに対応する操作エリア720が表示される。
機器リストエリア710は、これを閲覧するユーザが使用者であるとして登録されている非制御対象機器223がリストアップされる領域である。操作エリア720は、ユーザが当日の節電を行うにあたり非制御対象機器223に設定する状態について、例えば「既に」、「つける(オン)」、「消す(オフ)」のいずれかから選択する操作が行われる領域である。
なお、
図5(a)における操作エリア720は、初期状態の表示内容となっている。つまり、初期状態では、すべての操作エリア720において、「つける」の領域にボタン721が配置されている。
【0029】
ユーザは、機器リストエリア710にリストアップされた非制御対象機器223ごとについて、操作エリア720に対する操作を行う。
つまり、非制御対象機器223について既に電源をオフとしているのであれば、ユーザは、例えば「既に」の領域に対するタッチ操作を行って、この「既に」の領域にボタン721を配置させる。
また、非制御対象機器223について電源をオンにしておく必要があるのならば、ユーザは、「つける」の領域にボタン721を配置させるように操作する。
また、非制御対象機器223について、通常は電源がオンであるが、今回の節電の要請に応じてオフにするのであれば、ユーザは、「消す」の領域にボタン721を配置させるように操作する。
【0030】
図
5(b)は、上記のような操作をすべての非制御対象機器223のリストごとに行った後の節電ナビゲーション画面700の内容例を示している。これまでの操作エリア720に対する操作によって、適宜、非制御対象機器223ごとの操作エリア720におけるボタン721の配置が異なっている。
【0031】
そして、このように非制御対象機器223ごとの操作エリア720に対する操作を終了すると、ユーザは、決定ボタン730に対する操作を行う。これにより、非制御対象機器223ごとに「既に」、「つける」または「消す」に対するボタン721の配置に応じて、非制御対象機器223ごとにユーザが手動操作により設定する状態を示す機器状態情報が、ユーザ端末装置500から節電ナビゲーションサーバ300に対して送信される。節電ナビゲーションサーバ300は、受信した機器状態情報を、送信元のユーザ端末装置500の所有者として登録されているユーザのユーザIDと対応付けて記憶する。
【0032】
なお、上記のように機器状態情報が送信されるのに応じて、例えば
図4(b)に示すように今回の機器状態情報が正常に受信された旨を通知する電子メールを送信するようにしてもよい。この電子メールの送信は、節電ナビゲーションサーバ300が行ってもよいし、節電ナビゲーションサーバ300からの機器状態情報の正常受信通知に応じて電力管理装置100が行ってもよい。また、電子メールを送信するのに代えて、例えば節電ナビゲーションサーバ300のウェブサーバ機能により、ユーザ端末装置500に今回の機器状態情報が正常に受信された旨を通知するウェブ画像を表示させるようにしてもよい。
【0033】
電力管理装置100は、上記のように記憶される機器状態情報を節電ナビゲーションサーバ300から取得する。次に、電力管理装置100は、この機器状態情報を利用して、施設1において、電源がオフに切り替えられる非制御対象機器223に応じた電力削減量を推定する。そして、電力管理装置100は、推定した電力削減量に基づいて、制御対象機器222側の制御により削減すべき電力を求め、このように求めた電力が削減されるように運転計画を作成する。そして、電力管理装置100は、当日においてこの運転計画にしたがったデマンド制御を実行する。
【0034】
電力管理装置100は、当日において運転計画にしたがったデマンド制御を実行しながら、例えば現在における最新の天気予報の予測気温を利用し、現時刻から一時間程度以降における電力需要量を予測する。そして、このように予測した電力需要量が、レベル1のデマンド制御を実行している状況でありながら閾値thを越える場合には、
図3にて説明したようにレベル2の節電モードを設定する。
レベル2の節電モードの設定として、電力管理装置100は、以下の動作を実行する。つまり、電力管理装置100は、レベル2の節電モードに対応する節電ナビゲーション画面700を生成する。電力管理装置100は、このレベル2の節電モードにおいて、レベル1の節電モード時における前回の操作結果を示す節電ナビゲーション画面700を生成する。つまり、図
5の例との対応では、電力管理装置100は、図
5(b)と同じ内容の節電ナビゲーション画面700を生成する。
次に、電力管理装置100は、施設1の使用者として登録されているユーザのユーザ端末装置500を宛先としてレベル2対応の節電要請メールを送信する。このレベル2対応の節電要請メールは、例えば、直近において電力需要量が増えることが予測されるので節電に協力してもらいたい旨を示す文章と、このユーザに対応する節電ナビゲーション画面700のURLへのリンクが示されている。
【0035】
なお、レベル1に対応して保存した初期状態の節電ナビゲーション画面700について、操作結果が反映された内容に更新して節電ナビゲーションサーバ300において同じURLに保存しておくようにしてもよい。この場合、電力管理装置100は、節電ナビゲーション画面700を生成する必要はなく、レベル2対応の節電要請メールを送信するだけでよい。
【0036】
レベル2の節電要請メールを受信し、これをユーザ端末装置500に表示させたユーザは、節電要請メールにおけるURLのリンクをクリックする。これにより、ユーザ端末装置500のブラウザは、クリックされたURLへアクセスすることで、例えば図
5(b)に示す内容の節電ナビゲーション画面700を表示する。ユーザは、この図
5(b)に示される機器リストにおいて「つける」の領域にボタン721が配置されているもののうちから、電源をオフとしてもよいものを選択し、「消す」の領域にボタン721を配置させる操作を行う。この後、ユーザは決定ボタン730に対する操作を行う。これに応じて、ユーザ端末装置500から節電ナビゲーションサーバ300へ機器状態情報が送信され、節電ナビゲーションサーバ300は、受信した機器状態情報をユーザIDと対応付けて記憶する。
そして、電力管理装置100は、上記のように記憶される機器状態情報を節電ナビゲーションサーバ300から取得し、さらに電源がオフに切り替えられる非制御対象機器223により削減される電力を推定する。そして、電力管理装置100は、この推定結果も利用して前述のようにレベル2のデマンド制御のための運転計画を作成する。そして、電力管理装置100は、例えば現時点以降において、この運転計画にしたがったデマンド制御を実行する。
【0037】
このように、本実施形態においては、ユーザに対して節電要請メールを送信する。そして、この節電要請メールにおいてリンクが貼られているURLにアクセスすることにより、ユーザ端末装置500において節電ナビゲーション画面700が表示される。この節電ナビゲーション画面700には、そのユーザが使用するものとして登録された部屋(室)において、例えばそのユーザが操作する権限を有する非制御対象機器223がリストアップされている。そこで、ユーザは、このリストアップされた非制御対象機器223が何であるのかを確認しながら、電源をオフにしてもよい非制御対象機器223を的確に選択することができる。
また、電力管理装置100では、節電ナビゲーション画面700に対する操作結果である機器状態情報が示す非制御対象機器223の稼働状況から、非制御対象機器223の電源をオフに切り替えることにより削減される電力を推定することができる。そして、電力管理装置100は、この推定した電力削減量を利用して制御対象機器222側で削減すべき電力(制御目標電力)を決定し、この制御目標電力に基づいてデマンド制御のための運転計画を作成できる。これにより、本実施形態では、電力管理装置100と通信可能に接続されていない非制御対象機器223も含めた節電を的確に行うことができる。
【0038】
[電力管理装置の構成]
図6は、電力管理装置100の構成例を示している。この図に示す電力管理装置100は、電力需要量予測部110、削減要否判定部120、デマンド制御部130、節電ナビゲーション画面生成部140、電子メール送信部150および記憶部160を備える。
【0039】
電力需要量予測部110は、施設における設備機器の使用に伴って必要とされる電力である電力需要量を予測する。
このために、電力需要量予測部110は、ネットワーク経由で天気予報における予測気温などの必要な情報を取得し、取得した情報を利して電力需要量を予測する。電力需要量予測部110は、翌日における電力需要量と、当日における1日の電力需要量を予測し、当日における現在から一定時間後の電力需要量を予測する。
【0040】
削減要否判定部120は、電力需要量予測部110により予測された電力需要量に基づいて使用電力を削減すべきか否かについて判定する。
また、削減要否判定部120は、当日における電力需要量を実測するとともに、その実測値に基づいて前記使用電力を削減すべきか否かについて判定する。
具体的に、削減要否判定部120は、翌日の予測電力需要量、または当日における1日分の予測電力需要量、または電力需要量の実測値が閾値th以上であるか否かにより、使用電力を削減すべきか否かについて判定する。
【0041】
また、削減要否判定部120は、翌日における電力需要量の予測値が閾値th以上である場合と、当日における1日の電力需要量の予測値が閾値th以上である場合には、レベル1の節電モードを設定する。また、削減要否判定部120は、レベル1の節電モードとしてのデマンド制御が実行されている状態において、さらに当日における電力需要量を測定し、この測定値(実測値)が閾値th以上であるか否かについて判定する。電力需要量の実測値が閾値th以上である場合には、直近において使用電力が契約電力を越える可能性が相当に高くなる。そこで、この場合の削減要否判定部120は、レベル2の節電モードを設定する。
【0042】
デマンド制御部130は、削減要否判定部120により使用電力を削減すべきと判定されるのに応じて、施設1における使用電力が一定以下となるように設備機器(制御対象機器222)の動作を制御するデマンド制御を実行する。
デマンド制御部130は、デマンド制御を行うにあたり、節電ナビゲーション画面700が示す非制御対象機器223の稼働状況を節電ナビゲーションサーバ300から取得する。デマンド制御部130は、この取得した稼働状況に基づいて電源オフに切り替えられる非制御対象機器223により削減可能な電力を推定する。デマンド制御部130は、この推定結果を利用して制御対象機器222により削減すべき電力を算出し、この算出結果を利用して運転計画を作成する。そして、デマンド制御部130は、作成した運転計画にしたがってデマンド制御を実行する。つまり、デマンド制御部130は、通信により制御対象機器222の動作を制御する。
【0043】
節電ナビゲーション画面生成部140は、当日における1日の電力需要量の予測値が閾値th以上とされるのに応じて、レベル1対応の節電ナビゲーション画面700をユーザが使用するものとして登録された部屋(室)別に生成し、節電ナビゲーションサーバ300にて保存させる。
また、節電ナビゲーション画面生成部140は、当日における電力需要量の実測値が閾値th以上とされるのに応じて、前回の操作結果を示すレベル2の節電ナビゲーション画面700をユーザが使用するものとして登録された部屋(室)別に生成し、節電ナビゲーションサーバ300にて保存させる。なお、前述のように、節電ナビゲーションサーバ300において、操作後の内容により節電ナビゲーション画面700を更新して保存している場合、節電ナビゲーション画面生成部140は、レベル2に対応した節電ナビゲーション画面700を生成する必要はない。また、節電ナビゲーション画面生成部140は、節電ナビゲーション画面700を生成するにあたり、記憶部160に記憶される情報を適宜利用する。
【0044】
電子メール送信部150は、節電ナビゲーション画面700が生成されるのに応じて、非制御対象機器の使用者として登録されているユーザのユーザ端末装置500に対して、節電ナビゲーションサーバ300における節電ナビゲーション画面700のアドレス(URL)を示す電子メール(節電要請メール)を送信する。また、電子メール送信部150は、当日における電力需要量の実測値が一定以上であると判定された場合、つまり、レベル2であると認識されたときに、レベル2対応の節電要請メールを送信する。つまり、電子メール送信部150は、前回の操作により設定された非制御対象機器223の状態が示される節電ナビゲーション画面700が保存されるネットワーク上のアドレスを示す電子メールを送信する。また、電子メール送信部150は、節電要請メールを生成するにあたり、記憶部160に記憶される情報を適宜利用する。
【0045】
記憶部160は、節電ナビゲーション画面生成部140が節電ナビゲーション画面700を生成するのに必要な情報と、電子メール送信部150が電子メールを生成するのに必要な情報を記憶する。具体的に、記憶部160は、ユーザデータベース161、機器データベース162、場所データベース163、室管理データベース164、節電パックデータベース165を記憶する。
【0046】
[データベースの内容例]
ユーザデータベース161は、非制御対象機器223の使用者として登録されているユーザごとに関する情報を格納するデータベースである。
図7は、ユーザデータベース161の内容例を示している。この図に示すユーザデータベース161における1つのレコードは、1人のユーザに対応し、ユーザID、氏名コード、氏名、身分役職コード、身分役職名、節電管理レベル、電話番号およびメールアドレスの属性を含む。
ユーザIDの属性は、個々のユーザを一意に識別するための識別子であるユーザIDを格納する。
氏名コードの属性は、氏名に対して与えられた所定のコード番号を格納する。
氏名の属性は、例えばテキストなどにより示される氏名の情報を格納する。
身分役職コードの属性は、身分役職ごとに与えられた所定のコード番号を格納する。
身分役職名は、例えばテキストなどにより示される身分役職名の情報を格納する。
節電管理レベルの属性は、非制御対象機器223を操作するにあたってユーザに設定された権限レベルを格納する。
電話番号の属性は、ユーザの電話番号を格納する。
メールアドレスの属性は、メールアドレスを格納する。
【0047】
機器データベース162は、施設1における非制御対象機器223ごとに関連した情報を格納するデータベースである。
図8は、
機器データベース162の内容例を示している。この図に示す機器データベース162における1つのレコードは、1つの非制御対象機器223に対応し、機器ID、設備ID、品名、メーカ、規格、分類コード、分類名、場所ID、建物コード、建物名、階コード、階名、室コード、室名、場所区分コード、場所区分名、科課名、常時稼働フラグ、レベル1協力フラグ、レベル2協力フラグ、節電管理レベル、定格電力および実電力の属性を含む。
【0048】
機器IDの属性は、非制御対象機器223を一意に識別する識別子である機器IDを格納する。
設備IDの属性は、非制御対象機器223が備えられる設備を一意に識別するための識別子である設備IDを格納する。
品名の属性は、非制御対象機器223の品名を示す情報を格納する。
メーカの属性は、非制御対象機器223のメーカを示す情報を格納する。
規格の属性は、非制御対象機器223が対応する規格を示す情報を格納する。
分類コードの属性は、非制御対象機器223の分類コードを格納する。
分類名の属性は、非制御対象機器223の分類名を示す情報を格納する。
場所IDの属性は、非制御対象機器223を備える場所を一意に識別するための識別子である設備IDを格納する。
建物コードの属性は、非制御対象機器223を備える建物に付与されたコード番号を格納する。
建物名の属性は、非制御対象機器223を備える建物の名称を示す情報を格納する。
階コードの属性は、非制御対象機器223を備える部屋の階を示すコード番号を格納する。
階名の属性は、非制御対象機器223を備える部屋の階を示す情報を格納する。
室コードの属性は、非制御対象機器223を備える部屋に付与されたコード番号を格納する。
室名の属性は、非制御対象機器223を備える部屋の名称を示す情報を格納する。
場所区分コードの属性は、非制御対象機器223を備える場所区分に付与されたコード番号を格納する。
場所区分名の属性は、非制御対象機器223を備える場所区分の名称を示す情報を格納する。
科課名の属性は、非制御対象機器223を使用する科課の名称を示す情報を格納する。
常時稼働フラグの属性は、常時稼働させておくべき機器であるか否かを示す常時稼働フラグを格納する。
レベル1協力フラグの属性は、レベル1の節電モードが設定された際に電源をオフとすべき機器であるか否かを示すフラグを格納する。
レベル2協力フラグの属性は、レベル2の節電モードが設定された際に電源をオフとすべき機器であるか否かを示すフラグを格納する。
節電管理レベルの属性は、非制御対象機器223に設定された節電管理レベルを示す情報を格納する。この節電管理レベルの属性が示すレベル以上の節電管理レベルのユーザが、この非制御対象機器223を操作できる権限を持つ。
定格電力の属性は、非制御対象機器223の定格電力を示す情報を格納する。
実電力の属性は、非制御対象機器223が実際に消費する電力を示す情報を格納する。
【0049】
場所データベース163は、施設1における場所ごとに関する情報を格納するデータベースである。
図9は、場所データベース163の内容例を示している。この図に示す場所データベース163における1つのレコードは、1つの場所に対応し、場所ID、場所コード、場所名、建物コード、建物名、階コード、階名、室コード、室名、場所区分コード、場所区分名および科課名の属性を含む。
場所IDの属性は、その場所を一意に識別するための識別子である場所IDを格納する。
場所コードの属性は、その場所に付与されたコード番号を格納する。
場所名の属性は、その場所の名称を示す情報を格納する。
建物コードの属性は、その場所が該当する建物に付与されたコード番号を格納する。
建物名の属性は、その場所が該当する建物の名称を示す情報を格納する。
階コードの属性は、その場所が該当する階に付与されたコード番号を格納する。
階名の属性は、その場所が該当する階の名称を示す情報を格納する。
室コードの属性は、その場所が該当する部屋に付与されたコード番号を格納する。
室名の属性は、その場所が該当する部屋の名称を示す情報を格納する。
場所区分コードの属性は、その場所を含む区分に付与されたコード番号を格納する。
場所区分名の属性は、その場所を含む区分の名称を示す情報を格納する。
科課名の属性は、その場所が対応する科課の名称を示す情報を格納する。
【0050】
室管理データベース164は、施設1における部屋ごとに関する情報を格納するデータベースである。
図10は、室管理データベース164の内容例を示している。室管理データベース164における1つのレコードは、1つの室管理情報に対応し、室管理ID、場所ID、場所名およびユーザリストの属性を含む。
室管理IDの属性は、室管理情報ごとに付された識別子である室管理IDを格納する。
場所IDの属性は、その部屋が該当する場所を一意に識別する場所IDを格納する。
場所名の属性は、その部屋が該当する場所名を示す情報を格納する。
ユーザリストの属性は、その部屋を使用する1以上のユーザのユーザIDのリストを格納する。
【0051】
節電パックデータベース165は、削減すべき電力に応じて電源オフなどのための手動操作が行われるべき非制御対象機器223を示す情報を格納するデータベースである。
図11は、節電パックデータベース165の内容例を示している。1つのレコードは、1つの節電パック情報に対応する。節電パック情報は、或る1つの削減電力に対応して手動操作が行われるべき非制御対象機器223を示す情報である。節電パックデータベース165における1つのレコードは、節電パックID、節電レベル、操作対象機器リスト、実質削減電力の属性を含む。
節電パックIDの属性は、節電パック情報ごとに付与された識別子である節電パックIDを格納する。
節電レベルの属性は、非制御対象機器223に対するユーザの手動操作により削減しようとする電力の目標値を格納する。
操作対象機器リストの属性は、節電レベルに対応して例えば電源をオフとするなどの手動操作の対象となる非制御対象機器223の機器IDのリストを格納する。
実質削減電力は、この節電パックの情報を利用して非制御対象機器223に対する手動操作による節電を行った場合に削減された実電力を格納する。
【0052】
なお、この節電パックデータベース165の内容は、予めの計算などにより構築することができる。あるいは、節電パックデータベース165の内容は、例えばこれまでにおけるこの節電パックの情報を利用して行われた節電の実績に基づいて逐次更新されるようにしてもよい。
【0053】
[処理手順例]
図12のフローチャートは、電力管理装置100が実行する処理手順例を示している。まず、電力需要量予測部110は、前述のように、例えばネットワーク経由で取得した翌日の天気予報の情報を利用して、施設1における翌日の電力需要量を予測する(ステップS101)。
【0054】
削減要否判定部120は、ステップS101により予測された翌日の電力需要量に基づき、使用電力を削減すべきか否かについて判定する(ステップS102)。つまり、この場合の削減要否判定部120は、翌日の予測電力需要量が閾値th以上であれば使用電力を削減すべきであると判定し、これに伴ってレベル1の節電モードを設定する。一方、閾値th未満であれば、削減要否判定部120は、使用電力を削減する必要はないと判定する。
【0055】
使用電力を削減すべきと判定され、これに応じてレベル1の節電モードが設定された場合(ステップS102−YES)、電子メール送信部150は、レベル1対応の第1次節電要請メールをユーザごとに生成する。そして、電子メール送信部150は、生成したレベル1対応の第1次節電要請メールをメールサーバ400経由で各ユーザのユーザ端末装置500に送信する(ステップS103)。また、閾値th未満であると判定された場合(ステップS102−NO)、電子メール送信部150は、後述のステップS111に進む。
【0056】
また、削減要否判定部120は、ステップS101による予測を行った後の所定時間後において、さらに最新の天気予報の情報を取得し、この天気予報の情報を利用して当日における1日の電力需要量を予測する(ステップS104)。削減要否判定部120は、ステップS104により予測された電力需要量に基づき使用電力を削減すべきか否かについて判定する(ステップS105)。この際、削減要否判定部120は、この予測電力需要量が閾値th以上であるか否かにより、使用電力を削減すべきか否かを判定する。
【0057】
使用電力を削減する必要はないと判定された場合(ステップS105−NO)、電子メール送信部150は、先日においてメール送信により通知した本日の節電要請を解除する旨を通知するための節電要請解除メールを各ユーザに送信し(ステップS115)、ステップS111に進む。なお、この場合において、先にステップS103によりレベル1対応の第1次節電要請メールを送信している場合、例えば電子メール送信部150は、節電要請が解除された旨を通知する電子メールをユーザ端末装置500に送信するようにしてもよい。
一方、使用電力を削減すべきであると判定された場合(ステップS105−YES)、節電ナビゲーション画面生成部140は、以下の処理を実行する。つまり、節電ナビゲーション画面生成部140は、レベル1に対応する節電ナビゲーション画面700をユーザごとに生成し、アドレス(URL)とともに管理されるように節電ナビゲーションサーバ300に保存する(ステップS106)。
【0058】
また、節電ナビゲーション画面700が生成されるのに応じて、電子メール送信部150は、
図4(a)に例示した内容のレベル1対応の第2次節電要請メールをユーザごとに生成し、各ユーザのユーザ端末装置500に送信する(ステップS107)。
【0059】
図5にて説明したように、ユーザ端末装置500によりレベル1対応の第2次節電要請メールが受信されると、ユーザは、節電ナビゲーションサーバ300における自分用の節電ナビゲーション画面700にアクセスする。そして、ユーザは、節電ナビゲーション画面に対する操作をユーザ端末装置500から行って、リストアップされた非制御対象機器223ごとに電源オンオフ状態を入力する操作を行う。そして、この操作結果が、機器状態情報としてユーザ端末装置500から節電ナビゲーションサーバ300に対して送信される。
【0060】
デマンド制御部130は、節電ナビゲーションサーバ300から転送された機器状態情報を受信する(ステップS108)。
次に、デマンド制御部130は、レベル1に対応する運転計画を作成する(ステップS109)。このために、例えばデマンド制御部130は、手動操作により電源がオフに切り替えられる非制御対象機器223により削減される電力を、受信した機器状態情報を利用して推定する。また、デマンド制御部130は、この推定した電力を利用して、前述したように運転計画を作成する。
【0061】
そして、デマンド制御部130は、上記のように作成した運転計画にしたがって、当日におけるデマンド制御を実行する(ステップS110)。
また、削減要否判定部120は、施設1内の状態監視を実行しながら、当日における電力需要量を実測する(ステップS111)。なお、施設1における電力需要量の実測値は、例えば建物200ごとにおける配電部210から通知される使用電力を合算することにより求めることができる。
【0062】
削減要否判定部120は、ステップS111により実測した電力需要量の測定値(実測値)に基づき、使用電力を削減すべきか否かについて判定する(ステップS112)。なお、この際において、削減要否判定部120は、電力需要量の実測値が閾値th以上であるか否かにより、使用電力を削減すべきか否かを判定する。
【0063】
ここで、使用電力を削減する必要がないと判定された場合には(ステップS112−NO)、ステップS111に戻ることで、電力需要量の実測と、この電力需要量が閾値th以上であるか否かに基づく使用電力の削減要否判定(ステップS112)が繰り返される。
【0064】
一方、閾値th以上であると判定した場合(ステップS112−YES)、削減要否判定部120は、レベル2の節電モードを設定する。
これに応じて、節電ナビゲーション画面生成部140は、レベル2に対応する節電ナビゲーション画面700を生成し、節電ナビゲーションサーバ300に保存する(ステップS113)。また、電子メール送信部150は、レベル2対応の節電要請メールを生成し、各ユーザ端末装置500に対して送信する(ステップS114)。なお、前述もしたように、節電ナビゲーションサーバ300において前回の節電ナビゲーション画面700に対する操作結果を保存するようにした場合、ステップS113は省略できる。
【0065】
図13は、
図12のステップS106とステップS107としての節電ナビゲーション画面の生成と、節電要請メールの生成、送信のための処理手順例を示している。
まず、節電ナビゲーション画面生成部140は、レベル1の節電モードの設定に応じて、非制御対象機器223の電源をオフとすることにより削減すべき電力の目標値(節電レベル)を決定する(ステップS201)。この際、節電ナビゲーション画面生成部140は、例えば予測された電力需要量と、制御対象機器222に対するデマンド制御により削減される電力などに基づいて節電レベルを決定する。
【0066】
節電ナビゲーション画面生成部140は、記憶部160に記憶される節電パックデータベース165から、決定した節電レベルを属性として格納するレコードを検索し、このレコードの操作対象機器リストに格納される非制御対象機器223の機器IDを抽出する(ステップS202)。
【0067】
次に、節電ナビゲーション画面生成部140は、記憶部160に記憶される機器データベース162から、ステップS202により抽出した機器IDを属性として格納するレコードを検索する。そして、検索したレコードから、設備IDと節電管理レベルを抽出する(ステップS203)。
【0068】
次に、節電ナビゲーション画面生成部140は、記憶部160に記憶されている室管理データベース164から、例えばステップS203により抽出した場所IDを格納するレコードを検索し、このレコードのユーザリストに含まれるユーザ識別子を抽出する(ステップS204)。
【0069】
ここまでのデータベースの検索により、節電ナビゲーション画面生成部140は、個々のユーザが操作対象とする非制御対象機器223を、その設置した場所、建物、部屋などと対応付けて特定する。この結果に基づき、節電ナビゲーション画面生成部140は、ユーザが使用するものとして登録された部屋(室)ごとに操作対象の非制御対象機器223のリストを作成する(ステップS205)。そして、節電ナビゲーション画面生成部140は、この機器リストを反映させた節電ナビゲーション画面700をユーザが使用するものとして登録された部屋(室)別に生成し、URLを指定して節電ナビゲーションサーバ300に保存する(ステップS206)。
【0070】
また、電子メール送信部150は、ユーザデータベース161から作成された節電ナビゲーション画面700ごとに対応するユーザIDを含むレコードを検索する。そして、この検索したレコードから、ユーザごとのメールアドレスと氏名を抽出する(ステップS207)。次に、電子メール送信部150は、抽出したメールアドレスが宛先で、本文において例えば定型文とともに抽出した氏名を挿入した節電要請メールを生成し、これらの生成した節電要請メールを送信する(ステップS208)。
【0071】
図14のシーケンス図は、節電ナビゲーション画面生成部140による節電ナビゲーション画面700の生成および節電ナビゲーションサーバ300への保存と、電子メール送信部150による節電要請メールの送信に応じて、電力管理システムにおいて実行される手順例を示している。
【0072】
電力管理装置100において節電ナビゲーション画面生成部140が節電ナビゲーション画面700を生成して節電ナビゲーションサーバ300に保存し(ステップS301)、電子メール送信部150が節電要請メールを送信する(ステップS302)。
【0073】
メールサーバ400は、電力管理装置100から受信した節電要請メールをユーザ端末装置500に転送する(ステップS303)。
【0074】
節電要請メールを受信したユーザ端末装置500のウェブブラウザは、その節電要請メールにリンクとして貼られているURLが示す節電ナビゲーション画面700にアクセスする(ステップS304)。これにより、ユーザ端末装置500のウェブブラウザは、アクセスされた節電ナビゲーション画面700を表示する。ユーザは、
図5にて説明したように、表示された節電ナビゲーション画面700に対する操作を行う。この操作の完了に応じて、ユーザ端末装置500のウェブブラウザは、節電ナビゲーションサーバ300に対して、その操作結果を示す機器状態情報を送信する。(ステップS305)
【0075】
節電ナビゲーションサーバ300は受信した機器状態情報を電力管理装置100に転送する(ステップS306)。電力管理装置100は、転送された機器状態情報を利用して、例えば前述のようにデマンド制御のための運転計画を作成する。
【0076】
なお、本実施形態の電力管理システムは、大学などの施設での使用が有効である。大学などでは、例えば実験機器などをはじめ、電力管理装置100と通信により接続されない非制御対象機器223が多く存在する。もちろん、大学以外の多様な施設、建物でも本実施形態の電力システムは有用である。
【0077】
また、
図6における各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより電力管理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0078】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0079】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。