特許第5850443号(P5850443)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5850443クロスフロー濾過を用いて原油を処理するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5850443
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】クロスフロー濾過を用いて原油を処理するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   C10G 33/06 20060101AFI20160114BHJP
   C10G 31/08 20060101ALI20160114BHJP
   C10G 31/09 20060101ALI20160114BHJP
   C10G 53/02 20060101ALI20160114BHJP
   B01D 17/00 20060101ALI20160114BHJP
   B01D 17/022 20060101ALI20160114BHJP
   B01D 17/05 20060101ALI20160114BHJP
   B01D 35/02 20060101ALI20160114BHJP
【FI】
   C10G33/06
   C10G31/08
   C10G31/09
   C10G53/02
   B01D17/00 503B
   B01D17/022 501
   B01D17/05 501G
   B01D17/05 501K
   B01D35/02 E
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2014-92994(P2014-92994)
(22)【出願日】2014年4月28日
(65)【公開番号】特開2014-218663(P2014-218663A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2014年4月28日
(31)【優先権主張番号】13/873,913
(32)【優先日】2013年4月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ハリス ワインズ
【審査官】 ▲来▼田 優来
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−151298(JP,A)
【文献】 国際公開第1994/016033(WO,A1)
【文献】 特開昭52−112608(JP,A)
【文献】 特開昭59−074185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10G,B01D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)原油に水を加え、油分及びブライン並びにエマルジョンを含むラグ層を生成するステップであって、前記エマルジョンが、ブライン及び油分並びに固形物を含む、ステップと、
(ii)ブラインから油分を分離するステップであって、前記ラグ層を含むブラインを生成するサブステップを含む、ステップと、
(iii)前記(ii)のラグ層を、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離するステップであって、前記より細かい固形物が40ミクロン未満のサイズを有し且つ前記より大きい固形物が40ミクロン以上のサイズを有する、ステップと、
(iv)前記炭化水素エマルジョン及び前記より細かい固形物を、クロスフローフィルタに通し、ブライン及び固形物を含むリテンテート、及び炭化水素を含む透過物を生成するステップと
を含む、原油を処理する方法。
【請求項2】
前記ラグ層を含む前記ブラインからブラインを分離するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤及び凝集剤のうちの1つ又は複数を前記ラグ層に加えるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
油を脱塩装置に通すステップであって、ラグ層を含むブラインから油分を分離するサブステップ、前記ラグ層を含むブラインを前記脱塩装置から第1のポートを通して除去するサブステップ、及び前記油分を第2のポートを通して除去するサブステップを含む、ステップと、
前記ラグ層を含む前記ブラインを分離器に通すステップであって、前記ラグ層を、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離するサブステップを含み、前記より大きい固形物を含むブラインを前記分離器から第3のポートを通して除去するサブステップ、及び前記炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、前記分離器から第4のポートを通して除去するサブステップを含み、前記より細かい固形物が40ミクロン未満のサイズを有し且つ前記より大きい固形物が40ミクロン以上のサイズを有する、ステップと、
前記炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、クロスフローフィルタを使用して濾過し、ブライン及び固形物を含むリテンテート、及び炭化水素を含む透過物を生成するステップであって、前記リテンテートを前記クロスフローフィルタから第5のポートを通して除去するサブステップ、及び前記透過物を前記クロスフローフィルタから第6のポートを通して除去するサブステップを含む、ステップと
を含む、原油を処理する方法。
【請求項5】
追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤及び凝集剤のうちの1つ又は複数を前記ラグ層に加えるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ラグ層と、前記追加的な炭化水素、前記解乳化剤、前記リバース解乳化剤、前記凝固剤及び前記凝集剤のうちの前記1つ又は複数とを混合器において混合するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記リテンテートを前記クロスフローフィルタへ再循環させるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記炭化水素エマルジョン及び前記より細かい固形物を、前記分離器からワーキングタンクに導入するステップと、前記炭化水素エマルジョンを前記クロスフローフィルタへ前記ワーキングタンクを経て再循環させるステップとをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
脱塩装置と、
分離器と、
ハウジングと
を備える、原油を処理するためのシステムであって、
前記脱塩装置が、ラグ層を含むブラインから油分を分離するものであり、
原油及び/又は水を前記脱塩装置に導入する少なくとも1つのポートと、
前記油分を前記脱塩装置から導出する少なくとも1つのポートと、
前記ラグ層を含む前記ブラインを前記脱塩装置から導出する少なくとも1つのポートと
を有し、
前記分離器が、前記ラグ層を、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離するものであり、
前記ラグ層を前記分離器に導入する少なくとも1つのポートと、
前記炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を前記分離器から導出する少なくとも1つのポートと、
前記ブライン及びより大きい固形物を前記分離器から導出する少なくとも1つのポートと
を有し、
前記ハウジングが、前記炭化水素エマルジョンを、炭化水素を含む透過物と、ブライン及び固形物を含むリテンテートとに分離するクロスフローフィルタを含み、
前記炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を前記ハウジングに導入する少なくとも1つのポートと、
透過物を前記ハウジングから導出する少なくとも1つのポートと、
リテンテートを前記ハウジングから導出する少なくとも1つのポートと
を有し、前記より細かい固形物が40ミクロン未満のサイズを有し且つ前記より大きい固形物が40ミクロン以上のサイズを有する、システム。
【請求項10】
前記ラグ層を含む前記ブラインからブラインを分離するバルク分離器と、前記ラグ層を前記脱塩装置から前記バルク分離器へ導く少なくとも1つのポートと、ブラインを前記バルク分離器から導出する少なくとも1つのポートとをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数を、前記ラグ層に導入する少なくとも1つのポートをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記追加的な炭化水素、前記解乳化剤、前記リバース解乳化剤、前記凝固剤、及び前記凝集剤のうちの前記1つ又は複数を、前記ラグ層に混合する混合器をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
ワーキングタンクと、前記炭化水素エマルジョンを前記ワーキングタンクへ導く少なくとも1つのポートと、前記炭化水素エマルジョンを前記ワーキングタンクから前記ハウジングへ導く少なくとも1つのポートと、リテンテートを前記ハウジングから前記ワーキングタンクへ導く少なくとも1つのポートとをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
[0001]いくつかの原油精製プロセスを行う間に、「ラグ層(rag layer)」又は「スロップ(slop)」としても知られているエマルジョンが形成されることがある。このラグ層は、いくつかの物質(例えば、油分及び/若しくは他の炭化水素、ブライン、アスファルテン、並びに/又は固形物)のうちの任意の1つ又は複数を含むことが可能である。固形物は、金属又は砂粒(grit)の小さい固体粒子、及びコロイド粒子を含む場合があり、ラグ層は、精製システムの中の詰まり及び腐食を引き起こす可能性があり、それは、精製システムの効率及び容量を不利に低減させる可能性がある。
【0002】
[0002]したがって、原油を処理するための改善された方法及びシステムが求められている。
【発明の概要】
【0003】
[0003]本発明の実施形態は、原油に水を加え、油分及びブライン並びにエマルジョンを含むラグ層を生成するステップであって、エマルジョンは、ブライン及び油分並びに固形物を含む、ステップと、ブラインから油分を分離するステップであって、ラグ層を含むブラインを生成するサブステップを含む、ステップと、ラグ層を、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離するステップと、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、クロスフローフィルタに通し、ブライン及び固形物を含むリテンテート、及び炭化水素を含む透過物を生成するステップとを含む、原油を処理する方法を提供する。
【0004】
[0004]本発明の別の実施形態は、原油及び水を脱塩装置に通すステップであって、ラグ層を含むブラインから油分を分離するサブステップ、ラグ層を含むブラインを脱塩装置から第1のポートを通して除去するサブステップ、及び油分を第2のポートを通して除去するサブステップを含む、ステップと、ラグ層を含むブラインを分離器に通すステップであって、ラグ層を、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離するサブステップを含み、より大きい固形物を含むブラインを分離器から第3のポートを通して除去するサブステップ、及び炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、分離器から第4のポートを通して除去するサブステップを含む、ステップと、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、クロスフローフィルタを使用して濾過し、ブライン及び固形物を含むリテンテート、及び炭化水素を含む透過物を生成するステップであって、リテンテートをクロスフローフィルタから第5のポートを通して除去するサブステップ、及び透過物をクロスフローフィルタから第6のポートを通して除去するサブステップを含む、ステップとを含む、原油を処理する方法を提供する。
【0005】
[0005]本発明のさらなる別の実施形態は、ラグ層を含むブラインから油分を分離する脱塩装置と、油分を脱塩装置から導出する少なくとも1つのポートと、ラグ層を含むブラインを脱塩装置から導出する少なくとも1つのポートと、ラグ層を、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離する分離器と、ラグ層を分離器に導入する少なくとも1つのポートと、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を分離器から導出する少なくとも1つのポートと、ブライン及びより大きい固形物を分離器から導出する少なくとも1つのポートと、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、炭化水素を含む透過物と、ブライン及び固形物を含むリテンテートとに分離するクロスフローフィルタを含むハウジングと、透過物をハウジングから導出する少なくとも1つのポートと、リテンテートをハウジングから導出する少なくとも1つのポートと、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物をハウジングに導入する少なくとも1つのポートとを備える、原油を処理するためのシステムを提供する。
【0006】
[0006]本発明の方法及びシステムは、多くの利点を提供する。例えば、本発明の方法及びシステムは、そうでなければ精製システムの構成要素を損傷させることになる固形物を除去することによって、油精製システムの中の詰まり及び/又は腐食を低減させるか、又は、排除するということが有利である。さらに、本発明の方法及びシステムは、ラグ層が、効果的に及び効率的に処理されることを可能にし、ラグ層が処理されない場合、普通なら失われることになる炭化水素(油分を含む)の多くを回収する。したがって、本発明の方法及びシステムは、油精製プロセスの信頼性、効率、及び容量を増加させることが可能であることが有利である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】原油を処理するためのシステムの一実施形態の代表的な概略図(正確な縮尺ではない)である。
図2】原油を処理するためのシステムの別の実施形態の代表的な概略図(正確な縮尺ではない)である。
図3】原油を処理するためのシステムのさらなる別の実施形態の代表的な概略図(正確な縮尺ではない)である。
図4】原油を処理するためのシステムのさらなる別の実施形態の代表的な概略図(正確な縮尺ではない)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0011]クロスフロー濾過を使用して原油を処理するための方法及びシステムは、多種多様な方式のうちのいずれかで構成することができる。原油を処理するためのシステムの多くの異なる例のうちの1つが、図1に示されている。システムは、例えば、脱塩装置と、バルク分離器と、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース(reverse)解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数をラグ層に導入する少なくとも1つの入口ポートと、混合器と、分離器と、ワーキングタンクと、クロスフローフィルタとを備えるものとすることができる。
【0009】
[0012]システムの構成要素は、様々に構成することができる。例えば、脱塩装置は、様々な異なる方式のうちのいずれかで構成することができる。脱塩装置は、任意の形態をとることもでき、且つ、例えば、タンク又はレセプタクルの形状を含む、任意の形状を有することもできる。脱塩装置は、原油及び水を組み合わせ、油分、ブライン、及びラグ層を生成させることによって、金属及び/又は塩類、並びに他の溶解物を、原油から除去するようにしてもよい。原油及び水は、脱塩装置へ別々に供給することが可能であり、又は、原油及び水は、脱塩装置の上流で一緒に混合することが可能であり、且つ、混合物は、脱塩装置へ供給することが可能である。また、脱塩装置は、コアレッサ(例えば、静電コアレッサ)及び分離器として機能することが可能である。脱塩装置の中で、原油及びブラインは、互いから分離することが可能であり、ブライン、油分、及び固形物、並びにアスファルテンなどのような他の物質を含む、エマルジョンを含むラグ層は、例えば、ブラインの上部に、及び/又は、油分とブラインとの間の境界面において、形成することが可能である。また、ラグ層は、液滴又は塊として、例えば、ブラインの中に随伴され得る。
【0010】
[0013]また、脱塩装置は、少なくとも1つのポートを含むことが可能である。多くの実施形態では、脱塩装置は、2つ以上のポートを含むことが可能である。例えば、図1に示されているように、脱塩装置は、3つのポート3a、3b、及び3cを含むことが可能である。任意のポートは、脱塩装置の上部、底部、又は側部を含む、脱塩装置のどこかに配置することが可能である。2つ以上のポートを、脱塩装置の同じ側部に配置するか、又は、脱塩装置の異なる側部に配置することが可能である。例えば、図1に示されているように、ポート3aを脱塩装置2の上部に配置することが可能であり、ポート3bを脱塩装置2の上部に配置することが可能であり、ポート3cを脱塩装置2の底部に配置することが可能である。
【0011】
[0014]ポートは、原油(又は、原油及び水の混合物)を脱塩装置に導入する少なくとも1つの入口ポートを含むことが可能である。原油(又は、原油及び水の混合物)を脱塩装置に導く入口ポートを、脱塩装置のどこかに配置することが可能である。例えば、図1に示されているように、原油(又は、原油及び水の混合物)を脱塩装置に導入する入口ポート3aを、脱塩装置の上部に配置することが可能である。原油(又は、原油及び水の混合物)をハウジングに導入する入口ポートは、脱塩装置の内部と外部原油供給源(図示せず)の内部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、脱塩装置2は、外部原油供給源と脱塩装置2の内部との間を流体連通させている少なくとも1つの入口ポート3aを含むことが可能である。原油(又は、原油及び水の混合物)は、入口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印4によって示されているように、外部供給源から脱塩装置に進入することが可能である。
【0012】
[0015]いくつかの実施形態では、システムは、原油を脱塩装置に導入する導管をさらに備えることが可能である。原油を脱塩装置に導入する導管は、脱塩装置の内部と外部原油供給源の内部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、システム1は、原油を脱塩装置2に導入する少なくとも1つの導管7を含むことが可能であり、脱塩装置2は、外部原油供給源と脱塩装置の内部との間を、入口ポート3aを通して流体連通させている。図1は、脱塩装置の上部に位置付けされている入口ポート3aに流体連通する導管を示しているが、導管は、脱塩装置の上部、底部、又は側部を含む、脱塩装置のどこかに位置付けされている入口ポートに流体連通することが可能である。原油は、原油を脱塩装置に導入する導管を通過し、且つ、例えば、矢印4によって示されているように、外部供給源から脱塩装置に進入することが可能である。
【0013】
[0016]いくつかの実施形態では、システムは、水を脱塩装置に導入するための1つ又は複数の水入口ポートを備えることが可能である。例えば、図1に示されているように、システムは、1つの水入口ポート8を含むことが可能である。図1は、1つの水入口ポート8を示しているが、システムは、水を脱塩装置に導入する任意の数のポートを備えることが可能である。水入口ポートは、例えば、脱塩装置の上に、又は、原油を脱塩装置に導入する導管の上になど、システムのどこかに配置することが可能である。水入口ポートは、原油脱塩装置に導入する導管の内部、又は、脱塩装置の内部と、外部水供給源(図示せず)との間を流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、システム1は、少なくとも1つの水入口ポート8を含むことが可能であり、少なくとも1つの水入口ポート8は、外部水供給源と、原油を脱塩装置2に導入する導管7の内部との間を流体連通させている。水は、水入口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印9によって示されているように、外部供給源から、原油を脱塩装置に導入する導管に進入することが可能である。図1は、原油を脱塩装置に導入する導管7に位置付けされている水入口ポート8を示しているが、水入口ポートは、追加的に又は代替的に、脱塩装置自身のどこかに配置することが可能である。したがって、水は、脱塩装置の上に位置付けされている水入口ポートを通過し、外部供給源から脱塩装置に直接的に進入することが可能である。
【0014】
[0017]例えば、解乳化剤及び/又は腐食防止剤を含む、様々な他の化学物質を、例えば、追加的な入口ポート、又は、共通の入口ポートを通して、脱塩装置へ供給することが可能である。さらに、加熱器(図示せず)は、脱塩装置、又は、原油及び水の供給源に関連付けられ、脱塩装置に供給される原油及び水を加熱することが可能である。加熱器は、例えば、熱交換器又は蒸気インジェクターとして、様々に構成することが可能である。
【0015】
[0018]脱塩装置のポートは、脱塩された油分を脱塩装置から導出する少なくとも1つの出口ポートを含むことが可能である。脱塩された油分を脱塩装置から導出する出口ポートは、脱塩装置の中の脱塩された油分に流体連通して、脱塩装置のどこかに配置することが可能である。例えば、図1に示されているように、脱塩された油分を脱塩装置から導出する出口ポート3bは、脱塩装置の上部に配置することが可能である。脱塩された油分を脱塩装置から導出する出口ポートは、脱塩装置の内部と脱塩装置の外部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、脱塩装置2は、少なくとも1つの出口ポート3bを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート3bは、脱塩装置2の内部と脱塩装置の外部とを流体連通させている。例えば、脱塩された油分を含む流体は、出口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印5によって示されているように、脱塩装置を出ていくことが可能である。
【0016】
[0019]出口ポートは、ラグ層を含むブラインを脱塩装置から導出する少なくとも1つの出口ポートを含むことが可能である。脱塩装置から方向付けされるラグ層を含むブラインは、大部分がブラインでラグ層がその一部であるものから、大部分がラグ層でブラインがその一部であるものまで、様々な量のブライン及びラグ層を含むことが可能である。ラグ層を含むブラインを脱塩装置から導出する出口ポートは、脱塩装置の中のブライン及び/又はラグ層に流体連通して、脱塩装置のどこかに配置することが可能である。例えば、図1に示されているように、ラグ層を含むブラインを脱塩装置から導出する出口ポート3cは、脱塩装置2の底部に配置することが可能である。ラグ層を含むブラインを脱塩装置から導出する出口ポートは、脱塩装置の内部とバルク分離器の内部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、脱塩装置2は、少なくとも1つの出口ポート3cを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート3cは、脱塩装置2の内部と、バルク分離器12の内部との間を流体連通させている。例えば、ラグ層を含むブラインを含む流体は、出口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印6によって示されているように、脱塩装置を出ていくことが可能である。図1は、脱塩装置の底部に位置付けされている出口ポート3cを示しているが、出口ポートは、追加的に又は代替的に、脱塩装置の側部に配置することが可能である。したがって、ラグ層を含むブラインは、脱塩装置の側部に位置付けされている出口ポートを通過し、脱塩装置を出ていくことが可能である。
【0017】
[0020]いくつかの実施形態では、システムは、バルク分離器をさらに備えることが可能であり、バルク分離器は、脱塩装置から排出されるラグ層を含むブラインから、ブラインの多くを分離する。バルク分離器は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、構成することが可能である。バルク分離器は、任意の形態をとることが可能であり、且つ、例えば、タンク又はレセプタクルの形状を含む、任意の形状を有することが可能である。バルク分離器は、例えば、沈降タンク、重力分離器、又はプレート分離器、例えば、コアレッシングプレートインターセプタ(CPI)分離器であることが可能である。本発明システムの中で使用するために適切な例示的なバルク分離器は、Port Washington、NY、USAのPall CorporationからLUCIDの登録商標で市販されているプレート分離器を含むことが可能である。
【0018】
[0021]バルク分離器は、システムの中の様々な場所に配置することが可能である。バルク分離器は、例えば、脱塩装置の下流のどこかに、及びクロスフローフィルタの上流のどこかに、並びに/又は、脱塩装置の下流のどこかに、及び分離器の上流のどこかに配置することが可能である。図1に示されているように、バルク分離器12は、脱塩装置2の下流に、分離器25の上流に、及びクロスフローフィルタ31の上流に配置することが好ましい。
【0019】
[0022]また、バルク分離器は、少なくとも1つのポートを含むことが可能である。多くの実施形態では、バルク分離器は、3つ以上のポートを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、バルク分離器は、3つのポートを含む。例えば、図1に示されているように、バルク分離器は、3つのポート13a、13b、及び13cを含むことが可能である。任意のポートは、バルク分離器の上部、底部、又は側部を含む、バルク分離器のどこかに配置することが可能である。2つ以上のポートは、バルク分離器の同じ側部に配置するか、又は、バルク分離器の異なる側部に配置することが可能である。例えば、図1に示されているように、ポート13aをバルク分離器12の側部に配置することが可能であり、ポート13bをバルク分離器12の底部に配置することが可能であり、且つポート13cをバルク分離器12の上部に配置することが可能である。
【0020】
[0023]ポートは、ラグ層を含むブラインをバルク分離器に導入する、少なくとも1つの入口ポートを含むことが可能である。入口ポートは、ラグ層を含むブラインのために、直接的に、又は、1つ又は複数のシステム構成要素を通して間接的にのいずれかで、脱塩装置出口ポートに流体連通することが可能である。ラグ層を含むブラインをバルク分離器に導入する入口ポートは、バルク分離器の内部と脱塩装置の内部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、バルク分離器12は、少なくとも1つの入口ポート13aを含むことが可能であり、少なくとも1つの入口ポート13aは、脱塩装置2の内部とバルク分離器12の内部とを流体連通させている。ラグ層を含むブラインは、入口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印6によって示されているように、脱塩装置からバルク分離器に進入することが可能である。
【0021】
[0024]ポートは、ブライン(例えば、概ね又は実質的にラグ層のないブライン)をバルク分離器から導出する、少なくとも1つの出口ポートを含むことが可能である。ブラインをバルク分離器から導出する出口ポートは、バルク分離器の内部とバルク分離器の外部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、バルク分離器12は、少なくとも1つの出口ポート13bを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート13bは、ラグ層の下方のブラインに流体連通し、且つ、バルク分離器12の内部とバルク分離器の外部との間を流体連通させることが可能である。ラグ層のないブラインは、出口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印14によって示されているように、バルク分離器を出ていくことが可能である。
【0022】
[0025]ポートは、ラグ層を含むブラインをバルク分離器から導出する、少なくとも1つの出口ポートを含むことが可能である。出口ポートは、バルク分離器の中のラグ層を含むブラインに流体連通することが可能である。また、出口ポートは、バルク分離器の内部と混合器の内部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、バルク分離器12は、少なくとも1つの出口ポート13cを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート13cは、バルク分離器12の内部と混合器20の内部との間を流体連通させることが可能である。ラグ層を含むブラインは、出口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印15によって示されているように、バルク分離器を出ていくことが可能である。
【0023】
[0026]システムは、ラグ層を含むブラインをバルク分離器から混合器へ導く導管をさらに備えることが可能である。ラグ層を含むブラインをバルク分離器から混合器へ導く導管は、バルク分離器の内部と混合器の内部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、システム1は、少なくとも1つの導管13を含むことが可能であり、少なくとも1つの導管13は、出口ポート13c及び入口ポート21aを通して、バルク分離器12の内部と混合器20の内部との間を、流体連通させることが可能である。図1は、バルク分離器の上部に位置付けされている出口ポート13cと流体連通する導管を示しているが、導管は、バルク分離器の上部、底部、又は側部を含む、バルク分離器のどこかに位置付けされている入口ポートに流体連通することが可能である。ラグ層を含むブラインは、バルク分離器を出ていき、導管を通過し、且つ、例えば、矢印15によって示されているように、混合器に進入することが可能である。
【0024】
[0027]ラグ層の組成は、例えば、脱塩装置に供給される原油の性質に応じて、変化することが可能である。例えば、あるラグ層は、油中水型エマルジョンを含むことが可能であり、一方、他のラグ層は、水中油型エマルジョンを含むことが可能である。さらに、あるラグ層は、アスファルテンなどのような安定化剤によって、化学的に安定化することが可能であり、あるラグ層は、エマルジョンの中の様々な固形物によって、微粒子安定化することが可能であり、エマルジョンの中に、アスファルテンをほとんど含まないか、又は、まったく含まないことが可能である。ラグ層の多くの例のうちの1つは、約30重量%〜約40重量%の油分などのような炭化水素、約30重量%〜約40重量%のブライン、約5重量%〜約10重量%の固形物、及び最大で約10重量%のアスファルテンを含むことが可能である。様々な量のこれらの物質は、ラグ層の中で、互いに結び付けられ得る。
【0025】
[0028]これらのラグ層のうちの一部がより効果的に濾過されることを可能にするために、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数をラグ層に加えることが可能である。追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び/又は凝集剤のうちの1つ又は複数をラグ層に加えることは、ラグ層の不安定化、並びに少なくとも部分的な、及びさらに実質的な、ラグ層の崩壊及び分解、並びに/又は、ラグ層の中の物質の崩壊及び分解を促進させることが可能であり、ラグ層の中で結び付けられている油分及び他の炭化水素の除去及び回収を容易にする。例えば、追加的な炭化水素は、アスファルテンなどのような安定化剤をラグ層の中に溶解させることが可能である。また、追加的な炭化水素は、ラグ層の粘度を低減させ、及び/又は、ラグ層の連続相として、油分又は他の炭化水素を確立させることが可能である。解乳化剤は、水中油型エマルジョンを分解するのを助けることが可能であり、一方、リバース解乳化剤は、油中水型エマルジョンを分解することが可能である。凝固剤及び凝集剤は、ラグ層の中の分散した粒子を集合及び凝集させ、ラグ層から沈降するより大きい集合体を形成させることが可能である。
【0026】
[0029]結果的に、いくつかの実施形態では、システムは、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数をラグ層に導入する、少なくとも1つのポートをさらに備えることが可能である。この点において、システムは、別々のポートを含むか、又は、図1に示されているように、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び/又は凝集剤を、ラグ層を含むブラインに導入するための共通のポート16を含むことが可能である。
【0027】
[0030]追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数を、ラグ層を含むブラインに導入する任意のポートを、システムの中の様々な場所に配置することが可能である。いくつかの実施形態では、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数を、ラグ層を含むブラインに導入する少なくとも1つのポートは、脱塩装置の下流のどこかに、及びクロスフローフィルタを含むハウジングの上流のどこかに、配置することが可能である。例えば、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数を、ラグ層を含むブラインに導入する少なくとも1つのポートは、脱塩装置の下流、及びバルク分離器の上流のどこかに、分離器の下流のどこか、及び混合器の上流のどこかに、バルク分離器の下流のどこか、及び分離器の上流のどこかに、並びに/又は、分離器の下流のどこか、及びクロスフローフィルタの上流のどこかに、配置することが可能である。例えば、図1に示されているように、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数を、ラグ層を含むブラインに導入する共通のポート16は、脱塩装置2の下流に、バルク分離器12の下流に、混合器20の上流に、分離器25の上流に、及びクロスフローフィルタの上流に、位置付けされている。
【0028】
[0031]追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数を、ラグ層を含むブラインに導入する任意のポートを、システムの任意の構成要素のどこかに配置することが可能である。ある実施形態では、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数を、ラグ層を含むブラインに導入する少なくとも1つのポートが、脱塩装置、バルク分離器、混合器、分離器、若しくはワーキングタンクのどこかに、又は、ラグ層を含むブラインを、脱塩装置及び/若しくはバルク分離器から導出する導管のどこかに、位置付けされている。例えば、図1に示されているように、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数を、ラグ層を含むブラインに導入する共通のポート16は、ラグ層を含むブラインを脱塩装置及び/又はバルク分離器から導出する導管13の上に位置付けされている。
【0029】
[0032]ポートは、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数を、ラグ層を含むブラインに導入する、少なくとも1つの入口ポートを含むことが可能である。追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数を、ラグ層を含むブラインに導入する(1つ又は複数の)入口ポートは、炭化水素及び/又は解乳化剤の供給源(図示せず)の外部と、ラグ層を含むブラインを脱塩装置及び/又はバルク分離器から導出する導管の内部との間を、流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、システム1は、共通の入口ポート16を含むことが可能であり、共通の入口ポート16は、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び/又は凝集剤の(1つ又は複数の)外部供給源と、ラグ層を含むブラインを脱塩装置2及び/又はバルク分離器12から導出する導管13の内部との間を、流体連通させることが可能である。追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び/又は凝集剤は、(1つ又は複数の)入口ポートを通過し、且つ、(1つ又は複数の)外部供給源17a〜17eから、それぞれ、システムに進入することが可能である。
【0030】
[0033]本発明のいくつかの実施形態では、システムは、混合器を備えることが可能であり、混合器は、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数を、ラグ層を含むブラインの中に混合する。混合器は、様々な異なる方式のうちのいずれかで構成することが可能である。混合器は、任意の形態をとることが可能であり、且つ、例えば、タンク又はインライン型レセプタクルの形状などを含む、任意の形状を有することが可能である。混合器は、例えば、静的な混合器又は混合タンクであることが可能である。
【0031】
[0034]混合器は、システムの中の様々な場所に配置することが可能である。いくつかの実施形態では、混合器は、脱塩装置の下流のどこかに、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数を、ラグ層を含むブラインに導入する少なくとも1つの入口ポートの下流のどこかに、及びクロスフローフィルタの上流のどこかに、配置することが可能である。例えば、混合器は、脱塩装置の下流、及びバルク分離器の上流のどこかに、バルク分離器の下流のどこか、及び分離器の上流のどこかに、並びに/又は、分離器の下流のどこか、及びクロスフローフィルタの上流のどこかに、配置することが可能である。図1に示されているように、混合器20は、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数を、ラグ層を含むブラインに導入する、共通の入口ポート16の下流に、及び分離器25の上流に、配置することが好ましい。
【0032】
[0035]また、混合器は、少なくとも1つのポートを含むことが可能である。多くの実施形態では、混合器は、2つ以上のポートを含むことが可能である。例えば、図1に示されているように、混合器20は、2つのポート21a及び21bを含むことが可能である。任意のポートが、混合器の上部、底部、又は側部を含む、混合器のどこかに配置することが可能である。2つ以上のポートを、混合器の同じ側部に配置するか、又は、混合器の異なる側部に配置することが可能である。例えば、図1に示されているように、ポート21a及び21bは、混合器の反対側に配置することが可能である。
【0033】
[0036]ポートは、ラグ層を含むブラインと、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数とを混合器に導入する、少なくとも1つの入口ポートを含むことが可能である。混合器の入口ポートは、混合器の内部と脱塩装置又はバルク分離器の内部との間を流体連通させることが可能であり、且つ、直接的に、又は、システムの1つ又は複数の構成要素を介して間接的に、脱塩装置又はバルク分離器の出口ポートに流体連通することが可能である。例えば、図1に示されているように、混合器20は、少なくとも1つの入口ポート21aを含むことが可能であり、少なくとも1つの入口ポート21aは、混合器20の内部とバルク分離器12の内部との間を流体連通させている。ラグ層を含むブライン、並びに追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数は、入口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印15によって示されているように、バルク分離器から混合器に進入することが可能である。混合器の中で、ラグ層を含むブラインと、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数とは互いに混合される。
【0034】
[0037]ポートは、混合物を混合器から導出する少なくとも1つの出口ポートを含むことが可能である。出口ポートは、混合器の内部と分離器の内部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、混合器20は、少なくとも1つの出口ポート21bを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート21bは、混合器20の内部と分離器25の内部との間を流体連通させている。混合物は、出口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印22によって示されているように、混合器を出ていくことが可能である。
【0035】
[0038]システムは、分離器をさらに備えることが可能であり、分離器は、例えば、ラグ層を、炭化水素エマルジョン、及びより細かい固形物、並びにより大きい固形物を含むブラインに分離する。より大きい固形物は、例えば、約40ミクロン以上のサイズを有する固体粒子を含むことが可能である。より細かい固形物は、例えば、約40ミクロン未満のサイズを有する固体粒子を含むことが可能である。分離器は、様々な異なる方式のうちのいずれかで構成することが可能である。分離器は、任意の形態をとることが可能であり、且つ、例えば、タンク又はレセプタクルの形状を含む、任意の形状を有することが可能である。例えば、分離器は、沈降タンク又は混合タンクであることが可能である。ブライン及びより大きい固形物は、分離器の底部に収集することが可能であり、且つ炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物は、任意の加えられた炭化水素、及び溶解されたアスファルテンとともに、分離器の上部に収集することが可能である。
【0036】
[0039]また、分離器は、少なくとも1つのポートを含むことが可能である。多くの実施形態では、分離器は、2つ以上のポートを含むことが可能である。例えば、図1に示されているように、分離器は、3つのポート26a、26b、及び26cを含むことが可能である。任意のポートは、分離器の上部、底部、又は側部を含む、分離器のどこかに配置することが可能である。2つ以上のポートを、分離器の同じ側部に配置するか、又は、分離器の異なる側部に配置することが可能である。例えば、図1に示されているように、ポート26a及び26cは、分離器25の上部に配置することが可能であり、且つポート26bは、分離器25の底部に配置することが可能である。
【0037】
[0040]ポートは、少なくともラグ層を含むブライン(例えば、ラグ層を含むブラインと、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数との混合物を含む)を、分離器に導入する少なくとも1つの入口ポートを含むことが可能である。入口ポートは、分離器の内部と混合器の内部との間を流体連通させることが可能であり、且つ、直接的に、又は、システムの1つ又は複数の構成要素を介して、混合器の出口ポートと流体連通することが可能である。例えば、図1に示されているように、分離器25は、少なくとも1つの入口ポート26aを含むことが可能であり、少なくとも1つの入口ポート26aは、分離器25の内部と混合器20の内部との間を流体連通させている。ラグ層を含むブラインと、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数との混合物は、混合器から入口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印22によって示されているように、分離器に進入することが可能である。
【0038】
[0041]ポートは、固形物を含むブラインを分離器から導出する少なくとも1つの出口ポートを含むことが可能である。固形物を含むブラインを導く出口ポートは、分離器の中の固形物を含むブラインに流体連通して、分離器のどこかに配置することが可能である。例えば、図1に示されているように、固形物を含むブラインを分離器から導出する出口ポート26bは、分離器25の底部に配置することが可能である。固形物を含むブラインを分離器から導出する出口ポートは、分離器の内部と分離器の外部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、分離器25は、少なくとも1つの出口ポート26bを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート26bは、分離器25の内部と分離器の外部との間を流体連通させている。固形物を含むブラインは、出口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印27によって示されているように、分離器を出ていくことが可能である。
【0039】
[0042]ポートは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を分離器から導出する、少なくとも1つの出口ポートを含むことが可能である。炭化水素エマルジョンを分離器から導出する出口ポートは、分離器の中の炭化水素エマルジョンに流体連通して、分離器のどこかに配置することが可能である。例えば、図1に示されているように、炭化水素エマルジョンを分離器から導出する出口ポート26cは、分離器25の上部に配置することが可能である。炭化水素エマルジョンを分離器から導出する出口ポートは、分離器の内部とワーキングタンクの内部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、分離器25は、少なくとも1つの出口ポート26cを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート26cは、分離器25の内部とワーキングタンク37の内部との間を流体連通させている。炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物は、任意の加えられた炭化水素、及び溶解されたアスファルテンとともに、出口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印28によって示されているように、分離器を出ていくことが可能である。
【0040】
[0043]多くの実施形態では、システムは、ワーキングタンクをさらに備えることが可能である。ワーキングタンクは、様々な異なる方式のうちのいずれかで構成することが可能である。ワーキングタンクは、任意の形態をとることが可能であり、且つ、例えば、タンク又はレセプタクルの形状を含む、任意の形状を有することが可能である。ワーキングタンクは、システムの中の様々な場所に配置することが可能である。ワーキングタンクは、例えば、脱塩装置の下流のどこか、及びクロスフローフィルタを含むハウジングの上流のどこかに、又は、分離器の下流のどこか、及びクロスフローフィルタを含むハウジングの上流のどこかに、配置することが可能である。例えば、図1に示されているように、ワーキングタンク37は、分離器25の下流に、及びクロスフローフィルタを含むハウジング30の上流に、配置することが可能である。
【0041】
[0044]また、ワーキングタンクは、少なくとも1つのポートを含むことが可能である。多くの実施形態では、ワーキングタンクは、2つ以上のポートを含むことが可能である。例えば、図1に示されているように、ワーキングタンクは、3つのポート38a、38b、及び38cを含むことが可能である。任意のポートは、ワーキングタンクの上部、底部、又は側部を含む、ワーキングタンクのどこかに配置することが可能である。2つ以上のポートは、ワーキングタンクの同じ側部に配置するか、又は、ワーキングタンクの異なる側部に配置することが可能である。例えば、図1に示されているように、ポート38a、38cは、ワーキングタンクの上部に配置することが可能であり、且つポート38bは、ワーキングタンクの底部に配置することが可能である。
【0042】
[0045]ポートは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、任意の加えられた炭化水素、及び溶解されたアスファルテンとともに、ワーキングタンクに導入する、少なくとも1つの入口ポートを含むことが可能である。炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物をワーキングタンクに導入する入口ポートは、ワーキングタンクの内部と分離器の内部との間を流体連通させることが可能であり、且つ、直接的に、又は、システムの1つ又は複数の構成要素を介して、分離器の炭化水素エマルジョンのための出口ポートに流体連通することが可能である。例えば、図1に示されているように、ワーキングタンク37は、少なくとも1つの入口ポート38aを含むことが可能であり、少なくとも1つの入口ポート38aは、ワーキングタンク37の内部と分離器25の内部との間を流体連通させている。炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物は、入口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印28によって示されているように、分離器からワーキングタンクに進入することが可能である。
【0043】
[0046]ポートは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、任意の加えられた炭化水素、及び溶解されたアスファルテンとともに、ワーキングタンクから導出する、少なくとも1つの出口ポートを含むことが可能である。出口ポートは、ワーキングタンクの中の炭化水素エマルジョンに流体連通して、ワーキングタンクのどこかに配置することが可能である。炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物をワーキングタンクから導出する出口ポートは、ワーキングタンクの内部とクロスフローフィルタを含むハウジングの内部との間を流体連通させている。例えば、図1に示されているように、ワーキングタンク37は、少なくとも1つの出口ポート38bを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート38bは、ワーキングタンク37の内部とクロスフローフィルタを含むハウジング30の内部との間を流体連通させている。炭化水素エマルジョンは、出口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印39によって示されているように、ワーキングタンクを出ていくことが可能である。
【0044】
[0047]また、ポートは、クロスフローフィルタからワーキングタンクの中へリテンテートを導く少なくとも1つの入口ポートを含むことが可能である。リテンテートをワーキングタンクに導入する入口ポートは、ワーキングタンクの内部とクロスフローフィルタのフィード側のリテンテート領域との間を、流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、ワーキングタンク37は、少なくとも1つの入口ポート38cを含むことが可能であり、少なくとも1つの入口ポート38cは、ワーキングタンク37の内部と、ハウジング30の内部にあるクロスフローフィルタ31のフィード側のリテンテート領域との間、を流体連通させている。リテンテートは、入口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印40によって示されているように、クロスフローフィルタのフィード側のリテンテート領域からワーキングタンクに進入することが可能である。
【0045】
[0048]システムは、クロスフローフィルタを含むハウジングをさらに備えることが可能であり、クロスフローフィルタは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、(油分及び/又は他の炭化水素を含む)濾過された炭化水素を含む透過物と、油分、ブライン、溶解されていないアスファルテン、及び/又は固形物を含むリテンテートとに分離する。ハウジングは、様々な異なる方式のうちのいずれかで構成することが可能である。ハウジングは、任意の形態をとることが可能であり、且つ、例えば、ケーシング、カプセル、又はレセプタクルの形状を含む、任意の形状を有することが可能である。ハウジングは、分離されている炭化水素にとって適切な様々な異なる材料のうちのいずれかによって作製することが可能である。例えば、炭化水素からブラインを分離するために、ハウジングは、濾過されている炭化水素に接触するのに適切な任意の材料から作製することが可能である。ハウジングのための例示的な材料は、金属及びプラスチックを含むことが可能である。
【0046】
[0049]また、ハウジングは、少なくとも1つのポートを含むことが可能である。多くの実施形態では、ハウジングは、3つ以上のポートを含むことが可能である。例えば、図1に示されているように、ハウジングは、3つのポート32a、32b、及び32cを含むことが可能である。任意のポートは、ハウジングの上部、底部、又は側部を含む、ハウジングのどこかに配置することが可能である。2つ以上のポートは、ハウジングの同じ側部に配置するか、又は、ハウジングの異なる側部に配置することが可能である。例えば、図1に示されているように、入口ポート32aをハウジング30の底部に配置することが可能であり、出口ポート32bをハウジング30の側部に配置することが可能であり、出口ポート32cをハウジング30の上部に配置することが可能である。
【0047】
[0050]ポートは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物をフィード流体としてハウジングに導入する少なくとも1つの入口ポート(例えば、フィードポート)を含むことが可能である。炭化水素エマルジョンをハウジングに導入する入口ポートは、ワーキングタンクの内部とハウジングの内部との間を流体連通させることが可能であり、且つ、直接的に、又は、システムの1つ又は複数の構成要素を介して、ワーキングタンクの炭化水素エマルジョンのための出口ポートと流体連通することが可能である。例えば、図1に示されているように、ハウジング30は、少なくとも1つの入口ポート32aを含むことが可能であり、少なくとも1つの入口ポート32aは、ワーキングタンク37の内部と、ハウジング30の内部にあるクロスフローフィルタ31の上流又はフィード側との間を、流体連通させている。例えば、ブライン及び炭化水素並びにより細かい固形物を含む炭化水素エマルジョンは、入口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印39によって示されているように、ワーキングタンクからハウジングに進入することが可能である。炭化水素エマルジョンは、クロスフローフィルタのフィード側に沿って進むことが可能であり、炭化水素エマルジョン(例えば、油分及び他の炭化水素)の一部分は、透過物として、クロスフローフィルタを通過することが可能である。
【0048】
[0051]ポートは、透過物をハウジングから導出する少なくとも1つの出口ポート(例えば、透過物出口部)を含むことが可能である。透過物をハウジングから導出する出口ポートは、ハウジングの内部とハウジングの外部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、ハウジング30は、少なくとも1つの出口ポート32bを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート32bは、ハウジング30の内部にあるクロスフローフィルタ31の透過物側と、ハウジングの外部との間を流体連通させている。例えば、濾過された炭化水素を含む透過物は、出口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印34によって示されているように、ハウジングを出ていくことが可能である。
【0049】
[0052]クロスフローフィルタを通過しない炭化水素エマルジョンの一部分(すなわち、リテンテート)は、クロスフローフィルタのフィード側のリテンテート領域へ進むことが可能である。ポートは、リテンテートをハウジングから導出する少なくとも1つの出口ポート(例えば、リテンテート出口部)を含むことが可能である。リテンテートをハウジングから導出する出口ポートは、ハウジングの内部とワーキングタンクの内部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図1に示されているように、ハウジング30は、少なくとも1つの出口ポート32cを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート32cは、ハウジング30の内部にあるクロスフローフィルタ31のフィード側のリテンテート領域と、ワーキングタンクの内部との間を、(例えば、ハウジングのリテンテート出口ポートとワーキングタンクのリテンテート入口ポートとの間を、)入口ポート38cを通して流体連通させている。例えば、残留油、ブライン、アスファルテン、及び/又は固形物を含むリテンテートは、出口ポートを通過し、ハウジングを出ていき、例えば、矢印40によって示されているように、ワーキングタンクの中へ進むことが可能である。
【0050】
[0053]クロスフローフィルタは、様々な異なる方式のうちのいずれかで構成することが可能である。クロスフローフィルタのための例示的な構成は、例えば、中空の胴体(log)又は中空のプリーツのある構成などのような、中空の、一般的には円筒形状の構成を含むことが可能である。代替的に、クロスフローフィルタは、中空繊維膜を備えることが可能である。任意の適切なクロスフローフィルタ構成又はクロスフローフィルタメディアを選択することが可能である。クロスフローフィルタメディアのための1つの材料は、セラミックを含むことが可能である。クロスフローフィルタのための別の材料は、金属を含むことが可能である。クロスフローフィルタのための別の材料は、1つ又は複数のポリマーを含むことが可能である。多くの実施形態では、クロスフローフィルタのための材料は、疎水性であることが可能である。本発明システムの中で使用するのに適切な例示的なクロスフローフィルタメディアは、Port Washington、NY、USAのPall Corporationから市販されている、MEMBRALOXセラミック膜フィルタエレメント、SCHUMASIVセラミック膜フィルタエレメント、及びACCUSEP金属フィルタエレメントを含むことが可能である。クロスフローフィルタは、固形物を除去し、炭化水素エマルジョンからの炭化水素の除去を容易にするということが有利である。
【0051】
[0054]クロスフローフィルタ又はフィルタメディアは、透過性であることが可能であり、且つ、例えば、微細孔性又はより粗いものから、超微細孔性又はより細かいものまでを含む、幅の広い範囲の分子のカットオフ(cutoffs)又は除去レーティングのうちのいずれかを有することが可能である。例えば、フィルタメディアは、約0.005ミクロン以下〜約100ミクロン以上の範囲の除去レーティングを有することが可能である。特定の理論又はメカニズムに拘束されることなく、ブラインは、乳化した液滴、及び/又は、カプセル化された固形物の形態であることが可能であり、炭化水素からのブライン分離は、サイズ排除によって起こることが可能であるということが考えられている。多くの実施形態では、クロスフローフィルタ又はフィルタメディアは、疎水性であるか、又は、炭化水素で濡れていることが可能であり、且つ、例えば、水滴を拒絶することによって、炭化水素からブラインを分離することも可能である。
【0052】
[0055]システムは、ポンプをさらに備えることが可能である。ポンプは、様々な異なる方式で構成することが可能である。ポンプは、ワーキングタンクの内部と、クロスフローフィルタを含むハウジングの内部との間を流体連通させることが可能である。図1に示されているように、例えば、ポンプ40は、ワーキングタンク37の下流側とクロスフローフィルタ31の上流側との間を、例えば、入口ポート32a及び出口ポート38bを通して、流体連通させることが可能である。ポンプは、クロスフローフィルタ31の上流側のハウジングに進入する炭化水素エマルジョンの圧力及び/又は流量を増加させることが可能であり、且つ、ワーキングタンクとハウジングとの間で、クロスフローフィルタのフィード側に沿って、流体を循環させることが可能である。
【0053】
[0056]本発明を具現化するシステムの別の例が、図2に示されている。システムは、例えば、脱塩装置と、分離器と、ワーキングタンクと、クロスフローフィルタを含むハウジングとを備えることが可能である。
【0054】
[0057]システムは、例えば、ラグ層を含むブラインから油分を分離する脱塩装置を備えることが可能である。脱塩装置は、様々な異なる方式のうちのいずれかで構成することが可能である。例えば、(1つ又は複数の)入口部及び出口部を含む脱塩装置は、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、構成することが可能であり、機能することが可能である。例えば、図2に示されているように、システムは、脱塩装置2を備えることが可能である。
【0055】
[0058]システムは、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数のための入口ポートと、例えば、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、脱塩装置と分離器との間に位置付けされ得る混合器とを、含むか、又は、含まないことが可能である。
【0056】
[0059]システムは、例えば、ラグ層を含むブラインを、より大きい固形物を有するブラインと、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンとに分離する、分離器をさらに備えることが可能である。分離器は、様々な異なる方式のうちのいずれかで構成することが可能である。例えば、分離器は、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、構成することが可能であり、機能することが可能である。例えば、図2に示されているように、システムは、分離器25を備えることが可能である。
【0057】
[0060]また、分離器は、少なくとも1つのポートを含むことが可能である。多くの実施形態では、分離器は、2つ以上のポートを含むことが可能である。例えば、図2に示されているように、分離器25は、3つのポート26a、26b、及び26cを含むことが可能である。任意のポートは、例えば、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、分離器のどこかに配置することが可能である。
【0058】
[0061]ポートは、ラグ層を含むブラインを分離器に導入する少なくとも1つの入口ポート26aを含むことが可能である。入口ポートは、直接的に、又は、1つ又は複数のシステム構成要素を介して、ラグ層を含むブラインのための脱塩装置出口ポートと流体連通することが可能である。ラグ層を含むブラインを分離器に導入する入口ポートは、分離器の内部と脱塩装置の内部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図2に示されているように、分離器25は、少なくとも1つの入口ポート26aを含むことが可能であり、少なくとも1つの入口ポート26aは、分離器25の内部と脱塩装置2の内部との間を流体連通させることが可能である。ラグ層を含むブラインは、入口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印6によって示されているように、脱塩装置から分離器に進入することが可能である。
【0059】
[0062]ポートは、少なくとも1つの出口ポート26bと少なくとも1つの出口ポート26cとを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート26bは、より大きい固形物を含むブラインを分離器から方向付けし、少なくとも1つの出口ポート26cは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を分離器から導出する。より大きい固形物を含むブラインを分離器から導出する出口ポート、及び炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を分離器から導出する少なくとも1つの出口ポートは、例えば、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、様々な異なる方式のうちのいずれかで構成することが可能である。
【0060】
[0063]システムは、ワーキングタンクと、クロスフローフィルタを含むハウジングと、ポンプとをさらに備えることが可能である。例えば、図2に示されているように、システム1は、ワーキングタンク37と、クロスフローフィルタ31を含むハウジング30と、ポンプ40とを備えることが可能であり、それらは、図1のものと同様であることが可能である。ワーキングタンク、ハウジング、クロスフローフィルタ、及びポンプは、例えば、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、様々な異なる方式のうちのいずれかで、構成すること及び機能することが可能である。
【0061】
[0064]本発明を具現化する多くのシステムは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、クロスフローフィルタに沿って再循環させることが可能である。図1及び図2に示されているシステムを含む、いくつかの再循環システムは、分離器25と別々のワーキングタンク37の両方を含むことが可能である。他の再循環システムは、異なって構成することが可能である。例えば、分離器及びワーキングタンクの機能は、単一の容器(例えば、単一の分離器)に組み合わせることが可能である。例えば、ラグ層を含むブラインは、脱塩装置又はバルク分離器から分離器へ供給することが可能であり、リテンテートは、クロスフローフィルタから分離器へ、1つ又は2つの入口ポートを通して供給することが可能である。分離器は、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンを、ブライン及びより大きい固形物から、様々な方式で分離することが可能である。例えば、ブライン及びより大きい固形物は、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物の下方に沈降することが可能である。ブライン及びより大きい固形物は、分離器から(例えば、分離器の下側部分にある出口ポートから)とることが可能である。炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物は、分離器から(例えば、分離器の上側部分にある別の出口ポートから)とることが可能であり、且つ、ポンプの有無にかかわらず、クロスフローフィルタに供給することが可能である。
【0062】
[0065]本発明を具現化するさらなる他のシステムは、クロスフローフィルタに沿ってリテンテートを再循環させることが可能でない。本発明を具現化する単一パスのシステムの例が、図3に示されている。システムは、例えば、脱塩装置と、バルク分離器と、分離器と、クロスフローフィルタを含むハウジングとを備えることが可能である。
【0063】
[0066]システムは、ラグ層を含むブラインから油分を分離する脱塩装置を備えることが可能である。脱塩装置は、様々な異なる方式のうちのいずれかで構成することが可能である。例えば、(1つ又は複数の)入口部及び出口部を含む脱塩装置は、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、構成することが可能であり、機能することが可能である。例えば、図3に示されているように、システムは、脱塩装置2を備えることが可能である。
【0064】
[0067]システムは、ラグ層を含むブラインからブラインを分離するバルク分離器をさらに備えることが可能である。バルク分離器は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、構成すること及び機能することが可能である。例えば、入口部及び出口部を含むバルク分離器は、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、配置するこが可能であり、構成することが可能であり、機能することが可能である。例えば、図3に示されているように、システムは、バルク分離器12を備えることが可能である。
【0065】
[0068]システムは、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数のための入口ポートと、例えば、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、脱塩装置又はバルク分離器と分離器との間に位置付けされ得る混合器とを含むか、又は、含まないことが可能である。
【0066】
[0069]システムは、例えば、ラグ層を含むブラインを、より大きい固形物を有するブラインと、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンとに分離する、分離器をさらに備えることが可能である。分離器は、様々な異なる方式のうちのいずれかで構成することが可能である。例えば、分離器は、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、構成することが可能であり、機能することが可能である。例えば、図3に示されているように、システムは、分離器25を備えることが可能である。
【0067】
[0070]また、分離器は、少なくとも1つのポートを含むことが可能である。多くの実施形態では、分離器は、例えば、2つ以上のポートを含むことが可能である。例えば、図3に示されているように、分離器25は、3つのポート26a、26b、及び26cを含むことが可能である。任意のポートは、例えば、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、分離器のどこかに配置することが可能である。
【0068】
[0071]ポートは、ラグ層を含むブラインを分離器に導入する少なくとも1つの入口ポートを含むことが可能である。入口ポートは、直接的に、又は、1つ又は複数のシステム構成要素を介して、ラグ層を含むブラインのためのバルク分離器出口ポートに流体連通することが可能である。ラグ層を含むブラインを分離器に導入する入口ポートは、分離器の内部とバルク分離器の内部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図3に示されているように、分離器25は、少なくとも1つの入口ポート26aを含むことが可能であり、少なくとも1つの入口ポート26aは、分離器25の内部とバルク分離器12の内部との間を流体連通させている。ラグ層を含むブラインは、入口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印22によって示されているように、バルク分離器から分離器に進入することが可能である。
【0069】
[0072]ポートは、より大きい固形物を含むブラインを分離器から導出する少なくとも1つの出口ポート、及び炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を分離器から導出する少なくとも1つの出口ポートを含むことが可能である。より大きい固形物を含むブラインを分離器から導出する出口ポート、及び炭化水素エマルジョンを分離器から導出する少なくとも1つの出口ポートは、例えば、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、様々な異なる方式のうちのいずれかで構成することが可能である。例えば、図3に示されているように、ポートは、少なくとも1つの出口ポート26b及び少なくとも1つの出口ポート26cを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート26bは、固形物を含むブライン分離器から方向付けし、少なくとも1つの出口ポート26cは、炭化水素エマルジョン分離器から導出する。
【0070】
[0073]システムは、クロスフローフィルタを含むハウジングをさらに備えることが可能である。ハウジング及びクロスフローフィルタは、例えば、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、様々な異なる方式のうちのいずれかで、それぞれ構成することが可能である。例えば、図3に示されているように、システムは、クロスフローフィルタ31を含むハウジング30を備えることが可能である。
【0071】
[0074]また、ハウジングは、少なくとも1つのポートを含むことが可能である。多くの実施形態では、ハウジングは、3つ以上のポートを含むことが可能である。例えば、図3に示されているように、ハウジングは、3つのポート32a、32b、及び32cを含むことが可能である。任意のポートは、例えば、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、ハウジングのどこかに配置することが可能である。
【0072】
[0075]ポートは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物をハウジングに導入する少なくとも1つの入口ポート(例えば、フィードポート)を含むことが可能である。炭化水素エマルジョンをハウジングに導入する入口ポートは、分離器の内部とハウジングの内部との間を流体連通させることが可能であり、且つ、直接的に、又は、システムの1つ又は複数の構成要素を介して、炭化水素エマルジョンのための分離器出口ポートに流体連通することが可能である。例えば、図3に示されているように、ハウジング30は、少なくとも1つの入口ポート32aを含むことが可能であり、少なくとも1つの入口ポート32aは、分離器25の内部と、ハウジング30の内部にあるクロスフローフィルタ31の上流又はフィード側との間を流体連通させている。炭化水素エマルジョンの圧力及び/又は流量を増加させるポンプは、例えば、分離器と、クロスフローフィルタのハウジングとの間に含まれるか、又は、含まれないことが可能である。例えば、ブライン及び炭化水素並びにより細かい固形物を含む炭化水素エマルジョンは、入口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印28によって示されているように、分離器からハウジングに進入することが可能である。炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物は、クロスフローフィルタのフィード側に沿って進むことが可能であり、炭化水素エマルジョン(例えば、油分及び他の炭化水素)の一部分は、透過物として、クロスフローフィルタを通過することが可能である。
【0073】
[0076]ポートは、透過物をハウジングから導出する少なくとも1つの出口ポート(例えば、透過物ポート)を含むことが可能である。透過物をハウジングから導出する出口ポートは、ハウジングの内部とハウジングの外部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図3に示されているように、ハウジング30は、少なくとも1つの出口ポート32bを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート32bは、ハウジング30の内部にあるクロスフローフィルタ31の透過物側と、ハウジングの外部との間を流体連通させている。例えば、濾過された炭化水素を含む透過物は、出口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印34によって示されているように、ハウジングを出ていくことが可能である。
【0074】
[0077]クロスフローフィルタを通過しない炭化水素エマルジョンの一部分(すなわち、リテンテート)は、クロスフローフィルタのフィード側のリテンテート領域へ進むことが可能である。ポートは、リテンテートをハウジングから導出する少なくとも1つの出口ポート(例えば、リテンテートポート)を含むことが可能である。リテンテートをハウジングから導出する出口ポートは、ハウジングの内部とハウジングの外部との間を流体連通することが可能である。例えば、図3に示されているように、ハウジング30は、少なくとも1つの出口ポート32cを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート32cは、ハウジング30の内部にあるクロスフローフィルタ31のフィード側のリテンテート領域と、ハウジングの外部との間を流体連通させている。例えば、いくらかの油分、ブライン、アスファルテン、及び/又は固形物を含むリテンテートは、出口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印33によって示されているように、ハウジングを出ていくことが可能である。したがって、フィード流体(すなわち、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物)は、クロスフローフィルタのフィード側に沿って再循環することなく、単一パスで進むことが可能である。
【0075】
[0078]本発明を具現化するシステムの別の例が、図4に示されている。システムは、例えば、脱塩装置と、分離器と、クロスフローフィルタを含むハウジングとを備えることが可能である。
【0076】
[0079]システムは、例えば、ラグ層を含むブラインから油分を分離する脱塩装置を備えることが可能である。脱塩装置は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、構成すること及び機能することが可能である。例えば、(1つ又は複数の)入口部及び出口部を含む脱塩装置は、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、構成することが可能である。例えば、図4に示されているように、システムは、脱塩装置2を備えることが可能である。
【0077】
[0080]システムは、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数のための入口ポート、及び本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、例えば、脱塩装置と分離器との間に位置付けされ得る混合器を含むか、又は、含まないことが可能である。
【0078】
[0081]システムは、ラグ層を含むブラインを、より大きい固形物を含むブラインと、ラグ層のより細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンとに分離する、分離器をさらに備えることが可能である。分離器は、様々な異なる方式のうちのいずれかで構成することが可能である。例えば、分離器は、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、構成することが可能である。例えば、図4に示されているように、システムは、分離器25を備えることが可能である。
【0079】
[0082]また、分離器は、少なくとも1つのポートを含むことが可能である。多くの実施形態では、分離器は、2つ以上のポートを含むことが可能である。例えば、図4に示されているように、分離器25は、3つのポート26a、26b、及び26cを含むことが可能である。任意のポートは、例えば、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、分離器のどこかに配置することが可能である。
【0080】
[0083]ポートは、ラグ層を含むブラインを分離器に導入する少なくとも1つの入口ポートを含むことが可能である。入口ポートは、直接的に、又は、1つ又は複数のシステム構成要素を介して、ラグ層を含むブラインのための脱塩装置出口ポートに流体連通することが可能である。入口ポートは、分離器の内部と脱塩装置の内部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図4に示されているように、分離器25は、少なくとも1つの入口ポート26aを含むことが可能であり、少なくとも1つの入口ポート26aは、分離器25の内部と脱塩装置2の内部との間を流体連通させることが可能である。ラグ層を含むブラインは、入口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印22によって示されているように、脱塩装置から分離器に進入することが可能である。
【0081】
[0084]ポートは、より大きい固形物を含むブラインを分離器から導出する少なくとも1つの出口ポート、及び炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を分離器から導出する少なくとも1つの出口ポートを含むことが可能である。より大きい固形物を含むブラインを分離器から導出する出口ポート、及び炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を分離器から導出する少なくとも1つの出口ポートは、例えば、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、様々な異なる方式のうちのいずれかで構成することが可能である。例えば、図4に示されているように、ポートは、少なくとも1つの出口ポート26b、及び少なくとも1つの出口ポート26cを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート26bは、固形物を含むブライン分離器から方向付けし、且つ少なくとも1つの出口ポート26cは、炭化水素エマルジョンを分離器から導出する。
【0082】
[0085]システムは、例えば、クロスフローフィルタを含むハウジングをさらに備えることが可能である。ハウジング及びクロスフローフィルタは、例えば、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、様々な異なる方式のうちのいずれかで、それぞれ、構成すること及び機能することが可能である。例えば、図4に示されているように、システムは、クロスフローフィルタ31を含むハウジング30を備えることが可能であり、それは、図3のクロスフローフィルタ31を含むハウジング30と同様であることが可能である。
【0083】
[0086]また、ハウジングは、少なくとも1つのポートを含むことが可能である。多くの実施形態では、ハウジングは、3つ以上のポートを含むことが可能である。例えば、図4に示されているように、ハウジングは、3つのポート32a、32b、及び32cを含むことが可能である。任意のポートは、例えば、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、ハウジングのどこかに配置することが可能である。
【0084】
[0087]ポートは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物をハウジングに導入する少なくとも1つの入口ポート(例えば、フィードポート)を含むことが可能である。炭化水素エマルジョンをハウジングに導入する入口ポートは、分離器の内部とハウジングの内部との間を流体連通させることが可能であり、且つ、直接的に、又は、1つ又は複数のシステム構成要素を介して、炭化水素エマルジョンのための分離器出口ポートに流体連通することが可能である。例えば、図4に示されているように、ハウジング30は、少なくとも1つの入口ポート32aを含むことが可能であり、少なくとも1つの入口ポート32aは、分離器25の内部と、ハウジング30の内部にあるクロスフローフィルタ31の上流又はフィード側との間を流体連通させている。炭化水素エマルジョンの圧力及び/又は流量を増加させるポンプは、例えば、分離器とクロスフローフィルタのハウジングとの間に含まれるか、又は、含まれないことが可能である。例えば、ブライン及び炭化水素並びにより細かい固形物を含む炭化水素エマルジョンは、入口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印28によって示されているように、分離器からハウジングに進入することが可能である。炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物は、クロスフローフィルタのフィード側に沿って進むことが可能であり、炭化水素エマルジョン(例えば、油分及び他の炭化水素)の一部分は、透過物として、クロスフローフィルタを通過することが可能である。
【0085】
[0088]ポートは、透過物をハウジングから導出する少なくとも1つの出口ポート(例えば、透過物ポート)を含むことが可能である。透過物をハウジングから導出する出口ポートは、ハウジングの内部とハウジングの外部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図4に示されているように、ハウジング30は、少なくとも1つの出口ポート32bを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート32bは、ハウジング30の内部にあるクロスフローフィルタ31の透過物側と、ハウジングの外部との間を流体連通させている。例えば、濾過された炭化水素を含む透過物は、出口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印34によって示されているように、ハウジングを出ていくことが可能である。
【0086】
[0089]クロスフローフィルタを通過しない炭化水素エマルジョンの一部分(すなわち、リテンテート)は、クロスフローフィルタのフィード側のリテンテート領域に進むことが可能である。ポートは、リテンテートをハウジングから導出する少なくとも1つの出口ポート(例えば、リテンテートポート)を含むことが可能である。リテンテートをハウジングから導出する出口ポートは、ハウジングの内部とハウジングの外部との間を流体連通させることが可能である。例えば、図4に示されているように、ハウジング30は、少なくとも1つの出口ポート32cを含むことが可能であり、少なくとも1つの出口ポート32cは、ハウジング30の内部にあるクロスフローフィルタ31のフィード側のリテンテート領域と、ハウジングの外部との間を流体連通させている。例えば、残留油、ブライン、アスファルテン、及び/又は固形物を含むリテンテートは、出口ポートを通過し、且つ、例えば、矢印33によって示されているように、ハウジングを出ていくことが可能である。したがって、フィード流体(すなわち、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物)は、クロスフローフィルタのフィード側に沿って再循環することなく、単一のパスで進むことが可能である。
【0087】
[0090]本発明の実施形態は、原油を処理する多数の方法をさらに含む。方法は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、原油を処理することを含むことが可能である。例えば、方法は、原油に水を加え、ブライン及び油分、並びにブライン、油分、及び固形物のエマルジョンを含むラグ層を生成するステップと、ラグ層を含むブラインを生成することを含む、ブラインから油分を分離するステップと、ラグ層を、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離するステップと、クロスフローフィルタに沿って、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を進め、ブライン及び固形物を含むリテンテートと、炭化水素を含む透過物とを生成するステップとを含むことが可能である。
【0088】
[0091]本発明のさらなる他の実施形態は、原油を処理する方法を提供し、方法は、原油を脱塩装置に通すステップであって、ラグ層を含むブラインから油分を分離するサブステップ、脱塩装置から、第1のポートを通してラグ層を含むブラインを除去するサブステップ、及び第2のポートを通して油分を除去するサブステップを含む、ステップと、ラグ層を分離器に通すステップであって、ステップは、ラグ層を、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離するサブステップを含み、サブステップは、より大きい固形物を含むブラインを、分離器から、第3のポートを通して除去すること、及び炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、分離器から、第4のポートを通して除去することを含む、ステップと、クロスフローフィルタを使用して炭化水素エマルジョンを濾過し、ブライン及び固形物を含むリテンテートと、炭化水素を含む透過物とを生成するステップであって、ステップは、リテンテートをクロスフローフィルタから第5のポートを通して除去するサブステップ、及び透過物をクロスフローフィルタから第6のポートを通して除去するサブステップを含む、ステップとを含む。
【0089】
[0092]多くの実施形態では、方法は、原油に水を加え、金属及び/又は塩類、並びに他の溶解物を原油から除去し、ブライン及び油分のエマルジョンを生成するステップを含むことが可能である。原油自身の化学組成、並びに原油の中に随伴及び/又は溶解される固形物及び他の物質の量及び組成を含む、原油の性質は、原油の地質学的な供給源、及び地質学的な供給源から原油を抽出するために加えられる物質を含む、多くの要因に応じて、幅広く変化する可能性がある。水に加えて、例えば、解乳化剤及び/又は腐食防止剤を含む、様々な他の化学物質が、原油、水、又は、油分及び水の混合物(ブライン)に加えられ、原油をさらに処理することが可能である。
【0090】
[0093]水は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、原油に加えることが可能である。例えば、方法は、原油を脱塩装置に導く前に、原油を脱塩装置に導く間に、及び/又は、原油を脱塩装置に導く後に、原油に水を加えるステップを含むことが可能である。図を参照すると、原油に水を加えるステップは、水入口ポート8を通して原油に水を加えるサブステップを含むことが可能であり、水入口ポート8は、原油を脱塩装置2に導入するための導管7の上に位置付けされている。他の実施形態では、方法は、脱塩装置自身のどこかに位置付けされている水入口ポートを通して、原油に水を加えるステップを含むことが可能である。水及び原油は、導管の中で、又は、脱塩装置の中で組み合わせることが可能である。
【0091】
[0094]水は、様々な量を原油に加えることが可能である。多くの実施形態では、方法は、ブライン及び油分、並びにブライン及び炭化水素(油分を含む)のエマルジョン、及び固形物を含むラグ層を形成させるのに十分な量の水を原油に加えるステップを含むことが可能である。水は、金属及び/又は塩類、並びに他の溶解物を油分から除去するのに十分な量を、油分に加えることが可能である。例えば、方法は、水が約5体積%以下〜約10体積%以上の量の状態となるように、原油に水を加えるステップを含むことが可能である。
【0092】
[0095]本発明のいくつかの実施形態では、原油に水を加え、ブライン、油分、及びブライン及び油分のエマルジョンを生成するステップは、原油及び/又は水を、加圧及び/又は加熱するステップをさらに含むことが可能である。例えば、脱塩装置の中で、原油及び水(ブライン)は、約200°F以下〜約300°F以上の範囲の温度に加熱することが可能である。いくつかの実施形態に関して、原油及び水(ブライン)は、約225°F〜約275°Fの範囲に加熱することが可能である。いくつかの実施形態では、原油及び水(ブライン)を加熱しないことが可能である。原油及び水(ブライン)は、脱塩装置の中で、約10psig以下〜約200psig以上の範囲の圧力に加圧することが可能である。いくつかの実施形態では、原油及び水(ブライン)を加圧しないことが可能である。
【0093】
[0096]本発明の多くの実施形態では、原油に水を加えるステップは、水及び原油を組み合わせるステップを含む。水及び原油は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、組み合わせることが可能である。本発明のいくつかの実施形態では、原油にを加えるステップは、原油(又は、原油及び水の混合物)を脱塩装置に導入するステップを含む。原油(又は、原油及び水の混合物)は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、脱塩装置に導入することが可能である。例えば、図を参照すると、方法は、原油(又は、原油及び水の混合物)を、導管7から脱塩装置2の中へ、入口部3aを通して導くステップを含むことが可能である。
【0094】
[0097]方法は、ラグ層を含むブラインを生成することを含む、ブラインから油分を分離するステップをさらに含むことが可能である。油分は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、ブラインから分離することが可能である。本発明の多くの実施形態では、ブラインから油分を分離するステップは、原油及び水を合体させるステップを含むことが可能である。本発明のいくつかの実施形態では、合体させるステップは、脱塩装置の中のエマルジョンに電場を印加するステップを含むことが可能であり、ブライン液滴の中の双極子を誘導すること、ブライン液滴を合体させること、及び水相として、脱塩装置の1つの部分(例えば、底部)にブライン液滴を収集することを含む。ブラインから油分を分離するステップは、油相を形成させること、及び脱塩された油分を脱塩装置の別の部分(例えば、上部)に収集することをさらに含むことが可能である。
【0095】
[0098]ブラインから油分を分離するステップは、ラグ層を含むブラインを形成させるステップを含むことが可能である。ラグ層は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、形成させることが可能である。例えば、ラグ層は、ブラインの上部に、例えば、ブライン及び油分の境界面において、形成させることが可能であり、又は、例えば、ブラインの中の液滴又は塊として、随伴することが可能である。ラグ層は、油分、ブライン、アスファルテン、及び固形物のうちの1つ又は複数を含む、いくつかの物質のうちのいずれかを含むことが可能である。ラグ層の組成は、例えば、原油の性質に応じて、変化することが可能である。例えば、あるラグ層は、油中水型エマルジョンを含むことが可能であり、一方、他のラグ層は、水中油型エマルジョンを含むことが可能である。さらに、あるラグ層は、アスファルテンなどのような安定化剤によって、化学的に安定化することが可能であり、且つあるラグ層は、エマルジョンの中の様々な粒子によって、微粒子安定化することが可能であり、ラグ層の中に、アスファルテンをほとんど含まないか、又は、まったく含まないことが可能である。ラグ層の多くの例のうちの1つは、最大で約30重量%〜約40重量%の油分、約5重量%〜約20重量%の固形物、約30重量%〜約40重量%のブライン、及び約0重量%〜約10重量%のアスファルテンを含むことが可能である。これらの物質は、ラグ層の炭化水素エマルジョンの中で、互いに結び付けられ得る。
【0096】
[0099]方法は、脱塩された油分、及びラグ層を含むブラインを、脱塩装置から別々に導くステップをさらに含むことが可能である。脱塩された油分は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、脱塩装置から導出することが可能である。例えば、図を参照すると、脱塩された油分は、例えば、矢印5によって示されているように、脱塩装置2から出口ポート3bを通して導くことが可能である。排出されると、脱塩された油分は、さらに処理(例えば、分留)をすることが可能である。ラグ層を含むブラインは、様々な異なる方式のうちのいずれかで、脱塩装置から導出することが可能である。例えば、図を参照すると、ラグ層を含むブラインは、例えば、矢印6、22によって示されているように、脱塩装置2から出口ポート3cを通して導くことが可能である。脱塩装置から方向付けされる、ラグ層を含むブラインは、ラグ層を伴う大部分がブラインのものから、大部分がラグ層でブラインが一部であるものまで、様々な量のブライン及びラグ層を含むことが可能である。
【0097】
[0100]本発明のいくつかの実施形態では、方法は、ラグ層を含むブラインからブラインを分離するステップをさらに含むことが可能である。例えば、かなりの量のブラインがラグ層とともに脱塩装置から除去される実施形態では、ラグ層を含むブラインから、ブラインのほとんどをさらに分離することが有益である可能性がある。ブラインは、様々な異なる方式のうちのいずれかで、ラグ層を含むブラインから分離することが可能である。例えば、ラグ層を含むブラインからブラインを分離することは、ラグ層を含むブラインを、バルク分離器を通して導くことを含むことが可能である。バルク分離器は、様々な異なる方式のうちのいずれかで構成することが可能である。例えば、バルク分離器は、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、構成することが可能である。
【0098】
[0101]過剰なブラインは、様々な方式で、バルク分離器の中で、ラグ層を含むブラインから分離することが可能であり、例えば、ラグ層の下方へブラインのほとんどを沈降させることを含む。例えば、図1及び図3を参照すると、ラグ層を含むブラインからブラインを分離することは、ラグ層を含むブラインを、分離器12の中へ、(例えば、矢印6によって示されているように)入口ポート13aを通して導くこと、ブラインを、バルク分離器12から、(例えば、矢印14によって示されているように)下側出口ポート13bを通して導くこと、及びラグ層を含むブラインを、バルク分離器から、(例えば、矢印22によって示されているように)上側出口ポート13cを通して導くことを含むことが可能である。方法は、ブライン、及びラグ層を含むブラインを、バルク分離器から導出することを含むことが可能である。例えば、図1及び図3を参照すると、ラグ層を含むブラインからブラインを分離することは、ラグ層を含むブラインを、バルク分離器12から、(例えば、矢印22によって示されているように)出口ポート13cを通して導くこと、及び追加的なブライン(すなわち、ラグ層のないブライン)を、バルク分離器12から、(例えば、矢印14によって示されているように)出口ポート13bを通して導くことを含むことが可能である。
【0099】
[0102]多くの実施形態では、方法は、ラグ層を、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離することを含む。ラグ層は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離することが可能であり、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物の下方へ、ブライン及びより大きい固形物を沈降させることを含む。本発明のいくつかの実施形態では、ラグ層を、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離することは、ラグ層を含むブラインを、分離器を通して導くことを含む。分離器は、例えば、沈降タンクであることが可能である。例えば、図を参照すると、ラグ層を、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離することは、ラグ層を含むブラインを、例えば、矢印22によって示されているように、入口ポート26aを通して、分離器25を通して導くことを含むことが可能である。ラグ層を含むブラインは、例えば、直接的に、又は、1つ又は複数の他のシステム構成要素(バルク分離器又は混合器を含む)を通してのいずれかで、脱塩装置から分離器へ提供することが可能である。
【0100】
[0103]本発明の多くの実施形態では、ラグ層を、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離することは、分離器の底部において、ブライン及びより大きい固形物をラグ層から沈降させること、及び分離器の上部において、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を収集することを含むことが可能である。例えば、図を参照すると、方法は、分離器25の底部において、ブライン及びより大きい固形物をラグ層から沈降させること、及び分離器25の上部に、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を収集することを含むことが可能である。
【0101】
[0104]本発明の多くの実施形態では、ラグ層を、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離することは、より大きい固形物を含むブラインを分離器から導出することを含むことが可能である。より大きい固形物を含むブラインは、様々な異なる方式のうちのいずれかで、分離器から導出することが可能である。例えば、図を参照すると、方法は、より大きい固形物を含むブラインを、例えば、矢印27によって示されているように、出口ポート26bを通して、分離器25から導出することを含むことが可能である。
【0102】
[0105]本発明の多くの実施形態では、ラグ層を、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離することは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、分離器から導出することを含むことが可能である。炭化水素エマルジョンは、様々な異なる方式のうちのいずれかで、分離器から導出することが可能である。例えば、図を参照すると、方法は、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、例えば、矢印28によって示されているように、出口ポート26cを通して、分離器25から導出することを含むことが可能である。
【0103】
[0106]方法は、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、フィード流体として、クロスフローフィルタに通し、大部分がブライン及び固形物を含むリテンテート、及び大部分が炭化水素(油分及び他の炭化水素を含む)を含む透過物を生成させることを、さらに含む。クロスフローフィルタは、様々な異なる方式のうちのいずれかで、構成することが可能である。例えば、クロスフローフィルタは、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、構成することが可能である。炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、クロスフローフィルタに通すことが可能である。例えば、図を参照すると、クロスフローフィルタに炭化水素エマルジョンを通すことは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、ハウジング30を通して、及びクロスフローフィルタ31に沿って、導くことを含む。
【0104】
[0107]本発明の多くの実施形態では、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、フィード流体として、クロスフローフィルタに通すことは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、クロスフローフィルタの上流又はフィード側に沿って通すことを含む。炭化水素エマルジョンは、様々な異なる方式のうちのいずれかで、クロスフローフィルタの上流側に沿って通すことが可能である。例えば、図を参照すると、炭化水素エマルジョンをクロスフローフィルタの上流側に沿って通すことは、炭化水素エマルジョンを、(例えば、矢印28によって示されているように)入口ポート32aを通してハウジング30の中へ、及びクロスフローフィルタ31の上流側に沿って、通すことを含む。
【0105】
[0108]本発明のいくつかの実施形態では、方法は、クロスフローフィルタの上流側へ方向付けされた炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物の圧力及び/又は流量を増加させることをさらに含むことが可能である。クロスフローフィルタの上流側へ方向付けされた炭化水素エマルジョンの圧力及び/又は流量は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、増加させることが可能である。例えば、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物をクロスフローフィルタの上流側に沿って導くことは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、圧力及び/又は流量を増加させるポンプを通して導くことを含むことが可能である。いくつかの実施形態に関して、圧力が増加させられ、クロスフローフィルタの上流側に沿って、炭化水素エマルジョンの流量を増加させることが可能である。例えば、圧力は、約30ゲージポンド毎平方インチ(psig)以下〜約300psig以上の範囲にある圧力へ増加させることが可能である。ポンプは、システムの中の様々な場所(例えば、分離器と、クロスフローフィルタを備えるハウジングとの間を含む)に位置付け、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物の圧力及び/又は流量を増加させることが可能である。他の実施形態では、炭化水素エマルジョンの圧力及び/又は流量は、例えば、分離器の炭化水素エマルジョン出口部における圧力及び/又は流量を超えて増加されないことが可能であり、及びポンプが、含まれないことが可能である。
【0106】
[0109]本発明の多くの実施形態では、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、フィード流体として、クロスフローフィルタの上流側に沿って通すことは、炭化水素を含む透過物、及びブライン及び固形物を含むリテンテートを形成させることを含む。炭化水素を含む透過物、及びブライン及び固形物を含むリテンテートは、様々な異なる方式のうちのいずれかで、形成させることが可能である。例えば、方法は、フィード流体の一部分を、透過物として、クロスフローフィルタの上流側から、クロスフローフィルタを通して、クロスフローフィルタの下流側へ通すこと、及びフィード流体の残部を、リテンテートとして、クロスフローフィルタの上流側のリテンテート領域へ通すことを含むことが可能である。本発明の多くの実施形態では、透過物は、(油分及び他の炭化水素を含む)濾過された炭化水素を含むことが可能であり、リテンテートは、残留油、ブライン、アスファルテン、及び固形物のうちの任意の1つ又は複数を含むことが可能である。
【0107】
[0110]本発明の多くの実施形態では、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物をクロスフローフィルタに通すことは、クロスフローフィルタを備えるハウジングから透過物を通すことを含む。透過物は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、クロスフローフィルタを備えるハウジングから通すことが可能である。例えば、図を参照すると、方法は、例えば、矢印34によって示されているように、クロスフローフィルタ31を備えるハウジング30から、出口ポート32bを通して、透過物を通すことを含むことが可能である。
【0108】
[0111]本発明の多くの実施形態では、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物をクロスフローフィルタに通すことは、リテンテートを、クロスフローフィルタを備えるハウジングから通すことを含む。リテンテートは、様々な異なる方式のうちのいずれかで、クロスフローフィルタを備えるハウジングから通すことが可能である。例えば、図を参照すると、方法は、例えば、矢印33によって示されているように、クロスフローフィルタ31を備えるハウジング30から、出口ポート32cを通して、リテンテートを通すことを含むことが可能である。
【0109】
[0112]本発明のいくつかの実施形態では、方法は、クロスフローフィルタのフィード側に沿ってリテンテートを再循環させることをさらに含むことが可能である。リテンテートを再循環させることは、ラグ層の炭化水素エマルジョンからのより大きいパーセンテージの炭化水素の回収を可能にすることができる。リテンテートは、様々な異なる方式のうちのいずれかで、再循環することが可能である。いくつかの実施形態では、リテンテートを再循環させることは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物をクロスフローフィルタへワーキングタンクを通して導くことを含むことが可能である。炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、ワーキングタンクへ導くことが可能である。例えば、図1及び図2を参照すると、炭化水素エマルジョンをクロスフローフィルタへワーキングタンクを通して導くことは、例えば、矢印28によって示されているように、炭化水素エマルジョンを、分離器25からワーキングタンク37の中へ、入口ポート38aを通して導くことを含む。
【0110】
[0113]また、方法は、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、ワーキングタンクから、クロスフローフィルタを備えるハウジングへ、導くことを含むことが可能である。炭化水素エマルジョンは、様々な異なる方式のうちのいずれかで、ワーキングタンクから、クロスフローフィルタを備えるハウジングへ導くことが可能である。例えば、図1及び図2を参照すると、炭化水素エマルジョンを、ワーキングタンクから、クロスフローフィルタを備えるハウジングへ導くことは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、ワーキングタンク37から、クロスフローフィルタ31を備えるハウジング30へ、出口ポート38b及び入口ポート32aを通して導くことを含む。
【0111】
[0114]本発明のいくつかの実施形態では、リテンテートを再循環させることは、ワーキングタンクからクロスフローフィルタの上流側へ方向付けされる炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物の圧力及び/又は流量を増加させることをさらに含むことが可能である。クロスフローフィルタの上流側へ方向付けされる炭化水素エマルジョンの圧力及び/又は流量は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、増加させることが可能である。例えば、図1及び図2を参照すると、クロスフローフィルタの上流側へ方向付けされる炭化水素エマルジョンの圧力は、例えば、ハウジング30の入口ポート32aの上流に位置付けされ得るポンプ40を通して、増加させることが可能である。いくつかの実施形態に関して、圧力は、約30psig以下〜約300psig以上の範囲にある圧力へ増加させることが可能である。炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物の流量は、例えば、精製のサイズ、及び形成されたエマルジョン又はラグ層の量に基づいて、変化することが可能である。いくつかの実施形態に関して、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物の流量は、約10ガロン毎分(gpm)以下〜約1、000gpm以上の範囲にあることが可能である。
【0112】
[0115]炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、ワーキングタンクから、クロスフローフィルタのハウジングを通して導くことは、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物をクロスフローフィルタに通し、ブライン及び固形物を含むリテンテート、及び炭化水素(油分及び他の炭化水素を含む)を含む透過物を生成させることをさらに含むことが可能である。炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、クロスフローフィルタに通され、ブライン及び固形物を含むリテンテート、及び炭化水素を含む透過物を生成させることが可能である。例えば、炭化水素エマルジョンは、本発明の他の態様に関して本明細書で説明されているように、クロスフローフィルタに通され、ブライン及び固形物を含むリテンテート、及び炭化水素を含む透過物を生成させることが可能である。例えば、図1及び図2を参照すると、炭化水素エマルジョン及びより細かい固形物を、ワーキングタンクから、クロスフローフィルタの上流側に沿って通すことは、ハウジング30の中へ、入口ポート32aを通して、及びクロスフローフィルタ31の上流側に沿って、炭化水素エマルジョンを通すこと、例えば、矢印34によって示されているように、クロスフローフィルタ31を備えるハウジング30から、出口ポート32bを通して、透過物を通すこと、及び例えば、矢印40によって示されているように、クロスフローフィルタ31を備えるハウジング30から、出口ポート32cを通して、リテンテートを通すことを含むことが可能である。
【0113】
[0116]リテンテートをクロスフローへ再循環させることは、様々な異なる方式のうちのいずれかで、クロスフローフィルタのフィード側のリテンテート領域からワーキングタンクへ、リテンテートを導くことをさらに含むことが可能である。例えば、図1及び図2を参照すると、クロスフローフィルタへワーキングタンクを通してリテンテートを再循環させることは、クロスフローフィルタを備えるハウジング30から、ワーキングタンク37へ、出口ポート32c及び入口ポート38cを通して、リテンテートを導くこと、及びワーキングタンク37から、クロスフローフィルタ31を備えるハウジング30へ、出口ポート38b及び入口ポート32aを通して、リテンテートを導くことを含む。
【0114】
[0117]本発明の任意の実施形態では、方法は、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数を加え、炭化水素エマルジョンの不安定化を促進させること、エマルジョン、及び/又は、エマルジョンの中の物質の少なくとも部分的な分解を容易にすること、及び/又は、エマルジョンからの物質の分離を容易にすることをさらに含むことが可能である。エマルジョンに加えられる追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び/又は凝集剤のタイプ及び量は、様々な要因に応じて変化することが可能であり、様々な要因は、例えば、温度;圧力;pH;せん断の量;有機及び無機の固形物の組成;アスファルテン、井戸処理用の化学物質、パラフィン、又は硫黄の濃度;原油のAPI重力;ブラインと原油との間の密度の差;並びにエマルジョンの組成及び安定性のうちの1つ又は複数を含む。
【0115】
[0118]様々な炭化水素のうちのいずれかは、物質(アスファルテンを含む)を溶解させるために加えることが可能であり、物質は、エマルジョンの安定化の助け、及び/又は、フィルタメディアの詰まりとなる。また、追加的な炭化水素は、エマルジョンの粘度を低減させること、及び/又は、油分又は炭化水素を、エマルジョンの連続相として確立させることが可能である。加えられた炭化水素(芳香族であるか、又は、芳香族でないことが可能である)は、例えば、リフォーメイト、ナフサ、ガス油、及び炭化水素コンデンセートのうちの1つ又は複数を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、エマルジョンの体積の最大で約10倍以上の炭化水素を加えることが可能である。ラグ層の中の安定化剤(例えば、アスファルテン)の量が小さい場合には、炭化水素をほとんど加えないことが可能である(例えば、エマルジョンの体積の約1倍〜約2倍の量の炭化水素)。いくつかの実施形態では、約1重量%以下〜約50重量%以上の範囲にある炭化水素を加えることが可能である。いくつかの実施形態では、炭化水素を加えないことが可能である。
【0116】
[0119]さらに、様々な解乳化剤及び/又はリバース解乳化剤のうちのいずれかは、少なくとも部分的にエマルジョンを分解するために、及びエマルジョンの中の物質の分離を容易にするために、加えることが可能である。加えられた解乳化剤は、例えば、エトキシレート化又はプロポキシレート化された酸触媒によるか、又は、塩基触媒によるフェノールホルムアルデヒド樹脂、エトキシレート化又はプロポキシレート化されたポリアミン、エトキシレート化又はプロポキシレート化されたジエポキシド、及びエトキシレート化又はプロポキシレート化されたポリオールのうちの1つ又は複数を含むことが可能である。加えられたリバース解乳化剤は、例えば、液体のカチオン性アクリルアミドなどのような有機ポリマーを含むことが可能である。多数の凝固剤及び/又は凝集剤のうちのいずれかは、エマルジョンの中に固形物を集合及び/又は凝集させるために加えることが可能であり、より大きい凝集された固形物がエマルジョンから沈降することを可能にする。加えられた凝固剤は、例えば、液体、有機、水溶性の、低いカチオン性の第4級アンモニウム高分子電解質を含む、液体の有機又は無機の凝固ポリマーを含むことが可能である。凝集剤は、例えば、高分子量、及び/又は、低から中の(low−to−medium)アニオン電荷を有する、液体の有機アクリル酸/アクリルアミド共重合体を含むことが可能である。多くの実施形態に関して、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び/又は凝集剤は、ラグ層の0%〜約1%以上の範囲にある量を加えることが可能である。いくつかの実施形態では、解乳化剤は、約1ppmw以下〜約200ppmw以上の範囲にある濃度まで加えることが可能である。いくつかの実施形態では、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤を何も加えないことが可能である。
【0117】
[0120]追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、ラグ層に加えることが可能である。方法は、1つだけ、又は2つだけ、又は3つだけを加えることを含むことが可能であり、又は、すべてを、別々に、又は、組み合わせて、ラグ層に加えることが可能である。いくつかの実施形態では、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、又は凝集剤のうちの1つ又は複数は、ラグ層へ加える前に、ラグ層へ加える間に、又は、ラグ層へ加える後に、加熱することが可能である。追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、又は凝集剤のうちの1つ又は複数は、様々な温度のうちのいずれかへ加熱することが可能である。例えば、炭化水素は、約150°F以下〜約300°F以上の温度に加熱することが可能である。温度は、様々な要因に基づいて選ぶことが可能であり、様々な要因は、例えば、温度、圧力、pH、せん断の量、アスファルテンの濃度、井戸処理用の化学物質の濃度、パラフィンの濃度、硫黄の濃度、原油のAPI重力、ブラインと原油との間の密度の差、及びエマルジョンの安定性のうちの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、炭化水素及び/又は解乳化剤は、加熱されない。
【0118】
[0121]追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数は、原油を処理する方法の間の任意の時間において、ラグ層に加えることが可能である。例えば、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数は、原油に水を加えた後、及び炭化水素エマルジョンをクロスフローフィルタに通す前に、又は、ブラインから油分を分離した後、及びラグ層を、炭化水素エマルジョンと、固形物を含むブラインとに分離する前に、ラグ層に加えることが可能である。いくつかの実施形態では、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数は、ラグ層を含むブラインからブラインを分離した後、及びラグ層を、より細かい固形物を有する炭化水素エマルジョンと、より大きい固形物を含むブラインとに分離する前に、ラグ層に加えることが可能である。例えば、図1を参照すると、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数は、例えば、供給源17a〜17eから、脱塩装置2又はバルク分離器12から下流に、及び分離器25の上流、又は、分離器25の中に、示されているような共通の入口ポート16を通して、ラグ層に加えることが可能である。
【0119】
[0122]本発明のいくつかの実施形態では、方法は、ラグ層の中で、炭化水素及び/又は解乳化剤を混合することをさらに含むことが可能である。追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数は、様々な異なる方式のうちのいずれかで、ラグ層に混合することが可能である。例えば、ラグ層と、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数とは、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数を加えた後で、ラグ層を固形物を有する炭化水素エマルジョンとより大きい固形物を含むブラインとに分離する前に、混合することが可能である。図1を参照すると、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数は、混合器20の中のラグ層に混合することが可能である。方法は、ラグ層と、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数とを混合器20を通して入口ポート21aを通して導くこと、及び混合され、処理されたラグ層を、混合器から出口ポート21bを通して導くことを含むことが可能である。代替的に、ラグ層は、追加的な炭化水素、解乳化剤、リバース解乳化剤、凝固剤、及び凝集剤のうちの1つ又は複数と分離器の中で混合することが可能である。
【0120】
[0123]すべての実施形態では、方法は、クロスフローフィルタのフィルタメディアを洗浄することをさらに含むことが可能である。フィルタメディアは、様々な異なる方式で、洗浄することが可能である。例えば、フィルタメディアを洗浄することは、フィルタメディアの上流側に接線方向に沿って洗浄流体を導くこと、及び/又は、ガスアシストの有無にかかわらず、フィルタメディアを通して、下流側から上流側へ、又は、逆の場合も同様に、洗浄流体を導くことによって、フィルタメディアを逆流洗浄することを、含むことが可能である。様々な洗浄流体のいずれかを使用することが可能であり、洗浄流体は、例えば、溶媒及び/又は界面活性剤を含む、1つ又は複数の添加剤を有することが可能である。また、フィルタメディアは、例えば、高温の炭化水素の中に、浸すことが可能である。
【0121】
[0124]本明細書で引用されているすべての参考文献(出版物、特許出願、及び特許を含む)は、あたかも、それぞれの参照文献が、個別に及び具体的に、参照により組み込まれていることを示され、且つ、その全体が本明細書に記載されているかのように、同じ程度に、本明細書に参照により組み込まれている。
【0122】
[0125]説明している本発明の文脈において(特に、以下の請求項の文脈において)、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、及び同様の指示対象の用語の使用は、本明細書で別段の指示がない限り、又は、明らかに文脈に矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方をカバーするように解釈されるべきである。「備える」、「有する」、「含む」、及び「含有する」の用語は、別段の注記がない限り、オープンエンド型の用語(すなわち、「含むが、それに限定されない」を意味している)として解釈されるべきである。本明細書で値の範囲の記載は、本明細書で別段の指示がない限り、単に、範囲に入るそれぞれの別々の値を個別に参照する簡便な方法としての役割を果たすことが意図されており、それぞれの別々の値は、本明細書で個別に記載されているかのように、本明細書に組み込まれている。本明細書で説明されているすべての方法は、本明細書で別段の指示がない限り、又は、明らかに文脈に矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することが可能である。任意の及びすべての例の使用は、又は、本明細書で提供されている例示的な言語(例えば、「などのような」)の使用は、単に、本発明をより良好に明確にすることを意図しており、別段の請求がない限り、本発明の範囲に限定をもたらすものではない。明細書の中の言語は、本発明の実施に必須のものとして、特許請求されていない任意のエレメントを示していると解釈されるべきではない。
【0123】
[0126]本発明を実施するために本発明者が知る最良の形態を含む、本発明の好適な実施形態が明細書で説明されている。それらの好適な実施形態の変形例は、前述の説明を読めば、当業者に明らかになるであろう。本発明者は、当業者が、必要に応じて、そのような変形例を用いることを期待しており、且つ、本発明者は、本発明が、本明細書で具体的に説明されている以外に実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法律によって許容されているように、添付の特許請求の範囲に記載されている主題のすべての修正例及び均等物を含む。そのうえ、すべての可能性のある変形例の中の上述のエレメントの任意の組み合わせは、本明細書で別段の指示がない限り、又は、明らかに文脈に矛盾しない限り、本発明によって包含されている。
【符号の説明】
【0124】
1…システム、2…脱塩装置、3a…入口ポート、3b…出口ポート、3c…出口ポート、7…導管、8…水入口ポート、12…バルク分離器、13…導管、13a…入口ポート、13b…出口ポート、13c…出口ポート、16…入口ポート、17a〜17e…外部供給源、20…混合器、21a…入口ポート、21b 出口ポート、25…分離器、26a…入口ポート、26b…出口ポート、26c…出口ポート、30…ハウジング、31…クロスフローフィルタ、32a…入口ポート、32b…出口ポート、32c…出口ポート、37…ワーキングタンク、38a…入口ポート、38b…出口ポート、38c…入口ポート、40…ポンプ。
図1
図2
図3
図4