(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5850462
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】1以上の凹版印刷機のワイピング液をリサイクルする装置およびプロセス
(51)【国際特許分類】
C02F 1/52 20060101AFI20160114BHJP
B01D 21/01 20060101ALI20160114BHJP
B01J 20/02 20060101ALI20160114BHJP
C02F 1/04 20060101ALI20160114BHJP
C02F 9/00 20060101ALI20160114BHJP
C02F 1/00 20060101ALI20160114BHJP
C02F 1/38 20060101ALI20160114BHJP
B41F 35/02 20060101ALN20160114BHJP
B41F 9/16 20060101ALN20160114BHJP
【FI】
C02F1/52 G
B01D21/01 102
B01J20/02 A
C02F1/04 G
C02F9/00 502P
C02F9/00 502D
C02F9/00 502B
C02F9/00 503G
C02F9/00 504B
C02F1/00 L
C02F1/38
!B41F35/02
!B41F9/16
【請求項の数】21
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-555531(P2012-555531)
(86)(22)【出願日】2011年3月2日
(65)【公表番号】特表2013-521117(P2013-521117A)
(43)【公表日】2013年6月10日
(86)【国際出願番号】IB2011050891
(87)【国際公開番号】WO2011107950
(87)【国際公開日】20110909
【審査請求日】2014年2月28日
(31)【優先権主張番号】10155645.4
(32)【優先日】2010年3月5日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591031371
【氏名又は名称】カーベーアー−ノタシ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】マルティーニ,ジャコモ
(72)【発明者】
【氏名】ネリー,ヴェロニック
【審査官】
金 公彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−245366(JP,A)
【文献】
特開平03−131384(JP,A)
【文献】
特開平09−313900(JP,A)
【文献】
特開2001−104994(JP,A)
【文献】
特開2006−075751(JP,A)
【文献】
特開昭64−067296(JP,A)
【文献】
特開平10−175285(JP,A)
【文献】
特開平10−085789(JP,A)
【文献】
特表平06−509742(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第10163340(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 21/01
C02F 1/52− 1/56
B41F 5/00−13/70
B41F 31/00−35/06
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の凹版印刷機(10)のワイピング液をリサイクルするための装置(02)において:
前記1以上の凹版印刷機(10)から生じる廃液に含まれるインク成分の凝集を引き起こすための凝集タンク(12)と;
デカンテーションによって、前記凝集タンク(12)から生じる廃液を沈殿物とデカント上清とに分離するためのデカントユニット(13a)と;
遠心分離によって、前記デカントユニット(13a)により生成された前記沈殿物を、更なる沈殿物と遠心上清とにさらに分離するための遠心分離ユニット(13b)と;
次の濾過ステップのために、前記デカントユニット(13a)から生じる前記デカント上清と、前記遠心分離ユニット(13b)から生じる前記遠心上清とを前処理するための処理タンク(14)と;
前記処理タンク(14)から生じる廃液を濾過するための濾過ユニット(15)であって、当該濾過ユニット(15)の出力において再生液を生成する濾過ユニット(15)とを具えており、
前記再生液は、前記1以上の凹版印刷機(10)に使用される新たなワイピング液を生成するようにリサイクルされることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置(01;02)がさらに、廃液に含まれる前記インク成分の凝集を引き起こす、前記凝集タンク(12)への選択された凝集剤の供給部を具えており、前記選択された凝集剤のほぼ全ては、前記遠心分離ユニット(13;13b)によって分離される前記沈殿物と共に除去されることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置(01;02)がさらに、前記濾過ユニット(15)による廃液の濾過を補助する、前記処理タンク(14)への選択された濾過助剤の供給部を具えていることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置(01;02)において、前記選択された濾過助剤が、パーライトであることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の装置(01;02)がさらに、前記凝集タンク(12)内で凝集する前に、前記1以上の凹版印刷機(10)から廃液を収集するための収集タンク(11)を具えていることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置(01;02)がさらに、前記収集タンク(11)から溢れたワイピング液を収集するためのオーバーフロータンク(17)を具えていることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置(01;02)がさらに、前記オーバーフロータンク(17)に収集される前記溢れたワイピング液を処理するための第2の廃液処理システム(20)を具えていることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の装置(01;02)がさらに、選択分量の前記ワイピング液を処理し、その中に含まれる有機残留物を除去するための第2の廃液処理システム(20)を具えていることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置(01;02)において、前記第2の廃液処理システム(20)が、前記濾過ユニット(15)から得られる前記再生液から選択分量の前記ワイピング液を取り出すように設計されていることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項7乃至9の何れか一項に記載の装置(01;02)において、前記第2の廃液処理システム(20)が:
前記ワイピング液を収集するための廃液処理タンク(21)と;
前記廃液処理タンク(21)から生じる前記ワイピング液を濾過するための第2の濾過ユニット(22)であって、当該第2の濾過ユニット(22)の出力において濾過済液を生成する第2の濾過ユニット(22)と、を具えることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置(01;02)において、前記第2の廃液処理システム(20)がさらに、蒸留水を回収するように、前記第2の濾過ユニット(22)から得られる前記濾過済液を蒸発させる蒸発ユニット(25)を具え、前記蒸留水は、新たなワイピング液を生成するようにリサイクルされるか、排出されることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載の装置(01;02)において、前記第2の濾過ユニット(22)が、第2の圧濾過ユニットであることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項10乃至12の何れか一項に記載の装置(01;02)がさらに、前記廃液処理タンク(21)への以下の処理剤、すなわち:
有機残留物を含む、廃液内に含まれるインク成分の凝集を引き起こすための選択された凝集剤;
廃液のpHを中和するための中和剤;および
前記第2の濾過ユニット(22)による廃液の濾過を補助する濾過助剤の供給部を具えることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置において、前記選択された凝集剤が、塩化カルシウム(CaCl2)であることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項13または14に記載の装置において、前記中和剤が、硫酸(H2SO4)であることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項13乃至15の何れか一項に記載の装置において、前記濾過助剤が、パーライトであることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項1乃至16の何れか一項に記載の装置(01;02)がさらに、前記濾過ユニット(15)から生じる前記再生液を収集し、前記新たなワイピング液を生成するために新たな成分を前記再生液に投与するための投与タンク(16)を具えることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置(01;02)において、前記新たな成分が、軟水と、苛性ソーダ(NaOH)と、スルホン化ひまし油(S.C.O.)とを含むことを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項1乃至18の何れか一項に記載の装置(01;02)がさらに、前記遠心分離ユニット(13;13b)の洗浄作業を行うために、前記濾過ユニット(15)から得られた前記再生液を、前記遠心分離ユニット(13;13b)に選択的に供給し戻す手段を具えることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項1乃至19の何れか一項に記載の装置(01;02)において、前記濾過ユニット(15)が、圧濾過ユニットであることを特徴とする装置。
【請求項21】
1以上の凹版印刷機(10)のワイピング液をリサイクルするためのプロセスにおいて、当該プロセスが:
i. 前記1以上の凹版印刷機(10)から生じる廃液に含まれるインク成分の凝集を引き起こし、凝集液を生成するステップと;
ii. デカンテーションによって、前記凝集液を沈殿物とデカント上清とに分離するステップと;
iii.遠心分離によって、前記デカンテーションの沈殿物を更なる沈殿物と遠心上清とに更に分離するステップと;
iv. 次の濾過ステップのために、前記デカント上清と前記遠心上清とを前処理して前処理済液を生成するステップと;
v. 前記前処理済液を濾過して再生液を生成するステップとを含み、
前記再生液は、前記1以上の凹版印刷機(10)に使用される新たなワイピング液を生成するようにリサイクルされることを特徴とするプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、1以上の凹版印刷機のワイピング液をリサイクルするための装置およびプロセスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本書に使用されるような「凹版印刷」という表現は、紙幣や機密文書の作成に広く利用されるような彫刻印刷媒体(例えば、彫刻板または彫刻胴)を用いる印刷版を対象とすることを意味する。「鋼/銅版画」という表現も、時にこの特定の印刷プロセスを意味するものとして使用される。例えば、紙幣は一般に、凹版印刷パターン(肖像画などの画像表示、潜像、編み縄模様、貨幣単位、銀行名称等)を用いて提供され、凹版印刷に固有の型押しおよび触覚効果により、触ることで容易に認識することができる。凹版印刷を行う凹版印刷機は、例えば、欧州特許出願第EP0091709A1号、第EP0406157A1号、第EP0563007A1号、第EP0873866A1号、第EP1602482A1号、および国際出願第WO03/047862A1号から理解され、これらはすべて本出願人の名において出願され、参照により本書に援用される。
【0003】
凹版印刷は、彫刻印刷媒体の上に過度のインクを使用し、彫版の外の過剰なインクを除去するために印刷前にインクが与えられた印刷媒体をワイピングする必要がある。このワイピング作業を行うために、凹版印刷機は通常、上記特許出願に開示されたようなワイピングローラアセンブリを一般に具える、いわゆるワイピングシステムを具備している。ワイピングローラアセンブリを具えるようなワイピングシステムの一例は、本願出願人の名における国際出願第WO2007/116353A1号に開示されており、さらに参照により本書に援用される。
【0004】
このようなワイピングシステムの具体的な構造は、本発明の主題に直接的な影響を与えるものではないため、ワイピングシステムの構造を詳細にここで議論する必要は特にない。本発明の目的のためには、凹版印刷機用のワイピングシステムは一般に、ワイピング作業およびワイピングシステムからのインク残留物の除去を補助し、適切な印刷品質を確保するために、いわゆるワイピング液(例えば、国際出願第WO2007/116353A1号において議論される)を使用するということを理解すれば十分である。
【0005】
ワイピング液を使用しないワイピングシステムも当該技術分野においては知られているが、現代の凹版印刷機では殆ど使用されていない。
【0006】
凹版印刷機のワイピング液をリサイクルするための装置およびプロセスが開示されている。その概括的な目的は、ワイピング廃液に含まれるインク成分などの残留物を除去し、リサイクルできる上澄液を生成して新たなワイピング液を生成するというような方法で、凹版印刷機から生じるワイピング廃液を処理することにより、新たなワイピング液の消耗を制限することである。
【0007】
その内容が参照により本書に援用される、本出願人の名における欧州特許出願第EP0826502A1号は、例えば、凹版印刷機のワイピング液をリサイクルするための装置およびプロセスを開示しており、そのプロセスは:
i. 上澄液と高濃度の残留液とを生成するために、1以上の凹版印刷機から生じる廃液の限外濾過をするステップと;
ii. 新たなワイピング液として、限外濾過から得た上澄液をリサイクルするステップであって、この新たなワイピング液は一般に、軟水と、スルホン化ひまし油(S.C.O.)と、「苛性ソーダ」とも呼ばれる水酸化ナトリウム(NaOH)とを含有しているステップと;
iii. 塩化カルシウム(CaCl
2)と塩化第二鉄(FeCl
3)の混合物といった凝集剤を用いて限外濾過から得た高濃度の残留液を凝集し、凝集液を生成するステップと;
iv. 凝集液を濾過して、固体廃物と濾過済液とを生成するステップと;
v. 塩酸(HCl)または硫酸(H
2SO
4)などの中和剤を用いて濾過済液を中和し、中性液を生成するステップと;
vi. 中性液を蒸発させて、高濃度の塩類液と蒸留水を生成するステップと;
vii. 新たなワイピング液を生成するために、蒸留水を使用するステップと;
viii.塩類液を濾過して固体塩および残留液を生成するステップとを伴い、この残留液は、上記ステップiiiにおける凝集を実行するために使用することができる。
【0008】
その内容が参照により本書に援用される、本出願人の名における欧州特許出願第EP0927632A1号は、凹版印刷機のワイピング液をリサイクルするための改良された装置およびプロセスを開示しており、そのプロセスは:
i. 凝集したインク成分を含む凝集液を生成するために、特定の物理化学的性質を有する凝集剤を用いて1以上の凹版印刷機から生じる廃液の凝集を行うステップと;
ii. デカンテーションによって凝集液を分離させて、上澄液と沈降したインク成分を有するデカント液とを生成するステップと;
iii.デカント液を濾過し、濾過済の上澄液と固体廃物とを生成するステップと;
iv. 任意に、ステップiiから得た上澄液と、ステップiiiから得た濾過済の上澄液をさらに(限外濾過または機械的濾過によって)濾過するステップと;
v. ステップiiから得た上澄液と、ステップiiiから得た濾過済の上澄液を、新たなワイピング液としてリサイクルするステップであって、この新たなワイピング液は、軟水と、スルホン化ひまし油(S.C.O.)と苛性ソーダ(NaOH)とを含有しており、好適にはスルホン化ひまし油(S.C.O.)および苛性ソーダ(NaOH)の添加濃度を調整するステップを含んでいるステップと、を伴う。
【0009】
上記例の双方とも、新たなワイピング液は一般に、約98.5%の軟水と、約1%の苛性ソーダ(NaOH)と、約0.5%のスルホン化ひまし油(S.C.O.)を含有している。
【0010】
凹版印刷機のワイピング液をリサイクルするための更なる解決策が、欧州特許出願第EP0789000A1号、EP1832333A1号、日本国特許出願第JP01−067296A号、および中国特許出願第CN1107075A号に開示されている。これらの溶液は全て、凝集プロセスに基づくものではなく、具体的には限外濾過ステップを伴うものであり、廃液は無機(例えば、セラミック)または有機の限外濾過メンブレン(または「UFメンブレン」)を用いて濾過され、リサイクルできる清浄な濾過液を生成して、新たなワイピング液を生成する。この手法には主に、UFメンブレンの孔が詰まり易く、UFメンブレンを頻繁に清掃し、最終的には交換する必要があるという問題点がある。これは、稼働費用およびメンテナンス費用に負の影響を与える。それに対し、ワイピング廃液に含まれるインク成分の凝集を引き起こす凝集剤を、限外濾過プロセスと併用して使用することは、凝集がさらにUFメンブレンの詰まりを悪化させるため現実的ではない。欧州特許出願第EP0826502A1号によると、これが、限外濾過の後にのみ凝集が行われる理由の1つである。
【0011】
上澄液を更に濾過するために、欧州特許出願第EP0927632A1号には限外濾過も意図されているが、この手法もまた、限外濾過される処理済液にインク残留物が常に残るため、UFメンブレンが詰まりやすい。欧州特許出願第EP0927632A1号によると、この問題は、限外濾過の代わりに、機械的濾過を行うことによって克服することができる。
【0012】
したがって、凹版印刷機のワイピング液をリサイクルすることになると、限外濾過から離れる傾向がある。限外濾過プロセスを伴わない既知の解決策がさらに、欧州特許出願第EP1092684A2号に開示されている。この他の解決策は、凝集剤として塩化カルシウム(CaCl
2)と塩化第二鉄(FeCl
3)の混合物を用いて、欧州特許出願第EP0826502A1号に開示されているプロセスに類似する凝集プロセスを伴うものである。しかしながら、塩化カルシウム(CaCl
2)は印刷機の金属部分のさびや酸化を好むため、システムのリサイクル循環内で塩化カルシウム(CaCl
2)を使用することは、連動する凹版印刷機の適切な動作に対して実際には有害であることが実証されており、この問題はできる限り避けることが明らかに望ましい。
【0013】
欧州特許出願第EP1092684A2号によると、凝集液が、濾過されて沈殿物と濾過液に分離し、この濾過液は蒸留水に再生すべく加熱される。この蒸留水は、実質的に、ワイピング廃液に含まれるすべての成分がない成分のみであり、この解決策によると、新たなワイピング液を生成するための原料として供給するためにリサイクルされる。これは、この解決策のリサイクル量が、より簡単に蒸留水がリサイクルされる他の既知の方法よりも比較的少ないことを意味している。
【0014】
欧州特許出願第EP1092684A2号はさらに、濾過液を加熱した結果として生成される高濃度溶液を更に処理することを提供しており、この更なる処理は、高濃度溶液を加熱ドラムに供給し、高濃度溶液に含まれる固体残留物(または「塩」)を加熱ドラムの表面に付着させながら、高濃度溶液を加熱して高濃度溶液の液体成分を蒸気へと蒸発させるステップを伴う。
【0015】
ドイツ特許出願第DE10163340A1号は、印刷機を清掃するために使用される洗浄液をリサイクルするプロセスおよび装置を開示しており、乳化破壊剤(ドイツ語の「Emulsionsspalter」)が洗浄廃液に添加され、洗浄廃液の相分離が、デカントユニットを用いて、あるいは代替的に遠心分離を用いて実行される。この文書中には、凹版印刷機のワイピング液の処理について具体的な言及はされていない。
【0016】
したがって、凹版印刷機ワイピング液をリサイクルするための装置およびプロセスをさらに向上させる必要がある。
【発明の概要】
【0017】
したがって、本発明の概略的な目的は、凹版印刷機ワイピング液をリサイクルするための向上した装置およびプロセスを提供することである。
【0018】
より具体的には、本発明の目的は、廃液に含まれるインク成分の凝集を伴うような装置およびプロセスを提供することであり、この凝集は必要な化学薬品の使用するとさらに効果的である。
【0019】
本発明の他の目的は、新たなワイピング液を生成するために使用される必要な成分の消費を制限するように、システムのリサイクル量を最大にすることである。
【0020】
本発明の更に他の目的は、使いやすく、動作が比較的単純であり、必要なメンテナンス作業を単純化しながらも、それぞれ実行するような装置およびプロセスを提供することである。
【0021】
これらの目的は、添付の特許請求の範囲に規定された発明によって達成される。
【0022】
第1の実施形態によると、1以上の凹版印刷機のワイピング液をリサイクルするための装置が提供されており、当該装置は:
1以上の凹版印刷機から生じる廃液に含まれるインク成分の凝集を引き起こすための凝集タンクと;
遠心分離によって、凝集タンクから生じる廃液を、沈殿物と遠心上清に分離するための遠心分離ユニットと;
次の濾過ステップのために、遠心分離ユニットから生じる遠心上清を前処理するための処理タンクと;
濾過ユニット、好適には圧濾過ユニットであって、処理タンクから生じる廃液を濾過し、当該濾過ユニットの出力において再生液を生成する濾過ユニットとを具え、この再生液は、1以上の凹版印刷機によって使用される新たなワイピング液を生成するためにリサイクルされる。
【0023】
1以上の凹版印刷機のワイピング液をリサイクルするのに対応するプロセスをさらに提供しており、当該プロセスは:
i. 1以上の凹版印刷機から生じる廃液に含まれるインク成分の凝集を引き起こし、凝集液を生成するステップと;
ii. 遠心分離によって、凝集液を沈殿物と遠心上清に分離するステップと;
iii.次の濾過ステップのために、遠心上清を前処理し、前処理済液を生成するステップと;
iv. 前処理済液を濾過して再生液を生成するステップとを具え、この再生液は、1以上の凹版印刷機によって使用される新たなワイピング液を生成するためにリサイクルされる。
【0024】
第2の実施形態によると、1以上の凹版印刷機のワイピング液をリサイクルするための装置を提供しており、当該装置は:
1以上の凹版印刷機から生じる廃液に含まれるインク成分の凝集を引き起こすための凝集タンクと;
デカンテーションによって、凝集タンクから生じる廃液を沈殿物とデカント上清に分離するためのデカントユニットと;
遠心分離によって、デカントユニットにより生成された沈殿物を更なる沈殿物と遠心上清に更に分離するための遠心分離ユニットと;
次の濾過ステップのために、デカントユニットから生じるデカント上清および遠心分離ユニットから生じる遠心上清を前処理するための処理タンクと;
濾過ユニット、好適には圧濾過ユニットであって、処理タンクから生じる廃液を濾過し、当該濾過ユニットの出力において再生液を生成する濾過ユニットとを具え、この再生液は、1以上の凹版印刷機によって使用される新たなワイピング液を生成するためにリサイクルされる。
【0025】
さらに、1以上の凹版印刷機のワイピング液をリサイクルするのに対応するプロセスを提供しており、当該プロセスは:
i. 1以上の凹版印刷機から生じる廃液に含まれるインク成分の凝集を引き起こし、凝集液を生成するステップと;
ii. デカンテーションによって、凝集液を沈殿物とデカント上清に分離するステップと;
iii.遠心分離によって、デカンテーションの沈殿物を更なる沈殿物と遠心上清に更に分離するステップと;
iv. 次の濾過ステップのために、デカント上清および遠心上清を前処理し、前処理済液を生成するステップと;
v. 前処理済液を濾過して再生液を生成するステップとを具え、この再生液は、1以上の凹版印刷機によって使用される新たなワイピング液を生成するためにリサイクルされる。
【0026】
1以上の凹版印刷機のワイピング廃液を処理するために遠心分離を使用することがさらに提供されており、この使用は、さらに処理するために、ワイピング廃液を凝集した結果として生成される凝集液または凝集液の派生物に遠心分離を施して、上澄液を分離するステップを伴う。
【0027】
提案している解決策の主な利点の1つは、高いリサイクル効率を実現しながら、化学処理剤、特に濾過助剤の量をそれほど必要としない点にある。
【0028】
ここに提案されているような、インク成分の凝集を伴うリサイクルシステムの状況で遠心分離を使用することはさらに、濾過ユニットの上流の廃液に含まれるインク成分の大部分を分離するのに特に効果的な方法であり、濾過ユニット自体へのメンテナンス作業の頻度が少なくなることにつながる。したがって、これは稼働費用およびメンテナンス費用によい影響を与える。
【0029】
本発明の実施形態の更なる利点は、従属請求項の主題を形成しており、後述する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明の第1の実施形態によるワイピング液をリサイクルするための装置のブロック図を示しており、この装置は一般に参照番号01によって指定されている。
【0031】
参照番号10は1以上の凹版印刷機を概略的に指しており、印刷機には、閉鎖ループを構成するように装置01が接続されており、1以上の凹版印刷機10から生じる廃液がリサイクルされて、1以上の凹版印刷機10によって再び使用される新たなワイピング液を生成する。本書において言及される「廃液」という表現は一般に、凹版印刷機10から集められ、装置を通して処理される、使用済み液を示すために使用されている。この表現は、処理の異なる段階における溶液が、幾つかの処理を受けべき凹版印刷機10から直接的に生じる廃液、凝集液(本明細書で言及する)、凝集液の派生物、前処理済液(本明細書で言及する)、または他の溶液かを単に意味している。
【0032】
凹版印刷機10は、例えば、本出願人の名における欧州特許出願第EP0091709A1号、EP0406157A1号、EP0563007A1号、EP0873866A1号、EP1602482A1号および国際特許出願WO03/047862A1号に開示されている、洗浄媒体としてワイピング液を使用するワイピングシステムを具備する如何なる種類の凹版印刷機であってもよい。
【0033】
上述したように、ワイピングシステムの具体的な構造は、本発明の主題に直接的な影響を与えるものではない。本発明の目的のためには、凹版印刷機用のワイピングシステムが一般に、ワイピング作業およびワイピングシステムからのインク残留物の除去を補助し、適切な印刷品質を確保するために、ワイピング液(例えば、国際出願第WO2007/116353A1号において議論される)を使用するということを理解すれば十分である。
【0034】
本発明の文中では、ワイピング液は、欧州特許出願第EP0826502A1号および第EP0927632A1号に既に開示されているものと同じ種類、すなわち約98.5%の軟水、1%の苛性ソーダ(NaOH)および0.5%のスルホン化ひまし油(S.C.O.)からなる液であってもよい。しかしながら、他のワイピング液の配合は、本発明の範囲から逸脱するものではないと考えることができる。
【0035】
図1の装置01は、凹版印刷機10から廃液を収集するための収集タンク11と、廃液に含まれるインク成分の凝集を引き起こすための凝集タンク12と、収集タンク11から得た廃液を前処理するための処理タンク14と、再生液を生成すべく処理タンク14から生じる廃液(以下「前処理済液」という)を濾過するための濾過ユニット15と、濾過ユニット15から生じる再生液を収集し、新たなワイピング液を生成すべく新たな成分を投与するための投与タンク16とを具えることが好ましい。
【0036】
収集タンク11は、実用的な観点からは有利であるが、その機能(すなわち、廃液の収集)は、下流に位置する凝集タンク12の機能と組み合わせることができる。同様に、投与タンク16は、再生液を適切に収集するよう機能し、必要な新たなワイピング液の生成を促進するため、実用的な観点から有利である。本発明の基本原理を考慮する限り、収集タンクおよび/または投与タンクが設けられるか否かは重要ではない。しかしながら、このようなタンクの設備は、後述される本発明の改良において有利である。添付の特許請求の範囲に規定されるような本発明の範囲から逸脱することなく、追加のタンクを実際に上述したタンクと一緒に設けることもできると理解されたい。
【0037】
凝集タンク12は、凹版印刷機10から生じる廃液に含まれるインク成分の凝集を引き起こす、適切な凝集剤(または「反応物」)の供給を受ける。このような凝集剤は特に、欧州特許出願第EP0927632A1号に記載された種類のものとすることができる。凝集プロセスにより、凝集液が凝集タンク12内に生成される、すなわち、廃液内に分散したインク成分が大きな一群または「塊(floe)」を形成する液を溶液から簡単に分離させることができる。
【0038】
この第1の実施形態によると、凝集液は、凝集タンク12から、遠心分離によって凝集液を更に処理される上澄液(以下「遠心上清」という)と廃棄処分される沈降または「沈殿物」とに分離するように設計された遠心分離ユニット13に供給される。
【0039】
遠心分離ユニット13の利点は、リサイクル効率を向上させることに加えて、さらに、凝集タンク12内の液に添加される選択された凝集剤の実質的に全てが、遠心分離ユニット13によって分離される沈殿物と共に除去されるという点にある。
【0040】
遠心上清が処理タンク14に供給され、濾過助剤が、濾過ユニット15によるその後の濾過を補助するために供給される。濾過助剤はパーライトが好ましいが、他の濾過助剤を意図することもできる。本発明により、以前の解決策と比較して必要な濾過助剤の量が非常に少なく、これは、稼動費用に非常に好ましい効果を有し、装置の動作およびメンテナンスを非常に単純化させる。比較してみると、この第1の実施形態は、以前の溶液に必要であった濾過助剤の量の一部のみを必要としており、消費の改善率は約10倍である。
【0041】
前処理済液は、濾過するために、処理タンク14から濾過ユニット15に供給される。濾過ユニットは、機械的動作によって濾過を行う圧濾過ユニットが好ましく、前処理済液は、バッチ式の濾過プレートによって分割された濾過チャンバ内に装填され、濾過プレートは高圧の下で互いに押しつけられて、前処理済液を「再生液」と称される上澄液と沈殿物とに分離し、この沈殿物は再び廃棄処分される。
【0042】
例示の目的のために、
図1の装置01の理論的なリサイクル効率は98.98%に達すると推定され、これは、凹版印刷機10から生じる1000リットルの所与の量の廃液から、989.8リットルの溶液が再生液として回収されるということを意味している。
【0043】
次いで、再生液が投与タンク16に供給され、新たな成分、例えば、軟水、苛性ソーダ(NaOH)およびスルホン化ひまし油(S.C.O.)を添加して投与し、所望の成分を有する新たなワイピング液を完成させて生成する。この新たなワイピング液は、凹版印刷機10で再利用することができる。
【0044】
上記のリサイクルシステムから更に改善することも予想できる。特に、溶液を更に処理して、上記のリサイクルシステムでは分離されない、その中に含まれている可能性がある有機残留物を除去することが実際には好ましい。このような有機残留物は、新たなワイピング液の成分として使用されるスルホン化ひまし油(S.C.O.)のような、インク成分などの成分の残留物であってもよい。このために、
図1の参照番号20によって全体的に指定された第2の廃液処理システムが提供されることが好ましい。この第2の廃液処理システム20は特に、選択分量のワイピング液を処理し、その中に含まれる残りの有機残留物を除去するように設計される。適切な分量(例えば約3%)のワイピング液を、更に処理するために、処理済みワイピング液の一部を抽出することによって連続的に、あるいは所定量の処理済みワイピング液を周期的に抽出することによって半連続的に、抽出することができる。好適には、第2の廃液処理システム20によって処理される選択分量のワイピング液は、全ての無機インク成分(および、有機残留物の全てではなく一部)が既に上記のリサイクルシステムにより除去されているため、濾過ユニット15から得られる再生液から取り出される。
図1に概略的に示すように濾過ユニット15の出力に接続された導管のような、選択分量のワイピング液の抽出を行う任意の適切な手段を使用することができ、この導管は、望ましい分量のワイピング液を抽出するために選択的に開放できるバルブを具える。所望の体積または量のワイピング液を選択的に抽出するように設計されたポンプを具える導管を利用することもできる。
【0045】
第2の廃液処理システム20は、ワイピング液が収集される廃液処理タンク21と、廃液処理タンク21から生じるワイピング液を濾過するための第2の濾過ユニット22とを有利に具える。廃液処理タンク21は、処理剤、好適には、分離される有機残留物と相互作用しうる塩化カルシウム(CaCl
2)などの凝集剤と、廃液のpHを中和する硫酸(H
2SO
4)などの中和剤と、第2の濾過ユニット22によるその後の濾過を補助するパーライトなどの濾過助剤との組み合わせの適切な供給を受ける。
【0046】
第2の濾過ユニット22は、濾過ユニット15と同じ種類の圧濾過ユニットであることが好ましい。第2の濾過ユニット22によって分離される沈殿物は、適切に廃棄される。
【0047】
任意に、蒸発ユニット25はさらに、蒸留水を回収するように、第2の濾過ユニット22から得られる濾過済液を蒸発させるために提供することができ、この蒸留水は、新たなワイピング液を生成するための新たな成分としてリサイクルされる(その場合、回収された蒸留水は投与タンク16に供給し戻すことができる)か、あるいはドレイン26に単に廃棄されうる。蒸発ユニット25によって分離された固体廃物または「塩」は、適切に廃棄される。
【0048】
システムから溢れるワイピング液を収集するためのオーバーフロータンク17を設けて、更に向上させることもできる。この好適な例では、オーバーフロータンク17は、収集タンク11に接続して図示されている。このオーバーフロータンク17は、リサイクルシステムが一般に所定量の溶液のみを処理することができるという点で有意である。例えば、新たなワイピング液の過剰生成によってシステムに生じうるオーバーフローは、どこかで収集されねばならない。有利に、オーバーフロータンク17に収集される溢れたワイピング液は、更に処理するために第2の廃液処理システム20に供給される。
【0049】
図2は、第1の実施形態に関して上述されたリサイクルプロセスを要約したフローチャートである。このフローチャートは説明を要するものでなく、主張された主題の一部をも構成する対応するリサイクルプロセスに関連したステップを列記している。
【0050】
図3は、本発明の第2の実施形態によりワイピング液をリサイクルするための装置のブロック図を示しており、この装置は一般に参照番号02に示される。この第2の実施形態は、第1の実施形態とかなりの類似点を共有しており、両方の実施形態に共通する構成要素は同一の参照番号によって識別され、改めて記載はしない。
【0051】
第1および第2の実施形態の違いは、第1の実施形態の遠心分離ユニット13が、第2の実施形態においては、デカントユニット13aと遠心分離ユニット13bの組み合わせに置換されているという点にあり、これらのユニットは後述するように連結される。
【0052】
図3に示す第2の実施形態によると、凝集液が、凝集タンク12からデカントユニット13aに供給され、このデカントユニット13aは、デカンテーションによって、凝集液を、処理タンク14に供給される上澄液(「デカント上清」という)と、さらに処理される沈殿物とに分離するよう設計されている。デカントユニット13aによって生成される沈殿物は、遠心分離ユニット13bによってさらに処理され、処理タンク14に供給される上澄液(以下「遠心上清」という)と、廃棄される更なる沈殿または「沈殿物」とに更に分離される。したがって、処理タンク14は、デカントユニット13aおよび遠心分離ユニット13bによって分離された廃液の清浄な部分を受け取ると理解されたい。
【0053】
再び、遠心分離ユニット13bの利点は、リサイクル効率を向上させることに加えて、凝集タンク12内の液に添加される選択された凝集剤の実質的に全てが、遠心分離ユニット13bによって分離される沈殿物と共に除去されるという点にある。
【0054】
第1の実施形態と比較すると、デカントユニット13aおよび遠心分離ユニット13bによって分離され、処理タンク14に供給された上澄液は、僅かに高い濃度のインク成分を含んでいる。これは、第2の実施形態が、僅かに多い量の濾過助剤を処理タンク14に供給する必要があることを意味する。それでも、第2の実施形態による濾過助剤の消費量は、以前の解決策の通常消費量よりもはるかに低いままであり、消費量の改善率はそれでも約10倍である。
【0055】
例示する目的のため、
図3の装置02の理論的なリサイクル効率は98.90%に達すると推定され、これは、凹版印刷機10から生じる1000リットルの所与の量の廃液から、989.0リットルの溶液が再生液として回収されるということを意味している。
【0056】
上記の第2の実施形態は、大量の廃液をリサイクルするのに特に有利であり、その状況では、第1の実施形態よりも適している。実際、第2の実施形態によると、廃液量の殆ど(溶液量の約90%)が、デカントユニット13aによってデカント上清に分離され、デカンテーションの沈殿物のみ(溶液量の約10%)が遠心分離ユニット13bによって処理される。遠心分離の能力が限られていると仮定すると、第2の実施形態は、大量の廃液を処理するためには、第1の実施形態よりも適している。
【0057】
図4は、第2の実施形態に関して上述したリサイクルプロセスを要約したフローチャートである。このフローチャートは説明を要するものでなく、主張された主題の一部をも構成する対応するリサイクルプロセスに関連したステップを列記している。
【0058】
遠心分離ユニット13または13bを清掃するための洗浄媒体として、濾過ユニット15から得られた再生液を使用し、上記実施形態を更に向上させることもできる。このような場合、メンテナンス作業中に遠心分離ユニット13または13bの清掃作業を行うため、濾過ユニット15から得られた再生液を、遠心分離ユニット13または13bに選択的に供給し戻すための適切な手段が提供される。これは、例えば、濾過ユニット15の出力と遠心分離ユニット13または13bの間に適切な接続または導管を提供(図面には図示せず)し、メンテナンス作業中に再生液またはその一部を遠心分離ユニット13または13bに供給し戻すことによって実現しうる。
【0059】
一般的見地から、本発明は、1以上の凹版印刷機ワイピング廃液を処理するために遠心分離を使用することを意図しており、この使用は、更に処理するために、ワイピング廃液を凝集した結果として生成される凝集液または凝集液の派生物に遠心分離を施して、上澄液を分離するステップを伴うと理解されたい。遠心分離によって分離される上澄液、また遠心上清はリサイクルされて、上記のような新たなワイピング液を生成することができる。
図3および4の実施形態の状況では、凝集液が最初にデカンテーションを受けて、凝集液を沈殿物とデカント上清に分離し、
沈殿物のみが遠心分離を受ける。
【0060】
様々な改変および/または改善を、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対してすることができる。例えば、更なるタンクを、廃液を収集する、および/またはさらに処理するために設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明の特徴および利点は、本発明の実施形態の以下の詳述を読むとさらに明らかになり、これらの実施形態は非限定的な例として単に示され、添付の図面によって図示されている。
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態によるワイピング液をリサイクルするための装置のブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1の装置によって行われるプロセスのフローチャート図である。
【
図3】
図3は、本発明の第2の実施形態によるワイピング液をリサイクルするための装置のブロック図である。
【
図4】
図4は、
図3の装置によって行われるプロセスのフローチャート図である。
【符号の説明】
【0062】
01 ワイピング液をリサイクルする装置(第1の実施形態)
02 ワイピング液をリサイクルする装置(第2の実施形態)
10 (凹版)印刷機
11 印刷機10から廃液を収集する収集タンク
12 廃液に含まれるインク成分の凝集を引き起こす凝集タンク
13 遠心分離によって、凝集タンク12から生じる廃液(凝集液)を沈殿物と上澄液または「遠心上清」とに分離する遠心分離ユニット(第1の実施形態)
13a デカンテーションによって、凝集タンク12から生じる廃液(凝集液)を沈殿物と上澄液または「デカント上清」とに分離するデカントユニット(第2の実施形態)
13b 遠心分離によって、デカントユニット13aにより生成された沈殿物を、更なる沈殿物と上澄液または「遠心上清」とに更に分離する遠心分離ユニット(第2の実施形態)
14 遠心分離ユニット13から生じる上澄液(第1の実施形態)、デカントユニット13aおよび遠心分離ユニット13bから生じる上澄液(第2の実施形態)を、それぞれ前処理する処理タンク
15 処理タンク14から生じる廃液(前処理済液)を濾過する濾過ユニット(例えば、圧濾過ユニット)
16 濾過ユニット15から生じる再生液を収集し、新たなワイピング液を生成すべく新たな成分を投与する投与タンク
17 システムから溢れたワイピング液を収集するオーバーフロータンク
20 ワイピング液の選択分量を処理し、その中に含まれる有機残留物を除去する第2の廃液処理システム
21 処理される選択分量のワイピング液を収集する廃液処理タンク
22 廃液処理タンク21から生じる廃液を濾過する第2の濾過ユニット(例えば、圧濾過ユニット)
25 第2の濾過ユニット22から生じる濾過済液を蒸発させて、新たなワイピング液を生成するためにリサイクルされる、または排出される蒸留水を回収する蒸発ユニット
26 ドレイン