(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カセット筐体には、前記カード収納部の最前列のカード表面に前記ピックアップ手段を係合させるピッカー開口が設けられ、前記カード係止面とピッカー開口と給紙開口部とは、この順にカード給送方向に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
前記装置ハウジングには、前記カードカセットを装着するカセット装着開口が設けられ、このカセット装着開口は、カードカセットのカード搬出方向と略同一方向に、装着及び離脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックカード、厚紙カードなどのカード収納カセットに係わり、印字、画像、磁気情報、IC情報を記録する情報記録装置に大量のカードを簡単に装着及び取外すことが可能なカード収納構造の改良に関する。
【0002】
一般に、カードに情報記録する情報記録装置は、カードプリンタ、磁気記録装置、IC記録装置など用途に応じて多用の記録装置が知られている。これらの装置には、カード供給部が設けられ、収納スタッカに収納したカードを1枚ずつ記録処理するようにしている。
【0003】
例えば特許文献1には、カード供給スタッカから装置内にカードを1枚ずつ給送し、このカードの表裏面に画像データを印刷する装置が開示されている。そしてカード供給部にはホッパが設けられ、このホッパに積層状に複数のカードを積層状に積み重ねて収納している。このようにカードを上下に積み重ねて収納するホッパ装置はカード取扱い装置では広く知られている。そして同文献に開示されているように積層状に積み重ねたカードを最下層から1枚ずつ積載方向と直交する水平方向に繰り出して処理している。
【0004】
このようなカード収納方法では収納容量を大きくすると、ホッパ部が上下方向に大型となるのに対して、記録部は水平方向に配置されている。これはカードを水平姿勢で積載収納し、このカードを水平方向に引き出して画像形成などの処理をする関係からレイアウトされている。
【0005】
一方、特許文献2には、複数のカードを立てた姿勢で前後に整列収納し、最前列のカードから装置内に繰り出す装置が開示されている。同文献には装置底部にボックス形状のカセットを装着し、その最前列のカードをピックアップローラで
繰り出す装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように複数のカードを収納して、これを1枚ずつ記録処理する装置では、複数のカードを上下に積層状に収容している。このためカードの収納量が限られる問題がある。これは例えば水平姿勢で上下に積載収納したカードを水平方向に繰り出して画像形成、磁気記憶などの情報を記録処理しているため、装置にデッドスペースが生じて大型化するため、カードの収納容量を比較的少なくしている。
【0008】
一方、各種証明用のカード(IDカードなど)或いは商取引用のカード(クレジットカードなど)は、その管理が重要となり、例えば装置不使用時には未使用のカード(ブランクカード)を装置から取り外して保管庫に収容する必要がある。これは、証明用カードとしてロゴなどが印刷されているとき、或いは商取引カードとして磁気、IC情報が既に記録されているときにはその保管を厳重にするためである。
【0009】
このような、複数のカードを使用の都度、装置に着脱する場合には、大容量のカード保管と同時に着脱時にカードが散乱しない配慮が必要となる。そこで引用文献2には、複数のカードを立てた状態(立位姿勢)で収納して大容量化を図ることが提案されている。ところが同文献のカードカセットは収納ボックスに鉛直姿勢で前後に整列収容し、最後列のカードをサポート部材で操出方向に付勢している。
【0010】
従って従来知られている立位姿勢のカード収納は、カードの補充或いは交換時にサポート部材をカードから引き離すと
図7に示すようにカードが転倒(もしくは、カードが図中左側に転倒)する問題が生ずる。このカード転倒は給紙部でカードがジャムしたとき、そのジャム処理のため最前列のジャムカードを取り除くときにも同様の問題が生ずる。
【0011】
そこで本発明者は、カードを収納カセットに所定角度前傾した状態で収容するとの着想に至った。そしてこの角度を通常使用する机、テーブルなどの設置角度から容易に転倒しない角度に設定する。これによって使用者がカード補充する際、或いはジャムカードを取り除く際にサポート部材をカードから引き離してもカードが転倒することがなくその作業が容易となる。
【0012】
本発明は、給紙部に複数のカードを収納する際に、大容量のカード収納が可能であると共に、カードの補充作業と不良カードの除去作業が容易である情報記録装置の提供をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を達成するため、本発明は、装置ハウジングにカードに情報を記録する情報記録部と、情報記録部にカードを供給する着脱自在のカードカセットとを設け、このカードカセットを、複数のカードを立位姿勢で操出方向前後に整列して収納するカード収納部と、この収納部にカードを立位姿勢で載置するカード載置面と、最前列のカードと係合するカード係止面を設け、このカード係止面にはカードを前傾姿勢で係止する傾斜面を形成する。そして最前列のカードが前傾姿勢でカード係止面に係合するように最後列のカード背面をサポート部材で付勢する。
そして、
前記カード収容部には、カードを立位姿勢で載置するカード載置面と、最前列のカードを前傾姿勢で係止する傾斜面を有するカード係止面と、が設けられ、前記カード載置面は、前記装置ハウジングのカードカセット支持面に対して、カードの操出方向に向かって漸次低くなる傾斜面又は段階的に低くなる段差面で構成され、前記カードカセットは、カードを前記カードカセットから前記装置ハウジング側に供給するカード供給方向と略同一方向に着脱可能に構成
された
、ことを特徴としている。
【0014】
装置ハウジングと、カードに情報を記録する情報記録部と、情報記録部にカードを供給するカードカセットと、カードカセットからカードを繰り出すピックアップローラと、カードカセットに収納されたカードを1枚ずつ分離する分離手段とを備える。
上記カードカセットは、カセット筐体と、その内部に設けられ複数のカードを立位姿勢で操出方向前後に整列して収納するカード収納部と、最前列のカードを上記情報記録部に向けて給送する給紙開口と、最後列のカード背面を支持するサポート部材と、これをカードの操出方向に付勢する付勢手段とから構成する。
そして上記カード収容部には、カードを立位姿勢で載置するカード載置面と、最前列のカードと係合するカード係止面と、を設け、このカード載置面には操出方向にカードを前傾させる高低差を、カード係止面にはカードを前傾姿勢で係止する傾斜面を備える。
【0015】
上記カセット筐体には、カード収納部の最前列のカード表面にピックアップ手段を係合させるピッカー開口を設け、上記カード係止面とピッカー開口と給紙開口部とは、この順にカード給送方向に配置する。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、カード収納部を複数のカードを立位姿勢で操出方向前後に整列して収納するように構成し、その最前列のカードと係合するカード係止面にカードを前傾姿勢で係止する傾斜面を設けたものであるから以下の効果を奏する。
【0017】
本発明は、カード収納部を複数のカードを立位姿勢で操出方向前後に整列して収納するように構成し、最前列のカードを給紙開口から情報記録装置内部に供給するように構成したので、従来のカードを水平姿勢で上下に積層収納して水平方向に配置した記録部で記録する場合に比べ、大容量のカードを収納することが出来る。
【0018】
これと共に、最前列のカードと係合するカード係止面にカードを前傾姿勢で係止する傾斜面を設けているので、カード収納部に収納されたカードは前傾姿勢で収容部に支持されることとなる。このため、カードの補充作業の時、或いは最前列のカードがジャムしたときこれを取り出す作業の時、収納されているカードが倒れて乱れる恐れが少なく、その作業が容易である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図示の好適な実施の形態に基づいて本発明を詳述する。
図1は本発明に係わる情報記録装置1の全体構成の説明図である。
図1の装置は各種証明用のIDカード、商取引用のクレジットカードなどに情報を記録する。このため装置ハウジング2には情報記録部Aとカード供給部Cが備えられる。情報記録部Aは磁気記録部A1と、IC記録部A2と画像情報記録部A3で構成されている。この情報記録部Aは装置仕様に応じて種々の記録部、例えばバーコード記録部などで構成する。
【0021】
上記カード供給部Cは、複数枚のカードを収納するカセットで構成する。このカセットは例えば装置ハウジング2にホッパ状のカセットを設けるか、装置ハウジングから分離したカードカセット3で構成する。
【0022】
図8はカードカセット3を装置ハウジング2から取り外した状態を示している。例えば、従来のようにカードカセットをカード供給方向と直行する方向に引き出す構成では、カード供給部でカードジャムを起こしたときにカードカセットを引き出すことができず、ジャム解除が困難であった。しかし、本実施形態ではカードカセット3を不図示の取っ手で引き上げることにより上方向(後述するカード供給方向と略同一方向)に着脱可能に構成されているため、供給部でカードジャムを起こしたときにカードカセット3を取り外してジャム解除が可能になる。
なお、本実施形態ではカード供給方向は傾斜しているが、カードカセット3の着脱方向は斜めである必要はなく、装置ハウジング2に対して上方向に引き上げられる構成であればよい。
【0023】
[カード供給部]
図1の装置におけるカード供給部Cの構成について説明する。
図1の装置はカード供給部Cをカードカセット3で構成している。カードカセット3は、
図2に示すようにボックス形状のカセット筐体3a(以下「筐体」という)と、この筐体内に設けられたカード収容部4で構成される。このカード収納部4は、複数のカードを立位姿勢で整列して収納可能なカード寸法に適合する収容スペースで構成されている。このカード収納部4には図示上方にカードを出し入れする開口部4aが設けられ、この開口部を開閉する開閉カバー(開閉蓋)3bがヒンジ連結されている。
【0024】
上記カード収納部4は、
図2及び
図3に示すように一端(図示左端)から他端(右端)にカードを前後に整列して立位姿勢で収納するスペース形状に構成されている。このスペースにはカードを立位姿勢で載置するカード載置面5と、最前列のカードを係止するカード係止面6が設けられている。
【0025】
上記カード載置面5とカード係止面6はカードを前傾姿勢で保持する。このためカード載置面5は操出方向(矢示X方向)に高低差Δdを有する傾斜面5aか、若しくは段差面5bで構成されている。また、カード係止面6はカードを前傾姿勢で係止する傾斜面6aで形成されている。繰出方向とは、言い換えるとカード集積方向でカード係止面6に向かう方向である。
【0026】
本実施形態のように、カード載置面を操出方向に段階的に低くなる複数の段差面で構成することによって、これに立位姿勢で載置されるカード下端縁が段差部で係止され前傾姿勢方向に倒れることがない。これによってカードカセット3を取り外してカードを補充する際にカードが倒れないので補充作業が容易になる。
【0027】
図3(a)はカード収容部4の構成図であり、同図(b)はカード載置面5を段差面5bで構成する場合を、同図(c)は傾斜面5aで構成する場合を示し、いずれも操出方向Xに低くなる高低差Δdが形成され、カード係止面6の傾斜面6aは、高低差Δdと適合する角度θに形成されている。
【0028】
なお、図示しないがカード係止面6は必ずしも平面で構成する必要はなく、カード前面を前傾姿勢で係止する突起で構成しても良い。この場合にはカード上方と当接する突起とカード下方と当接する突起に高低差を設ける。
【0029】
上記カード収納部4には、給紙開口7が操出方向先端部に設けてある。この給紙開口7は最前列のカードを筐体外部に搬出可能な開口で構成されている。そして
図3に示すようにカード係止面6に前傾姿勢で係止された最前列のカードを筐体3aの底部から外部に搬出するスリット形状に形成されている。この給紙開口7は
図4に示すようなカード厚さに適合するスリット厚さ(d)と幅(e)を有し、最前列のカードのみが通過可能なスリット厚さ(d)に形成されている。この給紙開口7で後述するピックアップローラ19でカードを繰り出す際に一枚ずつ分離する分離手段を構成している。
【0030】
図示の装置はこの給紙開口7でカードを分離するのと同時に
図4に示すようにカード両端部(中央1個所でも良い)に分離パッド8a、8bと、アイドルコロ9が対向配置されている。そして分離パッド8a(8b)はゴムなどの高摩擦係数の弾性部材で形成され、アイドルコロ9との間でカードを分離する。つまり上述のスリット厚さ(d)を通過した2枚以上のカードをこの摩擦パッド8a、8bで分離する。これと共にスリット厚さ(d)は収納するカードの厚さに応じて調整可能に構成されている。なお、カードカセット3を装置から外したときに、この分離パッド8a、8bがカードを抑えることにより、カードが給紙開口7から飛び出さない。
【0031】
図示の調整機構は、
図4に示すようにスリット厚さ(d)は、偏心カム10で形成され、このカム表面10aは徐々に図示厚スリットさ(d)を変更可能に形成され、調整ツマミ10bで回転角度を設定するようになっている。
【0032】
上記カード収納部4には、最前列のカード表面に後述するピックアップ手段19を係合させるピッカー開口11が設けられている。このピッカー開口11は、最前列のカードを給紙開口7から繰り出すため、後述するピックアップローラ19を最前列のカードに係合させる開口として形成されている。このピッカー開口11は上述したカード係止面6と給紙開口7との間に配置され、カード給送方向Y(
図3矢示)に沿ってカード係止面6、ピッカー開口11、給紙開口7の順に配置されている。
【0033】
このように前傾姿勢でカードを支持するカード係止面6に対して、ピッカー開口11と給紙開口7を配置することによって
図3に示すような三角形状のスペースArが形成される。このスペース内に後述するピックアップローラ19を配置することによって装置の省スペース化が可能となる。
【0034】
上記カード収納部4には、
図3に示すように、カード収容部4に収容された最後列のカード背面を支持するサポート部材12が設けられている。このサポート部材12は、プレート部材、ブロック部材などカードの背面を押圧支持する部材で構成され、立位姿勢で整列収容されているカードを操出方向Xに繰り出す。図示の装置は
図1及び
図5に示すようにサポート部材12は筐体3aの内側壁に形成されたガイド溝13に操出方向Xにスライド可能に支持されている。このサポート部材12には操作ノブ14が一体形成され、このノブを操作することによってカードを支持する作動位置と、これから退避した退避位置との間でサポート部材12は移動可能となる。
【0035】
上記サポート部材12には、これをカードの操出方向に付勢する付勢手段15が設けられている。図示の付勢手段15はスプリングで構成され、スプリングの一端15aが筐体3aに固定され、他端15bがサポート部材12に固定されている。図示15PはスプリングをUターン状に支持するプーリである。そして付勢手段15は
図5に示すように筐体3aの側面部に配置されている。
なお、サポート部材12の上部にはカードとの間に隙間を作るようにテーパ面12xが設けられている。よって、少数のカードを補充する場合はサポート部材12がカードを押圧している状態でテーパ面にカードを挿入することで補充することができ、操作ノブ14でサポート部材12を移動させる必要がない。
【0036】
また、上記操作ノブ14はサポート部材12に揺動可能なヒンジ連結され、この装置の部材を
図5に示すラッチ溝16に係止するようになっている。このラッチ溝16に係止することによってサポート部材12を退避位置に保持する。このラッチ溝16に係止された操作ノブ14は
図2破線状態となって開閉カバー3bの閉蓋を阻止する。これによってサポート部材12が退避位置に係止された状態では開閉カバー3bの閉鎖を阻止し、サポート部材12が作動状態のときのみ開閉カバー3bを閉じることが出来る。
【0037】
なお、
図3に示す19はピックアップローラであり、9は分離ギャップを形成する分離ローラ(アイドルコロ)である。図示22は搬入ローラであり、給紙開口7から繰り出されたカードを下流側に搬送する。図示Rcはこの搬入ローラ22に圧接したクリーニングローラであり、搬入ローラ22に付着したゴミを除去する。
なお、搬入ローラ22に粘着性を持たせ、クリーニングローラRcは更に強い粘着性を持たせるようにして、搬入ローラ22がカードからゴミを除去し、クリーニングローラRcが搬入ローラ22のゴミを更に除去するようにしてもよい。
そしてカードカセット3の下流側には、反転ユニットFが配置され、この反転ユニットはカードカセット3から送られたカードを所定角度方向に旋回可能に構成されている。
【0038】
[情報記録部の構成]
図1に基づいて情報記録部Aの構成を説明する。カードカセット3から送られたカード(記録媒体;以下同様)は搬入ローラ22から反転ユニットFに送られる。反転ユニットFは装置フレーム(不図示)に旋回動可能に軸受け支持されたユニットフレームと、このフレームに支持された一対、或いは複数のローラ対で構成される。
【0039】
図示のものは距離を隔てて前後に配置された2つのローラ対20、21をユニットフレームに回転自在に軸支持されている。そしてユニットフレームは旋回モータ(パルスモータなど)で所定角度方向に旋回動し、これに取付けられているローラ対は搬送モータで正逆転方向に回転するように構成されている。この駆動機構は図示しないが、例えば1つのパルスモータでユニットフレームの旋回動と、ローラ対の回転をクラッチで切り換えるように構成する。
【0040】
従ってカードカセット3に準備されたカードはピックアップローラ19によって繰出され、偏心カム10と分離ローラ9によって形成された分離ギャップで1枚ずつ分離され下流側の反転ユニットFに送られる。そして反転ユニットFはカードをローラ対20、21でユニット内に搬入し、ローラ対でニップした状態で所定角度方向に姿勢偏向することとなる。
【0041】
上記反転ユニットFの旋回方向外周には、磁気記録ユニット24と、非接触式IC記録ユニット23及び接触式IC記録ユニット27と、リジェクトスタッカ25が配置されている。尚図示28はバーコードリーダであり、例えば後述する画像形成部Bで印刷したバーコードを読み取って正誤判別(エラー判別)するためのユニットである。以下これらの記録ユニットをデータ記録ユニットという。
【0042】
従って反転ユニットFで所定の角度方向に姿勢偏向されたカードをローラ対20、21で記録ユニットに移送すると、カード上に磁気的若しくは電気的にデータ入力することが可能となる。またこれらのデータ入力ユニットで記録ミスが生じた場合にはリジェクトスタッカ25に搬出する。
【0043】
上記反転ユニットFの下流側には画像形成部Bが設けられ、この画像形成部Bにカードカセット3からカードを移送する搬入経路P1が設けられ、この経路P1に前述の反転ユニットFが配置されている。また、搬入経路P1にはカードを搬送する搬送ローラ(ベルトでも良い)29、30が配置され、図示しない搬送モータに連結されている。この搬送ローラ29、30は正逆転切り換え可能に構成され、反転ユニットFから画像形成部Bにカードを搬送するのと同時に画像形成部Bからカードを反転ユニットFに搬送するようになっている。
【0044】
上記画像形成部Bの下流側には収容スタッカ60にカードを移送する搬出経路P2が設けられている。搬出経路P2にはカードを搬送する搬送ローラ(ベルトでも良い)37、38が配置され、図示しない搬送モータに連結されている。
【0045】
尚、搬送ローラ37と搬送ローラ38の間にはディカールローラ36が配置され、搬送ローラ37、38間に保持されたカード中央部を押圧することによってカール矯正する。このためディカールローラ36は図示しない昇降機構で
図1上下方向に位置移動可能に構成されている。
【0046】
「画像形成部」
画像形成部Bは、カードの表裏面に顔写真、文字データなど画像を形成する。図示の装置は昇華型インクリボンで画像形成する場合を示している。
【0047】
画像形成部Bにはサーマルヘッド40とインクリボン41が配置されている。インクリボン41はカートリッジ42に収納され、このカートリッジ42に操出ロール43と巻取ロール44が収容され、巻取ロール44には図示しないワインドモータMr1が連結されている。
【0048】
そしてプラテンローラ45に対向する位置にサーマルヘッド40が配置されている。このサーマルヘッド40にはヘッドコントロール用IC74x(
図6参照)が連結され、サーマルヘッド40を熱制御するようになっている。このヘッドコントロール用IC74xは画像データに従ってサーマルヘッド40を加熱制御することによってインクリボン41を後述する転写フィルム46に画像形成する。このためサーマルヘッド40の熱制御と同期して巻取ロール44が回転し、インクリボン41を所定速度で巻き取るように構成されている。図示f1はサーマルヘッド40を冷やす為の冷却ファンである。
【0049】
上記転写フィルム46は巻取ロール47と操出ロール48に巻回され、この転写フィルム46はプラテンローラ31とヒートローラ33に転写画像を移送するように巻装されている。図示49は転写フィルム46の移送ローラであり、その周面にピンチローラ32aと32bが配置され、この移送ローラ49には図示しない駆動モータに連結されている。そして転写フィルム46は、インクリボン41と同一速度で
図1反時計方向に移動する。
【0050】
またヒートローラ33には、搬入経路P1に配置されているプラテンローラ31に転写フィルム46を介して圧接離間するように昇降機構(不図示)が設けられている。このヒートローラ33は加熱ローラで構成され、内部に配置されている加熱手段で転写フィルム46上の画像をカード表面に転写する。尚図示Se11はインクリボン41の位置検出センサであり、図示Se13は転写フィルム46の有無検出センサである。尚、画像形成部Bには装置内に発生した熱を外に出す為のファンf2が設けられている。
【0051】
「収容部」
収容部Iは
図1に示すように画像形成部Bから送られたカードを収容スタッカ60に収容するように構成されている。この収容スタッカ60は図示しない昇降機構61とレベルセンサで、最上カードを検出し、昇降機構61で
図1下側に下降移動するように構成されている。
【0052】
[制御構成]
図6に本発明に係わる制御構成について説明する。制御部Hは、例えば制御CPU70で構成し、このCPU70にはROM71とRAM72が備えられている。そして制御CPU70には、データ入力制御部73と、画像形成制御部74と、カード搬送制御部75が構成されている。
そしてカード搬送制御部75は搬入経路P1と搬出経路P2に配置されているカード搬送手段(
図1に示す搬送ローラ対)を制御するように図示しない駆動モータのドライブ回路にコマンド信号を送信する。このカード搬送制御部75は反転ユニットFの旋回モータのドライブ回路にコマンド信号を送信する。
【0053】
上記カード搬送制御部75には、センサSe1〜Se10の状態信号を受信するようにそれぞれのセンサと電気的に接続されている。これと共にデータ入力制御部73からジョブ信号を受信するように接続されている。
【0054】
上記データ入力制御部73は、磁気記録部A1に内蔵されているデータR/W用のIC73xに入力データの送受信を制御するコマンド信号を送信し、同様にIC記録部A2のデータR/W用のIC73yにコマンド信号を送信するように構成されている。上記画像形成制御部74は、画像形成部Bでカードの表裏面への画像形成を制御する。
【0055】
そして上記RAM72には、データ入力部(磁気・IC記録部)でカード上にデータ入力する処理時間が、例えばデータテーブルに記憶されている。
【0056】
そして、カード搬送制御部75には監視手段と判断手段が設けられ、いずれも制御CPU70の制御プログラムに組み込まれている。この監視手段は、各センサの状態信号と、データ入力制御部73のジョブ信号を受信して、装置内に存在するカードの搬送状態を監視するように構成されている。