【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の課題は、制限されたバーナ出口領域を使用した場合に、下流側の構成部材、たとえば燃焼室およびタービン構成部材の設計における制限を減じるか、または排除することである。バーナ出口領域は、バーナ内での逆火を阻止することができるように、バーナ内で十分な流れ速度を保証するために制限されている。しかし、燃料噴射箇所からバーナ出口への所定の最短の長さが、バーナ内での十分な混合を可能にするために要求されている。
【0007】
この課題は、特に第1の燃焼室および第2の燃焼室を有するガスタービンの2次燃焼室に用いられるバーナであって、少なくとも1種のガス状の燃料をバーナ内に導入する噴射装置を備え、このバーナの噴射装置が、少なくとも1つのボディまたはランスを有しており、該ボディまたはランスはバーナ内に配置されており、このボディは、バーナ内に少なくとも1種のガス状の燃料を導入する少なくとも1つのノズルを有している、バーナを提供することにより達成される。
【0008】
1つの態様によれば、少なくとも1つのボディは流線形のボディとして構成されていてよく、該流線形のボディは、流線形の横断面プロフィルを有し、かつ該流線形のボディは、長手方向で、バーナ内で優勢な主流方向に対して垂直方向に、または傾斜して延びている。少なくとも1つのノズルは、その出口オリフィスを流線形のボディの後縁に、または後縁内に有している。本発明によるボディは、2つの横方向の表面を有し(通常は少なくとも、1つの中心ボディのために基本的に主流方向に対して平行であり、かつ収束している、つまり他方に対して傾斜している)、少なくとも1つの横方向の表面上の少なくとも1つのノズルの上流側に、少なくとも1つの渦発生器が配置されている。
【0009】
二次燃焼室のためのこのようなバーナは、逐次燃焼を有するガスタービンの一部であってよく、ガスタービンは、コンプレッサと、該コンプレッサから圧縮された空気を受け取る、第1の燃焼室および第1のバーナを有する第1の燃焼器と、該第1の燃焼器から予め規定された第2の燃焼器入口温度で高温ガスを受け取る、第2の燃焼室および二次バーナ(第2のバーナとも呼ばれる)を有する第2の燃焼器と、第2の燃焼器から高温ガスを受け取るタービンとを備える。タービンは、第1の燃焼器と第2の燃焼器との間に配置されていてよい。
【0010】
本発明の1つの態様は、公知先行技術に関して別個のエレメント(別個の燃料噴射装置の上流側の別構造の渦発生エレメント)として従来使用されているような渦発生器と燃料噴射装置とをまとめて、組合わされた単独の渦発生・燃料噴射装置を形成することにある。
【0011】
渦発生器と燃料噴射装置とをまとめることによって、燃料と酸化空気との混合および渦発生が、空間的に極めて近接し、かつ極めて効率的に行われ、これにより、一層迅速な混合が可能であり、混合ゾーンの長さを減じることができる。しかも、幾つかのケースでは、酸化空気通路内のボディの相応する設計および配向によって、ボディが流れ調整を引き受けるので、流れ調整エレメント(タービン出口ガイドベーン)を省略することも可能である。これら全てのことは、噴射装置に沿った深刻な圧力降下なしに可能であり、これによりプロセスの全体効率は維持され得る。
【0012】
1つのバーナ内に少なくとも1つのこのような噴射装置が配置されており、好適には少なくとも2つのこのような噴射装置が1つのバーナ内に配置されている。典型的には、半径方向に延びる多数の噴射装置が、中心ボディの周りに配置されていて、たとえば10個,12個,14個、またはそれ以上のこのような噴射装置が1つのバーナ内に配置されている。
【0013】
第1のシステムでは、燃料および空気は予混合され、伝播火炎は、注意深く制御された空気力学的な構造を使用して安定化されている。
【0014】
第2の燃焼システムでは、燃料は、第1のシステムの排ガス内に噴射され、燃焼が発生する前に混合される。この燃焼システムへの入口温度は、燃料の自己着火温度を超過しているので、燃焼は特徴的な遅れ時間後に発生する。
【0015】
したがって、火炎は、流速および特徴的な自己着火遅れ時間によって与えられた予め規定された箇所で自己安定するので、複雑な空気力学的な火炎安定装置は必要ない。
【0016】
第2のチャンバ内の火炎は自己着火により開始されるので、噴射後滞留時間(post injection residence time)、つまり噴射平面の下流側での滞留時間、ひいては噴射後バーナ容積は、重要な機能的特徴である。
【0017】
噴射後容積は、自己着火プロセスを通じた流入状態により設定されるのに対して、バーナ下流側の噴射平面の長さは、高品質の混合を保証するために最大にされる必要がある。この理由から、バーナ出口領域は、バーナ主流速度と相まって、たとえば、GT24/GT26として知られ、かつ欧州特許出願公開第0620362号明細書に記載の現在の逐次燃焼ガスタービンのような一般的な再熱燃焼システムにおける大幅に制限された設計パラメータである。上掲の欧州特許明細書は、本明細書の組み込まれた部分を成す。
【0018】
燃焼室または他の下流側の構成部材とバーナとが一体にされている場合、多数の付加的な設計要求が、バーナ出口の選択に対する制約を課す。この付加的な要求は、自己着火プロセスに基づいて必要となるバーナ領域とも対立し得る。このことは、複雑な設計の妥協点の必要性をもたらす。
【0019】
燃焼システムが、缶型の燃焼システム内に構成されることが要求されている場合、軸線対称な設計、つまり円筒状の設計が明らかに適している。しかし、このことは、半径方向に延びる噴射装置の構想を適用した場合に重大な別の問題を引き起こす。なぜならば、半径方向に延びる噴射装置の増大する間隔に基づく大きな半径において必要とされる周方向の混合が増大するからである。
【0020】
周方向の混合は達成が困難であり、上述の半径方向に延びる噴射装置の構想とうまく合わない。さらに、燃料空気混合物の自己着火時間を変化させながら火炎固定するために必要となる、バーナ出口の外壁と燃焼室入口における燃焼室壁との間の半径方向の段部は、概して燃焼システムの全体の大きさに比例して増大する。大きなシステムのために、燃焼室壁に向かってバーナを出た流れの再付着は、反応ゾーン内では行われないか、または反応ゾーンのかなり下流側でしか行われない。この遅い再付着は、不安定な燃焼および不完全燃焼をもたらす。
【0021】
本発明の課題は、バーナ出口領域に関して、大きなセンタボディと協働する改善された再熱バーナ構想を提供することである。センタボディの下流側の表面の面積の、センタボディの下流側の表面を含むバーナ出口面積に対する比が、0.6より大きく、好適には0.8よりも大きい場合に、センタボディは大きいと云う。
【0022】
このセンタボディは、燃料がセンタボディと外側バーナ壁との間でダクト内に噴射される噴射平面の上流側で開始し、次いで、センタボディは、バーナの出口に向かって下流側に延びている。センタボディは、第2の燃焼室の上流側に配置されていて、第2の燃焼室入口で終わっている。バーナと後続の第2の燃焼室とにより区画された流れダクトの横断面は、段階式に、バーナ出口から第2の燃焼室入口にまで増大する。外側のバーナ壁から燃焼室入口への段部は、第2の燃焼室壁に向かってバーナを出る流れの良好な再付着を保証するために制限されている。この段部は、バーナ出口の周長に対する、燃焼室入口の周長の比により特徴付けられていてよい。1つの態様によれば、バーナ出口の周長と燃焼室入口の周長との比は、0.6〜1の範囲である。別の態様によれば、この比は、0.7〜0.9の範囲である。さらに別の態様では、この比は、0.8〜1の範囲である。
【0023】
センタボディは、燃料噴射装置の長さ対高さの増大された比による改善された混合と、上述の設計態様と同等の滞留時間のための混合通路とを提供し、バーナおよび混合領域に適合する。
【0024】
1つの態様によれば、センタボディは円形の横断面を有しており、燃焼室入口は円形の横断面を有しており、かつバーナ出口は、環状の横断面を有している。この態様では、センタボディは、その流れ方向の終端部で、環状ダクトの外径と、後続の第2の燃焼室との間の横断面領域に関して、筒状またはほぼ円筒状の端部を有していてよい。センタボディの表面の、環状ダクトの横断面領域に関して全体的に円錐形、部分的に円錐形、または中間が円錐形のトポグラフィ(形状)も可能である。
【0025】
センタボディは、環状ダクトおよび燃焼室の横断面積に関して種々異なる寸法で設計されていてよい。
【0026】
噴射平面は、少なくとも1つの噴射装置から成っており、該噴射装置は、センタボディに対して半径方向またはほぼ半径方向に配置されている。少なくとも1種の燃料をバーナの環状ダクト内に導入する噴射装置は、少なくとも1つの流線形のボディを有している。この流線形のボディは、バーナの環状の空間内に配置されていて、バーナの環状ダクト内に少なくとも1種の燃料を導入するための少なくとも1つのノズルを有している。
【0027】
流線形のボディのプロフィルは、主流方向に対して平行であってよい。しかし、流線形のボディは、該流線形のボディの長手方向の延在部分の少なくとも所定の部分にわたって、主流方向に関して傾斜していてもよい。この場合、たとえば流線形のボディのプロフィルは、たとえば長手方向の中点の両側で長手方向軸線に関して両方向に、回転しているか、または捻れていてよく、これにより主流に穏やかなスワール(回旋流)を与えることができる。
【0028】
たとえば欧州特許第2496882号明細書から公知の噴射装置フルートが使用され得る。このようなフルートは、少なくとも1つのボディを有しており、該ボディは、バーナ内に配置され、(バーナ内に少なくとも1種のガス状または液状の燃料を導入するための)少なくとも1つのノズルを備えている。少なくとも1つのボディは、流線形の横断面プロフィルを有し、かつ長手方向で、バーナ内で優勢な主流方向に対して垂直方向に、または傾斜して延びる流線形のボディとして形成されている。この場合、ボディは、主流方向に対して基本的に平行な2つの横方向面を有している。さらに、このようなフルートは、少なくとも1種の燃料をバーナ内に導入するための少なくとも1つのノズルを有している。
【0029】
さらにひだを有する流線形のボディが噴射装置として使用されていてよい。ひだ状の各流線形のボディは、流線形の横断面プロフィルを有している。この流線形のボディは、長手方向で、バーナ内で優勢な主流方向に対して垂直方向に、または傾斜して延びている。この場合、流線形のボディの中心平面に関して、後縁には少なくとも2つのひだが正反対の横方向で設けられている。さらに、このようなひだ状の流線形のボディは、バーナ内に少なくとも1種の燃料を導入する少なくとも1つのノズルを有している。
【0030】
1つの態様によれば、ひだを形成する流線形のボディの横方向の変位は、最大でも流線形のボディの長さの3分の2よりも下流側で、好適には流線形のボディの長さの下流側の半分で生じる。
【0031】
さらに、英国特許第2216999号明細書から公知のような噴霧バーも噴射装置として使用され得る。
【0032】
挿入された渦発生器(複数)には、冷却エレメントが設けられていてもよい。この場合、好適にはこれらの冷却エレメントは、渦発生器の表面の少なくとも1つに設けられたしみ出し冷却/フィルム冷却孔である(衝突冷却のような内部冷却も可能である)。フィルム冷却孔には、空気がキャリアガス供給部から供給され得る。このキャリアガス供給部は、セットアップを簡単にするために燃料噴射のためにも使用されている。燃料の直列噴射により、低圧のキャリアガスが使用され得る。つまり10〜35barの範囲、好適には16〜25barの範囲の低圧キャリアガスが使用され得るので、同じガス供給部が、燃料噴射のためにも、冷却のためにも使用され得る。
【0033】
環状ダクト内に燃料を導入する上述のノズルは、出口オリフィスを、流線形のボディの後縁に、または流線形のボディの後縁内に有している。流線形のボディは、2つの横方向の表面を有している。上述のノズルの上流側で、少なくとも1つの横方向の表面には、少なくとも1つの渦発生器が配置されている。
【0034】
一般的に、米国特許第580360号明細書および米国特許第5423608号明細書に開示されているような渦発生器が本文脈において使用され得る。これらの2つの文書の開示は、特にこの明細書に記載されたものとする。
【0035】
さらに好適な態様は、流線形のボディが、少なくとも2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のノズルを有していて、これらのノズルは、後縁に沿って互いに異なる位置に(一列に互いに間隔を空けて)配置されており、これら各ノズルの上流側には少なくとも1つの渦発生器が配置されている。
【0036】
2つの渦発生器を、1つのノズルのために、またはノズル対のためにボディの正反対の両側に設けることも可能である。
【0037】
概してノズルに対して相対的な渦発生器の本文脈における「上流側」は、渦発生器が渦流をノズルの位置で発生させるということを意味している。渦発生器は、上流側でノズルに面していてよく、これにより渦流を燃料噴射箇所の近傍にもたらすことができる。
【0038】
好適には、(列設した)ノズルに隣接する複数の渦発生器は、ボディの両方の横方向の表面に配置されている。さらに好適には、2つ、3つ、4つまたはそれ以上のノズルが、後縁に沿って配置されており、渦発生器が交互に2つの横方向の表面に配置されている。
【0039】
一方では、主流方向に対して平行に燃料および/またはキャリアガスを噴射する少なくとも1つのノズルが設けられていることが可能である。このことは、燃料が下流側に極めて迅速に搬送されるので、一層高い反応状態を得ることを可能にし、付加的には低圧のキャリアガスの使用を可能にする。燃料ジェットは、低温のキャリアガス(またはキャリア空気)により取り囲まれていてよく、このことは自発着火を、混合物が燃焼ゾーンに到達するまで遅延させる。一層良好な分布および混合のために、燃焼空気内への燃料の進入を増大させることができるように、キャリアガスは、燃料と共に噴射されてもよい。
【0040】
少なくとも1つのノズルが、燃料および/またはキャリアガスを主流方向に関して傾斜した角度で噴射することも可能である。したがってノズルは、燃料および/又キャリアガスを、好適には主流方向に関して0〜30℃を含む範囲の傾斜角度で噴射してよい。60℃までの傾斜角度も可能である。燃料の傾斜角度は、混合を最適化し、バーナ内での燃料の滞留時間を調節するために使用され得る。
【0041】
1つの態様によれば、各渦発生器の下流側で、燃料を噴射する少なくとも2つのノズルが後縁に配置されている。
【0042】
さらに別の態様では、少なくとも1つの流線形のボディは、流線形の横断面プロフィルを有していて、長手方向で、バーナの環状ダクト内で優勢な主流方向に対して垂直方向に、または傾斜して延びている。燃料を環状ダクト内に導入する上述のノズルは、その出口オリフィスを該流線形のボディの前縁に、または前縁内に有している。
【0043】
各流線形のボディの前縁領域は、前縁位置において優勢な主流方向に対して平行に向けられたプロフィルを有している。平面状の前縁領域から変位部分までの典型的な移行は、滑らかであり、連続一次導関数の関数を表す表面曲率を伴っている。
【0044】
さらに好適な態様は、噴射平面が、予め、少なくとも1つの噴射装置から成っていることにより特徴付けられている。この噴射装置は、センタボディに対して半径方向に、またはほぼ半径方向に配置されている。流線形のボディは、その下流側の端部に複数の渦発生器および/またはひだを有している。これらの渦発生器および/またはひだは、1つまたは複数の隣接するボディに関して位相を合わせて、または互いに位相をずらされて配置されている。この場合、燃料ノズルまたは複数の燃料ノズルは、同心円状に後縁に配置されている。この場合、ひだ状の、つまりひだを有する流線形のボディの配列では、ノズルは、好適には、ひだ状の後縁が中心平面と交差する箇所に配置されている。渦発生器を有する配列では、ノズルは好適には渦発生器の下流側に配置されている。燃料ノズルに関して、1つ配列は、液状の燃料の噴射のための第1のノズルを提起する。これらの第1のノズルは、ガス状の燃料を噴射するための第2のノズルにより取り囲まれている。これらの第2のノズル自体は、第3のノズルまたはキャリアガス噴射により取り囲まれている。
【0045】
付加的には、燃料ガス噴射のための第2のノズルが、後縁に沿った少なくとも1つのひだに沿って延びる1つのスリット状ノズルとして構成されている配列を提供することも可能である。液状燃料噴射のためには、付加的にオリフィスの形態の第1のノズルが第2のノズル内に配置されている。
【0046】
さらに好適な態様では、噴射装置の高さ、すなわちひだの高さまたは渦流エレメントの高さがその半径方向の位置と共に増大し、これにより発生された渦の強さが、半径方向に延びる噴射装置の長さに沿って増大し、付加的な周方向の混合が、半径方向に延びる噴射装置の外側に端部に向かって提供されている。
【0047】
上記で特定された設計の利点は以下のとおりである。
1.予め定義された噴射後混合容積および長さのために、あらゆるバーナ外径が、センタボディ直径の適切な選択により達成され得る。
2.バーナのハードウェアは、下流側の構成要素、たとえば燃焼室またはタービン構成要素ために、適切な寸法設計を提供するために設計され得る。
3.半径方向に延びる隣接した噴射装置の半径方向またはほぼ半径方向に沿った発散、すなわち、環状のダクトの内径における位置から環状ダクトの外径における位置への、半径方向に延びる隣接した2つの噴射装置の間の距離の半径方向における変化は、環状ダクトの小さな高さにより最小にされる。このことは、従来のフルート使用の経験の適用可能性が維持されることを保証する。
4.半径方向に延びる隣接した噴射装置の半径方向に沿った小さな発散は、半径方向に延びる噴射装置の、センタボディに対して相対的な外側端部において増大する周方向の混合の要求を最小限にする。このことは、良好な混合特徴を維持する。
【0048】
さらに他の利点は以下のように纏められる。
5.反応性の高い燃料を提供するためのより高いバーナ速度。
6.現在の設計により達成されるのと同等の混合レベルのための一層低いバーナ圧力降下。
7.現在の設計と同等のバーナ圧力降下のために高い入口温度で運転可能な第2の燃焼室。
8.高圧のキャリア空気をなくすか、または低圧のキャリア空気と交換する可能性。
9.現在のバーナデザインと同一か、または大きい電力出力用のために、インジェクタ高さに対して増大されたインジェクタ混合長さによる、同じ量の燃料空気混合気の滞留時間のための改良された混合品質および減じられたNOx排出量。
【0049】
合理的な燃料空気混合の実施に関して、現在のバーナシステムの以下の構成要素が関連する。
10.第2の燃焼室入口で、主流は、たとえば高圧タービン段により生じる上流側の乱流とは関係なく均一な流入状態を保証するために調整されている。
【0050】
さらに、
11.最小限の圧力降下を伴う燃料および燃焼空気の均一な混合は、高い効率の現在のガスタービンの設計のために予調整されている。均一な混合は、火炎温度における局所的な最高温度を阻止するために要求されており、局所的な最高温度は、高いNOx排出をもたらす。燃焼器内の圧力降下は直接に出力およびガスタービンの効率を減じるので、低い圧力降下が有利である。
以上をまとめると、本発明に係る再熱バーナ配列は、所定の横断面積を有するダクトと、該ダクト内に配置されたセンタボディと、該センタボディに沿って配置された中間の燃料噴射平面とを備える再熱バーナ配列であって、前記センタボディが、第2の燃焼室の上流側に配置され、該第2の燃焼室の入口で終わっており、前記バーナと、後続の前記第2の燃焼室とにより画定される流れダクトの横断面は、段階式に、前記バーナの出口から前記第2の燃焼室の入口まで増大している、再熱バーナ配列において、前記バーナの出口の周長と、前記第2の燃焼室の入口の周長との比が、0.6〜1の範囲である。
好適な態様では、前記センタボディは、円形の横断面を有しており、前記燃焼室の入口は、円形の横断面を有しており、前記バーナの出口は、環状の横断面を有しており、前記再熱バーナ配列の構造は、以下のパラメータによって規定されており、ここで、
d1=前記燃焼室の外径、
d2=前記環状ダクトの外径、
d3=前記センタボディの外径、
dh=前記環状ダクトの水力直径、
L=流れ方向で、前記環状ダクトの終端部における前記燃焼室の始端部と、前記噴射平面の終端部との間の中間長さ、
dN=前記環状ダクトの出口領域の等価直径、
A=前記環状ダクトの横断面積、
P=環状ダクトの周囲の長さ
であり、
前記再熱バーナ配列の構造が、以下の関係式により規定され、すなわち、
d3/d2=sqrt[1−(dN/d2)^2]、
dN^2=d2^2−d3^2、
dh=4A/P、
dh=(d2−d3)、
dh<dN、
L/dh>L/dN、および
d2/d1は0.6〜1の範囲であり、
であり、これにより、
混合と、前記環状ダクトから前記燃焼室の壁への流れの再付着とを改善するようになっている。
好適な態様では、少なくとも2つの流線形のボディが設けられており、該流線形のボディは、前記燃料噴射平面に配置されており、各流線形のボディは、流線形の横断面プロフィルを有していて、該流線形の横断面プロフィルは、長手方向で、前記燃料噴射平面内で優勢な主流方向に対して垂直方向に、または傾斜して延びており、各流線形のボディの前縁領域は、該前縁位置において優勢な主流方向に対して平行に向けられたプロフィルを有しており、前記流線形のボディの中心平面に関して、後縁には少なくとも2つのひだが設けられており、該ひだは、互いに連動して同じ方向に延びている、かつ/または正反対の横方向に延びており、平面状の前縁領域から変位部分までの移行は滑らかであり、連続的な一次導関数を持つ関数により表される表面曲率を有している。
好適な態様では、少なくとも2つの流線形のボディが設けられており、該流線形のボディは、燃料噴射平面に配置されており、各流線形のボディは、流線形の横断面プロフィルを有しており、該流線形の横断面プロフィルは、長手方向で、前記燃料噴射平面において優勢な主流方向に対して垂直に、または傾斜して延びており、各流線形のボディの前縁領域は、前記前縁位置において優勢な主流方向に対して平行に向けられたプロフィルを有しており、前記流線形のボディの中心平面に関して、後縁に少なくとも1つの渦発生器が設けられており、好適には少なくとも2つの渦発生器が設けられており、該渦発生器は、基本的に同じ周期を有しており、各流線形のボディの後縁の渦発生器の数は、好適には同一であり、隣接する流線形ボディの渦発生器は、位相を合わされて、または位相をずらされて配置されている。
好適な態様では、前記流線形のボディの前縁領域は、空気力学的なプロフィルを有しており、該空気力学的なプロフィルは、噴射平面の長手方向軸線に対して相対的に傾斜された配向から、前記流線形のボディの上流側半部の噴射平面の長手方向軸線に対して平行な配向に変えられる。
好適な態様では、2つの流線形のボディの前記中心平面の間の距離は、前記ひだの高さの少なくとも1.2倍であり、好適には前記ひだの高さの少なくとも1.5倍である。
好適な態様では、前記噴射平面は、長手方向軸線に沿って延びる方形または台形の横断面を有しており、該横断面は、少なくとも2つの流線形のボディを有する4つの制限壁により画定されており、該流線形のボディは、一方の制限壁から反対の制限壁にまで延びている。
好適な態様では、前記噴射平面は、環状の横断面を有しており、該環状の横断面は、長手方向軸線に沿って、内側の制限壁と、外側の制限壁とを有して延びており、前記内側の制限壁と、前記外側の制限壁とは、互いに対して同心的であり、かつ内側の制限壁から外側の制限壁へと延びる少なくとも2つの流線形のボディを有している。
好適な態様では、前記流線形のボディのうちの少なくとも1つの前記流線形のボディは、前記バーナ内に少なくとも1種の燃料を導入する少なくとも1つのノズルを備えた噴射装置として構成されている。
好適な態様では、少なくとも1つのノズルは、前記流線形のボディのうちの少なくとも1つの前記流線形のボディの後縁に配置されている。
好適な態様では、前記流線形のボディのうちの少なくとも1つの前記流線形のボディの後縁に配置された少なくとも2つのノズルは、後縁に沿った各頂点に、または1つおきの頂点に配置されており、前記後縁には、燃料ノズルが配置されている、かつ/または燃料ノズルは基本的に流線形のボディの中心平面に配置されており、好適には、ひだ状の前記後縁が前記中心平面と交差する各位置に燃料ノズルが配置されている。
好適な態様では、前記流線形のボディの下流側に、混合ゾーンが配置されており、前記流線形のボディにおいて、かつ/または流線形のボディの下流側で、前記混合ゾーンの前記横断面が減じられており、好適には該横断面の減少は、該流線形のボディの上流側の流れ横断面と比較して、少なくとも10%、好適には少なくとも20%、さらに好適には少なくとも30%である。
好適な態様では、前記ボディには、冷却エレメントが設けられており、好適には冷却エレメントは、ボディの側壁に沿った冷却媒体の内部循環により、かつ/またはフィルム冷却孔により与えられていて、該フィルム冷却孔は、好適には、後縁の近傍に配置されており、最も好適には冷却エレメントには、燃料噴射にも使用されるキャリアガス供給部から空気が供給されている。
好適な態様では、前記燃料ノズルは、円形であり、かつ/または前記流線形のボディの前記後縁に沿って延びる延長されたスロットノズルであり、かつ/または液体を噴射する第1のノズルおよび/またはガス状の燃料を噴射する第2のノズルおよびキャリアガスを噴射する第3のノズルを有し、該第3のノズルは、前記第1のノズルおよび/または前記第2のノズルを取り囲んでいる。
好適な態様では、前記混合エレメントの高さは、半径方向の位置に依存する。
さらに本発明に係る逐次燃焼を伴うガスタービンを運転する方法は、前記ガスタービンはコンプレッサと、該コンプレッサから圧縮された空気を受け取る、第1の燃焼室および第1のバーナを有する第1の燃焼器と、該第1の燃焼器から予め決められた第2の燃焼器入口温度で高温ガスを受け取る、第2の燃焼室と第2のバーナとを有する第2の燃焼器と、該第2の燃焼器から高温ガスを受け取るタービンとを有し、前記第2のバーナが所定の横断面積を有するダクトと、該ダクト内に配置されたセンタボディと、該センタボディに沿って配置されかつ環状ダクトに接続されている中間燃料噴射平面とを有し、前記センタボディは、前記第2の燃焼室の上流側に配置され、前記燃焼室の入口で終わっている、逐次燃焼を伴うガスタービンを運転する方法において、燃料を前記噴射平面に噴射し、燃料を、前記第1の燃焼器から受け取った高温ガスと混合させ、前記第2のバーナを出る高温のガス燃料混合物の流れ速度を、前記流路の面積の増大により減じ、前記バーナと、後続の前記第2の燃焼室とにより画定された流れダクトの横断面は、段階的に、前記バーナの出口から前記第2の燃焼器の入口まで増大し、前記バーナの出口の周長と、前記燃焼室の周長との比は、0.6〜1の範囲である。
【0051】
以下に本発明の実施の形態を図面に関して説明する。図面は本発明の好適な実施の形態を示す例示的な目的のものであり、本発明を制限する目的のものではない。