特許第5851026号(P5851026)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5851026文具品のための詰め替え品、および当該詰め替え品を備えた文具品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5851026
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】文具品のための詰め替え品、および当該詰め替え品を備えた文具品
(51)【国際特許分類】
   B42D 1/06 20060101AFI20160114BHJP
   B42D 3/04 20060101ALI20160114BHJP
   B42D 15/00 20060101ALI20160114BHJP
【FI】
   B42D1/06
   B42D3/04 Z
   B42D15/00 301A
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-516408(P2014-516408)
(86)(22)【出願日】2011年6月21日
(65)【公表番号】特表2014-520014(P2014-520014A)
(43)【公表日】2014年8月21日
(86)【国際出願番号】FR2011051420
(87)【国際公開番号】WO2012175821
(87)【国際公開日】20121227
【審査請求日】2014年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】513321434
【氏名又は名称】エメリク・フィリップ・マリー・チビエジュ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】エメリク・フィリップ・マリー・チビエジュ
(72)【発明者】
【氏名】パトリス・ジローナ
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−64388(JP,A)
【文献】 米国特許第5702126(US,A)
【文献】 国際公開第2007/127451(WO,A1)
【文献】 登録実用新案第3167152(JP,U)
【文献】 特開平8−324153(JP,A)
【文献】 特開2010−52269(JP,A)
【文献】 特表昭58−500656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00−15/00
B42D 15/04−19/00
B42F 1/00−23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文具品(1)のための詰め替え品であって、
− 複数の積み重ねられたページ(6g)を含むページの綴り(6)であって、所定の厚さだけ離れている2つの主外面(6a、6b)を形成するページの綴り(6)と、
− 前記綴りの一方の側において前記厚さを規定する背と、
− 前記綴りの前記背で前記綴りの前記ページ(6g)を互いに接合する結合部(7)と、
− 前記綴りの前記背に配置され、磁気の引き付ける力により前記文具品のカバー(2)に取り付けられるように構成された磁気的手段(9a〜9b;9a〜9d;208a)と、
を備え、
前記詰め替え品が、
前記詰め替え品の背(6c)と、
可撓性のある被覆細片(8;108;208)と、
をさらに備え、
前記被覆細片が、
○ 前記結合部(7)の外側を覆う背部分(8a;108a;208a)であって、前記詰め替え品の前記背(6c)の一部である背部分と、
○ それぞれ前記ページ綴りの2つの主外面(6a、6b)に取り付けられ、かつ前記背部分(8a;108a;208a)に連結されている2つの側方部分(8b;108b;208b)と、
を有し、かつ前記被覆細片(8)の前記背部分(8a;108a;208a)に前記磁気的手段(9a〜9b;9a〜9d;208a)が設けられていることを特徴とする詰め替え品。
【請求項2】
前記結合部(7)が前記可撓性のある被覆細片の前記背部分(8a;108a;208a)から隔たったところで折り曲げ可能となるように、前記結合部(7)は前記可撓性のある被覆細片(8;108;208)から離れて延在する請求項1に記載の詰め替え品。
【請求項3】
前記磁気的手段(9a〜9b;9a〜9d;208a)は、強磁性材料から構成されている請求項1または2に記載の詰め替え品。
【請求項4】
前記強磁性材料は、恒久的に磁化されている請求項3に記載の詰め替え品。
【請求項5】
前記強磁性材料は、金属である請求項3に記載の詰め替え品。
【請求項6】
前記被覆細片(8)の厚さが1mmよりも薄い請求項1から5のいずれか一項に記載の詰め替え品。
【請求項7】
前記磁気的手段(9a〜9b;9a〜9d)は、前記被覆細片の前記背部分(8a)と一体の少なくとも1つの磁気要素を備えている請求項1から6のいずれか一項に記載の詰め替え品。
【請求項8】
前記被覆細片(108;208)の前記背部分(108a;208a)は、所定の厚さを有し、かつ前記磁気要素は、前記厚さに含まれている請求項7に記載の詰め替え品。
【請求項9】
前記磁気要素は、前記綴り(6)の前記結合部(7)と向き合っている前記被覆細片(8;108)の前記背部分(8a;108a)に取り付けられている請求項7に記載の詰め替え品。
【請求項10】
前記被覆細片(8;108)の前記背部分(8a;108a)は、前記詰め替え品の前記背(6c)に沿って間隔を開けて配置されている少なくとも2つの磁気要素(9a〜9b;9a〜9d)と一体である請求項7から9のいずれか一項に記載の詰め替え品。
【請求項11】
前記磁気要素(9a〜9b;9a〜9d)は、前記詰め替え品の前記背(6c)に、前記詰め替え品の前記背に直角な軸回りの前記詰め替え品の180°の回転に対して非対称に配置されている請求項10に記載の詰め替え品。
【請求項12】
前記磁気的手段は、前記被覆細片(208)の前記背部分(208a)の材料に一体化した少なくとも1つの磁気的材料を備える請求項1から5のいずれか一項に記載の詰め替え品。
【請求項13】
前記被覆細片(8;108;208)の前記2つの側方部分(8b;108b;208b)の各々は、
− 拘束されていないとともに可撓性のある中間部分(8c;108c;208c)であって、前記背部分(8a;108a;208a)から横方向に延在するとともに、前記ページ綴り(6)の対応する前記主外面(6a、6b)に取り付けられていない中間部分と、
− 前記中間部分から延在するとともに、前記ページ綴りの前記対応する主外面(6a、6b)に取り付けられている端部部分(8d;108d;208d)と、
を備える請求項1から12のいずれか一項に記載の詰め替え品。
【請求項14】
前記被覆細片(8)の前記背部分(8a)は所定の幅を有し、前記磁気的手段(9a〜9b;9a〜9d)は少なくとも1つの硬質の磁気要素を備え、前記磁気要素が、前記背部分(8a)の幅(L0)よりも狭い幅(l)にわたって延在し、前記背部分(8a)は、拘束されていないとともに可撓性のある2つの側方細片(8e)を有し、前記側方細片(8e)は、前記磁気要素で覆われておらず、かつ前記被覆細片の前記側方部分(8b)に連結されている請求項1から13のいずれか一項に記載の詰め替え品。
【請求項15】
− 請求項1から14のいずれか一項に記載の詰め替え品(6)と、
− 少なくとも前面カバーボード(2a)、後面カバーボード(2b)、ならびに前記前面カバーボードおよび前記後面カバーボードを連結するカバーの背(2c)を備えるカバー(2)であって、前記カバーの背(2c)に、前記詰め替え品の磁気的手段(9a〜9b;9a〜9d;208a)を引き付けるように構成された磁気的手段(3a〜3b;3a〜3d)が設けられているカバー(2)と、
を備える文具品
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文具品のための詰め替え品、および当該詰め替え品を備えた文具品に関する。
【0002】
概して、本発明は、カバーと、取り外し可能な内容物と、を備えた文具品で、例えば、内容物を交換しながら保護カバーを手元に残すことができるものの分野に関する。これらの物品は、任意形式の台帳、ノート、メモ帳、スケジュール帳、または、他の物品とすることができる。
【0003】
より具体的には、本発明は、文具品のための詰め替え品に関し、この詰め替え品は、
− 複数の積み重ねられたページを含むページの綴り(または「ブロック」)であって、
○ 所定の厚さだけ離れている2つの主外面と、
○ 綴りの一方の側において上記厚さを規定する背(spine)(または「裏(back)」)と、
を形成するページの綴りと、
− 綴りのページを綴りの背で互いに接合する結合部と、
− 綴りの背に配置され、磁気の引き付ける力によって文具品のカバーに取り付けられるようにした磁気的手段と、を備える。
【背景技術】
【0004】
特許文献1にはこの種の詰め替え品が記載され、この詰め替え品は、磁気の引き付ける力で保護カバーの背の内側面に取り付けられている。特許文献1に記載されている詰め替え品の背は磁気要素を備え、この磁気要素は、ページ綴りの結合部を堅くし、ページを開くことをより困難にすることがある。このようにページを開くことが困難であると、使用者は、詰め替え品の中央部分を押し付けることにより、むりやりにページを開くことがあり、これにより詰め替え品が傷むことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2007/127451号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、これらの欠点の一部または全てを解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明は、上記のタイプの詰め替え品を提案し、この詰め替え品は、可撓性のある被覆細片(flexible covering strip)をさらに備え、被覆細片が、
− 結合部の外側を覆う背部分(spine portion)(または「裏部分(back portion)」
)と、
− それぞれページ綴りの2つの主面に取り付けられ、かつ、背部分に連結されている2つの側方部分と、
を有し、被覆細片の背部分には前記磁気的手段が設けられている。
【0008】
この被覆細片のために磁気的手段が詰め替え品の結合部から離れているので、磁気的手段のために、詰め替え品のページを開く困難さが増すことは全くない、または僅かしかない。
【0009】
本発明にかかる詰め替え品のさまざまな実施形態において、以下の構成の1つまたは2つ以上を用いることができる。
− 磁気的手段は、強磁性材料からなる。
− 前記強磁性材料は、恒久的に磁化されている。
− 前記強磁性材料は、金属である。
− 被覆細片は、厚さが、1mmよりも薄く、好ましくは0.5mmより薄い。
− 磁気的手段は、被覆細片の背部分と一体の、少なくとも1つの磁気要素を備えている。
− 被覆細片の背部分は、所定の厚さを有し、かつ前記磁気要素は、前記厚さに含まれている。
− 前記磁気要素は、前記綴りの結合部と向き合っている被覆細片の背部分に取り付けられている。
− 被覆細片の背部分は、詰め替え品の背に沿って間隔を開けて配置されている少なくとも2つの磁気要素と一体である。
− 磁気要素は、詰め替え品の背に、詰め替え品の背に直角な軸回りの詰め替え品の180°の回転に対して非対称に配置されている。
− 磁気要素は、互いに対して非平衡に分極した永久磁石である。
− 磁気的手段は、被覆細片の背部分の材料に一体化した少なくとも1つの磁気的材料を備える。
− 被覆細片の2つの側方部分の各々は、
○ 拘束されていないともに可撓性のある(free and flexible)中間部分であって、背部分から横方向に延在するとともに、ページ綴りの対応する主面に取り付けられていない中間部分と、
○ 中間部分から延在するとともに、ページ綴りの対応する前記主面に取り付けられている端部部分(これは、ページを開けるようにするためには特に優れた構成である)と、
を備える。
− 被覆細片の背部分は所定の幅を有し、かつ磁気的手段は少なくとも1つの硬質の磁気要素を備え、磁気要素は、背部分の幅よりも狭い幅にわたって延在し、背部分は、拘束されていないとともに可撓性のある2つの側方細片を有し、側方細片は、磁気要素で覆われておらず、かつ、被覆細片の側方部分に連結されている(これは、ページを開けるようにするためには特に優れた構成である)。
【0010】
本発明はまた、
− 上記に定義したような詰め替え品と、
− 少なくとも前面カバーボード、後面カバーボード、ならびに前面カバーボードおよび後面カバーボードを連結する背を備えるカバーであって、背に、詰め替え品の磁気的手段を引き付けるように構成された磁気的手段が設けられているカバーと、
を備える文具品に関する。
【0011】
本発明の文具品のさまざまな実施形態において、以下の構成の一方または両方を利用してもよい。
− 詰め替え品の磁気的手段が、被覆細片の背部分と一体の少なくとも1つの磁気要素を備え、かつカバーの背が、詰め替え品の磁気要素を磁気的に引き付けるように構成されているとともに、詰め替え品の磁気要素に対応するように配置された少なくとも1つの補完的な磁気要素を備える。
− 詰め替え品の磁気的手段が、被覆細片の背部分と一体の複数の磁気要素を備え、カバーの背は、それぞれが詰め替え品の磁気要素を磁気的に引き付けるように構成されているとともに、詰め替え品の磁気要素に対応するように配置されている複数の補完的な磁気要素を備える。
【0012】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な例として与えられたいくつかの実施形態についての以下の説明を添付図面と共に参照すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態にかかる文具品を示す斜視図である。
図2図1に示した文具品の詰め替え品の背を示す側面図である。
図3】本発明にかかる物品の、完全に閉じた位置での断面図である。
図4図3に示した文具品の背を示す詳細図である。
図5】横断面の斜視図であり、開いた位置での図1〜4の文具品を示す図である。
図6図5文具品の背を示す詳細図である。
図7図6の一部の拡大図である。
図8】本発明の第2の実施形態にかかる文具品を示す斜視図である。
図9】開いた位置での第2および第3の実施形態にかかる詰め替え品の断面図である。
図10】開いた位置での第2および第3の実施形態にかかる詰め替え品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
同じ参照符号が、異なる図における同一または類似の要素を示すのに使用されている。
【0015】
第1実施形態
本発明は文具品(stationery item)1に関し、この文具品1の第1の実施形態が図1に示されている。
【0016】
この文具品1は、ノートまたは類似の物品で、カバー2と、詰め替え品(refill)6と、を含むものであってもよい。
【0017】
カバー2は、
− 前面カバーボード2aと、
− 後面カバーボード2bと、
文具品1の厚さを規定する背2cと、を備える。この背2cは、カバーボード2a、2bに2つのヒンジ部2dによってそれぞれ連結されている。2つのヒンジ部2dは、例えば、カバー2において厚みを薄くした2本の線として形成され、上記の背2cの両側で、背2cに沿って延在している。
【0018】
オプションとして、カバーボード2a、2bの各々は、背2cと反対側の縁部でヒンジ式折り返し部2eによって拡張されていてもよい。ヒンジ式折り返し部2eは、対応するカバーボードにヒンジ部2fによって連結されている。ヒンジ部2fは、例えば、カバー2における厚さを薄くした線として形成されている。
【0019】
図3に示されているように、折り返し部2eは、各々、文具品1の厚さの約半分の厚さを有することができ、また、文具品1を閉じたときに、縁部同士が互いに接触するように、互いの方に向けて、カバーボード2a、2bに対して90°に折り曲げることができる。折り返し部2eには、永久磁石2gまたは他の磁気要素が入っていてもよい。永久磁石2gまたは他の磁気要素は、一方の折り返し部2eと他方で互いに向き合うように配置されており、また、物品1が閉じた位置にあるときに、磁気の引き付ける力によって互いに引き付け、折り返し部2eの縁部が互いに当たった状態を保つようになっている。物品1が開いた位置にあるときは、折り返し部を広げ、カバーボード2a、2bの延長として平坦にすることができる。
【0020】
カバー2の背2cの内側の面には、磁気的手段が設けられている。磁気的手段は、ここで考えている例では、1つまたは2つ以上の永久磁石から構成されていてもよく、例えば、開示された実施形態では、2つの永久磁石3a、3bから構成されていてもよい(図1参照)。
【0021】
カバー2は、堅い材料または可撓性のある材料から、任意の既知の方法で作られていてもよい。例えば、上記のカバー2は、例えばボール紙または他の材料から作られた厚い外層4を含んでいてもよい。外層4は、皮、布、紙または他の材料(不図示)で覆われているかもしれない。この厚い層4はまた、紙または他の材料からなる裏張り5で覆われている。裏張りは比較的薄く、例えば0.5mm以下である。開示された例では、上記の磁石3a、3bを厚い層4の凹部4aの中に接着し、物品1の内側表面で裏張り5によって覆うことができる。裏張り5は、上記の磁石と接触している。もちろん、磁石3a、3bは、任意の他の方法で、カバー2の背2cの内側の面に取り付けることができる。
【0022】
図1および図2に示されているように、文具品1は、詰め替え品6をも備えている。詰め替え品6は、重ねられ、結合部7によって互いに1つにまとめられた一綴りの紙6gを形成している。詰め替え品6は、以下のものを有する。
− 主前面6aおよび主後面6b。例えば、他の紙6gと同一であるか、より厚い紙から形成されている。
− 詰め替え品6の厚さを規定する4つの縁部6c〜6f。これらの縁部は、背6c、上側縁部6dまたは上部縁部、下側縁部6eまたは底部縁部、および背と反対側の縁部6fで前部縁部と呼ばれるものからなる。
【0023】
図1図3に示されているように、詰め替え品6のページ6gは、結合部7によって、詰め替え品の背6cにおいて互いにつなぎ合わされている。この結合部7は、任意の既知のタイプであってもよく、例えば、接着剤で接着することにより取り付けられた接着布、さらに場合によっては、ページ6gの背6cの縁に沿った縫い目を備える。
【0024】
詰め替え品は、比較的薄く(例えば、厚さが1mmより薄く、好ましくは約0.5mm以下である)、可撓性のある被覆細片(flexible covering strip)8をさらに含んでいる。被覆細片8は、結合部7の外側と、主前面6aおよび主後面6bの少なくとも一部とを覆っている。この被覆細片8は、例えば、布もしくは紙または他の材料からなっていてもよい。
【0025】
開示された例では、被覆細片8は、より具体的には以下のものを備えている。
− 結合部7の外側を覆う背部分8a、および
− 接着剤による接着または他の手段によって、ページ綴り6gの2つの主面6a、6bにそれぞれ取り付けられ、かつ、背部分8aに連結されている2つの側方部分8b。
【0026】
この被覆細片8の背部分8aには磁気的手段が組み込まれている。磁気的手段は、カバー2の背2cの磁気的手段によって引き付けられ、詰め替え品6をカバー2に取り外し可能に取り付けられるように構成されている。図1図3に示されている例では、被覆細片8の磁気的手段が永久磁石9a、9bであり、カバーの永久磁石3a、3bの反対側に配置され、対応する磁石3a、3bおよび9a、9bが磁気の引き付ける力で互いを引き付けるように配置した極性を有する。
【0027】
もちろん、磁石9a、9bは、恒久的に磁化されているか否かに拘わらず、強磁性材料からなる任意の他の部品と置き換えてもよい。強磁性材からなる任意の他の部品は、例えば、接着剤に粉末を混ぜることによって得られた金属部品または磁性材料であり、粉末は、磁性粒子が入っている、もしくは、鉄鋼材を主成分とする、または、これらを組み合わせたものである。
【0028】
磁石9a、9bの配置は、オプションとして、背6cに直角な軸周りの詰め替え品の回転に対して、つまり、上部縁部6dと底部縁部6eを逆さまにする詰め替え品の回転に対して、非対称であってもよい。この場合、磁石3a、3bまたはカバー2の他の磁気要素もまた、磁石9a、9bに対応して非対称に配置される。このフールプルーフ式の配置のために、特に、詰め替え品のページ6gに、ページ6gが予め定められた向きにあることが想定されている情報が含まれていると(例えば、物品1がスケジュール帳または同様の物品である場合)、使用者は詰め替え品6をカバー2の内側で適切な方向に置かなければならなくなる。
【0029】
これに代えて又は加えて、このようなフールプルーフ化は、磁気の引き付ける力による取り付けが、カバー2に対して詰め替え品6の1つの位置のみにおいて実現されるように、磁石9a、9bの極性を(例えば、磁石9aおよび磁石9bの間で極性を逆にすることによって)磁石毎に異なる向きにすることにより実現することができる。もちろん、この場合、磁石3a、3bの極性は、1つの磁石3a、3bのN極が対応する磁石9a、9bのS極にそれぞれ対応するように配置される。
【0030】
非限定的な例であるが、磁石3a、3b、9a、9bは、形状が平行六面体であってもよく、また長手方向(背6cの長手方向)に磁化されていてもよい。ただし、磁石は異なる形状を有していてもよい(例えば、長円形または円形の円盤)。
【0031】
詰め替え品6における磁石9a、9bの配置は、図1図7との関連でこれよりさらに説明する。
【0032】
磁石9a、9bは、例えば、接着剤の層10によって被覆細片8の背部分8aの内側に接着され、図3および図4における、より詳細な図に見られるように、結合部7と向き合っているが、綴りのページ6gまたは綴りの結合部7にくっつくことはない。数ミリメートルの間隔が、場合によっては、磁石9a、9bと結合部7との間に残る可能性がある。磁石9a、9bまたは他の磁気的手段が被覆細片8に組み込まれており、特に背部分8aの内面に配置されていることから、これらの磁気的手段は詰め替え品に、低コストの、非常に確実な方法で簡単に取り付けられ、詰め替え品のページ6gを開くことを妨げることもない。
【0033】
詰め替え品6をカバー2に取り付けたとき、磁石9a、9bは、磁石3a、3bから、被覆細片8、裏張り5、および、接着層10の厚さの分しか離れていない。この厚さは、例えば、合計で1.2mmより小さい、または磁石3a、3bと対応する磁石9a、9bとの間が1mmよりも小さいことさえある。
【0034】
磁石9a、9bまたは同様の磁気要素の各々は、ここでは幅lだけ延在している。幅lは、詰め替え品6を形成するシートの綴りの厚さLの例えば60から100%の間である。この幅lは、Lの70から90%であると都合がよい。幅lが厚さLよりも狭い場合、背部分8aは、2つの、拘束されていないとともに可撓性のある(free and flexible)側方細片8を有する。側方細片8は、磁石9a、9bによって覆われておらず、側方部分8bに連結している。
【0035】
磁石については他の配置も可能であり、例えば、磁石9a、9bの各々を背部分8aの幅に沿って互いに並べて置いた2つ以上の磁石と置き換えることもできる。この場合、補完的な磁石3a、3bを同様に配置することで、カバー2を取り付けたときに磁気的な案内効果を得ることが、それぞれの磁石の対で異なる極性の向きを選択することにより可能になる。
【0036】
図3および図4を参照すると、被覆細片8の側方部分8bは、以下のように、異なる長手方向部分に分けることができる。
− 背部分8aを横方向に延在する、拘束されていないとともに可撓性がある中間部分8c。
− 中間部分8cを拡張し、かつ、例えば接着層11によって、ページ綴り6gの対応する主表面6a、6bに取り付けられている端部部分8d。
【0037】
側方部分8bのいずれも、長手方向取り付け部分8dを有し、この取り付け部分8dの幅が綴りにおけるページ6gの幅よりもかなり狭いようにここでは表されているが、主表面6a、6bの全体を覆う側方部分8bを有することもまた可能である。
【0038】
図4に表されている閉じた位置では、拘束されていないとともに可撓性がある中間部分8cが、端部部分8dの延長上に第1の副部分を有することが明確に分かる。以下に説明するように、第1の副部分の幅lは十分にあるので、綴りのページ6gは磁石9a、9bに対して回転運動をしている間にずれることができる。幅がlであるこの第1の副部分は、閉じた位置では、綴りのページ6gに対して平行に保持される。
【0039】
中間部分8cの残部は、背部分8aの縁部にある側方細片8eと共に、幅がl図4に示すように、曲線に沿った幅である)の第2の副部分を規定する。第2の副部分は、幅がlである第1の副部分を補完するものである。閉じた位置では、幅がlであるこの第2の長手方向副部分が、背部分8aと、幅がlである第1の副部分との間に可撓性のある連結部を形成する。幅lは、磁石9a、9bの厚さeよりもかなり大きいことが好ましい。この厚みeは、背部分8aに対して直角に測定されている。
【0040】
図5図7に見られるように、上記のように配置することにより、ページ6gを簡単に開くことができ、磁石9a、9bによって邪魔されることがなく、この結果、ページ6gは、開いたときに、従来の結合部と違って、実質的に平坦に置くことができる。
【0041】
使用者が詰め替え品6のページを開くと、幅がlである第2の副部分が最初に曲がり、幅がlである第1の部分が次に曲がって、図5から図7に示す平坦に開いた位置になる。この平坦に開いた位置は、結合部7に被覆細片8が与える可撓性によって可能となっている。被覆細片8は、図6および図7に示すように、結合部7が開かれた詰め替え品6のアーチ形状に沿うことを可能にする。この位置では、結合部7の2つの側縁部が(最初は、開く前の厚さLだけ離れていたが)、距離Lだけ離れるまで互いの方へ引き寄せられる。距離Lは、例えば、L/3より小さいことがある。
【0042】
この距離を狭くすると、幅lが増すことが分かる。よって、lを磁石9aの幅lの1/8から1/4に選択することができる。この幅はまた、拘束されていない幅lを増すことで狭くなるが、拘束されていない幅lは、特に、拘束されていない側方細片8の幅に左右される。簡潔にいうと、図6から図7に示すこの特定の非限定的な例では、以下の関係がある:
l=L+4.l+2.(l−e) (1)
【0043】
図6図7を参照すると、詰め替え品6が開いた位置にあると、幅がlである副部分は、好ましくは、少なくとも、磁石9aまたは磁石9bの隣接する側面の厚さ全体を覆う。さらに、この位置では、幅がlである副部分は、磁石9a、9bの、結合部7と向き合っている面の少なくとも一部を覆う。この幅がlである副部分は、長手方向折り曲げ領域まで延在する。長手方向折り曲げ領域は、拘束されていない中間部分8cと端部部分8dが連結されているところに対応している。
【0044】
ページ6gを開いた後に、ページ6gを開いたことにより、折り曲げ可能な長手方向部分8cの各々が、ページ綴り6gにくっついたままである隣接する端部部分8dに対して、確実に、完全に折り曲がることが分かる。このように、綴り6の主面6a、6bに沿って折り曲がるので、結合部7を折り曲げることは、背部分8aへの取り付け部、つまり磁気要素9a、9bが配置されているところで妨げられない。
【0045】
この第1の実施形態では、被覆細片8は背部分8aと端部部分8dとの間で柔軟である。もちろん、ページ綴り6gに取り付けられていない、幅がlである副部分だけを利用して柔軟にしてもよいし、幅がlである副部分だけを利用して、場合によっては、磁石9a、9bと結合部7との間に空間を残すことで追加の遊びを導入して柔軟にしてもよい。
【0046】
この実施形態では、詰め替え品6が小型の形状を有し、基本的には、ページ綴り6gをその結合部7、被覆細片8、および磁気要素9a、9bと共に備えている。よって、詰め替え品6は、ページ綴り6gが閉じた位置にあると、実質的に平行六面体の大きな塊となることがある。図3に見られるように、カバー2の折り返し部2eは、補完的な磁気要素2gが備え付けてあり、例えば、カバー2の背4に外部から衝撃があったときに、詰め替え品6が外れるのを防止する。他の非磁性のデバイスで、背4の反対側の縁部に同様に設置されたものもまた、折り返し部2e、および/または、折り返し部2e内の磁性要素2gを利用する代わりとして、カバー2を閉じた位置に維持するのに利用してもよい。
【0047】
図示の例では、詰め替え品6が1つだけカバー2に取り付けられているのを示しているが、複数の詰め替え品を並べて取り付けることもできることが理解される。したがって、図1に示した詰め替え品6は、各々の背6cに磁気要素9a、9bがあり、この磁気要素9a、9bがカバー2の磁石3a、3bと協働する2つの詰め替え品と置き換えることができる。
【0048】
さらにまた、カバー2は、背2cの中に、磁石3a、3bに対して外側に配置した金属製タブ(metal tab)または類似の金属要素を含んでいてもよい。この構成により、文具品1を越える磁場が減少する。このような金属製タブは、カバー2と、詰め替え品6または複数の詰め替え品6との間の磁気で引き付ける力をさらに強化する。
【0049】
カバー2の背2cは、ここでは平坦に表されているが、代わりに背2cが丸い輪郭をしていてもよいことは理解される。この場合、背2cの内側面は、場合によっては凹面形を有し、磁石3a、3bは丸い輪郭を有している。丸い輪郭は、カバー2の背2cの輪郭と同様であってもよい。詰め替え品6をカバー2に取り付け可能にする、詰め替え品6の対応する磁気要素9a、9bは、この場合、磁石3a、3bの形状を補完するような形状の凸面を有していてもよい。
【0050】
これより、他の3つの実施形態を図8から図10を参照しながら説明する。第1の実施形態について前述した全てのことは、これら代替実施形態に当てはまるので、これについては詳述しない。これら他の実施形態の各々と、第1の実施形態との差異についてのみ以下に説明する。
【0051】
第2実施形態
図8を参照すると、詰め替え品6は、全体的な形状が第1の実施形態の詰め替え品と同様であり、本質的には、使用されている類似の磁石9a、9b、9c、9dまたは磁気要素の数だけが異なるものとしてここに示されている。ここでは、4つの磁石9a、9b、9c、9dが一列に並べられている。そして、4つの磁石3a、3b、3c、3dがカバーの背2cに、同様の配列で設けられている。
【0052】
さらに一般的には、磁気の引き付ける力によるカバー2の背2cへの取り外し可能な取り付けを実施するためには、磁気要素の数または形状を変えることができる。
【0053】
第3の実施形態および第4の実施形態
第3の実施形態(図9)では、オプションとして、被覆細片8を熱可塑性材料からなる一部品であって、磁気要素または複数の磁気要素9a、9bを包むまたはオーバーモールド(overmold)する部品として成形してもよい。側方部分108bは、磁石または複数の磁石9aを封入している背部分108aに可撓性をもって連結されている。側方部分108bの各々は、上述したように、拘束されていない中間部分108cと、端部部分108dとを含み、端部部分108dは、接着剤または他の方法でページ綴り6の主面6a、6bに接合されている。
【0054】
第4の実施形態(図10)では、磁性材料を被覆細片208の成分にさらに組み入れてもよく、この被覆細片208は、ページ綴り6gの主面にその側方部分208bで取り付けることができる。この場合、この背部分208aは、強磁性材料の粉末を基材に分散させた複合材料から形成される。背部分208aに組み込まれた磁気要素はこのように得られ、背部分208よりも薄く、したがってより柔軟である側方部分208bの一部として製造される。
【0055】
側方部分208bは、背部分208aに可撓性をもって連結されている。上述したように、側方部分208bの各々は、拘束されていない中間部分208cと、端部部分208dとを含んでいて、端部部分208dは、接着剤または他の方法でページ綴り6の主面6a、6bに接合されている。
【0056】
図3から図7図9および図10の例は、詰め替え品6の使用法が示されており、被覆細片8、108、208がページ綴り6gに側方部分8b、108b、208bのみで取り付けられていることが分かる。この構成は、ページ綴り6gに恒久的に取り付けられた文具品1にも使用できる。
【0057】
実際、ページ6gを開いて平坦に置くには、被覆細片8、108、208を備える文具品1という構成は、ページ綴り6gの取り付け方(取り外し可能、または、取り外し不能)に拘わらず、利用できることを本発明者らは確認している。より詳しくは、− 少なくとも前面カバーボード2a、後面カバーボード2b、ならびに前面カバーボード2aおよび後面カバーボード2bを連結する背2cを含むカバー2と、
− 複数の積み重ねられたページであって、
○ 所定の厚さLだけ離れている2つの主外面6a、6bと、
○ 上記の厚さを綴りの一方の側で規定する背6cと、
を形成するページを含むページ綴り6gと、
− 綴りのページ6gを綴りの背6cで互いにつなぎ合わせる結合部7と、
− 上記複数のページ6gをカバー2の背2cに対してめくることができるように上記複数のページ6gを取り付ける、カバー2の背2cと一体の取り付け手段と、
を備え、取り付け手段は、可撓性のある被覆細片8、108、208を備え、この被覆細片8、108、208は、
− 結合部7の外側を覆い、カバー2の背2cに取り付けられた背部分8a、108a、208aと、
− それぞれがページ綴り6gの2つの主面に取り付けられ、かつ背部分8a、108a、208aに連結された2つの側方部分8b、108b、208bと、
を備え、可撓性のある被覆細片8、108、208は、背部分8a、108a、208aと、2つの側方部分8b、108b、208bのうちの1つとの間の連結部に、カバー2の背2cと、側方部分8b、108b、208bの一部である取り付け部分との間に配置された、拘束されていないとともに可撓性のある部分(8c、108c、208c、8e)をさらに有し、上記取り付け部分は、ページ綴り6gの対応する主面6a、6bに取り付けられ、上記拘束されていないとともに可撓性のある部分(8c、108c、208c、8e)は、カバー2の背2c、または、ページ綴り6g、または、結合部7に取り付けられていない、文具品1を提案することができる。
【0058】
発明の別の特徴によれば、拘束されていないとともに可撓性のある部分(8c、108c、208c、8e)は、ページ綴り6gの背6cと、主面6a、6bのうちの1つとの間に形成された隆起部を完全に覆う。
【符号の説明】
【0059】
文具品
2 カバー
6 ページ綴り
6a、6b 主面
6c 背
6g ページ
7 結合部
8、108、208 被覆細片
8a、108a、208a 背部分
8b、108b、208b 側方部分
8c、108c、208c 中間部分
8d、108d、208d 端部部分
8e 側方細片
9a〜9b、9a〜9d、208a 磁気的手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10