(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、扉200は、種々の基準を満たす必要がある。その基準の一つとして、風速50m/sの風荷重に対して変形を生じないことが求められる。一方で、扉200の軽量化も重要になってくる。そのため、内部をハニカム構造としたものが知られているが、依然として、扉200の重量は大きなものとなっている。結果として、扉200を支持する戸袋100は、
図7(a)に示すように例えば4つの基礎部150を有するものになり、戸袋100の設置作業に要する時間が大きくなる。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、風荷重が低減されると共に安全性の向上を図ることができ、しかも、設置作業に要する時間を削減可能なプラットホーム用可動柵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためになされた請求項1に記載のプラットホーム用可動柵装置は、プラットホームの軌道側端縁部に設けられるものであり、軌道用車両の乗降扉に対応する間隔で配置される乗降口の開放及び閉合を行う。
【0009】
本発明のプラットホーム用可動柵装置は、水平棒状部材と垂直棒状部材とで構成されるフレーム構造を有する扉を備えている。水平棒状部材は、扉の進退方向へ延びており、垂直棒状部材は、水平棒状部材の少なくとも一方の端部に連結されて垂直方向へ延びる。なお、水平棒状部材及び垂直棒状部材は、棒状の部材であればよく、例えば金属材料などで形成することが考えられる。また、ここでいう「水平」及び「垂直」は厳密な意味での水平及び垂直でなくてもよい。
【0010】
また、プラットホーム用可動柵装置は、プラットホームに固定される駆動部を備えている。この駆動部が、上記扉を支持し、進退方向への扉の進退移動を可能にする。
ここで特に本発明では、扉が、フレーム構造の間隙を覆うカバー部材を有している。このカバー部材には、利用者の指が入らない程度で軌道用車両の軌道が目視できる程度の風通し穴が設けられている。利用者の指が入らない程度とは、特に子供などが指を差し入れることがない程度を意味する。
【0011】
つまり、本発明では、扉がフレーム構造を有するものとし、このフレーム構造を利用して、カバー部材を取り付ける。このようにフレーム構造を扉に採用したことにより、駆動部の重量を削減することができる。これにより、設置作業に要する時間を削減することができる。また、風通し穴の設けられたカバー部材によって、風荷重が低減される。しかも、風通し穴は、利用者の指が入らない程度の穴であり、軌道用車両の軌道が目視できる程度の穴である。このようにすれば、風荷重を低減させることができると共に安全性の向上を図ることができる。
【0012】
なお、カバー部材にはパンチングメタルや帯電防止という観点から竹材料を用いることが考えられるが、請求項
1に示すように、カバー部材を、樹脂製のメッシュ構造とすることも考えられる。樹脂製のメッシュ構造とすれば、製造も容易であり、強度が比較的大きくなるという点で有利である。また、帯電防止剤を塗布する必要もない。
【0013】
ところで、従来、
図7(a)に示すように、扉200の進退移動を実現する構成として、戸袋100の内部には、図示しないフレームに固定された一対のプーリ121,122と、ベルト130とが設けられている。このとき、2つのプーリ121,122はフレームに回転自在に支持されており、一方のプーリ122には、モータが結合されている。また、ベルト130には、扉200の一部がベルトつかみを介して結合されている。これにより、モータの正逆回転により、ベルト130及びベルトつかみを介した扉200の進退移動が実現される。
【0014】
つまり、従来の構成はベルト130によって扉200をたぐり寄せるものであり、そのため、2つのプーリ121,122の間隔は扉200の移動量に応じて大きくなり、2つのプーリ121,122は、戸袋100の両端部に配置されることになる。
【0015】
また、
図7(a)に示すように、戸袋100の底部には、扉200に固定されるスライドブロック210を案内するガイドレール140が敷設されている。このガイドレール140の長さも扉200の移動量に応じて設定され、結果的に、ガイドレール140は、戸袋100と同等の長さで設けられることになる。
【0016】
結果として、戸袋100が駆動部を兼ねることになっており、戸袋100の重量が大きくなっている。
そこで、請求項
6に示すように、扉が、水平棒状部材に沿って配置されるガイドレールを有しており、一方、駆動部が、扉と共に進退移動するガイドレールに係合するスライドブロックと、フレーム構造を利用した扉送り出し機構を有していることとしてもよい。この場合、扉送り出し機構により、扉の進退方向における一方の端部開口から扉が突出させられることで乗降口が閉合される。また、他方の端部開口から扉が突出させられることで乗降口が開放される。
【0017】
例えば、
図2(a)に示すように、扉30が、水平棒状部材としての水平パイプ31〜33と、垂直棒状部材としての垂直パイプ34,35とを備えている。ここで、扉30が2本のガイドレール37,38を有しており、このガイドレール37,38に係合するス
ライドブロック24,25を駆動部20が有している。そして、駆動部20の扉送り出し機構23により、扉30の進退方向における一方の端部開口27から扉30が突出させられることで乗降口が閉合される。また、他方の端部開口26から扉30が突出させられることで乗降口が開放される(図中の二点鎖線参照)。
【0018】
このようにすれば、扉送り出し機構によって、扉の進退移動が実現される。このとき、乗降口の開放時には、駆動部の端部開口から扉が突出する。すなわち、従来の戸袋よりも扉の進退方向における駆動部の長さは小さくなる。また、フレーム構造を構成する水平棒状部材に沿ったガイドレールを扉が有するものとし、駆動部側が、ガイドレールに係合するスライドブロックを有するものとした。これにより、従来のようにガイドレールを敷設する必要がない。その結果、設置作業に要する時間を削減することができる。
【0019】
なお、扉の重量を削減するという観点からは、請求項
7に示すように、扉は、水平棒状部材及び垂直棒状部材のうち少なくとも一方を管状部材とするパイプフレーム構造を有していることとしてもよい。このようにすれば、扉の重量を削減することができ、その結果、駆動部の重量を削減することができる。
【0020】
実際にこのような構成を採用することにより、駆動部の据え付けのための基礎部は、2カ所で足りることになる。その結果、基礎部が3カ所以上(従来は4カ所)になる場合と比較して水平状態を作り出すことが簡単になるため、設置作業に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0021】
なお、請求項
2、4、5に示すようにさらに戸袋を備える構成としてもよい。すなわち、さらに、駆動部の他方の端部開口側に設けられ、当該端部開口から突出する扉を収容する戸袋を備えていることとしてもよい。この場合、乗降口の開放時には扉が戸袋に収容されるため、安全性の向上に寄与する。
【0022】
上述したような戸袋を備える構成を前提として、請求項
8に示すように、戸袋が、利用者の指が入らない程度で軌道用車両の軌道が目視できる程度の風通し穴を有していることとしてもよい。このようにすれば、戸袋に対する風荷重が低減される。しかも、風通し穴は、利用者の指が入らない程度の穴であり、軌道用車両の軌道が目視できる程度の穴である。その結果、戸袋に対する風荷重を低減させることができると共に、安全性の向上を図ることができる。
【0023】
ところで、従来の戸袋100が駆動部を兼ねており、その内部の全体に駆動機構が設けられていることは既に述べた(
図7(a)参照)。したがって、例えば固定柵300が設けられているところへ従来の可動柵を設置しようとした場合、戸袋100の長さの分だけ固定柵300を撤去する必要がある。例えば
図7(a)に示すように戸袋100の長さが5m程度である場合、
図7(b)に示すように、固定柵300を5m程度撤去する必要がある。したがって、仮設の柵を設けたり、警備員を配置したりする必要があった。
【0024】
これに対し、本発明では、駆動部を戸袋とは別に構成するため、請求項
2に示すように、戸袋は、プラットホームの軌道側端縁部に当初より設置されている固定柵に取り付けられることが考えられる。このようにすれば、戸袋の設置が容易となり、また、戸袋の部分に対応する固定柵は撤去する必要がなく、駆動部の部分に対応する固定柵のみを撤去することで足りるため、設置作業に要する時間を削減できる。したがって、夜間作業によって設置できる可能性が大きく、その場合、仮設の柵を設けたり、警備員を配置したりする必要がない。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、プラットホーム用可動柵装置をホーム側から見た概略斜視図である。また、
図2(a)はプラットホーム用可動柵装置の構成を模式的に示す概略側面図であり、(b)は駆動部の構成を模式的に示す概略側面図であり、(c)は(b)のA−A線概略断面図である。
【0027】
図1及び
図2(a)に示すように、プラットホーム用可動柵装置は、戸袋10、駆動部20、及び、扉30を備えている。
戸袋10は、箱状体であり、プラットホームPFの端縁部に沿って、直立状態で設置される。ここで、戸袋10は、当初より設置されていた固定柵40に対して固定される。また、戸袋10の一方の端部は開口部11となっており、この開口部11側に駆動部20が設置される。
【0028】
駆動部20は、戸袋10と同様の外郭形状を有しており、戸袋10の開口部11側に連続して設置される。駆動部20は、その下部に設けられた可動柵基礎部21,22(
図2(a)参照)によってプラットホームPFに固定される。可動柵基礎部21,22は、その一部がプラットホームPFに埋設されて、駆動部20のフレームを構成する支柱61,62(
図2(b)参照)を支持する。具体的には後述するが、可動柵基礎部21,22に駆動部架台28が固定され、この駆動部架台28によって支柱61,62が支持される(
図6参照)。
【0029】
この駆動部20は、扉30を進退移動させるための機構を有している。具体的には、
図2(a)に示すように、扉送り出し機構23及びスライドブロック24,25を有している。さらにまた、駆動部20の両端部は、端部開口26,27となっている。
【0030】
扉30は、駆動部20に支持されて、列車の乗降扉に対応する乗降口を開放する開放方向及び乗降口を閉合する閉合方向への進退移動を行う。
図1及び
図2(a)は、扉30によって、乗降口が閉合された様子を示している。
【0031】
すなわち、駆動部20の扉送り出し機構23によって、扉30が一方の端部開口27から突出することで、乗降口が閉合される。一方、扉30が他方の端部開口26から突出することで(
図2(a)の二点鎖線参照)、乗降口が開放される。
【0032】
この扉30はパイプフレーム構造となっており、進退方向へ延びる3本の水平パイプ31,32,33と、水平パイプ31〜33の両端部に連結され垂直方向へ延びる2本の垂直パイプ34,35を有している。すなわち、扉30のフレーム構造は、進退方向に長い「日」字状となっている。また、フレームの間隙は、カバー部材36(
図1参照)で覆われている。
【0033】
ここで特にカバー部材36は、樹脂材料で形成されており、
図3(a)に示すように、メッシュ構造となっている。このメッシュ構造は、利用者が指を差し入れない程度で、扉30を通して軌道用車両の軌道が目視できる程度の細かさの風通し穴を構成する。
【0034】
次に、駆動部20の駆動機構を、
図2(b)を用いて説明する。駆動部20は、扉30の進退方向に間隔を空けて立設された2本の支柱61,62を有している。これら支柱61,62は、上述したように、駆動部架台28を介し駆動部20の可動柵基礎部21,22に支持される。
【0035】
支柱61,62は、扉30の進退方向に延びる3つの連結部63,64,65で連結されている。連結部63〜65は、支柱61,62に対し、図示しないボルトなどで螺着される。
【0036】
上から2段目の連結部64は、扉30の中段及び下段の水平パイプ32,33の中程あたりに配置されており、扉送り出し機構23を支持している。つまり、扉送り出し機構23は、扉30のフレーム構造を利用して、水平パイプ32,33の間に位置するように配置されている。この扉送り出し機構23は、モータ51、モータ51に取り付けられた歯付きプーリ52、歯付きプーリ52に対応させてモータ51の両側に配置された2つのガイドローラ53,54を有する。
【0037】
一方、扉30の中段の水平パイプ32は、その下部に進退方向に延びる開口を有し、当該開口に沿って配置された歯付きベルト55を有している。歯付きベルト55の両端部は、水平パイプ32の端部に図示しない止め具によって固定されている。この歯付きベルト55は、その一部がガイドローラ53,54に掛かる部分で開口から引き出され、歯付きプーリ52に噛合している。
【0038】
また、上から1段目及び3段目の連結部63,65は、扉30の上段及び下段の水平パイプ31,33の下方に位置するように設けられている。この連結部63,65には、扉30の進退方向に並ぶ複数のスライドブロック24,25が取り付けられている。
図2(a)には、スライドブロック24,25を模式的に三角形状で示した。
【0039】
なお、上段及び下段の水平パイプ31,33は同様の構成となっているため、上段の水平パイプ31について説明する。
図2(c)に示すように、水平パイプ31はその下部に進退方向に延びる開口を有しており、当該開口には、断面「コ」字状のガイドレール37が取り付けられている。一方、スライドブロック24は、連結部63の側面に螺着された取付部材56によって取り付けられており、水平パイプ31のガイドレール37の内側に位置する。
【0040】
すなわち、本実施形態では、扉30が上段及び下段の水平パイプ31,33に沿って延びるガイドレール37,38を有しており、扉30と共に進退移動するガイドレール37,38に、駆動部20のスライドブロック24,25が係合する。
【0041】
かかる構成により、モータ51が正逆回転すると、歯付きプーリ52が正逆回転して、歯付きベルト55との噛合位置が変わることで、扉30の進退移動が実現される。なお、ここでは、歯付きプーリ52がモータ51に直結されているが、減速機を介在させて歯付きプーリ52を取り付けるようにしてもよい。また、モータ51に代えて液圧式や空圧式のアクチュエータを採用してもよい。また、モータ51に直結されるのは歯車でもよく、その場合、歯付きベルト55は、ラック(歯車)で構成してもよい。
【0042】
なお、戸袋10が当初より設置されていた固定柵40に対して固定されることは既に述
べたが、具体的には、
図4(a)に示すように、固定柵40のホーム側及び軌道側の両側を覆うように戸袋10を取り付けることが考えられる。
図4(a)では、2カ所の取付部12によって戸袋10が固定柵40に取り付けられている。また、
図4(b)に示すように、固定柵40の軌道側を開放しホーム側のみを覆うように戸袋10を取り付けることが考えられる。
図4(b)では、1カ所の取付部12によって戸袋10が固定柵40に取り付けられている。このとき、固定柵40の上部先端にホーム側へ傾斜する手摺り部41があって、扉30の進退移動に干渉する場合には、手摺り部41を取り除く。
【0043】
以上詳述したように、本実施形態では、扉30がフレーム構造を有するものとし、このフレーム構造を利用して、カバー部材36を取り付ける。このようにフレーム構造を扉30に採用したことにより、駆動部20の重量を削減することができる。これにより、設置作業に要する時間を削減することができる。また、風通し穴の設けられたカバー部材36によって、風荷重が低減される。しかも、風通し穴は、利用者の指が入らない程度の穴であり、軌道用車両の軌道が目視できる程度の穴である。このようにすれば、風荷重を低減させることができると共に、安全性の向上を図ることができる。
【0044】
このとき、本実施形態では、カバー部材36を樹脂材料で形成し、メッシュ構造とした(
図3(a)参照)。これにより、カバー部材36の製造も容易であり、強度が比較的大きくなるという点で有利である。また、樹脂材料で形成することで、帯電防止剤を塗布する必要がない。
【0045】
また、本実施形態では、扉30がフレーム構造を有するものとし、このフレーム構造を利用した扉送り出し機構23によって、扉30の進退移動を実現する。具体的には、扉30のフレーム構造を利用して、水平パイプ32,33の間に位置するように扉送り出し機構23を配置した(
図2(b)参照)。このとき、乗降口の開放時には、駆動部20の端部開口26から扉30が突出する。すなわち、従来の戸袋よりも扉の進退方向における駆動部20の長さは小さくなっている。また、フレーム構造を構成する水平パイプ31,33に沿ったガイドレール37,38を扉30が有するものとし、駆動部20側が、ガイドレール37,38に係合するスライドブロック24,25を有するものとした(
図2(a)参照)。これにより、従来のようにガイドレールを敷設する必要がない。その結果、設置作業に要する時間を削減することができる。
【0046】
しかも、ガイドレール37,38は、上段及び下段の水平パイプ31,33の下部に取り付けるようにした(
図2(c)参照)。これにより、比較的簡単にガイドレール37,38を取り付けることができる。
【0047】
さらにまた、本実施形態では、扉30が、水平パイプ31〜33と垂直パイプ34,35とで構成されるパイプフレーム構造を有している。これにより、扉30の重量を削減することができ、駆動部20の重量を削減することができる。その結果、設置作業に要する時間を削減することができる。
【0048】
具体的には、駆動部20を支持するための可動柵基礎部21,22は、2カ所で足りることになり、基礎部が3カ所以上(従来は4カ所)になる場合と比較して水平状態を作り出すことが簡単になるため、設置作業に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0049】
さらにまた、本実施形態では、戸袋10を備えており、乗降口の開放時に、駆動部20の端部開口26から突出する扉30を収容する。これにより、乗降口の開放時には扉30が戸袋10に収容されるため、安全性の向上に寄与する。
【0050】
また、戸袋10は、プラットホームPFの軌道側端縁部に当初より設置されている固定
柵40に取り付けられる(
図4(a)及び(b)参照)。これにより、戸袋10の設置が容易となり、設置作業に要する時間を削減することができる。また、戸袋10の部分に対応する固定柵は撤去する必要がなく、駆動部20の部分に対応する固定柵のみを撤去することで足りる。なお、固定柵40の上部先端にホーム側へ傾斜する手摺り部41があって、扉30の進退移動に干渉する場合には、手摺り部41を取り除けばよい。
【0051】
具体的には、
図5(a)に示すように駆動部20が2m未満の範囲に設置される場合、
図5(b)に示すように、駆動部20の部分に対応する2m未満の範囲で固定柵40を撤去し、戸袋10の部分に対応する固定柵40については、その手摺り部41だけが取り除かれる。結果として、夜間時間帯での設置作業が可能となり、仮設の柵を設けたり警備員を配置したりする必要がない。
【0052】
また、固定柵40を撤去して駆動部20を設置する場合、具体的には、最初に、
図6(a)に示す可動柵基礎部21,22をプラットホームPFに植設する。このとき、各可動柵基礎部21,22は、そのアンカー21a,22aで確実にプラットホームPFに植設される。次に、駆動部架台28を可動柵基礎部21,22に取り付け、その後、本体部分を駆動部架台28に固定する。
【0053】
このとき、固定柵40の撤去部分には固定柵基礎部42が残っているため(記号Bで示した)、当該固定柵基礎部42を避けるように可動柵基礎部21,22を植設する必要がある。
【0054】
この点、本実施形態では、駆動部20の重量が削減されており、可動柵基礎部21,22の配置自由度が高くなっている。したがって、例えば
図5(b)に記号Cで示すように固定柵基礎部42が一方の可動柵基礎部22に干渉するような位置にあれば、一方の可動柵基礎部22を外側へずらして配置することができ、固定柵基礎部42を避けて可動柵基礎部21,22を配置することができる。
【0055】
なお、本実施形態における扉30が「扉」に相当し、駆動部20が「駆動部」に相当し、戸袋10が「戸袋」に相当する。また、扉30のフレーム構造を構成する水平パイプ31〜33が「水平棒状部材」に相当し、垂直パイプ34,35が「垂直棒状部材」に相当し、ガイドレール37,38が「ガイドレール」に相当する。さらにまた、駆動部20のスライドブロック24,25が「スライドブロック」に相当し、一方の端部開口27が「一方の端部開口」に相当し、他方の端部開口26が「他方の端部開口」に相当し、扉送り出し機構23が「扉送り出し機構」に相当する。また、固定柵40が「固定柵」に相当し、固定柵40の手摺り部41が「扉との干渉部分」に相当する。
【0056】
以上本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その技術的範囲を逸脱しない限り、種々なる形態で実施可能である。
(イ)上記実施形態では、戸袋10が固定柵40を覆うように固定柵40に取り付けられる(
図4(a)及び(b)参照)。このとき、戸袋10も、カバー部材36と同様、樹脂製のメッシュ構造としてもよい。このようにすれば、戸袋10に対する風荷重が低減される。このとき、風通し穴は、扉30と同様、利用者の指が入らない程度の穴であり、軌道用車両の軌道が目視できる程度の穴とする。このようにすれば、戸袋10に対する風荷重を低減させることができると共に、安全性の向上を図ることができる。
【0057】
(ロ)上記実施形態では、カバー部材36が樹脂製となっており、メッシュ構造を有するものとしていた。
これに対し、竹材料を利用したカバー部材を採用してもよい。例えば、
図3(b)に示すように、長尺状の複数の竹部材71aを扉30の進退方向へ並べるようにし、利用者の
指が差し入れられない程度で軌道用車両の軌道を目視できる程度の隙間71bを形成するという具合である。このようなカバー部材71にすれば、扉30の重量を軽くすることができ、また、竹部材を利用することで帯電防止剤を塗布する必要がないという点で有利である。
【0058】
なお、この場合、カバー部材71が「カバー部材」に相当し、隙間71bが「風通し穴」に相当する。また、戸袋10についても同様で、竹材料を利用して戸袋10を構成してもよい。
【0059】
(ハ)上記(ロ)と同様、パンチングメタルをカバー部材として採用してもよい。例えば、
図3(c)に示すように、鋼板、ステンレス板、アルミ板などの金属板72aに、利用者の指が差し入れられない程度で軌道用車両の軌道を目視できる程度の風通し穴72bを形成するという具合である。このようなカバー部材72は、比較的簡単に作製することができるという点で有利である。
【0060】
なお、この場合、カバー部材72が「カバー部材」に相当し、風通し穴72bが「風通し穴」に相当する。また、戸袋10についても同様で、パンチングメタルを利用して戸袋10を構成してもよい。