特許第5851276号(P5851276)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5851276
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】自立給電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20160114BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20160114BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20160114BHJP
【FI】
   H02J3/38 110
   H02J3/32
   H02J3/38 130
   H02J3/38 170
   H02J3/38 180
   H02J7/35 K
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-37691(P2012-37691)
(22)【出願日】2012年2月23日
(65)【公開番号】特開2013-176180(P2013-176180A)
(43)【公開日】2013年9月5日
【審査請求日】2015年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120352
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100128901
【弁理士】
【氏名又は名称】東 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】山下 真
(72)【発明者】
【氏名】石井 幹也
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 敏成
【審査官】 赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−188607(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/114422(WO,A1)
【文献】 特開2011−015501(JP,A)
【文献】 特開2003−153448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/38
H02J 3/32
H02J 7/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統に連系される電力線と、
前記電力線に対して第2接続箇所で接続される発電装置と、
前記電力線に対して第3接続箇所で接続される蓄電部を有する充放電装置と、
前記電力線に対して第4接続箇所で接続される電力消費装置とを備える自立給電システムであって、
前記電力線の上流側に前記電力系統への接続箇所が設けられ、前記電力線に対する前記電力系統の接続箇所から見て下流側に向かって前記第2接続箇所及び前記第3接続箇所及び前記第4接続箇所がその並び順で設けられ、
前記電力線に対する前記発電装置の前記第2接続箇所よりも上流側に、前記電力線に対する前記充放電装置の第5接続箇所が別に設けられ、
前記発電装置は、前記電力線における電力の潮流を前記第2接続箇所から上流側に向かわせないという条件下で発電電力を制御し、
前記充放電装置は、前記電力系統から前記電力線に電力供給が行われているとき、前記電力線における電力の潮流を前記第3接続箇所から上流側に向かわせないという条件下で前記第3接続箇所を介して前記蓄電部への充電及び前記蓄電部からの放電を行う充放電モードでの動作を行い、前記電力系統から前記電力線に電力供給を行なえないとき、前記蓄電部の電力を用いて前記第5接続箇所を介して前記電力線の電圧を設定電圧に制御する電圧制御モードでの動作を行なう自立給電システム。
【請求項2】
前記電力線に対して第1接続箇所で接続される太陽光発電装置を備え、
前記電力線に対する前記電力系統の接続箇所から見て下流側に向かって前記第1接続箇所及び前記第2接続箇所及び前記第3接続箇所及び前記第4接続箇所がその並び順で設けられる請求項1に記載の自立給電システム。
【請求項3】
前記充放電装置が、インバータ部及び整流部を有する電力変換部と、前記蓄電部とを有し、
前記電力系統から前記電力線に電力供給が行われているとき、前記インバータ部が、前記電力線における電力の潮流を前記第3接続箇所から上流側に向かわせないという条件下で前記第3接続箇所を介して前記蓄電部への充電及び前記蓄電部からの放電を行う充放電モードでの動作を行い、
前記電力系統から前記電力線に電力供給を行なえないとき、前記インバータ部が、前記蓄電部の電力を用いて前記第5接続箇所を介して前記電力線の電圧を設定電圧に制御する電圧制御モードでの動作を行うと共に、前記電力線に接続される前記整流部が、前記電力線の電力を前記蓄電部への充電に用いる充電モードでの動作を行う請求項1又は2に記載の自立給電システム。
【請求項4】
前記充放電装置が、インバータ部及び整流部を有する電力変換部と、前記蓄電部とを有し、
前記電力系統から前記電力線に電力供給が行われているとき、前記インバータ部が、前記電力線における電力の潮流を前記第3接続箇所から上流側に向かわせないという条件下で前記第3接続箇所を介して前記蓄電部への充電及び前記蓄電部からの放電を行う充放電モードでの動作を行い、
前記電力系統から前記電力線に電力供給を行なえないとき、前記インバータ部が、前記蓄電部の電力を用いて前記第5接続箇所を介して前記電力線の電圧を設定電圧に制御する電圧制御モードでの動作を行うと共に、前記太陽光発電装置に対して接続される前記整流部が、前記太陽光発電装置の発電電力を前記蓄電部への充電に用いる充電モードでの動作を行う請求項2に記載の自立給電システム。
【請求項5】
前記充放電装置が、第1電力変換部と前記蓄電部とを有し、
前記太陽光発電装置が、第2電力変換部と太陽光発電部とを有し、
前記充放電装置の前記蓄電部を前記第1電力変換部に接続する状態と、前記充放電装置の前記蓄電部を前記太陽光発電装置の前記第2電力変換部に接続する状態との間で切り換える切換スイッチを備え、
前記電力系統から前記電力線に電力供給が行われているとき、前記充放電装置の前記第1電力変換部は、前記充放電装置の前記蓄電部が前記第1電力変換部に接続されるように前記切換スイッチが切り換えられた状態で、前記電力線における電力の潮流を前記第3接続箇所から上流側に向かわせないという条件下で前記第3接続箇所を介して前記蓄電部への充電及び前記蓄電部からの放電を行う充放電モードでの動作を行い、
前記電力系統から前記電力線に電力供給を行なえないとき、前記太陽光発電装置の前記第2電力変換部は、前記充放電装置の前記蓄電部が前記太陽光発電装置の前記第2電力変換部に接続されるように前記切換スイッチが切り換えられた状態で、前記蓄電部の電力を用いて前記第5接続箇所を介して前記電力線の電圧を設定電圧に制御する電圧制御モードでの動作を行う請求項2に記載の自立給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力系統に連系される電力線と、その電力線に対して接続される太陽光発電装置、発電装置、充放電装置及び電力消費装置とを備える自立給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電力系統に連系される電力線と、その電力線に対して接続される太陽光発電装置、発電装置(燃料電池発電装置)、充放電装置及び電力消費装置とを備える給電システムが記載されている。この給電システムでは、電力線の最上流側に電力系統が接続され、電力線の最下流側に電力消費装置が接続されている。そして、電力線の上流側から下流側に向かって、太陽光発電装置と充放電装置と発電装置とが順に接続されている。更に、発電装置から上流側(即ち、電力系統側)に電力の潮流を向かわせないという条件下(所謂、逆潮流を禁止するという条件下)で発電装置の動作が制御されている。つまり、発電装置の発電電力は、電力消費装置の消費電力よりも小さいものとなる。
加えて、特許文献1に記載の給電システムでは、電力系統から電力線に電力供給を行なえないとき、自立運転を行なった充放電装置を電力線における基準電源として、太陽光発電装置と発電装置を動作させることができるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−188607号公報(図1、段落0027など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の給電システムでは、発電装置から上流側(即ち、電力系統側)に電力の潮流を向かわせないという条件下で発電装置の動作が制御され、その結果、発電装置の発電電力は電力消費装置の消費電力よりも小さくしなければならない。つまり、発電装置の発電電力をそれよりも上流側の充放電装置に供給できないため、発電装置の発電電力で充放電装置の充電を行うことができない。つまり、エネルギーの高効率利用を可能とするコージェネレーションシステム等の発電装置の稼働率を高くすることができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力系統から電力線に電力供給を行なえないとき、充放電装置を電力線の電圧源として利用できると共に、電力系統から電力線に電力供給が行なわれているとき、発電装置の発電電力を充放電装置の充電に利用可能な自立給電システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る自立給電システムの特徴構成は、電力系統に連系される電力線と、前記電力線に対して第2接続箇所で接続される発電装置と、前記電力線に対して第3接続箇所で接続される蓄電部を有する充放電装置と、前記電力線に対して第4接続箇所で接続される電力消費装置とを備える自立給電システムであって、
前記電力線の上流側に前記電力系統への接続箇所が設けられ、前記電力線に対する前記電力系統の接続箇所から見て下流側に向かって前記第2接続箇所及び前記第3接続箇所及び前記第4接続箇所がその並び順で設けられ、
前記電力線に対する前記発電装置の前記第2接続箇所よりも上流側に、前記電力線に対する前記充放電装置の第5接続箇所が別に設けられ、
前記発電装置は、前記電力線における電力の潮流を前記第2接続箇所から上流側に向かわせないという条件下で発電電力を制御し、
前記充放電装置は、前記電力系統から前記電力線に電力供給が行われているとき、前記電力線における電力の潮流を前記第3接続箇所から上流側に向かわせないという条件下で前記第3接続箇所を介して前記蓄電部への充電及び前記蓄電部からの放電を行う充放電モードでの動作を行い、前記電力系統から前記電力線に電力供給を行なえないとき、前記蓄電部の電力を用いて前記第5接続箇所を介して前記電力線の電圧を設定電圧に制御する電圧制御モードでの動作を行なう点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、充放電装置は、電力系統から電力線に電力供給が行なわれているとき、第3接続箇所を介して蓄電部への充電及び蓄電部からの放電を行う充放電モードでの動作を行う。つまり、蓄電部は、発電装置が接続されている第2接続箇所よりも下流側の第3接続箇所で電力線に接続されているので、第2接続箇所(即ち、発電装置)から第3接続箇所(即ち、充放電装置の蓄電部)へと電力の潮流が向かうことは許容される。従って、電力系統から電力線に電力供給が行なわれているとき、発電装置の発電電力を充放電装置の蓄電部の充電に利用することで、発電装置の稼働率を向上させることができる。
加えて、充放電装置は、電力系統から電力線に電力供給を行なえないとき、蓄電部の電力を用いて、第2接続箇所よりも上流側の第5接続箇所を介して電力線の電圧を設定電圧に制御する電圧制御モードでの動作を行う。つまり、電力系統から電力線に電力供給を行なえないとき、発電装置が運転しているか否かに関わらず、蓄電部を電力線の電圧源として機能させつつ、電力消費装置へと電力の供給を行なうことができる。更に、発電装置が運転されても、電力線には電圧源としての蓄電部が接続されているので、電力系統から電力線に電力供給が行なわれている場合と同様に、その電力線に対して発電装置を連系することができる。
従って、電力系統から電力線に電力供給を行なえないとき、充放電装置の蓄電部を電力線の電圧源として利用できると共に、電力系統から電力線に電力供給が行なわれているとき、発電装置の発電電力を充放電装置の蓄電部への充電に利用可能な自立給電システムを提供できる。
【0008】
本発明に係る自立給電システムの更に別の特徴構成は、前記電力線に対して第1接続箇所で接続される太陽光発電装置を備え、
前記電力線に対する前記電力系統の接続箇所から見て下流側に向かって前記第1接続箇所及び前記第2接続箇所及び前記第3接続箇所及び前記第4接続箇所がその並び順で設けられる点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、太陽光発電装置の発電電力を電力消費装置に給電でき、且つ、太陽光発電装置の発電電力を用いて充放電装置への充電を行うこともできる。
【0010】
本発明に係る自立給電システムの更に別の特徴構成は、前記充放電装置が、インバータ部及び整流部を有する電力変換部と、前記蓄電部とを有し、前記電力系統から前記電力線に電力供給が行われているとき、前記インバータ部が、前記電力線における電力の潮流を前記第3接続箇所から上流側に向かわせないという条件下で前記第3接続箇所を介して前記蓄電部への充電及び前記蓄電部からの放電を行う充放電モードでの動作を行い、前記電力系統から前記電力線に電力供給を行なえないとき、前記インバータ部が、前記蓄電部の電力を用いて前記第5接続箇所を介して前記電力線の電圧を設定電圧に制御する電圧制御モードでの動作を行うと共に、前記電力線に接続される前記整流部が、前記電力線の電力を前記蓄電部への充電に用いる充電モードでの動作を行う点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、電力系統から電力線に電力供給が行われているとき、少なくとも、電力系統、発電装置及び充放電装置から電力線に供給される電力を用いて電力消費装置を動作させることができ、且つ、少なくとも電力系統及び発電装置から供給される電力を用いて充放電装置への充電を行うこともできる。また、自立給電システムが太陽光発電装置を備えていれば、太陽光発電装置から電力線に供給される電力を用いて電力消費装置を動作させることができ、且つ、太陽光発電装置から供給される電力を用いて充放電装置への充電を行うこともできる。
加えて、電力系統から電力線に電力供給を行なえないとき、発電装置が運転しているか否かに関わらず、蓄電部を電力線の電圧源として機能させつつ、電力消費装置へと電力の供給を行なうことができ、且つ、充放電装置の整流部を介して電力線の電力を蓄電部への充電に用いることもできる。
【0012】
本発明に係る自立給電システムの更に別の特徴構成は、前記充放電装置が、インバータ部及び整流部を有する電力変換部と、前記蓄電部とを有し、前記電力系統から前記電力線に電力供給が行われているとき、前記インバータ部が、前記電力線における電力の潮流を前記第3接続箇所から上流側に向かわせないという条件下で前記第3接続箇所を介して前記蓄電部への充電及び前記蓄電部からの放電を行う充放電モードでの動作を行い、前記電力系統から前記電力線に電力供給を行なえないとき、前記インバータ部が、前記蓄電部の電力を用いて前記第5接続箇所を介して前記電力線の電圧を設定電圧に制御する電圧制御モードでの動作を行うと共に、前記太陽光発電装置に対して接続される前記整流部が、前記太陽光発電装置の発電電力を前記蓄電部への充電に用いる充電モードでの動作を行う点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、電力系統から電力線に電力供給が行われているとき、電力系統、太陽光発電装置、発電装置及び充放電装置から電力線に供給される電力を用いて電力消費装置を動作させることができ、且つ、電力系統、太陽光発電装置及び発電装置から供給される電力を用いて充放電装置への充電を行うこともできる。
加えて、電力系統から電力線に電力供給を行なえないとき、発電装置が運転しているか否かに関わらず、蓄電部を電力線の電圧源として機能させつつ、電力消費装置への電力の供給を行なうことができ、且つ、充放電装置の整流部を介して太陽光発電装置の発電電力を蓄電部への充電に用いることもできる。
【0014】
本発明に係る自立給電システムの更に別の特徴構成は、
前記充放電装置が、第1電力変換部と前記蓄電部とを有し、
前記太陽光発電装置が、第2電力変換部と太陽光発電部とを有し、
前記充放電装置の前記蓄電部を前記第1電力変換部に接続する状態と、前記充放電装置の前記蓄電部を前記太陽光発電装置の前記第2電力変換部に接続する状態との間で切り換える切換スイッチを備え、
前記電力系統から前記電力線に電力供給が行われているとき、前記充放電装置の前記第1電力変換部は、前記充放電装置の前記蓄電部が前記第1電力変換部に接続されるように前記切換スイッチが切り換えられた状態で、前記電力線における電力の潮流を前記第3接続箇所から上流側に向かわせないという条件下で前記第3接続箇所を介して前記蓄電部への充電及び前記蓄電部からの放電を行う充放電モードでの動作を行い、
前記電力系統から前記電力線に電力供給を行なえないとき、前記太陽光発電装置の前記第2電力変換部は、前記充放電装置の前記蓄電部が前記太陽光発電装置の前記第2電力変換部に接続されるように前記切換スイッチが切り換えられた状態で、前記蓄電部の電力を用いて前記第5接続箇所を介して前記電力線の電圧を設定電圧に制御する電圧制御モードでの動作を行う点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、電力系統から電力線に電力供給が行われているとき、電力系統、太陽光発電装置、発電装置及び充放電装置から電力線に供給される電力を用いて電力消費装置を動作させることができ、且つ、太陽光発電装置及び発電装置から供給される電力を用いて充放電装置への充電を行うことができる。
加えて、電力系統から電力線に電力供給を行なえないとき、発電装置が運転しているか否かに関わらず、蓄電部を電力線の電圧源として機能させつつ、電力消費装置への電力の供給を行なうことができる。更に、第2電力変換部には太陽光発電部と蓄電部とが接続されているので、第2電力変換部が、太陽光発電部の発電電力を蓄電部へ充電させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態の自立給電システムの構成を示す図である。
図2】第2実施形態の自立給電システムの構成を示す図である。
図3】第3実施形態の自立給電システムの構成を示す図である。
図4】第4実施形態の自立給電システムの構成を示す図である。
図5】第5実施形態の自立給電システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
以下に図面を参照して第1実施形態の自立給電システムS1(S)について説明する。図1は、第1実施形態の自立給電システムS1の構成を示す図である。
図示するように、自立給電システムS1は、電力系統1に接続される電力線2と、発電装置4と、充放電装置5と、電力消費装置6とを備える。本実施形態では、自立給電システムS1が太陽光発電装置3を更に備える例を説明するが、太陽光発電装置3を備えないような自立給電システムを構築することもできる。後述するように、電力線2の途中(即ち、第5接続箇所P5)には切換スイッチ7が設けられている。この自立給電システムS1の動作を制御する制御装置Cは、電力系統1から電力線2に電力供給が行われているか否かを検出可能である。そして、制御装置Cは、電力系統1から電力線2に電力供給が行われているときと、電力系統1から電力線2に電力供給が行えないときとで、切換スイッチ7及び充放電装置5の動作を切り換えさせる。
【0018】
太陽光発電装置3は、電力線2に対して第1接続箇所P1で接続される。発電装置4は、電力線2に対して第2接続箇所P2で接続される。充放電装置5は、電力線2に対して第3接続箇所P3で接続される。電力消費装置6は、電力線2に対して第4接続箇所P4で接続される。本実施形態では、電力線2の上流側に電力系統1への接続箇所が設けられ、電力線2に対する電力系統1の接続箇所から見て下流側に向かって第1接続箇所P1及び第2接続箇所P2及び第3接続箇所P3及び第4接続箇所P4がその並び順で設けられる。
【0019】
太陽光発電装置3は、太陽光を受光して発電する太陽光発電部3bと、その太陽光発電部3bで発電した電力を所望の電力に変換して電力線2へと出力する電力変換部3aとを有する。
【0020】
発電装置4は、発電部4bと、その発電部4bで発電した電力を所望の電力に変換して出力する電力変換部4aとを有する。発電部4bとしては、例えば燃料電池で発電を行う装置やエンジンによって駆動される発電機で発電を行う装置などの様々な装置を利用可能である。電力変換部4aは、第2接続箇所P2の直ぐ上流側での電力の潮流を検出可能な電流トランス9の検出結果に基づいて、電力線2における電力の潮流を第2接続箇所P2から上流側に向かわせないという条件下で発電部4bに発電指令を与えて、発電装置4から電力系統1に出力される発電電力を制御している。つまり、本実施形態での発電部4bは、電力系統1への逆潮流が許容されていないような装置(例えば、太陽光発電装置以外の装置)を想定している。
【0021】
充放電装置5は、蓄電部5bと、その蓄電部5bに蓄えられている電気を所望の電力に変換して電力系統1へ出力する放電動作及び電力系統1から電力を受け取って蓄電部5bに蓄える充電動作を行う電力変換部5aとを有する。蓄電部5bは、蓄電池や電気二重層キャパシタなどの様々な装置を利用できる。また、電力変換部5aは、蓄電部5bでの充放電動作を制御する役割も担っており、第3接続箇所P3の直ぐ上流側での電力の潮流を検出可能な電流トランス10の検出結果に基づいて、電力線2における電力の潮流を第3接続箇所P3から上流側に向かわせないという条件下で充放電装置5から電力系統1に出力される放電電力を制御している。
【0022】
更に、電力線2に対する発電装置4の第2接続箇所P2よりも上流側に、電力線2に対する充放電装置5の第5接続箇所P5が上記第3接続箇所P3とは別に設けられている。電力線2の第5接続箇所P5は切換スイッチ7で構成されている。切換スイッチ7は固定接点bの他に接点a及び接点cを有する。固定接点bは電力線2の第2接続箇所P2に対して電気的に接続され、接点aは電力線2の第1接続箇所P1に対して電気的に接続され、接点cは充放電装置5の電力変換部5aに対して給電線11を介して電気的に接続される。そして、制御装置Cは、電力系統1から電力線2に電力供給が行われているときと、電力系統1から電力線2に電力供給が行えないときとで、切換スイッチ7及び充放電装置5の動作を切り換えさせる。
【0023】
具体的には、制御装置Cは、電力系統1から電力線2に電力供給が行なわれているか否かを、例えば電力系統1での電圧を検出することで判定する。そして、制御装置Cは、電力系統1から電力線2に電力供給が行われていると判定したとき、切換スイッチ7を接点aと接点bとの間が接続されるように動作させ、充放電装置5に対して正常時用の動作モード(充放電モード)での動作を指令する。この充放電モードは、電力線2における電力の潮流を第3接続箇所P3から上流側に向かわせないという条件下で第3接続箇所P3を介して蓄電部5bへの充電及び蓄電部5bからの放電を行う運転モードである。
また、制御装置Cは、電力系統1から電力線2に電力供給を行なえないと判定したとき、切換スイッチ7を接点bと接点cとの間が接続されるように動作させ、充放電装置5に対して異常時用の動作モード(電圧制御モード)での動作を指令する。この電圧制御モードは、蓄電部5bの電力を用いて第5接続箇所P5を介して電力線2の電圧を設定電圧に制御する運転モードである。
以下に、充放電装置5が行う充放電モード及び電圧制御モードでの動作について説明する。
【0024】
〔充放電モード〕
電力系統1から電力線2に電力供給が行われている電力系統1の正常時に、制御装置Cは、切換スイッチ7を接点aと接点bとの間が接続されるように動作させる。その結果、電力線2での電力の電圧は、電力系統1から供給される電力の電圧になる。つまり、電力線2では、電力系統1が電圧源として機能する。加えて、充放電装置5は、制御装置Cからの指令に応じて、電力線2における電力の潮流を第3接続箇所P3から上流側に向かわせないという条件下で第3接続箇所P3を介して蓄電部5bへの充電及び蓄電部5bからの放電を行う充放電モードで動作する。例えば、発電装置4が定格運転をする場合、「電力消費装置6の電力負荷>発電装置4の定格発電容量」であれば発電装置4の発電出力だけでは不足する分を充放電装置5が放電し、「電力消費装置6の電力負荷<発電装置4の定格発電容量」であれば発電装置4の発電能力の余力分を充放電装置5が充電する。言い換えると、電力線2における電力の潮流が、第1接続箇所P1及び第2接続箇所P2から下流側の第3接続箇所P3へと向かうことは許容される。
【0025】
このように、電力系統1から電力線2に電力供給が行われているとき、電力系統1、太陽光発電装置3、発電装置4及び充放電装置5から電力線2に供給される電力を用いて電力消費装置6を動作させることができ、且つ、電力系統1、太陽光発電装置3及び発電装置4から供給される電力を用いて充放電装置5への充電を行うことができる。
【0026】
〔電圧制御モード〕
電力系統1の事故や停電など、電力系統1から電力線2に電力供給が行えない電力系統1の異常時に、制御装置Cは、切換スイッチ7を接点bと接点cとの間が接続されるように動作させる。その結果、第5接続箇所P5(切換スイッチ7)を介して、充放電装置5の電力変換部5aと電力線2との接続が確立される。また、太陽光発電装置3は電力線2から切り離される。そして、充放電装置5は、制御装置Cからの指令に応じて、蓄電部5bの電力を用いて第5接続箇所P5を介して電力線2の電圧を設定電圧に制御する電圧制御モードで動作する。例えば、切換スイッチ7の接点cには、給電線11を介して充放電装置5の電力変換部5aが接続されており、その充放電装置5の電力変換部5aは、電力線2の電圧が設定電圧となるように蓄電部5bから第5接続箇所P5を介して電力線2へと放電する電力の電圧を制御する。このとき、電力線2には、電圧源として機能する充放電装置5の他に、発電装置4と電力消費装置6とが接続されており、発電装置4は、電力線2における電力の潮流を第2接続箇所P2から上流側に向かわせないように発電電力を制御している。
【0027】
このように、電力系統1から電力線2に電力供給が行えないとき、充放電装置5が電力線2の電圧源として機能することで、電力線2に発電装置4を接続させて、発電装置4に電力線2での電力の電流制御を担わせることができる。従って、充放電装置5及び発電装置4から電力線2に供給される電力を用いて電力消費装置6を動作させることができる。尚、本実施形態では、充放電装置5の第5接続箇所P5が、太陽光発電装置3の第1接続箇所P1よりも下流側であり、且つ、電力線2に対する発電装置4の第2接続箇所P2よりも上流側に設けられている。
【0028】
<第2実施形態>
第2実施形態の自立給電システムS2(S)は、電力線2に対する充放電装置5の接続形態が第1実施形態と異なっている。以下に第2実施形態の自立給電システムS2の構成について説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0029】
図2は、第2実施形態の自立給電システムS2の構成を示す図である。図2に示すように、電力線2に対する充放電装置5の第5接続箇所P5は、電力線2に対する太陽光発電装置3の第1接続箇所P1よりも上流側に設けられる。つまり、切換スイッチ7の固定接点bは電力線2の第1接続箇所P1に対して電気的に接続され、接点aは電力系統1の接続箇所に対して電気的に接続され、接点cは給電線11を介して充放電装置5の電力変換部5aに対して電気的に接続される。
【0030】
本実施形態でも、第1実施形態と同様に、制御装置Cは、電力系統1から電力線2に電力供給が行われているとき、切換スイッチ7を接点aと接点bとを接続する状態に切り換え、且つ、充放電装置5に対して正常時用の動作モード(充放電モード)での動作を指令する。そして、充放電装置5は、制御装置Cからの指令に応じて、電力線2における電力の潮流を第3接続箇所P3から上流側に向かわせないという条件下で第3接続箇所P3を介して蓄電部5bへの充電及び蓄電部5bからの放電を行う充放電モードで動作する。その結果、電力系統1から電力線2に電力供給が行われているとき、電力系統1、太陽光発電装置3、発電装置4及び充放電装置5から電力線2に供給される電力を用いて電力消費装置6を動作させることができ、且つ、電力系統1、太陽光発電装置3及び発電装置4から供給される電力を用いて充放電装置5への充電を行うことができる。
【0031】
これに対して、制御装置Cは、電力系統1から電力線2に電力供給を行なえないとき、切換スイッチ7を接点bと接点cとを接続する状態に切り換え、且つ、充放電装置5に対して異常時用の動作モード(電圧制御モード)での動作を指令する。そして、充放電装置5は、制御装置Cからの指令に応じて、第5接続箇所P5を介して電力線2の電圧を設定電圧に制御する電圧制御モードで動作する。その結果、電力系統1から電力線2に電力供給が行えないとき、充放電装置5を電力線2の電圧源として機能させることで、電力線2に発電装置4を接続させて、発電装置4に電力線2での電流制御を担わせることができる。従って、充放電装置5及び発電装置4から電力線2に供給される電力を用いて電力消費装置6を動作させることもできる。
【0032】
更に、本実施形態では、電力線2に対する充放電装置5の第5接続箇所P5は、電力線2に対する太陽光発電装置3の第1接続箇所P1よりも上流側に設けられるので、切換スイッチ7を接点bと接点cとの間で接続させても、太陽光発電装置3は電力線2から切り離されることがない。従って、電力系統1の停電や事故などにより電力系統1から電力線2に電力供給が行えないとき、太陽光発電装置3の発電電力を用いて充放電装置5への充電を行うことができ、且つ、太陽光発電装置3から電力消費装置6に対して直接給電することも可能であるので、電力系統1の停電や事故などが長時間になっても電力消費装置6への電力供給を安定して継続できる。
【0033】
<第3実施形態>
第3実施形態の自立給電システムS3(S)は、充放電装置5の構成が第1実施形態及び第2実施形態と異なっている。以下に第3実施形態の自立給電システムS3の構成について、図1に示した第1実施形態の自立給電システムを改変した例を説明するが、図2に示した第2実施形態を改変することもできる。
【0034】
図3は、第3実施形態の自立給電システムS3の構成を示す図である。第3実施形態の自立給電システムS3において、充放電装置5は電力変換部5aと蓄電部5bとを有する。この電力変換部5aは、インバータ部5aiと整流部5arとを有する。インバータ部5aiは、電力線2での電力を蓄電部5bへ充電する充電動作及び蓄電部5bでの電力を電力線2へ放電する放電動作を行うことができる双方向の電力変換回路である。切換スイッチ7の固定接点bは電力線2の第2接続箇所P2に対して電気的に接続され、接点aは電力線2の第1接続箇所P1に対して電気的に接続され、接点cは充放電装置5の電力変換部5aのインバータ部5aiに対して給電線11を介して電気的に接続される。その結果、切換スイッチ7の接続状態に応じて、インバータ部5aiは、第3接続箇所P3及び第5接続箇所P5の何れか一方との間で電力のやり取りを行なうことができる。整流部5arは第3接続箇所P3に接続されており、第3接続箇所P3における電力線2の電力を整流した上で蓄電部5bへ流すことができる。尚、電力系統1から電力線2に電力供給が行われている正常時には、整流部5arには電流が流れず、停電時しか電気が流れないように構成されている。
以下に、電力系統1から電力線2に電力供給が行われているときの自立給電システムS1の動作例と、電力系統1から電力線2に電力供給を行なえないときの自立給電システムS1の動作例とを説明する。
【0035】
電力系統1から電力線2に電力供給が行われているとき、制御装置Cは、切換スイッチ7を接点aと接点bとの間が接続される状態に切り換え、且つ、充放電装置5に対して正常時用の動作モード(充放電モード)での動作を指令する。そして、充放電装置5のインバータ部5aiは、制御装置Cからの指令に応じて、電力線2における電力の潮流を第3接続箇所P3から上流側に向かわせないという条件下で第3接続箇所P3を介して電力の充放電を行なう充放電モードで動作する。その結果、電力系統1、太陽光発電装置3、発電装置4及び充放電装置5から電力線2に供給される電力を用いて電力消費装置6を動作させることができ、且つ、電力系統1、太陽光発電装置3及び発電装置4から供給される電力を用いて充放電装置5への充電を行うこともできる。
【0036】
これに対して、電力系統1から電力線2に電力供給が行えないとき、制御装置Cは、切換スイッチ7を接点bと接点cとが接続されるように動作させ、且つ、充放電装置5に対して異常時用の動作モード(電圧制御モード及び充電モード)での動作を指令する。切換スイッチ7の接点が切り換えられることで、第5接続箇所P5(切換スイッチ7)を介して、充放電装置5のインバータ部5aiと電力線2との接続が確立される。そして、充放電装置5のインバータ部5aiは、制御装置Cからの指令に応じて、第5接続箇所P5を介して電力線2の電圧を設定電圧に制御する電圧制御モードで動作し、加えて、充放電装置5の整流部5arは、制御装置Cからの指令に応じて、第3接続箇所P3を介して電力線2の電力を蓄電部5bへの充電に用いる充電モードで動作する。その結果、発電装置4が運転しているか否かに関わらず、充放電装置5の蓄電部5bを電力線2の電圧源として機能させつつ、電力消費装置6へと電力の供給を行なうことができ、且つ、充放電装置5の整流部5arを介して電力線2の電力を蓄電部5bへの充電に用いることもできる。
【0037】
<第4実施形態>
第4実施形態の自立給電システムS4(S)は、充放電装置5及び太陽光発電装置3の構成が第3実施形態と異なっている。以下に第4実施形態の自立給電システムS4の構成について説明するが、第3実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0038】
図4は、第4実施形態の自立給電システムS4の構成を示す図である。第4実施形態の自立給電システムS4においても、充放電装置5は、インバータ部5ai及び整流部5arを有する電力変換部5aと蓄電部5bとを有する。本実施形態において、充放電装置5の整流部5arは太陽光発電装置3の電力変換部3aに対して給電線12を介して接続されている。
以下に、電力系統1から電力線2に電力供給が行われているときの自立給電システムS1の動作例と、電力系統1から電力線2に電力供給を行なえないときの自立給電システムS1の動作例とを説明する。
【0039】
電力系統1から電力線2に電力供給が行われているとき、制御装置Cは、切換スイッチ7を接点aと接点bとの間が接続される状態に切り換え、且つ、充放電装置5に対して正常時用の動作モード(充放電モード)での動作を指令し、及び、太陽光発電装置3に対して所定の動作モードでの動作を指令する。そして、充放電装置5のインバータ部5aiは、制御装置Cからの指令に応じて、電力線2における電力の潮流を第3接続箇所P3から上流側に向かわせないという条件下で第3接続箇所P3を介して蓄電部5bへの充電及び蓄電部5bからの放電を行う充放電モードで動作する。加えて、太陽光発電装置3の電力変換部3aは、制御装置Cからの指令に応じて、太陽光発電装置3から例えば最大電力を電力線2に供給するように動作する。その結果、電力系統1、太陽光発電装置3、発電装置4及び充放電装置5から電力線2に供給される電力を用いて電力消費装置6を動作させることができ、且つ、電力系統1、太陽光発電装置3及び発電装置4から供給される電力を用いて充放電装置5への充電を行うこともできる。
【0040】
これに対して、電力系統1から電力線2に電力供給を行なえないとき、制御装置Cは、切換スイッチ7を接点bと接点cとの間が接続される状態に切り換え、且つ、充放電装置5に対して異常時用の動作モード(電圧制御モード及び充電モード)での動作を指令し、及び、太陽光発電装置3に対して所定の動作モードでの動作を指令する。その結果、第5接続箇所P5(切換スイッチ7)を介して、充放電装置5のインバータ部5aiと電力線2との接続が確立される。そして、充放電装置5のインバータ部5aiは、制御装置Cからの指令に応じて、第5接続箇所P5を介して電力線2の電圧を設定電圧に制御する電圧制御モードで動作し、加えて、充放電装置5の整流部5arは、制御装置Cからの指令に応じて、太陽光発電装置3の発電電力を蓄電部5bへの充電に用いる充電モードで動作する。つまり、太陽光発電装置3の電力変換部3aは、電力系統1から電力線2に電力供給を行なえないとき(即ち、太陽光発電装置3の発電電力を電力線2に供給できないとき)、太陽光発電装置3の発電電力を充放電装置5の整流部5arに供給する。尚、電力系統1から電力線2に電力供給が行われている正常時には、整流部5arには電流が流れず、停電時しか電気が流れないように構成されている。その結果、発電装置4が運転しているか否かに関わらず、充放電装置5の蓄電部5bを電力線2の電圧源として機能させつつ、電力消費装置6へと電力の供給を行なうことができ、且つ、充放電装置5の整流部5arを介して太陽光発電装置3の発電電力を蓄電部5bへの充電に用いることもできる。
【0041】
<第5実施形態>
第5実施形態の自立給電システムS5(S)は、充放電装置5の構成、太陽光発電装置3の構成及び切換スイッチの構成が第1実施形態と異なっている。以下に第5実施形態の自立給電システムS5の構成について説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0042】
図5は、第5実施形態の自立給電システムS5の構成を示す図である。図5に示すように、充放電装置5は、蓄電部5bと、電力変換部(本発明の「第1電力変換部」に対応)5aと、それら蓄電部5b及び電力変換部5aの間に設けられる切換スイッチ5cとを有する。充放電装置5の切換スイッチ5cは固定接点bの他に接点a及び接点cを有する。充放電装置5の切換スイッチ5cの固定接点bは蓄電部5bに対して電気的に接続され、接点aは電力変換部5aに対して電気的に接続され、接点cは太陽光発電装置3の電力変換部(本発明の「第2電力変換部」に対応)3aに対して給電線13を介して電気的に接続される。つまり、この切換スイッチ5cは、充放電装置5の蓄電部5bを電力変換部(本発明の「第1電力変換部」に相当)5aに接続する状態と、充放電装置5の蓄電部5bを太陽光発電装置3の電力変換部(本発明の「第2電力変換部」に相当)3aに接続する状態との間で切り換えることができる。
また、電力線2の途中に設けられる切換スイッチ7の固定接点bは電力線2の第2接続箇所P2及び第3接続箇所P3及び第4接続箇所P4に対して電気的に接続され、接点aは電力線2の第1接続箇所P1に対して電気的に接続され、接点cは太陽光発電装置3の電力変換部3aに対して給電線14を介して電気的に接続される。
以下に、電力系統1から電力線2に電力供給が行われているときの自立給電システムS1の動作例と、電力系統1から電力線2に電力供給を行なえないときの自立給電システムS1の動作例とを説明する。
【0043】
電力系統1から電力線2に電力供給が行われているとき、制御装置Cは、切換スイッチ7を接点aと接点bとの間が接続される状態に切り換え、且つ、充放電装置5に対して正常時での動作モード(充放電モード)での動作を指令し、及び、太陽光発電装置3に対して所定の動作モードでの動作を指令する。充放電装置5は、制御装置Cからの指令を受けると、充放電装置5の切換スイッチ5cを接点aと接点bとが接続される状態にして、充放電装置5の蓄電部5bがその電力変換部5a及び第3接続箇所P3を介して電力線2に電気的に接続されるようにする。その結果、電力系統1から供給される電力を第1接続箇所P1、第2接続箇所P2、第3接続箇所P3及び第4接続箇所P4に流すことができる。加えて、充放電装置5の電力変換部5aは、制御装置Cからの指令に応じて、電力線2における電力の潮流を第3接続箇所P3から上流側に向かわせないという条件下で第3接続箇所P3を介して蓄電部5bへの充電及び蓄電部5bからの放電を行う充放電モードでの動作を行う。太陽光発電装置3の電力変換部3aは、制御装置Cからの指令に応じて、太陽光発電装置3から例えば最大電力を電力線2に供給するように動作する。
【0044】
このように、電力系統1から電力線2に電力供給が行なわれているとき、太陽光発電装置3が第1接続箇所P1において電力線2に対して電気的に接続され、発電装置4が第2接続箇所P2において電力線2に対して電気的に接続され、充放電装置5が第3接続箇所P3において電力線2に対して電気的に接続され、電力消費装置6が第4接続箇所P4において電力線2に対して電気的に接続される。その結果、電力系統1から電力線2に電力供給が行われているとき、電力系統1、太陽光発電装置3、発電装置4及び充放電装置5から電力線2に供給される電力を用いて電力消費装置6を動作させることができ、且つ、電力系統1、太陽光発電装置3及び発電装置4から供給される電力を用いて充放電装置5への充電を行うことができる。
【0045】
これに対して、電力系統1から電力線2に電力供給が行えないとき、制御装置Cは、切換スイッチ7を接点bと接点cとの間が接続される状態に切り換え、且つ、充放電装置5に対して所定の動作モードでの動作を指令し、及び、太陽光発電装置3に対して異常時の動作モード(電圧制御モード)での動作を指令する。充放電装置5は、制御装置Cからの指令を受けると、充放電装置5の切換スイッチ5cを接点bと接点cとが接続される状態にする。その結果、充放電装置5の蓄電部5bは給電線13を介して太陽光発電装置3の電力変換部3aに電気的に接続され、その太陽光発電装置3の電力変換部3aは、給電線14及び第5接続箇所P5(切換スイッチ7)を介して電力線2に対して電気的に接続されることになる。そして、太陽光発電装置3の電力変換部3aは、制御装置Cからの指令に応じて、蓄電部5bの電力を用いて(又は、蓄電部5bの電力及び太陽光発電部3bの発電電力を用いて)第5接続箇所P5を介して電力線2の電圧を設定電圧に制御する電圧制御モードでの動作を行う。
【0046】
このように、電力系統1から電力線2に電力供給を行なえないとき、太陽光発電装置3の太陽光発電部3bと充放電装置5の蓄電部5bとが太陽光発電装置3の電力変換部3aを介して第5接続箇所P5において電力線2に対して電気的に接続され、発電装置4が第2接続箇所P2において電力線2に対して電気的に接続され、電力消費装置6が第4接続箇所P4において電力線2に対して電気的に接続される。その結果、充放電装置5の蓄電部5b及び太陽光発電装置3の太陽光発電部3bを電力線2の電圧源として機能させることで、電力線2に発電装置4を接続させて、発電装置4に電流制御を担わせることができる。従って、充放電装置5及び太陽光発電装置3及び発電装置4から電力線2に供給される電力を用いて電力消費装置6を動作させることができる。更に、太陽光発電装置3の電力変換部3aには太陽光発電部3bと充放電装置5の蓄電部5bとが接続されているので、その太陽光発電装置3の電力変換部3aが、太陽光発電部3bの発電電力を蓄電部5bへ充電させることもできる。
【0047】
<別実施形態>
<1>
上記実施形態において説明した自立給電システムSの構成は適宜変更可能である。例えば、太陽光発電装置3の電力変換部3a及び発電装置4の電力変換部4aに対して、それらから直接電力供給を受けることができる電気コンセントを接続してもよい。具体的には、図1及び図3に例示した自立給電システムS1、S3では、電力系統1から電力線2に電力供給を行なえないとき、切換スイッチ7の接点aが接点bから切り離されることで太陽光発電装置3が電力線2からも切り離される。このように、太陽光発電装置3の発電電力の出力先が切り離されるような場合であっても、太陽光発電装置3の電力変換部3aに電気コンセントを接続しておくことで、太陽光発電装置3の発電作動を停止させることなく、電気コンセントから他の電力消費装置へと電力を供給できる。
【0048】
<2>
上記実施形態では、制御装置Cが、電力系統1の正常又は異常(即ち、電力系統1から電力線2に電力供給を正常に行なえるか否か)を判定し、その判定結果に基づいて充放電装置5及び太陽光発電装置3などに動作モードの切り換えを指令する例を説明したが、本発明はこの例には限定されない。例えば、充放電装置5及び太陽光発電装置3が、電力系統1又は電力線2の電圧値を参照して電力系統1の正常又は異常を自身で判定し、制御装置Cからの指令によらずに上述した各動作を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、電力系統に連系される電力線と、その電力線に対して接続される太陽光発電装置、発電装置、充放電装置及び電力消費装置とを備える自立給電システムに利用できる。
【符号の説明】
【0050】
1 電力系統
2 電力線
3 太陽光発電装置
3a 電力変換部(第2電力変換部)
3b 太陽光発電部
4 発電装置
5 充放電装置
5a 電力変換部(第1電力変換部)
5ai インバータ部
5ar 整流部
5b 蓄電部
5c 切換スイッチ
6 電力消費装置
C 制御装置
P1 第1接続箇所
P2 第2接続箇所
P3 第3接続箇所
P4 第4接続箇所
P5 第5接続箇所
S(S1〜S5) 自立給電システム
図1
図2
図3
図4
図5