(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の実施例に従った無線通信システム10の概略図である。無線通信システム10は、概して、ユーザ装置(UE)100、マクロセル基地局(BS)102、低出力BS104等を備えている。
図1において、UE100、マクロセルBS102、低出力BS104は、無線通信システム10の構造を説明するためにのみ用いられている。実際には、マクロセルBS102及び/又は低出力BS104は、evolved UTRAN(E−UTRAN)、ロングタームエボリューション(LTE)システム、LTEアドバンスト(LTE−A)システム又はLTE−Aの進化したシステムにおけるevolved NB(eNB)及び/又は中継局であり得る。追加的に、低出力BS104は、ピコセルBS又はフェムトセルBSであってもよい。
図1において、低出力BS104は、マクロセルBS102のカバレッジエリア内にある。別の例においては、低出力BS104は、マクロセルBS102のカバレッジエリア外にあってもよいが、低出力BS104のカバレッジエリアとマクロセルBS102のカバレッジエリアとは部分的に重なっている。
【0016】
図1に示されるように、UE100は、マクロセルBS102のカバレッジエリア内にあり、かつ、低出力BS104のカバレッジエリア内にある。UE100は、マクロセルBS102及び低出力BS104と同時に通信することができる。すなわち、通信装置104は、マクロセルBS102のセル及び低出力BS102のセルを通して、送信/受信を行うことができる。UE100は、例えば、マシン型通信(MTC)装置、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、電子書籍、又は携帯型コンピュータシステムであってもよい。さらに、マクロセルBS102/低出力BS104、及び、UE100は、その方向によっては、送信機あるいは受信機と見なすこともできる。例えば、上りリンク(UL)において、UE100は送信機であり、マクロセルBS102/低出力BS104は受信機である。また、下りリンク(DL)において、マクロセルBS102/低出力BS104は送信機であり、UE100は受信機である。
【0017】
図2は、本発明の実施例に従った通信装置20の概略を示す図である。通信装置20は、
図1に示されるUE100、マクロセルBS102及び/又は低出力BS104であってもよいが、これらに限定されない。通信装置20は、マイクロプロセッサ又は特定用途向け集積回路(ASIC)といった処理手段200、記憶部210及び通信インターフェース部220を備えてもよい。記憶部210は、プログラムコード214を記憶することが可能であれば、いかなるデータ記憶装置であってもよく、当該プログラムコード214は、処理手段200によって呼び出され、実行される。限定はしないが、記憶部210の例としては、加入者識別モジュール(SIM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD−ROM/DVD−ROM、磁気テープ、ハードディスク、及び光学データ記憶装置等が考えられる。通信インターフェース部220は、送受信装置であることが好ましく、処理手段200の処理結果に応じた信号(例えば、データ、信号、メッセージ及び/又はパケット等)を送受信するのに利用される。
【0018】
図3は、本発明の実施例に従った無線通信システム10の通信を説明するための図である。
図3は、マクロセルBS102が利用する処理40、UE100が利用する処理50、及び低出力BS104の観点からの処理を示す。処理40の詳細は、
図4において説明され、処理50の詳細は、
図5において説明される。
【0019】
図3に示すように、UE100とマクロセルBS102とが互いに通信できるようにするため、UE100とマクロセルBS102は、RRCコネクションの確立の処理手順(RRC connection establishment procedure)を実行する。また、UE100とマクロセルBS102は、セキュリティ起動手順(security activation procedure)を実行することができ、当該セキュリティ起動手順の際に、UE100は、第1のセキュリティキーと第1のセキュリティアルゴリズムを取得することができる。それにより、当該第1のセキュリティキー及び第1のセキュリティアルゴリズムを用いることにより、UE100とマクロセルBS102のセルとの間の送信及び/又は受信(ステップ402及びステップ502)を保護することが可能となる。当該第1のセキュリティキー及び第1のセキュリティアルゴリズムは、UE100とマクロセルBS102双方において有効とされる(すなわち、適用される)。
【0020】
次に、マクロセルBS102は、低出力BS104のセルをUE100に割り当てることを決定する(ステップ404)。マクロセルBS102が低出力BS104のセルを決定/選択するために用いる方法は、特に限定されない。例えば、マクロセルBS102は、UE100が送信した測定結果によって、低出力BS104のセルを決定してもよい。別の例において、マクロセルBS102は、UE100が送信した低出力BS104のセルを示すリクエストによって、低出力BS104のセルを決定してもよい。
【0021】
低出力BS104のセルに対して、当該低出力BS104のセルと通信するための無線リソースをUE100に割り当てることを要求するために、マクロセルBS102は、セル追加要求メッセージ(cell addition request message)を低出力BS104に送信する(ステップ406)。当該セル追加要求メッセージは、第2のセキュリティキーに関する情報及び/又は第2のセキュリティアルゴリズムに関する情報を含んでもよいし、含まなくてもよい。第2のセキュリティキーに関する情報と第2のセキュリティアルゴリズムに関する情報については、後で詳しく説明する。当該第2のセキュリティキーと第2のセキュリティアルゴリズムは、UE100と低出力BS104双方において有効とされ、このため、送信と受信を保護することができる。
【0022】
第2のセキュリティキーに関する情報及び/又は第2のセキュリティアルゴリズムに関する情報がセル追加要求メッセージに含まれているか、あるいは、その他の追加のメッセージに含まれているかにかかわらず、低出力BS104は、当該第2のセキュリティキーと第2のセキュリティアルゴリズムを、受信した第2のセキュリティキーに関する情報及び/又は第2のセキュリティアルゴリズムに関する情報に基づき、取得してもよい。次に、当該セル追加要求メッセージに応じて、低出力BS104は、セル追加応答メッセージ(cell addition response message)をマクロセルBS102に送信してもよい(ステップ408)。どの基地局が第2のセキュリティキー及び第2のセキュリティアルゴリズムを生成したかに応じて、当該セル追加応答メッセージは、第2のセキュリティキー及び第2のセキュリティアルゴリズムを含んでもよいし、含まなくてもよい。セル追加応答メッセージについても、後で詳しく説明する。
【0023】
第1のセキュリティキーと第2のセキュリティキーとは同じであってもよいし、異なっていてもよいく、また、第1のセキュリティアルゴリズムと第2のセキュリティアルゴリズムは、同じであってもよいし、異なっていてもよいということに注意すべきである。第1のセキュリティキーと第2のセキュリティキーが同じである場合、UEおよび基地局に対するセキュリティ機能の実装が容易になると考えられる。しかしながら、このことは、機密保護に対する危険性を増大させる。他方、第1のセキュリティキーと第2のセキュリティキーとが異なる場合、セキュリティキーが異なることに起因して、UE及び基地局におけるセキュリティ機能の実装が少し複雑になるかもしれないが、機密保護に対する危険性は明らかに減少する。
【0024】
次に、マクロセルBS102は、第2のセキュリティキーに関する情報を含み、かつ、第2のセキュリティアルゴリズムに関する情報を含む場合があるRRCメッセージをUE100に送信する(ステップ410及びステップ504)。UE100は、RRCメッセージに含まれる情報に基づき、第2のセキュリティキー、及び第2のセキュリティアルゴリズムを取得し(ステップ506)、その後、第2のセキュリティキー及び第2のセキュリティアルゴリズムを有効にする。RRCメッセージがセキュリティアルゴリズムに関する情報を含まない又は有しない場合、そのことは、(UE100及び低出力BS104に対する)第2のセキュリティアルゴリズムが、(UE100及びマクロセルBS102に対する)第1のセキュリティアルゴリズムと同じであることを意味する。
【0025】
UE100は、RRCメッセージを受信したことに応じて、RRCレスポンスメッセージ(例えば、RRCConnectionReconfigurationComplete)をマクロセルBS102に送信(ステップ508)してもよく、また、データ送信及び/又は受信を行ってもよい(ステップ510)。他方、RRCレスポンスメッセージを受信した後、マクロセルBS102は、セル追加確認メッセージ(cell addition confirm message)を、低出力BS104に送信してもよい。代替的に、受信したRRCメッセージに応じて、UE100は、RRCレスポンスメッセージをマクロセルBS102に送信してもよく、また、マクロセルBS102は、低出力BS104がセル追加確認メッセージをマクロセルBS102に送信できるようにするため、RRCレスポンスメッセージを低出力BS104に転送するだけとしてもよい。代替的に、UE100は、RRCレスポンスメッセージをマクロセルBS102には送信せずに、(
図3の点線のメッセージに示すように)低出力BS104のセルを通して、当該RRCレスポンスメッセージを直接低出力BS104に送信する。この場合において、低出力BS104は、UE100からのRRCレスポンスメッセージを受信した後に、(
図3の点線のメッセージに示すように)セル追加確認メッセージをマクロセルBS102に送信してもよい。
【0026】
RRCレスポンスメッセージがマクロセルBS102に送信される場合、当該RRCレスポンスメッセージは、第1のセキュリティキー及び第1のセキュリティアルゴリズムを用いて保護されてもよい(例えば、第1のセキュリティキー及び第1のセキュリティアルゴリズムを用いて暗号化される)く、また、RRCレスポンスメッセージが低出力BS104に送信される場合、当該RRCレスポンスメッセージは、第2のセキュリティキー及び第2のセキュリティアルゴリズムを用いて保護されてもよい(例えば、第2のセキュリティキー及び第2のセキュリティアルゴリズムを用いて暗号化される)ことに注意すべきである。
【0027】
低出力BS104が第2のセキュリティキー及び第2のセキュリティアルゴリズムを取得した後、低出力BS104は、その直後に(又は適切な任意のタイミングに)、第2のセキュリティキー及び第2のセキュリティアルゴリズムを有効とすることができ、そうでなければ、低出力BS104がマクロセルBS102からのセル追加確認メッセージを受信するか又は低出力BS104がUE100からのRRCレスポンスメッセージを直接受信するまで、低出力BS104は、第2のセキュリティキー及び第2のセキュリティアルゴリズムを適用しないことに注意する。
【0028】
図3に示す流によれば、UE100と低出力BS104の間の送信及び/又は受信を、第2のセキュリティキー及び第2のセキュリティアルゴリズムを用いて、保護することができる。その結果、UE100は、対応するセキュリティキー及びセキュリティアルゴリズムで決定される保護を用いて、マクロセルBS102のセルおよび低出力BS104のセルの双方と通信を行うことができる。
図3の各ステップ及びメッセージは、本発明の概念を説明するものであり、
図5において、これらのステップの詳細は、実際の実施の要件に基づき、少し異なる場合がある。当業者であれば、当該相違について容易に認識することが可能であり、当該相違にしたがって、対応する図面の各ステップを組み合わせ、変更し及び/又は改変することができる。
【0029】
処理40及び処理50の詳細な流れは、以下の通りである。
【0030】
図4は、本発明の実施例に従った処理40のフローチャートある。処理40は、通信装置20で実行することができる。ここで、通信装置20は、第2のBS(例えば、
図1の低出力BS104)のセルを追加する処理を行う際の、第1のセルのBS(例えば、
図1のマクロセルBS102)とすることができる。当該処理40をプログラムコード214にコンパイルしてもよい。当該処理40は以下のステップを備える。
【0032】
ステップ402: UEに接続し、当該UEにデータを送信するか、或いは、当該UEからデータを受信する。
【0033】
ステップ404: 第2のBSのセルを当該UEに割り当てることを決定する。
【0034】
ステップ406: 当該決定に応じて、当該ユーザ装置と通信するために、第2のBSのセルの無線リソースの割り当てを当該第2のBSに要求するための、セル追加要求メッセージを、第2のBSに送信する。
【0035】
ステップ408: 当該セル追加要求メッセージの送信に応じて、第2のBSから、セル追加応答メッセージを受信する。
【0036】
ステップ410: 第1の無線リソース制御(RRC)メッセージを当該UEに送信する。ここで、第1のRRCメッセージは、第2のBSと通信するためのセキュリティキーに関する情報を含む。
【0038】
処理40によれば、第1のBS(例えば、マクロセルBS102)は、当該第1のBSに接続されているUEに対して、第2のBS(例えば、低出力BS104)のセルを割り当てることを決定する(例えば、選択する)(ステップ404)。そして、第1のBSは、当該UEと通信するために、第2のBSに対して第2BSのセルの無線リソースの割り当てを要求するセル追加要求メッセージを、第2のBSに送信する(ステップ406)。
【0039】
セル追加要求メッセージは、第2のBSが当該UEと通信するために用いる第2のセキュリティキーに関する情報を含んでもよい。第2のセキュリティキーは、第2のBSと当該UEとの間の通信の、暗号化/復号化又は整合性保護/チェック(integrity protection/check)、といった機密保護の目的のために利用される。第2のセキュリティキーに関する情報は、当該第2のセキュリティキーそれ自身であるか又は当該第2のセキュリティキーを導出するための情報であるか、或いは、ここでは限定されないその他の同様な情報であることに注意する。第2のセキュリティキーを導出するための情報は、鍵導出関数(key derivation function)によって、当該第2のセキュリティキーを導出するために用いられる値であってもよい。すなわち、第2のBSがUEと通信する際に、第2のセキュリティキーを直接利用できるようにするため、第1のBSは、当該第2のセキュリティキーを生成し、生成した第2のセキュリティキーをセル追加要求メッセージに含めてもよい(さらに、第2のBSに送信してもよい)。そうでなければ、第1のBSは、第2のセキュリティキーを導出するための情報をセル追加要求メッセージに含めてもよく、また、第2のBSは、受信した第2のセキュリティキーに関する情報にしたがって、当該UEと通信するための第2のセキュリティキーを第2のBS自身において生成する。
【0040】
機密保護を目的として、第1のBSとUEとが互いに通信する場合、(マクロセル基地局としての)当該第1のBSと当該UEは、第1のセキュリティキー及び第1のセキュリティアルゴリズムを利用することに注意する。このことは、LTEシステムに低出力基地局が導入されない場合の従来技術における処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0041】
さらに、第1のBSが、当該UEに対するどのセルの割り当てを要求しているかを識別するために、セル追加要求メッセージは、第2のBSのセルを特定するための情報を含んでもよい。セル追加要求メッセージは、第2のBSが当該UEと通信するための、(第1のBSによって決定される)第2のセキュリティアルゴリズムに関連する情報を含んでもよい。或いは、セル追加要求メッセージは、第1のBSが提供可能なすべてのセキュリティアルゴリズムに関する情報及び当該UEのセキュリティ機能についての情報(例えば、当該UEが扱うことのできるセキュリティアルゴリズムについての情報)を含んでもよい。
【0042】
代替的に、第1のBSは、第2のセキュリティキーに関する情報を含まないセル追加要求メッセージを送信してもよい。この実施形態において、当該セル追加要求メッセージを送信した後、第1のBSは、第2のセキュリティキーに関する情報を含む別のメッセージを第2のBSに追加的に送信してもよい。セキュリティキーに関する情報は、第1のBSによって生成された第2のセキュリティキーであってもよく、或いは、第2のBSが第2のセキュリティキーを生成することができるような、当該第2のセキュリティキーを導出するための情報(それは、鍵導出関数によって、第2のセキュリティキーを導出するために利用することができる値であってもよい)であってもよい。
【0043】
セル追加要求メッセージが送信された後、第1のBSは、第2のBSからのセル追加要求メッセージに応じて、セル追加応答メッセージを受信する(ステップ408)。第2のセキュリティキーは、第2のBS又は第1のBS自身によって生成されてもよいため、セル追加要求メッセージは、当該第2のセキュリティキーに関する情報を含むこともあり、含まないこともある。つまり、第2のセキュリティキーが第2のBSによって生成された場合(それがセル追加要求メッセージに含まれる関連する情報に基づいて生成されたか、或いは、追加的なメッセージに含まれる関連する情報に基づいて生成されたかにかかわらず)、第1のBSは、当該第2のセキュリティキーに関する情報を含むセル追加応答メッセージを受信してもよい。
【0044】
さらに、セル追加応答メッセージは、当該セル追加応答メッセージに含まれるUEのセキュリティ機能についての情報にしたがって第2のBSが選択した、第2のセキュリティアルゴリズムに関する情報を含んでもよい(又は含まなくてもよい)。セル追加応答メッセージが第2のセキュリティアルゴリズムに関する情報を含むか否かは、第2のBSで使用する当該第2のセキュリティアルゴリズムを、どちらが決定するかに依存する。第1のBSが第2のセキュリティアルゴリズムを決定し、それを第2のBSに送信する場合、第2のBSは、当該第2のセキュリティアルゴリズムを直接用いることができるので、当該第2のセキュリティアルゴリズムを自身で生成又は導出する必要はない。従って、第2のBSから送信され、第1のBSが受信するセル追加応答メッセージは、第2のセキュリティアルゴリズムを含まない。他方、第1のBSが第1のBSが提供し得る全てのセキュリティアルゴリズムに関する情報とUEのセキュリティ機能の情報(例えば、当該UEで扱うことができるセキュリティアルゴリズムの情報)をセル追加要求メッセージに含める場合、当該第2のセキュリティアルゴリズムの決定は、第2のBSが行うこととなり、当該セル追加応答メッセージは、第2のBSにより決定された第2のセキュリティアルゴリズムに関する情報を含むこととなる。
【0045】
第1のBSは、第1の無線リソース制御(RRC)メッセージ(例えば、RRCConnectionReconfiguration)をUEに送信する(ステップ410)。ここで、当該第1のRRCメッセージは、UEが第2のBSと通信するための第2のセキュリティキーに関する情報を含む。上記の通り、第2のセキュリティキーは、第2のBSとUEとの間の通信の、暗号化/復号化又は整合性保護/チェックといった機密保護を目的として利用される。また、UEに送信される第2のセキュリティキーに関する情報は、第2のセキュリティキーそのもの又は第2のセキュリティキーを導出するための情報であり、或いは、ここでは限定されないその他の同様な情報であってもよい。第2のセキュリティキーを導出するための情報は、鍵生成関数にしたがって、当該第2のセキュリティキーを導出するために利用される値であってもよい。
【0046】
追加的に、第1のRRCメッセージは、第2のセキュリティアルゴリズムに関する情報をさらに含んでもよい。第2のセキュリティアルゴリズムは、暗号化/復号化のための暗号化/復号化アルゴリズム及び/又は整合性保護/チェックのための整合性保護アルゴリズム(integrity protection algorithm)を含んでもよい。第2のセキュリティアルゴリズムは、上記の通り、(UEのセキュリティ機能にしたがって)第2のBSで決定され、セル追加応答メッセージに含められるか、或いは、UEのセキュリティ機能にしたがって、第1のBS自身によって生成される。第2のセキュリティアルゴリズムに関する情報は、第2のアルゴリズムを表示する指標といった、第2のセキュリティアルゴリズムを取得するために必要な情報(例えば、識別情報)を含んでもよく、ここでは特に限定されない。第2のセキュリティアルゴリズムに関連する情報が第1のRRCメッセージに含まれない場合、或いは、第2のセキュリティアルゴリズムに関連する情報が第1のRRCメッセージのフォーマットにおいて定義されていない場合、UEと第1のBSとの間での送信及び/又は受信のために用いられる第1のセキュリティアルゴリズムが、当該UEと第2のBSとの間での送信及び/又は受信のために用いられることになり得る。つまり、当該UEは、第2のBSとの通信のために、第1のセキュリティアルゴリズムを代用する。
【0047】
その後、UEは、RRC応答メッセージを、第1のBSのセルを通して、第1のBSに送信するか、或いは、第2のBSのセルを通して、第2のBSに送信する。従って、UEと第2のBSのセルとの間で行われる送信及び/又は受信は、第2のセキュリティキー及び第2のセキュリティアルゴリズム(又は少なくとも、第1のセキュリティキー及び第1のセキュリティアルゴリズム)によって保護することができる(例えば、暗号化するか、又は整合性保護を行う)。
【0048】
追加的に、第1のRRCメッセージは、周波数帯域情報、搬送周波数、物理セルID(physical cell identify)及びセルID(cell identity)のうちの少なくとも1つを含む、第2のBSのセル情報を含んでもよい。
【0049】
本発明の実施は、上記の説明には限定されない。以下において、無線通信システム10に基づき、別の実施例を説明する。
【0050】
図5は、本発明の実施例に従った処理50のフローチャートを示す図である。処理50は、UE100に対して第2のBS(例えば、低出力BS104)のセルの追加処理を行うために、通信装置20で利用することができる。ここで、通信装置20は、
図1に示されるUE100であってもよい。処理50をプログラムコード214にコンパイルしてもよい。処理50は、以下のステップを備える。
【0052】
ステップ502: 第1のBSに接続し、第1のセキュリティキーを用いて、第1のBSにデータを送信するか、或いは、第1のセキュリティキーを用いて、第1のBSからデータを受信する。
【0053】
ステップ504: 無線リソース制御(RRC)メッセージを第1のBSから受信する。これにより、第1のBSは、UE100が第2のBSと通信するための、第2のBSのセルをUE100に割り当てる。ここで、RRCメッセージは、第2のセキュリティキーに関する情報を含む。
【0054】
ステップ506: RRCメッセージに含まれる情報に基づき、第2のセキュリティキー及び第2のセキュリティアルゴリズムを取得する。
【0055】
ステップ508: 第2のBSに接続し、第2のセキュリティキーを用いて、第2のBSにデータを送信するか、或いは、第2のセキュリティキーを用いて、データを第2のBSから受信する。
【0056】
ステップ510: RRCレスポンスメッセージを第1のBSに送信する。
【0058】
処理50の詳細は、
図3及び
図4に関連する上記の説明に基づいて実現することができが、ここでは、その詳細を省略する。
【0059】
図6は、本発明の実施例に従った無線通信システム10における通信を説明する図である。
図6は、第2のBS(例えば、低出力BS)のセルを解除する処理を行うために、通信装置20において利用される処理60を示す。ここで、通信装置20は、
図1に示されるマクロセルBS102であってもよい。処理60をプログラムコード214にコンパイルしてもよい。処理60は、以下のステップを備える。
【0061】
ステップ602: UEから第2のBSのセルを解除することを決定する。
【0062】
ステップ604: 第2のBSのセルの解除を開始するために、セル解除要求メッセージ(cell release request message)を第2のBSに送信する。
【0063】
ステップ606: UEに対して第2のBSのセルの解除を指示するために、RRCメッセージをUEに送信する。
【0065】
ここで、低出力BS104のセルが解除される前に、UE100は、マクロセルBS102のセル及び低出力BS104のセルの双方と通信していることに注意する。
図6に示される処理60によれば、第1のBSは、UEと通信している第2のBS(例えば、低出力BS104)のセルを決定する(例えば、選択する)(ステップ602)。そして、第1のBSは、セル解除要求メッセージを第2のBSに送信することによって、当該UEに対する、第2のBSのセルの解除を開始する(ステップ604)。その後、UEに対して、第2のBSのセルの解除を指示するために、第1のBSは、RRCメッセージを通信装置に送信する(ステップ606)。セル解除要求メッセージを受信した後、第2のBSはセルを解除する。すなわち、通信装置に対する無線リソースの割り当てを停止する。別の実施例例において、第2のBSは、セル解除要求メッセージに応じて、第1のBSに(点線で示される)セル解除応答メッセージ(cell release response message)を送信してもよい。
【0066】
第1のBSがセル解除応答メッセージを受信した場合、第1のBSは、第2のBSのセルの解除を指示するRRCメッセージ(RRCConnectionReconfiguration)をUEに送信する。UEがRRCメッセージを受信した場合、当該UEは、第2のBSのセルを解除する。UEは、第2のBSのセルからの制御信号及び/又はデータの受信を停止する。さらに、UEは、第1のBSのセルを通して、第1のBSにRRCレスポンスメッセージ(例えば、RRCConnectionReconfigurationComplete)を送信してもよい。第1のBSがRRCレスポンスメッセージを受信した後、第1のBSは、セル解除手順が完了したことを確認するために、第2のBSに、セル解除確認メッセージ(cell release confirm message)を送信してもよい(又は送信しなくてもよい)。セル解除要求メッセージを受信した後に第2のBSのセルを解除することに代えて、第2のBSは、セル解除確認メッセージを受信した後に、セルを解除してもよいことに注意する。したがって、上記の説明の通り、第2のBSのセルを解除することができる。
【0067】
本発明の実施は、上記の説明には限定されない。以下において、無線通信システム10に基づき、別の実施例を説明する。
【0068】
図7は、本発明の実施例に従った無線通信システム10における通信を説明するための図である。
図6と同様に、
図7は、通信装置20において利用される処理70を示す。ここで、通信装置20は、マクロセルBS102であってもよい。また、
図7において、低出力BS104のセルが解除される前に、UE100は、マクロセルBS102のセル及び低出力BS104のセルと通信している。
図6の場合と異なり、
図7においては、低出力BS104が、セル解除要求メッセージをマクロセルBS102に対して送信することによって、UE100に対する、そのセルの解除を開始する(ステップ702)。セル解除要求メッセージを受信した後、マクロセルBS102は、UE100から低出力BS104のセルを解除するために、RRCメッセージを、(マクロセルBS102のセルを通して)UE100に送信する(ステップ704)。当該RRCメッセージに応じて、マクロセルBS102は、UE100からのRRCレスポンスメッセージを、(マクロセルBS102のセルを通して)受信してもよい(ステップ706)。RRCレスポンスメッセージを受信した後、マクロセルBS102は、低出力BS104にセル解除確認メッセージを送信してもよい(ステップ708)。このようにして、低出力BS104のセルを解除することができる。ここで、当該低出力BSは、当該セルの解除処理を開始した後又はセル解除確認メッセージを受信した後に、セルを解除してもよいことに注意する。
【0069】
図8は、本発明の実施例に従った無線通信システム10における通信を説明するための図である。
図8において、低出力BS104のセルが解除される前に、UE100は、マクロセルBS102のセル及び低出力BS104のセルと通信を行っている。マクロセルBS102は、UE100と通信する低出力BS104のセルを決定する(例えば、選択する)。そして、マクロセルBS102は、UE100に対する低出力BS104のセルの解除を開始する。
図6の前半の部分と同様に、ステップ802、804及び806は、ステップ602、604及び606と同様であるため、その説明はここでは省略する。
【0070】
図6の場合と異なり、
図8において、UE100は、RRCレスポンスメッセージをマクロセルBS102には送信しない。そうではなくて、UE100は、RRCレスポンスメッセージを、(第1のBSのセル、第2のBSのセル、又は第2のBSの他セルを通して)低出力BS104に送信する。UE100が、RRCレスポンスメッセージを、第2のBSのセルを通して送信する場合、UE100は、当該RRCレスポンスメッセージを送信した後、当該低出力BS104のセルを解除する。ここで、セル解除要求メッセージを受信した後に第2のBSのセルを解除することに代えて、低出力BS104は、UE100からのRRCレスポンスメッセージを受信した後に、当該セルを解除してもよいことに注意する。
【0071】
図9は、本発明の実施例に従った無線通信システム10における通信を説明するための図である。
図9は、低出力BS104のセルの解除の処理のために、通信装置20において利用される処理90を示す。ここで、通信装置20は、
図1に示される、低出力BS104であってもよい。処理90をプログラムコード214にコンパイルしてもよい。処理90は、以下のステップを備える。
【0073】
ステップ902: UEに対する第2のBSのセルの解除を決定する。
【0074】
ステップ904: UEに対して第2のBSのセルの解除を指示するために、RRCメッセージをUEに送信する。
【0075】
ステップ906: 第2のBSのセルの解除を示すために、セル解除確認メッセージを、第1のBSに対して送信する。
【0077】
低出力BS104のセルが解除される前に、UE100は、マクロセルBS102のセル及び低出力BS104のセルと通信していることに注意する。処理90によれば、低出力BS104は、UE100に対する低出力BS104のセルの解除を決定する(ステップ902)。そして、当該UEに対して低出力BS104のセルの解除を指示するために、低出力BS104は、RRCメッセージをUE100に送信する(ステップ904)。
このようにして、低出力BS104のセルを解除することができる。さらに、低出力BS104は、低出力BS104のセルが解除されたことを示す、セル解除確認メッセージを、マクロセルBS102に対して送信する(ステップ906)。
【0078】
本発明の実施は、上記説明には限定されない。以下、無線通信システム10によって、別の実施例を説明する。
【0079】
図10は、本発明の実施例に従った無線通信システム10における通信を説明するための図である。
図10は、低出力BS104のセルの解除の処理のために、通信装置20において利用される処理110を示す。ここで、通信装置20は、低出力BS104であってもよい。処理110をプログラムコード214にコンパイルしてもよい。処理110は、以下のステップを備える。
【0081】
ステップ1102: UEに対する第2のBSのセルの解除を決定する。
【0082】
ステップ1104: UEに対して第2のBSのセルの解除を指示するために、セル解除要求メッセージを第1のBSに送信する。
【0084】
低出力BS104のセルが解除される前に、UE100は、マクロセルBS102のセル及び低出力BS104のセルと通信していることに注意する。処理110によると、低出力BS104は、UE100に対する、低出力BS104のセルの解除を決定する(ステップ1102)。低出力BS104は、その後、UE100に低出力BS104のセルの解除を指示するために、セル解除要求メッセージをマクロセルBS102に送信する(ステップ1104)。すなわち、当該解除手順は、低出力BS104によって開始される。
図10に示すように、低出力BS104は、さらに、UE100からセルを解除するために、RRCメッセージを、(マクロセルBS102のセル、低出力BS104のセル、又は低出力BS104の別のセルを通して)UE100に送信する(ステップ1104)。
【0085】
UE100がRRCメッセージを受信した後、UE100は、(マクロセルBS102のセルを通して)マクロセルBS102に、RRCレスポンスメッセージを送信してもよい。セル解除要求メッセージを開始時に送信している場合、低出力BS104は、マクロセルBS102がRRCレスポンスメッセージを受信した後、マクロセルBS102の送信するセル解除確認メッセージを受信することがある。したがって、上記の説明の通り、低出力BS104のセルが解除される。
【0086】
マクロセルBS102が、解除する低出力BS104のセルを決定する(例えば、選択する)方法は、さらには限定されない。例えば、マクロセルBS102は、UE100の送信する測定結果にしたがって、低出力BS104のセルの解除を決定してもよい。別の実施例において、マクロセルBS102は、UE100の送信する、低出力BS104のセルを示すリクエストによって、低出力BS104のセルの解除を決定してもよい。マクロセルBS102は、UE100の送信する、低出力BS104のセルに対応する機密保護に対する誤り(例えば、整合性チェック誤り)を示すRRCメッセージを受信した後、UE100に対する低出力BS104の解除を開始してもよい。
【0087】
さらに、各ステップ(及びそのメッセージ)の概念を説明するために、異なる図面において、同様なステップ(及びそのメッセージ)が用いられている。しかしながら、異なる図面における当該同様なステップ(及びそのメッセージ)の詳細は、各ステップの実際の実施によって、少し異なる場合がある。当業者であれば、上記の説明及び例について、組合せ、改良及び/又は変更を容易に行うことができるであろう。
【0088】
提案される各ステップを含めて、上記各処理についてのステップは、ハードウェア、ファームウェア、又は電子回路システムといった手段によって実現することが可能である。ここで、ファームウェアは、ハードウェア装置、計算機命令及び読取専用ソフトウェアとして当該ハードウェア装置に常駐するデータの組合せとして知られている。ハードウェアの例としては、集積回路、半導体集積回路素子又はシリコンチップとして知られている、アナログ回路、デジタル回路及び混在回路等が考えられる。電子回路システムの例としては、システムオンチップ(SOC)、システム・イン・パッケージ(SiP)、コンピュータオンモジュール(COM)及び通信装置20等が考えられる。
【0089】
以上をまとめると、本発明の実施形態によれば、マクロセルBSのセキュリティ機能を処理する方法が提供される。本発明の実施形態によれば、セキュリティキー及びセキュリティアルゴリズムは、マクロセルBSが、低出力BSに対して指示する。このようにして、通信装置と低出力BSのセルの間の送信及び/又は受信を保護することができる。追加的に、本発明の実施形態は、通信装置から低出力BSのセルを解除する方法を提供する。当該解除の処理は、低出力BS又はマクロセルBSのどちらでも開始することができる。したがって、通信装置、マクロセルBS及び低出力BSの間の通信に対して問題を引き起こすことなく、当該セルを適切に解除することができる。
【0090】
当業者は、本発明の教示を維持しつつ、本装置及び方法に対する様々な改良、変更を見出すであろう。従って、上記の開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ、限定されると解釈すべきである。
【0091】
[関連技術の相互参照]
本出願は、2013年2月22日に出願された米国仮特許出願61/768,363号の効果を主張するものであり、米国仮特許出願61/768,363は、参照することにより、ここに援用される。