(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5851567
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】測定器保護装置および測定器保護方法
(51)【国際特許分類】
G01R 1/04 20060101AFI20160114BHJP
G01R 23/173 20060101ALI20160114BHJP
H01R 24/40 20110101ALI20160114BHJP
【FI】
G01R1/04 A
G01R23/173 Z
H01R24/40
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-166004(P2014-166004)
(22)【出願日】2014年8月18日
【審査請求日】2015年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 浩輔
【審査官】
下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−023792(JP,A)
【文献】
特開2010−218880(JP,A)
【文献】
特開平11−008005(JP,A)
【文献】
特開平08−138785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R1/00−1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心導体(51)と、外部導体(52)とを有する同軸ケーブルのコネクタ(50)を接続可能な測定器(100)の測定器保護装置(1)であって、
前記測定器のグラウンドと電気的に接続されたゲート支持部(10)と、
前記ゲート支持部と電気的に接続され、前記測定器に設けられたコネクタ(60)への前記同軸ケーブルのコネクタの進行を妨げる位置に設けられ、前記同軸ケーブルのコネクタを当接させる圧力により回動するゲート部(11)とを備え、
前記ゲート部は、
前記ゲート部と電気的に接続され、前記中心導体を接触させるための中心導体接触部(12)と、
前記ゲート部と電気的に接続され、前記外部導体を接触させるための外部導体接触部(13)とを備え、
前記中心導体接触部は、前記同軸ケーブルのコネクタを前記ゲート部に当接させるときに、前記外部導体と前記外部導体接触部との接触よりも先に前記中心導体が前記中心導体接触部と接触するように形成されているとともに、前記中心導体が接触する圧力により前記同軸ケーブルのコネクタの進行方向に押下されるように形成され、
前記ゲート部は、前記中心導体接触部が押下された後に、前記中心導体と前記中心導体接触部との接触を維持しながら前記外部導体と前記外部導体接触部とが接触するように形成され、
前記同軸ケーブルのコネクタの進行に伴う圧力によって前記ゲート部を回動させることにより、前記同軸ケーブルのコネクタを前記測定器に設けられたコネクタへの接続を可能とする測定器保護装置。
【請求項2】
前記中心導体接触部の頂部に前記中心導体の直径より大きい窪み部(12a)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の測定器保護装置。
【請求項3】
前記ゲート部内に格納された前記中心導体接触部の部材が前記同軸ケーブルのコネクタの進行方向に対して前後に摺動可能となるように形成された中心導体接触部可動機構(12b)と、
前記中心導体接触部と前記ゲート部との間に設けられ、前記中心導体接触部の部材に対して前記同軸ケーブルのコネクタの進行に反発する方向に圧力をかける中心導体接触部ばね(12c)とにより、前記中心導体接触部は前記中心導体が接触する圧力により前記同軸ケーブルのコネクタの進行方向に押下されることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の測定器保護装置。
【請求項4】
中心導体(51)と、外部導体(52)とを有する同軸ケーブルのコネクタ(50)を接続可能な測定器(100)の測定器保護方法であって、
前記測定器のグラウンドと電気的に接続されたゲート支持部(10)と、
前記ゲート支持部と電気的に接続され、前記測定器に設けられたコネクタ(60)への前記同軸ケーブルのコネクタの進行を妨げる位置に設けられ、前記同軸ケーブルのコネクタを当接させる圧力により回動するゲート部(11)とを備え、
前記ゲート部は、
前記ゲート部と電気的に接続され、前記中心導体を接触させるための中心導体接触部(12)と、
前記ゲート部と電気的に接続され、前記外部導体を接触させるための外部導体接触部(13)とを備え、
前記同軸ケーブルのコネクタを前記ゲート部に当接させるときに、前記外部導体と前記外部導体接触部との接触よりも先に前記中心導体が前記中心導体接触部と接触する段階(S201)と、
前記中心導体接触部が、前記中心導体が接触する圧力により前記同軸ケーブルのコネクタの進行方向に押下される段階(S203)と、
前記中心導体と前記中心導体接触部との接触を維持しながら前記外部導体と前記外部導体接触部とが接触する段階(S204)と、
前記同軸ケーブルのコネクタの進行に伴う圧力によって前記ゲート部を回動させることにより、前記同軸ケーブルのコネクタを前記測定器に設けられたコネクタへの接続を可能とする段階(S205)とを含む測定器保護方法。
【請求項5】
前記中心導体接触部の頂部には、前記中心導体の直径より大きい窪み部(12a)が設けられており、
前記中心導体が前記中心導体接触部と接触した後に、前記中心導体の先端が前記窪み部に嵌合し、前記中心導体と前記中心導体接触部との接触を維持する段階(S202)とを含むことを特徴とする請求項4に記載の測定器保護方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定器をESD(Electrostatic Discharge)やACリークから保護する測定器保護装置および測定器保護方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明における測定器は、被測定物から出力された電気信号を入力してその特性を評価する装置である。たとえば、所定のパルスパターンを有するディジタル信号を被測定物に入力し、被測定物を介して出力されたディジタル信号の誤り率を測定する誤り率測定装置や、被測定物から出力された電気信号の時間軸波形を表示するオシロスコープ等が挙げられる。また、本発明における測定器は、被測定物に対して所定のパルスパターンを有するディジタル信号を発生するパルスパターン発生装置や、被測定物に対して所望の高周波信号を送信する信号発生装置が挙げられる。
【0003】
ところで、被測定物と測定器を接続する際に用いられる同軸ケーブルの中心導体と外部導体の間には静電気が帯電することがあり、その静電気の高電圧により測定器の入出力部に用いられた半導体素子が破壊されて、測定器が使用不可能になる問題があった。
【0004】
測定器の入出力部は、たとえば数百MHzから数十GHzといった高い周波数を扱う箇所であり、また測定器によっては振幅特性だけではなく、位相特性や群遅延特性も重視される。このため、たとえばダイオードで構成された保護回路による半導体素子の保護を行うと、そのダイオードの非線形性や素子内部の寄生容量の存在により測定器の特性悪化を招くことがあるので、保護回路の採用は容易ではない。したがって、測定器の入出力部は静電気に対して無防備とならざるを得ない場合が多い。そこで、入出力部に同軸ケーブルが接続される前に静電気放電から保護する装置として、たとえば下記特許文献1に開示されるような静電気放電保護装置が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−23792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1の静電気放電保護装置においては、はじめに同軸ケーブルの中心導体が隆起した目標領域に接触し、同軸ケーブルをさらに前進させると一旦は中心導体が目標領域から離れ、次に外部導体が目標領域に接触するようになっている。したがって、はじめに同軸ケーブルの中心導体が接地されるので中心導体に帯電した静電気は放電可能である。
【0007】
しかしながら、この特許文献1の構成では、同軸ケーブルを前進させる過程で、はじめに同軸ケーブルの中心導体が目標領域により接地された後、一旦は中心導体が目標領域から離れ、次に外部導体が目標領域に接触するようになっている。すなわち、特許文献1の構成では外部導体が目標領域に接触する前に、中心導体が目標領域との接触状態から離れてしまい、中心導体と外部導体の間に帯電した静電気を完全に放電させることができない問題があり、測定器の入出力部に用いられた半導体素子が破壊されて、測定器が使用不可能になるおそれがあり、解決が望まれていた。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、中心導体と外部導体の間に帯電した静電気を完全に放電させることができる測定器保護装置および測定器保護方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の測定器保護装置は、中心導体(51)と、外部導体(52)とを有する同軸ケーブルのコネクタ(50)を接続可能な測定器(100)の測定器保護装置(1)であって、
前記測定器のグラウンドと電気的に接続されたゲート支持部(10)と、
前記ゲート支持部と電気的に接続され、前記測定器に設けられたコネクタ(60)への前記同軸ケーブルのコネクタの進行を妨げる位置に設けられ、前記同軸ケーブルのコネクタを当接させる圧力により回動するゲート部(11)とを備え、
前記ゲート部は、
前記ゲート部と電気的に接続され、前記中心導体を接触させるための中心導体接触部(12)と、
前記ゲート部と電気的に接続され、前記外部導体を接触させるための外部導体接触部(13)とを備え、
前記中心導体接触部は、前記同軸ケーブルのコネクタを前記ゲート部に当接させるときに、前記外部導体と前記外部導体接触部との接触よりも先に前記中心導体が前記中心導体接触部と接触するように形成されているとともに、前記中心導体が接触する圧力により前記同軸ケーブルのコネクタの進行方向に押下されるように形成され、
前記ゲート部は、前記中心導体接触部が押下された後に、前記中心導体と前記中心導体接触部との接触を維持しながら前記外部導体と前記外部導体接触部とが接触するように形成され、
前記同軸ケーブルのコネクタの進行に伴う圧力によって前記ゲート部を回動させることにより、前記同軸ケーブルのコネクタを前記測定器に設けられたコネクタへの接続を可能とすることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の測定器保護装置は、請求項1の測定器保護装置(1)において、前記中心導体接触部の頂部に前記中心導体の直径より大きい窪み部(12a)を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の測定器保護装置は、請求項1または2のいずれか1項に記載の測定器保護装置(1)において、
前記ゲート部内に格納された前記中心導体接触部の部材が前記同軸ケーブルのコネクタの進行方向に対して前後に摺動可能となるように形成された中心導体接触部可動機構(12b)と、
前記中心導体接触部と前記ゲート部との間に設けられ、前記中心導体接触部の部材に対して前記同軸ケーブルのコネクタの進行に反発する方向に圧力をかける中心導体接触部ばね(12c)とにより、前記中心導体接触部は前記中心導体が接触する圧力により前記同軸ケーブルのコネクタの進行方向に押下されることを特徴とする。
【0012】
上記した目的を達成するために、請求項4記載の測定器保護方法は、中心導体(51)と、外部導体(52)とを有する同軸ケーブルのコネクタ(50)を接続可能な測定器(100)の測定器保護方法であって、
前記測定器のグラウンドと電気的に接続されたゲート支持部(10)と、
前記ゲート支持部と電気的に接続され、前記測定器に設けられたコネクタ(60)への前記同軸ケーブルのコネクタの進行を妨げる位置に設けられ、前記同軸ケーブルのコネクタを当接させる圧力により回動するゲート部(11)とを備え、
前記ゲート部は、
前記ゲート部と電気的に接続され、前記中心導体を接触させるための中心導体接触部(12)と、
前記ゲート部と電気的に接続され、前記外部導体を接触させるための外部導体接触部(13)とを備え、
前記同軸ケーブルのコネクタを前記ゲート部に当接させるときに、前記外部導体と前記外部導体接触部との接触よりも先に前記中心導体が前記中心導体接触部と接触する段階(S201)と、
前記中心導体接触部が、前記中心導体が接触する圧力により前記同軸ケーブルのコネクタの進行方向に押下される段階(S203)と、
前記中心導体と前記中心導体接触部との接触を維持しながら前記外部導体と前記外部導体接触部とが接触する段階(S204)と、
前記同軸ケーブルのコネクタの進行に伴う圧力によって前記ゲート部を回動させることにより、前記同軸ケーブルのコネクタを前記測定器に設けられたコネクタへの接続を可能とする段階(S205)とを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の測定器保護方法は、請求項4に記載の測定器保護方法において、前記中心導体接触部の頂部には、前記中心導体の直径より大きい窪み部(12a)が設けられており、
前記中心導体が前記中心導体接触部と接触した後に、前記中心導体の先端が前記窪み部に嵌合し、前記中心導体と前記中心導体接触部との接触を維持する段階(S202)とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の測定器保護装置によれば、中心導体51と外部導体52の間は電気的に短絡されるとともに、外部導体52は測定器100のグラウンドに接地され、放電が行われるようにしたので、中心導体と外部導体の間に帯電した静電気を完全に放電させることができる。このため、測定器の入出力部に用いられた半導体素子が破壊されて、測定器が使用不可能になるおそれを完全に解消することが可能となり、高額な修理費用や測定器の使用不可能な期間を無くすことができ、ユーザの負担を軽減させることが可能となる。
【0015】
また、本発明の測定器保護装置によれば、中心導体接触部の頂部に中心導体の直径より大きい窪み部を設けたので、中心導体の先端が窪み部に嵌合することで中心導体接触部から脱落せず、同軸ケーブルのコネクタの進行によって中心導体接触部が押下された後に、中心導体と中心導体接触部との接触を完全に維持しながら外部導体と外部導体接触部とを接触させることが可能となる。これにより、測定器の入出力部に用いられた半導体素子が破壊されて、測定器が使用不可能になるおそれを完全に解消することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る測定器保護装置の装置構成を示す概略図である。
【
図2】本発明に係る測定器保護装置の動作の一例を示す概略図である。
【
図3】本発明に係る測定器保護装置の動作の一例を示す概略図である。
【
図4】本発明に係る測定器保護装置の動作の一例を示す概略図である。
【
図5】同装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者等によりなされる実施可能な他の形態、実施例および運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれる。
【0018】
まず、本発明に係る測定器保護装置の装置構成について、
図1を参照しながら説明する。本例の測定器保護装置1は、測定器100の一例として、所定のパルスパターンを有するディジタル信号を被測定物に入力し、被測定物を介して出力されたディジタル信号の誤り率を測定する誤り率測定装置や、被測定物から出力された電気信号の時間軸波形を表示するオシロスコープ等の入力端子近傍に設けられている。また、本例の測定器保護装置1は、たとえば、被測定物に対して所定のパルスパターンを有するディジタル信号を発生するパルスパターン発生装置や、被測定物に対して所望の高周波信号を送信する信号発生装置等の出力端子近傍に設けられている。
【0019】
図1に示すように、本例の測定器保護装置1は、ゲート支持部10、ゲート部11、ゲート部可動機構11a、ストッパ手段11b、ゲート部ばね11c、中心導体接触部12、窪み部12a、中心導体接触部可動機構12b、中心導体接触部ばね12c、外部導体接触部13を備えている。また、同軸ケーブル側のコネクタ50は、中心導体51、外部導体52により構成され、測定器100には測定器側のコネクタ60が備えられている。
【0020】
ゲート支持部10は、測定器100のグラウンドと電気的に接続されている。具体的には、ゲート支持部10は導電性の素材や金属を加工した板や棒などを加工して製造され、ゲート支持部10を測定器100本体のシャーシにねじ止めなどをして電気的に測定器100のグラウンドと同電位となるように構成される。測定器100からゲート部11までのゲート支持部10の長さは、たとえば数センチメートルから10センチメートル程度が好適である。これは、同軸ケーブルのコネクタ50を測定器100に接続するときにコネクタ50の外部導体52を構成する図示しないねじ部を着脱するための作業性を考慮した長さである。
【0021】
ゲート部11は、ゲート支持部10と電気的に接続され、同軸ケーブルのコネクタ50を当接させる圧力により回動するように構成されている。具体的には、ゲート部11は導電性の素材や金属を加工した板や棒などを加工して製造されている。また、ゲート支持部10に対して回動させるために、ゲート部可動機構11aを備えており、たとえば蝶つがいの機構を用いて同軸ケーブルのコネクタ50の前進または後退に合わせてゲート部11が測定器100に対して前後方向に動くように構成されている。
【0022】
ゲート部11は、同軸ケーブルのコネクタ50を当接させやすいよう、大地に対して略垂直よりも外側には動かないようにストッパ手段11bによって前後方向の動きに制限を持たせている。また、ゲート部11は、たとえばゲート部ばね11cなどの手段により所望の力で測定器100から見て外側に常に圧力がかけられる構成とされている。これらの構成により、ゲート部11は、同軸ケーブルのコネクタ50が当接させられる前には、大地に対して略垂直の位置にゲート部ばね11cの力で保持された状態となっている。
【0023】
中心導体接触部12は、ゲート部11と電気的に接続されている。中心導体接触部12は、同軸ケーブルのコネクタ50をゲート部11に当接させるときに、外部導体52と外部導体接触部13との接触よりも先に中心導体12が中心導体接触部13と接触するよう、ゲート部11の表面から突起状に突き出す形状に形成されている。この突起の直径は、外部導体52の内径よりも小さくし、形状はたとえば円柱形状や円錐形状としてもよい。さらに、中心導体接触部可動機構12bと中心導体接触部ばね12cとにより、中心導体接触部12は中心導体51が接触する圧力により同軸ケーブルのコネクタ50の進行方向に押下されるように形成され、ゲート部11は、中心導体接触部12が押下された後に、中心導体51と中心導体接触部12との接触を維持しながら外部導体52と外部導体接触部13とが接触するように形成されている。具体的には、中心導体接触部可動機構12bは、たとえばゲート部11を中心導体接触部12の部材が前後に摺動可能となるようにくり抜きにより形成されている。かつ、中心導体接触部12とゲート部11との間に設けられた、たとえば中心導体接触部ばね12cなどの手段により所望の力で中心導体接触部12の部材はゲート部11から見て外側に常に圧力をかける構成とされている。すなわち、中心導体接触部ばね12cは、中心導体接触部12の部材に対して同軸ケーブルのコネクタ50の進行に反発する方向に圧力をかけていることになる。これらの構成により、中心導体接触部12の部材が押下されたときに中心導体接触部12が中心導体51と接触する圧力により同軸ケーブルのコネクタ50の進行方向に摺動する構造となっている。
【0024】
さらに、中心導体接触部12は、同軸ケーブルのコネクタ50の中心導体51が接触した後、中心導体51の先端が窪み部12aに嵌合することで中心導体接触部12から脱落せず、同軸ケーブルのコネクタ50の進行によって中心導体接触部12が押下された後に、中心導体51と中心導体接触部12との接触を完全に維持できるよう、中心導体51の先端部の直径に合わせた窪み部12aを頂部に設けた突起状の形状としている。また、窪み部12aの形状は、同軸ケーブルのコネクタ50の中心導体51を接触させたときに、中心導体51の先端が窪み部12aに嵌合しやすく、かつ、ゲート部11が回動し、同軸ケーブルのコネクタ50の進行を妨げなくなったときに円滑に中心導体51の先端が窪み部12aから抜け出るよう、凹部の奥が狭い円錐形状の窪み形状としてもよい。なお、中心導体接触部可動機構12bを摺動させるために必要な圧力よりも、ゲート部11を回動させるために必要な圧力が大きくなるように、中心導体接触部ばね12cとゲート部ばね11cのばねのそれぞれの反発力は予め定められている。
【0025】
[測定器保護装置の動作]
次に、上述した測定器保護装置1における動作の一例について
図2から
図4を参照しながら説明する。
【0026】
ユーザは、測定器100に同軸ケーブルのコネクタ50を接続するために、
図2に示すように同軸ケーブルのコネクタ50をゲート部11に接近させる。はじめに中心導体51の先端が窪み部12aに嵌合し、中心導体51はゲート部11を介してゲート支持部10を経由し、測定器100のグラウンドに電気的に接続される。すなわち、中心導体接触部12は、同軸ケーブルのコネクタ50をゲート部11に当接させるときに、外部導体52と外部導体接触部13との接触よりも先に中心導体51が中心導体接触部12と接触することとなる。この動作により、中心導体51と外部導体52の間に帯電した静電気がある場合には、測定器100のグラウンドに接地され、放電が行われる。
【0027】
次に、
図3に示すようにユーザが同軸ケーブルのコネクタ50を測定器100へさらに接近させると、中心導体接触部可動機構12bと中心導体接触部ばね12cとが動作する。すなわち、中心導体接触部12とゲート部11との間に設けられた中心導体接触部ばね12cなどの反発力よりも、中心導体接触部12の部材が押下された圧力が大きくなると中心導体接触部12が中心導体51と接触する圧力により同軸ケーブルのコネクタ50の進行方向に摺動する。
【0028】
中心導体接触部12が中心導体51と接触する圧力により同軸ケーブルのコネクタ50の進行方向に摺動することにより、外部導体52はゲート部11に設けられた外部導体接触部13と電気的に接続される。この動作により、中心導体51と外部導体52の間は電気的に短絡されるとともに、外部導体52は測定器100のグラウンドに接地され、放電が行われる。ここで、外部導体52が測定器100のグラウンドに接地されるので、測定器100のシャーシと、図示しない被測定物のシャーシとの間でグラウンド接続がされていなかった場合に生じるACリークがあった場合でも、測定器100と、被測定物とを同電位とすることができる。なお、このACリークの場合は中心導体51と、中心導体接触部12との接触ならびに外部導体52と、外部導体接触部13との接触が同時に接触するタイミングとなるように構成するとさらに確実な動作を実現できる。
【0029】
次に、
図4に示すようにユーザが同軸ケーブルのコネクタ50を測定器100へさらに接近させると、同軸ケーブルのコネクタ50の進行に伴う圧力によってゲート部11を回動させ、同軸ケーブルのコネクタ50の進行を妨げないようになり、かつ、中心導体51の先端が窪み部12aから抜け出ることにより、同軸ケーブルのコネクタ50を測定器100に設けられたコネクタ60への接続を可能としている。すなわち、ゲート支持部10とゲート部11との間に設けられたゲート部ばね11cなどの反発力よりも、同軸ケーブルのコネクタ50によってゲート部11が押下された圧力が大きくなるとゲート部11が回動し、同軸ケーブルのコネクタ50の進行を妨げないようになり、同軸ケーブルのコネクタ50の外部導体52を構成する図示しないねじ部を、測定器100に設けられたコネクタ60に接続することが可能となる。
【0030】
また、上述した測定器保護装置1における動作の一例について
図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、装置構成は前述の
図1から
図4で説明した構成と同様であるため、記載を省略する。
【0031】
ユーザが同軸ケーブルのコネクタ50をゲート部11に接近させ、同軸ケーブルのコネクタ50をゲート部11に当接させるときに、外部導体52と外部導体接触部13との接触よりも先に中心導体51が中心導体接触部12と接触する(S201)。
【0032】
中心導体接触部12の頂部には、中心導体51の直径より大きい窪み部12aが設けられており、中心導体51が中心導体接触部12と接触した後に、中心導体51の先端が窪み部12aに嵌合し、中心導体51と中心導体接触部12との接触を維持する(S202)。
【0033】
ユーザが同軸ケーブルのコネクタ50を測定器100へさらに接近させると、中心導体接触部12が、中心導体51が接触する圧力により同軸ケーブルのコネクタ50の進行方向に押下される(S203)。
【0034】
ユーザが同軸ケーブルのコネクタ50を測定器100へさらに接近させると、中心導体51と中心導体接触部12との接触を維持しながら外部導体52と外部導体接触部13が接触する(S204)。
【0035】
ユーザが同軸ケーブルのコネクタ50を測定器100へさらに接近させると、同軸ケーブルのコネクタ50の進行に伴う圧力によってゲート部11を回動させることにより、同軸ケーブルのコネクタ50を測定器100に設けられたコネクタ60への接続を可能とする(S205)。
【0036】
このように、本発明の測定器保護装置によれば、中心導体51と外部導体52の間は電気的に短絡されるとともに、外部導体52は測定器100のグラウンドに接地され、放電が行われるようにしたので、中心導体と外部導体の間に帯電した静電気を完全に放電させることができる。このため、測定器の入出力部に用いられた半導体素子が破壊されて、測定器が使用不可能になるおそれを完全に解消することが可能となり、高額な修理費用や測定器の使用不可能な期間を無くすことができ、ユーザの負担を軽減させることが可能となる。
【0037】
さらに、本発明の測定器保護装置によれば、中心導体接触部12の頂部に中心導体51の直径より大きい窪み部12aを設けたので、中心導体51の先端が窪み部12aに嵌合することで中心導体接触部12から脱落せず、同軸ケーブルのコネクタ50の進行によって中心導体接触部12が押下された後に、中心導体51と中心導体接触部12との接触を完全に維持しながら外部導体52と外部導体接触部13とを接触させることが可能となる。これにより、測定器の入出力部に用いられた半導体素子が破壊されて、測定器が使用不可能になるおそれを完全に解消することが可能となる。
【符号の説明】
【0038】
1…測定器保護装置
10…ゲート支持部
11…ゲート部
11a…ゲート部可動機構
11b…ストッパ手段
11c…ゲート部ばね
12…中心導体接触部
12a…窪み部
12b…中心導体接触部可動機構
12c…中心導体接触部ばね
13…外部導体接触部
40…同軸ケーブル
50…コネクタ(同軸ケーブル側)
51…中心導体
52…外部導体
60…コネクタ(測定器側)
100…測定器
【要約】
【課題】
中心導体と外部導体の間に帯電した静電気を完全に放電させることができる測定器保護装置および測定器保護方法を提供する。
【解決手段】
中心導体接触部13は、同軸ケーブルのコネクタ50をゲート部11に当接させるときに、外部導体52と外部導体接触部13との接触よりも先に中心導体51が中心導体接触部13と接触するように形成されているとともに、中心導体51が接触する圧力により同軸ケーブルのコネクタ50の進行方向に押下されるように形成され、ゲート部11は、中心導体接触部13が押下された後に、中心導体51と中心導体接触部13との接触を維持しながら外部導体52と外部導体接触部13とが接触するように形成され、同軸ケーブルのコネクタ50の進行に伴う圧力によってゲート部11を回動させる。
【選択図】
図1