(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5851592
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】公差の小さいチャンバー寸法を有する金属形材を製造するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B21B 1/088 20060101AFI20160114BHJP
B21B 27/02 20060101ALI20160114BHJP
B21D 3/05 20060101ALI20160114BHJP
【FI】
B21B1/088 Z
B21B27/02 F
B21D3/05 D
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-509616(P2014-509616)
(86)(22)【出願日】2011年5月13日
(65)【公表番号】特表2014-514165(P2014-514165A)
(43)【公表日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】EP2011057808
(87)【国際公開番号】WO2012155953
(87)【国際公開日】20121122
【審査請求日】2014年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】513281873
【氏名又は名称】マンシュタット ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100073287
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 聞一
(72)【発明者】
【氏名】エンゲル ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】フォス トーマス
【審査官】
坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭56−111501(JP,A)
【文献】
実開平05−065403(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 1/088
B21B 27/02
B21D 3/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
公差の小さい最終チャンバー寸法K1 分だけ互いに離隔される、第1フランジ(21、23)と、前記第1フランジ(21、23)に対向する第2フランジ(22、24)とを有する金属形材(20)を、第1フランジ(21、23)及び第2フランジ(22、24)を圧縮することで製造及び/又は再較正するための装置(10)であって、第1内側加工ロール(11、13)及び第2内側加工ロール(12、14)を備えた少なくとも1つの加工ロール対を含み、該加工ロール対は、前記装置(10)が正常に負荷されるとき、前記第1フランジ(21、23)と前記第2フランジ(22、24)との間に配設され、前記装置(10)及び金属形材(20)が互いに相対移動するとき、前記対向するフランジの内面に成形力が働かされる前記形材が長手方向に移動し、前記第1内側加工ロール(11、13)が、前記対向するフランジ内面に相互に接触して前記加工ロール対に作用する前記成形力を支えるために、前記第2内側加工ロール(12、14)に接して転動し、前記第1内側加工ロール(11、13)には、第1加工間隙を形成するための第1外側支持体(15)が割り当てられ、前記第2内側加工ロール(12、14)には、第2加工間隙を形成するための第2外側支持体(16)が割り当てられ、前記内側加工ロール(11、12、13、14)によりフランジ内面に加えられる力に抗して前記外側支持体(15、16)により外側で支え、フランジ(21、22、23、24)を塑性変形させ厚みを減少させて、フランジ内面の表面付近の加工硬化及び表面平滑化を可能にし、前記第1外側支持体(15)は前記第1内側加工ロール(11、13)よりも大径なロールとすると共に、前記第2外側支持体(16)は前記第2内側加工ロール(12、14)よりも大径なロールとして、前記外側支持体(15、16)を、前記フランジ外面との間の面圧が前記フランジ外側面の表面付近で塑性変形が発生しないように低くなるような寸法としている装置。
【請求項2】
前記内側加工ロール(11、12、13、14)は、意図した通りに前記装置(10)が使用されるとき、内側加工ロール(11、12、13、14)とフランジ内側面との間に形成される接触面領域に非円筒形の外側輪郭を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置(10)が、ロール矯正機に組み込まれることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
前記装置(10)が、前記ロール矯正機に対して相対移動可能であり、且つ前記形材の長手方向に対して横方向に移動可能であることを特徴とする、請求項1〜3に記載のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記内側加工ロール(11、12、13、14)は、回転軸線Rの方向に作用する押圧力及び異形材のウェブ(25)の方に前記内側加工ロール(11、12、13、14)を押し付ける押圧力に従わせることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記金属形材(20)が前記装置(10)内に通される前に前記金属形材(20)の汚れを除去することができる洗浄装置が設けられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
成形工程中に形成されたローラビードを除去可能である装置が、前記装置(10)に設けられることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記内側加工ロール(11、12、13、14)がモータ駆動され、及び/又は前記外側支持体(15、16)がモータ駆動式支持ロールにより形成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
公差の小さい最終チャンバー寸法K1 分だけ互いに離隔して配置される、第1フランジ(21、23)と、前記第1フランジ(21、23)に対向する第2フランジ(22、24)とを有する金属形材(20)を、第1フランジ(21、23)及び第2フランジ(22、24)を圧縮することで製造するための方法であって、
第1内側加工ロール(11、13)より大径な第1外側支持体(15)と装置(10)の加工ロール対の第1内側加工ロール(11、13)との間に形成された第1加工間隙に第1フランジ(21、23)を位置決めするステップと、第2内側加工ロール(12、14)より大径な第2外側支持体(16)と前記加工ロール対の第2内側加工ロール(12、14)との間に形成された第2加工間隙に第2フランジ(22、24)を位置決めするステップと、
前記金属形材(20)及び前記装置(10)を前記形材の長手方向に互いに相対的に移動させるステップとを含み、前記内側加工ロール(11、12、13、14)が前記フランジ内面に、前記外側支持体(15、16)が前記フランジ外面に接して転動し、前記第1内側加工ロール及び前記第2内側加工ロールは、互いに転動し合うと共に、前記フランジ内面から前記形材の長手方向に対して横方向に前記加工ロール対に作用する前記成形力が、相互に接触して支えられ、且つ前記内側加工ロール(11、12、13、14)によりフランジ内面に加えられる力に抗して前記外側支持体(15、16)により外側で支えて、前記フランジ材を塑性変形して厚みが減少し、前記外側支持体(15、16)と前記フランジ外面との間の面圧により前記フランジ外側面の表面付近での塑性変形を発生させない、方法。
【請求項10】
前記金属形材(20)が、後にロール矯正機及び/又は矯正プレスで再調整されていることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記内側加工ロール(11、12、13、14)は、回転軸線Rを中心に回転すると共に、前記回転軸線Rの方向に作用する押圧力及び前記内側加工ロール(11、12、13、14)を前記異形材のウェブ(25)の方へ押し付ける押圧力により負荷されていること特徴とする、請求項9〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記内側加工ロール(11、12、13、14)は、意図した通りに前記装置が使用されるとき、前記内側加工ロール(11、12、13、14)とフランジ内面との間に形成される接触領域に非円筒形の外形輪郭を有し、前記外形輪郭が、前記フランジ内面上で行われる成形中に前記フランジ内面に転写されていることを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記整形中に形成されたロールビードが、前記装置(10)に組み込まれた装置により前記整形直後に除去されていることを特徴とする、請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
成形すべき前記材料を1つの装置(10)に何度も通過させる工程と、及び幾何学形状の前記加工間隙及び/又は前記加工間隙における前記フランジ内面に作用する力の調整とにより、又は、成形すべき前記材料を、各々が異なる加工間隙寸法を有する多数の装置(10)に連続して通過させるかのいずれかにより、多段階で実行されていることを特徴とする、請求項9〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記金属形材(20)を、前記固定された装置(10)に対して前記形材の長手方向に相対移動させていることを特徴とする、請求項9〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記装置(10)を、締付けにより固定された金属形材(20)に対して相対移動させていることを特徴とする、請求項9〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記金属形材(20)が、前記第1外側支持体(15)と前記第2外側支持体(16)との間の締付けにより固定され、前記加工ロール対が、前記第1フランジ(21、23)と前記第2フランジ(22、24)との間で前記金属形材(20)及び前記フランジ内面を整形する前記外側支持体(15、16)の長手方向に移動することを特徴とする、請求項9〜16のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公差の小さいチャンバー寸法を有する金属形材、特に鋼から作製された圧延形材を製造又は再較正するための方法及び装置、特に圧延スタンドに関する。本発明はまた、本発明の方法に従って製造された圧延形材に関する。
【0002】
本文書の適用上、チャンバー寸法という用語は、金属形材における第1フランジの内面と第1フランジに対向する第2フランジの内面との間の寸法を指す。したがって、本発明は、特に、U形材又は二重T形材の製造及び再較正に関するが、2つの実質的に平行なフランジが互いに対向して位置する他の幾何学形材のチャンバー寸法を適合させるために便宜上使用されることも可能である。
【背景技術】
【0003】
対向する位置にあり、かつ互いに実質的に平行に延びる2つのフランジを有する金属形材が一般に知られている。ある特定の用途では、特にフランジの対向する内面が転動体などの隣接する構成部品と機能的に協働する機能面を形成する場合、チャンバー公差がより厳しい要件の対象となる。この種の厳しい要件は、懸垂鉄道にも課される。
【0004】
かかる用途の別の具体例は、マストフレームを産業用輸送車両(特にフォークリフト)に取り付けるためのマスト直立部の例である。この用途において、複数の金属形材は、一方が他方の内部に配設され、積み重ねられた物品を上昇又は下降させるために、形材の長手方向に互いに入れ子式に移動可能である。ロールは、転動体として個々の金属形材間に位置付けられる。しかしながら、金属形材とロールとの間の遊動により、金属形材を形材の長手方向又は上下昇降方向に対して横方向に互いに対して傾斜させることができる。特に揚程が大きい場合には、ロールとロールが転動する金属形材の表面領域との間のわずかな遊動でさえ著しく影響する可能性がある。物品の積み重ねられた山がかなりの高さで存在する場合、そのような積み重ねられた山は非常に重いことが多いが、当然ながら、上下昇降方向に対して横方向に揺動する自由を、完全に妨げないにしても、できる限り制限しなければならず、さもなくば、車両又は全体構造の安定性が脅かされ、移動すべき物品を多段の収納領域に正確に位置決めすることが余計に困難になる可能性がある。場合によっては、製造業者が、マストフレーム用の形材を個々に測定し、それから、所定の車両用にカスタマイズされたロールセットを組み立てる必要さえある。ロールセットは、多数の異なるサイズのロールを備え、各ロールが特定の形材の対に対して個々に選択される。
【0005】
現在では、公差の小さいチャンバー寸法を有するマスト用形材、特に鋼製の形材を製造するために様々な製造方法が使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらすべての方法に共通する特徴は、先ず第1に鋼が熱間圧延されることである。しかしながら、マスト用形材を熱間圧延するときは、平行フランジを作る、あるいは小さい公差を達成することが不可能である。その上、すり合わせ運動不良であることの結果の1つとして、その後の操作中にかなりの応力に晒される材料ゾーンが加工硬化されない。したがって、熱間圧延されただけの形材からマストフレームを構築するためには、通常、多くの異なるロールサイズが必要となる。熱間圧延されただけの形材はまた、比較的早く摩耗するが、溶接に好適であり、脆性破壊に対する良好な耐性を有する。炭素含有量がより高い鋼を使用することにより、もしくは合金成分を添加することにより、すり合わせ運動不良を改善することができるが、これに伴い溶接性及び耐脆性破壊特性が悪化する。しかしながら、この製造工程の決定的な利点は、それが低コストである点にあり、その結果、使用されている実質的に大多数のマスト用形材が熱間圧延だけで製造されている。
【0007】
先に記載のように熱間圧延されただけの形材の欠点に対処するために、後に形材を引抜することができる。マスト用形材を引抜することにより、フランジの良好な平行度、小さい寸法公差、平滑な表面、及び材料の有利な加工硬化が保証される。それゆえ、引抜形材については、たった1つのロールサイズだけで所望の目的を達成することがしばしば可能である。この形材はまた、易摩擦性が低く、すり合わせ運動効果をほとんど示さず、かつ溶接に好適である。しかしながら、この形材の欠点は、製造に非常に手間がかかり、それに伴い製造コストが高い点で、こうした理由から、実際には引抜形材に優位性はない。加えて、引抜形材の耐脆性破壊特性は、他の方法で製造された形材に比べて著しく劣る。引抜はまた、後に多大なコストをかけて矯正機で修正しなければならない異形材の歪み(屈曲、ねじれ)の増加を招く可能性がある。
【0008】
現在では、先に熱間圧延されたマスト用形材の機能面を後加工することも好まれている。この方法で製造された形材は、引抜形材よりもあまり溶接に適さないが、製造コストはより安い。また、後加工により、フランジの良好な平行度及び小さいチャンバー公差を達成することもできる。引抜形材に関しては、一般に、この工程で1つのロールサイズだけを使用することも可能である。さらに、この形材は、圧延されただけの形材に起こり得る、後加工による表面脱炭の徴候を全く示さない。それでもやはり、必要となる後加工ならびに関連する材料費及び工具費の観点から、この方法には欠点がある。この方法はまた、マスト用形材を熱間圧延するだけの工程よりもはるかに費用がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そうは言っても、欠点は、前述の方法すべてに付随する。それゆえ、本発明の目的は、金属形材を製造又は再較正するための工程及び上記周知の工程の利点をできる限り組み合わせた方法を実行するための装置を提供することである。特に、平行フランジ、小さい公差及び摩耗に対する高い材料強度を有するマスト直立部を製造することのできる方法及び装置を提案する。本目的は、マストフレームを構築するときに、多数のロールサイズを必要とせず、良好な摩耗特性、溶接性及び耐脆性破壊特性を特徴とし、良好なすり合わせ運動を示し、それにもかかわらず、機械加工されたマスト用形材よりも低コストで製造することができるマスト用形材である。
【0010】
この目的は、本発明によれば、請求項1の記載による圧延スタンド及び請求項10の記載による方法により達成される。
【0011】
引抜又は後加工により熱間圧延されただけの形材を再較正する先に記載の方法とは異なり、本発明による装置及び方法は、予め圧延された形材の中間成品を、特に冷間成形に関連する温度範囲での圧延により再較正することを可能にする。この再較正ステップについては、高度のフランジ平行度、小さいチャンバー公差を達成することができ、かつ、特にマスト用形材において高い応力を受ける、表面に近いフランジ内面の領域内において、定義可能なパラメータを用いて材料の加工硬化の制御を行うことができる。このようにして製造された形材をマストフレームの構築に使用する場合、単一のロールサイズで所望の結果を達成することができる。この材料は溶接に好適であり、加工硬化させたフランジ内面が、良好な摩耗特性及び低いすり合わせ運動を示す。また、耐脆性破壊特性が良好である。熱間圧延工程によるいかなる凹凸又は条痕もフランジ内面に施される圧延により補正又は平滑化されるので、フランジ内面の表面品質もまた良好である。製造コストは、後加工された形材に伴う製造コストよりも著しく低い。よって、本発明の装置及び方法は、冷間引抜ステップ又は後加工ステップを必要とせずに、特に厳しいチャンバー寸法公差を有する特別な異形材を有利なコストで作製するために使用することができる。
【0012】
2つの内側加工ロールがフランジの内面上を転動し、かつ同時に、2つのフランジ間の中央で互いに接触するように2つの内側加工ロールを配置することで、冷間成形に不可欠である高い面圧がフランジ内面に常に当てられ、簡単かつ効果的に支えられることが保証される。当然ながら、内側加工ロールは、この目的で極めて高強度の材料、特に各々非常に良好な表面品質を有する高硬度焼入れ焼戻し鋼(例えば、100Cr6)又は弾性セラミック材料から作られる。
【0013】
典型的には、支持体は、各内側加工ロールに割り当てられる。この支持体は、それぞれの内側加工ロールにより形材のフランジ内面に加えられる成形力に抗して対応するフランジ外面を支える。支持体は、第1支持ロールと第2支持ロールとから構成されることが好ましく、これらの支持ロールは、内側加工ロールと同じように圧延スタンド内に回転可能に支持される。
【0016】
いずれにしても、該当する適用の状況を十分に考慮することで、当業者であれば、加工ロール対を備える圧延スタンドと金属形材とを互いに対して相対移動させる最適な方法、特に、金属形材を締付け固定して、形材のフランジ間で加工ロール対を押し進める又は引き戻すのか、あるいは、金属形材を固定された1対の加工ロールに対して相対変位させるのかという問題をその都度判断するであろう。このために必要な送り力を金属形材に又は圧延スタンドにどのように伝達するかという問題にも同じことが当てはまる。
【0017】
金属形材が圧延スタンド内に正しく装入され、かつ圧延スタンド及び金属形材が互いに対して相対移動するときに、第1フランジは、第1内側加工ロールと第1外側支持体との間、すなわち、第1加工間隙内にあり、第2フランジは、第2内側加工ロールと第2外側支持体との間、すなわち、第2加工間隙内にある。
【0018】
「加工間隙」という用語は、内側加工ロールによりフランジの内面に加えられる力によって最初に成形加工が行われ、フランジの横方向の変形又は撓みを防止するために、及び/又はフランジ間に位置する異形材のウェブの伸長を防止するために、換言すれば、ウェブ高さが変化するのを防止するために、支持体のみが、内側加工ロールによりフランジ内面に加えられる力に抗して外側で支えるということを示唆するように意図された用語である。これに関連して、支持体間の距離は、フランジ外面間の距離に応じて調整される。変形及びその結果としての目的とするチャンバー寸法の作製は、これらの対策によって、フランジ内面の表面付近でのフランジ材の塑性変形によりフランジ材の厚みを実際に局所的に減少させる結果として達成することができる。
【0019】
本発明の目的は、冷間成形によって形材のウェブ高さを再較正するか又はフランジ外面を変化させることではなく、むしろ、フランジ内面間の距離を決定し、小さい公差内で形材の長手方向に対して横方向にフランジの表面輪郭を作製することであるので、好ましい実施形態において、支持体は、意図した態様で装置が使用されるとき、フランジ外面と支持体との間の面圧が非常に低いため、フランジ外面の表面付近にフランジ材の著しい塑性変形が生じないような寸法とされる。
【0020】
産業用輸送車両の様々な製造業者は、典型的には、マスト用形材のための専有の転動体及び幾何学的に形成されたロールを使用する。本発明により、製造業者独自の加工ロール形状を用いてマスト用形材を製造している間でも、フランジ内面の表面を製造業者独自の転動体及び幾何学的に形成されたロールに適合させることが可能となる。このため、内側加工ロールは、意図した通りに装置が使用されるとき、内側加工ロールとフランジ内面との間に作られる接触面の領域に非円筒形の外形輪郭を有する。冷間成形工程中に、この接触面の外形輪郭をフランジ内面に再現することができる。
【0021】
所望のチャンバー寸法を得るための金属形材の変形は、金属形材がロール矯正装置に挿入される前か又は個々のロール矯正の間に行うことができる。不均一な変形(例えば、金属形材のねじれ又は屈曲を招くおそれがあり、再度ロール矯正機及び/又は矯正プレスを用いて修正しなければならない変形)が生じないことを必ずしも保証できないため、ロール矯正機による最終工程及び/又は矯正プレスにおける最終的な後加工の前に所望のチャンバー寸法を得るように金属形材を変形することが特に望ましい。圧延スタンドをロール矯正機に組み込むこともできる。この場合、圧延スタンドは、金属形材の長手方向に対する横方向への形材のいかなる動きも補償できるように、ロール矯正機内で移動可能であるべきである。
【0022】
圧延工程の間、回転軸線を中心に回転する内側加工ロールは、回転軸線の方向に作用しかつ内側加工ロールを異形材のウェブに向けて押圧する接触押圧力に作用されることが好ましく、この接触押圧力により、内側加工ロールが、フランジから金属形材のウェブへの移行において常に完全に平坦な状態であるか、又は少なくともウェブから規定の距離に保たれることが確実になる。 内側加工ロールによりフランジ内面に作製される任意選択による製造業者独自の変形は、形材の長手方向全体にわたって一定のままである。このようにして、加工ロールが異形材のウェブ表面により画定された平面から形材の外側に向ってずれるのを効果的に防止することができる。当然ながら、代替又は追加として、この押圧力は、加工ロール対から最も離れた金属形材の側面に配設されかつ、金属形材が移動中に加工ロール対に対してずれるのを防止するために、金属形材を加工ロール対に対して位置合わせする圧力ロールにより付与してもよい。
【0023】
ウェブとは反対側の内側加工ロールの正面がウェブ上の軌道から外れることを防止するために、内側加工ロールを異形材のウェブに向けて付勢する押圧力にもかかわらず、それらのロールをウェブ表面から規定の距離に保持するためのスペーサを設けることもできる。そのようなスペーサは、形材が圧延スタンドに対して相対移動するときに、ウェブ表面上でゆっくりと転動する又は摺動する、スペーサロール又はいくつかの他の転動体であってもよい。
【0024】
好都合にも、装置は、第1洗浄装置を備え、この第1洗浄装置は、圧延スタンドに不純物が入る前に、金属形材の領域から不純物を取り除く。そのような不純物は、スケールに起因して発生する可能性があり、このスケールは、上流工程段階中に形材表面から剥がれ落ちる。洗浄装置は、不純物を特に圧縮空気で吹き飛ばすか、水で洗い流すか、もしくはブラシで除去するか、又はこれらの工程の組み合わせで除去することができる。洗浄工程は、金属形材が圧延スタンドに対して相対移動している間に連続して行われることが好ましい。支持体及び/又は内側加工ロールもまた、第1洗浄装置又は追加の第2洗浄装置で同様に洗浄してもよい。
【0025】
特に所望のチャンバー寸法を達成するのに必要な変形の度合いがあまりに大きく、単一の工程で実行することが難しい場合には、圧延工程を多段階で実行してもよい。よって、金属形材を同じ圧延スタンドに何度も通過させるか、又は順々に配設された複数の圧延スタンドに通過させるかのいずれかとすることができ、金属形材又は内側加工ロールの幾何学形状及び/もしくは加工間隙の幾何学形状に加えられる圧力を段階的に変化させることができる。
【0026】
圧延工程での単一ステップで生じ得るビードを除去するために、ビード除去装置(特に鉋)を圧延スタンド又は圧延スタンドが組み込まれた装置に配設してもよい。
【0027】
圧延スタンドと金属形材の互いに対する相対移動を確実にするために、内側加工ロールをモータで駆動してもよい。これに代えて又はこれに加えて、外側支持体をモータ駆動式支持ロールにより形成してもよい。加工ロール及び/又は支持ロールの代わりに、あるいは加工ロール及び/又は支持ロールと同様に、先に記載の圧力ロールをモータ駆動することもできる。
【0028】
本発明の追加の特徴及び利点は、従属請求項及び図面を参照した以下の好ましい実施形態の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】金属形材のフランジが内側加工ロールと外側支持ロールとの間で搬送されている、圧延スタンドの正面図を示す。
【
図3】
図3(a)〜(c)は、圧延形材ブランク(
図3(a))から、再較正された金属形材(
図3(c))までの段階的な金属形材の変化を示す。
【
図4】前進方向Vに対する内側加工ロールの段階的な調整による金属形材のチャンバー寸法の拡張を段階的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、ここで例示的な目的で選択された金属製の二重T形材20のフランジ21、22、23、24を内側加工ロール11、12、13、14と外側支持ロール15、16との間に前進させた、本発明の装置を構成する圧延スタンド10の正面図を示している。本発明の範囲内では、フランジ21及び23は各々第1フランジであり、本発明の範囲内では、フランジ22及び24は各々第2フランジである。
【0031】
本発明の範囲内では、内側加工ロール11は第1内側加工ロールであり、内側加工ロール12は第2内側加工ロールである。それらの内側加工ロールが共に、内側加工ロール対を形成し、その内側加工ロール対がフランジ21と22との間に配設される。同様に、本発明の範囲内では、内側加工ロール13は第1内側加工ロールであり、内側加工ロール14は第2内側加工ロールであり、それらの内側加工ロールが共に、フランジ23と24との間に配設されるさらなる内側加工ロール対を形成する。第1支持ロール15は、外側からフランジ21及び23に作用し、第2支持ロール16は、外側からフランジ22及び24に作用する。したがって、
図1に示す構成は、本発明によって定義される2つの第1内側加工ロール11、13、及び本発明によって定義される2つの第2内側加工ロール12、14を示す。
【0032】
第1加工間隙は、第1内側加工ロール11と第1外側支持ロール15との間に形成され、第2加工間隙は、第2内側加工ロール12と第2外側支持ロール16との間に形成される。同様に、本発明よって定義される第1加工間隙は、第1内側加工ロール13と第1外側支持ロール15との間に形成され、本発明よって定義される第2加工間隙は、第2内側加工ロール14と第2外側支持ロール16との間に形成される。したがって、
図1に示す構成では、合計4つの加工間隙、すなわち、本発明によって定義される2つの第1加工間隙、及び本発明によって定義される2つの第2加工間隙が示されている。
【0033】
それから、二重チャンバーの形材(例えば、二重T形材)ではなく、単一チャンバー(例えば、U形材)を製造又は再較正する場合には、当然ながら、先に記載の合計2つの内側加工ロール対、2つの第1フランジ、2つの第2フランジ、2つの第1加工間隙、及び2つの第2加工間隙の二重配置を用いずに簡単な配置を選択してもよい。
【0034】
図2は、
図1の構成の平面図を示している。他の支持ロール15及び16ならびに内側ロール11及び12は、回転方向矢印で
図2に示す方向に回転する。金属形材は、圧延スタンドに対して送り方向Vに相対移動する。代替的に、圧延スタンドを固定位置に締め付けられた金属形材に対して相対移動させることができる。フランジ21と22が、第1内側加工ロール11と第1外側支持ロール15との間の第1間隙ならびに第2内側加工ロール12と第2外側支持ロール16との間の第2間隙にそれぞれ進入する前では、フランジ内面は、内側加工ロールに接触する領域、また後のマスト用形材としての使用の際に転動体が転動する領域において、チャンバー寸法K
0 分だけ互いに隔てられている。金属形材20はまた、ウェブ高さS
0 を有する。
【0035】
それぞれのフランジがそれぞれの加工間隙を通過するときに、内側加工ロールがフランジ内面に変形力を加え、その結果、フランジ内面の冷間成形がなされ、ひいてはフランジ内面の表面付近に加工硬化及び表面平滑化がもたらされる。この工程は、
図1にさらに詳細に図示されている。
図1では、フランジ21と22との間の形材の長手方向に対して横方向に作用する変形力がどのように互いに打ち消し合うかを表すために、力の矢印F
U が二重T形材20の上部チャンバー内に示されている。外側支持ロール(図示せず)の軸受は、フランジ外面に作用する支持ロール15及び16からの力だけを吸収しさえすればよい。このことは、内側加工ロール11及び12が互いに転動し合い、これにより生じる力が互いに直接反作用し合うことで達成される。これは、とにかく形材の長手方向に対して横方向に作用する極めて小さな力を吸収できさえすればよい内側加工ロールに隣接するシャフト用の軸受装置を可能にする。加工ロールが変形効果及び加工硬化効果を及ぼす(黒で強調表示された)材料領域をさらに明確に示すことができるように、
図1に示す二重T形材20の下部チャンバー内において、内側加工ロール13、14を概略的にのみ示している。
【0036】
図1にさらに示す、力の矢印F
A は、回転軸線Rの回転方向に加工ロール対に対して作用する押圧力を表しており、この押圧力は、加工ロール対が形材のウェブ25から離間する動きで上方にずれることができないことを保証する。
【0037】
内側加工ロールに関しては、所望の最終チャンバー寸法K
1 に対して、各内側加工ロールが、公称直径1/2 K
1 (すなわち、所望の最終チャンバー寸法K
1 の半分)を有する。それゆえ、典型的に使用される60mm〜200mmのチャンバー寸法に対して、30mm〜100mmの公称直径を有する内側加工ロールが使用される。フランジ材及び内側加工ロールの材料自体が一定の材料弾性を有していること、また、変形力を受けるとフランジ材及び内側加工ロールの材料もわずかながら弾性的に(すなわち、永久的な塑性変形なしに)曲がり、その後、跳ね戻ることを考慮に入れ、任意選択で追加の大きさだけ公称直径を増やしてもよい。したがって、実際の直径は、公称直径1/2 K
1 よりも若干大きくてもよい。
【0038】
本方法及び圧延スタンドの別の特別な特徴は、内側加工ロールが、少なくとも成形工程中にフランジ内面に接触する領域内では非円筒形の外形輪郭を有してもよいことである。図では、内側加工ロールが、例示の目的で外方に膨出するように示されている。したがって、内側加工ロールが凸面レンズ(外見上凸状に湾曲した収束レンズ)のような断面を有している。しかしながら、他の断面形状としては、原則として、とりわけ凹面レンズ(外見上凹状に湾曲させた発散レンズ)の様な断面、又は可変の外形輪郭パターンが考えられる。これにより、できる限り、規定の製造業者独自のロール形状を考慮し、かつ製造工程においてもフランジ内面にさえロール形状の外形輪郭を複製できるようになる。これにより、すり合わせ運動の遊びを低減し、この遊動はマストフレームの動作寿命にわたって大きくなり限界値に近づくが、ロールが最初からロールの外形輪郭に適合された表面上を転動するので、結果的に、動作寿命期間中の前記表面の損傷が極めてわずかになる。理想的には、このような損傷を完全に防ぐ。
【0039】
内側加工ロールの外形輪郭の対応する設計により、本方法で非平行なフランジ内面を製造することも可能である。これに関連して、非平行度は、閉鎖チャンバー寸法がウェブから開始して作製される(内側加工ロールの有効外径がウェブ表面から離間する方向に小さくなる)ような性質を有してもよいし、開放チャンバー寸法がウェブから開始して作製される(内側加工ロールの有効外径がウェブ表面から離間する方向に大きくなる)ような性質を有してもよい。その上、熱間圧延鋼形材については、本方法及び圧延スタンドは、典型的にはウェブから生じ、平行ではないが開放しているフランジ内面を、後に、平行に延びるように形成することを可能とする。
【0040】
図3(a)、
図3(b)及び
図3(c)では、成形工程がさらに図示されている。
図3(a)は、フランジが加工間隙に挿入される前の金属形材の断面図を示している。工程中にかつ圧延スタンド内で機械加工されるフランジ内面の表面に近い材料領域が、
図3(b)には黒で強調表示された領域で示されている。最後に、
図3(c)は、初期チャンバー寸法K
0 から所望の最終チャンバー寸法K
1 に変更されたチャンバー寸法を有するマスト用形材の断面図を示している。
【0041】
図1及び
図2で分かるように、外側支持ロールの直径は、内側加工ロールの直径よりもかなり大きく、その結果、フランジ外面の面圧が低く維持される。このことは、成形工程がウェブ高さS
0 又はフランジ外面に影響しないことが重要である場合に、特に必要である。このことは、初期チャンバー寸法K
0 が所望の初期チャンバー寸法K
1 に変更される一方で、ウェブ高さS
0 が圧延スタンドを通過する前と後で同じであるという事実により
図2に表されている。しかしながら、一方で、ウェブ高さS
0 及びフランジ外面間の距離の若干の変更は、かかる変更がその後の形材使用時に悪影響を及ぼさないという条件で許容される。
【0042】
支持体に関しては、ここで支持体の有効径が約700mm〜750mm以上である場合には、形材のフランジ外表面との接触領域により、フランジ外面の塑性変形を回避するのに十分に低い面圧が確保されることが判明している。しかしながら、これは、固定値として理解されるべきではない。実用的な結果は、金属形材の材料に依存するこれらの値以外の値を用いて得ることもできる。
【0044】
支持ロールは、成形課業を実行する必要がないので、若干凹むもの及び/又は高摩擦駆動コーティング(例えば、硬質ゴム)で覆われるか被覆され、且つ、フランジ外面における凹凸を埋めるか許容する及び/又は圧延のために材料の滑り止め搬送を確実に行えるような適切な寸法とされる。そのようなコーティングもまた、フランジ外面に確実に所望の低い面圧を加えることに寄与する。
【0045】
当然ながら、第1及び第2支持体はまた、両側面(すなわち、第1フランジと第2フランジの両方)にかかる成形力に抗して支える単一の構成部品で形成してもよい。
【0046】
図4は、本発明による圧延スタンド及び方法の特別な変形例を図示しており、この変形例では、形材の長手方向側面又は送り方向Vに対する、2つの内側加工ロールの中心点を仮想上で連結する仮想連結軸線Aにより表される角度αを増大させる。特に、角度が90°未満から実質的に90°に変更される。これにより、フランジ内側面に作用する内側加工ロールの有効な外側加工寸法が増大し、外側支持ロールが互いに一定の距離に保たれる一方で、加工間隙が次第に狭められる。外側支持ロールは、当然ながら、内側加工ロール11、12と共に加工間隙を形成するように設けなければならないが、単に分かり易くするために、
図4には図示していない。
【0047】
特に、かかる構成は、(金属形材がまだ加工されていない)元々のチャンバー寸法K
0 から最終チャンバー寸法K
3 に段階的にチャンバー寸法を変更する能力を提供する。第1工程では、軸線A
1 が、形材の長手方向側面又は送り方向Vに対して角度α
1 を成し、チャンバー寸法K
0 をK
1 に拡張する。第2工程では、角度α
1 をα
2 に増大させて、加工間隙を若干狭め、それにより、チャンバー寸法K
1 をK
2 に拡張する。第3工程では、角度α
2 を角度α
3 に増大させて、加工間隙を再び狭め、したがって、さらにチャンバー寸法K
2 をチャンバー寸法K
3 に拡張する。そして、このチャンバー寸法K
3 が、
図4に図示する、最終チャンバー寸法を表す。当然ながら、それぞれの応用事例に対して、工程の必要数又は妥当数及びこれに伴う内側加工ロール対の配置変更回数及び加工間隙を狭める回数を決定することができる。
【0048】
上記の多段階法では、加工間隙を徐々に狭めるために角度αを徐々に増大させるが、そうでなければ、この加工間隙は、経路ごとに一定に保たれる。しかしながら、
図4に示す送り方向に対するロールの傾斜配置、すなわち、仮想連結軸線Aと、関連する加工間隙の狭まりとの間のオフセット分を、金属形材の長さにわたって存在するチャンバー寸法のばらつきを補償するために使用することもできる。金属形材の中央部分において検出可能であり、かつ特に金属形材の始端及び終端における加工間隙から金属形材の出し入れにより生じるチャンバー寸法に関する若干の偏りを、限られた範囲内で調整することができる。したがって、
図4に示す送り方向に対する内側加工ロールの傾斜配置は、傾斜方向が工程ごとに一定に保たれる一連の工程で徐々に行うだけでなく、測定された実際のチャンバー寸法の偏りを金属形材の長さに沿って選択的に均一化するために、傾斜配置を工程中に制御下で変更することもできる。
【0049】
この目的ために、工程中に実際のチャンバー寸法を検出する測定装置を、内側加工ロール対ならびに角度αが設定された変位及び制御装置に割り当てることが推奨される。測定点又は測定値は、加工間隙に先行して値を示すことが好ましく、結果として、偏りが検出されると、それに応じて角度αを速やかに調整することができる。しかしながら、測定点又は測定値が、加工間隙に遅れて値を示すか、又は、先行する測定値及び後続する測定値の両方を得ることも考えられる。特に、この最後の選択肢は、システムが、この調整によりもたらされるチャンバー寸法の変化を速やかに検出し、かつ角度αを変更することによりコンピュータ支援による再調整又は修正を実行することができるという利点がある。その上、このような方法である種の自己学習システムを開発することができ、このシステムは自らを較正し、角度設定又はそれに従属する変数から加工硬化度の依存性を自動的に判定することができる。
【0050】
角度αが90°とは異なる最大値、すなわち、軸線Aが送り方向Vからオフセットされる度合いは、金属形材の材料及び工程削減の設定に応じて変わり、互いに対する内側加工ロールの十分な支えが保証され、内側加工ロールに作用する力により内側加工ロールを強制的にさらなる傾斜配置にする発生トルクが依然として制御可能な状態であるように選択する必要がある。
【0051】
記載及び表示では、図において二重T形材についてのみ明示的に述べているが、ここでもまた、本発明は、そのような金属異形材タイプだけの製造又は再較正に限定されるものではなく、少なくとも1対の内側加工ロールを実際に使用することができる2つの対向するフランジを備えた他の異形材形状すべてに適用できることに留意するべきである。
【符号の説明】
【0052】
10 装置/圧延スタンド
11、13 第1内側加工ロール
12、14 第2内側加工ロール
15 第1支持体
16 第2支持体
20 金属形材
21、23 第1フランジ
22、24 第2フランジ
25 異形材のウェブ