(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ガス流通路が内部に形成された筒状のプラグ本体に、前記ガス流通路におけるガスの過流出を防止するためのヒューズ機構と、前記プラグ本体の上流側部位にガス管を連通接続するために前記プラグ本体の内壁に設けられた接続部と、前記プラグ本体の下流側部位へのガス接続具の装脱着により前記ガス流通路を開閉自在なガス栓と、を備えたガスプラグにおいて、
前記ヒューズ機構が、前記ガス流通路におけるガスの流通を許容する初期位置とガスの流通を阻止する作動位置との間を移動自在なヒューズ弁を、前記ガス栓よりも上流側に備え、
前記ヒューズ機構の上流側部位が、前記接続部の下流側端部よりも前記接続部の上流側端部側に突出して、前記接続部に接続される前記ガス管内に挿入自在に構成され、且つ、前記作動位置と前記初期位置との両方が、前記接続部の下流側端部よりも前記接続部の上流側端部側に設定されるガスプラグ。
前記接続部と前記ガス管とを接続した際に、前記ヒューズ機構の外周面と前記ガス管の内周面との間に、所定の空間が生じるように前記ヒューズ機構と前記接続部とが配置されている請求項1に記載のガスプラグ。
前記ヒューズ機構は、前記ガス流通路のガス流通方向で上流側部位が前記接続部の下流側端部よりも前記接続部の上流側端部側に位置し、かつ下流側部位が前記接続部の下流側端部よりも下流側に位置するよう配置され、前記プラグ本体の内壁によって、前記ヒューズ機構の下流側部位が保持されている請求項1又は2に記載のガスプラグ。
前記接続部として、前記ガス管として用いられるフレキシブル管を前記接続部に対して着脱自在とするフレキ管継手部が設けられる請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスプラグ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のガスプラグでは、接続部とヒューズ機構とが、ガス流通方向で重複することなく、ガス流通方向に並ぶように配置されているので、ガス流通方向での長さとして、接続部の全長とヒューズ機構の全長とを加えた長さを有するものとなり、ガスプラグがガス流通方向に長くなってしまう。したがって、壁部等の内部という限られたスペースに、ガス流通方向に長さの長いプラグ本体の設置スペースを確保しなければならず、その設置スペースの確保が難しいものとなっていた。そのため、プラグ本体の寸法上の問題からガスプラグを設置可能な場所についての制約が厳しくなる可能性がある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑み、ガス流通方向長さを短く抑えたガスプラグを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るガス流通路が内部に形成された筒状のプラグ本体に、前記ガス流通路におけるガスの過流出を防止するためのヒューズ機構と、前記プラグ本体の上流側部位にガス管を連通接続するために前記プラグ本体の内壁に設けられた接続部と、
前記プラグ本体の下流側部位へのガス接続具の装脱着により前記ガス流通路を開閉自在なガス栓と、を備えたガスプラグの特徴は、前記ヒューズ機構が、
前記ガス流通路におけるガスの流通を許容する初期位置とガスの流通を阻止する作動位置との間を移動自在なヒューズ弁を、前記ガス栓よりも上流側に備え、前記ヒューズ機構の上流側部位が、前記接続部の下流側端部よりも前記接続部の上流側端部側に突出して、前記接続部に接続される前記ガス管内に挿入自在に構成され
、且つ、前記作動位置と前記初期位置との両方が、前記接続部の下流側端部よりも前記接続部の上流側端部側に設定される点にある。
【0007】
この構成によれば、ヒューズ機構が、
前記ガス流通路におけるガスの流通を許容する初期位置とガスの流通を阻止する作動位置との間を移動自在なヒューズ弁を、前記ガス栓よりも上流側に備え、前記ヒューズ機構の上流側部位が、前記接続部の下流側端部よりも前記接続部の上流側端部側に突出しているので、ヒューズ機構において接続部の下流側端部よりも接続部の上流側端部側に突出している部分が内側に位置し、接続部がそのヒューズ機構の突出している部分の外側に位置して、ヒューズ機構の突出している部分と接続部とがガス流通方向で重複している二重構造とすることができる。したがって、このような二重構造とするようにヒューズ機構を配置させることができるので、ガスプラグのガス流通方向での長さを短くすることができる。しかも、ヒューズ機構は、接続部に接続されたガス管内に挿入され
、且つ、前記作動位置と前記初期位置との両方が、前記接続部の下流側端部よりも前記接続部の上流側端部側に設定されるので、ガス流通方向でヒューズ機構と接続部とが重複する部分が存在するようにヒューズ機構を配置させても、接続部にガス管を接続する際に、ヒューズ機構が邪魔になることなく、接続部にガス管を接続することができる。したがって、ガス流通方向長さを短く抑えたガスプラグを実現することができるとともに、接続部へのガス管の接続も簡易に行うことができる。
【0008】
また、前記接続部と前記ガス管とを接続した際に、前記ヒューズ機構の外周面と前記ガス管の内周面との間に、所定の空間が生じるように前記ヒューズ機構と前記接続部とが配置されていると好適である。
【0009】
この構成によれば、ヒューズ機構の外周部に隙間を設けることができる。そして、この隙間を設けることにより、ガス管からヒューズ機構の内部に供給されるガスの流れだけでなく、ヒューズ機構の外周部に設けられた隙間へと向かう流れも出来る。そのため、ガスの流れに乗って流れてくる配管内の切削油などの異物を、隙間に押しやることができる。これにより、ヒューズ機構の内部に異物が流入されて、ヒューズ機構に異物が付着することを抑制できるガスプラグを実現できる。
【0010】
さらに、前記ヒューズ機構は、前記ガス流通路のガス流通方向で上流側部位が前記接続部の下流側端部よりも前記接続部の上流側端部側に位置し、かつ下流側部位が前記接続部の下流側端部よりも下流側に位置するよう配置され、前記プラグ本体の内壁によって、前記ヒューズ機構の下流側部位が保持されていると好適である。
【0011】
例えば、ガス流通方向でヒューズ機構の全長に亘って接続部と重複するようにヒューズ機構を配置させると、ヒューズ機構の外側には接続部が位置することになり、ヒューズ機構の保持が難しくなる。そのような場合に対し、この構成によれば、ヒューズ機構の上流側部位をガス流通方向で接続部と重複する部分とし、ヒューズ機構の下流側部位をプラグ本体の内壁にて保持することで、ガスプラグのガス流通方向長さを短くできながら、ヒューズ機構の保持も適切に行うことができる。しかも、ヒューズ機構の保持は、プラグ本体の内壁を利用して行うので、別の部材を設ける必要もなく、簡易な構成によってヒューズ機構の保持を適切に行うことができる。
【0012】
さらに、前記ヒューズ機構は、前記上流側部位の上流側端部が、前記プラグ本体の上流側端部と同一平面状に配置されていると好適である。
【0013】
この構成によれば、ヒューズ機構がプラグ本体の上流側端部から上流側に突出することがないので、プラグ本体にガス管を接続する際に、ガス管の先端がヒューズに接触し、ヒューズが変形、損傷する可能性を抑制できる。すなわち、施工時の取り扱いが楽なガスプラグを実現することができる。
【0014】
さらに、前記接続部として、前記ガス管の外周部に形成されるガス管側ネジ部に螺合する接続部側ネジ部が備えられていると好適である。
【0015】
この構成によれば、接続側ネジ部によってプラグ本体にガス管を接続することができる。
【0016】
また、前記接続部として、前記ガス管として用いられるフレキシブル管を前記接続部に対して着脱自在とするフレキ管継手部が設けられると好適である。
【0017】
この構成によれば、フレキ管継手部によってプラグ本体にフレキシブル管を接続することができる。
【0018】
さらに、前記ガス流通路が前記プラグ本体の軸方向に沿う直線状に設けられると好適である。
【0019】
ここで、ガス流通路がプラグ本体の軸方向に沿う直線状に設けられたプラグの場合、ガスプラグの大きさは、主に軸方向の長さによって決まる。よって、この構成によれば、ガスプラグの軸方向の長さを短くすることで、ガスプラグを小さく出来る。しかも、プラグ本体を直線状とすることで、ガスプラグを設置する場合に、プラグ本体に接続するガス配管と同軸にガスプラグを設置することが可能となり、設置スペースの縮小を図ることができる。更に、プラグ本体を直線状とすることで、ガスプラグを壁内に埋め込む形態や壁を貫通する形態にて設置する場合に、壁に形成する開口部の面積を小さくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
1.ガスプラグの概略
この第1実施形態のガスプラグは、
図1に示すように、ガス流通路1が内部に形成された筒状のプラグ本体2に、ガス流通路1におけるガスの過流出を防止するためのヒューズ機構Hと、プラグ本体2の上流側部位21にガス管4を連通接続するためにプラグ本体2の内壁2iに設けられた接続部5と、を備えている。
【0023】
ここで、プラグ本体2内部に形成されたガス流通路1は、その流路断面を円形状とし、プラグ本体2の軸方向(
図1中X方向)に沿う直線状に設けられている。言い換えると、ガス流通路1は、プラグ本体2の上流側から下流側に向かって直線状に設けられている。
【0024】
プラグ本体2の内部に形成されたガス流通路1には、上流側から順に、接続部5、筒状部材H1を備えるヒューズ機構H、及び後述するリセット手段R、ガス流通路1を流れるガスがガス流出口3から流出するのを防止可能なガス栓G、が備えられている。ガス流通路1は、プラグ本体2内部において、筒状部材H1の内部を通り、リセット手段R及びガス栓Gを避けて、ガス流出口3までをガスが流通可能に形成されている。
【0025】
この第1実施形態のガスプラグは、プラグ本体2の上流側に設けられた接続部5に、
図2に示すようにガス管4が接続される。ここで、ガス管4は、例えば、壁部等の内部に配設されているガス管である。プラグ本体2にガス管4を接続することで、ガス管4内のガ
ス流路と、プラグ本体2内に形成されたガス流通路1と、の間でガスの流通が可能になる。
【0026】
一方、プラグ本体2の下流側は、ガス接続具100が接続可能となっている。このガス接続具100は、ガス器具(例えば、ガスコンロやガスファンヒーターなど)に接続されたガスホースとプラグ本体2とを接続するためのものである。プラグ本体2に対して装着及び取り外し自在なガス接続具100の構成については、既に公知の構成であるので、詳細な説明は省略する。ガス管4と接続されたプラグ本体2に、ガス接続具100が装着されることで、ガス管4内のガス流路と、プラグ本体2に形成されたガス流通路1と、ガス器具に接続されたガスホースにより形成されるガス流路と、がガスを流通可能に連通される。
【0027】
なお、以下では、
図1〜5中におけるX方向をガス流通方向と呼び、
図1〜5中におけるX方向の左側であるガス流通方向下流側を、単に下流側と呼び、
図1〜5中におけるX方向の右側であるガス流通方向上流側を、上流側と呼ぶ。
【0028】
続いて、プラグ本体2内部に備えられている、接続部5、ヒューズ機構H、リセット手段R、ガス栓G各部の詳細を説明する。
【0029】
2−1.接続部
接続部5は、ガス管4とプラグ本体2とを連通接続するために、プラグ本体2の上流側部位21の内周面(内壁2i)に設けられた部位である。第1実施形態のガスプラグにおいては、プラグ本体2に接続するガス管4として、プラグ本体2に接続する側のガス管4端部の外周部4oにガス管側ネジ部7が設けられているものを想定している。そのため、プラグ本体2の接続部5には、ガス管4に設けられたガス管側ネジ部7と螺合するようにガス管4の外周部4oに形成されるガス管側ネジ部7に螺合する接続部側ネジ部9aが備えられている。
【0030】
ここで、接続部5について説明を補足する。プラグ本体2に接続部5を形成するためネジ穴加工を行うと、プラグ本体2の上流側部位21の内周面には、ガス管側ネジ部7と螺合するネジ山が生成された領域と、当該領域より下流側に不完全なネジ山が生成された領域がいくらか生成される。第1実施形態のガスプラグにおいては、プラグ本体2の上流側部位21の内周面において、ガス管側ネジ部7と螺合するネジ山が生成された領域のみを接続部5と呼ぶ。なお、不完全なネジ山が生成された領域は、以下では領域dと呼ぶ。
【0031】
2−2.ヒューズ機構
ヒューズ機構Hは、ガス流通路1において、ガス栓G及びリセット手段Rよりも上流側で、接続部5よりも下流側に設けられている。ヒューズ機構Hは、内部にガスを流通する流路が形成された筒状部材H1を備えている。筒状部材H1の内部には、ガス流路を許容する初期位置(
図2参照)とガス流通を阻止する作動位置(
図3参照)とにプラグ本体2の軸方向に移動自在なヒューズ弁H2と、リセット手段Rからリセット操作としてのガス流通路1の上流側への押圧操作を受ける被操作部材H3と、ヒューズ弁H2及び被操作部材H3をプラグ本体2の軸方向に移動自在に支持する支持部材H4とが備えられている。ヒューズ弁H2は、初期位置に復帰するように付勢されており、ガス流通路1におけるガスの過流出が生じると、そのガスの流動圧を受けて初期位置から作動位置に移動して、ガスの過流出を防止している。
【0032】
2−3.リセット手段
リセット手段Rは、ヒューズ機構Hのヒューズ弁H2が作動位置に移動した状態において、ヒューズ弁H2を初期位置に復帰させるためのリセット操作を行うものである。リセ
ット手段Rは、ガス接続具100をプラグ本体2に装着するという使用者の動作を利用してリセット操作を行うように構成されており、リセット操作として、被操作部材H3の下流側端部をガス流通路1の上流側へ押圧する操作を行っている。リセット手段Rは、ガス接続具100をプラグ本体2に装着する場合のプラグ本体2の軸方向でのガス栓Gの閉じ位置からの移動途中に、被操作部材H3の下流側端部をガス流通路1の上流側へ押圧するリセット操作を行い、ガス栓Gの移動終了時には、被操作部材H3の下流側端部に対するリセット操作を解除するように構成されている。
【0033】
リセット手段Rは、ガス栓Gである第1弁体G1の上流側端部からガス流通路1の上流側に延びるように第1弁体G1に一体的に形成された押圧操作部R1を備えている。
【0034】
押圧操作部R1は、ガス流通路1の上流側に延びてその上流側端部を球面状とし、第1弁体G1に一体形成された突起部にて構成されている。
【0035】
2−4.ガス栓
ガス栓Gは、ガス流通路1におけるガス流出口3へのガスの流通を阻止するように閉弁自在に稼動する第1弁体G1と、ガス流通路1において第1弁体G1よりもガス流通方向において上流側で閉弁自在に稼動する第2弁体G2と、第1弁体G1及び第2弁体G2を支持する支持部材G3とを備えている。支持部材G3は、第1弁体G1及び第2弁体G2を支持した状態でプラグ本体2の軸方向に移動自在にガス流通路1に備えられている。
【0036】
2−5.リセット手段によるリセット動作
以下、
図3に基づいて、リセット手段Rによるリセット操作時におけるガス栓G、ヒューズ機構H、リセット手段Rの動作について説明する。ガス流通路1におけるガスの過流出が生じ、ヒューズ機構Hが作動すると、ヒューズ機構Hにおけるヒューズ弁H2は、
図2に示す初期位置から、
図3に示すように、ヒューズ弁H2がガス流通を阻止する初期位置よりも下流側の作動位置に移動する。
【0037】
このようにして、ヒューズ弁H2が作動位置に移動すると、ガス接続具100がプラグ本体2から取り外されて、ガス栓Gが閉じ位置(
図2参照)に位置してガスの流通が阻止される。そして、ガス接続具100をプラグ本体2に装着すると、
図3に示すように、ガス接続具100の押圧部105がガス栓Gをガス流通路1の上流側に押圧して、ガス栓Gが閉じ位置からガス流通路1の上流側に移動してガス流通路1を開弁させる。このとき、リセット手段Rの押圧操作部R1は、ガス栓Gの移動に伴ってガス栓Gと一体的に移動するので、押圧操作部R1がヒューズ機構Hの被操作部材H3の頭部に直接当接して、被操作部材H3の下流側端部をガス流通路1の上流側へ押圧するリセット操作を行う。このリセット操作によって、ヒューズ弁H2が初期位置に復帰される。そして、更なるガス栓Gの移動によって押圧操作部R1が被操作部材H3の頭部を乗り越えて上流側に移動し、最終的に、押圧操作部R1が被操作部材H3の頭部よりも上流側に離間する位置まで移動して、リセット操作が解除される。また、ガス接続具100がプラグ本体2から取り外された場合には、ガス栓Gの下流側への移動に伴って押圧操作部R1も下流側に移動して、被操作部材H3を乗り越えて更に下流側に移動して、
図2に示すように、被操作部材H3の頭部よりも下流側に離間する位置まで戻ることになる。
【0038】
3.接続部とヒューズ機構の位置関係
この第1実施形態のガスプラグは、
図2に示すように、ヒューズ機構Hが、接続部5の下流側端部5lよりも接続部5の上流側端部5u側に突出して、接続部5に接続されるガス管4内に挿入自在に構成されている。すなわち、
図1に示すように、プラグ本体2に設けられたヒューズ機構Hの一部は、接続部5の下流側端部5lに対して、ガス流通方向の上流側に位置するように、配置されている。そのため、プラグ本体2に、接続部5の下流
側端部5lまでガス管4を挿入した際に、接続部5と、ガス管4と、ヒューズ機構Hとはガス流通方向(
図2中X方向、プラグ本体2の軸方向)で重複する部分を有するように配置される。ガス流通方向の断面で見ると、外周部から内周部に向かって順に、接続部5、ガス管4、ヒューズ機構Hと並ぶ三層構造となる。
【0039】
また、ヒューズ機構Hと接続部5とはガス流通方向で重複する部分を有しているが、ヒューズ機構Hの全長に亘って重複するのではなく、ヒューズ機構Hは、ガス流通路1のガス流通方向で上流側部位61が接続部5の下流側端部5lよりも接続部5の上流側端部5u側に位置し、かつ下流側部位62が接続部5の下流側端部5lよりも下流側に位置するよう配置されている。これにより、ヒューズ機構Hの上流側部位61のみが、ガス流通方向で接続部5と重複する部分となる。そして、ヒューズ機構Hは、プラグ本体2の内壁2iによって、ヒューズ機構Hの下流側部位62が保持されている。ここで、ヒューズ機構Hのうち、ガス流通方向(
図2中X方向、プラグ本体2の軸方向)で接続部5と重複する部分を上流側部位61と呼ぶ。また、ヒューズ機構Hのうち、ガス流通方向で領域dと重複する部分を中間部位61bと呼ぶ。また、中間部位61bより下流側に位置する部分を下流側部位62と呼ぶ。
【0040】
プラグ本体2の内壁2iは、内径がヒューズ機構Hの下流側部位62の外径と等しくなるよう形成されたヒューズ機構保持領域22と、内径がヒューズ機構Hの下流側部位62の外径よりも小さくなるように形成されたヒューズ機構固定領域23とを備えるよう形成されている。ヒューズ機構Hは、下流側部位62が内壁2iのヒューズ機構保持領域22によってガス流通方向に直行する径方向に移動できないように固定保持されるとともに、内壁2iのヒューズ機構固定領域23によって、ガス流通方向に移動できないように固定されている。
【0041】
また、接続部5とガス管4とを接続した際に、ヒューズ機構Hの外周面Hoとガス管4の内周面4iとの間に、所定の空間Sが生じるようにヒューズ機構Hと接続部5とが配置されている。すなわち、第1実施形態のガスプラグは、ヒューズ機構Hとガス管4とが同心円状に配置されるとともに、ヒューズ機構Hの筒状部材H1の外径に対して、ガス管4の内周面4iの径(ガス管4の内径)及び接続部5の内径が大きくなるように構成されている。また、プラグ本体2にガス管4を接続した状態においては、プラグ本体2内のガス流通路1とガス管4内のガス流路がガスの流通可能に構成され、ガス流通路1を形成するヒューズ機構Hの外周側に、空間Sが存在している。すなわち、ガス管4のガス流路を流れるガスは、プラグ本体2内において、空間Sとヒューズ機構Hの筒状部材H1との2つに分岐しており、ガス管4内の切削油などの異物が空間Sに流動するようにしている。ここで、空間Sについては、異物が流入できるだけの大きさを有している。より具体的には、空間Sは、プラグ本体2の径方向においてガス管4の肉厚以上で、ガス管4をプラグ本体2に接続した際、ガス管4の内周面がヒューズ機構Hと接触しない程度の大きさである。
【0042】
さらに、第1実施形態のガスプラグにおいては、プラグ本体2の上流側部位21の内周面において不完全なネジ山が生成された領域dと中間部位61bとの間にも空間Sbが生じる。接続部5とガス管4とを接続した状態において、この空間Sbまでガス管4が挿入されておらず、ヒューズ機構Hの外周面Hoとガス管4の内周面4iとの間に形成される空間Sよりも、空間Sbの方がプラグ本体2の径方向で外側に広がった形状となっている。よって、空間Sの下流側において、空間Sbはポケット状に形成されるので、空間Sに流れてきた配管内の切削油などの異物を効率よく貯める役割を果たすことができる。
【0043】
また、ヒューズ機構Hは、上流側部位61の上流側端部Huが、プラグ本体2の上流側端部2uと同一平面上に配置されている。すなわち、ヒューズ機構Hのヒューズ弁H2が
ガス流路を許容する初期位置にある状態において、ヒューズ機構Hの上流側端部Huであるヒューズ弁H2の上流側先端部が、プラグ本体2の上流側端面上に配置される。すなわち、ヒューズ機構Hはプラグ本体2内において、プラグ本体2からヒューズ機構Hの一部が飛び出ない状態を維持可能な限りにおいて、最も上流側に位置するよう配置されている。
【0044】
〔第2実施形態〕
この第2実施形態は、上記第1実施形態において、接続部5に接続部側ネジ部9aが設けられる代わりに、フレキ管継ぎ手が設けられる一例を示す別実施形態である。その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、その他の構成については説明を省略し、以下、
図4、
図5に基づいて、接続部5を中心に説明する。
【0045】
上記第1実施形態では、プラグ本体2に接続するガス管4として、プラグ本体2に接続する側のガス管4端部の外周部4oにガス管側ネジ部7が設けられているものを想定した。第1実施形態に対し、この第2実施形態では、プラグ本体2に接続するガス管4として、プラグ本体2に接続される一端の樹脂被覆が所定長さ剥離された金属製のフレキシブル管8を想定している。
【0046】
このため、第2実施形態のプラグ本体2は、
図4に示すように、接続部5として、ガス管4として用いられるフレキシブル管8を接続部5に対して着脱自在とするフレキ管継手部9bが設けられる。なお、フレキ管継手部9bは、後述するようにプラグ本体2の上流側部位21の下流側端部21lに当接するまで挿入可能である。このため、第2実施形態における接続部5とは、プラグ本体2の内周面において、プラグ本体2の上流側端部2uから上流側部位21の下流側端部21lまでの領域のことを示す。よって、第2実施形態においては、ヒューズ機構Hは、接続部5の下流側端部5lより上流に位置する上流側部位61と、接続部5の下流側端部5lより下流に位置する下流側部位62との2つに分けられる。
【0047】
また、第2実施形態のガスプラグでは、プラグ本体2にガス管4が接続された状態において、ヒューズ機構Hの外周面Hoとガス管4の内周面4iとの間に生じる空間Sの下流側端面が、プラグ本体2の上流側部位21の下流側端部21lによって規定される。すなわち、第2実施形態における空間Sは、下流側端部21lによって閉じている。よって、第2実施形態における空間Sはポケット状に形成される。このため、第2実施形態における空間Sは、上記第1実施形態における空間S及び空間Sbの両方の作用効果を有する。
【0048】
フレキ管継手部9bの構成については、特開2010−286003に開示されているように、既に公知の構成であるので、詳細な説明は省略し、ここではプラグ本体2にフレキシブル管8が接続された際の、フレキ管継手部9bの動作について述べるに留める。
【0049】
第2実施形態のフレキ管継手部9bは、略円筒状の部材であり、大きく分けて下流側から順に、シール部材91、抜止部92、押輪93によって構成されている。ここで、シール部材91と、抜止部92は、一体的にガス流通方向に移動自在となるよう形成されている。また、フレキ管継手部9bの外周面、すなわちプラグ本体2の内壁2iと当接する面には、耐火パッキン94、防水パッキン95、スナップリング96が設けられている。さらに、プラグ本体2にフレキシブル管8が接続されていない初期状態においては、誤動作防止のためのスペーサー97が設けられている。
【0050】
図5に、プラグ本体2にフレキシブル管8が接続された状態を示す。
図4に示す初期状態において、プラグ本体2にフレキシブル管8が挿入されると、まず、フレキ管継手部9bのシール部材91の下流側端部91lにフレキシブル管8が当接する。シール部材91
の下流側端部91lにフレキシブル管8が当接した状態で、さらにフレキシブル管8が下流側へ挿入されると、シール部材91は
図5に示すようにプラグ本体2の上流側部位21の下流側端部21lと当接する位置まで移動する。このとき、シール部材91と一体的に移動するよう形成された抜止部92の一部は、
図5に示すようにフレキシブル管8の谷部に引き込まれる。この後、
図4の状態にある押輪93が下流側に押し込まれると、スペーサー97が外れ、
図5に示すように、抜止部92と当接する位置にまで移動する。このようにして、抜止部92によりフレキシブル管8のガス流通方向への移動が防止されるとともに、押輪93がスナップリング96によりガス流通方向に対して固定されることで、フレキシブル管8をプラグ本体2(接続部5)に対して装着することができる。
【0051】
〔その他の実施例〕
(1)上記の各実施形態では、ヒューズ機構Hの下流側部位62の全体がプラグ本体2の内壁2iによって保持される場合を例として説明した。しかし、本発明の適用範囲はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、例えば、ヒューズ機構Hの下流側部位62の一部のみが、プラグ本体2の内壁2iによって保持されるようにガスプラグを構成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。
【0052】
(2)上記の各実施形態では、ヒューズ機構Hは、上流側部位61の上流側端部Huが、プラグ本体2の上流側端部2uと同一平面上に配置されている場合を例として説明した。しかし、本発明の適用範囲はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、例えば、ヒューズ機構Hの上流側部位61の上流側端部Huが、プラグ本体2の上流側端部2uにより規定される端面より下流側に位置するようにガスプラグを構成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。
【0053】
(3)上記の各実施形態では、ガスプラグが、直線状のプラグ本体2からなる場合を例として説明した。しかし、本発明の適用範囲はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、例えば、
図6、
図7に示すようにガスプラグを、L字状のプラグ本体から構成することもできる。L字状のプラグ本体について公知の構成であるので、詳細な説明は省略するが、この場合、プラグ本体2の内部に形成されるガス流通路は、その上流側から順に、下方側から上方側に向けてガスを流通させる上下流路部位と、その上下流路部位からのガス流通方向を水平方向に折り曲げてガス流出口3に導く水平流路部位とから構成される。そして、接続部5は、上下流路部位の上流側端部に形成されており、ヒューズ機構Hは、その接続部5の下流側端部よりも接続部5の上流側端部側に突出して、接続部5に接続されるガス管内に挿入自在に構成されている。