(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の羽根に対して前記第2の羽根が閉じた状態で、前記第1の回転軸の延在方向から見ると、前記第1の羽根の外側面と前記第2の羽根の外側面とで紡錘形を形成する、請求項1に記載のタービン。
前記補助部は、前記第1の羽根の外側面が前記動作源の流れの上流に向かって配置されたとき、前記第1の羽根の内側面と前記第2の羽根の内側面とが向かい合うように、前記第1の羽根に対して前記第2の羽根が閉じる動作を補助し、前記第1の羽根の内側面が前記動作源の上流に向かって配置されたとき、前記第1の羽根と前記第2の羽根とが横並びになって互いの内側面が露出するように、前記第1の羽根に対して前記第2の羽根が開く動作を補助する、請求項1又は2に記載のタービン。
前記第2の羽根は、前記第1の回転軸と平行に配置される第2の回転軸を中心に前記第1の羽根に対して回転可能であり、前記第1の羽根に対して前記第2の羽根が開いた状態で当該第1の羽根に対して前記第1の回転軸側に配置される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のタービン。
前記タービンユニットは複数重ねられ、重ねられる下側のタービンユニットにおけるタービンの第1の回転軸の上端部は上側のタービンユニットにおけるタービンの第1の回転軸の下端部に連結されている、請求項8に記載の垂直軸型発電装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の風力発電装置のような、簡単な構成で発電効率の高い風力発電装置が開発されているが、一般的には、未だに複雑な構成を用いて発電効率の向上を試みているのが現実である。
【0006】
本発明は、簡単な構成で発電効率の高いタービン、タービンユニット及び垂直軸型発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るタービンは、
風又は水を含む動作源の流れによって発電する発電装置に用いられるタービンであって、
発電機に連結される第1の回転軸と、
前記第1の回転軸から放射状に延在するアームと、
前記アームに連結され、開閉可能な羽根ユニットと、
前記羽根ユニットにおける少なくとも開く動作を補助する補助部と、を備え、
前記羽根ユニットは、
湾曲凹面を有する内側面と湾曲凸面を有する外側面とを有し、前記アームに連結される第1の羽根と、
湾曲凹面を有する内側面と湾曲凸面を有する外側面とを有し、前記第1の羽根に開閉可能に連結される第2の羽根と、を備え、
前記第1の羽根の外側面は、前記タービンにおける設定された回転方向に配置され、
前記第1の羽根に対して前記第2の羽根が閉じた状態となると、前記第2の羽根が前記第1の羽根によって覆われて、前記第1の羽根の内側面と前記第2の羽根の内側面とが向かい合い、
前記第1の羽根に対して前記第2の羽根が開いた状態となると、前記第1の羽根と前記第2の羽根とが横並びになって互いの内側面が露出する。
【0008】
上述のタービンにおいて、前記第1の羽根に対して前記第2の羽根が閉じた状態で、前記第1の回転軸の延在方向から見ると、前記第1の羽根の外側面と前記第2の羽根の外側面とで紡錘形を形成することが好ましい。
【0009】
上述のタービンにおいて、前記補助部は、前記第1の羽根の外側面が前記動作源の流れの上流に向かって配置されたとき、前記第1の羽根の内側面と前記第2の羽根の内側面とが向かい合うように、前記第1の羽根に対して前記第2の羽根が閉じる動作を補助し、前記第1の羽根の内側面が前記動作源の上流に向かって配置されたとき、前記第1の羽根と前記第2の羽根とが横並びになって互いの内側面が露出するように、前記第1の羽根に対して前記第2の羽根が開く動作を補助することが好ましい。
【0010】
上述のタービンにおいて、前記第2の羽根は、前記第1の回転軸と平行に配置される第2の回転軸を中心に前記第1の羽根に対して回転可能であり、前記第1の羽根に対して前記第2の羽根が開いた状態で当該第1の羽根に対して前記第1の回転軸側に配置されることが好ましい。
【0011】
上述のタービンにおいて、
前記補助部は、
前記第2の羽根に設けられ、前記第1の羽根に対して前記第2の羽根が開いた状態で前記第1の回転軸側に突出する突出部と、
前記第1の回転軸に回転可能に連結され、前記突出部に接触する第1の接触部が前記第1の回転軸から前記動作源の流れの下流に向かって配置されるように構成される閉塞補助部と、
前記第1の回転軸に回転可能に連結され、前記突出部に接触する第2の接触部が前記第1の回転軸から前記動作源の流れの上流に向かって配置されるように構成される開放補助部と、を備え、
前記閉塞補助部は、前記第1の羽根に対して前記第2の羽根が開いた状態で前記タービンが前記第1の回転軸を中心に回転して前記第1の接触部が前記突出部に接触すると、前記第2の羽根を前記第1の羽根に対して閉じる方向に回転させ、
前記開放補助部は、前記第1の羽根に対して前記第2の羽根が閉じた状態で前記タービンが前記第1の回転軸を中心に回転して前記第2の接触部が前記突出部に接触すると、前記第2の羽根を前記第1の羽根に対して開く方向に回転させることが好ましい。
【0012】
本発明の一態様に係るタービンユニットは、
上述のタービンと、
前記タービンが収容される筐体と、を備え、
前記筐体は、他の筐体が載置される載置部を有し、且つ前記タービンにおける第1の回転軸の上端部が露出する天部と、前記タービンにおける第1の回転軸の下端部が露出する底部と、前記天部と前記底部との間に形成される流路と、を有し、
前記タービンにおける第1の回転軸の上端部は、他のタービンにおける第1の回転軸の下端部に連結可能であり、前記タービンにおける第1の回転軸の下端部は、他のタービンにおける第1の回転軸の上端部又は前記発電機における入力軸の上端部に連結可能である。
【0013】
本発明の一態様に係る垂直軸型発電装置は、
上述のタービンと、
前記タービンの第1の回転軸に連結される前記発電機と、
を備える。
【0014】
本発明の一態様に係る垂直軸型発電装置は、
上述のタービンユニットと、
前記タービンの第1の回転軸に連結される前記発電機と、
を備える。
【0015】
上述の垂直軸型発電装置において、前記タービンユニットは複数重ねられ、重ねられる下側のタービンユニットにおけるタービンの第1の回転軸の上端部は上側のタービンユニットにおけるタービンの第1の回転軸の下端部に連結されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な構成で発電効率の高いタービン、タービンユニット及び垂直軸型発電装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るタービン、タービンユニット及び垂直軸型発電装置の実施の形態を説明する。
図1は、本実施の形態の垂直軸型発電装置を模式的に示す斜視図である。
図2は、本実施の形態の垂直軸型発電装置を分解した状態を模式的に示す側面図である。
図3は、本実施の形態の垂直軸型発電装置における羽根ユニットの開閉動作を説明するための図である。
図4は、回転軸を中心に90°位置に配置された羽根ユニット周辺を拡大して示す図である。
図5は、回転軸を中心に180°位置に配置された羽根ユニット周辺を拡大して示す図である。
図6は、回転軸を中心に270°位置に配置された羽根ユニット周辺を拡大して示す図である。
図7は、回転軸を中心に0°(360°)位置に配置された羽根ユニット周辺を拡大して示す図である。なお、羽根ユニット8の回転位置は、
図3に示すように、風上(即ち、動作源の流れの上流)を0°と定めた回転軸6を中心とした時計回りの角度に基づいている。
【0019】
本実施の形態の垂直軸型発電装置(以下、単に発電装置と省略する場合がある。)1は、風を動作源として発電する垂直軸型風力発電装置である。この発電装置1は、
図1及び
図2に示すように、タービンユニット2及び発電機ユニット3を備えている。タービンユニット2は、タービン4及び筐体5を備えている。
【0020】
タービン4は、
図1に示すように、回転軸(第1の回転軸)6、アーム7、羽根ユニット8及び補助部9を備えている。回転軸6は、発電機ユニット3の発電機10に連結されており、発電装置1の略上下方向に延在する。但し、後述のようにタービンユニット2が複数重ねられる場合は、他のタービンユニット2の回転軸6に連結されることもある。
【0021】
アーム7は、
図1及び
図3に示すように、発電装置1の上下方向から見て、回転軸6から略放射状(即ち、回転軸6を中心に略等間隔)に延在する。例えば、アーム7は、側面視が略U字形であり、略U字形の空隙部を挟む両端部が回転軸6の上下方向に間隔を開けて当該回転軸6に固定されている。このようなアーム7は、発電装置1の上下方向から見て、回転軸6を中心に略90°間隔で配置されている。但し、アーム7の本数及び形状は特に限定されない。
【0022】
羽根ユニット8は、
図1に示すように、アーム7に連結されており、開閉可能である。羽根ユニット8は、第1の羽根11及び第2の羽根12を備えている。第1の羽根11は、
図4に示すように、湾曲凹面を有する内側面11a及び湾曲凸面を有する外側面11bを備える風杯である。例えば、第1の羽根11は、内側面11aと向かい合うように第1の羽根11を見て、周縁が略円形である。
【0023】
このような第1の羽根11は、タービン4における設定された回転方向(
図3では、矢印I方向)に外側面11bが配置されるように、アーム7に固定されている。つまり、各々のアーム7に固定される第1の羽根11は、タービン4の回転方向に略等しい形態でアーム7に固定されている。
【0024】
例えば、発電装置1の上下方向から見て、第1の羽根11における内側面11aの底部と開口部11cの中央とを結んだ線が、アーム7が延在する方向に延びる線と略直交するように、第1の羽根11は配置されている。言い換えると、発電装置1の上下方向から見て、第1の羽根11の縁端部11dが、アーム7が延在する方向に延びる線と略重なるように、第1の羽根11は配置されている。そして、第1の羽根11は、アーム7の空隙部7a内に配置されており、第1の羽根11の縁端部11dにおける回転軸6と逆側の部分近傍がアーム7の側部(即ち、略U字形の底部)に固定されている。
【0025】
第2の羽根12は、
図4に示すように、湾曲凹面を有する内側面12a及び湾曲凸面を有する外側面12bを備える風杯である。第2の羽根12は、
図6に示すように、第1の羽根11の内側面11aと第2の羽根12の内側面12aとが向かい合ったとき、第1の羽根11によって略覆われる。例えば、第2の羽根12は、内側面12aと向かい合うように第2の羽根12を見て、周縁が第1の羽根11と略等しい形状を有する。つまり、第2の羽根12も、内側面12aと向かい合うように第2の羽根12を見て、周縁が略円形である。
【0026】
このような第2の羽根12は、第1の羽根11に開閉可能に連結されている。例えば、第1の羽根11に対して第2の羽根12が閉じた状態となると、第1の羽根11の内側面11aと第2の羽根12の内側面12aとが向かい合い、第1の羽根11に対して第2の羽根12が開いた状態となると、第1の羽根11と第2の羽根12とが横並びになって互いの内側面11a及び12aが露出するように、第2の羽根12は第1の羽根11に連結されている。
【0027】
詳細には、第2の羽根12の縁端部12c近傍が、
図4に示すように、回転軸(第2の回転軸)13を介して第1の羽根11の縁端部11dにおける回転軸6側の部分近傍に連結されている。回転軸13は、発電装置1の略上下方向に延在している。これにより、第1の羽根11に対して第2の羽根12が開いた状態となると、第2の羽根12は、第1の羽根11に対して回転軸6側に当該第1の羽根11と横並びに配置される。ここで、発電装置1の上下方向から見て、第1の羽根11の縁端部11dと第2の羽根12の縁端部12cとが略同一直線上に配置されるようにストッパーなどを備えていることが好ましい。
【0028】
補助部9は、羽根ユニット8における少なくとも開く動作を補助する。例えば、補助部9は、
図1に示すように、突出部12d、閉塞補助部14及び開放補助部15を備えている。突出部12dは、第1の羽根11に対して第2の羽根12が開いた状態で回転軸6側に突出するように当該第2の羽根12に設けられている。つまり、突出部12dは、第2の羽根12の縁端部12cにおける回転軸13を介して第1の羽根11と連結される側と逆側の部分近傍から側方に向かって突出している。
【0029】
閉塞補助部14は、第1の羽根11の外側面11bが風上に向かって配置されたとき、第1の羽根11の内側面11aと第2の羽根12の内側面12aとが向かい合うように、第1の羽根11に対して第2の羽根12が閉じる動作を補助する。
【0030】
詳細には、閉塞補助部14は、回転軸6に回転可能に連結されており、第1の羽根11に対して開いた状態の第2の羽根12の突出部12dに接触する接触部(第1の接触部)14aが回転軸6から風下(即ち、動作源の流れの下流)に向かうように構成されている。例えば、閉塞補助部14は、
図4に示すように、アーム7の空隙部7a内に配置されており、接触部14a及び軸受部14bを備えている。
【0031】
接触部14aは、発電装置1の上下方向に主面を有する板状部材である。接触部14aは、アーム7の空隙部7a内に配置されており、軸受部14bに側部が固定されている。また、接触部14aは、発電装置1の上下方向から見て、第1の羽根11に対して第2の羽根12が開いた状態で、第2の羽根12の突出部12dに接触可能な長さで軸受部14bから突出している。
【0032】
軸受部14bは、アーム7の空隙部7a内に配置されており、回転軸6の周方向に回転可能に当該回転軸6に通されている。このような閉塞補助部14は、所謂風見鶏のように、風が吹いた際に接触部14aが風受け部として機能し、回転軸6から接触部14aが風下に向いて配置されるように回転軸6を中心に回転する。
【0033】
開放補助部15は、第1の羽根11の内側面11aが風上に向かって配置されたとき、第1の羽根11と第2の羽根12とが横並びになって互いの内側面11a、12aが露出するように、第1の羽根11に対して第2の羽根12が開く動作を補助する。
【0034】
詳細には、開放補助部15は、回転軸6に回転可能に連結され、第1の羽根11に対して閉じた状態の第2の羽根12の突出部12dに接触する接触部(第2の接触部)15aが回転軸6から風上に向かって配置されるように構成されている。例えば、開放補助部15は、
図7に示すように、アーム7の外側に配置されており、接触部15a、風受け部(即ち、動作源の受け部)15b及び軸受部15cを備えている。
【0035】
接触部15aは、側面視が略U字形であり、アーム7を囲むように配置されている。そして、接触部15aにおける略U字形の空隙部を挟む両端部は夫々、軸受部15cに連結されており、発電装置1の上下方向から見て、第1の羽根11に対して第2の羽根12が閉じた状態で、第2の羽根12の突出部12dが接触可能な長さで軸受部15cから突出している。
【0036】
風受け部15bは、発電装置1の上下方向に主面を有する板状部材であり、発電装置1の上下方向から見て、接触部15aに対して180°の間隔(即ち、回転軸6を中心とする点対称の配置)で軸受部15cに固定されている。そして、風受け部15bは、風が吹いた際に接触部15aによる回転軸6回りのモーメントに対して風受け部15bによる回転軸6回りのモーメントが大きくなるように形成されている。
【0037】
軸受部15cは、アーム7における回転軸6への両連結部を挟むように上下に配置されており、回転軸6の周方向に回転可能に当該回転軸6に通されている。このような開放補助部15は、風が吹いた際に所謂風見鶏のように動作して、風受け部15bが回転軸6から風下に向かって配置され、接触部15aが回転軸6から風上に向かって配置されるように回転軸6を中心に回転する。このとき、風受け部15bは、第1の羽根11、第2の羽根12及びアーム7などと干渉しない。
【0038】
筐体5は、
図1及び
図2に示すように、タービン4を収容する。例えば、筐体5は、天部5a、底部5b及び流路5cを備えている。天部5aは、後述するが他の発電機ユニット3が載置される載置部5dを備えており、タービン4の回転軸6の上端部が露出している。詳細には、天部5aは、回転軸6の上端部に回転可能に通される軸受部5e、発電装置1を上下方向から見て略正六角形に形成され、各々の角部から載置部5dが発電装置1の上方に突出する枠材5f、及び軸受部5eから枠材5fの各々の角部に延在する梁材5gを備えている。
【0039】
底部5bは、天部5aと略等しい略正六角形の板状部材であり、中央部からタービン4の回転軸6の下端部が露出している。天部5aの角部と底部5bの角部とは、柱材5hで連結されている。このような構成により、筐体5は、内部に流路5cが形成されることになる。
【0040】
発電機ユニット3は、
図1及び
図2に示すように、筐体16及び発電機10を備えている。筐体16は、発電機10を収容する。詳細には、筐体16は、内部に水などが浸入しないように密閉空間を有し、当該密閉空間内に発電機10が収容されている。そして、筐体16の上面から発電機10の入力軸10aが露出している。この筐体16の上面には、
図2に示すように、タービンユニット2が載置される。ちなみに、筐体16は、発電装置1の上下方向から見て、タービンユニット2と等しい形状(例えば、略正六角形)とされていることが好ましい。
【0041】
発電機10は、一般的な発電機であり、入力軸10aの上端部にタービンユニット2における回転軸6の下端部が連結されている。発電機10は、図示を省略した蓄電池に電気的に接続されており、発電機10によって発電された電力が蓄電池に蓄電される。
【0042】
ちなみに、
図2に示すように、発電機10の入力軸10aにおける上端部の凸部に形成された雄ネジを、タービンユニット2の回転軸6における下端部の凹部に形成された雌ネジにねじ込んで、発電機10の入力軸10aとタービンユニット2の回転軸6とを連結することが好ましい。これにより、水などが相互の連結部に溜まり難い構成とすることができる。
【0043】
次に、本実施の形態の発電装置1における各回転位置での羽根ユニット8の開閉動作を説明する。
【0044】
図3及び
図4に示すように、羽根ユニット8が回転軸6を中心とする90°の位置では、第1の羽根11の内側面11a及び第2の羽根12の内側面12aが風上に向かって配置されるように、第1の羽根11と第2の羽根12とが横並びの状態となる。
【0045】
そして、第1の羽根11の内側面11a及び第2の羽根12の内側面12aが風を受けて、タービン4が矢印I方向に回転する。本実施の形態の羽根ユニット8は、第1の羽根11の内側面11aと第2の羽根12の内側面12aとで多くの風を受け止めて回転軸6を回転させることができ、発電機10で多くの電力を発電させることができるので、高い発電効率を実現することができる。
【0046】
このように第1の羽根11に対して第2の羽根12が開いた状態で、羽根ユニット8が回転軸6を中心とする180°の位置まで回転すると、
図3及び
図5に示すように、第2の羽根12の突出部12dに閉塞補助部14の接触部14aが接触して、第1の羽根11に対して第2の羽根12が閉じるように(即ち、矢印II方向に)回転する。このとき、閉塞補助部14の接触部14aは、上述のように回転軸6から風下に向かって配置されている。
【0047】
そして、羽根ユニット8が矢印I方向にさらに回転すると、第2の羽根12の外側面12bが風を受けて、第1の羽根11に対して第2の羽根12はさらに閉じるように回転し、
図3及び
図6に示すように、羽根ユニット8が回転軸6を中心とする270°の位置まで回転すると、発電装置1を風上から風下に向かって見ると、第1の羽根11と第2の羽根12とが略重なって、第1の羽根11で第2の羽根12を覆った状態となる。
【0048】
このとき、発電装置1を上下方向から見て、第1の羽根11の外側面11bと第2の羽根12の外側面12bとで紡錘形を形成することが好ましい。これにより、羽根ユニット8が回転軸6を中心とする270°の位置近傍で受ける空気抵抗を低減することができ、高い発電効率を実現することができる。
【0049】
このように第1の羽根11に対して第2の羽根12が閉じた状態で、羽根ユニット8が回転軸6を中心とする0°の位置まで回転すると、
図3及び
図7に示すように、第2の羽根12の突出部12dに開放補助部15の接触部15aが接触して、第1の羽根11に対して第2の羽根12が開くように(即ち、矢印III方向に)回転する。このとき、開放補助部15の接触部15aは、上述のように回転軸6から風上に向かって配置されている。
【0050】
そして、羽根ユニット8が矢印I方向にさらに回転すると、第2の羽根12の内側面12aが風を受けて、第1の羽根11に対して第2の羽根12はさらに開く方向に回転し、
図3及び
図4に示すように、羽根ユニット8が回転軸6を中心とする90°の位置まで回転すると、第1の羽根11の内側面11a及び第2の羽根12の内側面12aが風上に向かって露出するように、第1の羽根11と第2の羽根12とが横並びの状態に戻る。
【0051】
このようなタービン4、タービンユニット2及び発電装置1は、第1の羽根11の外側面11bが風上に向かって配置されたとき、第1の羽根11の内側面11aと第2の羽根12の内側面12aとが向かい合うように、第1の羽根11に対して第2の羽根12が閉じて空気抵抗を低減し、第1の羽根11の内側面11aが風上に向かって配置されたとき、第1の羽根11の内側面11aと第2の羽根12の内側面12aとが風上に向かって露出するように、第1の羽根11に対して第2の羽根12が開いて多くの風を受け止める。そのため、本実施の形態のタービン4、タービンユニット2及び発電装置1は、高い発電効率を実現できる。
【0052】
また、補助部9によって第1の羽根11に対して第2の羽根12を開閉させる簡単な構成であり、安価にタービン4を構成でき、しかも、メンテナンスが簡単である。
【0053】
ここで、
図2に示すように、タービンユニット2を複数重ねて、下側のタービンユニット2のタービン4における回転軸6の上端部と上側のタービンユニット2のタービン4における回転軸6の下端部とを連結することが好ましい。これにより、より大きな力で発電機10の入力軸10aを回転させることができ、高い発電効率を実現できる。
【0054】
このとき、
図2に示すように、下側のタービンユニット2のタービン4の回転軸6における上端部の凸部に形成された雄ネジを、上側のタービンユニット2のタービン4の回転軸6における下端部の凹部に形成された雌ネジにねじ込んで、上下の回転軸6を連結することが好ましい。これにより、水などが回転軸6の連結部に溜まり難い構成とすることができる。
【0055】
さらに、本実施の形態の発電装置1は、発電装置1の上下方向から見て、略正六角形に形成されているので、側方から風を受けても転倒し難い構成とすることができる。但し、発電装置1の上下方向から見た形状は、円形又は多角形でもよい。
【0056】
本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0057】
上記の実施の形態では、回転軸13を介して第1の羽根11と第2の羽根12とを連結しているが、板バネなどを介して第1の羽根11と第2の羽根12とを連結してもよい。このとき、第1の羽根11に対して第2の羽根12が閉じた状態となると板バネが復元力を発揮する構成とすると、板バネに補助部9の機能を担わせることができる。
【0058】
上記の実施の形態では、風の力を利用して、閉塞補助部14の接触部14aを回転軸6から風下に向かって配置したり、開放補助部15の接触部15aを回転軸6から風上に向かって配置したりしているが、この限りではない。例えば、図示を省略した風向計の検出結果に基づいて、アクチュエータを制御して、閉塞補助部14の接触部14aを回転軸6から風下に向かって配置したり、開放補助部15の接触部15aを回転軸6から風上に向かって配置したりしてもよい。
【0059】
上記の実施の形態の発電装置1は、風力発電装置として構成したが、水力発電装置として構成してもよい。要するに、発電装置1は、動作源の流れによってタービン4を回転させることができれば、動作源は特に限定されない。
【解決手段】タービン4は、発電機に連結される第1の回転軸と、第1の回転軸6から放射状に延在するアーム7と、アームに連結され、開閉可能な羽根ユニット8と、羽根ユニットにおける少なくとも開く動作を補助する補助部9と、を備える。羽根ユニットは、第1の羽根11と第1の羽根に開閉可能に連結される第2の羽根12とを備え、第1の羽根の外側面は、タービンにおける設定された回転方向に配置される。第1の羽根に対して第2の羽根が閉じた状態となると、第2の羽根が第1の羽根によって覆われて、第1の羽根の内側面と第2の羽根の内側面とが向かい合い、第1の羽根に対して第2の羽根が開いた状態となると、第1の羽根と第2の羽根とが横並びになって互いの内側面が露出する。