(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
石油ワックス、微結晶ワックス、低分子量のポリエチレンおよびポリプロピレンの合成ワックス、およびポリオレフィンワックスから成る群から選択されるワックスをさらに含む、請求項1から4の何れか1項に記載の組成物。
第1層の不織材、第2層のフィルム材または不織材から選択される材料、および前記第1層と第2層の間に配置され、請求項1から5の何れか1項に記載の接着剤組成物とともに接着される1つまたは複数のエラストマー基材を含む、弾性積層板。
前記第2層のフィルム材が、ポリエチレンフィルム材、ポリプロピレンフィルム材、またはエチレン−プロピレン共重合体フィルム材を含む、請求項6または8に記載の積層板。
請求項1から5の何れか1項に記載の接着剤組成物を有する、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、ベッドパッド、包帯、外科用ドレープ、テープ、ラベル、プラスチックシート、不織シート、紙シート、ボール紙、本、フィルター、または包装を含む、物品。
【背景技術】
【0002】
工業製品、具体的には使い捨て製品の次第に高まる複雑性は、熱溶融性接着剤の業界において全面的な改善および発展も引き起こす。熱溶融性接着剤は、より広範な接着用途の工程範囲内にて、多数の最終仕様の製品ラインにおいて、より幅広い種類の物質を接着するために用いられている。例えば、おむつの製造業界を考えると、関連する材料は、不織材、重合体フィルム、および一般的にはエラストマー構成材であり得る。これらのエラストマー構成材は、おむつのような製品において、ストランド、フィルム、不織布、あるいはその他あらゆる連続または不連続の形態にて用いることができる。
【0003】
熱溶融性接着剤の加工可能性は、溶融段階において、溶融され、当該接着が要件される最終地点に運搬され、および/または被覆されるそれらの能力と関連がある。通常、当該接着剤は、フィルムとして噴霧または被覆される。一度冷却されると、当該接着剤は、力学的応力下またはその後の剥離力または接着保持力、および様々な熱的条件下またはその後の剥離力または接着保持力によって測定される接着強度等の複数の要件を満たす必要がある。
【0004】
一般的に、熱溶融性接着剤は、ポリオレフィン(エチレンまたはプロペン系重合体)、あるいは官能性オレフィン(単量体を含む酸化官能基を有するエチレン共重合体またはプロペン共重合体)、あるいはSISまたはSBS等の少なくとも1つのゴム層を含むスチレンブロック共重合体等の重合体を基礎とすることができる。スチレンブロック共重合体は、それらの二重特性、すなわち別の層のゴム挙動に関連するスチレン層の粘着力のために興味を引くものである。一般的な適用温度は150℃以上である。
【0005】
基材の性質、接着剤の加工可能性、および製品の最終用途の要件の範囲におけるパラメータを組み合わせるため、当該業界には、技術的または経済的理由のために、より高機能の基材型を変形して用いる一様な傾向がある。このことは、その他のあらゆる特性を損なう必要性なく、力学的、熱的、天候、または時間の抵抗の点でより繊細な基材物質の使用に繋がり得る。すなわち、当該全体の製造工程は同一の概念のままであるべきであり、当該項目の最終用途は同一の手段にて実現されるか、または強化されるべきである。例えば、おむつ業界では、弾性接着のための一般的な適用温度は163℃前後だろう。しかし、要件される接着性能によっては、適用温度はより高くなり得る。当該適用温度を低下することは含浸の点で問題を提起し、そしてほとんど常に、150℃が弾性部分をおむつの構造上に取り付けるために到達することができる最小温度として見なされている。
【0006】
当該基材が溶融された粘着性物質によって破損または損傷し(「溶け落ち」現象と表現される)、そして生産ラインを再び始動する前に交換または固定する必要がある度に生産ラインを止める必要があるため、当該接着剤の温度が高過ぎる場合、熱に敏感な基材が問題を引き起こし得るということがおむつ業界で知られている。このことは、おむつの構造物に用いられる不織基材またはエラストマー構成材にもまた当てはまり得る。従って、熱溶融性接着剤の適用温度がより低い場合、それは生産ライン上の保守問題および休止時間を回避するために非常に有用となり得る。
【0007】
熱溶融性接着剤の適用温度を下げることを望ましくする別の要因は、おむつ全体の材料重量、ひいては材料費を減らすために、おむつ業界がより薄厚フィルムを用いようとしていることである。製造工程および最終用途の特性を両方同一に保つ難しさにもよるが、このことは長年にわたっておおよそ成功を収めてきた。当該フィルムまたは不織基材の加熱ひずみまたは加熱劣化は、高温の粘着性材料が基材表面に接触する場合に容易に起こり得る。結果として、最終用途の構造における基材の機能性は、容認可能でない様式にて影響される。とりわけ、熱溶融性接着剤の適用温度を下げるその他の理由は、粘着性材料を加熱するために必要ないくらかのエネルギ−費を節約するという関心事、ならびに生産ラインの労働者が潜在的な火傷の危険性を最小化するための安全性を強化する必要性である。
【0008】
多くの参考文献が、低温で熱溶融性接着剤の材料を適用するための可能な解決策を提示している。材料の粘性を下げることは、適用温度を下げる唯一の判断基準としてみなされることが多い。しかし、粘着力の欠如および構成材成分の不和合性は両方とも、本発明が当該問題を解決するために提案する方法で本問題を解決する障害になっている。
【0009】
本明細書にて用いられる語句「低適用温度の熱溶融性接着剤」は、2つの基材の間に接着を形成するために、比較的低い工程温度、つまり「適用温度」、すなわち150℃未満で、溶融された粘着性材料、または変形可能な粘着性材料を適用する能力に対応するということに留意されたい。
【0010】
低温での接着剤の適用は、強力な粘着力が要求されない特定の用途または応用範囲において比較的容易に実現される。断界面破壊温度(SAFT)の値に注目することもあり得るが、本試験の目的は、長時間かけて接着の力学的抵抗を反映することよりも、絶えず上昇する温度下で障害を明らかにすることにある。多くの参考文献が、高温で数分よりも長い期間にわたって、クリ−プ状態に抵抗する粘着性物質の能力と関連がない、興味深いSAFT値を示している。
【0011】
数多くの参考文献が、一定の精度の欠如を伴って、低温で接着剤を適用するという概念を主張している。すなわち、それらは温度領域を正確に定義していないか、または、低温での適用を実際に実現する方法についての解決法を与えていない。
【0012】
芳香族樹脂は、純粋な単量体樹脂を含め、PSAであるものかどうかに関わらず、熱溶融性接着剤を調製するために一般的に用いられる原料である。これらの材料の軟化点は一般的に5℃から160℃であり、そしてその製法におけるそれらの存在は、要求される粘着または接着の度合い、ならびにあらゆるスチレンブロック共重合体のスチレン層を強化する必要性によって促進することができる。強化樹脂は、室温ならびに高温で接着ボンドにより高い粘着力を提供するのに役立つ。
【0013】
最終的に、引用された粘着付与樹脂、すなわち中間ブロック樹脂および末端ブロック樹脂の両方の粘着付与の軟化点の値については、いかなる言及または選択もなされていない。このような粘着付与樹脂の軟化点は、低適用温度に関するこれらの材料の本質的特徴であり、かつ本発明にとって重要なパラメータである。これら3つの最後の要点は、この参考文献において開示された情報が、あらゆる関連性を本発明にもたらすことになることを当業者に全く教示することができないということを示している。
【0014】
熱溶融性接着剤に使用されるその他の飽和中間ブロックからなるスチレンブロック共重合体の使用について述べている数多くの先行技術の特許がある。当該ブロック共重合体としては、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレントリブロック共重合体、およびスチレン−エチレン/プロピレンジブロック共重合体が挙げられる。これらの重合体は、本発明の接着剤の調製において、主要な重合体材料として用いられるスチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体とは完全に異なる。
【0015】
米国特許第5,863,977号は、熱溶融性接着剤を製造するための実質的に直鎖状高分子量飽和中間ブロック重合体の使用について開示している。当該中間ブロックは、エチレン/ブチレン、エチレン/プロピレン、またはこれらの混合物としてさらに定義されている。この特許は、当該接着剤において用いられる粘着付与樹脂のあらゆる重要な側面(化学的性質、分子量、軟化点など)についてのあらゆる教示が欠けている。さらに、この特許は、SEEPSブロック共重合体または芳香族強化樹脂の使用を意図していない。
【0016】
米国特許第5,912,295号は、スチレン末端ブロック、およびエチレン/ブチレン中間ブロック、またはエチレン/プロピレン中間ブロックを有し、かつ約35%超過のジブロック含有率、および約20g/10分超過のメルトインデックスを有する5%から30%のブロック共重合体を有する除去可能な熱溶融性の感圧接着剤について開示している。
【0017】
米国特許第6,197,845号は、皮膚への付着のための熱溶融性接着剤を用いる物品について開示している。当該特許にて用いられる接着剤は、スチレン末端ブロック、ならびにエチレン/ブチレン、エチレン/プロピレン、およびこれらの混合物を含む中間ブロックを有するブロック共重合体を含む。しかし、当該特許は、SEEPSブロック共重合体または芳香族強化樹脂の使用を意図していない。
【0018】
米国特許第6,465,557号は、吸収性物品と共に使用される、位置調整のための熱溶融性感圧接着剤について開示している。当該接着剤は、50%超過のビニル含有率を有する6%から15%の水素化スチレン−(ブタジエンおよび/またはイソプレン)−スチレンブロック共重合体、MMAP曇り点が少なくとも45℃であるような芳香族性を有する50%から80%の粘着付与樹脂、および5%から35%の可塑剤を含む。その他の最終使用は、この特許では全く意図されていない。この特許におけるMMAP曇り点の制限は、本発明において有用である芳香族樹脂の使用を除外する。加えて、本発明にて用いられる重合体は、非常に低いビニル含有率(好ましくは10%未満)を有する。
【0019】
欧州特許第1700895Al号は、自動車用途のための貼り直し可能な熱溶融性接着剤について開示している。この特許に示されている調製物は全て、炭酸カルシウムと組み合わせたSEEPSジブロック重合体およびSEPジブロック重合体の混合物を含む。完成した接着剤の高い粘度(180℃で15,000センチポイズ超過)を組み合わせた充填剤の含有は、あらゆる種類の噴霧用途には向かない熱溶融性接着剤をもたらすだろう。本発明の接着剤は、低粘性であり、充填剤入りでなく、貼り直し可能でなく、噴霧可能である熱溶融性接着剤となるように設計されている。
【0020】
Kuraray社に対して特許付与された日本国特許要約2000−219860は、感圧熱溶融性接着剤を製造するために用いることができる低分子量水素化ブロック共重合体について記載している。記載されている重合体の数平均(Mn)分子量は、93,000から114,000の範囲である。これらの低分子量は、許容可能な強度および粘性を与えるために高重合体の装填を必要とする。一方、本発明における重合体は、分子量が実質的により高い。
【0021】
当該引用文献はいずれも、本発明に記載および特許請求されているような、適切な接着性能に到達するための組成、芳香族/脂肪族の均衡、および軟化点の水準に基づくあらゆる特定の樹脂の特徴を主張していない。当該引用文献には、本発明が展開している解決策に準じる関連性は全く見つからない。
【発明の概要】
【0022】
本発明は、特におむつの構造物への弾性接着のための、高分子量スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEEPS)ブロック共重合体を用いた独特の調製に基づく。本発明は、被覆技術およびアドオンレベル等の現在用いられているものと同じ適用技術を用いて、比較的低い適用温度、すなわち170℃未満で塗布される熱溶融性接着剤を有すること、また、力学的抵抗および熱抵抗によって最終使用に現在の技術で期待される同じレベルの性能、すなわちクリープ抵抗、剥離力、および一般的には接着保持力の点で高い接着強度レベルを提供することという緊要な要件を解決する。加えて、高分子量の等級のSEEPSは、潜在的な費用節減を提供する調製において、より高い油の装填を可能にする。同様に、SEEPSは、中間ブロック樹脂のより高い装填を可能にするSEBS等のその他の重合体と比べて比較的低いガラス転移温度を有する。最後に、SEEPSは高温にて熱的に安定である。
【0023】
様々な方法が、基材上で極めて低い粘性の熱溶融性接着剤を被覆するために従来的に用いられる。これは、ロール塗布またはあらゆる字母法、あるいはスロット塗布、押し出し、またはスプレーガンによって製造することができる。スプレーガン技術は非常に数が多く、かつ接着剤のスプレー、ひいては接着剤のパターンを形成する圧縮空気の支援の有無にかかわらず行うことができる。当該熱溶融性接着剤の材料は、一般的にタンク内で溶融することができ、そしてその後ホースを用いてポンプで当該基材の仕上げ塗り地点に送られる。本発明に関して、当該接着剤を塗布する好適な方法は噴霧塗布によるものであり、最も好ましくは空気によって支援されることだろう。これらの技術の中で最も一般的なものは、らせんスプレー(Nordson社製Controlled Fiberization(登録商標))、Nordson社製Summit(登録商標)、Nordson社製 Surewrap(登録商標)、ITW社製Omega(登録商標)、Nordson社製 Curtain Coating(登録商標)、および様々な溶融ブロー法である。
【0024】
本発明に関して、当該熱溶融性接着剤が塗布される温度は170℃未満であるべきであり、そうすればその熱に敏感な基材が損傷しないだろう。好ましくは、この温度は150℃以下であるべきであり、最も好ましくは135℃未満であるべきである。
【0025】
同様に、当該接着剤の粘度は、160℃で測定される場合、一般的には20,000mPa.s未満、より好ましくは15,000mPa.s未満、最も好ましくは12,000mPa.s未満である必要がある。このような低い粘性の接着剤は、標準的な熱溶融性接着剤の設備を通じて扱うために、また当該適用温度で適切なパターン、ひいては適切な接着性能を得るために必要とされる。
【0026】
本発明の接着剤は、最新技術の分野で知られているような、従来または非従来の弾性接着技術のあらゆる方法で用いることができる。
【0027】
本発明の接着剤は、ストランド、フィルム、不織布、またはその他あらゆる連続または不連続の形態で、おむつ等の物品に組み込まれる不織材、重合体フィルム、および一般的にはエラストマー構成材等の様々な基材材料が関わるあらゆる用途で用いることができる。あらゆる基材材料およびあらゆる基材形態は、あらゆる可能な組み合わせで用いることができ、当該接着剤は、2つ以上の基材を同時に接着することを可能にする。当該基材は複数の形態をとることができ、例えば、これらは繊維、フィルム、糸、ストリップ、リボン、被覆物、箔、シート、および帯の形態である。当該基材はあらゆる公知の組成物で構成されている可能性があり、例えば、これらはポリオレフィン、ポリアクリル酸、ポリエステル、塩化ポリビニル、ポリスチレン、木、ボール紙、および紙等のセルロース誘導体であるか、あるいは、コンクリート、ガラス、またはセラミックス等の無機化合物から構成されている可能性がある。当該基材の力学的挙動は、剛性、可塑性、またはエラストマー性であり得る。エラストマー材料の中には、天然ゴムまたは合成ゴム、ポリウレタン系共重合体、ポリエーテルウレタンまたはポリエステルウレタン、スチレンブロック共重合体またはアミドブロック共重合体、あるいはオレフィン共重合体等の様々な例がある。上記の羅列は制限的または包括的でなく、単に一般的な例として提供されている。本発明において、熱溶融性接着剤を加工するための様々な方法は、使用し、溶融されるその能力に関連付け、またその接着が要件される最終地点への溶融段階にて運搬および/または被覆または噴霧することができる。
【0028】
本発明の接着剤は、複合材料および使い捨て製品が、170℃未満、好ましくは150℃以下、最も好ましくは135℃未満の温度で用いられる熱溶融性接着剤とともに接着部分の支援をもって製造され、その一方で、低温、室温、または高温で、特にクリープ状態下で力学的応力に耐えるために接着ボンドから十分な粘着力を得るあらゆる用途でも用いることができる。おむつ、成人用失禁製品、生理用ナプキン、およびその他の吸収性使い捨て製品は、本発明の接着剤組成物、ならびにベッドパッド、吸収性パッド、外科用ドレープ、およびその他の関連する医療機器または外科機器関して想定される用途である。建設用途、構造用途、または包装用途、具体的には使い捨て物品の包装および食品包装も、本発明が有用となる用途になり得る。本発明の熱溶融性接着剤の最も具体的な用途は弾性接着に関するものであり、その用途において本発明は、170℃未満、好ましくは150℃以下、最も好ましくは135℃未満の温度で当該接着剤を塗布する間、フィルム基材上で弾性ストランドの接着を可能にする。
【0029】
おむつの用途における弾性接着の性能は、その接着保持率が、接着剤が基材上に塗布された後2日以内に以下に記載される特異的試験が行われる場合(初期クリープ試験)、その特異的試験において、60%超過、好ましくは70%超過、より好ましくは75%超過、最も好ましくは80%超過であるか、または54℃での1週間の保管時間の後にその特異的試験が行われる場合(1週間後クリープ試験)、50%超過、好ましくは60%超過、最も好ましくは70%超過である場合に良好である。これらの試験は、どのレベルの接着性およびクリープ抵抗(または接着保持率)が接着剤によって得ることができるかを示す。生産および材料費に関わる経済状況のために、好適な接着剤のアドオンは、18gsm未満(当該接着剤によって覆われる基材1平方メートル当たりの接着剤のグラム数)、より好ましくは15gsm以下、最も好ましくは12gsm以下である。
【0030】
従って、本発明は、下記の成分の混合物を含む熱溶融性接着剤組成物を提供する:
【0031】
約1重量%から約20重量%、好ましくは約4重量%から約15重量%、最も好ましくは約5重量%から約13重量%のスチレン系共重合体、すなわちスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEEPS)ブロック共重合体と、
【0032】
約10重量%から約70重量%、好ましくは約40重量%から約65重量%、最も好ましくは約50重量%から約60重量%の、少なくとも約85℃の軟化点を有する第1中間ブロックの粘着付与樹脂と、
【0033】
第1中間ブロックの粘着付与樹脂とは異なる、約0%から65%の第2中間ブロックの粘着付与樹脂と、
【0034】
約5重量%から約60重量%、好ましくは約15重量%から約55重量%、より好ましくは約20重量%から約50重量%の可塑剤と、
【0035】
約0重量%から約20重量%、好ましくは約2重量%から約15重量%、より好ましくは約4重量%から約12重量%、最も好ましくは約6重量%から約10重量%の、115℃以上の軟化点を有する末端ブロック強化樹脂と、
【0036】
約0.1重量%から約5重量%の安定剤または酸化防止剤と、
【0037】
随意に、重量において約1重量%から約10重量%の、SB、SIBS、SEBS、SEP、SEPS、SBBS、およびこれらの混合物から成る群から選択される第2ブロック共重合体。
【0038】
そこで、当該成分は当該組成物の合計で100重量%となり、当該組成物の粘度は160℃で約20,000mPa.s以下であり、170℃未満の温度で適用され、弾性ストランド上の組成物の初期接着保持率は少なくとも約60%である。
【0039】
本発明の接着剤組成物における主な重合体成分はSEEPSであるが、約1重量%から約5重量%のSB、SIBS、SEBS、SEP、SEPS、SBBS、およびこれらの混合物を含む混合物もまた用いてもよい。ただし、SIS、SBS、EVA、およびAPAOを有するSEEPSの混合物が非相溶性であり、それ故、弾性接着の用途に関してこのような混合物を避けるべきであるということが分かっている。
【0040】
本発明は、第1層の不織材、第2層の不織材、および前記第1の不織層および第2の不織層の間に配置され、当該接着剤組成物によって接着される1つまたは複数のエラストマー基材を含む積層板も提供する。
【0041】
当該積層板は、第1層の不織材、第2層のフィルム材、および前記第1層および第2層の間に配置され、当該接着剤組成物とともに接着される1つまたは複数のエラストマー基材も含み得る。当該フィルム材は、ポリエチレンフィルム材、ポリプロピレンフィルム材、エチレン−プロピレン共重合体フィルム材、または布状に覆われたフィルム材を含み得、かつ当該エラストマー基材は、複数の弾性ストランドであることが好ましい。
【0042】
当該積層板は、当該接着剤組成物を用い、かつこれら2層の間にいかなるエラストマー基材も用いずに第2層のフィルム材に接着した第1層の不織材をさらに含み得る。
【0043】
本発明の接着剤組成物および/または積層板は、様々な最終製品の製造において用いることができる。例としては、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、ベッドパッド、包帯、外科用ドレープ、テープ、ラベル、プラスチックシート、不織シート、紙シート、ボール紙、本、フィルター、または包装が挙げられる。
【0044】
さらに別の態様では、本発明は、第1の方向に第1の基材を送る工程と、前記第1の方向に前記第1の基材から離間された第2の基材を送る工程と、前記基材の1つまたは両方に当該接着剤組成物を塗布する工程と、前記基材をともに圧縮して当該積層板を形成する工程とを含む、積層板の製造方法を提供する。
【0045】
エラストマー積層板が望ましい場合には、当該方法は、前記第1の方向に前記第1の基材および第2の基材の間に1つまたは複数のエラストマー基材を供給し、前記エラストマー基材は接着剤塗布の前、最中、または後に伸長させるさらなる工程、および前記エラストマー基材か、あるいは当該基材をともに含む前の前記基材の1つまたは両方に当該接着剤組成物を塗布する工程をさらに工程含む。当該エラストマー基材は、それぞれがそれらの最初のリラックス状態から500%まで伸長した、複数の弾性ストランドであることが好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本明細書にて定義されるような粘着付与樹脂は、分子または高分子、一般的には化合物、あるいは一般的に最終的な熱溶融性接着剤組成物の接着性を増進する天然源、または化学的方法、またはこれらの併用からの一般的な重合体と比較して非常に低い分子量の重合体であり得る。接着性を与えるための粘着付与樹脂の使用は、様々な樹脂を互いに比較するために、当該接着剤を塗布する場合に同一の加工条件を用いることによって評価される必要がある。
【0047】
本発明の熱溶融性接着剤組成物は、SEEPS共重合体の中間ブロックと相溶性のある固体の粘着付与剤も含む。代表的な樹脂としては、C
5/C
9炭化水素樹脂、合成ポリテルペン、ロジン、ロジンエステル、天然テルペンなどが挙げられる。より詳細には、当該有用な粘着付与樹脂としては、(1)ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、水素化ロジン、二量体ロジン、および重合ロジンを含む天然ロジンおよび変性ロジン、(2)淡色ウッドロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのペンタエリトリトールエステル、およびロジンのフェノール変性ペンタエリトリトールエステルを含む天然ロジンおよび変性ロジンのグリセロールエステルおよびペンタエリトリトールエステル、(3)スチレン/テルペンおよびαメチルスチレン/テルペン等の天然テルペンの共重合体および三元重合体、(4)中程度に低温でのフリーデル・クラフツ触媒の存在下における、ピネンとして知られている二環式モノテルペン等のテルペン炭化水素の重合によって一般的に生じるポリテルペン樹脂(水素化ポリテルペン樹脂も含む)、(5)例えば、酸性媒質中における二環式テルペンおよび二環式フェノールの縮合によって生じる樹脂生成物等のフェノール変性テルペン樹脂およびその水素化誘導体、(6)主にオレフィンおよびジオレフィンから成る単量体の重合によって生じる脂肪族石油炭化水素樹脂(水素化脂肪族石油炭化水素樹脂も含む)、および(7)環式石油炭化水素樹脂およびその水素化誘導体等のあらゆる相溶性のある樹脂またはその混合物が挙げられる。2つ以上の上記の粘着付与樹脂の混合物は、いくつかの調製に必要であり得る。同様に、環式または非環式のC
5の樹脂、および芳香族変性非環式または環式の樹脂も挙げられる。好適であるのは、芳香族変性環式または非環式のC
5の樹脂である。
【0048】
当該粘着付与樹脂は、少なくとも約85℃、好ましくは約85℃から約125℃の環球式軟化点を有するはずである。より好ましくは、当該軟化点は約95℃から115℃である。好適な粘着付与剤は、約100℃から115℃の環球式軟化点を有する水素化芳香族変性ジシクロペンタジエン樹脂である。これらの樹脂は、商品名Escorez 5600およびEscorez 5615としてExxon Mobil Chemical社より市販されており、それらの軟化点はそれぞれ100℃および115℃である。
【0049】
「中間ブロック樹脂」とも呼ばれる粘着付与剤は一般的に、そのブロック共重合体の量よりも多い量で接着剤組成物中に存在している。この範囲内にて、その組成物の約10重量%から70重量%の量、好ましくは約40重量%から65重量%の量が利用され、最も好ましくは約50重量%から60重量%の量である。2つ以上の粘着付与樹脂の混合物も用いることができる。例えば、第1中間ブロックの粘着付与樹脂、および第1中間ブロックの粘着付与樹脂とは異なる第2中間ブロックの粘着付与樹脂の混合物もまた用いることができる。約0重量%から約60重量%の1つ以上のさらなる中間ブロックの粘着付与樹脂が、所望であれば第1中間ブロックの粘着付与樹脂とともに混合することができる。
【0050】
本発明に従う熱溶融性接着剤の製法において用いられる主要な重合体成分は、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンランダムブロック共重合体(SEEPS)である。当該SEEPS重合体は、約1重量%から約20重量%、好ましくは約4重量%から約15重量%、最も好ましくは約5重量%から約13重量%の量で組成物に組み込むことができる。SEEPSは、水素化ポリ(スチレン−b−イソプレン/ブタジエン−b−スチレン)ランダムブロック共重合体である。SEEPSは下記の化学式を有する:
【化1】
本発明の熱溶融性接着剤において有用なSEEPS重合体は、140,000ダルトン以上、好ましくは160,000ダルトン以上、最も好ましくは180,000ダルトン以上の重量平均分子量(Mw)を有する。SEEPSは、主に下記のその分子量に基づいて識別可能な様々な等級でSepton Company of America社より市販されている:
【表1】
【0051】
当該SEEPS重合体の分子量はGPCによって測定した。GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)は、重合体試料を公知のポリスチレン標準試料と比較することによって分子量および分子量分布(Mz、Mw、およびMn)を測定するクロマトグラフ法である。用いられた方法はASTM D5296−05と類似している。Mz(z:平均分子量)は、当該重合体の高分子量テールを指す値である。Mw(重量平均分子量)は、その重合体の平均分子量を指す。Mn(数平均分子量)は、当該重合体のより低い分子量を指す。
【0052】
2つ以上のSEEPS重合体の混合物も用いることができる。例えば、第1のSEEPS重合体、および第1のSEEPS重合体とは異なる第2のSEEPS重合体の混合物を用いることができる。
【0053】
SEEPSは主要な重合体成分であるが、約1重量%から約5重量%の別のエラストマーブロック共重合体を有するSEEPSの混合物もまた用いることができる。当該有用なエラストマーブロック共重合体の中には、A―B、A−B−A、A−(B−A)
n−B、または(A−B)
n−Yの構造を有するものがあり、式中Aは80℃より高いガラス転移温度を有するポリビニル芳香族性ブロックを含み、Bは−10℃より低いガラス転移温度を有するゴム状中間ブロックを含み、Yは多価化合物を含み、かつnは少なくとも3の整数である。熱溶融性接着剤組成物中にSEEPSと用いることができるこれらの後者のブロック共重合体の例としては、スチレンブロック共重合体(SBc)であり、かつスチレン−ブタジエン(SB)、スチレン−イソプレン(SI)、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン(SIBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン−ブチレン(SEB)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)、およびスチレン−エチレン−プロピレン(SEP)が挙げられる。当該重合体のスチレン総含有率が当該重合体の51重量%と同等であり得るものの、当該重合体が最適性能を目的として3つ以上のAブロックを有することができるため、Aブロックの総量は当該重合体の約45重量%以下であるべきであり、最も好ましくは当該重合体の35重量%以下である。ブタジエン中間ブロックを水素化することで、一般的にエチレン−ブチレン中間ブロックに変換されるゴム状中間ブロックを生成する。このようなブロック共重合体は、例えば、Kraton Polymers社、Polimeri Europa社、Total Petrochemicals社、Dexco社、およびKuraray社より市販されている。マルチブロック共重合体または漸減ブロック共重合体(A−(B−A)
n−B型)は、Firestone社より市販されている。ブロック共重合体の構造は、一般的に、メタクリル酸メチルのように高いガラス転移温度を示すか、あるいはアクリル酸ブチルのようにエラストマー的な挙動を有する、あらゆるアクリル単量体またはアクリル相を含み得る。同様に、当該熱溶融性接着剤の重合体部分は、1つ以上のその他の相を含み得、2つ以上の構造を含み得、あるいはエテン、プロペン、またはその他のオレフィン単量体の共重合体、またはアクリル単量体の共重合等のその他の重合体を含み得る。これらのさらなる重合体は単独重合体または共重合体であり得、かつ接合または鎖の切断等のあらゆる重合中変性または重合後変性によって潜在的に変性することができる。当該組成物が本発明の望ましい粘性、クリープ抵抗、および低温適用特性を保持する限り、様々な重合体の混合物もまた用いることができる。
【0054】
本発明に従う熱溶融性接着剤の製法は、約5重量%から約60重量%、好ましくは約15重量%から約55重量%、より好ましくは約20重量%から約50重量%のあらゆる可塑剤も含む。適切な可塑剤は、鉱油等の通常の可塑油だけでなく、オレフィン数量体および低分子量の重合体、安息香酸グリコール、ならびに植物油、動物油、およびこのような油の誘導体も含む群から選択することができる。用いることができる石油由来の油は、非常に小さい割合の芳香族炭化水素を含む比較的沸点が高い物質である。この点において、当該芳香族炭化水素は、好ましくは30重量%未満、より好ましくは15重量%未満の油であるべきである。あるいは、その油は完全に非芳香族であり得る。当該数量体は、約100g/molから約10,000g/molの平均分子量を有するポリプロピレン、ポリブテン、水素化ポリイソプレン、水素化ブタジエンなどであり得る。適切な植物油および動物油としては、通常の脂肪酸のグリセロールエステル、およびその重合生成物が挙げられる。適切な相溶性を有する場合、その他の可塑剤を用いてもよい。Nynas社によって製造されるナフテン酸鉱油Ny flex 222Bもまた、適切な可塑剤であることが分かっている。当然のことながら、可塑剤は一般的に、接着剤の接着強度および/または使用温度を実質的に減少させることなく、接着剤組成物全体の粘性を下げるために用いられている。可塑剤の選択は、特定の最終用途(例えば、湿潤強度のコア用途)のための調製において有用となり得る。生産および材料費に関わる経済状況のために、可塑剤は重合体および粘着付与樹脂等の調製に関わるその他の材料よりも通常は低価格であるので、接着剤中の可塑剤の量は経費検討のために最大にするべきである。
【0055】
ワックスもまた当該接着剤組成物において用いることができ、その接着特性をそれほど減少させることなく、熱溶融性構造用接着剤の溶融粘度を低減するために用いられる。これらのワックスは、温度性能に影響を及ぼすことなく組成物の開放時間を低減するためにも用いられる。
【0056】
当該接着剤のワックス材料成分は随意であるが、これが含まれる場合は、最大約25重量%の接着剤組成物を含むことができる。
【0057】
有用なワックス材料の中には、下記のものがある:
【0058】
(1)ASTM法D−1321よって測定される約0.1から120の硬度値、および約66℃から120℃のASTM軟化点を有する低分子量の、すなわち100g/molから6,000g/molのポリエチレンと、
【0059】
(2)約130°Fから170°Fの融点を有するパラフィンワックス、および約135°Fから200°Fの融点を有する微結晶ワックス(後者の融点は、ASTM法D127−60によって測定される)等の石油ワックスと、
【0060】
(3)約120℃から160℃の環球式軟化点を有するアタクチックポリプロピレンと、
【0061】
(4)「Licocene」という名称でClariant社によって商品化されているワックス等のメタロセン触媒によるプロピレン系ワックスと、
【0062】
(5)例えば、米国特許第4,914,253号、第6,319,979号、あるいは国際公開第97/33921号または第98/03603号に記載されているワックス等のメタロセン触媒によるワックスまたは単一部位触媒によるワックスと、
【0063】
(6)フィッシャー・トロプシュワックス等の一酸化炭素および水素を重合することによって製造される合成ワックスと、
【0064】
(7)ポリオレフィンワックス。本明細書にて用いられる通り、用語「ポリオレフィン系ワックス」は、オレフィン単量体単位から成るそれらの重合体または長鎖体を指している。これらの材料は、「Epolene」という商品名でEastman Chemical社より市販されている。本発明の組成物中に用いるのに好適な材料は、200°Fから350°Fの環球式軟化点を有する。当然のことながら、これらのワックスはそれぞれ室温で固体である。その他の有用な物質としては、水素化獣脂、水素化豚脂、水素化大豆油、水素化綿実油、水素化ヒマシ油、水素化ニシン油(menhadin)、水素化タラ肝油等の水素化動物油脂、水素化魚油脂、および水素化植物油脂が挙げられ、それらは水素化されているおかげで室温にて固体であり、ワックス材料の均等物としての機能に関して有用であることも分かっている。これらの水素化材料は、接着剤業界において「動物ワックスまたは植物ワックス」としばしば呼ばれる。
【0065】
当該好適なワックス材料は、60℃から70℃の融点を有するパラフィンワックス、Sasol−Schuman社によって商品化されているParaflint Hl等の硬質ワックス、またはBareco社によって商品化されているBareco PX 100、23℃で約2dmm以下の貫通硬度および75℃から120℃の融点を有するそれらの硬質ワックス、またはパラフィンワックスおよび硬質ワックスの混合物である。当該好適な硬質ワックスは、95℃より低い融点を有する。用語「硬質ワックス」は、あらゆる低分子量の、高結晶質のエチレン系重合体を指している。
【0066】
当該接着剤は一般的に、約0.1%から約5%の安定剤または酸化防止剤も含む。本発明の熱溶融性接着剤組成物において有用である安定剤は、通常は接着剤の製造および塗布の間、ならびに最終生成物の周囲環境への一般的な暴露中に起こる熱的分解および酸化的分解の影響から、上記の重合体、ひいては全体の接着剤系を保護することを促進するために組み込まれる。このような分解は通常、接着剤の外観、物理的特性、および性能特性における劣化によって明らかにされる。特に好適な酸化防止剤は、Ciba−Geigy社によって製造されるIrganox 1010、テトラキス(メチレン(3,5−ジ−teri−ブチル−4−ヒドロキシヒドロケイ皮酸))メタンである。適用可能な安定剤の中には、硫黄およびリンを含むフェノール等の高分子量ヒンダードフェノールおよび多官能性フェノールがある。ヒンダードフェノールは当業者によく知られており、かつそのフェノール性ヒドロキシル基に非常に近接する立体的にかさ高いラジカルも含むフェノール化合物として特徴付けることができる。具体的には、3級ブチル基は一般的に、そのフェノール性ヒドロキシル基に対して少なくとも1つのオルト位におけるベンゼン環上で置換される。ヒドロキシル基に近接するこれらの立体的にかさ高い置換ラジカルの存在は、その伸縮振動数、およびそれに対応してその反応性を抑制するのに役立ち、この立体障害はそれ故に、フェノール化合物にその安定化特性を与える。代表的なヒンダードフェノールとしては、下記のものが挙げられる:
【0067】
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3−5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンと、
【0068】
ペンタエリトリトール−テトラキス−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナートと、
【0069】
n−オクタデシル−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナートと、
【0070】
4,4’−メチレンビス(4−メチル−6−tertブチルフェノール)と、
【0071】
4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール)と、
【0072】
2,6−ジ−tert−ブチルフェノールと、
【0073】
6−(4−ヒドロキシフェノキシ)−2,4−ビス(n−オクチルチオ(ocytlthio))−1,3,5−トリアジンと、
【0074】
2,4,6−トリス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−フェノキシ)−1,3,5−トリアジンと、
【0075】
ジ−n−オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナートと、
【0076】
2−(n−オクチルチオ)エチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾナートと、
【0077】
ソルビトール−ヘキサ−(3,3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオナート。
【0078】
これらの安定剤の性能は、(1)例えば、チオジプロピオン酸エステルおよび亜リン酸塩等の共力剤、ならびに(2)例えば、エチレンジアミン四酢酸、その塩、およびジサリチラルプロピレンジイミン等のキレート剤および金属不活性剤と組み合わせて利用することによってさらに強化することができる。
【0079】
本発明の方法で有用な接着剤組成物は、当該技術分野で知られている任意の技術を用いて製造することができる。当該手順の代表例は、被覆された混合釜内に、好ましくはBaker−Perkins社の被覆された頑丈なミキサーまたはDay型、および回転子を備えているものの中に全ての物質を入れることと、その後この混合物の温度を120℃から177℃の範囲まで上げることを含む。この工程において用いられる正確な温度は、特定の原料の融点によって決まるだろうということを理解されたい。当該得られる接着剤組成物は、その重合体が完全に溶解するまで撹拌される。その後、あらゆる混入した空気を除去するために真空が適用される。
【0080】
随意の添加剤が、特定の物理的特性を変性するために当該接着剤組成物に組み込むことができる。これらの添加剤としては、二酸化チタン等の着色剤、ならびに滑石および粘土等の充填剤、架橋結合剤、核形成剤、反応性化合物、難燃性の無機剤または有機剤、ならびに紫外線(UV)吸収剤、およびUV蛍光剤を挙げることができる。
【0081】
別の実施形態では、当該接着剤の製法は、完全に芳香族性または実質上完全に芳香族性の末端ブロック強化樹脂を含むことができる。その芳香族性の樹脂または実質上完全に芳香族性の樹脂は、115℃以上の軟化点を有するはずである。このような末端ブロック樹脂の例は、重合可能な不飽和基を有する任意の実質的に芳香族性の単量体から調製することができる。このような芳香族性の単量体の典型的な例としては、スチレン単量体、スチレン、αメチルスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン、3級ブチルスチレン、クロロスチレン等、ならびにクマロン、インデンを含むインデン単量体、およびメチルインデンが挙げられる。その芳香族性の末端ブロック樹脂の環球式軟化点は、115℃から160℃であることが好ましい。より好ましくは、その軟化点は約115℃から140℃であり、最も好ましくは約120℃から140℃である。2つの好適な例は、Eastman chemical社より市販されているPlastolyn 240およびPlastolyn 290である。この2つは120℃および140℃の環球式軟化点をそれぞれ有する。好ましくは、スチレンおよび/またはα−メチル−スチレンおよび/またはビニル−トルエン単量体が用いられる。この強化樹脂は、当該接着剤組成物中に約20%未満の量で、好ましくは約2%から約15%の間の量で、より好ましくは約4%から約12%の量で、最も好ましくは約6%から約10%の量で存在するはずである。
【0082】
様々な方法が、基材上に極めて低い粘性の熱溶融性接着剤を被覆するために従来的に用いられる。これは、ロール塗布またはあらゆる字母法、あるいはスロット塗布、押し出し、またはスプレーガンによって製造することができる。スプレーガン技術は非常に数が多く、かつ接着剤のスプレー、ひいては接着剤のパターンを形成する圧縮空気の支援の有無にかかわらず行うことができる。当該熱溶融性接着剤の材料は、一般的にタンク内で溶融することができ、そしてその後ホースを用いてポンプで当該基材の仕上げ塗り地点に送られる。
【0083】
本発明に関して、当該接着剤を塗布する好適な方法は噴霧塗布によるものであり、最も好ましくは熱風によって支援されることだろう。これらの技術の中で最も一般的なものは、らせんスプレー(Nordson社製Controlled Fiberization(登録商標))、Nordson社製Summit(登録商標)、Nordson社製Surewrap(登録商標)、ITW社製Omega(登録商標)、Nordson社製Curtain Coating(登録商標)、および溶融ブロー法である。本発明に関して、当該熱溶融性接着剤が塗布される温度は170℃未満であるべきであり、そうすればその熱に敏感な基材が損傷しないだろう。好ましくは、この温度は160℃以下であるべきであり、最も好ましくは150℃未満であるべきである。
【0084】
当該接着剤の粘度(ASTM D3236−88によって測定)は、適切なパターン、ひいては適切な接着性能を得るために、一般的には160℃で20,000mPa.s未満、より好ましくは15,000mPa.s未満、最も好ましくは12,000mPa.s未満である必要がある。ライン速度、アドオンレベル、ならびに開放時間、設置時間、圧縮力、および圧縮時間もまた工程管理パラメータである。
【0085】
おむつの製造工程環境において弾性ストランドを接着することを例として挙げると、一般的な条件は接着剤の特徴に関しては非常に厳しい。その接着剤は一般的に、重合体フィルム上(通常は、40gsm未満坪量のエチレン系、またはプロピレン系)か、あるいはその最初のリラックス状態から約500%まで、好ましくは約300%の伸長率で伸長される弾性ストランド上に噴霧される。フィルムおよび弾性ストランドは、接着剤の噴霧の前、最中、または後に互いに接触する。伸長された弾性ストランドを有するフィルムは、その後積層されて低坪量(50gsm未満)の不織ウェブになる。実際には、このウェブが接着剤をただ噴霧されるだけであり、そしてその後弾性ストランド上で折り畳まれる場合、第1の基材は不織ウェブでもあり得、かつ第2のウェブ基材と同一であり得る。プラスチックフィルムは、例えば、接着剤またはインクの接着性を支持するための通気性、色彩、印刷、伸長性、エンボス加工、または表面処理等の様々な特徴を有し得る。弾性ストランドは、天然ゴムまたは合成ゴム、特にポリウレタン製法から作ることができ、かつストリップの形態、またはマルチフィラメントの形態であり得る。より具体的には、おむつの製造における弾性ストランドは通常、Invista社製のLycra(登録商標)またはLycra XA(登録商標)等の、適切なエラストマー強度を得るために互いに接着されるポリエステル系ポリウレタンのマイクロフィラメント、あるいはFulflex Elastomerics社製のFulflex(登録商標)等の、天然ゴムまたは合成ゴムの狭帯材から作られる狭帯材から作られる。
【0086】
ライン速度は毎分700フィート以上と同等であり得、開放時間は一般的に0.2秒前後であり、かつ圧縮時間と同一であると考えることができる。ニップロールへの圧縮は通常接着剤を設置することを促進しているので、設置時間は即時であるか、または無視できるものと考えられる。アドオンレベルは、弾性ストランドを接着する必要がある局部上において、数gsmの接着剤の塗布および接着強度の要件されるレベルにより異なる。本発明の接着剤の粘度は、160℃で20,000mPa.s未満である。好ましくは、Brookfield Thermocelまたはその他の適切な粘度計を用い、かつASTM法D3236−88に記載されている試験技術を利用することによって測定される通り、その粘度は15,000mPa.s未満であるべきであり、より好ましくは12,000mPa.s未満であるべきである。
【0087】
本発明はそれ故に、最新技術の分野で知られているような従来または非従来の弾性接着技術のあらゆる方法を包含する。本発明は、ストランド、フィルム、不織布、またはその他任意の連続または不連続の形態で、おむつ等の物品に組み込まれる不織材、重合体フィルム、および一般的にはエラストマー構成材等の様々な材料を含むことができるあらゆる用途も包含する。あらゆる基材材料およびあらゆる基材形態は、あらゆる可能な組み合わせで用いることができ、当該接着剤は、2つ以上の基材を互いに接着することを可能にする。基材の形態は、例えば、繊維、フィルム、糸、ストリップ、リボン、被覆物、箔、シート、および帯であり得る。基材の材料は、ポリオレフィン、ポリアクリル酸、ポリエステル、塩化ポリビニル、ポリスチレン、または木、ボール紙、および紙等のセルロース誘導体であり得る。当該基材の力学的挙動は、剛性、可塑性、またはエラストマー性であり得る。エラストマー材料の中には、天然ゴムまたは合成ゴム、ポリウレタン系共重合体、ポリエーテルウレタンまたはポリエステルウレタン、スチレンブロック共重合体またはアミドブロック共重合体、あるいはオレフィン共重合体等の様々な例がある。上記の羅列は制限的でなく、単に本発明が包含し得るものの例を記載することを意図するのみである。
【0088】
本発明は、積層板、複合材料および使い捨て製品が、170℃未満、好ましくは160℃以下、最も好ましくは150℃未満の温度で用いられる熱溶融性接着剤とともに接着部分の支援をもって製造され、その一方で、低温、室温、または高温で、具体的にはクリープ状態下で力学的応力に耐えるために接着ボンドから十分な粘着力を得るあらゆる用途を包含する。おむつ、成人用失禁製品、生理用ナプキン、およびその他の吸収性使い捨て製品は、ベッドパッド、吸収性パッド、外科用ドレープ、およびその他の関連する医療機器または外科機器と同様に、本発明に関して想定される用途であり得る。建設用途、構造用途、または包装用途、具体的には使い捨て物品の包装および食品包装は、本発明が有用である用途になり得る。弾性接着に関して具体的には、170℃未満、好ましくは160℃以下、最も好ましくは150℃未満の温度で当該接着剤を塗布する間、本発明はフィルム基材上での弾性ストランドの接着を可能にする。接着強度は、主に特定のクリープパターン下で接着状態を試験することによって測定され、室温下または体温下で乳幼児の動作がその積層板を引き伸ばしている、使い捨ておむつの現実のライフサイクルにおいて直面する制約のモデルを提供する。クリープ試験法は当該業界内で変化し得、そして本出願人は当該分野で見られる大多数の用途を満足させ、かつ、より重要なことには、ある接着剤が被覆されて積層構造を形成した時点で、接着剤を互いに比較および差別化し、この接着剤が効率的な弾性接着機能にとって適切かどうかを決定できる独自の試験法を長年にわたって開発してきた。そのクリープ試験は塗布操作後の最初の日の内に行うことができ、かつ保管条件および輸送条件下における経年劣化の影響を模擬実験するために、高温で数日後または数週間後に行うことができる。
【0089】
おむつの用途における弾性接着の性能は、その最初の接着保持率が、接着剤が基材上に塗布された後2日以内にクリープ試験が行われる場合(初期クリープ試験)、60%超過、好ましくは70%超過、より好ましくは75%超過、最も好ましくは80%超過であるか、または54℃での1週間の保管時間の後にクリープ試験が行われる場合(1週間後クリープ試験)、50%超過、好ましくは60%超過、最も好ましくは70%超過である場合に良好である。これらの条件は、達成可能なクリープ条件下での接着性および接着保持力レベルを示す。これらの条件は、らせんスプレーまたはSurewrap(登録商標)等の用いられる接着剤の塗布技術に、例えば、接着剤のアドオンレベルに、空気圧、ライン速度、および接着剤の温度等の工程要素によって決まる。生産および材料費に関わる経済状況のために、好適な接着剤のアドオンは、18gsm未満、より好ましくは15gsm以下、最も好ましくは12gsm以下である。
【実施例】
【0090】
本明細書にて下記に記載される材料および混合手順を用いて、熱溶融性接着剤を調製した。それぞれ合計で2,000gを作り出し、モーター式プロペラ、加熱マントル、温度制御装置、および約1ガロンの大きさの容器からなる実験室用ミキサー内で二酸化炭素雰囲気下にて、そして約150℃から190℃でその混合を行った。下記の表に示される比率に従って計算された適切な量の各成分を、熱または原料のせん断劣化を制限しながら、混合を可能にするのに適切な手順で容器に加えた。容器内の材料を完全に溶融し、そして完全に混合して良好な視覚的均質性が可能となった後、試験のために試料を適切に保存した。
【0091】
毎分800フィートの高速実験室用塗工機を用いることによって、積層板試料を生成した。らせんスプレー技術を用いる場合には、Nordson社より市販されている12個の通気孔を有する、従来の直径が0.018インチから0.020インチのらせんスプレー押し出しノズルを塗工機に取り付けた。Surewrap(登録商標)の技術を用いる場合は、Nordson社より市販されている3ストランドの直径が0.018インチの押し出しノズルを塗工機に取り付けた。1本のニップロールの圧縮までの様々な開放時間(一般的には0.05秒から0.1秒)で、要求される塗布に応じて、様々な被覆物重量で接着剤を噴霧した。
【0092】
標準ポリプロピレン系スパン結合不織ウェブは、1平方メートル当たり15.7gの被覆物重量のものがBBA社より市販されている。1平方メートル当たり17gの標準ポリエチレンの非通気性処理およびエンボス加工された白色のフィルムは、商品名DH−216としてClopay社より市販されている。標準スパンデックスストランドは、登録商標Lycra XAとしてInvista社より市販されており、そして用いられる等級は800デシテックスで262Pである。
【0093】
らせんスプレーを用いる場合、そのスプレーの先端は通常、12mmから14mmの幅のパターンを積層構造内に設け、3つのライクラ材料の平行ストランドをそれらの間に5mmの間隔を開けて被覆するために、基材に対して垂直であり、かつ0.5インチから1インチの高さに位置付けられる。
【0094】
弾性ストランドを含む積層板試料を用いて、クリープ抵抗の試験
すなわち接着保持力の試験を行う
。試料を
約38℃(100°F)の空気循環炉に入れる。これらの条件下で、その伸長した弾性ストランドは特定の距離まで縮小または収縮することができる。それぞれの弾性ストランドの末端間の距離を4時間後に測定する。接着保持率
(クリープ保持率)として定義され、かつ百分率(%)で表現される、初期の長さに対する最終的な長さの割合は、弾性ストランドを保持する接着剤の能力の評価基準である。この比率を8個から12個の弾性ストランド上で測定し、その後その結果を平均化する。接着剤の被覆後2日以内にこの試験を行う場合、それを初期クリープ試験と呼ぶ。塗布操作の1週間後にその試料を60℃の炉内に入れた後に試験を行う場合、この試験を1週間後クリープ試験と呼ぶ。
【0095】
クリープ試験
(接着保持力試験)を行うための手順は、下記の通りである:
背景:特定の伸長率
(300%の伸長)の弾性素材を、接着剤を用いて2つの基材(第1の基材と第2の基材)の間に挟んで積層板を形成する。
目的:この試験は、第1の基材および第2の基材からの弾性素材の移動、すなわち「クリープ」を測定するためのものである。
手順:
A.かすがいを用いて、積層板の一端を段ボール内に固定する。必ず層状組織を引き伸ばし過ぎないようにしながら、その積層板を完全伸展するまで引き伸ばす。その後、その積層板の他端を固定する。
B.定規を用いて、弾性素材の全体にわたって約300mmの長さで印を付ける。
C.全ての試料を固定して印を付けた時点で、カミソリで弾性素材のそれぞれのストランドを全体にわたって切断する。
D.試験試料
を約38℃(100°F)に設定された炉内に入れ、試験を行う。その試料は4時間後に確認されたい。各弾性ストランドの末端に印を付け、そしてクリープ保持率(%)またはクリープ(%)を測定する。
E.積層板試料を高温(100°F超過)で1週間(以上)寝かせ、経時的にクリープ保持率(%)を測定する。試験前に、室温で一晩中積層板の状態を整える。
計算:
初期の積層板=300mm
4時間後の積層板=250mm
クリープ保持率(%)=X時間後の層状組織の長さ/初期の層状組織の長さ×100%
クリープ保持率(%)=250mm/300mm×100%
クリープ保持率(%)=83.0%
【0096】
実施例に示される様々な組成物において、下記の原料を用いた:
【0097】
NYNAS 222Bは、Nynas社より市販されているナフテン油である。
【0098】
SUKOREZ SU−120は、Kolon Chemical社より市販されている、約120℃の軟化点を有する完全に水素化された炭化水素粘着付与樹脂である。
【0099】
ESCOREZ 5600、ESCOREZ 5615、およびESCOREZ 5637は全て、Exxon Mobil Chemicals社より市販されている、約100℃、約115℃、および約130℃の軟化点をそれぞれ有する水素化多環式芳香族変性脂肪族粘着付与樹脂である。
【0100】
IRGANOX 1010は、Ciba−Specialty Chemicals社(ニューヨーク州、タリートン)より入手したヒンダーフェノール型の酸化防止剤である。
【0101】
H20006は、Bostik株式会社より市販されている、弾性接着用途のための工業用のSIS系熱溶融性接着剤である。
【0102】
H2669は、Bostik株式会社より市販されている、パッド接着用途のための工業用のSIS系熱溶融性接着剤である。
【0103】
H20037−01は、Bostik株式会社より市販されている、皮膚接着用途のための工業用のSIS系熱溶融性接着剤である。
【0104】
Piccolyte HM 106は、Pinova Chemical社より市販されている、約105℃の軟化点を有するスチレン化テルペンの粘着付与樹脂である。
【0105】
PLASTOLYN 140は、Eastman Chemical社より市販されている、約140℃の軟化点を有する完全な芳香族炭化水素樹脂である。
【0106】
SEPTON S4044は、Septon Company of America社より市販されている、32%のスチレンを含むスチレン−エチレン/エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)である。30℃のトルエン中における10%での溶液粘度は460mPa.sであり、5%では22mPa.sである。
【0107】
SEPTON S4055は、Septon Company of America社より市販されている、30%のスチレンを含むスチレン−エチレン/エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)である。30℃のトルエン中における10%での溶液粘度は5800mPa.sであり、5%では90mPa.sである。
【0108】
SEPTON S4077は、Septon Company of America社より市販されている、30%のスチレンを含むスチレン−エチレン/エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)である。30℃のトルエン中における5%での溶液粘度は300mPa.sである。
【0109】
本明細書にて用いられる「HC」は、「炭化水素」の省略形である。
【0110】
本明細書にて用いられる「SB」は、「スチレン−ブタジエン」の省略形である。
【0111】
本明細書にて用いられる「SIBS」は、「スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン」の省略形である。
【0112】
本明細書にて用いられる「SEBS」は、「スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン」の省略形である。
【0113】
本明細書にて用いられる「SEP」は、「スチレン−エチレン−プロピレン」の省略形である。
【0114】
本明細書にて用いられる「SEPS」は、「スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン」の省略形である。
【0115】
本明細書にて用いられる「SBBS」は、「スチレン−ブタジエン−ブタジエン−スチレン」の省略形である。
【0116】
下記に説明される具体的な実施例を通じて、本発明をさらに説明する。
【実施例1】
【0117】
表2は本発明に従って調製された2つの異なる組成物を示し、それらを弾性接着用途のための市販のSIS系熱溶融性接着剤と比較している。表2は、接着剤のアドオンがらせんスプレーの形態で10gsmである場合の、記載されている組成物の初期クリープ抵抗の結果をそれぞれ示している。表2は1週間後クリープ試験の結果も示している。これらの結果から、本発明が記載している要件を満たすために2つの製法が適切であることは明らかである。
【表2】
【実施例2】
【0118】
表3は本発明に従って調製された4つの異なる組成物を示し、それらを弾性接着用途のための市販のSIS系熱溶融性接着剤と比較している。表4は、包装またはらせんスプレーの形態で接着剤のアドオンが10gsmである場合の、表3に記載されている組成物の初期クリープ試験の結果を示している。表5は、ポリエチレンフィルムおよび不織基材を用いる建設用途に用いられる場合の、4gsmの接着剤のアドオンを有する組成物の初期の剥離強度および1週間後の剥離強度を示している。これらの結果から、本発明が記載している要件を満たすために4つの製法が適切であることは明らかである。
【表3】
【表4】
【表5】
【実施例3】
【0119】
表6は、異なる粘着付与樹脂部分および油の装填を含む、本発明に従って調製された17の異なる組成物を示している。表6は、異なる温度で被覆する場合と、らせんスプレーの形態で接着剤のアドオンが10gsmである場合の、表6に記載される組成物の初期クリープ保持率(%)の結果を示している。これらの結果から、本発明が記載している要件を満たすために17の製法が適切であることは明らかである。
【表6】
【実施例4】
【0120】
表7は、異なる重合体混合物を含む、本発明に従って調製された2つの異なる組成物を示している。表7は、スプレーの形態で接着剤のアドオンが10gsmである場合の、表7に記載される組成物の初期クリープ保持率(%)および1週間後のクリープ保持率(%)を示している。これらの結果から、本発明が記載している要件を満たすために2つの製法が適切であることは明らかである。
【表7】
【実施例5】
【0121】
表8は、スロット塗布形態で接着剤のアドオンが20gsmである場合を、市販のSIS系接着剤と比較した生理用ナプキンのためのパッド接着における使用のために、本発明に従って調製された組成物を示している。表8は2つの組成物の剥離強度のデータを示している。これらの結果から、本発明が記載している要件およびパッド接着の接着剤としての機能を満たすために製法1636−1が適切であることは明らかである。
【表8】
【実施例6】
【0122】
表9は、スロット塗布の形態で接着剤のアドオンが24gsmである場合の、市販のSIS系接着剤と比較した皮膚接着用途における使用のための、本発明に従って調製された組成物を例示している。表9は2つの組成物の剥離強度のデータを示している。これらの結果から、本発明が記載している要件および皮膚接着の用途における接着剤としての機能を満たすために製法1636−100−1が適切であることは明らかである。
【表9】
【実施例7】
【0123】
表10は、テープおよびラベル用途での使用のための、本発明に従って調製された組成物を例示している。表10はその組成物の剥離強度のデータを示している。これらの結果から、本発明が記載している要件およびテープおよびラベル用途における接着剤としての機能を満たすために製法1636−131−2が適切であることは明らかである。
【表10】
【実施例8】
【0124】
表11は、建設用途における使用のための、本発明に従って調製された別の組成物を示している。表11はその組成物の初期剥離強度および1週間後の剥離強度のデータを示している。これらの結果から、本発明が記載している要件および建設用途における接着剤としての機能を満たすためにその製法が適切であることは明らかである。
【表11】