(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電力駆動の圧縮機、室内側熱交換器および室外側熱交換器を有する冷媒回路と、電力駆動のヒータとを備え、圧縮機の運転によって室内側熱交換器から放出される熱とヒータから放出される熱の一方または両方の熱によって車室内の暖房が可能な車両用空気調和装置において、
必要な暖房の加熱量を得る際に、消費電力が最小となる圧縮機およびヒータの運転の分担率を算出する電力最小分担率算出手段と、
電力最小分担率算出手段によって算出された算出結果に基づいて、圧縮機の回転数を制御するとともに、ヒータの放熱量を制御する制御手段と、を備え、
電力最小分担率算出手段によって算出される分担率は、車室内に吹き出すべき空気の温度である目標吹出温度、車室内に吹き出す空気を目標吹出温度とするために必要な加熱量、車室外の温度に応じて変化する
ことを特徴とする車両用空気調和装置。
電力供給制限手段によって電力の供給が制限されている場合に送風機によって車室内に吹出す空気の温度が、電力の供給が制限されていない場合に送風機によって車室内に吹出す空気の温度と同一となるように送風機の風量を算出する風量算出手段と、
風量算出手段の算出結果に基づいて送風機の風量を制御する風量制御手段と、を備えた
ことを特徴とする請求項2記載の車両用空気調和装置。
風量制御手段は、風量算出手段によって算出された風量が、制御可能な最低風量より小さい場合には送風機の風量を最低風量とし、電力供給制限手段によって電力の供給が制限されていないときの風量より大きい場合には送風機の風量を電力の供給が制限されていないときの風量とする
ことを特徴とする請求項2または3記載の車両用空気調和装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1乃至
図8は、本発明の第1実施形態を示すものである。
【0013】
本発明の車両用空気調和装置は、電力によって走行する電気自動車に適用されるものであり、車両走行用のバッテリの電力によって運転される。この車両用空気調和装置は、
図1に示すように、車室内に設けられた空調ユニット10と、車室内および車室外に亘って構成された冷媒回路20及び水回路30と、を備えている。
【0014】
空調ユニット10は、車室内に供給する空気を流通させるための空気流通路11を有している。空気流通路11の一端側には、車室外の空気を空気流通路11に流入させるための外気吸入口11aと、車室内の空気を空気流通路11に流入させるための内気吸入口11bと、が設けられている。また、空気流通路11の他端側には、空気流通路11を流通する空気を車室内の搭乗者の足元に向かって吹き出させるフット吹出口11cと、空気流通路11を流通する空気を車室内の搭乗者の上半身に向かって吹き出させるベント吹出口11dと、空気流通路11を流通する空気を車両のフロントガラスの車室内側の面に向かって吹き出させるデフ吹出口11eと、が設けられている。
【0015】
空気流通路11の一端側には、空気を空気流通路11の一端側から他端側に向かって流通させるためのシロッコファン等の室内送風機12が設けられている。この室内送風機12は電動モータ12aによって駆動される。
【0016】
空気流通路11の一端側には、外気吸入口11a及び内気吸入口11bの一方を開放して他方を閉鎖することが可能な吸入口切換えダンパ13が設けられている。この吸入口切換えダンパ13は電動モータ13aによって駆動される。吸入口切換えダンパ13によって内気吸入口11bが閉鎖されて外気吸入口11aが開放されると、外気吸入口11aから空気が空気流通路11に流入する外気供給モードとなる。また、吸入口切換えダンパ13によって外気吸入口11aが閉鎖されて内気吸入口11bが開放されると、内気吸入口11bから空気が空気流通路11に流入する内気循環モードとなる。さらに、吸入口切換えダンパ13が外気吸入口11aと内気吸入口11bとの間に位置し、外気吸入口11aと内気吸入口11bがそれぞれ開放されると、吸入口切換えダンパ13による外気吸入口11a及び内気吸入口11bのそれぞれの開口率に応じた割合で、外気吸入口11aと内気吸入口11bとから空気が空気流通路11に流入する外内気吸入モードとなる。
【0017】
空気流通路11の他端側のフット吹出口11c、ベント吹出口11d及びデフ吹出口11eのそれぞれには、各吹出口11c,11d,11eを開閉するための吹出口切換えダンパ13b,13c,13dが設けられている。この吹出口切換えダンパ13b,13c,13dは、図示しないリンク機構によって連動するように構成され、電動モータ13eによってそれぞれ開閉される。ここで、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによってフット吹出口11cが開放されてベント吹出口11dが閉鎖され、デフ吹出口11eが僅かに開放されると、空気流通路11を流通する空気の大部分がフット吹出口11cから吹き出されると共に残りの空気がデフ吹出口11eから吹き出されるフットモードとなる。また、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによってフット吹出口11c及びデフ吹出口11eが閉鎖されてベント吹出口11dが開放されると、空気流通路11を流通する空気の全てがベント吹出口11dから吹き出されるベントモードとなる。さらに、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによってフット吹出口11c及びベント吹出口11dが開放されてデフ吹出口11eが閉鎖されると、空気流通路11を流通する空気がフット吹出口11c及びベント吹出口11dから吹き出されるバイレベルモードとなる。また、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによってフット吹出口11c及びベント吹出口11dが閉鎖されてデフ吹出口11eが開放されると、空気流通路11を流通する空気がデフ吹出口11eから吹き出されるデフモードとなる。また、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによってベント吹出口11dが閉鎖されてフット吹出口11c及びデフ吹出口11eが開放されると、空気流通路11を流通する空気がフット吹出口11c及びデフ吹出口11eから吹き出されるデフフットモードとなる。尚、バイレベルモードにおいては、フット吹出口11cから吹き出される空気の温度がベント吹出口11dから吹き出される空気の温度よりも高温となる温度差が生じるような、空気流通路11、フット吹出口11c、ベント吹出口11d、後述する吸熱器及び放熱器の互いの位置関係や構造となっている。
【0018】
室内送風機12の空気流通方向下流側の空気流通路11には、空気流通路11を流通する空気を冷却及び除湿するための吸熱器14が設けられている。また、吸熱器14の空気流通方向下流側の空気流通路11には、空気流通路11を流通する空気を加熱するための放熱器15が設けられている。吸熱器14は、冷媒回路20を流通する冷媒と空気流通路11を流通する空気とを熱交換させるためのフィンとチューブとからなる熱交換器である。また、放熱器15は、水回路30を流通する水と空気流通路11を流通する空気とを熱交換させるためのフィンとチューブとからなる熱交換器である。
【0019】
吸熱器14と放熱器15との間の空気流通路11には、空気流通路11を流通する空気の放熱器15において加熱される割合を調整するためのエアミックスダンパ16が設けられている。エアミックスダンパ16は電動モータ16aによって駆動される。エアミックスダンパ16は、空気流通路11の放熱器15の上流側に位置することによって、放熱器15において熱交換する空気の割合が減少し、空気流通路11の放熱器15以外の部分側に移動させることによって、放熱器15において熱交換する空気の割合が増加する。エアミックスダンパ16は、空気流通路11の放熱器15の上流側を閉鎖して放熱器15以外の部分を開放した状態で開度が0%となり、空気流通路11の放熱器15の上流側を開放し、放熱器15以外の部分を閉鎖した状態で開度が100%となる。
【0020】
冷媒回路20は、前記吸熱器14、冷媒を圧縮するための圧縮機21、冷媒と水回路30を流通する水とを熱交換させるための水冷媒熱交換器22、冷媒と車室外の空気とを熱交換するための室外熱交換器23、放熱器15から流出する冷媒と吸熱器14から流出する冷媒とを熱交換させるための内部熱交換器24、冷媒の流路を切換えるための電動の三方弁25、第1〜第4電磁弁26a〜26d、第1〜第2逆止弁27a〜27b、流通する冷媒を減圧するための第1及び第2膨張弁28a,28bを有し、これらは銅管やアルミニウム管によって接続されている。圧縮機21及び室外熱交換器23は、車室外に配置されている。また、圧縮機21は電動モータ21aによって駆動される。室外熱交換器23には、車両の停止時に車室外の空気と冷媒とを熱交換させるための室外送風機29が設けられている。室外送風機29は、電動モータ29aによって駆動される。
【0021】
具体的には、圧縮機21の冷媒吐出側に水冷媒熱交換器22の冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20aが設けられている。また、水冷媒熱交換器22の冷媒流出側には、室外熱交換器23の冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20bが設けられている。冷媒流通路20bには、三方弁25が設けられ、三方弁25の一方の冷媒流出側と他方の冷媒流出側が互いに並列に室外熱交換器23の冷媒流入側に接続され、それぞれ冷媒流通路20c,20dが設けられている。冷媒流通路20dには、冷媒流通方向の上流側から順に、第1膨張弁28a、第1逆止弁27aが設けられている。室外熱交換器23の冷媒流出側には、圧縮機21の冷媒吸入側と、冷媒流通路20dの三方弁25と第1膨張弁28aとの間と、が互いに並列に接続されることによって、それぞれ冷媒流通路20e,20fが設けられている。冷媒流通路20eには、第1電磁弁26aが設けられている。また、冷媒流通路20fには、冷媒流通方向の上流側から順に、第2電磁弁26b、第2逆止弁27bが設けられている。また、冷媒流通路20dの三方弁25と第1膨張弁28aとの間には、内部熱交換器24の高圧冷媒流入側が接続され、冷媒流通路20gが設けられている。冷媒流通路20gには、第3電磁弁26cが設けられている。内部熱交換器24の高圧冷媒流出側には、吸熱器14の冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20hが設けられている。冷媒流通路20hには、第2膨張弁28bが設けられている。吸熱器14の冷媒流出側には、内部熱交換器24の低圧冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20iが設けられている。内部熱交換器24の低圧冷媒流出側には、冷媒流通路20eの第1電磁弁26aと圧縮機21の冷媒吸入側との間が接続されることによって、冷媒流通路20jが設けられている。冷媒流通路20aには、室外熱交換器23の冷媒流入側が接続されることによって、冷媒流通路20kが設けられている。冷媒流通路20kには、第4電磁弁26dが設けられている。
【0022】
水回路30は、前記放熱器15、水冷媒熱交換器22、熱媒体としての水を圧送するためのポンプ31、電力によって水を加熱するための電熱ヒータ等からなる水加熱ヒータ32を有し、これらは銅管やアルミニウム管によって接続されている。具体的には、ポンプ31の水吐出側に水冷媒熱交換器22の水流入側が接続されることによって、水流通路30aが設けられている。また、水冷媒熱交換器22の水流出側には、水加熱ヒータ32の水流入側が接続されることによって、水流通路30bが設けられている。水加熱ヒータ32の水流出側には、放熱器15の水流入側が接続されることによって、水流通路30cが設けられている。放熱器15の水流出側には、ポンプ31の水吸入側が接続されることによって、水流通路30dが設けられている。ポンプ31は電動モータ31aによって駆動される。
【0023】
また、車両用空気調和装置は、車室内の温度及び湿度を設定された温度及び設定された湿度とする制御を行うためのコントローラ40を備えている。
【0024】
コントローラ40は、CPU、ROM,RAMを有している。コントローラ40は、入力側に接続された装置からの入力信号を受信すると、CPUが、入力信号に基づいてROMに記憶されたプログラムを読み出すとともに、入力信号によって検出された状態をRAMに記憶したり、出力側に接続された装置に出力信号を送信したりする。
【0025】
コントローラ40の入力側には、
図2に示すように、車室外の温度Tamを検出するための外気温度センサ41、車室内の温度Trを検出するための内気温度センサ42、空気流通路11に流入する空気の温度Tiを検出するための吸気温度センサ43、吸熱器14において冷却された後の空気の温度Teを検出するための冷却空気温度センサ44、放熱器15において加熱された後の空気の温度Tcを検出するための加熱空気温度センサ45、車室内の湿度Thを検出するための内気湿度センサ46、室外熱交換器23において熱交換した後の冷媒の温度Thexを検出するための冷媒温度センサ47、日射量Tsを検出するための例えばフォトセンサ式の日射センサ48、車両の速度Vを検出するための速度センサ49、目標設定温度Tsetや運転の切換えに関するモードを設定するための操作部50、冷媒回路20の高圧側の圧力Pdを検出するための圧力センサ51が接続されている。
【0026】
コントローラ40の出力側には、
図2に示すように、室内送風機12駆動用の電動モータ12a、吸入口切換えダンパ13駆動用の電動モータ13a、吹出口切換えダンパ13b,13c,13d駆動用の電動モータ13e、エアミックスダンパ16駆動用の電動モータ16a、圧縮機21駆動用の電動モータ21a、三方弁25、第1〜第4電磁弁26a,26b,26c,26d、室外送風機29駆動用の電動モータ29a、ポンプ31駆動用の電動モータ31a、水加熱ヒータ32、車室内の温度Trや運転状態等の情報を表示するための液晶ディスプレイ等からなる表示部52が接続されている。
【0027】
以上のように構成された車両用空気調和装置では、冷房運転、除湿冷房運転、暖房運転、第1除湿暖房運転、第2除湿暖房運転、除霜運転が行われる。以下、それぞれの運転について説明する。
【0028】
冷房運転において、冷媒回路20では、三方弁25の流路を冷媒流通路20c側に設定し、第2及び第3電磁弁26b,26cを開放するとともに、第1及び第4電磁弁26a,26dを閉鎖し、圧縮機21を運転する。また、水回路30では、ポンプ31の運転を停止の状態とする。
【0029】
これにより、圧縮機21から吐出された冷媒は、
図3に示すように、冷媒流通路20a、水冷媒熱交換器22、冷媒流通路20b,20c、室外熱交換器23、冷媒流通路20f,20d,20g、内部熱交換器24の高圧側、冷媒流通路20h、吸熱器14、冷媒流通路20i、内部熱交換器24の低圧側、冷媒流通路20j,20eの順に流通して圧縮機21に吸入される。冷媒回路20を流通する冷媒は、室外熱交換器23において放熱し、吸熱器14において吸熱する。冷房運転においては、ポンプ31の運転を停止しているため、水冷媒熱交換器22において冷媒は放熱しない。
【0030】
このとき、冷房運転中の空調ユニット10において、室内送風機12を運転することによって流通する空気流通路11の空気は、吸熱器14において冷媒と熱交換して冷却され、車室内の温度を目標設定温度Tsetとするために吹出口11c,11d,11eから吹き出すべき空気の温度である目標吹出温度TAOの空気となって車室内に吹き出される。
【0031】
除湿冷房運転において、冷媒回路20では、冷房運転の場合と同様に、三方弁25の流路を冷媒流通路20c側に設定し、第2及び第3電磁弁26b,26cを開放するとともに、第1及び第4電磁弁26a,26dを閉鎖し、圧縮機21を運転する。また、水回路30では、ポンプ31を運転する。
【0032】
これにより、圧縮機21から吐出された冷媒は、
図3に示すように、冷房運転の場合と同様に流通する。冷媒回路20を流通する冷媒は、水冷媒熱交換器22及び室外熱交換器23において放熱し、吸熱器14において吸熱する。
【0033】
また、ポンプ31から吐出された水は、
図3の鎖線で示すように、水冷媒熱交換器22、水加熱ヒータ32、放熱器15の順に流通してポンプ31に吸入される。水回路30を流通する水は、水冷媒熱交換器22において吸熱し、放熱器15において放熱する。
【0034】
このとき、除湿冷房運転中の空調ユニット10において、室内送風機12を運転することによって空気流通路11を流通する空気は、吸熱器14において吸熱する冷媒と熱交換して冷却されることによって除湿される。吸熱器14において除湿された空気は、放熱器15おいて放熱する水と熱交換して加熱され、目標吹出温度TAOの空気となって車室内に吹き出される。
【0035】
暖房運転において、冷媒回路20では、三方弁25の流路を冷媒流通路20d側に設定し、第1電磁弁26aを開放するとともに、第2〜第4電磁弁26b〜26dを閉鎖し、圧縮機21を運転する。また、水回路30では、ポンプ31を運転する。
【0036】
これにより、圧縮機21から吐出された冷媒は、
図4に示すように、冷媒流通路20a、水冷媒熱交換器22、冷媒流通路20b,20d、室外熱交換器23、冷媒流通路22eの順に流通して圧縮機21に吸入される。冷媒回路20を流通する冷媒は、水冷媒熱交換器22において放熱し、室外熱交換器23において吸熱する。
【0037】
また、ポンプ31から吐出された水は、
図4に示すように、水冷媒熱交換器22、水加熱ヒータ32、放熱器15の順に流通してポンプ31に吸入される。水回路30を流通する水は、水冷媒熱交換器22において吸熱し、放熱器15において放熱する。
【0038】
このとき、空調ユニット10において、室内送風機12を運転することによって流通する空気流通路11の空気は、吸熱器14において冷媒と熱交換することなく、水冷媒熱交換器22において水と熱交換して加熱され、目標吹出温度TAOの空気となって車室内に吹き出される。
【0039】
第1除湿暖房運転において、冷媒回路20では、三方弁25の流路を冷媒流通路20d側に設定し、第1及び第3電磁弁26a,26cを開放するとともに、第2及び第4電磁弁26b,26dを閉鎖し、圧縮機21を運転する。また、水回路30では、ポンプ31を運転する。
【0040】
これにより、圧縮機21から吐出された冷媒は、
図5に示すように、冷媒流通路20a、水冷媒熱交換器22、冷媒流通路20b,20dを順に流通する。冷媒流通路20dを流通する冷媒の一部は、室外熱交換器23、冷媒流通路20eの順に流通して圧縮機21に吸入される。また、冷媒流通路20dを流通するその他の冷媒は、冷媒流通路20g、内部熱交換器24の高圧側、冷媒流通路20h、吸熱器14、冷媒流通路20i、内部熱交換器24の低圧側、冷媒流通路20j,20eの順に流通して圧縮機21に吸入される。冷媒回路20を流通する冷媒は、放熱器15において放熱し、吸熱器14及び室外熱交換器23において吸熱する。
【0041】
また、ポンプ31から吐出された水は、
図5に示すように、水冷媒熱交換器22、水加熱ヒータ32、放熱器15の順に流通してポンプ31に吸入される。水回路30を流通する水は、水冷媒熱交換器22において吸熱し、放熱器15において放熱する。
【0042】
このとき、空調ユニット10において、室内送風機12を運転することによって流通する空気流通路11の空気は、吸熱器14において冷媒と熱交換して冷却されることにより除湿される。吸熱器14において除湿された空気は、一部の空気が放熱器15において水と熱交換することによって加熱され、目標吹出温度TAOの空気となって車室内に吹き出される。
【0043】
第2除湿暖房運転において、冷媒回路20では、三方弁25の流路を冷媒流通路20d側に設定し、第3電磁弁26cを開放するとともに、第1、第2及び第4電磁弁26a,26b,26dを閉鎖し、圧縮機21を運転する。また、水回路30では、ポンプ31を運転する。
【0044】
これにより、圧縮機21から吐出された冷媒は、
図6に示すように、冷媒流通路20a、水冷媒熱交換器22、冷媒流通路20b,20d,20g、内部熱交換器24の高圧側、冷媒流通路20h、吸熱器14、冷媒流通路20i、内部熱交換器24の低圧側、冷媒流通路20j,20eの順に流通して圧縮機21に吸入される。冷媒回路20を流通する冷媒は、放熱器15において放熱し、吸熱器14において吸熱する。
【0045】
また、ポンプ31から吐出された水は、
図6に示すように、水冷媒熱交換器22、水加熱ヒータ32、放熱器15の順に流通してポンプ31に吸入される。水回路30を流通する水は、水冷媒熱交換器22において吸熱し、放熱器15において放熱する。
【0046】
このとき、空調ユニット10において、室内送風機12を運転することによって流通する空気流通路11の空気は、前記第1除湿暖房運転と同様に、吸熱器14において冷媒と熱交換して冷却されることにより除湿される。吸熱器14において除湿された空気は、一部の空気が放熱器15において水と熱交換することによって加熱され、目標吹出温度TAOとなって車室内に吹き出される。
【0047】
除霜運転において、冷媒回路20では、三方弁25の流路を冷媒流通路20d側に設定し、第1及び第4電磁弁26a,26dを開放するとともに、第2及び第3電磁弁26b,26cを閉鎖し、圧縮機21を運転する。また、水回路30では、ポンプ31を運転する。
【0048】
これにより、圧縮機21から吐出された冷媒の一部は、
図7に示すように、冷媒流通路20a、水冷媒熱交換器22、冷媒流通路20b,20dを順に流通して室外熱交換器23に流入する。また、圧縮機21から吐出されたその他の冷媒は、冷媒流通路20a,20kを流通して室外熱交換器23に流入する。室外熱交換器23から流出した冷媒は、冷媒流通路20eを流通して圧縮機21に吸入される。冷媒回路20を流通する冷媒は、放熱器15において放熱するとともに、室外熱交換器23において放熱と同時に吸熱する。
【0049】
また、ポンプ31から吐出された水は、
図7に示すように、水冷媒熱交換器22、水加熱ヒータ32、放熱器15の順に流通してポンプ31に吸入される。水回路30を流通する水は、水冷媒熱交換器22において吸熱し、放熱器15において放熱する。
【0050】
このとき、空調ユニット10において、室内送風機12を運転することによって流通する空気流通路11の空気は、吸熱器14において冷媒と熱交換することなく、放熱器15において放熱する水と熱交換することによって加熱され、車室内に吹き出される。
【0051】
コントローラ40は、操作部50のオートエアコンスイッチがオンの状態に設定されている場合に、冷房運転、除湿冷房運転、暖房運転、第1除湿暖房運転、第2除湿暖房運転、除霜運転を車室内外の温度等の環境条件に基づいて切換える運転切換え制御処理を行う。
【0052】
また、コントローラ40は、運転切換え制御処理によって切り換えられる各運転において、目標吹出温度TAOに応じてフットモード、ベントモード、バイレベルモードの切り替えを行う。具体的には、目標吹出温度TAOが例えば40℃以上など、高温となる場合にフットモードに設定する。また、コントローラ40は、目標吹出温度TAOが例えば25℃未満など、低温となる場合にベントモードに設定する。さらに、コントローラ40は、目標吹出温度TAOが、フットモードが設定される目標吹出温度TAOとベントモードが設定される目標吹出温度TAOとの間の温度の場合にバイレベルモードに設定する。
【0053】
また、コントローラ40は、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによって吹出口11c,11d,11eのモードを切換えるとともに、吹出口11c,11d,11eから吹出される空気の温度を目標吹出温度TAOとするために、エアミックスダンパ16の開度を制御する。
【0054】
また、コントローラ40は、暖房運転時または除湿暖房運転時において、車室内に吹出す空気を目標吹出温度TAOとするための水冷媒熱交換器22における冷媒の放熱量Q_hpと水加熱ヒータ32の放熱量Q_htrをそれぞれ制御する加熱量制御処理を行う。このときのコントローラ40の動作を
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0055】
(ステップS1)
ステップS1においてCPUは、運転状態が暖房運転または除湿暖房運転であるか否かを判定する。運転状態が暖房運転または除湿暖房運転であると判定した場合にはステップS2に処理を移し、運転状態が暖房運転または除湿暖房運転であると判定しなかった場合には加熱量制御処理を終了する。
【0056】
(ステップS2)
ステップS1において運転状態が暖房運転または除湿暖房運転である判定した場合に、ステップS2においてCPUは、車室外の温度Tam、吸熱器14において冷却された後の空気の温度Te(暖房運転の場合には、空気流通路11に流入する空気の温度Ti)および目標吹出温度TAOに基づいて必要な加熱量Qreqを算出する。
【0057】
(ステップS3)
ステップS3においてCPUは、ステップS2において算出された必要な加熱量Qreqを出力する際に消費電力が最小となる水冷媒熱交換器22からの放熱量Q_hpと水加熱ヒータ32の放熱量Q_htrとの分担率である電力最小分担率を算出する。この電力最小分担率の算出方法については、後述する。
【0058】
(ステップS4)
ステップS4においてCPUは、ステップS3において算出された電力最小分担率kに応じて圧縮機21および水加熱ヒータ32をそれぞれ運転し、加熱量制御処理を終了する。
このとき、水冷媒熱交換器22における冷媒の放熱量Q_hpおよび水加熱ヒータ32の放熱量Q_htrは、必要な加熱量Qreqと電力最小分担率k(0≦k≦1)とから算出される(Q_hp=k×Qreq,Q_htr=(1−k)×Qreq)。
【0059】
ステップS3における電力最小分担率kの算出方法について説明する。
【0060】
水冷媒熱交換器22の加熱能力に関する成績係数(Coefficient Of Performance, 以降COPと記す)は、圧縮機21の回転数Nc、車室外の温度Tam、目標吹出温度TAOに応じて変化する。COPは、圧縮機21の回転数Nc、車室外の温度Tamおよび目標吹出温度TAOの各条件と、COPとの関係を示す図表から読み出される。各条件とCOPとの関係を示す図表は、例えば実験やコンピュータによるシミュレーション等によって構成される。
【0061】
また、水冷媒熱交換器22の放熱量Q_hpは、圧縮機21の回転数Ncの増減に従って一定に増減する。
【0062】
さらに、水加熱ヒータ32の消費電力W_htrは、放熱量Q_htrの増減に従って一定に増減する。しかし、水冷媒熱交換器22の消費電力W_hpは、放熱量Q_hpをCOPで除した関係を有している(W_hp=Q_hp/COP)。
【0063】
したがって、電力最小分担率は、放熱量Q_hpと放熱量Q_htrとの合計の放熱量Q_reqを満たすことを前提に、消費電力W_hpと消費電力W_htrとの合計の消費電力W_totalが最小となるときの水冷媒熱交換器22と水加熱ヒータ32の分担割合である。
【0064】
電力最小分担率kは、必要な加熱量Q_req、車室外の温度Tam、目標吹出温度TAOに応じて変化する。電力最小分担率kは、必要な加熱量Q_req、車室外の温度Tam、目標吹出温度TAOの各条件と、電力最小分担率kとの関係を示す図表から決定される。電力最小分担率kと各条件との関係を示す図表は、例えば実験やコンピュータによるシミュレーション等によって構成される。
【0065】
このように、本実施形態の車両用空気調和装置によれば、必要な加熱量Q_reqを得る際に、消費電力W_totalが最小となる水冷媒熱交換器22の放熱量Q_hpおよび水加熱ヒータ32の放熱量Q_htrの電力最小分担率kを算出し、算出結果に基づいて圧縮機21および水加熱ヒータ32をそれぞれ制御している。これにより、必要な暖房の出力が最小の消費電力で得られるので、暖房または除湿暖房によって消費される電力を低減することで車両の走行可能距離を延長することが可能となる。
【0066】
図
9は本発明の第2実施形態を示すものである。なお、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0067】
この車両用空気調和装置は、車両走行用のバッテリの残量が所定残量以下となった場合に、供給される電力W_totalが所定の制限電力Wlim_AC以下に制限される電力制限運転を行うように構成されている。
【0068】
この車両用空気調和装置のコントローラ40は、電力制限運転中において、制限電力Wlim_ACの範囲内で最大の放熱量を得ることが可能な電力制限運転制御処理を行う。このときのコントローラ40の動作を
図9のフローチャートを用いて説明する。
【0069】
(ステップS11)
ステップS11においてCPUは、運転状態が暖房運転または除湿暖房運転であるか否かを判定する。運転状態が暖房運転または除湿暖房運転であると判定した場合にはステップS12に処理を移し、運転状態が暖房運転または除湿暖房運転であると判定しなかった場合には電力制限運転制御処理を終了する。
【0070】
(ステップS12)
ステップS11において運転状態が暖房運転または除湿暖房運転である判定した場合に、ステップS12においてCPUは、車室外の温度Tam、吸熱器14において冷却された後の空気の温度Te(暖房運転の場合には、空気流通路11に流入する空気の温度Ti)および目標吹出温度TAOに基づいて必要な加熱量Qreqを算出する。
【0071】
(ステップS13)
ステップS13においてCPUは、ステップS2において算出された必要な加熱量Qreqを出力する際に消費電力が最小となる水冷媒熱交換器22からの放熱量Q_hpと水加熱ヒータ32の放熱量Q_htrとの分担率である電力最小分担率kを算出する。この電力最小分担率の算出方法は、前記第1実施形態におけるステップS3と同様である。
【0072】
(ステップS14)
ステップS14においてCPUは、電力制限中であるか否かを判定する。電力制限運転中であると判定された場合にはステップS15に処理を移し、電力制限運転中であると判定されなかった場合にはステップS24に処理を移す。
【0073】
(ステップS15)
ステップS14において電力制限運転中であると判定された場合に、ステップS15においてCPUは、ステップS13において算出された電力最小分担率による運転で必要な電力W_reqを算出する。
【0074】
(ステップS16)
ステップS16においてCPUは、ステップS15において算出された電力W_reqが制限電力Wlim_ACより大きいか否かを判定する。電力W_reqが制限電力Wlim_ACより大きいと判定した場合にはステップS17に処理を移し、電力W_reqが制限電力Wlim_ACより大きいと判定されなかった場合にはステップS24に処理を移す。
【0075】
(ステップS17)
ステップ16において必要な電力W_reqが制限電力Wlim_ACより大きいと判定した場合に、ステップS17においてCPUは、制限電力Wlim_ACで最大の加熱量となる圧縮機21の消費電力W_hpと水加熱ヒータ32の消費電力W_htrとの分担率である加熱量最大分担率k´を算出する。この加熱量最大分担率k´の算出方法については、後述する。
【0076】
(ステップS18)
ステップS18においてCPUは、ステップ17において算出された加熱量最大分担率k´に応じて圧縮機21および水加熱ヒータ32をそれぞれ運転する。
このとき、圧縮機21の消費電力W_hpおよび水加熱ヒータ32の消費電力W_htrは、制限電力Wlim_ACと加熱量最大分担率k´(0≦k´≦1)とから算出される(W_hp=k´×Wlim_AC,W_htr=(1−k´)×Wlim_AC)。
【0077】
(ステップS19)
ステップS19においてCPUは、ステップS18において放熱量Q_hpと放熱量Q_htrとの合計の放熱量Q_totalにおいて目標吹出温度TAOを維持可能な室内送風機12の風量を算出する。
具体的に説明すると、加熱量Q_total、放熱器15において加熱された後の空気の温度Tcと放熱器15において加熱される前の空気の温度(除湿暖房運転時における温度Te、暖房運転時における温度TiまたはTe)との温度差ΔT(℃)、空気の比熱Cp(J/kg・K=W・sec/kg・k)、密度ρ(kg/m3)、放熱器15において水と熱交換する空気の流量G(m3/sec)が次式の関係を有する。
Q_total=ΔT×Cp×ρ×G
したがって、電力制限運転中に加熱量Q_totalが小さくなる場合には、空気の流量Gを減少させることで温度差ΔTを維持することが可能となる。ステップ19では、前記関係式において温度差ΔTを維持可能な室内送風機12の風量を算出している。
【0078】
(ステップS20)
ステップS20においてCPUは、ステップS19において算出された風量に基づいて室内送風機12を運転する。このとき、ステップS19において算出された風量が、制御可能な最低風量より小さい風量である場合には室内送風機12の風量を最低風量とし、電力制限中でないときの風量より大きい風量である場合には室内送風機12の風量を電力制限中でないときの風量とする。
【0079】
(ステップS21)
ステップS21においてCPUは、吹出口切換えダンパ13b,13c,13dによって吹出口のモードがフットモードに設定する。
【0080】
(ステップS22)
ステップS22においてCPUは、エアミックスダンパ16の開度を100%とする。
【0081】
(ステップS23)
ステップS23においてCPUは、表示部52に電力制限中であることを表示する。
【0082】
(ステップS24)
ステップS14において電力制限中と判定されなかった場合、または、ステップS16において、必要な電力が制限電力よりも小さい場合に、ステップS24においてCPUは、ステップS3において算出された電力最小分担率kに応じて圧縮機21および水加熱ヒータ32をそれぞれ運転し、放熱量制御処理を終了する。
ここでは、水冷媒熱交換器22における冷媒の放熱量Q_hpおよび水加熱ヒータ32の放熱量Q_htrが、それぞれ必要な加熱量Qreqと電力最小分担率k(0≦k≦1)とから算出される(Q_hp=k×Qreq,Q_htr=(1−k)×Qreq)。
【0083】
ステップS17における加熱量最大分担率k´の算出方法について説明する。
【0084】
加熱量最大分担率k´は、圧縮機21の消費電力W_hpと水加熱ヒータ32の消費電力W_htrとの合計の消費電力が制限電力Wlim_ACを満たすことを前提に、水冷媒熱交換器22の放熱量Q_hpと水加熱ヒータ32の放熱量Q_htrとの合計の放熱量Q_totalが最大となるときの水冷媒熱交換器22と水加熱ヒータ32の分担割合である。
【0085】
加熱量最大分担率k´は、制限電力Wlim_AC、車室外の温度Tam、目標吹出温度TAOに応じて変化する。加熱量最大分担率k´は、制限電力Wlim_AC、車室外の温度Tam、目標吹出温度TAOの各条件と、加熱量最大分担率k´との関係を示す図表から決定される。加熱量最大分担率k´と各条件との関係を示す図表は、例えば実験やコンピュータによるシミュレーション等によって構成される。
【0086】
このように、本実施形態の車両用空気調和装置によれば、前記第1実施形態と同様に、必要な暖房の出力が最小の消費電力で得られるので、暖房または除湿暖房によって消費される電力を低減することで車両の走行可能距離を延長することが可能となる。
【0087】
また、電力制限運転中に、制限電力Wlim_ACで最大の放熱量Q_totalを得ることが可能な圧縮機21の消費電力W_hpおよび水加熱ヒータ32の消費電力W_htrの加熱量最大分担率k´を算出し、算出結果に基づいて圧縮機21および水加熱ヒータ32をそれぞれ制御している。これにより、制限された電力Wlim_ACの範囲内で最大の放熱量Q_totalが得られるので、電力制限運転中において車室内の温度および湿度の環境の悪化を防止することが可能となる。
【0088】
また、電力制限運転中に室内送風機12によって車室内に吹出す空気の温度が、電力制限運転中でない場合に送風機によって車室内に吹出す目標吹出温度TAOとなるように、室内送風機12の風量を制御するようにしている。これにより、電力制限中となることによって吹出し温度が変化することを防止することができるので、車室内の搭乗者が吹出し温度の変化による違和感を覚えることはない。
【0089】
また、ステップS19において算出された室内送風機12の風量が、制御可能な最低風量より小さい風量である場合には室内送風機12の風量を最低風量とし、電力制限中でないときの風量より大きい風量である場合には室内送風機12の風量を電力制限中でないときの風量としている。これにより、室内送風機12の風量を所定の範囲内とすることができるので、室内送風機12の非効率な運転や故障を防止することが可能となる。
【0090】
また、電力制限中であることを表示部52に表示するようにしている。これにより、車室内の搭乗者に対して電力制限中であることを周知することによって、故障等の不具合であるといった誤った判断がなされることを防止することができる。
【0091】
尚、前記実施形態では、冷媒回路20の放出する熱を、水冷媒熱交換器22を介して水回路30を流通する水に吸熱させるようにしたものを示したが、冷媒と熱交換する熱媒体としては水に限られず、エチレングリコール等が含まれる不凍液等、熱伝達が可能な流体が熱媒体として使用可能である。
【0092】
また、前記実施形態では、冷媒回路20において、冷媒流通路20c,20dを切換えるために三方弁25を用いたものを示したが、三方弁25の代わりに2台の電磁弁の開閉によって冷媒流通路20c,20dを切換えるようにしてもよい。
【0093】
また、前記実施形態では、電力制限中であることを表示部52に表示するようにしたものを示したが、これに限られるものではなく、スピーカでの音声によって電力制限中であることを報知するようにしてもよい。
【0094】
また、前記実施形態では、冷媒回路20の水冷媒熱交換器22において放熱する冷媒と熱交換する水回路30を流通する水を水加熱ヒータ32によって加熱するようにしたものを示したが、これに限られるものではない。例えば、水回路30を有さず、冷媒回路20の冷媒を直接空気流通路11内において放熱させる室内放熱器を備えた車両用空気調和装置において、空気流通路11内の空気を電熱ヒータで直接加熱するようにしても前記実施形態と同様の効果を得ることが可能である。また、冷媒回路20の冷媒を直接空気流通路11内において放熱させる室内放熱器を備えた車両用空気調和装置において、電熱ヒータによって加熱された熱媒体が流通する熱媒体回路を冷媒回路20と別途設け、電熱ヒータによって加熱された熱媒体を空気流通路11内において放熱させるようにしても前記実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0095】
本実施形態において、ステップS3およびステップS13の必要な加熱量Qreqを出力する際に消費電力が最小となる水冷媒熱交換器22からの放熱量Q_hpと水加熱ヒータ32の放熱量Q_htrとの分担率である電力最小分担率kを算出する処理が本発明の電力最小分担率算出手段に相当する。
また、本実施形態において、ステップS17の制限電力Wlim_ACで最大の加熱量となる圧縮機21の消費電力W_hpと水加熱ヒータ32の消費電力W_htrとの分担率である加熱量最大分担率k´を算出する処理が本発明の能力最大分担率算出処理に相当する。
また、本実施形態において、ステップS19の放熱量Q_hpと放熱量Q_htrとの合計の放熱量Q_totalにおいて目標吹出温度TAOを維持可能な室内送風機12の風量を算出する処理が本発明の風量算出手段に相当する。
また、本実施形態において、ステップS23の表示部52に電力制限中であることを表示する処理が本発明の報知手段に相当する。