特許第5851923号(P5851923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5851923
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】マッサージ具
(51)【国際特許分類】
   A61H 39/04 20060101AFI20160114BHJP
   A61H 15/00 20060101ALI20160114BHJP
   A61N 2/00 20060101ALI20160114BHJP
【FI】
   A61H39/04 B
   A61H39/04 T
   A61H15/00 390B
   A61N1/42 C
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-95176(P2012-95176)
(22)【出願日】2012年4月18日
(65)【公開番号】特開2013-220283(P2013-220283A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2013年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】513079155
【氏名又は名称】株式会社バイオプラス
(74)【代理人】
【識別番号】100092130
【弁理士】
【氏名又は名称】若原 誠一
(72)【発明者】
【氏名】三井 紀雄
(72)【発明者】
【氏名】服部 智
(72)【発明者】
【氏名】五藤 幸代
【審査官】 寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭51−110665(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3132342(JP,U)
【文献】 特開昭59−62053(JP,A)
【文献】 実開昭59−16635(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3036898(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 39/04
A61H 15/00
A61N 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の材料からなり、ブロック状の外体と、
この外体の中央に、当該外体の延出部の延出方向に直交する方向に形成された穴状の収納穴と、
この収納穴に収納された導電性の材料からなる線材が螺旋状に巻回された巻回体と、
この巻回体の中心に配置された強磁性の材料からなる棒体と、
上記巻回体及び棒体の下方の上記外体の表面付近に配置された下方磁石体と、
上記下方磁石体の外面に配置され、当該下方磁石体を覆っている、導電性の材料からなる導電体と、
上記下方磁石体は、上記巻回体及び上記棒体の周囲下方の上記外体の表面付近に環状に配置され、 この環状の複数の下方磁石体の内側で、上記収納穴の下方で、上記外体の下面に取り付けられ、強磁性体の材料からなる下方固定体と、を備えたことを特徴とするマッサージ具。
【請求項2】
上記下方磁石体の外面の導電体は、外体の下面のほぼ全体にわたって取り付けられた、導電性の材料からなる覆体であることを特徴とする請求項記載のマッサージ具。
【請求項3】
上記巻回体及び棒体の上方の上記外体の表面付近に配置された上方磁石体をさらに備え、
上記収納穴の上方から装着される上方固定体と、上記下方固定体とに、上記棒体は固定されて、上記収納穴内に固定され、
上記上方磁石体は、この上方固定体内に固定されていることを特徴とする請求項1または2記載のマッサージ具。
【請求項4】
上記外体、巻回体棒体のうち、外体または巻回体反磁性体、弱磁性体、常磁性体または非磁性体であり、上記外体は巻回体より電気導電性が低く、上記棒体または上記下方固定体は強磁性体であることを特徴とする請求項記載のマッサージ具。
【請求項5】
上記外体、巻回体、覆体上方固定体、棒体のうち、外体、巻回体、覆体または上方固定体は反磁性体、弱磁性体、常磁性体または非磁性体であり、上記外体は巻回体、覆体または上方固定体より電気導電性が低く、上記棒体または上記下方固定体は強磁性体であることを特徴とする請求項記載のマッサージ具。
【請求項6】
導電性の材料からなり、ブロック状の外体と、
この外体の中央に、当該外体の延出方向に直交する方向に形成された穴状の収納穴と、
この収納穴に収納された導電性の材料からなる線材が螺旋状に巻回された巻回体と、
この巻回体の中心に配置された強磁性の材料からなる棒体と、
上記巻回体及び棒体の下方または上方の上記外体の表面付近に配置された上方磁石体または下方磁石体と、
上記外体の下方の周囲が外方に延出されて形成された延出部と、
上記上方磁石体または上記下方磁石体の外面に配置され、当該上方磁石体または当該下方磁石体を覆っている、導電性の材料からなる導電体であって、 上記延出部の外縁に取り付けられた環状の導電体とを備えたことを特徴とするマッサージ具。
【請求項7】
上記外体、巻回体、導電体、棒体のうち、外体、巻回体または導電体は反磁性体、弱磁性体、常磁性体または非磁性体であり、上記外体は巻回体または導電体より電気導電性が低く、上記棒体強磁性体であることを特徴とする請求項記載のマッサージ具。
【請求項8】
上記外体は、アルミニウム、亜鉛、すず、鉛またはこれらを含む合金であり、上記導電体または上記上方固定体は、銅、銀、金またはこれらを含む合金であり、これら外体と導電体または上方固定体との間には接触電位差が生じることを特徴とする請求項記載のマッサージ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ具に関し、特に人体などの肩、腰、手足などの各部の血行を促進する、血流を改善するまたはリンパの流れを改善する等の器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人体のコリや痛みを取るため、種々のマッサージ具が考えられてきている。このようなマッサージ具では、回転するローラ・ボールを人体の各部に当てたり、多数の突起を人体の各部に当てたりしていた。
【0003】
【特許文献1】実開平05−013962号公報
【特許文献2】実開平05−013961号公報
【特許文献3】実開平06−013826号公報
【特許文献4】登録実用新案第3036898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本件発明の課題は、従来にないマッサージ具を提供するもので、可動部分が少なく、したがって故障しにくいまたは破損しにくいマッサージ具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のマッサージ具は、 導電性の材料からなり、ブロック状の外体と、 この外体の中央に、上記延出部の延出方向に直交する方向に形成された穴状の収納穴と、 この収納穴に収納された導電性の材料からなる線材が螺旋状に巻回された巻回体と、 この巻回体の中心に配置された強磁性の材料からなる棒体と、 上記巻回体及び棒体の下方または上方の上記外体の表面付近に配置された上方磁石体または下方磁石体とを備えた。
【0006】
また、本発明のマッサージ具は、上記上方磁石体または下方磁石体の外面には導電性の材料からなる導電体が配置され、この導電体は上方磁石体または下方磁石体を覆っているようにした。
【発明の効果】
【0007】
これにより、可動部分が少なく故障しにくいまたは破損しにくくなる。また、本マッサージ具を人体などに当てると、下方磁石体の磁力が効率よく人体に当たり、血行促進、血流改善またはリンパの流れの改善が実行される。
【0008】
また、外体等の中には棒体及び巻回体が存在するので外体等が単一の部品からなる一体成型物であると上記のコリ・痛みの改善、マッサージ効果が向上する。
【0009】
さらに、上方磁石体または下方磁石体と人体との間には、下方覆体、上方固定体または環帯体が介在して上方磁石体または下方磁石体を覆っているので、上方磁石体または下方磁石体の磁気/磁力による単なる血行促進/血流改善/リンパ改善効果だけでなくコリ・痛みを改善でき、マッサージ効果が向上する。
【0010】
上方固定体、下方覆体または環帯体によって上方磁石体または下方磁石体による、磁気/磁力マッサージ効果が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(1)マッサージ具の構造
図1はマッサージ具の全体外観を示し、図2はマッサージ具の縦断面を示し、図3はマッサージ具の底面を示し、図4はマッサージ具の平面を示す。
【0012】
外体1は円柱状で下方に向かって外側にテーパー状に広がっていて、円柱状の下方の周囲が外方に延出された延出部2が形成されている。この外体1から延出部2へかけてのテーパー面はやや凹んでいて湾曲しており、さらに外体1の上方に向かってやや太くなっている。したがって、外体1を手でつかんでも握りやすく容易に落下しないようになっている。
【0013】
この外体1は、アルミニウムまたはアルムニウム合金などの導電性の材料からなり、円柱状のアルミニウムインゴット材料が切削加工されたり、金型成型などから、一体成型されたりして、複数の部材の組み合わせではなく、単一の部材から構成されている。
【0014】
上記延出部2の外円周先端は薄く板状の円環板状になっており、この延出部2の環状先端外縁はわずかに凹んでおり、この環状の凹み内には帯状の銅製または銅合金製の環帯体3(導電体)がカシメ、接着、溶接またはねじ止めなどで環状に取り付けられている。
【0015】
アルミニウム製の外体1より銅製の環帯体3の方が、電気伝導性がよく/高く、環帯体3が人体に当接接触して、アルミニウム製の外体1と銅製の環帯体3との間で接触電位差が生じ、銅製の環帯体3によってコリ・痛みを改善でき、マッサージ効果が向上する。
【0016】
また、電気伝導率の違いによる接触電位差が数μV乃至数十μV、例えば10μVほど生じて、これが人体などの細胞を活性化させ、コリ・痛みを改善でき、マッサージ効果が向上する。この環帯体3は後述する下方磁石体13…の外面に配置され、この環帯体3は下方磁石体13…を覆っている。
【0017】
上記外体1の中心には上下に延びる円柱穴状の収納穴4がドリルなどで穿設されており、この収納穴4は外体1を上下方向つまり延出部2の延出方向に直交する方向に貫通しており、この収納穴4の上開口周縁は内方に環状に延出されて狭くなっていてくびれ部5が形成されている。外体1の上面は、このくびれ部5に向かってやや盛り上がっている。
【0018】
上記収納穴4の下開口周縁は外方にやや広がって環状の中段差部6が形成されている。この収納穴4の中心/中央には円柱状または円筒状の磁心となる棒体7が固定されている。この棒体7は、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、ガドリウム、テルビウム、ステンレスなどの金属またはこれらの合金などの、強磁性体(フェリ磁性体を含む。以下同じ)の材料からなっており、磁力を透過させやすくなっている。
【0019】
この棒体7の上縁及び下縁の両周面にねじ面が形成されている。上記収納穴4の上開口からはキャップ状の上方固定体8(導電体)が嵌め込まれる。この上方固定体8の上面は半球状/ドーム状で、中は空洞となっており、この半球状/ドーム状部分の下側はくびれて細い円筒状となっている。
【0020】
上方固定体8の半球状/ドーム状部分は、収納穴4の上開口より大きく、収納穴4の上開口の中に入らず上開口の上面に当接する。上記細い円筒状部分は、収納穴4の上開口より小さく、収納穴4の上開口の中に入る。
【0021】
この上方固定体8の円筒状部分の内側にはねじ面が形成され、これに上記棒体7の上縁の周面のねじ面が螺合されて、棒体7が上方固定体8に収納穴4内で螺合固定され、上方固定体8及び棒体7が外体1に装着固定される。
【0022】
この棒体7の外周囲には、巻回体9が配置固定され収納穴4に収納されており、巻回体9の中心に棒体7が配置固定される。この巻回体9は、導電性の銅または同合金の銅電線の材料が螺旋状に巻回されている。
【0023】
上記収納穴4下方の中段差部6内には、円環板状の下方固定体10が取り付けられて収納固定され、この下方固定体10の中央の穴の内面にねじ面が形成されている。この円環板状の下方固定体10の直径は、中段差部6の直径より小さく、収納穴4の直径より大きい。
【0024】
また、下方固定体10の厚さは下方固定体10の深さ/高さにほぼ一致している。この下方固定体10は、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、ガドリウム、テルビウム、ステンレスなどの金属またはこれらの合金などの、強磁性体の材料からなっており、磁力を透過させやすくなっている。
【0025】
上記下方固定体10のねじ面には、上記棒体7の下縁の周面のねじ面が螺合されて、棒体7が下方固定体10に収納穴4内で螺合固定され、下方固定体10、棒体7及び上記上方固定体8が外体1に装着固定される。ここで、外体1は、ちょうど棒体7と上方固定体8と下方固定体10とに挟まれるような状態で、互いに固定装着される。
【0026】
下方固定体10には、対向する位置に2つの穴が形成され、この穴に、下方固定体10を棒体7の下縁に着脱するための回転工具が取り付けられたり、取り外されたりする。
【0027】
上記キャップ状の上方固定体8(導電体)の中には、円板状の上方磁石体11が収納固定されており、上方磁石体11は上記巻回体及び棒体の上方であって、上記外体1の上面/上方表面付近に配置固定されており、上方固定体8は上方磁石体11の外面/表面付近に配置され上方磁石体11を覆っている。
【0028】
この上方磁石体11の直径は、上記棒体7の太さとほぼ同じである。この上方磁石体11は、ネオジウム磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石、その他の永久磁石などからなり、この磁気/磁力(磁束を含む。以下同じ)は、上記棒体7を透過する。
【0029】
上記外体1の下面の中段差部6の周囲には、環状に等間隔に複数例えば8つの埋め込み穴12…が開けられている。この埋め込み穴12…内には小粒または小球体の下方磁石体13…が収納固定される。したがって、8個の環状配置の下方磁石体13…は、上記巻回体9及び棒体7の周囲下方の外体1の下面の表面付近に環状に配置される。
【0030】
この下方磁石体13…は、ネオジウム磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石、その他の磁石などからなり、この磁気/磁力は、上記下方固定体10及び棒体7を透過する。上記下方固定体10は、環状に配置された下方磁石体13…の内側に位置固定される。
【0031】
したがって、下方磁石体13…、強磁性体の下方固定体10、強磁性体の棒体7及び上方磁石体11によって、磁気/磁力が透過する磁気回路が形成される。この磁気回路は、上記巻回体9の内側と外側とにわたってエンドレスの環状につながり、これがさらにドーナツ状に周環配置される。マッサージによって、巻回体9の中を透過する磁気量/磁束/磁力が変化するので、巻回体9を電流が流れたり、流れる電流量が変化したりする。
【0032】
これら環状配置された下方磁石体13…のさらに外側の外体1の下面/表面付近には円環状の下段差部14が形成され、この下段差部14の内側及び外側は、下方に向かってなだらかに球面状にやや膨らんでいる。
【0033】
この段差部14内には、円板状の下方覆体15(導電体)がカシメ、接着、溶接またはねじ止めなどで、ほぼ隙間なく取り付け固定され、外体1の下面のほぼ全体にわたって下方覆体15で覆われる。この下方覆体15は外体1の下面に沿って下方に向かってなだらかに球面状にやや膨らんでおり、下方覆体15の厚さは下方段差部14の深さ/高さにほぼ一致している。
【0034】
したがって、下方覆体15を含む外体1の下面は、全体として凹凸がなく滑らかに、下方に向かってなだらかに球面状にやや膨らんだ状態となる。この下方覆体15は、銅または銅合金などの導電性の材料からなっている。下方固定体10は下方磁石体13…の外面/下面/表面付近に配置され、下方磁石体13…を覆っている。
【0035】
アルミニウム製の外体1より銅製の下方覆体15の方が、電気伝導性(電界、電束、電気力線の透過度。以下・以上同じ)がよく/高く、下方覆体15が人体に当接接触して、アルミニウム製の外体1と銅製の下方覆体15との間で接触電位差が生じコリ・痛みを改善でき、マッサージ効果が向上する。
【0036】
同様に、アルミニウム製の外体1より銅製の上方固定体8の方が、電気伝導性がよく/高く、上方固定体8が人体に当接接触して、アルミニウム製の外体1と銅製の上方固定体8との間で接触電位差が生じコリ・痛みを改善でき、マッサージ効果が向上する。
【0037】
アルミニウム製の外体1より銅製の下方覆体15、上方固定体8、環帯体3の方が、熱伝導性がよく/高く、下方覆体15、上方固定体8、環帯体3が人体に当接接触して、放熱効果を上げて外体1で拡散でき、コリ・痛みを改善でき、マッサージ効果が向上する。
【0038】
また、アルミニウム製の外体1と、銅製の下方覆体15、上方固定体8、環帯体3との間で、電気伝導率の違いによる接触電位差が数μV乃至数十μV、例えば10μVほど生じて、これが人体などの細胞を活性化させ、コリ・痛みを改善でき、マッサージ効果が向上する。
【0039】
さらに、上記下方磁石体13…のN極とS極の向きはすべて同じ方向に配置される。そして、下方磁石体13…のN極が下向きであれば、上方磁石体11のN極は上向きとなり、下方磁石体13…のS極が下向きであれば、上方磁石体11のS極は上向きとされる。これにより、磁気/磁力の流れが乱れず安定し、しかもマッサージ具のどの向き/方向でも磁気量/磁力が均一となり、磁気回路に乱れがなくなる。
【0040】
上記下方固定体10、上方固定体8、環帯体3、巻回体9、外体1は、銅製またはアルミニウム製などの反磁性体、弱磁性体、常磁性体または非磁性体である。したがって、下方磁石体13…または/及び上方磁石体11からの磁力/磁気が吸入されず、マッサージ具の外方に均一に大きく広がり、マッサージ具が当接接触される人体に磁力が十分に送り込まれ、コリ・痛みを改善でき、マッサージ効果が向上する。
【0041】
上方磁石体11または下方磁石体13…と人体との間には、下方覆体15、上方固定体8または環帯体3が介在して上方磁石体11または下方磁石体13…を覆っているので、上方磁石体11または下方磁石体13…の磁気/磁力による単なる血行促進/血流改善/リンパ改善効果だけでなくコリ・痛みを改善でき、マッサージ効果が向上する。
【0042】
上方固定体8、下方覆体15または環帯体3によって上方磁石体11または下方磁石体13…による、磁気/磁力マッサージ効果が向上する。
【0043】
外体1は、単一の部品からなる一体成型物であるため、磁気/磁力の透過度、電気伝導度が均一となり、磁気が人体に与える効果によるコリ・痛みの改善マッサージ効果が向上する。
【0044】
また、外体1等の中には棒体7及び巻回体9が存在するので外体1等が単一の部品からなる一体成型物であると上記のコリ・痛みの改善、マッサージ効果が向上する。
【0045】
この巻回体9の巻回回数は、10回乃至17回であり、望ましくは12回乃至15回、例えば13.5回である
【0046】
マッサージ具及び外体は、上端及び下端両方とも磁気/磁力を発し、電気伝導性がよいが、下端の面積が広くて磁気/磁力を発する範囲も広く電気伝導の良い面積も広く、一方、上端の面積が狭くて磁気/磁力を発する範囲も狭く電気伝導の良い面積も狭いので、上端では比較的狭い範囲のマッサージに有効であり、下端では比較的広い範囲のマッサージに有効であり、さらに下端の延出部2の環帯体3は細長いので、手足の指の間などの狭い隙間のマッサージに有効である。
【0047】
マッサージ具及び外体1の上半分は成人の手で握るのにちょうどよい大きさとされ、マッサージ具及び外体1の下面は成人の手の甲の部分とほぼ同じまたは若干小さい大きさとされ、マッサージ具及び外体1の上面は成人の親指と人指し指とで形成された環状とほぼ同じ大きさとされる。子供用の時には、さらに小さくされる。これにより、快適なマッサージ効果が達成される。
【0048】
(2)他の実施の形態
本発明は、上記実施例に限定されず、種々変更可能である。例えば、本マッサージ具が当接接触されるのは、人体以外に動物であってもよい。本マッサージ具は上下逆さまにすれば、上方と下方が入れ替わるが、同様の構成であり、同様の作用効果を発揮する。
【0049】
マッサージ具下方の延出部2は省略されて、マッサージ具の下端は上端と同じような構成/形状/機能で、マッサージ具が円柱状であってもよいし、逆にマッサージ具の上端は下端と同じように延出部2が形成された構成/形状/機能であってもよい。環帯体3は省略されて、上方固定体8及び下方覆体15のみでもよい。
【0050】
上方固定体8または/及び上方磁石体11は省略されてもよいし、下方固定体10、下方磁石体13…または/及び下方覆体15は省略されて、外体1の上端または下端のいずれか一方でマッサージするだけでもよい。
【0051】
収納穴4はテーパー状でもよいし、球体状、卵形状、波形状に太い細いといった凹凸があってもよいし、螺旋状でもよい。上方磁石体11は、下方磁石体13…のように、複数の磁石が点在してもよいし、下方磁石体13…は、上方磁石体11のように単体でもよい。下方磁石体13…は、環状のほか、碁盤状、放射線状に点在する状態に配置されてもよい。
【0052】
上方磁石体11または/及び下方磁石体13…は、外体1の上面または下面のほか、外体1の側面に複数または単数固定されてもよい。この場合でも、各磁石11…、13…のN極または/及びS極の向きはそろえられる。
【0053】
上方固定体8、下方覆体15、環帯体3は、外体1の上面または下面、延出部2の外側面のほか、外体1の側面に複数または単数固定されてもよい。巻回体9の線材の断面は円形のほか、長方形などの多角形、正方形などの正多角形、楕円などでもよい。巻回体9は、二重、三重など、多層で複数が巻回されていてもよい。
【0054】
上記外体1、延出部2、環帯体3、収納穴4、くびれ部5、段差部6、巻回体9、棒体7、上方固定体8、下方固定体10、上方磁石体11、埋め込み穴12…、下方磁石体13…の配置、段差部14、下方覆体15は、断面が円状または円環状のほか、正多角形、楕円、不均一な多角形などでもよい。
【0055】
外体1は、テーパー状、柱状のほか、球体、卵形、直方体、立方体、円錐、円錐台、角錐、角錐台、多面体、正多面体、筒状、ブロック状などでもよい。棒体7は、円柱状、円筒状のほか、角柱状、球体、卵形、直方体、立方体、円錐、円錐台、角錐、角錐台、多面体、正多面体などでもよい。
【0056】
上方固定体8は、筒状、板状、帯状、線状などどのような形状でもよく、下方覆体15は、ブロック状、筒状、帯状、線状などどのような形状でもよく、環帯体3は、ブロック状、筒状、板状、線状などどのような形状でもよい。強磁性体の下方固定体10は、外体1の下面ではなく、外体1の上面に取り付けられてもよい。
【0057】
下方覆体15、上方固定体8、環帯体3、巻回体9は、銅及び銅合金のほか、銀、金、すず、亜鉛、鉛、アルミニウム、カーボンナノチューブ、カーボン素材、これらの合金などの電気導電性が良く、しかも反磁性体、弱磁性体、常磁性体または非磁性体であれば何でもよい。
【0058】
外体1は、アルミニウム製のほか、すず、プラチナ、マンガン、ビスマス、亜鉛、鉛、カーボンナノチューブ、カーボン素材、これらの合金などの電気導電性が良く、しかも反磁性体、弱磁性体、常磁性体または非磁性体であれば何でもよいし、複数部品から構成されてもよい。
【0059】
棒体7、下方固定体10は、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、ガドリウム、テルビウム、ステンレスのほか、フェライト、MK鋼、新KS鋼などからなっていてもよい。収納穴4、巻回体9及び/または棒体7は、省略されてもよい。
【0060】
本マッサージ具の大きさは手の甲ぐらいの大きさのほか、人間の指の先ぐらいの大きさでも、人間の頭部または背中ぐらいの大きさでもよい。本マッサージ具は人体に対するもののほか、犬、猫、猿、馬、牛、羊などの家畜、ペットまたは動物に対するものでもよい。
【0061】
棒体7の上端または下端は、上方固定体8または下方固定体10に固定されるのではなく、外体1に固定されてもよい。この場合、棒体7の上端は、収納穴4の上方に形成されたねじ面に螺合される、または棒体7の下端は、収納穴4の下方に形成されたねじ面に螺合される。この螺合は、カシメ、接着、溶接またはねじ止めなどでもよい。
【0062】
外体1、延出部2、環帯体3、収納穴4、くびれ部5、中差部6、棒体7、上方固定体8、巻回体9、下方固定体10、上方磁石体11、埋め込み穴12…、下方磁石体13…、下段差部14、下方覆体15の一部または全体は省略されてもよいし、分割分離されてその数が増えても減ってもよいし、その形状は任意に変更可能であり、均等の他の物に置き換えられてもよい。
【0063】
外体1、延出部2、環帯体3、収納穴4、くびれ部5、中差部6、棒体7、上方固定体8、巻回体9、下方固定体10、上方磁石体11、埋め込み穴12…、下方磁石体13…、下段差部14、下方覆体15の2つまたは3つ以上が合体または一体化されて兼用されてもよいし、これらの材質は金属製のほか、硬質樹脂製、軟質樹脂製、木製、集成材製、合成材製、合板製、表面に化粧紙が接着されたもの、竹製、樹脂製、金属製、ガラス製、綿製、布製、糸製、繊維製、ゴム製、紙製、セラミック製、カーボン製、硬質ウレタン製、これらの合成物製/混合物製/多層積層物製でもよい。
【0064】
(3)他の発明の効果
[1]導電性の材料からなり、ブロック状の外体と、 この外体の中央に、当該外体の延出部の延出方向に直交する方向に形成された穴状の収納穴と、 この収納穴に収納された導電性の材料からなる線材が螺旋状に巻回された巻回体と、 この巻回体の中心に配置された強磁性の材料からなる棒体と、 上記巻回体及び棒体の下方または上方の上記外体の表面付近に配置された上方磁石体または下方磁石体とを備えたことを特徴とするマッサージ具。
【0065】
これにより、外体等の中には棒体及び巻回体が存在するので外体等が単一の部品からなる一体成型物であると上記のコリ・痛みの改善、マッサージ効果が向上する。
【0066】
[2]上記上方磁石体または下方磁石体の外面には導電性の材料からなる導電体が配置され、この導電体は上方磁石体または下方磁石体を覆っていることを特徴とする請求項1記載のマッサージ具。
【0067】
これにより、上方磁石体または下方磁石体と人体との間には、下方覆体、上方固定体または環帯体が介在して上方磁石体または下方磁石体を覆っているので、上方磁石体または下方磁石体の磁気/磁力による単なる血行促進/血流改善/リンパ改善効果だけでなくコリ・痛みを改善でき、マッサージ効果が向上する。
【0068】
上方固定体、下方覆体または環帯体によって上方磁石体または下方磁石体による、磁気/磁力マッサージ効果が向上する。
【0069】
[3]上記下方磁石体は、上記巻回体及び棒体の周囲下方の上記外体の表面付近に環状に配置され、 この環状の複数の下方磁石体の内側で、上記収納穴の下方で、上記外体の下面には下方固定体が取り付けられ、この下方固定体は強磁性体の材料からなることを特徴とする請求項2記載のマッサージ具。
【0070】
これにより、マッサージ具の下面に広く磁気/磁力を分散させて、磁気/磁力によるマッサージを広い範囲で実行できる。
【0071】
[4]上記下方磁石体の外面の導電体は、外体の下面のほぼ全体にわたって取り付けられた、導電性の材料からなる覆体であることを特徴とする請求項3記載のマッサージ具
【0072】
[5]上記収納穴の上方から装着される上方固定体と、上記下方固定体とに、上記棒体は固定されて、上記収納穴内に固定され、 上記上方磁石体は、この上方固定体内に固定されていることを特徴とする請求項2記載のマッサージ具。
【0073】
これにより、上方磁石体11の覆いと、上方磁石体11の固定と、棒体7及び巻回体9の固定とを一括して同時に行うことができる。
【0074】
[6]上記外体の下方の周囲が外方に延出されて延出部が形成され、 上記下方磁石体の外面の導電体は、上記外体の延出部の外縁に取り付けられた環状の環体であることを特徴とする請求項2記載のマッサージ具。
【0075】
これにより、外体の下面または上面だけでなく、側面でもマッサージを実行できる。
【0076】
[7]上記外体、巻回体、覆体、環体、上方固定体、棒体のうち、外体、巻回体、覆体、環体または上方固定体は反磁性体、弱磁性体、常磁性体または非磁性体であり、外体は、巻回体、覆体、環体または上方固定体より、電気導電性が低く、棒体または下方固定体は強磁性体であることを特徴とする請求項2、3、4、5または6記載のマッサージ具。
【0077】
これにより、外体より覆体、環体または上方固定体の方が、電気伝導性がよく/高く、覆体、環体または上方固定体が人体に当接接触して電気伝導率の違いによる接触電位差が生じて、これが人体などの細胞を活性化させ、さらに熱伝導の良さから人体からの熱を吸収して放熱させるので、コリ・痛みを改善でき、マッサージ効果が向上する。
【0078】
[8]上記外体は、アルミニウム、亜鉛、すず、鉛またはこれらを含む合金であり、覆体、環体または上方固定体は、銅、銀、金またはこれらを含む合金であり、これら外体と覆体、環体または上方固定体との間には接触電位差が生じることを特徴とする請求項7記載のマッサージ具。
【0079】
これにより、外体より覆体、環体または上方固定体の方が、電気伝導性がよく/高く、覆体、環体または上方固定体が人体に当接接触して電気伝導率の違いによる接触電位差が生じて、これが人体などの細胞を活性化させ、さらに熱伝導の良さから人体からの熱を吸収して放熱させるので、コリ・痛みを改善でき、マッサージ効果が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0080】
可動部分のないマッサージ具によって、コリ・痛みの改善をする。導電性かつ常磁性体の外体1内には、強磁性体の棒体7に巻回された導電性の巻回体9と、この棒体7及び巻回体9の上方には上方磁石体11、下方には下方磁石体13…が配置され、この磁力によってマッサージされる。
【0081】
外体1が一体成型物であると上記のコリ・痛みの改善、マッサージ効果が向上する。
【0082】
上方磁石体11または下方磁石体13…の外面には導電性の上方固定体8または下方覆体15が配置されて覆われる。よって、上記磁力によマッサージ効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1】マッサージ具の全体外観を示す。
図2】マッサージ具の縦断面を示す。
図3】マッサージ具の底面を示す。
図4】マッサージ具の平面を示す。
【符号の説明】
【0084】
1…外体、2…延出部、
3…環帯体(環体、導電体)、4…収納穴、
5…くびれ部、6…中段差部、
7…棒体、8…上方固定体(導電体)、
9…巻回体、10…下方固定体、
11…上方磁石体、12…埋め込み穴、
13…下方磁石体、14…下段差部、
15…下方覆体(導電体、板体)。
図1
図2
図3
図4