特許第5852278号(P5852278)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5852278
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】減容化システム
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/00 20060101AFI20160114BHJP
   B07B 7/02 20060101ALI20160114BHJP
   B07B 9/00 20060101ALI20160114BHJP
   B01D 46/00 20060101ALI20160114BHJP
【FI】
   B09B3/00 ZZAB
   B07B7/02
   B07B9/00 A
   B01D46/00 F
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-62376(P2015-62376)
(22)【出願日】2015年3月25日
【審査請求日】2015年7月29日
(31)【優先権主張番号】特願2014-216746(P2014-216746)
(32)【優先日】2014年10月23日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514270043
【氏名又は名称】大友 満持
(73)【特許権者】
【識別番号】514270179
【氏名又は名称】山本 恵
(73)【特許権者】
【識別番号】514270054
【氏名又は名称】石田 克敏
(73)【特許権者】
【識別番号】514270065
【氏名又は名称】青木 耐志郎
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 恵
(72)【発明者】
【氏名】大友 満持
(72)【発明者】
【氏名】石田 克敏
【審査官】 金 公彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−140783(JP,A)
【文献】 特開2002−059083(JP,A)
【文献】 特開2002−361179(JP,A)
【文献】 特開2010−166887(JP,A)
【文献】 特開2008−214531(JP,A)
【文献】 特開2008−055350(JP,A)
【文献】 中国実用新案第201426259(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 1/00− 5/00
B07B 1/00−15/00
A01D 34/02−34/408
A01D 43/00−46/30
A01D 51/00
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈払物および森林堆積物を含む収集対象物を減容化して収集する減容化システムであって、
前記収集対象物を破砕して吸引する先端吸引部と、
前記先端吸引部を介して吸引された前記収集対象物を吸引空気と分離する収集部と、
前記先端吸引部および前記収集部に吸引力を付与する吸引装置と、
前記先端吸引部と前記収集部とを接続する第1接続ホースと、
前記収集部と前記吸引装置とを接続する第2接続ホースと
を備え、
前記収集部は、破砕物回収装置と集塵装置とを有し、
前記破砕物回収装置は、前記集塵装置より大型の有底筒状の回収体と、該回収体を閉蓋する上蓋部と、該回収体内に連通し前記第1接続ホースが水平方向に接続される回収体流入部と、該回収体内に連通し接続ホースを介して前記集塵装置に接続される回収体流出部と、該回収体流入部に設けられ、前記第1接続ホースにより該回収体流入部に水平方向に導入される前記収集対象物を下方に偏向する偏向板と、該回収体内に配置され該偏向板を介して下方に偏向された該収集対象物を受ける収集袋とを備え、
前記集塵装置は、上蓋された筒状の集塵装置本体と、該集塵装置本体の下方に配置された回収ボックスと、該集塵装置本体内の上部に配置されたフィルタと、該集塵装置本体の下部で該集塵装置本体内に連通し前記接続ホースが接続される集塵装置流入部と、該集塵装置本体の上部で且つ該フィルタの下流側で該集塵装置本体内に連通し前記第2接続ホースが接続される集塵装置流出部とを備え
前記破砕物回収装置は、前記上蓋部に、その下面よりも上側において前記回収体流入部と前記回収体流出部と前記偏向板とを備え、
前記収集袋がフレキシブルコンテナバッグであって、前記回収体内に配置されることを特徴とする減容化システム。
【請求項2】
請求項1に記載の減容化システムにおいて、
前記先端吸引部および前記吸引装置が交換可能に構成され、
前記吸引装置の吸引能力に応じて第1接続ホースの長さを調整することにより前記先端吸引部および前記収集部に所望の吸引力を発生させることを特徴とする減容化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刈払物および森林堆積物を含む収集対象物を減容化して収集する減容化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の刈払物および森林堆積物の回収装置としては、下記特許文献1に示すように、回収対象物を粉砕しながら吸引回収する先端吸引部と、先端吸引部に吸引力を付与する吸引装置と、先端吸引部と吸引装置との間に設けられ、回収対象物を回収する集塵機本体とを有する装置が知られている。
【0003】
かかる回収装置によれば、集塵機本体には、下方に配置された回収ボックス内に回収袋が装着可能で、上方にはHEPAフィルタが搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−140783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、従来の回収装置では、回収対象物をすべて集塵機本体の回収袋1カ所で回収するため、大きさや粒径の異なる回収対象物がすべて回収袋に集中してしまう。
【0006】
そのため、回収作業の初期で、大きさの大きな回収対象物が回収袋に回収されると、この回収対象物が邪魔になり、その先の回収空間を有効に活用できず、回収袋から回収対象物が溢れ回収作業を中断せざるを得ないという問題があった。
【0007】
またこれに伴い、集塵機本体の回収袋で回収対象物を回収し切れず、HEPAフィルタに回収対象物が付着してしまい、フィルタの目詰まり等を招来してしまうという問題も発生していた。
【0008】
以上の事情に鑑みて、本発明は、回収対象物を確実に減容化して回収することができると共に、回収作業を効率的に行うことができる減容化システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明の減容化システムは、刈払物および森林堆積物を含む収集対象物を減容化して収集する減容化システムであって、
前記収集対象物を破砕して吸引する先端吸引部と、
前記先端吸引部を介して吸引された前記収集対象物を吸引空気と分離する収集部と、
前記先端吸引部および前記収集部に吸引力を付与する吸引装置と、
前記先端吸引部と前記収集部とを接続する第1接続ホースと、
前記収集部と前記吸引装置とを接続する第2接続ホースと
を備え、
前記収集部は、破砕物回収装置と集塵装置とを有し、
前記破砕物回収装置は、前記集塵装置より大型の有底筒状の回収体と、該回収体を閉蓋する上蓋部と、該回収体内に連通し前記第1接続ホースが水平方向に接続される回収体流入部と、該回収体内に連通し接続ホースを介して前記集塵装置に接続される回収体流出部と、該回収体流入部に設けられ、前記第1接続ホースにより該回収体流入部に水平方向に導入される前記収集対象物を下方に偏向する偏向板と、該回収体内に配置され該偏向板を介して下方に偏向された該収集対象物を受ける収集袋とを備え、
前記集塵装置は、上蓋された筒状の集塵装置本体と、該集塵装置本体の下方に配置された回収ボックスと、該集塵装置本体内の上部に配置されたフィルタと、該集塵装置本体の下部で該集塵装置本体内に連通し前記接続ホースが接続される集塵装置流入部と、該集塵装置本体の上部で且つ該フィルタの下流側で該集塵装置本体内に連通し前記第2接続ホースが接続される集塵装置流出部とを備え、
前記破砕物回収装置は、前記上蓋部に、その下面よりも上側において前記回収体流入部と前記回収体流出部と前記偏向板とを備え、
前記収集袋がフレキシブルコンテナバッグであって、前記回収体内に配置されることを特徴とする。
【0010】
第1発明の減容化システムによれば、収集部を破砕物回収装置と集塵装置とに分離することで、大きさや粒径の大きな回収対象物を予め破砕物回収装置で回収することができる。
【0011】
そして、大きさや粒径の大きな回収対象物が除かれた後に、集塵装置により、大きさや粒径の小さな回収対象物を回収ボックスで回収することで、集塵装置が回収対象物ですぐに溢れてしまうこともない。
【0012】
さらに、2つの工程を経て回収対象物が回収されているため、集塵装置のフィルタに回収対象物が付着することも大幅に低減することができる。
【0013】
ここで、破砕物回収装置を集塵装置よりも大型の回収体とすることで、大きさや粒径の大きな回収対象物を回収しても回収空間が無駄になることもなく、回収体全体で大きさや粒径の大きな回収対象物を回収して減容化を実現することができる。
【0014】
このように、第1発明の減容化システムによれば、回収対象物を確実に減容化して回収することができると共に、回収作業を効率的に行うことができる。
【0016】
また、破砕物回収装置の上蓋部に、その下面よりも上側において回収体流入部と回収体流出部と偏向板とを設けることで、回収体内全体を回収空間として利用することができる。これにより、大きさや粒径の大きな回収対象物が回収可能でありながら、破砕物回収装置自体をコンパクト化することができる。
【0017】
さらに、回収体内に配置される収集袋をフレキシブルコンテナバックとすることで、大きさや粒径の大きな回収対象物をフレキシブルコンテナバックで直接回収し、袋詰めして移動等することが容易となる。
【0018】
このように、第1発明の減容化システムによれば、コンパクトな装置で回収対象物を確実に減容化して回収することができると共に、回収作業を更に効率的に行うことができる。
【0019】
第2発明の減容化システムは、第1発明において、
前記先端吸引部および前記吸引装置が交換可能に構成され、
前記吸引装置の吸引能力に応じて第1接続ホースの長さを調整することにより前記先端吸引部および前記収集部に所望の吸引力を発生させることを特徴とする。
【0020】
第2発明の減容化システムによれば、集塵装置に加えて破砕物回収装置を設けた場合には、先端吸引部の吸引力が低下してしまうが、先端吸引部および吸引装置を交換可能にすることで、先端吸引部および吸引装置の組み合わせで回収状況に応じて必要な吸引力を確保することができる。
【0021】
さらに、吸引装置の吸引能力に応じて第1接続ホースの長さを調整することで、仮に、先端吸引部および吸引装置の組み合わせだけでは、必要な吸引力を確保できない場合にも、短い第1接続ホースを用いることで必要な吸引力を確保することができる。
【0022】
このように、第2発明の減容化システムによれば、回収状況が変化しても回収対象物を確実に減容化して回収することができると共に、回収作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態の減容化システムの全体構成を示すシステム構成図。
図2図1の破砕物回収装置と集塵装置との詳細を示す断面図。
図3図1の減容化システムの変更例を示すシステム構成図。
図4図3の減容化システムの更なる変更例を示すシステム構成図。
図5図4の減容化システムの更なる変更例を示すシステム構成図。
図6】6Aは、本発明の別の実施形態に係る減容化システムの集塵装置及び吸引装置の部分を示す正面図であり、6Bは、その側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本実施形態の減容化システムは、刈払物および森林堆積物を含む収集対象物を減容化して収集するシステムである。
【0025】
従来、森林部の伐採や除染では、下草や伐採枝などの刈払物および落葉などの森林堆積物をかき集めて斜面下まで運搬した後に、落葉等と、破砕・裁断が必要な枝とに分別しながら、それぞれ大型の袋にそれぞれ袋詰めしていた。
【0026】
かかる破砕作業や除染作業から分別袋詰めまでの作業を、本実施形態の減容化システムでは、減容化しながらシステム化したものである。
【0027】
図1に示すように、本実施形態の減容化システムは、先端吸引部10と、先端吸引部10を介して吸引された収集対象物を吸引空気と分離する収集部としての破砕物回収装置20および集塵装置30と、吸引装置40(40A,40B)とを備える。
【0028】
これらの構成間は、先端吸引部10と破砕物回収装置20との間が第1接続ホース51で、集塵装置30と吸引装置40との間が第2接続ホース52で、破砕物回収装置20と集塵装置30との間が接続ホース53で接続され、吸引装置40の吸引力がこれらの接続ホース51,52,53を介して先端吸引部10に至るまで付与される。
【0029】
先端吸引部10は、収集対象物を破砕して吸引する装置であって、例えば、ガソリンエンジン式で直径120mmの枝まで破砕可能なチョッパーシュレッダーで、破砕処理物が第1接続ホース51を介して収集部側に送られる。
【0030】
図2に示すように、破砕物回収装置20は、集塵装置30(集塵装置本体31A,31B)より大型の有底筒状の回収体21と、回収体21を閉蓋する上蓋部22とを有する。
【0031】
回収体21は、例えば、直径1300mmで高さが1900mmで容量が1.5mの有底円筒状体で、内部には、収集袋としてのフレキシブルコンテナバックXが収納される。なお、下部には台座Yが設けられている。
【0032】
上蓋部22は、回収体21内に連通し第1接続ホース51が接続される回収体流入部23と、回収体21内に連通し接続ホース53が接続される回収体流出部24と、回収体流入部23に隣接して設けられ収集対象物を下方に偏向する偏向板25とを備える。
【0033】
偏向板25は、例えば、上蓋部22を貫通する円筒状部26の内部に間隙27を空けて斜めに取り付けられている。
【0034】
これにより、第1接続ホース51から回収体流入部23を介して導入された破砕処理された収集対象物は、円筒状部26の偏向板25で回収体21内のフレキシブルコンテナバックX内に落とされ、残りの吸引空気は、間隙27から回収体流出部24を介して接続ホース53側へ送られる。
【0035】
集塵装置30は、上蓋32により閉蓋された筒状の集塵装置本体31(31A,31B)を備え、集塵装置本体31は上部集塵装置本体31Aと下部集塵装置本体31Bとを連結させた構造となっている。
【0036】
下部集塵装置本体31Bには、集塵装置本体31内に連通し接続ホース53が接続される集塵装置流入部33が設けられている。
【0037】
上部集塵装置31Aには、集塵装置本体31内に連通し第2接続ホース52が接続される集塵装置流出部34が設けられている。また、上部集塵装置31A内には、フィルタ35(例えば、粒径10μmを吸着可能な乾式のHEPAフィルタ)が配置されている。なお、下部集塵装置本体31B内に、フィルタ35よりも目の粗いフィルタを配置し、このフィルタにより粒径の大きい粒子をフィルタ35の上流側で予め除去するようにしてもよい。
【0038】
集塵装置本体31(下部集塵装置本体31B)の下方には、回収ボックス36が集塵装置本体31と連通して設けられており、回収ボックス36にはスライド式の引出部37が内蔵されている。
【0039】
なお、集塵装置30は、容量が破砕物回収装置20より小型で0.07mとなっており、回収ボックス36の下部に設けられた台座Z上に支持されている。
【0040】
吸引装置40は、真空吸引機40Aと真空吸引機40Aを駆動するための発電機40Bとを備える。
【0041】
真空吸引機40Aは、吸引圧力が例えば−50kPaであって、ディーゼル式の発電機40Bから供給される200V電源により駆動される。
【0042】
以上のように構成された減容化システムによれば、収集部としての機能を破砕物回収装置20と集塵装置30とに分離することで、大きさや粒径の大きな回収対象物を予め破砕物回収装置20で回収することができる。
【0043】
そして、大きさや粒径の大きな回収対象物が除かれた後に、集塵装置30により、大きさや粒径の小さな回収対象物を回収ボックス36で回収することで、集塵装置30が回収対象物ですぐに溢れてしまうこともない。
【0044】
さらに、2つの工程を経て回収対象物が回収されているため、集塵装置30のフィルタ35に回収対象物が付着することも大幅に低減することができる。
【0045】
ここで、破砕物回収装置20が集塵装置30よりも大型の回収体21となっているため、大きさや粒径の大きな回収対象物を回収しても回収空間が無駄になることもなく、回収体21全体で大きさや粒径の大きな回収対象物を回収して減容化を実現することができる。
【0046】
さらに、回収体21内に配置される収集袋をフレキシブルコンテナバックとすることで、大きさや粒径の大きな回収対象物をフレキシブルコンテナバックで直接回収し、袋詰めして移動等することが容易となる。
【0047】
このように、本実施形態の減容化システムによれば、回収対象物を確実に減容化して回収することができると共に、回収作業を更に効率的に行うことができる。
【0048】
なお、本実施形態の減容化システムにおいて、第1接続ホース51の長さを選択的に調整することで、必要な吸引力を先端吸引部10で確保することができる。
【0049】
次に、図3を参照して、図1の減容化システムの変更例について説明する。なお、同一構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0050】
図3では、先端吸引部11が手押し式のバキュームトップにより構成される。かかる先端吸引部11は、混合油エンジンにより駆動され、掘削深さが10〜50mmの掘削および掘削物の吸引が可能となる。
【0051】
このように、図3に示す本実施形態の減容化システムによれば、先端吸引部が交換可能に構成され、集塵装置30に加えて破砕物回収装置20を設けた場合には、先端吸引部10の吸引力が低下してしまうが、先端吸引部10を簡易的な手押し式のバキュームトップの先端吸引部11に交換可能にすることで、回収状況に応じて必要な吸引力を確保することができる。
【0052】
なお、この場合にも、第1接続ホースを選択的に調整することで必要な吸引力を確保することができる。
【0053】
次に、図3の更なる変更例について、図4を参照して説明する。なお、同一構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0054】
図4では、吸引装置41がエンジン式のブロワーバキュームにより構成される。かかる吸引装置41は、ガソリンエンジンが内蔵されており、−8.5kPaの吸引圧力でありながら、軽量コンパクトであるため(約120kg)、真空吸引機40A(約650kg)と発電機40B(約700kg)を持ち込めない作業現場にも対応可能となる。
【0055】
このように、図4に示す本実施形態の減容化システムによれば、先端吸引部に加えて吸引装置が交換可能に構成される。これにより、回収状況に応じて必要な吸引力を確保することができる。
【0056】
さらに、吸引装置の吸引能力に応じて第1接続ホース51の長さを調整することで、仮に、先端吸引部および吸引装置の組み合わせだけでは、必要な吸引力を確保できない場合にも、短い第1接続ホース51を用いることで必要な吸引力を確保することができる。
【0057】
このように、図4に示す本実施形態の減容化システムによれば、回収状況が変化しても回収対象物を確実に減容化して回収することができると共に、回収作業を効率的に行うことができる。
【0058】
なお、図4に示す本実施形態の減容化システムにおいて、第1接続ホース51として短いものを選択的に用いても必要な吸引力を確保できない場合には、図5に示すように、先端吸引部11を更に簡易的な先端吸引部12に変更すると共に、破砕物回収装置20を省略してもよい。
【0059】
この場合、先端吸引部12が刈払い式2連ヘッドバキュームトップにより構成される。かかる先端吸引部12は、混合油エンジンにより駆動され、掘削深さが10〜20mmの掘削および掘削物の吸引が可能となる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態の他の変更例によれば、回収状況が変化しても回収対象物を確実に減容化して回収することができると共に、回収作業を効率的に行うことができる。
【0061】
次に、減容化システムの別の実施形態について、図6を参照して説明する。図1図5の要素と同一の符号が付された要素は、これらが同一の要素であることを意味している。この減容化システムでは、図6に示すように、先端吸引部(図示していない)および収集部(集塵装置のみ図示)に吸引力を付与する吸引装置54と、収集部の集塵装置55とが1つの架台56に組み込まれている。
【0062】
先端吸引部としては、状況に応じて上述の先端吸引部10〜12のいずれかを使用することができる。収集部の破砕物回収装置としては、上述の破砕物回収装置20を使用することができる。図5の変更例のように、収集部の破砕物回収装置は無くてもよい。
【0063】
集塵装置55と吸引装置54との間は、第2接続ホース52で接続され、図示していない破砕物回収装置と集塵装置55との間は、ホース53で接続される。そして、吸引装置54の吸引力が、第2接続ホース52、ホース53等を介して先端吸引部に至るまで付与される。
【0064】
集塵装置55は、上蓋57で上端が閉塞される筒状の集塵装置本体58と、回収ボックスとしてのバケット59と、集塵装置本体58内の上部に配置されたHEPAフィルタ60と、集塵装置本体58の下部で集塵装置本体58内に連通し、接続ホース53が接続される集塵装置流入部61と、集塵装置本体58の上部で且つHEPAフィルタ60の下流側で集塵装置本体58内に連通し、第2接続ホース52が接続される集塵装置流出部62とを備える。バケット59には、内部を確認するための透明窓63が設けられる。
【0065】
架台56は、直方体形状を有しており、底板64と、該直方体における底板64以外の各辺を構成する複数の柱部65及び梁部66とで構成される。集塵装置本体58は、架台56の梁部66により支持される。架台56上部の四隅には、吊りフック67が設けられる。吊りフック67を介して集塵装置55および吸引装置54を架台56ごとクレーンで吊り上げることができる。
【0066】
バケット59は、底板64上でローラ68を介して支持される。バケット59の両側上端部には、U字状のレバー69の両側の端部が、固定機構70を介して回動し得るように連結される。
【0067】
すなわち、バケット59は、集塵装置本体58と連通する位置まで押し入れたとき、固定機構70で架台56に固定されるように構成される。このようにして固定されたバケット59は、レバー69を持って引くことにより、固定機構70による固定が自動的に解除され、架台56から引き出すことができる。
【0068】
集塵装置本体58は、その上部の上部集塵装置本体71と、その下の下部集塵装置本体72とで構成される。上部集塵装置本体71は、下部集塵装置本体72に対してヒンジ73を介して開閉し得るように取り付けられる。上部集塵装置本体71のヒンジ73と反対側には、閉じた状態にある上部集塵装置本体71を下部集塵装置本体72に固定する固定用ノブ74が設けられる。
【0069】
HEPAフィルタ60は、上部集塵装置本体71内に配置される。下部集塵装置本体72には、成形カートリッジタイプのフィルタ75と、フィルタ75に付着した塵埃をはたき落とすためのハタキレバー76が設けられる。
【0070】
吸引装置54は、モータ77で駆動されるブロア78と、吸引装置54を制御するための制御盤79とを備える。なお、制御盤79は、図6Aでは、二点鎖線で示されている。第2接続ホース52は、ブロア78の吸気側に接続される。ブロア78の排気側は、導管80及び排気サイレンサ81を介して排気口82に連結される。
【0071】
ブロア78及びモータ77は、架台56の底板64上に配置され、排気サイレンサ81及び制御盤79は、架台56の梁部66により支持される。ブロア78には真空破壊を防止するための真空安全弁83が設けられる。
【0072】
この構成において、収集対象物を収集するに際しては、塵埃を収集するためのポリ袋84がセットされたバケット59が、架台56内に装填され、集塵装置本体58との連通位置に固定される。その後、制御盤79の操作により、ブロア78が駆動される。
【0073】
これにより、図示していない先端吸引部から、破砕物回収装置、集塵装置55、吸引装置54を経て排気口82に到る吸引路が形成され、先端吸引部から、収集対象物が吸引される。なお、バケット59の底部と下部集塵装置本体72との間が均圧ホース85で接続されているので、ポリ袋84が吸引されることはない。
【0074】
先端吸引部で空気とともに吸引され、気流と一体化した収集対象物は、上述の図1図5の実施形態の場合と同様にして、破砕物回収装置において、嵩が大きいものや粒径の大きいものが、回収される。そして、残った粒径の比較的小さいものが、接続ホース53を介し、集塵装置流入部61から集塵装置55内に流入する。
【0075】
集塵装置55内に流入した粒径の小さい収集対象物は、そのうちでも比較的粒径の大きいものが、下部集塵装置本体72のフィルタ75により除去される。そして、さらに気流内に存在する粒径のより小さい粒子は、上部集塵装置本体71のHEPAフィルタ60により除去される。これにより、吸引された気流は、クリーンなものとなって、集塵装置流出部62から第2接続ホース52内に流出し、吸引装置54を経て排気口82から排出される。
【0076】
この間、フィルタ75を通過できなかった比較的粒径の大きい塵埃は、ポリ袋84内に落下する。落下せずにフィルタ75に付着した塵埃は、適宜の時点で吸引装置54の動作を一時的に停止してハタキレバー76を操作することにより、ポリ袋84内に払い落とされる。
【0077】
このようにしてポリ袋84内に溜まる塵埃については、適宜、バケット59の透明窓63を通して溜まり具合が観察される。塵埃が一定量溜まったことが確認されると、溜まった塵埃は、バケット59をレバー69により引き出して、ポリ袋84ごと回収される。
【0078】
また、適宜上蓋57を開けてHEPAフィルタ60が点検され、必要に応じて交換される。また、定期的に上部集塵装置本体71が開けられ、フィルタ75が交換される。
【0079】
本実施形態によれば、集塵装置55および吸引装置54を架台56に組み込んで一体化したので、上述の図1図3の実施形態による効果に加え、架台56ごとクレーンで吊り上げることができるという効果を奏する。したがって、減容化システムの搬送を容易に行うことができる。
【0080】
また、バケット59をローラ68で支持し、バケット59にレバー69を設けたので、架台56に対するバケット59の出し入れが容易となり、塵埃の回収を容易に行うことができる。また、バケット59に透明窓63を設けたので、ポリ袋84に溜まった塵埃の回収時期を容易に判断することができる。
【符号の説明】
【0081】
10,11,12…先端吸引部、20…破砕物回収装置、21…回収体、22…上蓋部、23…回収体流入部、24…回収体流出部、25…偏向板、30,55…集塵装置、31(31A,31B),58(71,72)…集塵装置本体、33,61…集塵装置流入部、34,62…集塵装置流出部、35,75…フィルタ、36…回収ボックス、40…吸引装置、51…第1接続ホース、52…第2接続ホース、53…接続ホース、60…HEPAフィルタ、X…フレキシブルコンテナバック(収集袋)。
【要約】
【課題】本発明は、刈払物および森林堆積物を含む収集対象物を減容化して収集する減容化システムを提供する。
【解決手段】
減容化システムは、先端吸引部10と、収集対象物を吸引空気と分離する収集部としての破砕物回収装置20および集塵装置30と、吸引装置40とを備える。破砕物回収装置30は、集塵装置30より大型の有底筒状の回収体21と、回収体21を閉蓋する上蓋部22とを備え、上蓋部22は、回収体21内に連通し第1接続ホース51が接続される回収体流入部23と、回収体21内に連通し接続ホース53が接続される回収体流出部24と、回収体流入部23に隣接して設けられ収集対象物を下方に偏向する偏向板25とを備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6