特許第5852321号(P5852321)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5852321
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】積層セラミックコンデンサ
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/12 20060101AFI20160114BHJP
   H01G 4/232 20060101ALI20160114BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20160114BHJP
【FI】
   H01G4/12 346
   H01G4/12 358
   H01G4/12 361
   H01G4/30 301A
   H01G4/30 301C
   H01G4/30 301E
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-90805(P2011-90805)
(22)【出願日】2011年4月15日
(65)【公開番号】特開2012-227197(P2012-227197A)
(43)【公開日】2012年11月15日
【審査請求日】2014年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078031
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 皓一
(72)【発明者】
【氏名】森戸 健太郎
【審査官】 田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−013259(JP,A)
【文献】 特開2001−217140(JP,A)
【文献】 特開2009−016796(JP,A)
【文献】 特開2011−009369(JP,A)
【文献】 特開2011−023707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/12
H01G 4/232
H01G 4/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック誘電体層と内部電極とが交互に積み重ねられた積層体ブロックと、前記積層体ブロックの上下に積み重ねられた一対のカバー層と、前記積層体ブロックおよび前記一対のカバー層の両側面に形成されたセラミック体と、前記内部電極と電気的に接続する一対の外部電極とを有する積層セラミックコンデンサにおいて、前記内部電極の側面側端部と前記セラミック体との間に空間部が形成されており、前記内部電極層が導電体材料としてニッケルを含み、前記セラミック体に含まれるマグネシウム含有量が前記セラミック誘電体層に含まれるマグネシウム含有量よりも高くなるよう構成されていることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
【請求項2】
前記セラミック体が1原子%ないし2原子%のマグネシウムを含み、前記セラミック誘電体層が0.8原子%のマグネシウムを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項3】
前記空間部が、前記内部電極層の厚さの0.5ないし1.5倍の厚さを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項4】
前記空間部が、前記内部電極層の厚さの0.9ないし1.1倍の幅を有していることを特徴とする請求項3に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項5】
前記空間部が1ないし10μmの幅を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックコンデンサに関するものであり、さらに詳細には、クラックの発生を効果的に防止することができる積層セラミックコンデンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層セラミックコンデンサを作製する場合、通常は、セラミックグリーンシートを用意する工程と、このセラミックグリーンシート上に、所望のパターンで導電ペーストを印刷して、内部電極層を形成する工程と、内部電極層が形成されたセラミックグリーンシートを多数重ね合せて、圧着して、積層体ブロックを作製する工程と、作製された積層体ブロックを所定のサイズに切断して、未焼成チップを作製する工程と、未焼成チップを焼成して、チップ素体を得る工程と、チップ素体の両端面に導電ペーストを塗布して、焼け付けて外部電極を形成する工程と、外部電極上にニッケル、スズなどの金属をめっきする工程によって、積層セラミックコンデンサが作製される。
【0003】
しかしながら、このようにして、積層セラミックコンデンサを作製する場合に、隣り合った内部電極が互いに正確に対向するように、多数のセラミックグリーンシートを重ね合わせて、圧着することは困難であり、その結果、隣り合ったセラミックグリーンシート上の内部電極が正確に対向していないため、コンデンサの容量を十分に高くすることができないという問題があった。
【0004】
そこで、たとえば、特開2011−23707号公報(特許文献1)は、内部電極用の導電性ペーストを、略矩形形状のセラミックグリーンシートの少なくとも一辺の近傍を除く全面に印刷して、内部電極を形成し、内部電極が形成されたセラミックグリーンシートを多数積層して、積層体ブロックを生成し、積層体ブロックに高い圧力を加えて、圧着し、必要なサイズに切り取った後に、内部電極が露出している積層体ブロックの両側面に、サイドマージンと称される部分となるセラミック体を塗布などによって形成して、セラミックグリーンチップを作製し、セラミックグリーンチップに脱バインダ処理を施した後に、焼成することによって、積層セラミックコンデンサを製造する方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−23707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようにして、積層セラミックコンデンサを作製する場合には、内部電極の側面側端部の外側には、セラミック体が緻密に形成されている。そのため、たとえば、半田リフローによって、高温雰囲気下で、積層セラミックコンデンサを基板に実装する際に、内部電極を形成している金属の熱膨脹率とセラミック体の熱膨脹率とが異なることに起因して、発生する応力により、積層セラミックコンデンサにクラックが生じやすいという問題があった。
【0007】
特開2011−23707号公報(特許文献1)に開示された方法に限らず、公知の方法によって作製された積層セラミックコンデンサの場合も同様の問題があった。
【0008】
したがって、本発明は、クラックの発生を効果的に防止することができる積層セラミックコンデンサを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のかかる目的は、セラミック誘電体層と内部電極とが交互に積み重ねられた積層体ブロックと、前記積層体ブロックの上下に積み重ねられた一対のカバー層と、前記積層体ブロックおよび前記一対のカバー層の両側面に形成されたセラミック体と、前記内部電極と電気的に接続する一対の外部電極とを有する積層セラミックコンデンサにおいて、前記内部電極の側面側端部と前記セラミック体との間に空間部が形成されており、前記内部電極層が導電体材料としてニッケルを含み、前記セラミック体に含まれるマグネシウム含有量が前記セラミック誘電体層に含まれるマグネシウム含有量よりも高くなるよう構成されていることを特徴とする積層セラミックコンデンサによって達成される。
【0010】
本発明によれば、内部電極を構成する金属の熱膨張係数と、内部電極の側面側端部の外側に位置するセラミック体の熱膨張係数が異なり、その結果、内部電極の膨脹収縮量とセラミック体の膨脹収縮量とが異なっていても、内部電極とセラミック体の膨張収縮量の差異が、内部電極の側面側端部とセラミック体との間に形成された空間部によって吸収されるから、半田リフロー時のように、積層セラミックコンデンサが高温雰囲気に晒されても、積層セラミックコンデンサにクラックが発生することを効果的に防止することが可能になる。
【0011】
本発明において、内部電極の側面側端部は、酸化物であっても、金属であってもよく、二次相であってもよい。
【0012】
また、本発明によれば、内部電極の側面側端部とセラミック体との間に空間部が形成されているから、内部電極を構成する金属が酸化された結果、その体積が増大しても、隣り合った内部電極層の間が短絡することも効果的に防止することができる。
【0013】
本発明の好ましい実施態様によれば、内部電極の側面側端部の外側に、所望の形状とサイズを有する空間部を形成することが可能になる。
【0014】
本発明において、内部電極は、好ましくは、ニッケル、ニッケル合金あるいはこれらの混合物を導電体材料として含んでいる。
【0015】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記内部電極層が導電体材料としてニッケルを含み、前記セラミック体に含まれるマグネシウム含有量が前記セラミック誘電体層に含まれるマグネシウム含有量よりも高くなるよう構成されている。
【0016】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記セラミック体が1原子%ないし2原子%のマグネシウムを含み、前記セラミック誘電体層が0.8原子%のマグネシウムを含んでいる。
【0017】
本発明において、好ましくは、空間部が、内部電極層の厚さの0.5ないし1.5倍の幅を有し、さらに好ましくは、内部電極層の幅の0.9ないし1.1倍の厚さを有している。
【0018】
本発明において、好ましくは、空間部が1ないし10μmの幅を有している。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、クラックの発生を効果的に防止することができる積層セラミックコンデンサを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の第一の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの略斜視図である。
図2図2は、図1に示された本発明の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサのA−A線に沿った略縦断面図である。
図3図3は、図1に示された本発明の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサのB−B線に沿った略横断面図である。
図4図4は、図1に示された本発明の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の端部近傍を示す略断面図である。
図5図5は、参考例にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の端部近傍を示す略断面図である。
図6図6は、図5に示される参考例にかかる積層セラミックコンデンサの製造プロセスにおいて、セラミックグリーンシートとセラミックグリーンシート上に形成された内部電極層を示す略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の第一の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサの略斜視図であり、図2は、図1に示された積層セラミックコンデンサのA−A線に沿った略縦断面図、図3図1に示された積層セラミックコンデンサのB−B線に沿った略縦断面図である。
【0022】
図1ないし図3に示されるように、積層セラミックコンデンサ1は、セラミック誘電体層2と内部電極層3とが交互に積み重ねられた積層体ブロック4と、積層体ブロック4の上下に積み重ねられた一対のカバー層5、5と、積層体ブロックの両側面に形成されたサイドマージンと称されるセラミック体6と、内部電極層3と電気的に接続する一対の外部電極7、7とを備えている。
【0023】
図3に示されるように、積層セラミックコンデンサ1の横方向に延びる内部電極層3は、積層セラミックコンデンサ1の側面4a、4bに露出しておらず、内部電極層3の側面側端部と積層セラミックコンデンサ1の側面4a、4bの間には、セラミック体6が存在している。
【0024】
図4は、図1に示された本発明の好ましい実施態様にかかる積層セラミックコンデンサ1の内部電極層3の端部近傍を示す略断面図である。
【0025】
図4に示されるように、内部電極層3の側面側端部3aと、容量部4の端面4a、4bの間には、セラミック体6が存在しているが、本実施態様にかかる積層セラミックコンデンサ1においては、積層体ブロック4に設けられた多数の内部電極層3の各々の側面側端部3aとセラミック体6との間にそれぞれ空間部8が形成されている。
【0026】
セラミック体6に形成された空間部8は、たとえば、略半円状の断面を有している。
【0027】
かかる構成の積層セラミックコンデンサ1は、たとえば、以下にようにして作製することができる。
【0028】
まず、セラミック誘電体層となるセラミックグリーンシートと、内部電極形成用の導電性ペーストと、外部電極形成用の導電性ペースト、セラミック体6形成用の誘電性ペーストとが用意される。セラミックグリーンシートや誘電体ペーストに用いられる誘電体材料としては、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムやジルコン酸カルシウム等が挙げられる。また、誘電体ペーストや導電性ペーストには、バインダや溶剤が含まれている。バインダや溶剤としては、公知のバインダや溶剤を用いることができる。内部電極形成用の導電性ペーストや外部電極形成用の導電性ペーストに用いられる導電性材料としては、Ni、Cu、Ag等が用いられ、特にNi、Cuが好適に用いられる。外部電極形成用の導電性ペーストは、ガラス成分を含んでいてもよい。
【0029】
本実施態様においては、セラミックグリーンシートのバインダ、内部電極形成用の導電性ペーストのバインダおよびセラミック体6形成用の誘電性ペーストのバインダのうち、セラミック体6形成用の誘電性ペーストのバインダが最も低温から分解が開始されるように、それぞれのバインダを選択する。
【0030】
次いで、セラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷法などの公知の印刷法により、内部電極形成用の導電性ペーストを塗布し、内部電極層3となるパターンが形成される。
【0031】
次いで、内部電極層3となるパターンが形成されていない多数のセラミックグリーンシートを下側のカバー層として積層し、その上に、パターンが形成された多数のセラミックグリーンシートを積層し、さらに、その上に、パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを複数積層して上側のカバー層とすることにより未焼成のマザー積層体を形成する。次いで、静水圧プレスなどにより未焼成のマザー積層体をプレスして、圧着させる。
【0032】
次いで、未焼成のマザー積層体を所定のサイズにカットし、未焼成のセラミック積層体を形成する。
【0033】
さらに、セラミック積層体の側面に、誘電体ペーストを塗布して、セラミック体6を形成する。
【0034】
このように作製された未焼成のセラミック積層体に対して、脱バインダ処理を行う。
【0035】
セラミック積層体の脱バインダ処理に際しては、セラミック積層体にクラックやデラミネーションが発生しない範囲で、昇温速度を増大させる。
【0036】
脱バインダ処理の後、1200℃前後で焼成を行う。なお、内部電極がNiなどの卑金属の場合は、還元雰囲気中で焼成を行う。
【0037】
焼成後、内部電極が露出している端面に外部電極形成用の導電性ペーストを塗布して、焼付を行い、外部電極を形成する。外部電極には必要に応じてメッキが施される。
【0038】
ここで、上記の脱バインダ処理に際して、セラミックグリーンシートのバインダ、内部電極用の導電性ペーストのバインダおよびセラミック体6形成用の誘電性ペーストのバインダのうち、セラミック体6形成用の誘電性ペーストのバインダが最も低温から分解が開始されるように、それぞれのバインダを選択しているため、それぞれの材料の膨脹収縮挙動の違いによって、内部電極層3の側面側端部3aの外側に、略半円状の断面を有する空間部8が形成される。
【0039】
以上のように構成された本実施態様にかかる積層セラミックコンデンサ1は、たとえば、半田リフローによって、積層セラミックコンデンサ1を基板に実装する際に、数分間にわたって、高温雰囲気下に置かれる。これにより、積層セラミックコンデンサ1は、例えば275℃を超える高温環境下に置かれるため、積層セラミックコンデンサ1に熱衝撃が加わることがある。しかし、内部電極層3の側面側端部3aとセラミック体6との間に略半円状の断面を有する空間部8が形成されているため、内部電極層3を構成する金属の熱膨張率と、セラミック体6の熱膨張率の違いに起因する応力が発生しても、その応力を緩和して、積層セラミックコンデンサ1にクラックが発生することを効果的に防止することが可能になる。
【0040】
図5は、参考例にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極層の端部近傍を示す略断面図である。
【0041】
図5に示されるように、参考例にかかる積層セラミックコンデンサは、セラミック誘電体層12とニッケルを含む内部電極層13が交互に積層されて形成された積層体ブロック14と、積層体ブロック14の上下に積み重ねられた一対のカバー層15、15と、積層体ブロック14の両側面に形成されたサイドマージンと称されるセラミック体16と、内部電極層13と電気的に接続する一対の外部電極(図示せず)とを備えている。
【0042】
図5に示されるように、内部電極層13の側面側端部13aの近傍には、ニッケルがマグネシウムを吸収して形成された(Ni,Mg)Oの組成を有する内部電極層13の中間部分13bが形成されている。
【0043】
セラミック体16には、内部電極層13の中間部分13bに対向する空間部18が形成されている。ここに、セラミック体16には、セラミック誘電体層12に比して、マグネシウムが過剰に含まれている。
【0044】
図6は、図5に示される積層セラミックコンデンサの製造プロセスにおいて、セラミックグリーンシート12とセラミックグリーンシート12上に形成された内部電極層13の略断面図である。
【0045】
図6に示されるように、セラミックグリーンシート12の表面には、ニッケルを含む導電体ペーストが印刷されて、ニッケルを含む内部電極層13が形成されている。一方、内部電極層13が形成されていないセラミックグリーンシート12の表面には、内部電極層13の厚みによる段差を緩和するために、内部電極層13のパターンと相補的なパターンで段差緩和層19が形成されている。
【0046】
段差緩和層19には、1原子%ないし2原子%の酸化マグネシウムを含んでいる誘電体材料が用いられている。
【0047】
一方、セラミックグリーンシート12を形成する誘電体材料には、段差緩和層19に含まれている酸化マグネシウムの含有量よりも少ない約0.8原子%以下の酸化マグネシウムが含まれている。
【0048】
参考例においては、それぞれが、図7に示されるような構成を有する内部電極層13が形成された多数のセラミックグリーンシート12を積層して、カバー層15、15およびセラミック体16を有する積層体ブロック14を形成する。この積層体ブロック14を焼成すると、酸化マグネシウムはニッケルに吸収されやすいため、セラミック体16を構成する段差緩和層19に含まれている酸化マグネシウムが内部電極13に吸収される。そしてセラミック体16と内部電極13との間の領域には、マグネシウムが吸収された痕跡としての空間部18が形成される。ここで、セラミックグリーンシート12も酸化マグネシウムを含有しているが、段差緩和層19に含まれている酸化マグネシウムの含有量よりも酸化マグネシウムの含有量が少ないため、段差緩和層19に含まれている酸化マグネシウムが選択的に内部電極層13に吸収され、内部電極層13の側面側端部13aの外側に、空間部18が形成される。
【0049】
このように構成された本参考例にかかる積層セラミックコンデンサは、たとえば、半田リフローによって、積層セラミックコンデンサを基板に実装する際に、数分間にわたって、高温雰囲気下に置かれる。これにより、積層セラミックコンデンサは、例えば275℃を超える高温環境下に置かれるため、積層セラミックコンデンサに熱衝撃が加わることがある。しかし、内部電極層13の側面側端部13aの外側には、セラミック体16に形成された空間部18が対向している。そのため、内部電極層13を構成する金属の熱膨張率と、セラミック体16の熱膨張率の違いに起因して発生する応力が効果的に緩和される。したがって、積層セラミックコンデンサにクラックが発生することを効果的に防止することが可能になる。
【0050】
さらに、本参考例によれば、セラミックグリーンシート12の表面上に形成された内部電極層13のパターンと相補的なパターンで、セラミックグリーンシート12上に段差緩和層19が形成されているから、内部電極層13の表面と、内部電極層が形成されていないセラミックグリーンシートの表面との間に、段差が形成されることを防止することができ、したがって、内部電極層13が表面に形成されたセラミックグリーンシート12を積層して、作製された積層セラミックコンデンサが変形を起こすことを効果的に防止することが可能になるとともに、デラミネーションの発生を効果的に防止することが可能になる。
【0051】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0052】
たとえば、前記第一の実施態様において、セラミック体6に含まれる酸化マグネシウムの含有量をセラミック誘電体層2に含まれる酸化マグネシウムの含有量よりも多くしてもよい。
【0053】
また、前記参考例において、段差緩和層19を形成するためのバインダが最も低温から分解が開始されるように、バインダを選択してもよい。
【0054】
さらに、前記第一の実施態様において、セラミック積層体の焼成後に導電性ペーストを塗布して焼き付ける方法で外部電極を形成していたが、未焼成のセラミック積層体に導電性ペーストを塗布して、セラミック積層体の焼成と同時に外部電極の形成を行ってもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 積層セラミックコンデンサ
2 セラミック誘電体層
3 内部電極層
3a 内部電極層の側面側端部
4 積層体ブロック
5 カバー層
6 セラミック体
7 外部電極
8 空間部
11 積層セラミックコンデンサ
12 セラミック誘電体層(セラミックグリーンシート)
13 内部電極層
13a 内部電極層の側面端部
13b 内部電極層の中間部分
14 積層体ブロック
16 セラミック体
19 段差緩和層

図1
図2
図3
図4
図5
図6