特許第5852327号(P5852327)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5852327
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】シートスライドロック装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/08 20060101AFI20160114BHJP
【FI】
   B60N2/08
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2011-118946(P2011-118946)
(22)【出願日】2011年5月27日
(65)【公開番号】特開2012-245874(P2012-245874A)
(43)【公開日】2012年12月13日
【審査請求日】2014年4月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109738
【氏名又は名称】デルタ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100097054
【弁理士】
【氏名又は名称】麻野 義夫
(72)【発明者】
【氏名】若山 浩之
(72)【発明者】
【氏名】堂本 康仁
【審査官】 佐々木 一浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−079370(JP,A)
【文献】 特開平07−205694(JP,A)
【文献】 米国特許第05913947(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0308704(US,A1)
【文献】 特開2010−100169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に固定された長尺状のロアレールとシートに固定された長尺状のアッパーレールとのいずれか一方に長手方向に沿って設けられた複数の開口係止部と、保持用孔に挿通されるようにして前記開口係止部に出入り可能に前記いずれか他方に設けられた複数のロック片とを備えたシートスライドロック装置であって、
前記ロック片は、夫々、幅広挿通部を有する第1ロック片と、前記幅広挿通部よりも幅狭な幅狭挿通部を有する第2ロック片とを備え、
前記第1ロック片と第2ロック片とは、夫々の厚さ方向を前記他方の長手方向に沿わせるようにして1列状に並べられ、
前記保持用孔は、前記幅広挿通部が挿通された幅広部と、前記幅狭挿通部が挿通され前記幅広部よりも幅狭に且つ前記幅広部と連通するように形成された幅狭部とを備え、
前記幅広部は、前記シートから前記ロック片に力がかかると、当該幅広部に挿通された幅広挿通部を当該幅広部における内周壁と当接させて受けることができるように形成されていることを特徴とするシートスライドロック装置。
【請求項2】
前記ロック片は、第2保持用孔を有する保持部材に保持され、
前記保持部材は、前記第2保持用孔にロック片を挿通した状態で前記いずれか他方に取り付けられ、
前記いずれか他方には、前記保持部材に保持されたロック片が挿通された第1保持用孔が設けられ、
前記保持用孔は、前記第1保持用孔と第2保持用孔とから構成され、
前記第1ロック片及び第2ロック片は、夫々、前記第1保持用孔に挿通される第1挿通部と、前記第2保持用孔に挿通される第2挿通部とを備え、
前記第1ロック片の幅広挿通部と第2ロック片の幅狭挿通部とは、夫々、前記第1挿通部と第2挿通部との少なくとも一方から構成され、
前記幅広部及び幅狭部は、前記幅広挿通部と幅狭挿通部とが挿通された第1保持用孔と第2保持用孔との少なくとも一方に形成されていることを特徴とする請求項1記載のシートスライドロック装置。
【請求項3】
前記ロック片は、少なくとも2つの第1ロック片と少なくとも2つの第2ロック片を備え、
前記第1ロック片と第2ロック片とは、夫々、同じ厚さのものから構成されているとともに、前記第1ロック片夫々が第2ロック片と隣接するように配設され、
前記幅広部は、前記第1ロック片の幅広挿通部に対応する位置に、前記幅狭部は、前記第2ロック片の幅狭挿通部に対応する位置に、夫々、配設され、
前記開口係止部は、夫々、前記長手方向に沿う方向の長さが前記第1ロック片及び第2ロック片夫々が入り込み得るようにそれらの夫々の厚さと同一に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のシートスライドロック装置。
【請求項4】
前記ロック片は、少なくとも2つの第1ロック片と少なくとも2つの第2ロック片を備え、
前記第1ロック片と第2ロック片とは、夫々、同じ厚さのものから構成されているとともに、前記第1ロック片夫々が第2ロック片と隣接するように配設され、
前記幅広部は、前記第1ロック片の幅広挿通部に対応する位置に、前記幅狭部は、前記第2ロック片の幅狭挿通部に対応する位置に、夫々、配設され、
前記開口係止部は、複数の第1開口係止部と、複数の第2開口係止部とを備え、
前記第1開口係止部は、夫々、前記長手方向に沿う方向の長さが前記第1ロック片及び第2ロック片夫々が入り込み得るようにそれらの夫々の厚さと同一に形成され、
前記第2開口係止部は、夫々、前記長手方向に沿う方向の長さが前記第1ロック片及び第2ロック片が同時に2つ、入り込み得るように形成されているとともに、前記第1開口係止部と前記一方の長手方向に沿って交互に配設されていることを特徴とする請求項1又は2記載のシートスライドロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートスライドロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車体に固定された長尺状のロアレールとシートに固定された長尺状のアッパーレールとのいずれか一方に長手方向に沿って設けられた複数の開口係止部と、前記いずれか他方に、保持用孔に通されるようにして前記開口係止部に出入り可能に保持されたロック片とを備えたシートスライドロック装置が知られている。このシートスライドロック装置として、例えば特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
この特許文献1に開示のものは、図18図19に示すように幅W5及び厚さt5を同一に形成した5つのロック片111が保持部材110によってアッパーレール100に保持されている。この状態で、5つのロック片111は、アッパーレール100に設けられた第1保持用孔100a及び保持部材110に設けられた第2保持用孔110a夫々に上下方向移動可能に挿通されている。そして、ロアレール101に対するアッパーレール100の移動に際してロック片111がロアレール101に設けられた開口係止部としてのロック孔101aにバネの付勢力によって入り込んで係止し、これにより、ロアレール101に対してアッパーレール100を移動不能にロックするようにしたものである。
【0004】
又、このようなシートスライドロック装置において、上述のような第1保持用孔100a及び第2保持用孔110aは、図19に示すように5つのロック片111が同時に入る大きさの四角形状に形成される場合が多い(図では、第2保持用孔110aを示している)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−100169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、5つのロック片111が合わさった合計の厚さt6は、各ロック片111の厚さt5に製作公差があるためにそれらの製作公差が合わさってばらつきが生じる場合がある。そのため、第2保持用孔110aの長さL5と上記合計の厚さt6とに大きな差が出るおそれがあり、例えば第2保持用孔110aの長さL5に対して上記合計の厚さt6が小さくなって、両者間に相当の隙間120が生じるおそれがある。このように隙間120が大きい場合には、ロック片111がロック孔101aに入ったロック状態において、ロック片111がアッパーレール100に対してがたついてしまうという問題点がある。
【0007】
本発明は、複数のロック片の製作公差に係らずにロック状態におけるアッパーレールとロアレールとのがたつきを抑えることのできるシートスライドロック装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、車体に固定された長尺状のロアレールとシートに固定された長尺状のアッパーレールとのいずれか一方に長手方向に沿って設けられた複数の開口係止部と、保持用孔に挿通されるようにして前記開口係止部に出入り可能に前記いずれか他方に設けられた複数のロック片とを備えたシートスライドロック装置であって、前記ロック片は、夫々、幅広挿通部を有する第1ロック片と、前記幅広挿通部よりも幅狭な幅狭挿通部を有する第2ロック片とを備え、前記第1ロック片と第2ロック片とは、夫々の厚さ方向を前記他方の長手方向に沿わせるようにして1列状に並べられ、前記保持用孔は、前記幅広挿通部が挿通された幅広部と、前記幅狭挿通部が挿通され前記幅広部よりも幅狭に且つ前記幅広部と連通するように形成された幅狭部とを備え、前記幅広部は、前記シートから前記ロック片に力がかかると、当該幅広部に挿通された幅広挿通部を当該幅広部における内周壁と当接させて受けることができるように形成されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、保持用孔の幅広部の長さと第1ロック片の幅広挿通部の厚さとの差により生じる隙間は、幅広部と1つ又は複数の第1ロック片の幅広挿通部の厚さの略製作公差に依存するため、当該隙間を小さく抑えることができる。従って、ロック状態において、シートから力がかかると、第1ロック片の幅広挿通部を保持用孔の幅広部における内周壁と即座に当接させて受けることができ、アッパーレールとロアレールとのがたつきを抑えることができる。
【0010】
他の一態様では、前述のシートスライドロック装置において、前記ロック片は、第2保持用孔を有する保持部材に保持され、前記保持部材は、前記第2保持用孔にロック片を挿通した状態で前記いずれか他方に取り付けられ、前記いずれか他方には、前記保持部材に保持されたロック片が挿通された第1保持用孔が設けられ、前記保持用孔は、前記第1保持用孔と第2保持用孔とから構成され、前記第1ロック片及び第2ロック片は、夫々、前記第1保持用孔に挿通される第1挿通部と、前記第2保持用孔に挿通される第2挿通部とを備え、前記第1ロック片の幅広挿通部と第2ロック片の幅狭挿通部とは、夫々、前記第1挿通部と第2挿通部との少なくとも一方から構成され、前記幅広部及び幅狭部は、前記幅広挿通部と幅狭挿通部とが挿通された第1保持用孔と第2保持用孔との少なくとも一方に形成されていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、幅広部及び幅狭部を、幅広挿通部と幅狭挿通部とが形成された第1保持用孔と第2保持用孔との少なくとも一方に形成すればよいものにでき、幅広部、幅狭部の形成、及び幅広挿通部、幅狭挿通部の形成を容易且つ低コストなものにできる。
【0012】
他の一態様では、前述のシートスライドロック装置において、前記ロック片は、少なくとも2つの第1ロック片と少なくとも2つの第2ロック片を備え、前記第1ロック片と第2ロック片とは、夫々、同じ厚さのものから構成されているとともに、前記第1ロック片夫々が第2ロック片と隣接するように配設され、前記幅広部は、前記第1ロック片の幅広挿通部に対応する位置に、前記幅狭部は、前記第2ロック片の幅狭挿通部に対応する位置に、夫々、配設され、前記開口係止部は、夫々、前記長手方向に沿う方向の長さが前記第1ロック片及び第2ロック片夫々が入り込み得るようにそれらの夫々の厚さと同一に形成されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、常に、少なくとも第1ロック片の1つを幅広部に入った状態でロック状態にすることも可能になる。従って、ロック状態において、シートから力がかかると、第1ロック片の幅広挿通部を保持用孔の幅広部における内周壁と即座に当接させて受けることができ、アッパーレールとロアレールとのがたつきを抑えることができる。
【0014】
他の一態様では、前述のシートスライドロック装置において、前記ロック片は、少なくとも2つの第1ロック片と少なくとも2つの第2ロック片を備え、前記第1ロック片と第2ロック片とは、夫々、同じ厚さのものから構成されているとともに、前記第1ロック片夫々が第2ロック片と隣接するように配設され、前記幅広部は、前記第1ロック片の幅広挿通部に対応する位置に、前記幅狭部は、前記第2ロック片の幅狭挿通部に対応する位置に、夫々、配設され、前記開口係止部は、複数の第1開口係止部と、複数の第2開口係止部とを備え、前記第1開口係止部は、夫々、前記長手方向に沿う方向の長さが前記第1ロック片及び第2ロック片夫々が入り込み得るようにそれらの夫々の厚さと同一に形成され、前記第2開口係止部は、夫々、前記長手方向に沿う方向の長さが前記第1ロック片及び第2ロック片が同時に2つ、入り込み得るように形成されているとともに、前記第1開口係止部と前記一方の長手方向に沿って交互に配設されていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、常に、少なくとも第1ロック片の1つを幅広部に入った状態でロック状態にすることも可能になる。従って、ロック状態において、シートから力がかかると、第1ロック片の幅広挿通部を保持用孔の幅広部における内周壁と即座に当接させて受けることができ、アッパーレールとロアレールとのがたつきを抑えることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数のロック片の製作公差に係らずにロック状態におけるアッパーレールとロアレールとのがたつきを抑えることのできるシートスライドロック装置を提供し得たものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のシートスライドロック装置の一実施形態の平面図である。
図2図1のシートスライドロック装置の側面図である。
図3】シートスライドロック装置の操作部材を省略した状態の左スライド部の側面図である。
図4図3の底面図である。
図5図3の拡大した背面図である。
図6図4のVI−VI線断面面図である。
図7図6のVII−VII線断面図である。
図8】ロック部材を取り付けたアッパーレールの側面図である。
図9図6のIX―IX断面図である。
図10図8のX−X線断面図である。
図11】ロック部材の分解斜視図である。
図12】アッパーレールとロアレールとをアンロック状態にした断面説明図である。
図13】第1保持用孔及び第1挿通部の他の実施形態の説明図である。
図14】第2保持用孔及び第2挿通部の他の実施形態の説明図である。
図15】第2保持用孔及び第2挿通部の更に他の実施形態の説明図である。
図16】他の実施形態のロック孔が設けられたロアレールの一部の底面図である。
図17】第2保持用孔及び第2挿通部の他のもう一つの実施形態の説明図である。
図18】従来例の要部の断面図である。
図19図18のXIX−XIX線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明のシートスライドロック装置の一実施形態の平面図、図2は、図1のシートスライドロック装置の側面図、図3は、シートスライドロック装置の操作部材を省略した状態の左スライド部の側面図、図4は、図3の底面図、図5は、図3の拡大した背面図である。尚、図1のX方向を前方側とし、Y方向を後方側として説明する。
【0019】
本発明のシートスライドロック装置は、アッパーレール2がロアレール1に対してスライドするのを適宜ロック及びアンロック(ロック解除)するもので、この実施形態では、車両としての自動車用のものとされており、図1図5に示すように、車両用シート、例えば運転者用シートの左下方側に配設される左スライド部10aと、運転者用シートの右下方側に配設される右スライド部10bとを備えている。
【0020】
これらの左スライド部10aと右スライド部10bとは、左右対称をなすように配設されている。以下、左スライド部10aについて説明し、右スライド部10bの説明を省略する。
【0021】
左スライド部10aは、図3図5に示すように、ロアレール1と、アッパーレール2と、ロック部材3と、ロック解除操作部材7とを備えている。
【0022】
ロアレール1は、長尺状のものから構成されており、その長手方向を自動車の前後方向に沿わすようにして自動車のフロアに固定される。このロアレール1は、図5に示すように互いに左右方向に距離を持って対向配置された第1壁としての左側壁11及び第2壁としての右側壁12と、それらの両側壁の下端側(基端側)を連結した第3壁としての底壁13とを備えている。
【0023】
この実施形態では、左側壁11と右側壁12とは、底壁13の左端縁、右端縁夫々から上方に折り曲げ成形されている。又、これらの左側壁11及び右側壁12は、夫々、上端から内側に折り返された折り返し片10を備えている。
【0024】
又、底壁13は、図4に示すように後述のロック部材3のロック片4a、4bを入り込ませるための複数の四角形状の開口係止部としてのロック孔14、15を備えている。また、この実施形態のロック孔は、複数の第1ロック孔14と、複数の第2ロック孔15との前後長さの異なる2種類のものから構成されている。
【0025】
これらの第1ロック孔14と第2ロック孔15とは、この実施形態では、底壁13の上面から下面に貫通するようにあけられた孔から構成されている。
【0026】
各第1ロック孔14の前後長さ及び左右幅は、後述の第1ロック片4aのロック爪部41の前後長さ及び左右幅と略同じに形成されており、ロック爪部41が第1ロック孔14夫々に出入りできるようになっている。
【0027】
各第2ロック孔15の左右の幅W10は、第1ロック孔14のそれと略同じであるが、前後の幅は、第1ロック孔14の前後長さの略2倍、即ち、後述の各ロック片4a、4bのロック爪部41の前後長さの略2倍に形成されており、第2ロック孔15夫々に、第1ロック片4aと第2ロック片4b又は2つの第2ロック片4b夫々のロック爪部41が同時に出入りできるようになっている。
【0028】
そして、第1ロック孔14と第2ロック孔15とは、底壁13の長手方向に沿って交互に並設されている。又、互いに隣り合う第1ロック孔14と第2ロック孔15との距離がその第1ロック孔14の前後長さと略同じに設定されている。
【0029】
アッパーレール2は、ロアレール1とほぼ同じ長さの長尺状のものから構成されており、自動車のシート(図示せず)に固定的に取り付けられてロアレール1の長手方向に沿ってスライド可能に配置される。そして、アッパーレール2がロアレール1をスライドすることにより、自動車のシートが前後方向に移動可能とされる。
【0030】
このアッパーレール2は、図5に示すように左右方向に距離を持って対向配置された第1壁としての左側壁21及び第2壁としての右側壁22と、それらの上端側(基端側)を連結した上壁23とを備えている。
【0031】
又、この実施形態では、左側壁21と右側壁22とは、上壁23の左右両端から下方に折り曲げ成形されているとともに、その下先端側から外側上方に折り曲げられた折り返し片26を備えている。
【0032】
又、左側壁21と右側壁22とは、図6に示すように、夫々、長手方向(前後方向)に距離をもって形成された前後一対の第1係止孔25を備えている。また、左側壁21と右側壁22とは、図5に示すように、夫々、その下方側に、第2係止孔27を備えている。
【0033】
上壁23は、第1保持用孔23aと、第1保持用孔23aの前後両側夫々に形成された前がたつき防止用孔23bと後がたつき防止用孔23cとを備えている。
【0034】
第1保持用孔23aは、図7に示すように、長方形状のものから構成されており、後述のロック片4a、4bの第1挿通部48が上下移動可能に挿通される。
【0035】
又、このアッパーレール2は、上記ロアレール1と同様に、その左側壁21と右側壁22と上壁23との少なくとも1つは(この実施形態では、全部)、弾性を有するものから構成されている。
【0036】
又、図5に示すようにアッパーレール2における左側壁21と右側壁22との間の下方側には、壁間開口部24が形成されている。そして、この壁間開口部24は、壁間開口部24の開口幅を広げるような外力がかかると、左側壁21と右側壁22と底壁23とが撓んでその開口幅が押し広げられ、その外力が除去されると、弾性によって元の幅に復元する。
【0037】
次に、ロック部材3について説明する。このロック部材3は、図11に示すように、複数のロック片4a、4bと、ロック片4a、4bを保持した保持部材とを備えている。
【0038】
ロック片4a、4bは、この実施形態では、2つの第1ロック片4aと、それらの第1ロック片4aの間に配設された3つの第2ロック片4bとから構成されている。第1ロック片4aは、夫々、厚さt1が同じものから構成されており、夫々は、下部側に、後述の保持部材の第2保持用孔66に上下移動可能に挿通される第2挿通部としての幅広挿通部46と、幅広挿通部46の下方側にロアレール1のロック孔14、15に出入りするロック爪部41とを備えている。
【0039】
ロック爪部41は、この実施形態では、下方側に漸次厚さが薄くなるテーパ部を備え、このテーパ部によって、ロアレール1のロック孔14、15に出入りし易いようになっている。
【0040】
又、第1ロック片4aは、その上部側には、上記アッパーレール2の第1保持用孔に上下移動可能に挿通される第1挿通部48と、その第1挿通部48の上方側に後述のロック解除操作部材に引き上げ操作される被操作部42とを備えている。
【0041】
第2ロック片4bは、保持部材の第2保持用孔66に上下移動可能に挿通される第2挿通部が、上記第1ロック片4aの第2挿通部としての幅広挿通部46よりも幅の狭い幅狭挿通部47から構成されている。第2ロック片4bのその他は、上記第1ロック片4aと同構成を採っている。
【0042】
このように構成された2つの第1ロック片4aと3つの第2ロック片4bとは、第2ロック片4bを第1ロック片4aの間に配設して第1ロック片4a夫々が第2ロック片4bと隣接するようにして、夫々の厚さ方向をアッパーレール2の長手方向に沿わすようにして1列状に並設される。
【0043】
保持部材は、ロック片4a、4bを上下移動可能に保持した保持枠5と、保持枠5を支持したブラケット6とを備えている。
【0044】
ブラケット6は、前後方向に距離を持って対向配置された前後一対の第1片61及び第2片62と、これらの下端側(基端側)を連結した連結片63とを備えている。この実施形態では、所定厚さの一枚の板状体の前後両側部を上方に折り曲げ成形することにより、第1片61、第2片62及び連結片63が形成されている。
【0045】
第1片61と第2片62とは、夫々、その左右の幅方向の両端に、左方向、右方向の夫々に突設された第1レール係止片65を備えている。
【0046】
これらの第1レール係止片65夫々の前後長さは、上記アッパーレール2の第1係止孔25の前後長さと同程度に設定されている。第1レール係止片65同士の距離は、アッパーレール2の第1係止孔25同士の距離と同程度に設定されており、第1レール係止片65が第1係止孔25夫々に入り込めるようになっている。
【0047】
又、第1片61と第2片62とは、図11に示すように、夫々、その先端側に、アッパーレール2に対する保持部材のがたつきを防止するための第1がたつき防止部64a、第2がたつき防止部64bを備えている。これらの第1及び第2がたつき防止部64a、64bは、それらの互いの前後の距離を小さく又は大きくする方向の外力がかかると、第1片61と第2片62と連結片63との少なくとも1つ(この実施形態では、全部)が撓んで(弾性に抗して)その距離が小さく又は大きくなる。そして、その外力が除去されると、がたつき防止部64a、64bは、弾性によって復元して元の距離に戻るように構成されている。
【0048】
この実施形態では、第1がたつき防止部64aと第2がたつき防止部64bとの前後方向の距離は、外力が付与されていない通常状態で、アッパーレール2の前がたつき防止用孔23bと後がたつき防止用孔23cとの距離(前がたつき防止用孔23bを区画形成した前内側面と後がたつき防止用孔23cを区画形成した後内側面との距離、図7に示す)より大きくなるように設定されている。
【0049】
そして、第1がたつき防止部64aと第2がたつき防止部64bとが、その前後の距離を小さくする方向の外力がかかると、第1片61と第2片62と連結片63とが弾性に抗して撓んでその距離を狭めてアッパーレール2の前がたつき防止用孔23b、後がたつき防止用孔23c夫々に入り込むようになっている。
【0050】
また、この実施形態では、第1がたつき防止部64aと第2がたつき防止部64bとには、夫々、先端側(上端側)に行くに従い、漸次互いの距離が小さくなるように形成された傾斜面からなる案内部64cが設けられている。この案内部64cによって、第1がたつき防止部64aと第2がたつき防止部64bとがアッパーレール2の前がたつき防止用孔23b、後がたつき防止用孔23c夫々に入る際に入り込み易いようになっている。
【0051】
連結片63は、ロック片4a、4bを下方に通す第2保持用孔66と、左右の幅方向の両端側の夫々に、幅方向に突設された第2レール係止片67とを備えている。
【0052】
第2保持用孔66は、図9に示すように、長手方向の両側の夫々に配設された幅広部66aと、幅広部66aの間に配設された幅狭部66bとから構成されている。幅広部66aは、夫々、第1ロック片4aの幅広挿通部46が挿通される部分で、その幅W3が幅広挿通部46の幅W1と同程度に形成され、長手方向に沿う前後方向の長さL1が幅広挿通部46の厚さt1と同程度に形成されている。
【0053】
幅狭部66bは、第2ロック片4bの幅狭挿通部47が挿通される部分で、その幅W4が幅狭挿通部47の幅W2と同程度に形成され、前後方向の長さが3つの幅狭挿通部47の合計の厚さと同程度に形成されている。
【0054】
第2レール係止片67は、この実施形態では、上記アッパーレール2の第2係止孔27(図10参照)に対応する位置に、第2係止孔27の前後長さと略同じ前後長さで形成されている。
【0055】
次に、保持部材の保持枠5について、図11に基づいて説明する。保持枠5は、筒部51を備え、この筒部51内に、第1ロック片4a及び第1ロック片4bが前後に並べられて上下移動可能に保持されている。
【0056】
又、この筒部51に保持された第1ロック片4a及び第1ロック片4bは、付勢部材としてのコイルバネ44によって、常時保持枠5に対して下方側に付勢されている。
【0057】
詳しくは、コイルバネ44は、ロック片4a、4bに設けられた第1バネ受け部45と、保持枠5に設けられた第2バネ受け部52との間に配設されている。そして、コイルバネ44の下端が、第1バネ受け部45に当接され、コイルバネ44の上端が第2バネ受け部52に当接されており、第1バネ受け部45がコイルバネ44の付勢力によって第2バネ受け部52に対して退行する方向の下方側に付勢されている。
【0058】
そして、この保持枠5は、前後両端夫々に設けられた支持片53が、上記ブラケット6の第1片61と第2片62との夫々に設けられた支持孔68に入れられるようにして第1片61と第2片62とに支持されている。
【0059】
以上のように構成されたロック部材3は、次のようにしてアッパーレール2に取り付けられている。
【0060】
ブラケット6の第1片61と第2片62との夫々の支持孔68に保持枠5の支持片53を入れて支持した状態で、第1片61と第2片62とを、アッパーレール2の壁間開口部24から押し入れる。
【0061】
これにより、図5に示すように、第1片61と第2片62との夫々における第1レール係止片65がアッパーレール2の壁間開口部24をアッパーレール2の弾性に抗して押し広げ、第1片61と第2片62とがアッパーレール2の左側壁21と右側壁22との間の上方側(奥)に入っていく。
【0062】
そして、第1片61の第1がたつき防止部64aの案内部64cがアッパーレール2の前がたつき防止用孔23bを区画した前内側壁に当接するとともに、第2片62の第2がたつき防止部64bの案内部64cが後がたつき防止用孔23cを区画した後内側壁に当接する。
【0063】
この状態から更に、第1片61及び第2片62が、アッパーレール2の上方側に押し入れられると、図12に示すように上記各案内部64cが上記前内側壁、後内側壁を滑り上がる。これにより、第1がたつき防止部64aと第2がたつき防止部64bとは、弾性に抗して互いの距離が小さくなり、前がたつき防止用孔23b、後がたつき防止用孔23c夫々に入り込む。
【0064】
その際、案内部64cによって第1がたつき防止部64aと第2がたつき防止部64bとを、容易に前がたつき防止用孔23b、後がたつき防止用孔23c夫々に入り込ませることができ、操作容易なものにできる。
【0065】
更に、第1片61及び第2片62が押し入れられていき、第1片61及び第2片62夫々の第1レール係止片65がアッパーレール2の左側壁21、右側壁22夫々の第1係止孔25に合致すると、図16(a)に示すように、それらに入り込む。第1レール係止片65が第1係止孔25に入り込むと、アッパーレール2の壁間開口部24が弾性によって復元しその開口幅が元の状態に戻る。
【0066】
これにより、第1片61及び第2片62のアッパーレール2に対する下方側への移動に際して第1レール係止片65が第1係止孔25を区画した下内側面に係止して第1係止孔25から抜け止めされる。
【0067】
又、第1レール係止片65とアッパーレール2の第1係止孔25とが合致するのと略同時期に、第2レール係止片67が、アッパーレール2の第2係止孔27に合致し、図15に示すように、上記アッパーレール2の復元に際して第2係止孔27に入り込む。
【0068】
この状態で、第1片61の第1がたつき防止部64aがアッパーレール2の前がたつき防止用孔23bを区画した前内側壁を弾性によって前方側に押圧すると同時に、第2がたつき防止部64bが後がたつき防止用孔23cを区画した後内側壁を弾性によって前方側に押圧し、ロック部材3とアッパーレール2との互いのがたつきがないものにできる。
【0069】
又、ロック部材3に、アッパーレール2に対する長手方向に沿う前後方向の力がかかったような場合には、第1レール係止片65が第1係止孔25を区画した前又は後内側面に当接することに加えて、第2レール係止片67が第2係止孔27を区画した前又は後内側面に当接する。
【0070】
従って、ロック部材3がアッパーレール2から外れるおそれの少ないものにでき、しかも、ブラケット6の変形を抑えることができ、両者の固定状態を維持できる。
【0071】
次に、ロック解除操作部材7について、説明する。ロック解除操作部材7は、ロック片4a、4bをロック解除操作するためのもので、図1図5に示すように、ロック片4a、4bを引き上げるロック片引上部材71と、ロック片引上部材71を付勢する引上部材用付勢バネ70と、ロック片引上部材71を可動操作する操作部材72とを備えている。
【0072】
ロック片引上部材71は、図10に示すようにその一端側に、ロック片4a、4bの被操作部42と係脱自在に係止するロック片係止部71aを備え、他端側に、操作部材72に押圧操作される押圧操作部71bを備えている。
【0073】
このロック片係止部71aは、図3に示すように、その前後方向の長さが5つのロック片4a、4b全体の前後方向の長さよりも長く設定されている。そして、このロック片係止部71aは、ロック片4a、4b夫々の被操作部42の下方位置に配置されている。
【0074】
又、ロック片引上部材71におけるロック片係止部71aと押圧操作部71bとの間には、図3図5に示すように、アッパーレール2に設けられた取付部材20に回動自在に軸支された軸支部71cが設けられている。
【0075】
そして、この軸支部71cによって、ロック片引上部材71は、押圧操作部71bが下方側に押し下げられるとロック片係止部71aが上方側に移動するようになっている。又、この上方側への移動に際してロック片係止部71aがロック片4a、4b夫々の被操作部42と係止してロック片4a、4b夫々を上方に引き上げる。
【0076】
引上部材用付勢バネ70は、一端側が取付部材20に係止され、他端側がロック片引上部材71における軸支部71cよりも右側の押圧操作部71b側の部分に取り付けられており、これにより、引上部材用付勢バネ70の付勢力によって、押圧操作部71bが常時上方側に付勢されている。
【0077】
操作部材72は、この実施形態では、図1図2に示すように、丸棒をほぼU字状に折り曲げ成形したものから構成されており、前端に把持部72aを備え、操作部材72の左右の後端には、夫々、左スライド部10a、右スライド部10bのロック片引上部材71の押圧操作部71bを押圧する押圧部72bを備えている。
【0078】
把持部72aは、図示しないシートの前端側の下方側に配置されるようになっており、シートに座った着座者が座った状態で把持部72aを把持できるようになっている。また、押圧部72bは、押圧操作部71bの上方側に配置されている。
【0079】
そして、この操作部材72は、この実施形態では、軸73を介して揺動自在に配置されている。詳しくは、アッパーレール2に軸73が保持されている。そして、操作部材72は、把持部72aと押圧部72bとの中間部がその軸73に回動自在に取り付けられてい
る。
【0080】
これにより、着座者によって把持部72aが上方側に引き上げられると、押圧部72bが下方側に移動して押圧操作部71bを下方側に押圧するようになっている。又、この実施形態の軸73は、操作部材用付勢バネ74によって付勢されており、把持部42aが手で上方側に引き上げられた後、その手が放されると、その操作部材用付勢バネ74によって、把持部72aが元の図2の状態にまで戻されるようになっている。
【0081】
次に、この実施形態の車両用シートスライドロック装置の動作について説明する。着座者によって、操作部材72の把持部72aが引き上げ操作されるとロック片引上部材71の押圧操作部42bが下方側に押圧される。
【0082】
これにより、図12に示すようにロック片引上部材71のロック片係止部71aが全部のロック片4a、4bの被操作部42と係止して全てのロック片4a、4bをコイルバネ44の付勢力に抗して上方に引き上げることができる。この状態で、全てのロック片4a、4bのロック爪部41がロック孔13、14から出た状態になる。
【0083】
又、この状態で、アッパーレール2は、ロアレール1に対してスライド可能状態になり、例えばシートが着座者によって前方側又は後方側に押圧されると、アッパーレール2がロアレール1に対して前方側又は後方側にスライドし、シートが前方側又は後方側に移動する。
【0084】
そして、シートが着座者によって前方側又は後方側の適宜位置に前後位置調整がされた後、把持されていた操作部材72から手が放されると、操作部材72が操作部材用付勢バネ74の付勢力によって元の状態に戻ると共に、任意な位置に配置されたロック片4a、4bがコイルバネ44によって下方側に付勢される。
【0085】
この付勢によって、5つのロック片4a、4bの内の3つが適宜第1ロック孔15及び第2ロック孔15に入り込んでアッパーレール2とロアレール1とがロック状態になってスライド不能状態になる(図6参照)。又、その際、2つの第1ロック片4aの内の少なくとも1つは、常時第1ロック孔14又は第2ロック孔15に入り込む。
【0086】
このロック状態において、アッパーレール2にロアレール1に対してスライドするような力がかかると、その力を、第1ロック孔14及び第2ロック孔15に入り込んだ第1ロック片4a等が受けてアッパーレール2の動きを止める。
【0087】
その際、ブラケット6の第2保持用孔66の幅広部66aの前後方向の長さと第1ロック片4aの幅広挿通部46の厚さとの差により生じる隙間は、幅広部66aと1つの第1ロック片4aの幅広挿通部46の厚さの略製作公差に依存するため、小さく抑えられている。従って、上記力がアッパーレール2にかかると、第1ロック片4aの幅広挿通部46がブラケット6の第2保持用孔66の幅広部66aにおける内周壁66aと当接してアッパーレール2を受けることができ、アッパーレール2の動きを抑えることができる。
【0088】
尚、上記実施形態では、アッパーレール2の第1保持用孔23aは、長方形状のものから構成されているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0089】
例えば図13に示すように、第1ロック片4aの第1挿通部を、幅広挿通部48aとし、第2ロック片4bの第1挿通部を、幅広挿通部48aよりも幅狭の幅狭挿通部48bとする。そして、第1保持用孔23aを、第1ロック片4aの幅広挿通部48aが挿通される幅広部23bと、幅広部23bの間に配設され幅狭挿通部48bの幅と同程度の幅狭部23cとから構成する。
【0090】
又、上記実施形態では、ロック片を、2つの第1ロック片4aと3つの第2ロック片4bとの5つから構成し、長手方向の両側に第1ロック片4aを夫々配設して第2ロック片4bをその間に配設し、常時、第1ロック片4aを少なくとも1つ、ロック孔に入れてロック状態にできるようにしたが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0091】
例えば図14に示すように3つの第1ロック片4aと2つの第2ロック片4bとを交互に配設して第1ロック片4a夫々を第2ロック片4bと隣接したものにする。そして、ブラケット6の第2保持用孔66の幅広部66aを、第1ロック片4aの幅広挿通部46に対応する位置に設け、幅狭部66bを、第2ロック片4bの幅狭挿通部47に対応する位置に設ける。
【0092】
このようにしても、常時、第1ロック片4aを少なくとも1つ、ロック孔に入れてロック状態にできる。
【0093】
又、上記実施形態では、5つのロック片から構成しているが、ロック片の数は、少なくとも1つの第1ロック片4aと少なくとも1つの第2ロック片4bとからなる2つ以上の複数から構成でき、適宜変更できる。
【0094】
例えば図15に示すように2つの第1ロック片4aと2つの第2ロック片4bとの合計4つから構成してもよい。又、その場合において、2つの第1ロック片4aの間に、2つの第2ロック片4bを配設して第1ロック片4a夫々を第2ロック片4bと隣接したものにするとともに、図16に示すようにロアレール1のロック孔140を、全部第1ロック片4a及び第2ロック片4bの夫々の厚さと同じに形成する。
【0095】
このように形成した場合でも、常時、第1ロック片4aを少なくとも1つ、ロック孔140に入れてロック状態にできる。
【0096】
又、上記のように、ロアレール1のロック孔140を、全部第1ロック片4a及び第2ロック片4bの夫々の厚さと同じに形成する場合、図17に示すように、ロック片を、2つの第1ロック片4aと3つの第2ロック片4bとの5つから構成し、2つの第2ロック片4bを、2つの第1ロック片4aの間に配設するようにしてもよい。この場合も、常時、第1ロック片4aを少なくとも1つ、ロック孔140に入れてロック状態にできる。
【符号の説明】
【0097】
1 ロアレール
2 アッパーレール
4a 第1ロック片
4b 第2ロック片
23a 第1保持用孔
41 ロック爪部
46 幅広挿通部
47 幅狭挿通部
66 第2保持用孔
66a 幅広部
66b 幅狭部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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