特許第5852335号(P5852335)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5852335
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】補助磁気抵抗シールド
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/39 20060101AFI20160114BHJP
【FI】
   G11B5/39
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-129858(P2011-129858)
(22)【出願日】2011年6月10日
(65)【公開番号】特開2012-3833(P2012-3833A)
(43)【公開日】2012年1月5日
【審査請求日】2011年9月22日
(31)【優先権主張番号】12/816,545
(32)【優先日】2010年6月16日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500373758
【氏名又は名称】シーゲイト テクノロジー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディミタール・ベリコフ・ディミトロフ
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ディオン
【審査官】 斎藤 眞
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−032383(JP,A)
【文献】 特開2008−112496(JP,A)
【文献】 米国特許第07035062(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 5/39
H01L 43/00−43/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気軸受面に沿って配置されるとともに、前記空気軸受面から第1の全長で延在する磁気抵抗再生素子と、
第1のシールドおよび第2のシールドとを備え、前記第1のおよび第2のシールドのそれぞれは、前記空気軸受面に沿って前記磁気抵抗再生素子の互いに対向する側に配置され、前記第1の全長よりも大きい第2の全長で前記空気軸受面から延在し、
さらに、
前記空気軸受面に沿って前記磁気抵抗再生素子と前記第1のシールドとの間に配置され、前記磁気再生素子の長さに沿って均一のバイアス磁場を与える第1の補助シールドと、
前記空気軸受面に沿って前記磁気抵抗再生素子と前記第2のシールドとの間に配置され、前記磁気再生素子の長さに沿って均一のバイアス磁場を与える第2の補助シールドと、
前記第1および第2のシールドの間、かつ前記磁気抵抗再生素子の背部に配置され前記第1および第2の補助シールドを部分的に磁気的に飽和させる磁石を備え、前記第1および第2の補助シールドは、前記第の全長よりも小さい第3の全長で前記空気軸受面から延在する、装置。
【請求項2】
前記第1および第2の補助シールドは、前記第1のおよび第2のシールドと同じ材料からなる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1および第2の補助シールドは、前記磁気抵抗再生素子の長さ方向に沿って延在する、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
データ記憶システムは一般に、記憶媒体に情報を書込みかつ記憶媒体から情報を読出す記録ヘッドを有する。記録媒体から情報を読出す1つの方法は、磁気抵抗トランスデューサを利用する。磁化された記録媒体がその下で回転すると、電流が磁気抵抗トランスデューサを流される。磁気抵抗トランスデューサの電気抵抗と、したがってトランスデューサの両端電圧とは、記録媒体磁化の変化に応じて変化する。相応して、記録媒体に書込まれた情報を取出すことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
概要
一実施例において、装置は、磁気抵抗再生素子と、第1のおよび第2の主シールドと、補助シールドとを含む。磁気抵抗再生素子は、第1のおよび第2の主シールドの間に配置され、補助シールドは、磁気抵抗再生素子と第1のシールドとの間に配置される。別の実施例では、装置は、磁気抵抗再生素子のための複数のシールドの間に配置される複数の磁石を含む。複数の磁石は、磁気抵抗再生素子から任意にずらされる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】データ記憶システムの斜視図である。
図2】一実施例に係る記録媒体に書込む記録ヘッドの断面の概略図である。
図3A】一実施例に係る三層再生素子の横断面図である。
図3B】一実施例に係るABS(Air Bearing Surface)側からの図3Aの再生素子の図である。
図4A】一実施例に係る三層再生素子の動作を例示する図である。
図4B】一実施例に係る三層再生素子の動作を例示する図である。
図4C】一実施例に係る三層再生素子の動作を例示する図である。
図4D】一実施例に係る三層再生素子の動作を例示する図である。
図5】一実施例に係る補助磁気抵抗トランスデューサシールドとずらされた磁石とを有する再生素子の横断面図である。
図6】一実施例に係る長さが短縮された補助磁気抵抗トランスデューサシールドを有する再生素子の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
詳細な説明
図1は、ハードディスクドライブ100の斜視図である。ハードディスクドライブは、一般的な種類のデータ記憶システムである。本開示の実施例はディスクドライブに関して説明されるが、他の種類のデータ記憶システム(たとえばソリッドステートまたは光学データ記憶システム)も本開示の範囲内にあると考えられるべきである。ディスクドライブ100は筐体105を含む。ディスクドライブ100は、さらにディスクまたは記憶媒体110を含む。当業者であれば、ディスクドライブ100は単一のディスクまたは複数のディスクを含むことができることが分かるであろう。媒体110は、中心軸を中心とする媒体の回転を容易にするスピンドルモータアセンブリ115上に載置される。例示的な回転方向が矢印117によって示される。各ディスク面は、ディスクの表面と通じるための記録ヘッドを担持する、対応付けられたスライダ120を有する。各スライダ120は、ヘッドジンバルアセンブリ125によって支持され、さらにアクチュエータアーム130に取付られる。各アクチュエータアーム130は、ボイスコイルモータアセンブリ140によってシャフトを中心にして回転される。ボイスコイルモータアセンブリ140がアクチュエータアーム130を回転させると、スライダ120は、ディスク内径145とディスク外径150との間の経路を移動する。媒体110は、ディスク内径145とディスク外径150との間に多数の同心の記録トラックを例示的に含む。
【0005】
図2は、記憶媒体260に書込む記録ヘッド200の断面の概略図である。記録ヘッド200は、例示的に図1のスライダ120などのスライダによって担持され、媒体260は、例示的に図1の媒体110などの記憶媒体である。図2は、記録ヘッドの一部の構成要素の断面図のみを示す簡略化した図である。当業者であれば、記録ヘッドは一般に、限定はしないが、絶縁材料および追加的な電気接続点といった他の構成要素を含むことが分かるであろう。
【0006】
ヘッド200は、記録素子202、再生素子204およびメインボディ206を含む。単純化のために、メインボディ206の一部分のみが図に示される。当業者であれば、メインボディ206が、「浮上高(fly height)」またはヘッド200と媒体260との間のヘッド−媒体間間隔を制御するのを支援するABSを例示的に含むことが分かるであろう。
【0007】
記録素子202は、記録磁極208、ヨーク210、磁化コイル212、第1のリターン磁極214、第2のリターン磁極216、およびビア218を含む。記録媒体260は、記録層262、下地層264および基板266を含む。記録層262は例示的に、磁化パターンを記憶することが可能な硬磁性層であり、下地層264は例示的に、磁束を通過させる軟磁性材料である。矢印217は例示的に、図1の矢印117などの回転の方向であり、媒体260は、矢印217によって示される方向に任意に回転する。
【0008】
一実施例では、コイル212に電流を流し、磁束220を生成する。磁束220は、記録磁極208から記録層262を介して、下地層264を横切り、リターン磁極214および216へと通過する。磁束220の極性は例示的に、コイル212を流れる電流の極性を反転させることによって反転される。磁束220は例示的に、記録層262に磁化パターンを記録する。磁化パターンは、図に示される上向および下向き矢印によって表される。
【0009】
再生素子204は、上部シールド230、下部シールド232、トランスデューサまたは磁気抵抗素子234、および磁石236を含む。電流が例示的に、上部シールド230から、磁気抵抗素子234を介し、かつ下部シールド232を介して流される。磁気抵抗素子234の電気抵抗は例示的に、その下の記録媒体からの磁場に応じて変化する。記録ヘッド200は、再生素子204の両端の変動する電圧差を検出することによって、記録層262の磁化パターンを判定することができる。
【0010】
上部シールド230および下部シールド232は、磁気抵抗素子234に達する磁場を制御するように機能する。シールド232および234は、たとえば、磁気抵抗素子234がその直下の記録媒体の領域の磁化を検出することができるように、磁気抵抗素子234に達する磁場を分離する。一例において、シールド230および232は、読出されることが意図されるビットに隣接した記録層262に書込まれたビットの効果を減少させる。
【0011】
データ記憶システムの面密度を増大させる際に生じる1つの問題は、上部シールド230と下部シールド232との間の間隔または距離(すなわちシールド間間隔)である。面密度が増大すると、情報のビットは、記録媒体のより小さい面積に書込まれる。シールド間間隔は、読出トランスデューサが記録媒体の磁化を適切に検出することができるように、対応して減少され得る。
【0012】
磁石236は、磁気抵抗素子234にバイアス磁場を供給するのに利用される。一実施例では、磁石236は永久磁石である(すなわち、磁化され、それ自身の永続的な磁場をもたらす材料からなる)。しかし磁石236の実施例は、いずれかの特定の種類の磁石に限定されず、いずれの種類の磁石も含む。磁石236の動作は、以下の図4A図4B図4C、および図4Dに例示される。
【0013】
磁気抵抗素子シールド間間隔を減少させる際に生じる1つの問題は、磁気抵抗素子を横切るバイアス磁場の均一性の減少であった。より特定的には、バイアス磁場は、磁場が素子の背部(すなわち記録媒体から最も遠い部分)において最も強く、素子の前部(すなわち記録媒体に最も近い部分)において最も弱くなるように、磁気抵抗素子を横切って減衰する。実際、少なくとも一部の記録ヘッドでは、シールド間間隔は、磁場の減衰に直接影響を及ぼすことが分かっている(すなわち、間隔を増大させると均一性が増大し、間隔を減少させると均一性が減少する)。
【0014】
以下に記載するように、本開示の実施例は、磁気抵抗素子を横切るバイアス磁場の均一性を増大させる構造を含む。一実施例では、記録ヘッドは1つ以上の補助シールドを有する。補助シールドは例示的に、主シールドの磁気飽和値およびバイアス磁場の磁気飽和値よりも低い磁気飽和値を有する。これにより、補助シールドが磁気抵抗素子の背部に向かって磁気的に飽和し、磁気抵抗素子の前部に向かって不飽和となることができる。補助シールドの飽和した部分は、そこに存在しないかのように磁気的に作用する(すなわち真空として機能する)。相応して、補助シールドを有する記録ヘッドは、磁気抵抗素子の長さを横切る磁場減衰を減少させつつ、それらのトランスデューサの前部において、最適化されたシールド間間隔を有することができる。別の実施例では、記録ヘッドは、磁気抵抗素子からずらされた複数の磁石を有する。以下により詳細に説明されるように、これらの複数のずらされた磁石は、たとえば磁気抵抗素子の背部における磁場の強さを減少させることによって、磁場減衰も減少させ得る。
【0015】
図3Aおよび図3Bは三層磁気抵抗再生素子を例示し、図4A図4B図4C、および図4Dは三層再生素子の動作を示す。本開示の一部の実施例は、三層再生素子によって実施される。しかし実施例は、いずれかの特定の種類の磁気抵抗素子または再生部の設計に限定されない。
【0016】
図3Aは三層再生素子300の横断面図であり、図3BはABS側からの素子300の図(すなわち、記録媒体に面する側からの図)である。素子300は、上部シールド302、金属キャップ304、第2の自由層306、磁気トンネル接合308、第1の自由層310、金属シード312、下部シールド314、および磁石316を含む。図に示されるように、磁気抵抗素子は、長さ320および高さ330を有する。高さ330は、再生素子のシールド間間隔(すなわち、上部シールド302と下部シールド314との間の距離)にも相当する。磁気抵抗回路を形成する構成要素は、例示的に絶縁材318(たとえばAl、SiO等)によって包囲される。
【0017】
図3Aおよび図3Bに示されるものなどの記録ヘッドの少なくとも一部の実施例において、磁石316のバイアス効果は、再生素子の長さを横切って減衰する。たとえば、磁場は、磁石316に最も近い再生素子の部分において最も強く、磁石316から最も遠い再生素子の部分(すなわち、記録媒体またはABSに最も近い部分)において最も弱い。この不均等な磁場は、自由層の異なる部分について異なる磁気環境をもたらし得、磁気的な不安定およびノイズに繋がり得る。加えて、再生素子の製造におけるわずかな処理変動(たとえば磁石−自由層間隔)でさえ、平均的なバイアス磁場に大きな変化をもたらし得る。これは、再生素子のバイアス点の変化および非対称を引起し得る。
【0018】
図4A図4B図4C、および図4Dは、図3Aおよび図3Bの再生素子300といった、2つの自由層を有する再生素子の動作を例示する単純化された概略図である。自由層の磁気配向が互いに180度離れている(すなわち反平行である)とき、再生素子の抵抗は例示的に最大であり、自由層の磁気配向が0度分離されている(すなわち、層が同じ磁気配向を有するかまたは平行である)とき、抵抗は例示的に最小である。
【0019】
図4Aは、バイアス磁場および磁化された記録媒体がない(すなわち自由層に影響を及ぼす外部磁場がない)場合の自由層の磁気配向を示す。図4Aにおいて、第1の自由層410は左への磁気配向を有するものとして示され、第2の自由層420は右への磁気配向を有するものとして示される。または換言すると、自由層410および420は反平行な磁気配向を有するか、もしくは180度分離される。
【0020】
図4Bは、磁石400のバイアス磁場の存在下の2つの自由層の磁気配向を示す。図に示されるように、磁石400は自由層の両方を下方にバイアスする。これは、2つの自由層の磁気配向を分離する角度を減少させる。角度は、図において記号「θ」で表される。分離の角度は例示的に0〜180度の間である。たとえば、角度は約90度であり得る。しかし、角度はいずれかの特定の値に限定されない。
【0021】
図4Cおよび図4Dは、磁石400の存在下、さらに記録媒体430の存在下の2つの自由層の磁気配向を示す。図4Cにおいて、記録媒体430は上向きの磁気配向を有する。これは例示的に、2つの自由層の磁気配向間の角度を90度より大きい角度に増大させる。図4Dにおいて、記録媒体430は下方への磁気配向を有する。これは例示的に、2つの自由層の磁気配向間の角度を90度未満の角度に減少させる。したがって、記録媒体430の磁化に依存して、再生素子の抵抗は、その最大値とその最小値とに交互に向かうことになり、記録ヘッドは、記録媒体の磁化パターンを判定することができる。
【0022】
図5および図6は、本開示に係る再生素子の横断面図である。再生素子は、三層磁気抵抗トランスデューサを有するものとして示される。しかし実施例は、三層磁気抵抗トランスデューサに限定されない。実施例は、例示的に、いずれかの種類または設計のトランスデューサによって実施される。
【0023】
図5の再生素子500は、上部シールド502、金属キャップ504、第2の自由層506、磁気トンネル接合508、第1の自由層510、金属シード512、および下部シールド514を有する。主シールド502および514に加えて、再生素子500は、2つの補助シールド、上部補助シールド551および下部補助シールド552を含む。再生素子500は、2つの磁石、第1の磁石561および第2の磁石562も含む。一実施例では、磁石561および562は永久磁石である。しかし実施例は、いずれかの特定の種類の磁石に限定されず、実施例は例示的にいずれの種類の磁石も含む。
【0024】
補助シールド551および552は、磁性材料からなる。一実施例では、シールドは、補助シールドの背部(すなわち、磁石に最も近い補助シールドの部分)が磁石によって磁気的に飽和され、かつ補助シールドの前部(すなわち、磁石から最も遠い補助シールドの部分、または記録媒体に最も近い部分)が磁気的に飽和されないような磁気飽和値を有する材料からなる。たとえば、補助シールドは0.4テスラ〜0.6テスラの磁気飽和値を有する。補助シールドは任意に、非磁性材料で希釈された、より高い磁気飽和値材料からなる。たとえば、シールドは、銅で希釈された高透磁率パーマロイ(すなわちNiFe)からなる。別の実施例では、シールドは、非磁性材料と積層された高透磁率パーマロイからなる。非磁性材料は、金属(たとえばTa、Ru、Cu等)または絶縁性(たとえばAl)であり得る。上部シールド502および下部シールド514は、より高い磁気飽和値を有する材料からなり得る。たとえば、シールド502および514は任意に、ほぼ1テスラの飽和値を有するパーマロイ合金からなる。磁石561および562は、例示的にCoPtまたはFePtからなり、ほぼ1.1テスラの磁化を有する。しかし、磁石561および562はいずれかの特定の材料または磁化値に限定されない。
【0025】
図5は、再生素子500が高さまたは間隔530、高さまたは間隔540、および長さ520を含むことを示す。間隔530は、2つの補助シールド551および552の間の距離である。間隔540は、2つの主シールド502および514の間の距離であり、長さ520は、磁気抵抗素子の長さである。
【0026】
再生素子500の補助シールドおよび磁石は、別個に、かつ組合わされて、磁気抵抗素子(すなわち自由層)を横切る磁石のバイアス磁場の減衰を減少させ得る。先に言及したように、補助シールドは、シールドの背部が磁気的に飽和される一方、シールドの前部は磁気的に飽和されないように作製される。シールドの磁気的に飽和されている部分は、磁石のバイアス磁場に対する減衰効果が少ない。たとえば、磁気的に飽和されている部分は、バイアス磁場に効果を有さない真空として機能する。したがって、磁気抵抗素子の背部における有効なシールド間間隔は、ほぼ上部シールド502から下部シールド514の間隔540である。しかし、磁気抵抗素子の前部における有効なシールド間間隔は、ほぼ上部補助シールド551から下部補助シールド552の間隔530である。その場合、記録素子は、素子の背部に向かって有効により広いシールド間間隔を有することが可能であり得、これはより均一なバイアス磁場を促進する一方、素子の前部においてより狭いシールド間間隔を有し、面密度を最適化する。
【0027】
図5に示されるように、第1の磁石561は距離581だけ第2の自由層506からずらされ、高さまたは距離591にわたって上部補助シールド551と重なり合う。同様に、第2の磁石562は距離582だけ第1の自由層510からずらされ、高さまたは距離592にわたって下部補助シールド552と重なり合う。複数の磁石、ずらされた磁石、重なり合うかまたは部分的に重なり合う磁石の使用は、別個に、かつ組合わされて、磁気抵抗素子を横切るバイアス磁場の均一性も最適化し得る。たとえば、1つの磁石のみが使用される場合、または磁石が自由層からずらされない場合(すなわち磁石が自由層と一列に並んでいる場合)、自由層の背部におけるバイアス磁場がより強くなり、自由層を横切るバイアス磁場の均一性が対応して減少することになる。またたとえば、磁石と補助シールドとの任意の重なり591および592は例示的に補助シールドを飽和させるのに役立ち、これはバイアス磁場減衰の量を減少させ得る。
【0028】
図6は、補助シールドを有する再生素子600の別の実施例の横断面図を示す。素子600は、上部シールド602、金属キャップ604、第2の自由層606、金属トンネル接合608、第1の自由層610、金属シード612、および下部シールド614を含む。素子600は、その磁石および補助シールド構成が素子500とは異なる。素子600の補助シールド651および652は、素子500の補助シールド551および552のように磁気抵抗素子の全長620に沿って延在しない。その代り、シールド651および652は、長さ620の一部分621に沿って延在する。加えて、補助シールド651および652は、シールド551および552とは異なる材料からなり得る。たとえば、一実施例では、シールド651および652は、上部シールド602および下部シールド614と同じ材料(たとえばパーマロイ)からなる。しかし別の実施例では、シールド651および652は、図5のシールド551および552と同じ材料からなる。
【0029】
再生素子600は例示的に、図5の再生素子500と同じ構造のうち少なくともいくつかを含む。磁気抵抗素子の背部におけるシールド間間隔640はより広く、これはより均一なバイアス磁場を促進し得る一方、素子の前部におけるシールド間間隔630はより狭く、これは面密度を最適化し得る。
【0030】
図6は、再生素子600が1つの磁石660を有することも示す。しかし素子600は、いずれかの特定の磁石構成を有するとは限定されない。一実施例では、素子600は、図5に示される構成と同様の、自由層から任意にずらされた複数の磁石を有する。同様に、図5の素子500は、いずれかの特定の磁石構成に限定されず、いずれの構成も任意に含む。たとえば、素子500は例示的に、図6に示される構成と同様の1つの磁石設計を含み得る。
【0031】
説明したように、本開示の実施例は例示的に、再生素子および/または複数の重なり合う磁石の周囲に1つ以上の補助シールドを有する記録ヘッドを含む。これらの構造は、独立してかつ組合わされて、磁気抵抗素子を横切るより均一なバイアス磁場を促進するのに役立ち得る。加えて、これらの構造は、均一なバイアス磁場を促進する一方で、装置の前部において減少したシールド間間隔を維持し、これは面密度を最適化し得る。実施例はさらに、装置製造に選択の自由を与える複数のシールド構成および磁石構成を提供する。
【0032】
最後に、様々な実施例の構造および機能の詳細とともに様々な実施例の多数の特徴が上記の説明で示されたが、この詳細な説明は例示にすぎず、特に部品の構造および配置の事項において、本開示の原理内で、添付の請求項が表される用語の広範な一般的な意味によって示される最大限の範囲まで、変更を詳細に行ってもよい。加えて、本明細書に記載される実施例はハードディスクドライブに向けられているが、開示の教示を、開示の範囲および精神から逸脱することなく他の種類のデータ記憶システムに適用することができることが当業者によって理解されるであろう。
【符号の説明】
【0033】
500 再生素子、502 上部シールド、504 金属キャップ、506 第2の自由層、508 磁気トンネル接合、510 第1の自由層、512 金属シード、514 下部シールド、520 長さ、530,540 間隔、551 上部補助シールド、552 下部補助シールド、561 第1の磁石、562 第2の磁石、581,582,591,592 距離。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6