(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術では、セレクションプレートがマグネット及びこれに吸着されたナットの回動軌跡の外周にのみに設けられた構成であったため、ナットの吸着の向きが一定しないと共に、2個のナットがマグネット吸着されたままセレクションプレートを通過する可能性もあった。
【0006】
前者の場合、ナットの向きによっては、第1赤外線センサが、ナットを検出することができない場合があり、一方、後者の場合、第1赤外線センサが、2個のナットを検出できない場合があった。これらのいずれの場合も、受皿のナット数の検出に誤検出が生じる可能性があった。
【0007】
本発明は、上述のような問題点に着目してなされたもので、受皿におけるナット数の誤検出抑制を図ることができるナット定量供給装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明は、磁性体製の部品を収容し、前記部品を供給部から外部に供給するホッパ本体と、このホッパ本体に設けられ、前記部品を収容可能であると共に収容した前記部品を前記ホッパ本体の外側を形成する外側板の内側面に接して配置された集積部に集めることが可能に形成された収容部と、前記集積部に連続して前記外側板の内側面に沿って設けられ、前記集積部から前記供給部へ前記部品を移動可能な移動用空間と、前記外側板の外側面に沿って設けられ、かつ、前記部品を前記外側板の外側から作用する磁力により前記外側板の内側面に吸着可能な磁石を備え、さらに、この磁石を、前記集積部の外側から前記供給部へ向けて移動可能に前記ホッパ本体に対して回転可能に支持された回転部材と、前記移動用空間における前記部品の移動軌跡の上下に設けられ、1個の前記部品があらかじめ設定された許容範囲の姿勢で通過させ、複数及び許容範囲外の姿勢での通過は規制することが可能な上下方向寸法のゲート空間を両者の間に形成する上側セレクション部材及び下側セレクション部材と、を備え、前記ホッパ本体に、前記収容部の底部を形成するガイド底板が、前記部品を自重により前記集積部に集積可能に前記集積部側が低くなるように傾斜して設けられているとともに、上下方向に回動可能に取り付けられ、前記ガイド底板は、前記ガイド底板を押し上げる状態と、前記ガイド底板から離れた状態とに回動可能なカムにより、上下遥動するよう構成さ
れ、前記カムは、前記回転部材を回転させる回転軸に設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項
2に記載の発明は、請求項
1に記載のナット定量供給装置において、前記部品が金属製のナットであり、前記ゲート空間の上下方向寸法は、前記ナットの厚みよりも大きく、前記ナットの対称な外側面の間隔よりも小さな寸法に形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項
3に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載のナット定量供給装置において、前記外側板は、前記集積部に面する部位は、他の部位よりも板厚を薄くした薄肉部を備えていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項
4に記載の発明は、
磁性体製の部品を収容し、前記部品を供給部から外部に供給するホッパ本体と、このホッパ本体に設けられ、前記部品を収容可能であると共に収容した前記部品を前記ホッパ本体の外側を形成する外側板の内側面に接して配置された集積部に集めることが可能に形成された収容部と、前記集積部に連続して前記外側板の内側面に沿って設けられ、前記集積部から前記供給部へ前記部品を移動可能な移動用空間と、前記外側板の外側面に沿って設けられ、かつ、前記部品を前記外側板の外側から作用する磁力により前記外側板の内側面に吸着可能な磁石を備え、さらに、この磁石を、前記集積部の外側から前記供給部へ向けて移動可能に前記ホッパ本体に対して回転可能に支持された回転部材と、前記移動用空間における前記部品の移動軌跡の上下に設けられ、1個の前記部品をあらかじめ設定された許容範囲の姿勢で通過させ、複数及び許容範囲外の姿勢での通過は規制することが可能な上下方向寸法のゲート空間を両者の間に形成する上側セレクション部材及び下側セレクション部材と、を備え、前記ホッパ本体に、前記収容部の底部を形成するガイド底板が、前記部品を自重により前記集積部に集積可能に前記集積部側が低くなるように傾斜して設けられているとともに、上下方向に回動可能に取り付けられ、前記ガイド底板は、前記ガイド底板を押し上げる状態と、前記ガイド底板から離れた状態とに回動可能なカムにより、上下遥動するよう構成され、前記ホッパ本体の外部には、前記供給部から供給される前記部品の数を計測するカウント機構が設けられ、このカウント機構は、一端に出入口を備え、内部に前記部品を軸方向に並べて収容可能に内部が塞がれた筒状の計量筒を備え、この計量筒は、前記供給部から供給される前記部品を、前記出入口から内部に供給可能に上向きとなった上向き位置と、内部に供給された前記部品を、前記出入口から外部に落下可能に下向きとなった下向き位置と、に揺動可能に前記装置に支持され、前記計量筒は、その内部にあらかじめ設定された数の前記部品が供給されたときに前記部品の重量により作用するモーメントにより前記下向き位置に揺動可能に形成され、前記下向き位置で前記計量筒の回動を規制する下向きストッパと、前記計量筒と、の間には、前記計量筒を前記下向き位置に維持させる吸着部材が設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項
5に記載の発明は、請求項
4に記載のナット定量供給装置において、前記計量筒には、前記上向き位置と前記下向き位置とで投入・非投入状態が異なるよう切り換わるリミットスイッチが設けられ、前記回転部材を回転させる駆動装置の制御を行う制御回路が、前記リミットスイッチの状態に応じ、前記計量筒の上向き位置で前記駆動装置を駆動させ、前記計量筒の下向き位置で前記駆動装置を停止させるよう形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のナット定量供給装置では、部品の移動軌跡の上下に上側セレクション部材と下側セレクション部材とを設け、両者間に1個の部品のみが許容範囲の姿勢で通過可能なゲート空間を形成した。
【0014】
このため、磁石に複数の部品が吸着されたり、1個でも姿勢のばらつきが大きかったりするものと比較して、誤検出が生じにくくなる。
【0015】
請求項
2に係る発明では、ナットの個数の計測において、ナットがゲート空間を、その穴の軸方向の端面が外側壁に接した状態や、穴の軸方向を移動軌跡の接線方向に向けるような縦向きで通過することを抑制することで、許容範囲外の姿勢の通過を抑制し、上述の誤検出の抑制を図ることができる。
【0016】
さらに、請求項
3に係る発明では、外側壁において、磁石が部品の吸着を開始する集積部に薄肉部を設けたため、集積部における磁石に対する部品の吸着性を向上できると共に、外側板の全体を薄くしたものと比較して、その後の部品の移動がスムーズになる。
【0017】
請求項
4に係る発明では、計量筒に部品を供給し、計量筒に作用する部品の個数に応じたモーメントに基づいて個数を計測するようにした。
【0018】
このため、赤外線センサを用いて部品数を計測するものと比較して、大幅に製造コストを低減できる。
【0019】
しかも、請求項1の発明のように、ゲート空間による部品の姿勢を許容範囲の姿勢に制限することにより、計量筒で作用するモーメントを安定させて、精度の高い個数計測が可能となった。
【0020】
請求項
5に係る発明では、計量筒の動きにより切り換わるリミットスイッチを用い、制御回路は、計量筒が部品を受け入れ可能な上向き位置であるときに、駆動装置を駆動させ、計量筒が部品を受け入れ不可能な下向き位置であるときには、駆動装置を停止させるようにした。
【0021】
したがって、駆動装置の無駄の無い駆動を、単純で安価な制御回路により実行可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1〜
図9に基づいて、実施の形態のナット定量供給装置Aを説明する。
【0025】
この実施の形態のナット定量供給装置Aは、
図1に示すように、ホッパ本体10と回転板(回転部材)20と駆動機構30とナットゲート機構40(
図3参照)とカウント機構50と受皿60と制御回路70とを備え、ホッパ本体10に収容された部品としてのナットNU(
図2参照)を設定数だけ受皿60に供給する装置である。
【0026】
なお、ナットNUは、鉄、ステンレス鋼などの磁性体により形成されており、
図4に示すように穴nhの軸方向の寸法tnを厚みと称し、外側面nsの対称となる位置の間隔を高さHnと呼ぶ。
【0027】
図1に戻り、ホッパ本体10は、ナットNUを収容し、供給部100からナットNUを外部に供給するもので、四隅に起立された脚11と、この脚11を囲むように略四角筒状に配置された4枚の外側板12a,12b,12c,12d(
図2参照)とを備えている。なお、外側板12a〜12dは、アルミや樹脂などの非磁性体で形成されている。
【0028】
また、ホッパ本体10の内部は、上方に開口され、
図2に示すように、収容部14と移動用空間15とを備えている。
【0029】
収容部14は、ナットNUを収容すると共に、集積部14cに集めるための空間で、上方から見て略L字状に形成されている。すなわち、ホッパ本体10の内部には、図において左側に位置する外側板12dから、対向する外側板12bの近傍まで、外側板12a,12cの間に両者と平行に隔壁13が立設されている。収容部14は、隔壁13と外側板12cとに挟まれて形成される部分と、隔壁13の先端部において外側板12aの方向に延びて外側板12a,12bとのコーナ部分に形成される集積部14cとにより、上方から見て略L字形状に形成されている。
【0030】
移動用空間15は、集積部14cから供給部100に至る空間であり、外側板12aと隔壁13との間において外側板12aに沿って形成されている。
【0031】
収容部14の底部は、傾斜した第1ガイド底板14aと第2ガイド底板14bとを備え、両ガイド板14a,14bの最も低くなった集積部14cに、ナットNUを集めるように形成されている。
【0032】
具体的には、第1ガイド底板14aは、外側板12cの外側から見た側面図である
図10に示すように、外側板12bの下部に回動可能に連結され、対向する外側板12dに向かって上昇するように傾斜している。
【0033】
第2ガイド底板14bは、その下端部が第1ガイド底板14aに固定され、側方から見て第1ガイド底板14aと交差するように外側板12bに向かって上昇するように傾斜されている。さらに、第2ガイド底板14bは、水平方向でも、上方から見て、外側板12c側の端部よりも外側板12a側の端部の方が外側板12bに近くなるように傾斜され、隔壁13と外側板12bとの間を通って外側板12aの近傍まで延在されている。
【0034】
したがって、収容部14に収容されたナットNUは、両ガイド底板14a,14bの傾斜に基づいて、自重により最も低くなった集積部14cに導かれる。
【0035】
さらに、第1ガイド底板14aは、上述のナットNUの集積部14cへの集積をより円滑に行うために、外側板12bに回動可能に取り付けられた支点を中心に上下に揺動されるようになっているが、その駆動のための構造については、後述する。
【0036】
回転板20は、
図1及び
図2に示すように、外側板12aの外側に外側板12aと略平行に配置され、ホッパ本体10に対し水平方向を向いた回転軸21を中心に回転可能に支持されている。この回転板20も、アルミニウムや樹脂などの非磁性体で形成されており、その外周縁部の周方向の複数箇所(本実施の形態では相対的に180度の角度を成す2箇所)において、外側板12aとの間に磁石22,22が設けられている。この磁石22は、集積部14cに配置されたナットNUを、その磁力により外側板12aの内側面に吸着させると共に、外側板12aに沿って移動させることが可能な磁力を備えている。
【0037】
そして、磁石22は、回転板20を回転させた際に、
図3において、一点鎖線で示す移動軌跡MG(この移動軌跡は、後述するナットNUの移動軌跡も兼ねるものとする)で外側板12aの外側面に沿って移動する。また、回転板20は、磁石22を、集積部14cに対して水平方向で外側に重なる位置から、供給部100に繋がる後述するゲート部材43に対して水平方向で外側に重なる位置まで移動させることが可能な直径に形成されている。
【0038】
さらに、ホッパ本体10の外側板12aは、前述したようにナットNUが供給される集積部14cに面する位置には、
図3において点線で示す薄肉部ADが設けられている。この薄肉部ADは、その板厚が、他の部分よりも薄く形成された薄肉部とされており、磁石22の吸着力が、他の部位よりも強く作用するようになっている。
【0039】
駆動機構30は、
図1に示す回転板20を矢印ROで示す反時計回り方向に回転させると共に、前述したように第1ガイド底板14aを上下揺動させるための機構であって、ホッパ本体10の下部に設置されたモータ31を備えている。モータ31の回転軸32は、詳細な図示は省略するが、スプロケット及びベルトあるいはチェーンを備えた伝達機構33により、減速されて回転軸21に伝達されるように構成されている。
【0040】
また、回転軸
21には、
図10に示すカム34が同軸に設けられている。このカム34が回転するのに伴って、カム34の回転軸21から最も遠い部分が、前述した第1ガイド底板14aを押し上げる状態と、第1ガイド底板14aから離れた状態とを形成することにより、第1ガイド底板14aが上下揺動するように構成されている。
【0041】
ナットゲート機構40は、回転板20の磁石22が、集積部14cのナットNUを吸着して供給部100へ移動させる際に、その吸着個数を確実に1個のみとすると共に、あらかじめ設定された許容範囲の姿勢で通過させるための機構である。
【0042】
このナットゲート機構40は、アルミニウムや樹脂などの非磁性体製の、
図3に示す上側セレクションプレート41、下側セレクションプレート42、ゲート部材43を備えている。そして、前述の許容範囲の姿勢とは、ナットNUを、ゲート部材43のスライド板43cの上面に、その穴nhの軸方向を上下方向に向けて確実に載置することが可能な姿勢である。このため、ナットNUの外側面nsを外側板12aに面接触させ、かつ、穴nhの軸方向をナットNUの移動軌跡MGの法線の方向に向けた姿勢であり、かつ、ある程度、軸方向を法線方向から傾けた範囲を許容するようにしている。この許容範囲は、実際の駆動を繰り返して設定する。そして、ナットNUの穴nhの軸方向の法線方向からの傾斜角度が大きくなって、軸方向を移動軌跡MGの接線方向に向けた姿勢では、通過させないようにしている。
【0043】
上側セレクションプレート41及び下側セレクションプレート42は、外側板12aの内側面に取り付けられ、両者間に上下方向の間隔Hのゲート空間44を形成している。このゲート空間44は、ナットNUの厚みtnよりも大きな寸法であって、かつ、ナットNUがその穴nhの軸線を、移動軌跡MGの法線方向に対してあらかじめ許容された傾斜角度(例えば、0〜30度程度の範囲)で通過でき、それ以上の傾斜角度では通過できない寸法であって、ナットNUの高さHnよりも小さな寸法となっている。
【0044】
上側セレクションプレート41は、移動軌跡MGの外径方向側に配置されており、長方形の板の長手方向両端を半円状とした形状に形成され、
図6などにも示すように、ナットNUと干渉する厚み(例えば、7〜15mm程度)を備えている。また、上側セレクションプレート41は、長手方向の両側に一対の取付穴41aを備えており、一方の取付穴41aに、螺子、ボルトなどの軸状の締結具41bを挿通して外側板12aの内側面に取り付けられている。したがって、上側セレクションプレート41は、締結具41bの締結を緩めた際には、締結具41bを中心に矢印R1の方向に揺動可能であり、その揺動により、前述の間隔H及びナットNUが通過可能な上限位置を調整することができる。
【0045】
下側セレクションプレート42は、支持板42aと規制板42bとによりL字の断面形状に形成されている。そして、支持板42aには、
図3に示すように、上下方向に延びる第1長穴42cと水平方向に延びる第2長穴42dとに、螺子、ナットなどの締結具42e,42eを挿通させて外側板12aに締結している。
【0046】
したがって、締結具42eによる締結位置を調整することにより、規制板42bの高さ及び水平方向の位置を変更することができると共に、第2長穴42d側の締結具42eを中心に上下方向に揺動可能となっており、前述の間隔H及びナットNUが通過する下限位置を調整することができる。
【0047】
ゲート部材43は、ナットNUが通過する最後の関門を形成するもので、L字断面状の板材から形成されており、支持板43a、ゲート板43b、スライド板43cを備えている。
【0048】
支持板43aは、第1長穴43d及び第2長穴43eを、螺子、ボルトなどの締結具43fにより外側板12aに締結されている。また、締結具43fによる締結位置を調整することにより、上下方向位置及びスライド板43cの傾斜角度などが調整可能である。
【0049】
ゲート板43bは、ナットNUを通過させるための開口43gを備えている。この開口43gは、
図6及び
図7に示すように、外側板12a側が開口した略U字形状に形成され、かつ、その下端が、ナットNUが移動通過可能な下限位置に配置されている。
【0050】
図3に戻り、スライド板43cは、磁石22の移動軌跡に交差するように配置され、ナットNUが移動軌跡MGに沿って移動するのを規制し、磁石22による吸着力が作用しなくなった時点で、その傾斜に基づいて、ナットNUを、その表面に沿って供給部100からホッパ本体10の外部のカウント機構50に供給するものである。
【0051】
なお、供給部100は、このスライド板43cと、外側板12dに開口された供給口12m(
図2参照)とにより形成されており、ナットNUはスライド板43cをスライドして供給口12mからホッパ本体10の外部に供給する。
【0052】
また、移動用空間15の下部には、
図3において点線で示しているように、両セレクションプレート41,42及びゲート板43bの下方に配置されて、落下するナットNUを受け止めるキャッチャ板14dが設けられている。このキャッチャ板14dは、図示のように集積部14cに向かって下がって傾斜しており、この傾斜により受け止めたナットNUを集積部14cに戻す。
【0053】
次に、
図1に戻り、カウント機構50について説明する。
【0054】
このカウント機構50は、ホッパ本体10の供給部100から供給されるナットNUの個数が設定個数となったら受皿60に供給することを機械的に実行するもので、筒状の計量筒51を備えている。
【0055】
この計量筒51は、
図8に示すように、図において右側の端部には、出入口51aが開口され、中間部が底部51bで塞がれている。そして、出入口51aから底部51bまでの軸方向の寸法は、ナットNUを、穴nhの軸方向を上下方向に向けた状態で一列に並べたときに、少なくともあらかじめ設定された数が入る寸法に形成されている。
【0056】
また、計量筒51は、底部51bが設けられている近傍の中間部が、ホッパ本体10から水平方向に延びる支持アーム16に、回動軸16aを中心に上下方向に揺動可能に支持されている。
【0057】
そして、この計量筒51は、
図1に示すように出入口51aが上向きとなるように右上がりに傾斜した上向き位置で、上向きストッパ17により、それ以上の上向き(図において反時計回り方向)の揺動が規制される。計量筒51は、この上向き位置で、出入口51aが、供給部100を形成するゲート部材43のスライド板43c(
図8参照)の下端に連続して配置され、スライド板43cに沿って落下するナットNUを、出入口51aからその内部へ落とし込み可能に形成されている。また、出入口51aは、
図9に拡大して示すように、計量筒51の先端部の上半分を切り欠いて、軸方向に加え上方にも開口した形状に形成されている。なお、上向きストッパ17は、
図8に示すように支持アーム16から垂下された第1補助アーム16bから水平方向へ突出されている。
【0058】
一方、計量筒51は、
図8に示すように、出入口51aが下向きとなるように図において右下がりに傾斜した下向き位置で、下向きストッパ18により、それ以上下向き(図において時計回り方向)の揺動が規制される。計量筒51は、この下向き位置で、出入口51aが受皿60の上方に配置され、計量筒51の内部に収容されたナットNUを、出入口51aから受皿60に落下させることができる。なお、下向きストッパ18は、支持アーム16から垂下された第2補助アーム16cから水平方向へ突出されている。
【0059】
さらに、計量筒51と下向きストッパ18との間には、計量筒51を下向きに位置に維持させる吸着部材53が設けられている。
【0060】
この吸着部材53は、
図9に示すように、下向きストッパ18に上下移動可能に支持された磁石53aと、計量筒51の下面に固定された磁性体53bとにより形成されており、計量筒51が下向き位置の近傍まで揺動した際に、磁石53aが磁性体53bを吸引して計量筒51の下向き揺動を促進させ、かつ、両者が吸着して下向き位置に保持する。
【0061】
図8に戻り、計量筒51には、出入口51aとは反対側の端部に、錘54が設けられている。この錘54は、計量筒51にナットNUが全く収容されていない状態で、計量筒51を上向き位置に保持する。さらに、錘54は、適宜着脱して計量筒51に作用するモーメントを調節することができる。そこで、この錘54は、計測対象の部品及びその計測数に応じて適宜調節される。すなわち、本実施の形態では、錘54の重量は、計量筒51の内部に、ナットNUが、穴nhの軸方向を上下方向に向けた状態で、あらかじめ設定された数だけ計量筒51の軸方向に一列に並んだ場合に、計量筒51が、下向き位置に向けて揺動するようその重量が調節されている。
【0062】
受皿60は、前述のようにホッパ本体10において計量筒51を下向きに位置させたときの出入口51aの近傍直下位置に載置されている。なお、ホッパ本体10には、水平方向へ支持ロッド19が水平方向に延在され、この支持ロッド19から水平方向に延在された支持部(図示省略)に受皿60を載置可能に形成されている。
【0063】
図1に戻り、制御回路70は、駆動機構30のモータ31の駆動を制御するもので、メインスイッチ71及びリミットスイッチ72(
図1参照)に接続されている。リミットスイッチ72は、
図9に示すように、計量筒51の下方位置に端子アーム72aを備えている。この端子アーム72aは、図示を省略した基端部が回動可能に取り付けられ、図示を省略したスプリングなどの付勢手段により、上向きに付勢され、この上向き状態でリミットスイッチ72が閉成され、付勢手段の付勢力に抗して下向きに回動されるとリミットスイッチ72が開成されるようになっている。すなわち、
図9に示すように計量筒51が下向き位置に揺動したときに計量筒51に押し下げられてリミットスイッチ72が開成され、計量筒51が上向き位置に配置されているときにはリミットスイッチ72が閉成されるようになっている。
【0064】
そこで、制御回路70は、メインスイッチ71が投入された状態では、リミットスイッチ72が閉成されているときにモータ31を駆動させ、リミットスイッチ72が開成されているときにモータ31を停止させるよう構成されている。
【0065】
次に、実施の形態のナット定量供給装置Aの作用を説明する。
【0066】
このナット定量供給装置Aの使用時には、作業者は、ホッパ本体10の収容部14に複数のナットNUを投入する。これら投入されたナットNUは、第1ガイド底板14a及び第2ガイド底板14bの傾斜に沿って自身の重量により集積部14cに集まる。
【0067】
この状態で、作業者は、計量筒51を
図1に示すように上向き位置に配置させて、メインスイッチ71をONにする。計量筒51を上向き位置に配置させることにより、端子アーム72aが付勢手段により持ち上がってリミットスイッチ72が閉成されているため、制御回路70はモータ31を駆動させる。
【0068】
このモータ31の駆動により、回転板20及びカム34が回転する。このカム34の回転により、第1ガイド底板14aが上下に揺動されると共に、第2ガイド底板14bが上下動し、ナットNUは、集積部14cにより集まりやすくなる。
【0069】
また、回転板20の回転に伴って磁石22,22が
図3の一点鎖線で示す移動軌跡MGで外側板12aに沿って移動する。これにより、磁石22が集積部14cの外側を通過する際に、ナットNUを吸引し、ナットNUは外側板12aの内側面に吸着される。
【0070】
さらに、磁石22に吸着されたナットNUは、磁石22の移動軌跡MGに沿って外側板12aに接触状態で移動する。
【0071】
集積部14cで外側板12aに吸着されたナットNUは、まず、
図4に示すように、集積部14cから上昇し、さらに、
図5に示すように、上側セレクションプレート41と下側セレクションプレート42との間のゲート空間44を通過する。
【0072】
このゲート空間44は、両セレクションプレート41,42の位置に基づいて、上下方向の間隔Hがあらかじめ設定されている。この間隔Hは、ナットNUが、
図3〜
図6に示すように、その穴nhの軸方向を磁石22の移動軌跡(MG)の法線方向に向けて外側面nsを外側板12aに接した状態で、1個だけ通過できるように設定されている。
【0073】
すなわち、磁石22の吸着力により、1個の磁石22に
図4に示すように、複数(図では2個)のナットNUが吸着されて移動する場合がある。また、1個のナットNUが吸着された場合でも、ナットNUの軸方向の端面が外側板12aに接していたり、あるいは、ナットNUの外側面nsが外側板12aに接していても、軸方向が移動軌跡MGの法線方向から大きく傾いていたりする場合がある。
【0074】
複数のナットNUが吸着されている場合、移動軌跡MGに最も近い位置のナットNU以外のナットNUは、両セレクションプレート41,42のいずれかに干渉して移動が規制され、磁石22との相対距離が離れた時点で、落下する。なお、落下したナットNUは、キャッチャ板14dに受け止められて集積部14cに戻される。
【0075】
また、磁石22に吸着されて外側板12aに沿って移動するナットNUが1個であっても、その向きが穴nhの軸方向が法線方向から大きく傾いている場合、上側セレクションプレート41と下側セレクションプレート42とに当接することにより、向きを許容姿勢に矯正されるか、あるいは、落下する。
【0076】
なお、上下セレクションプレート41,42の位置や向きは、供給するナットNUの種類(厚みtn、高さHn)の違いに応じ、上述のように1個のナットNUを許容姿勢の範囲でゲート空間44を通過させるように、上下方向の間隔Hや傾斜角度などを最適に調節されている。
【0077】
上述のようにして、許容姿勢1個のナットNUは、ゲート空間44を通過後、さらに、
図7に示すように、ゲート部材43のゲート板43bの開口43gを通過する。すなわち、万一、複数のナットNUがゲート空間44を通過してしまった場合、この開口43gにより、正規の移動軌跡MGから遠い側のナットNUの移動が規制されて落下するようになっている。
【0078】
そして、開口43gを通過したナットNUは、スライド板43cに当接し、それ以上、移動軌跡MGに沿って移動するのが規制される。この規制により、ナットNUは、回転板20と共に回転する磁石22から離れ、作用する吸引力が弱まった時点で、スライド板43cに沿って、
図3の矢印YDの方向に滑り落ちる。
【0079】
このスライド板43cを滑り落ちたナットNUは、
図1に示すホッパ本体10の供給部100から上向き位置に配置された計量筒51の内部に滑り落ちる。
【0080】
以上のように、回転板20が回転している間、上述の動作が繰り返されて、収容部14内のナットNUは、1個ずつ供給部100から計量筒51の内部に供給される。
【0081】
計量筒51では、最初に滑り落ちたナットNUは、底部51bに当たって止まり、次に滑り落ちたナットNUは、前に落下したナットNUの外側面nsに当たって止まり、これを繰り返して底部51b側から出入口51a側へ一列に並ぶ。
【0082】
そして、計量筒51に滑り落ちたナットNUの個数があらかじめ設定された数になった時点で、錘54とのバランスに基づいて「ししおどし」のように、計量筒51が下向き位置に向かって(
図1において時計回り方向)揺動する。
【0083】
本実施の形態では、ナットNUが1個ずつ、一定の向き(すなわち、穴nhの軸方向を上下方向に向けた状態)で計量筒51に供給されるため、計量筒51の内部では、ナットNUは、穴nhの軸方向を上下方向に向けた状態で一列に並ぶ。このため、計量筒51揺動させるように作用するナットNUの重量によるモーメントの大きさと個数との関係は安定しており、ナットNUの個数が設定数となると、計量筒51が下向き位置へ揺動する。
【0084】
ちなみに、供給部100から供給されるナットNUの向きが一定しない場合、計量筒51に落下するナットNUが上下に重なったりし、このような場合、ナットNUの個数に対するモーメントが小さくなって、ナットNUの数が設定数よりも多い個数にならないと計量筒51が下向き位置へ揺動しない場合も生じる。
【0085】
次に、上述のように計量筒51が、下向き揺動して下向き位置に近付くと、吸着部材53により下向き位置に吸引され、かつ、その位置に保持される。
【0086】
したがって、計量筒51の内部に滑り落ちた設定数のナットNUが、確実に全て受皿60に落下する。また、このとき、計量筒51が、端子アーム72aを押し下げてリミットスイッチ72が開成され、これにより、制御回路70は、モータ31の駆動を停止させる。
【0087】
作業者は、設定数のナットNUが入った受皿60を取り出して空の受皿60と交換した後、計量筒51を、吸着部材53による吸着力に抗して、上向き位置に戻す。これにより、端子アーム72aが元の位置に戻ってリミットスイッチ72が閉成され、制御回路70がモータ31を駆動させる。
【0088】
したがって、再び、収容部14内のナットNUが、供給部100から計量筒51に1個ずつ供給され、計量筒51に供給されたナットNUの個数が設定数になると、計量筒51が下向きに揺動して、受皿60に供給されるという動作が繰り返される。
【0089】
以上説明したように、実施の形態のナット定量供給装置Aは、以下に列挙する効果を有する。
【0090】
a)ナットNUを吸引する磁石22の移動軌跡MGの上下に上側セレクションプレート41と下側セレクションプレート42とを設け、両者間にナットNUが通過可能なゲート空間44を形成した。そして、このゲート空間44の上下方向寸法(間隔H)を、ナットNUの厚みtnよりも大きく、ナットNUの高さHnよりも小さな寸法とした。
【0091】
したがって、ナットNUが、磁石22に確実に1個ずつ吸着されて供給されるようになった。これにより、磁石22に複数のナットNUが吸着される場合と比較して、誤検出が生じにくくなる。
【0092】
しかも、本実施の形態では、磁石22によりナットNUが吸着されて移動する際の姿勢が、その軸線を法線方向のある程度の範囲内に向けた許容姿勢に矯正されて、供給時の姿勢が一定の姿勢に制限される。
【0093】
したがって、本実施の形態では、計量筒51にナットNUを一列に並べたときに生じるモーメントの大きさに基づいて個数の計測を行うようになっているが、上記のようにナットNUの供給姿勢が安定することにより、誤検出を抑制することができる。
【0094】
b)上側セレクションプレート41は、締結具41bを中心に上下に揺動して、ゲート空間44の上限位置の調節を可能とした。このため、ナットNUの種類(大きさ)の違いに応じて、最適のゲート空間44を設定できる。また、ナットNU以外の部品の供給に用いる場合も、適用可能である。
【0095】
c)下側セレクションプレート42は、第1長穴42c及び第2長穴42dとを有し、締結具42eを中心として上下に揺動可能に形成すると共に、水平方向にも移動可能として、ゲート空間44の下限位置の調節を可能とした。このためナットNUの種類(大きさ)の違いに応じて、最適のゲート空間44を設定できる。また、ナットNU以外の部品の供給に用いる場合にも、適用可能である。
【0096】
d)ナットNUが接触して移動する外側板12aは、磁石22が最初にナットNUを吸着する位置である集積部14cにおいて、その板厚を薄くした薄肉部ADを設けた。このため、磁石22に対するナットNUの吸着性が良くなると共に、外側板12aの全体を薄くしたものと比較して、その後のナットNUの移動がスムーズになる。
【0097】
e)ナットNUの個数のカウントは、赤外線センサを用いることなく、計量筒51に作用するナットNUの個数に応じたモーメントと錘54とのバランスに基づいて計測するようにした。
【0098】
このため、赤外線センサを用いてナットNU(部品数)を計測するものと比較して、大幅に製造コストを低減できる。
【0099】
しかも、上記a)のようにゲート空間44による制限により、1個の磁石22に複数のナットNUが供給されたり、ナットNUが縦向きで供給されたりするのが抑制され、計量筒51を用いた単純な計測方法であっても、精度の高い個数計測が可能となった。
【0100】
f)計量筒51には、錘54を設け、計量筒51のナット収容部側との釣り合いを任意に調整可能であるため、計測する部品(ナットNU)の種類や重量が変わっても、その部品に応じた設定数の計測が可能である。
【0101】
g)計量筒51には、吸着部材53を設け、下向き位置に向けて揺動した際に、その揺動を促進させると共に、下向き位置に保持するようにした。このため、計量筒51内の一部のナットNUのみが落下した時点のバランス変化で上向き位置に戻ることにより、受皿60に、設定数よりも少ないナットNUしか供給されない不具合の発生を防止できる。
【0102】
h)計量筒51が下向き位置に揺動したことを検出するリミットスイッチ72を設け、計量筒51が下向き位置に配置されたときには、制御回路70がモータ31を停止させるようにした。したがって、モータ31の無駄の無い駆動を、単純で安価な電気回路構成により実行可能となった。
【0103】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、これら実施の形態及び実施例1に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0104】
例えば、実施の形態では、部品としてナットを示したが、ナット以外の磁性体製の部品の計測にも適用可能である。
【0105】
また、実施の形態では、計量筒を用いて設定数のナット(部品)の計測を行うようにした例を示したが、この計測には、従来技術と同様の赤外線センサなどの他のセンサを用いてもよい。なお、赤外線センサを用いた場合であっても、本発明では、磁石に吸着される部品数が1個に制限されると共に、部品(ナット)の姿勢があらかじめ設定された許容姿勢に制限されることから、磁石に複数の部品が吸着されることによる誤検出や、部品の姿勢による誤検出を抑制できる。
【0106】
また、実施の形態では、回転部材として、円板状のものを示したが、磁石を集積部から供給部へ向けて移動可能に回転するものであれば、その形状は円板状のものに限定されない。
【0107】
また、実施の形態では、リミットスイッチは、端子アームの揺動により切り換わるものを示したが、計量筒により押されて上下方向に移動するスイッチ端子を有したものや、赤外線などの光線を用いて計量筒の位置に応じて切り換わるものなど、他の構造のリミットスイッチを用いてもよい。