【文献】
「バッチ式水素結合抑制凍結機 ユースフル・フリーザー BU-R150型取扱説明書」、「同BU-R150型制御盤取扱説明書」,取扱説明書,日本,株式会社菱豊フリーズシステムズ,2007年11月,取扱説明書P2,P8等,制御盤取扱説明書P8等
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明による冷凍庫の一実施の形態を示す概略斜視図である。
【0017】
本実施の形態の冷凍庫1は、例えば断熱効果のある筐体2で覆って構成される。
【0018】
筐体2の正面には、ほぼ中央に制御盤4を設けており、ユーザは、この制御盤4を操作して冷凍庫1の動作を制御する。
【0019】
また、筐体2の正面には、冷凍室扉3a、3b、3cおよび3dを設けている。
図2は、
図1に示した冷凍庫1の冷凍室扉3a、3b、3cおよび3dのすべてを開けた状態を示す斜視図である。冷凍室扉3a、3b、3cおよび3dのいずれかを開くと、扉それぞれに対応し、冷凍庫1内の冷凍室5a、5b、5cおよび5dのいずれかが開放し、この冷凍室5a、5b、5cまたは5dに被冷凍物を出し入れ可能となる。
【0020】
冷凍庫1の筐体2や冷凍室扉3a、3b、3cおよび3dは、既知の如何なる断熱性の高い材質や構造を用いることもできる。
【0021】
図3は、
図1に示した冷凍庫1の筐体2を取り外して内部構造を示す図であって、(a)は斜視図であり、(b)は平面図であり、(c)は正面図である。
【0022】
図2にも示したように、本実施の形態の冷凍庫1では、冷凍庫1を正面から見て右上部に冷凍室5aを設け、右下部に冷凍室5bを設け、左上部に冷凍室5cを設け、左下部に冷凍室5dを設けている。冷凍室5a、5b、5cおよび5dのそれぞれは、別々の扉である冷凍室扉3a、3b、3cおよび3dのそれぞれによって別々に開閉可能に構成されている。また、本実施の形態では、冷凍室5a、5b、5cおよび5dのそれぞれは、壁や網状部材等で仕切られた個室になっており、各部屋の冷凍温度での保温性を高めている。このように個室化により各室の保温性を高めることにより、冷凍室5a、5b、5cおよび5dのいずれかに被冷凍物を収容するためその室の扉を開けたときの外気による温度上昇が他の室に及ぼす影響を低減することができる。本実施の形態の冷凍庫1では、庫内温度を例えば−40℃から−60℃程度にする。
【0023】
右側の冷凍室5aおよび5bと、左側の冷凍室5cおよび5dとの間すなわち冷凍庫1のほぼ中央位置には冷却コイル6を設けている。冷却コイル6は、例えば、管内を低温の冷媒が循環する冷媒配管(不図示)を有し、この配管に付随して周囲を効率よく冷却する冷却フィン(不図示)を有するものである。なお、冷媒配管内の冷媒を冷却する構成としては、既知の如何なる構成を用いてもよいものであるため、詳しい説明は省略する。
【0024】
冷却コイル6の冷媒配管相互や冷却フィン相互の間には各所に隙間を設けており、冷凍庫1内の空気は、この隙間を流れる際に冷却コイル6と熱交換し冷却される。
【0025】
また、本実施の形態では、冷凍庫1内の空気の流れを発生させる送風機7a1、7a2、7b1、7b2、7c1、7c2、7d1および7d2を設けている。
【0026】
送風機7a1および7a2は、冷凍室5aの側方であって冷却コイル6とは逆の側に設け、冷凍室5aと冷却コイル6とを結ぶ線とほぼ平行な方向に送風可能な位置に設けている。また、送風機7a1は冷凍庫1の正面側に設け、送風機7a2は冷凍庫1の背面側に設けている。
【0027】
送風機7b1および7b2は、冷凍室5bの側方であって冷却コイル6とは逆の側に設け、冷凍室5bと冷却コイル6とを結ぶ線とほぼ平行な方向に送風可能な位置に設けている。また、送風機7b1は冷凍庫1の正面側に設け、送風機7b2は冷凍庫1の背面側に設けている。
【0028】
送風機7c1および7c2は、冷凍室5cの側方であって冷却コイル6とは逆の側に設け、冷凍室5cと冷却コイル6とを結ぶ線とほぼ平行な方向に送風可能な位置に設けている。また、送風機7c1は冷凍庫1の正面側に設け、送風機7c2は冷凍庫1の背面側に設けている。
【0029】
送風機7d1および7d2は、冷凍室5dの側方であって冷却コイル6とは逆の側に設け、冷凍室5dと冷却コイル6とを結ぶ線とほぼ平行な方向に送風可能な位置に設けている。また、送風機7d1は冷凍庫1の正面側に設け、送風機7d2は冷凍庫1の背面側に設けている。
【0030】
これらの構成は底板2a上に設けられている。
【0031】
送風機7a1、7a2、7b1、7b2、7c1、7c2、7d1および7d2は、例えばプロペラを回転することによって送風を行う送風機であって、このプロペラの回転方向を逆にすることで送風方向を逆にすることができる。
【0032】
冷凍室5a、5b、5cおよび5dは、冷凍室扉3a、3b、3cおよび3dが閉じられることで密閉されるものであってもよいが、送風機7a1、7a2、7b1、7b2、7c1、7c2、7d1および7d2による送風が被冷凍物に直接あたって効率よく冷凍可能なように、各冷凍室の仕切が網状部材等で構成され、所々が開放していてもよい。
【0033】
次に、本実施の形態の冷凍庫1の動作について説明する。
【0034】
図4は、本実施の形態の冷凍庫1の動作の例について説明する図であって、(a)は従来の冷凍庫の動作の例を説明する図であり、(b)および(c)は本実施の形態の冷凍庫1の動作の例を説明する図である。
【0035】
図4(a)に示すように、従来の冷凍庫では、送風機7aおよび7bで発生させた気流を、冷却コイル5を介して冷凍室5に送り、冷凍室5内の被冷凍物を冷却するようにしていた。
【0036】
一方、本実施の形態の冷凍庫1では、
図4(b)に示すように、送風機7a1および7a2を駆動手段によって駆動し、送風機7a1および7a2によって、冷凍室5aに向けて吹き出すことにより冷凍室5aから冷却コイル6を通過して冷凍室5cに向かう気流を発生させるとともに、送風機7c1および7c2を駆動手段によって駆動し、送風機7c1および7c2によって、冷凍室5cから吸い込むことにより冷凍室5aから冷却コイル6を通過して冷凍室5cに向かう気流を発生させる。
【0037】
その後、所定のタイミング(例えば10分経過後)で、
図4(c)に示すように、送風機7a1および7a2の回転方向を駆動手段によって逆にし、送風機7a1および7a2によって、冷凍室5aから吸い込むことにより冷凍室5cから冷却コイル6を通過して冷凍室5aに向かう気流を発生させるとともに、送風機7c1および7c2の回転方向を駆動手段によって逆にし、送風機7c1および7c2によって、冷凍室5cに向けて吹き出すことにより冷凍室5cから冷却コイル6を通過して冷凍室5aに向かう気流を発生させる。その後、所定タイミング(例えば10分経過後)で、
図4(b)に示すように、気流の向きを変え、これを繰り返す。この所定タイミングで気流の向きを変える構成を、ここでは冷気進行方向変換手段と呼ぶ場合がある。冷気進行方向変換手段は、例えば、送風機7a1、7a2、7b1、7b2、7c1、7c2、7d1および7d2や、その駆動手段(不図示)や、駆動手段に対して各送風機の回転開始/停止、回転速度や回転方向の指示制御を行う制御部(不図示)を有して構成される。冷気進行方向変換手段は、例えばユーザによる制御盤4の操作を入力し、それに基づき送風機駆動手段に対して指示制御を行う。すなわち、ユーザは、制御盤4によって、冷凍庫1内の設定温度や、送風機の送風の強さ(回転速度)や、送風の向き(回転方向)、送風の向きを切り替えるタイミングなどを入力し、冷凍庫1はこの入力を受けてその入力指示通りに動作する。
【0038】
従来、冷凍庫は、
図4(a)に示すように、冷却コイル6に対して常に一定方向から送風を行っており、送風の風上側に霜は一点集中して付着し、冷却コイル6内の隙間がすぐに目詰まりし冷却効率が低下してしまうものであった。このような環境において、従来は、冷却コイル6に霜が付いたら霜取り運転(例えば冷却コイル6を温めて霜を溶かす運転)を行えばよいという発想しかなかった。
【0039】
これに対して、本実施の形態の冷凍庫1によれば、所定のタイミングで気流の向きを変えることができるので、冷却コイル6に対する送風の風上側を所定タイミングで切り替えることができ、冷却コイル6には一点集中して霜が付着することがなく、霜の付着箇所を分散し、冷却コイル6内の隙間が目詰まりし能力ダウンするまでの時間を延ばすことが可能となる。
【0040】
図5は、本実施の形態の冷凍庫1の動作の例について説明する図であって、(a)は従来の冷凍庫の動作の例を説明する図であり、(b)および(c)は本実施の形態の冷凍庫1の動作の例を説明する図である。
【0041】
冷凍庫内に冷気を循環させる際、従来の冷凍庫では、
図5(a)に示すように、送風機7で発生させた気流を、冷却コイル6および冷凍室5に通過させ(往路)て冷凍庫の所定の一端から所定の他端まで到達させ、その後、その気流は、冷却コイル6や冷凍室5の外側を通って(復路)冷凍庫の所定の他端から所定の一端まで到達させ、送風機7の裏側に戻り、これにより循環経路を形成していた。
【0042】
これに対して本実施の形態の冷凍庫1では、冷凍庫1内に冷気を循環させる際、
図5(b)に示すように、送風機7a2および7c2で発生させた気流を、冷凍室5a、冷却コイル6および冷凍室5cの順に通過させ(往路)て冷凍庫の所定の一端から所定の他端まで到達させ、その後、その気流は、送風機7c1および7a1で発生させた気流に乗り、冷凍室5c、冷却コイル6および冷凍室5aの順に通過させ(復路)て冷凍庫の所定の他端から所定の一端まで到達させ、送風機7a2の裏側に戻り、これにより循環経路を形成している。
【0043】
さらに、本実施の形態の冷凍庫1では、循環経路を逆転し、
図5(c)に示すように、送風機7c2および7a2で発生させた気流を、冷凍室5c、冷却コイル6および冷凍室5aの順に通過させ(往路)て冷凍庫の所定の一端から所定の他端まで到達させ、その後、その気流は、送風機7a1および7c1で発生させた気流に乗り、冷凍室5a、冷却コイル6および冷凍室5cの順に通過させ(復路)て冷凍庫の所定の他端から所定の一端まで到達させ、送風機7c2の裏側に戻り、これにより循環経路を形成している。
図5(b)の気流と
図5(c)の気流とは、前述のように所定タイミングで切り替える。
【0044】
このように本実施の形態の冷凍庫1によれば、冷気の循環経路の往路および復路の両方で、気流が冷凍室および冷却コイルを通過するので、循環経路の往路および復路の両方を無駄にせずに冷凍を行うことができ、省スペースを図ることができる。
【0045】
図6は、本実施の形態の冷凍庫1の動作の例について説明する図であって、(a)は従来の冷凍庫の動作の例を説明する図であり、(b)および(c)は本実施の形態の冷凍庫1の動作の例を説明する図である。
【0046】
従来の冷凍庫では、
図6(a)に示すように、送風機7aおよび7cで発生させた気流を、冷却コイル6、冷凍室51a、51cの順、および冷却コイル6、冷凍室51b、51dの順に通過させて、冷凍室51a、51b、51cおよび51d内を冷却するようにしていた。この場合、冷凍室51cおよび51dは、冷凍室51aおよび51bよりも冷気の流れの下流側に位置し、冷凍室51aおよび51bでの熱交換で温度が少し上がってしまった冷気が流入し、冷凍効率が悪化する虞があった。
【0047】
これに対して本実施の形態の冷凍庫1では、
図6(b)に示すように、送風機7a1および7c1で発生させた気流を、冷凍室5a、冷却コイル6および冷凍室5cの順に通過させて、その後、その気流は、送風機7d1および7b1で発生させた気流に乗り、冷凍室5d、冷却コイル6および冷凍室5bの順に通過させて、冷凍室5a、5b、5cおよび5d内を冷却する。
【0048】
さらに、本実施の形態の冷凍庫1では、
図6(c)に示すように、気流を逆方向にし、送風機7c1および7a1で発生させた気流を、冷凍室5c、冷却コイル6および冷凍室5aの順に通過させて、その後、その気流は、送風機7b1および7d1で発生させた気流に乗り、冷凍室5b、冷却コイル6および冷凍室5dの順に通過させて、冷凍室5a、5b、5cおよび5d内を冷却する。
図6(b)の気流と
図6(c)の気流とは、前述のように所定タイミングで切り替える。
【0049】
このように本実施の形態の冷凍庫1によれば、冷凍室5bおよび5cは、
図6(b)の気流において、冷却コイル6の直下となり、冷凍室5aおよび5dは、
図6(c)の気流において、冷却コイル6の直下となる。このように本実施の形態の冷凍庫1によれば、どの冷凍室も、他の冷凍室を介した冷気が流入するようなことはなく、均等に冷凍効率を向上することができる。
【0050】
図7は、本実施の形態の冷凍庫1の動作の例について説明する図であって冷凍室に収容した被冷凍物の様子を示す図であり、(a)は従来の冷凍庫の動作の例を説明する図であり、(b)および(c)は本実施の形態の冷凍庫1の動作の例を説明する図である。
【0051】
従来の冷凍庫では、
図7(a)に示すように、被冷凍物10の片側からのみ冷風(冷気の気流)が当たることになり、冷風の風上側である被冷凍物10の一端部10aは凍結するが、その後、被冷凍物10の他端部10bはなかなか凍結しない状態であった。
【0052】
これに対して本実施の形態の冷凍庫1では、
図7(b)に示すように、被冷凍物10の一端部10a側から冷風を当てるとともに、気流を逆方向にし、
図7(c)に示すように、被冷凍物10の他端部10b側から冷風を当てることができ、被冷凍物10の一端部10a側および他端部10b側の両側から、被冷凍物10の凍結を促進することができ、全体が凍結完了するまでの時間を短縮することができる。
【0053】
なお、本実施の形態の冷凍庫1においては、送風機を片側に上下左右で4個、反対側に上下左右で4個、合計8個の送風機を設けたが、本発明はこれに限られるものではなく、任意の箇所に任意の数の送風機を設けるようにしてもよい。
【0054】
また、送風の向きは、複数の送風機のうちの任意の送風機の組み合わせによって定めるものであってよい。
【0055】
また、本発明は、冷凍室扉3a、3b、3cおよび3dのいずれかが開状態であるなど庫内の開放を検出する開放検出手段をさらに備え、送風機の駆動手段に対して指示制御を行う制御部は、この解放検出手段によって庫内の開放を検出した場合には、送風機の回転数を下げる、または送風機を停止するように制御する。庫内が開放しているときに送風機による送風を続けると、庫内の冷気を外部に積極的に逃がしてしまうことになり、冷凍効率を悪化させることになってします。そこで、本発明では、庫内の開放を検出した場合には、送風機の回転数を下げる、または送風機を停止するよう制御することにより、冷凍庫の開放部から冷気が逃げてしまうことを低減し、冷凍効率の悪化を防ぐことができる。
【0056】
以上、本発明を説明したが、本発明は、この説明に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で数々の変形および組み合わせが出来ることは勿論である。