特許第5852387号(P5852387)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5852387
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】サーマルプリントヘッド
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/335 20060101AFI20160114BHJP
【FI】
   B41J2/335 101Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-213026(P2011-213026)
(22)【出願日】2011年9月28日
(65)【公開番号】特開2013-71365(P2013-71365A)
(43)【公開日】2013年4月22日
【審査請求日】2014年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113322
【氏名又は名称】東芝ホクト電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082740
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 恵基
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(74)【代理人】
【識別番号】100081732
【弁理士】
【氏名又は名称】大胡 典夫
(72)【発明者】
【氏名】樋口 淳一
【審査官】 金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−092055(JP,U)
【文献】 特開2008−201013(JP,A)
【文献】 特開2005−096274(JP,A)
【文献】 特開2005−022104(JP,A)
【文献】 特開平06−246945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/32 − 2/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形の載置面にその長手方向に延びた樹脂充填溝およびその樹脂充填溝に平行に延びる分離溝が形成された放熱板であって、前記樹脂充填溝の側壁には複数の側壁溝が形成されている放熱板と、
前記載置面に対向する面の反対側の面に前記長手方向に間隔を置いて配列された発熱抵抗体が設けられ、前記発熱抵抗体の裏側が前記樹脂充填溝に対向するように配置された発熱体板と、
前記分離溝の前記樹脂充填溝に対して反対側で前記載置面と前記発熱体板とを接着する両面テープと、
前記放熱板と前記発熱体板との間の前記樹脂充填溝を含む領域に充填された樹脂と、
を具備することを特徴とするサーマルプリントヘッド。
【請求項2】
前記側壁溝は前記樹脂充填溝に平行に延びていることを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項3】
前記樹脂充填溝の幅は1.5mm以上4mm以下であり、深さは1mm以上3mm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項4】
前記樹脂はシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のサーマルプリントヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーマルプリントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
サーマルプリントヘッドは、発熱部に配列された複数の発熱体を発熱させ、その熱により感熱記録紙などの媒体に文字や図形などの画像を形成する出力用デバイスである。このサーマルプリントヘッドは、バーコードプリンタ、デジタル製版機、ビデオプリンター、イメージャー、シールプリンターなどの記録機器に広く利用されている。
【0003】
一般的なサーマルプリントヘッドは、放熱板と、放熱板に取り付けられた発熱体板と、発熱体板と同じ側で放熱板に取り付けられた回路基板とを備えている。この発熱体板の放熱板と相対する表面の反対側の表面の帯状に延びる発熱領域には、複数の発熱抵抗体が所定の間隔で直線状に配列されている。また、回路基板には、発熱抵抗体を駆動する駆動回路の一部となる駆動ICなどの電気部品が搭載されている。発熱抵抗体に接続された電極と駆動ICとの間は、ワイヤーボンディングで結線されている。結線に持ちいれられたボンディングワイヤーは、樹脂で封止される。
【0004】
このようなサーマルプリントヘッドを用いたプリンタは、一般的に、所定の弾性を持つ材料で円筒状に形成されたプラテンローラを備えている。このプラテンローラは、発熱抵抗体が配列された主走査方向を軸として、その側面が支持基板上の発熱領域に接するように配置され、その軸を中心に回転可能に設けられる。プラテンローラの回転によって、プラテンローラと発熱領域の間に挿入された媒体は、主走査方向に垂直な副走査方向に移動する。プラテンローラによって媒体を発熱領域に押し付けつつ、その媒体を副走査方向に移動させ、発熱抵抗の発熱パターンを媒体の移動とともに変化させることにより、所望の画像を媒体上に形成する。
【0005】
サーマルプリントヘッドでは、発熱体板と回路基板とが放熱板上で合体される。発熱体板と放熱板との合体には、接着剤および両面テープのいずれかを用いることが多い。接着剤を用いて発熱体板と放熱板とを合体させる場合、固定の際の硬化に伴ってひずみが生じ、発熱領域の直線性が損なわれることがある。このため、特に150mm以上の印画幅のサーマルプリントヘッドの場合には適用が難しい。両面テープを用いる場合には、サーマルプリントヘッドの熱履歴に影響を与える発熱領域の裏側からの放熱性が悪く、蓄熱が大きい傾向にある。
【0006】
そこで、発熱体板の回路基板に近い側の裏面を両面テープで固定し、発熱領域の裏面をシリコーン樹脂などの樹脂材を用いて固定するハイブリッド構造もある。このハイブリッド構造において、発熱体板は放熱板から両面テープの厚さだけ離れて支持され、樹脂材は両面テープの厚さを埋めて、発熱体板と放熱板との密着性を高める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−351800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
サーマルプリントヘッドを用いたサーマルプリンタでは、発熱体板に形成された発熱領域の発熱抵抗体を発熱させ、プラテンローラでサーマルプリントヘッドに押し付けられた媒体に印画する。したがって、プラテンローラからの圧力によって、放熱板に合体された発熱体板が放熱板から剥がれないことが重要である。しかし、発熱体板をシリコーン樹脂などの樹脂および両面テープで合体したハイブリッド構造では、合体強度が十分でない場合には、発熱体板が放熱板から剥がれて、樹脂接着層に隙間が生じ、印画品位に大きな影響を与える。
【0009】
そこで、本発明は、放熱板と発熱体板とを両面テープおよび樹脂材料で接合するサーマルプリントヘッドにおいて、接合強度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するため、本発明は、サーマルプリントヘッドにおいて、長方形の載置面にその長手方向に延びた樹脂充填溝およびその樹脂充填溝に平行に延びる分離溝が形成された放熱板と、前記載置面に対向する面の反対側の面に前記長手方向に間隔を置いて配列された発熱抵抗体が設けられ、前記発熱抵抗体の裏側が前記樹脂充填溝に対向するように配置された発熱体板であって、前記樹脂充填溝の側壁には複数の側壁溝が形成されている放熱板と、前記分離溝の前記樹脂充填溝に対して反対側で前記載置面と前記発熱体板とを接着する両面テープと、前記放熱板と前記発熱体板との間の前記樹脂充填溝を含む領域に充填された樹脂と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、放熱板と発熱体板とを両面テープおよび樹脂材料で接合するサーマルプリントヘッドにおいて、接合強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態における断面図である。
図2】本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態における一部切欠き平面図である。
図3】本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態を用いたサーマルプリンタの断面図である。
図4】本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態の健全性の試験結果を示す表である。
図5】本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態の放熱特性の試験結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、この実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。
【0014】
図1は、本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態の断面図である。図2は、本実施の形態のサーマルプリントヘッドの一部切り欠き上面図である。
【0015】
本実施の形態のサーマルプリントヘッド10は放熱板20と発熱体板30と回路基板41とを有している。発熱体板30は、絶縁基板31と、その絶縁基板の表面に形成された発熱抵抗体32とを有している。絶縁基板31は、セラミック板38などの表面に硝子で保温層39が形成されたものである。
【0016】
発熱抵抗体32は、絶縁基板31の表面に間隔をおいて、絶縁基板31の長手方向(主走査方向)に配列され、ほぼ直線状に延びる帯状の発熱領域を形成している。それぞれの発熱抵抗体32は、主走査方向に垂直な副走査方向に延びている。主走査方向に延びる突条を保温層39に設け、その突条部に発熱抵抗体32を配列してもよい。
【0017】
それぞれの発熱抵抗体32には、ボンディングパッド33まで延びる電極34が接続されている。発熱抵抗体32のボンディングパッド33と接続されている側と反対側の端部は、折り返し電極35に接続されている。発熱抵抗体32および電極34,35は、絶縁基板31の表面に積層して設けられる。電極34,35は、たとえばアルミニウムで形成される。電極34,35で覆われない発熱抵抗体32の長さは、たとえば100μmである。
【0018】
発熱体板30の表面の一部は、保護層36で覆われている。発熱体板30のボンディングパッド33が形成されている領域は、保護層36で覆われず、露出している。
【0019】
回路基板41は、たとえばガラスエポキシ樹脂などを絶縁体基材として用いたリジッドなプリント基板である。回路基板41の表面には配線パターンが形成され、その配線パターンは外部との接続部分を除き絶縁被膜で覆われている。回路基板41上には、駆動素子42が搭載されている。駆動素子42とは、半導体集積回路(IC)であって、所定のタイミングで所定の電流を流してそれぞれの発熱抵抗体32に発熱させる。
【0020】
放熱基板20は、たとえばアルミニウムなどの熱伝導率の高い材料で形成された板である。発熱体板30および回路基板41は、放熱板20の同じ側の表面に載置されている。発熱体板30と回路基板41とは、発熱体板30のボンディングパッド33近傍の長辺と回路基板41の駆動素子42が配置されている側の長辺とが近接して対向するように配置されている。
【0021】
回路基板41に搭載された駆動素子42と発熱体板30のボンディングパッド33との間には、たとえば金などの金属で形成されたボンディングワイヤー51が架け渡され、電気的に接続されている。駆動素子42と回路基板41上の端子との間にも、ボンディングワイヤーが架け渡される。
【0022】
ボンディングワイヤー51は、封止樹脂52で封止されている。封止樹脂52は、発熱体板30の保護層36で覆われずに露出した領域、ボンディングワイヤー51および駆動素子42を覆っている。封止樹脂52は、熱硬化性のエポキシ系樹脂である。この封止は、エポキシ系樹脂を塗布し、100℃程度で数時間加熱して硬化させることにより行う。
【0023】
発熱体板30および回路基板41は、放熱板20の表面と両面テープ23で接着されている。この両面テープ23は、発熱体板30の発熱抵抗体32の裏側の部分には存在していない。両面テープ23の厚さ、すなわち、発熱体板30および回路基板41と放熱基板の表面との距離は、たとえば150μmである。
【0024】
放熱板20の表面には、発熱抵抗体32の配列方向すなわち主走査方向に直線状に延びる樹脂充填溝21が形成されている。この樹脂充填溝21には、シリコーン樹脂22が充填されている。樹脂充填溝21に埋め込まれたシリコーン樹脂22は、発熱体板30の発熱抵抗体32の裏側近傍と接着している。樹脂充填溝21に埋め込まれる樹脂は、熱膨張係数が異なるセラミック板38と金属製の放熱板20とを接合するものであるから、ある程度弾性を持つシリコーン樹脂が好ましい。
【0025】
この樹脂充填溝21は、発熱体板30からの熱がシリコーン樹脂22に効率的に伝達されるように、発熱抵抗体32の下方に形成されている。樹脂充填溝21は、底部と、この底部と放熱基板20の最上面との間の側壁とを持つ。樹脂充填溝21の対向する側壁には、それぞれ複数の側壁溝61が形成されている。これらの側壁溝61は、たとえば断面がV字状であり、樹脂充填溝21と平行に、すなわち、発熱抵抗体32の配列方向に延びている。
【0026】
樹脂充填溝21の幅はたとえば1.5mm〜4mmであり、深さはたとえば1mm〜3mmである。側壁溝61の幅はたとえば100μm〜500μmであり、深さはたとえば100μm〜500μmである。
【0027】
樹脂充填溝21と両面テープ23の発熱体板30側の長辺との間には、分離溝24が形成されている。この分離溝24を形成しておくことにより、両面テープ23が配置される領域までシリコーン樹脂22が流れ出す可能性を小さくすることができる。
【0028】
このサーマルプリントヘッド10を製造する場合には、まず、放熱板20、発熱体板30および回路基板41を製造する。その後、放熱板20の樹脂充填溝21にシリコーン樹脂22を充填する。また、両面テープ23を放熱板20に貼り付ける。その後、発熱体板30および回路基板41を放熱基板20上に載置する。
【0029】
このようにして、発熱体板30が放熱基板20上に載置された後、たとえば120℃で3時間の熱処理を施して、シリコーン樹脂22を硬化させる。その後、駆動素子42を回路基板41に搭載し、ワイヤーボンディングで結線し、ボンディングワイヤー51などを封止樹脂52で封止する。
【0030】
なお、本実施の形態では、放熱板20の発熱体板30および回路基板41を載置する載置面は、段差のない平面としているが、段差を形成して回路基板41を発熱体板30よりも低い位置で放熱板20に固定してもよい。この場合、両面テープ23は、発熱体板30と放熱板20との固定用、および、回路基板41と放熱板20との固定用の2種類を用いる。このように回路基板41を発熱体板30よりも低い位置で放熱板20に固定することにより、発熱体板30から封止樹脂52の最上部までの高さを低くすることができる。その結果、封止樹脂52が感熱記録媒体の搬送を阻害する可能性を低減できる。
【0031】
図3は、本実施の形態のサーマルプリントヘッドを用いたサーマルプリンタの断面図である。
【0032】
このサーマルプリンタは、サーマルプリントヘッド10と、プラテンローラ60を有している。プラテンローラ60は、発熱抵抗体32が並んだ線に平行な軸を持つ所定の弾性を持つ材料で形成された円柱である。プラテンローラ60の側面は、発熱体板30の発熱抵抗体32が並んだ部分に押しつけられている。プラテンローラ60と発熱体板30との間には、感熱記録媒体62が挟まれる。
【0033】
駆動素子42によって発熱抵抗体32が所定のパターンで発熱されることによって、その所定のパターンに応じて感熱記録媒体62が発色する。また、感熱記録媒体62が所定のパターンに対応して発色した後、プラテンローラ60によって、副走査方向に送りだされる。この操作を順次行うことにより、感熱記録媒体上に所定の画像が形成される。
【0034】
本実施の形態のサーマルプリントヘッド10において、発熱体板30は樹脂充填溝21に充填されたシリコーン樹脂22などで放熱板20と接着されている。このような樹脂充填溝21がない場合には、放熱板20と発熱体板30との間のシリコーン樹脂の厚さや幅などの断面形状が、塗布量の変動などによって大きく変化する可能性がある。
【0035】
しかし、本実施の形態において、発熱抵抗体32が配列された部分の裏側のシリコーン樹脂22の厚さおよび幅は、樹脂充填溝21の厚さおよび幅で実質的に決まる。したがって、樹脂充填溝21に沿って安定した厚さの樹脂層が形成されるため、発熱体板30からの放熱性を主走査方向に均一化させることができ、また、製造された製品ごとのばらつきを小さくすることもできる。
【0036】
また、サーマルプリントヘッド10では、プラテンローラからの圧力によって、放熱板に合体された発熱体板30が放熱板20から剥がれないことが重要である。しかし、発熱体板をシリコーン樹脂などの樹脂および両面テープで合体したハイブリッド構造では、合体強度が十分でないと、発熱体板30が放熱板20から剥がれてしまう。この場合、樹脂接着層に隙間が生じ、印画品位が悪化する。
【0037】
しかし、本実施の形態では、発熱体板30と放熱板20との接合に用いられるシリコーン樹脂22を樹脂充填溝21に充填している。樹脂充填溝21の存在およびその側面に形成された側壁溝61の存在によって、シリコーン樹脂22と放熱板20との接触面積が大きくなる。このため、シリコーン樹脂22による接着強度が増大する。
【0038】
樹脂充填溝21が単に最上面から垂直に下降する平面状の側壁を持つ場合、つまり樹脂充填溝21の幅が深さ方向で変化しない場合には、そこに充填された変形しなくてもシリコーン樹脂22は溝の深さ方向に移動できる。このため、この場合にはシリコーン樹脂22は樹脂充填溝21から抜けやすくなる。
【0039】
一方、本実施の形態では、樹脂充填溝21の側壁に側壁溝61が形成されている。また、樹脂充填溝21の幅は深さ方向に一定ではなく、幅が狭い部分と広い部分が深さ方向で交互に形成されている。このため、シリコーン樹脂22は、変形しないと樹脂充填溝21の内部を移動できない。その結果、発熱体板30が放熱板20から剥がれにくくなる。
【0040】
また、接触面積の増大によって、放熱特性も向上する。これらにより、高い印画品位を維持できる。
【0041】
また、本実施の形態では、樹脂充填溝21の側面に形成された側壁溝61は、樹脂充填溝21と同じ方向に延びている。つまり、放熱板20の断面形状は、主走査方向のいずれの位置でも同じである。よって、本実施の形態の放熱板20は、成型しやすい。
【0042】
図4は、本実施の形態におけるサーマルプリントヘッドの動作後の健全性の試験結果を示す表である。この試験は、樹脂充填溝21の幅および深さをそれぞれ変えたサーマルプリントヘッドを用いて、所定の回数印画を行った後の放熱板20と発熱体板30との剥離の有無をまとめたものである。
【0043】
この表から、樹脂充填溝21の幅が1mmの場合には深さが1mmから4mmの範囲で変化しても剥離が生じているのに対して、樹脂充填溝21の幅が1.5mmから4mmの範囲では深さが1mmから4mmの間であれば剥離が生じないことがわかる。したがって、発熱体板30を放熱板20に適切に固定するためには樹脂充填溝21が所定の幅以上あることが好ましいことがわかる。この所定の幅は、接着剤としてシリコーン樹脂22を用いた場合には、1.5mm以上である。
【0044】
図5は、本実施の形態のサーマルプリントヘッドの動作時の放熱特性の試験結果を示す表である。この試験は、樹脂充填溝21の幅および深さをそれぞれ変えたサーマルプリントヘッドを用いて、所定の時間継続的に印画を行ったときの尾引きの有無をまとめたものである。尾引きとは、一定期間、一面に黒を印画した後、印画しない状態すなわち白としたときに、白となるべき部分に黒い部分が生じる事象である。
【0045】
この表から、樹脂充填溝21の深さが3.5mm以上の場合には深さが1mmから4mmの範囲で変化しても尾引きが生じているのに対して、樹脂充填溝21の深さが1mmから3mmの範囲では深さが1mmから4mmの間であれば尾引きが生じないことがわかる。したがって、十分な放熱特性を得るためには樹脂充填溝21が所定の深さ以下あることが好ましいことがわかる。この所定の深さは、接着剤としてシリコーン樹脂22を用いた場合には、3mm以下である。
【0046】
このように、接着剤としてシリコーン樹脂22を用いた場合には、樹脂充填溝の幅は1.5mm以上4mm以下、深さは1mm以上3mm以下が好ましい。
【符号の説明】
【0047】
10…サーマルプリントヘッド、20…放熱板、21…樹脂充填溝、22…シリコーン樹脂、23…両面テープ、24…分離溝、30…発熱体板、31…絶縁基板、32…発熱抵抗体、33…ボンディングパッド、34…電極、35…折り返し電極、36…保護層、38…セラミック板、39…保温層、41…回路基板、42…駆動素子、51…ボンディングワイヤー、52…封止樹脂、60…プラテンローラ、61…側壁溝、62…感熱記録媒体

図1
図2
図3
図4
図5