特許第5852455号(P5852455)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5852455
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】故障検知装置及び故障検知方法
(51)【国際特許分類】
   H02S 50/00 20140101AFI20160114BHJP
【FI】
   H02S50/00
【請求項の数】15
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-16819(P2012-16819)
(22)【出願日】2012年1月30日
(65)【公開番号】特開2013-157458(P2013-157458A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2014年6月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】JX日鉱日石エネルギー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100156395
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 寿王
(72)【発明者】
【氏名】吉富 政宣
(72)【発明者】
【氏名】石井 隆文
【審査官】 山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−066320(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/052984(WO,A1)
【文献】 特開2012−156343(JP,A)
【文献】 特開2001−024204(JP,A)
【文献】 特開2000−243995(JP,A)
【文献】 特開2010−186795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 50/00−50/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光を利用して発電を行う太陽電池と、前記太陽電池に並列接続されたバイパスダイオードと、を具備する太陽電池モジュールにおいて故障を検知する故障検知装置であって、
前記バイパスダイオードのオープンモード故障を検知する検知手段を備え、
前記検知手段は、前記太陽電池で発電が行われている際、前記バイパスダイオードのカソード側が接続された前記太陽電池の正極側と前記バイパスダイオードのアノード側が接続された前記太陽電池の負極側との間に所定の逆電圧値が印加されたときに、当該バイパスダイオードのオープンモード故障を検知し、
前記所定の逆電圧値は、前記バイパスダイオードに最大電流値の電流が流れたときにおける前記太陽電池の電圧降下値よりも大きい電圧降下値であること、を特徴とする故障検知装置。
【請求項2】
前記所定の逆電圧値は、前記バイパスダイオードに最大電流値の電流が流れたときにおける前記太陽電池の電圧降下値との間に、動作閾値に対する誤動作防止余裕である差分を有する、請求項1記載の故障検知装置。
【請求項3】
前記最大電流値は、太陽定数の日射量の太陽光が前記太陽電池の全面に照射された場合の前記太陽電池の短絡電流値であること、を特徴とする請求項1又2記載の故障検知装置。
【請求項4】
前記バイパスダイオードのオープンモード故障を前記検知手段で検知したとき、故障信号を含む信号を発信する信号発信装置と、
前記信号発信装置から前記信号を受信する信号受信装置と、
前記信号受信装置による前記信号の受信に応じて、前記バイパスダイオードのオープンモード故障に関する情報を表示する表示装置と、を備えたこと、を特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載の故障検知装置。
【請求項5】
前記信号発信装置は、前記バイパスダイオードがオープンモード故障した前記太陽電池モジュールを識別するための固有値信号をさらに含む前記信号を発信すること、を特徴とする請求項記載の故障検知装置。
【請求項6】
太陽光を利用して発電を行う太陽電池と、前記太陽電池に並列接続されたバイパスダイオードと、を具備する太陽電池モジュールが複数直列接続されてなる太陽電池ストリングを、少なくとも1つ備えた太陽光発電システムにおいて故障を検知する故障検知装置であって、
前記バイパスダイオードのオープンモード故障を検知する検知手段を備え、
前記検知手段は、前記太陽電池で発電が行われている際、前記バイパスダイオードのカソード側が接続された前記太陽電池の正極側と前記バイパスダイオードのアノード側が接続された前記太陽電池の負極側との間に所定の逆電圧値が印加されたときに、当該バイパスダイオードのオープンモード故障を検知し、
前記所定の逆電圧値は、前記バイパスダイオードに最大電流値の電流が流れたときにおける前記太陽電池の電圧降下値よりも大きい電圧降下値であること、を特徴とする故障検知装置。
【請求項7】
前記所定の逆電圧値は、前記バイパスダイオードに最大電流値の電流が流れたときにおける前記太陽電池の電圧降下値との間に、動作閾値に対する誤動作防止余裕である差分を有する、請求項6記載の故障検知装置。
【請求項8】
前記最大電流値は、太陽定数の日射量の太陽光が前記太陽電池の全面に照射された場合の前記太陽電池の短絡電流値であること、を特徴とする請求項6又は7記載の故障検知装置。
【請求項9】
前記複数の太陽電池モジュールの少なくとも1つについて、前記バイパスダイオードのオープンモード故障を前記検知手段で検知したとき、故障信号を含む信号を発信する信号発信装置と、
前記信号発信装置から前記信号を受信する信号受信装置と、
前記信号受信装置による前記信号の受信に応じて、前記バイパスダイオードのオープンモード故障に関する情報を表示する表示装置と、を備えたこと、を特徴とする請求項6〜8の何れか一項記載の故障検知装置。
【請求項10】
前記信号発信装置は、前記バイパスダイオードがオープンモード故障した前記太陽電池モジュールを識別するための固有値信号をさらに含む前記信号を発信し、
前記表示装置は、前記信号受信装置で前記信号を受信したとき、当該信号の前記固有値信号に対応する前記太陽電池モジュールを特定する特定情報を含む前記情報を表示すること、を特徴とする請求項記載の故障検知装置。
【請求項11】
太陽光を利用して発電を行う太陽電池に対し並列接続されたバイパスダイオードのオープンモード故障を検知する検知工程を備え、
前記検知工程では、前記太陽電池で発電が行われている際、前記バイパスダイオードのカソード側が接続された前記太陽電池の正極側と前記バイパスダイオードのアノード側が接続された前記太陽電池の負極側との間に所定の逆電圧値が印加されたときに、当該バイパスダイオードのオープンモード故障を検知し、
前記所定の逆電圧値は、前記バイパスダイオードに最大電流値の電流が流れたときにおける前記太陽電池の電圧降下値よりも大きい電圧降下値であること、を特徴とする故障検知方法。
【請求項12】
前記所定の逆電圧値は、前記バイパスダイオードに最大電流値の電流が流れたときにおける前記太陽電池の電圧降下値との間に、動作閾値に対する誤動作防止余裕である差分を有する、請求項11記載の故障検知方法。
【請求項13】
前記最大電流値は、太陽定数の日射量の太陽光が前記太陽電池の全面に照射された場合の前記太陽電池の短絡電流値であること、を特徴とする請求項11又は12記載の故障検知方法。
【請求項14】
前記バイパスダイオードのオープンモード故障を前記検知工程により検知したとき、故障信号を含む信号を発信する信号発信工程と、
前記信号発信工程により発信された前記信号を受信する信号受信工程と、
前記信号受信工程による前記信号の受信に応じて、前記バイパスダイオードのオープンモード故障に関する情報を表示する表示工程と、を備えたこと、を特徴とする請求項11〜13の何れか一項記載の故障検知方法。
【請求項15】
前記信号発信工程では、オープンモード故障した前記バイパスダイオードを含む太陽電池モジュールを識別するための固有値信号をさらに含む前記信号を発信すること、を特徴とする請求項1記載の故障検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、故障検知装置及び故障検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、太陽光を利用して発電を行う太陽電池モジュールにおいては、例えば特性のバラツキや日射強度の変動等の影響によって太陽電池に逆電圧が印加されることがあり、この逆電圧が高まると、太陽電池が発熱ひいては破損する虞がある。そのため、従来の太陽電池モジュールとしては、バイパスダイオードを太陽電池に並列に接続し、太陽電池に過剰な逆電圧が印加されるのを抑制するものが知られている。
【0003】
このような太陽電池モジュールにおいては、例えば下記特許文献1に記載されているように、バイパスダイオードのオープンモード(開放モードとも称される)故障を検出する故障検知装置が開発されている。特許文献1に記載された検査装置では、太陽電池を遮蔽板により遮光すると共に、この遮蔽板に一体化された感熱紙により太陽電池における遮光部分の温度を検出する。そして、太陽電池の遮蔽部分にホットスポット熱(異常発熱)の発生を検出した場合、バイパスダイオードに電流が流れていないと判断し、これにより、バイパスダイオードがオープンモード故障していると判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−024204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上述したような故障検知装置では、次の理由により、バイパスダイオードが故障しているか否かの判定が困難となる虞がある。すなわち、バイパスダイオードがオープンモード故障をしていない場合であっても、太陽電池を遮光した際に太陽電池にある程度の逆電圧が印加され、太陽電池の発熱が検出される場合がある。当該発熱の程度は、そのときの日射強度、遮光状態、太陽電池の電流密度、太陽電池の放熱状態、太陽電池のシャント抵抗成分等に依存するため、一概に予測できない。従って、正常範囲の発熱と、バイパスダイオードの故障に起因する発熱とを区別することが極めて困難となり、バイパスダイオードのオープンモード故障を精度よく検出できない虞がある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、バイパスダイオードのオープンモード故障を精度よく検出できる故障検知装置及び故障検知方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明らは鋭意検討を重ねた結果、バイパスダイオードがオープンモード故障したときにおいては、バイパスダイオードに最大電流値の電流が流れたときにおける太陽電池の電圧降下値よりも大きい電圧降下値が太陽電池に印加されるという知見を得た。そこで、かかる知見に基づけば、バイパスダイオードのオープンモード故障を精度よく検出できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明に係る故障検知装置は、太陽光を利用して発電を行う太陽電池と、太陽電池に並列接続されたバイパスダイオードと、を具備する太陽電池モジュールにおいて故障を検知する故障検知装置であって、バイパスダイオードのオープンモード故障を検知する検知手段を備え、検知手段は、太陽電池に所定の逆電圧値が印加されたときにバイパスダイオードのオープンモード故障を検知し、所定の逆電圧値は、バイパスダイオードに最大電流値の電流が流れたときにおける太陽電池の電圧降下値よりも大きい電圧降下値であること、を特徴とする。
【0009】
この故障検知装置では、バイパスダイオードのオープンモード故障に上記知見を好適に適用することができ、よって、当該オープンモード故障を精度よく検出することが可能となる。なお、「太陽電池に逆電圧が印加される」とは、太陽電池の負極に対する正極の電位が低い状態になることを意味している(以下、同じ)。
【0010】
このとき、最大電流値は、太陽定数の日射量の太陽光が太陽電池の全面に照射された場合の太陽電池の短絡電流値であることが好ましい。この場合、バイパスダイオードのオープンモード故障を一層精度よく検知することができる。これは、バイパスダイオードに流れる上記最大電流値は、太陽定数の日射量の太陽光が太陽電池の全面に照射された場合の太陽電池の短絡電流値であるという知見をさらに見出したことによる。
【0011】
また、バイパスダイオードのオープンモード故障を検知手段で検知したとき、故障信号を含む信号を発信する信号発信装置と、信号発信装置から信号を受信する信号受信装置と、信号受信装置による信号の受信に応じて、バイパスダイオードのオープンモード故障に関する情報を表示する表示装置と、を備えたことが好ましい。この場合、オープンモード故障を表示装置により表示させて報知することが可能となる。
【0012】
また、信号発信装置は、バイパスダイオードがオープンモード故障した太陽電池モジュールを識別するための固有値信号をさらに含む信号を発信することが好ましい。この場合、例えば、信号発信装置から発信される信号の固有値信号に基づいて、オープンモード故障した太陽電池モジュールを識別することが可能となる。
【0013】
また、本発明に係る故障検知装置は、太陽光を利用して発電を行う太陽電池と、太陽電池に並列接続されたバイパスダイオードと、を具備する太陽電池モジュールが複数直列接続されてなる太陽電池ストリングを、少なくとも1つ備えた太陽光発電システムにおいて故障を検知する故障検知装置であって、バイパスダイオードのオープンモード故障を検知する検知手段を備え、検知手段は、太陽電池に所定の逆電圧値が印加されたときにバイパスダイオードのオープンモード故障を検知し、所定の逆電圧値は、バイパスダイオードに最大電流値の電流が流れたときにおける太陽電池の電圧降下値よりも大きい電圧降下値であること、を特徴とする。
【0014】
この故障検知装置においても、バイパスダイオードのオープンモード故障に上記知見を好適に適用し、当該オープンモード故障を精度よく検出することが可能となる。
【0015】
このとき、最大電流値は、太陽定数の日射量の太陽光が太陽電池の全面に照射された場合の太陽電池の短絡電流値であることが好ましい。この場合、上述したように、バイパスダイオードのオープンモード故障を一層精度よく検知することができる。
【0016】
また、バイパスダイオードのオープンモード故障を検知手段で検知したとき、故障信号を含む信号を発信する信号発信装置と、信号発信装置から信号を受信する信号受信装置と、信号受信装置による信号の受信に応じて、バイパスダイオードのオープンモード故障に関する情報を表示する表示装置と、を備えたことが好ましい。この場合、オープンモード故障を表示装置により表示させて報知することが可能となる。
【0017】
また、信号発信装置は、バイパスダイオードがオープンモード故障した太陽電池モジュールを識別するための固有値信号をさらに含む信号を発信し、表示装置は、信号受信装置で信号を受信したとき、当該信号の固有値信号に対応する太陽電池モジュールを特定する特定情報を含む情報を表示することが好ましい。この場合、表示装置で表示された特定情報により、バイパスダイオードがオープンモード故障した太陽電池モジュールを特定することが可能となる。
【0018】
また、本発明に係る故障検知方法は、太陽光を利用して発電を行う太陽電池に対し並列接続されたバイパスダイオードのオープンモード故障を検知する検知工程を備え、検知工程では、太陽電池に所定の逆電圧値が印加されたときにバイパスダイオードのオープンモード故障を検知し、所定の逆電圧値は、バイパスダイオードに最大電流値の電流が流れたときにおける太陽電池の電圧降下値よりも大きい電圧降下値であること、を特徴とする。
【0019】
この故障検知方法においても、バイパスダイオードのオープンモード故障に上記知見を好適に適用し、当該オープンモード故障を精度よく検出することが可能となる。
【0020】
このとき、最大電流値は、太陽定数の日射量の太陽光が太陽電池の全面に照射された場合の太陽電池の短絡電流値であることが好ましい。この場合、上述したように、バイパスダイオードのオープンモード故障を一層精度よく検知することができる。
【0021】
また、バイパスダイオードのオープンモード故障を検知工程により検知したとき、故障信号を含む信号を発信する信号発信工程と、信号発信工程により発信された信号を受信する信号受信工程と、信号受信工程による信号の受信に応じて、バイパスダイオードのオープンモード故障に関する情報を表示する表示工程と、を備えたことが好ましい。この場合、表示工程においてオープンモード故障を表示し報知することが可能となる。
【0022】
また、信号発信工程では、オープンモード故障したバイパスダイオードを含む太陽電池モジュールを識別するための固有値信号をさらに含む信号を発信することが好ましい。この場合、例えば、発信される信号の固有値信号に基づいて、オープンモード故障した太陽電池モジュールを識別することが可能となる。
【0023】
なお、上記検知手段、上記信号発信装置、上記信号受信装置及び上記表示装置のそれぞれは、太陽電池モジュールと機械的に一体であってもよいし別体であってもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、バイパスダイオードのオープンモード故障を精度よく検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1実施形態に係る故障検知装置を含む太陽光発電システムを示す構成図である。
図2図1の太陽光発電システムの太陽電池モジュールを示す構成図である。
図3図1の太陽光発電システムの太陽電池ユニットにおけるIVカーブ特性を示すグラフである。
図4】バイパスダイオードを説明するための図である。
図5】第2実施形態に係る故障検知装置を含む太陽光発電システムを示す構成図である。
図6】第3実施形態に係る故障検知装置を含む太陽光発電システムの太陽電池モジュールを示す構成図である。
図7】第4実施形態に係る故障検知装置を含む太陽光発電システムの太陽電池モジュールを示す構成図である。
図8】第5実施形態に係る故障検知装置を含む太陽光発電システムの太陽電池モジュールを示す構成図である。
図9】第6実施形態に係る故障検知装置を含む太陽光発電システムの太陽電池モジュールを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0027】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る故障検知装置を含む太陽光発電システムを示す構成図であり、図2図1の太陽光発電システムにおける太陽電池モジュールの構成図である。図1に示すように、本実施形態の故障検知装置90は、太陽電池モジュール100において故障を検知するためのものであり、検知手段としてのLED(Light Emitting Diode)40及び受光素子60と、信号発信装置としての発信機70と、信号受信装置としての受信部151と、遮断手段としてのスイッチ140及びスイッチ制御部152と、を少なくとも備えている。以下、故障検知装置90を太陽電池モジュール100とともに説明する。
【0028】
太陽光発電システム1は、太陽光エネルギを利用して発電を行う発電システムであり、例えば屋根等の高所に設置され、200V以上の出力電圧を有する系統連携型のものとされている。太陽光発電システム1は、太陽電池アレイ110と、パワーコンディショナ120と、を具備している。
【0029】
太陽電池アレイ110は、太陽光エネルギを電気エネルギへ変換し、直流出力としてパワーコンディショナ120へ供給する。太陽電池アレイ110は、太陽電池モジュール100が複数直列接続されてなる太陽電池ストリング130を、少なくとも1つ備えている。ここでは、8つの太陽電池モジュール100が互いに直列接続されて太陽電池ストリング130が構成され、2つの太陽電池ストリング130が互いに並列接続されて太陽電池アレイ110が構成されている。この太陽電池アレイ110は、パワーコンディショナ120に対し、スイッチ140を介して接続されている。
【0030】
パワーコンディショナ120は、太陽電池アレイ110から供給された直流出力を交流出力に変換し、この交流出力を後段の電力系統(例えば商用電力系統)へ供給する。このパワーコンディショナ120は、太陽電池アレイ110の最大出力が得られるよう太陽電池アレイ110の動作電圧を制御する動作電圧制御機能と、電力系統の異常が検知された場合に安全にシステム停止する等の系統保護機能と、を有している。なお、パワーコンディショナ120は、絶縁トランスを有するトランス絶縁型であってもよいし、トランスレス(非絶縁)型であってもよい。
【0031】
スイッチ140は、太陽電池アレイ110とパワーコンディショナ120との電気的接続を制御する開閉器である。スイッチ140としては、電流を遮断するものであれば如何なる構成のものも用いることができ、例えば、FET(Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated GateBipolar Transistor)等の半導体スイッチ、機械式リレー等の電磁開閉器を用いることができる。このスイッチ140は、通常時には閉状態とされ、太陽電池アレイ110及びパワーコンディショナ120を互いに接続させる一方、バイパスダイオード30のオープン故障時には開状態とされ、これらを互いに解列させる(詳しくは後述)。
【0032】
太陽電池モジュール100は、パネル状に構成されており、図2に示すように、互いに直列接続された複数(ここでは、3つ)の太陽電池ユニット10を備えている。複数の太陽電池ユニット10のそれぞれは、太陽電池クラスタ(太陽電池)20と、バイパスダイオード30と、LED40と、を含んで構成されている。
【0033】
太陽電池クラスタ20は、互いに直列接続された複数の太陽電池セル21を含んでおり、太陽光を利用して発電を行うものである。複数の太陽電池セル21は、マトリクス状に並置された状態でアルミフレームに固定されていると共に、その受光面側が強化ガラスで覆われている。太陽電池セル21としては、例えば0.5Vの出力電圧の結晶系太陽電池セルが用いられている。
【0034】
バイパスダイオード30は、太陽電池クラスタ20に並列接続されている。バイパスダイオード30としては、順方向電圧を小さくし且つ逆回復時間を短縮化するために、例えばショットキーバリアダイオードが用いられている。このバイパスダイオード30は、太陽電池クラスタ20に逆電圧が印加されたときに電流が流れるよう設けられており、その順方向が太陽電池クラスタ20内における太陽電池セル21の等価寄生ダイオードの順方向に対し逆方向とされている。
【0035】
具体的には、バイパスダイオード30のカソード側は、太陽電池クラスタ20を直列接続する電路50上において、太陽電池クラスタ20の正極側に接続されている。また、バイパスダイオード30のアノード側は、電路50上において太陽電池クラスタ20の負極側に接続されている。
【0036】
LED40は、太陽電池クラスタ20及びバイパスダイオード30に並列接続された発光素子であり、バイパスダイオード30のオープンモード故障を検知する検知手段を構成する。LED40は、その順方向が太陽電池クラスタ20における太陽電池セル21の等価寄生ダイオードの順方向に対し逆方向とされ、太陽電池クラスタ20に所定の逆電圧値が印加されたときに発光するように設けられている。この所定の逆電圧値にあっては、バイパスダイオード30がオープンモード故障したときにLED40を発光させるべく、例えば以下に詳説するようにLED40のIVカーブ(電流電圧曲線)特性を設けることで設定されている。
【0037】
図3(a)は太陽電池ユニットにおける各要素のIVカーブ特性を個別に示すグラフであり、図3(b)は太陽電池ユニットにおける各要素のIVカーブ特性を合成して示すグラフである。図3(a),(b)に示すように、バイパスダイオード30が正常に機能している場合(バイパスダイオード30に電流が流れる場合)、太陽電池ユニット10における電圧値は正常電圧範囲H内の値となり、その下限はバイパスダイオード30に最大電流値の電流が流れたときの電圧降下値Vbとなる。換言すると、バイパスダイオード30に最大電流値が流れたときに、最も大きな電圧降下が太陽電池ユニット10に発生する。一方、この電圧降下値Vbよりも大きな電圧降下が生じたときには、バイパスダイオード30がオープンモード故障(通電しない状態で故障)し、バイパスダイオード30に電流が流れないと判断することができる。
【0038】
ここで、最大電流値は、考えられる最大の日射強度に太陽電池クラスタ20が晒された場合の短絡電流値であり、大気による吸収や散乱を受ける前の日射強度である太陽定数に対応する短絡電流値とみなすことができる。具体的には、通常、太陽電池クラスタ20の短絡電流の定格値は標準状態である日射強度の短絡電流値であることから、最大電流値は、太陽定数の日射量の太陽光が太陽電池クラスタ20の全面に照射された場合の太陽電池の短絡電流値とすることができ、下式(1)の値を最大電流値として用いることができる。なお、「全面」とは、製造上及び設計上の誤差を許容するものであり、略全面や実質的に全面を含んでいる。
定格短絡電流値×太陽定数/標準状態での日射強度(=1kW/m) …(1)
【0039】
そこで、本実施形態では、電圧降下値Vbを基準とし、これよりも大きな電圧降下値を所定の逆電圧値とし、当該所定の逆電圧値が太陽電池クラスタ20に印加されたときに電流が流れて発光するIVカーブ特性のLED40を採用している。換言すると、LED40は、バイパスダイオード30のIVカーブ特性よりも大きな電圧降下値のときに順方向電流が流れるIVカーブ特性を有するダイオードにより構成されている。
【0040】
なお、ダイオードの環境温度等によって僅かに電圧降下値が変化する可能性があることから、誤作動を回避するために、電圧降下値Vbと上記所定の逆電圧値との間には、差分ΔVを設けることが好ましい。差分ΔVは1V未満の動作閾値に対する誤動作防止余裕であることから、その程度の小さな値を差分ΔVとして採用することができる。この差分ΔVにより、システムの信頼性を一層回避することができる。
【0041】
このLED40のカソード側は、電路50上において太陽電池クラスタ20の正極側とバイパスダイオード30との接続箇所O1に接続されている。LED40のアノード側は、電路50上において太陽電池クラスタ20の負極側とバイパスダイオード30との接続箇所O2に接続されている。
【0042】
また、太陽電池モジュール100は、受光素子60及び発信機70を備えている。受光素子60は、少なくとも1つのLED40で発光したLED光を受光するものであり、バイパスダイオード30のオープンモード故障を検知する検知手段を構成する。受光素子60は、各LED40からのLED光を好適に受光できるように配置(光結合)されており、ここでは、各LED40に対し近接配置されている。発信機70は、受光素子60によるLED光の受光に応じて(LED光を受光したとき)、バイパスダイオード30のオープンモード故障に係る故障信号を含む信号を、後述の受信部151へ発信する。
【0043】
図1に戻り、本実施形態は、太陽電池アレイ110における電流の流通を制御するためのコントローラ150を備えている。コントローラ150は、受信部151及びスイッチ制御部152を含んで構成されている。
【0044】
受信部151は、太陽電池モジュール100の発信機70(図2参照)で発信された信号を受信するものである。スイッチ制御部152は、受信部151による信号の受信に応じて太陽電池アレイ110の電流(電荷の流れ)を遮断するものである。具体的には、スイッチ制御部152は、発信機70からの信号を受信部151で受信したとき、スイッチ140を制御して開状態とし、太陽電池アレイ110をパワーコンディショナ120から解列させ、太陽電池アレイ110の電流を遮断させる。
【0045】
図4(a)はバイパスダイオードを説明するための構成図、図4(b)は、バイパスダイオードを説明するための太陽電池クラスタのIVカーブ特性を示すグラフである。図4(b)中において、L3が高日射太陽電池セル21aのIVカーブ特性、L4が低日射太陽電池セル21bのIVカーブ特性を示している。太陽電池ユニット10では、複数の太陽電池セル21が太陽電池クラスタ20として直列接続されていることらから、これら太陽電池セル21間の特性バラツキや日射強度の相違等によって、一部の太陽電池セル21に逆電圧が生じる場合がある。
【0046】
図4(a)に例示するように、日射量が良好な高日射太陽電池セル21aと、日射量が低下した低日射太陽電池セル21bとが短絡された場合、合計電圧は0であることから、図4(b)に示すように、それぞれの印加電圧は動作点P1,P2となる。よって、高日射太陽電池セル21aでは発電が行われているものの、低日射太陽電池セル21bでは、当該発電と同じ電力を消費しており、逆電圧が印加されることがわかる。
【0047】
そこで、下式(2)に示すように、バイパスダイオード30を太陽電池クラスタ20に並列に接続し、太陽電池クラスタ20の電圧損失Vlossを抑制することで、低日射太陽電池セル21bの電圧損失Vcellが電圧ゲインVgを大きく超えるのを回避することができる。
Vcell=Vloss+Vg …(2)
Vcell:低日射太陽電池セル21bの電圧損失
Vloss:太陽電池クラスタ20の電圧損失
Vg :太陽電池クラスタ20の高日射太陽電池セル21aの電圧ゲインの合計
【0048】
その結果、太陽電池ユニット10(太陽電池モジュール100、太陽電池ストリング130、太陽電池アレイ110、及び太陽光発電システム1)では、バイパスダイオード30の働きによって、太陽電池セル21bにかかる逆電圧が当該太陽電池クラスタ20を構成する他の太陽電池セル21aで発生する合計電圧を超えることを抑制でき、高い安全性を確保することができる。さらには、バイパスダイオード30が設けられていると、太陽電池クラスタ20に低日射太陽電池セル21bが存在している場合でも、この太陽電池クラスタ20以外の他の太陽電池クラスタ20からの大きな電流を通過させることができるため、当該他の太陽電池クラスタ20の発電量を維持できる。よって、システム全体として発電量低下を軽減することも可能となる。
【0049】
ここで、何らかの理由でバイパスダイオード30がオープンモード故障したとき、上述したように特定の太陽電池セル21に大きな逆電圧が印加され、発熱やモジュール破損の虞があるため、太陽電池ユニット10又は太陽電池モジュール100を電流が流れないように遮断することが好ましい。一方で、バイパスダイオード30の正常時には、発電能力を確保するために、太陽電池ユニット10又は太陽電池モジュール100の誤遮断を防止し、バイパスダイオード30を確実に機能させることが好ましい。
【0050】
この点、本実施形態の太陽電池ユニット10では、図3(b)に示すように、バイパスダイオード30が正常な正常時において、太陽電池クラスタ20に逆電圧が印加されたとしても、バイパスダイオード30が支配的で正常電圧範囲Hを有するIVカーブ特性L1のために、バイパスダイオード30が機能しLED40には電流が実質的に流れない。よって、LED40が発光せず、スイッチ140は閉状態のままとなり、太陽電池アレイ110は遮断されない。
【0051】
他方、バイパスダイオード30のオープンモード故障時においては、当該オープンモード故障を故障検知装置90によって検知することができる。すなわち、太陽電池ユニット10のIVカーブはLED40が支配的なIVカーブ特性L2へ遷移することから、複数の太陽電池モジュール100の何れかにおいて、太陽電池クラスタ20に所定の逆電圧(電圧降下値Vbよりも大きな電圧降下値)が印加されると、LED40に電流が流れて当該LED40からLED光が出射され、LED40からのLED光が受光素子60で受光され、これにより、バイパスダイオード30のオープンモード故障が検知される(検知工程)。
【0052】
また故障検知装置90では、LED光が受光素子60で受光されたとき、発信機70から受信部151へ信号が発信され(信号発信工程)、この信号が受信部151で受信される(信号受信工程)。そして、当該信号が受信部151で受信されたとき、スイッチ制御部152によって開状態となるようにスイッチ140が制御され、太陽電池アレイ110がパワーコンディショナ120(電路50)から切り離され、その結果、太陽電池アレイ110の電流が安全に遮断される(遮断工程)。
【0053】
以上、本実施形態では、太陽電池クラスタ20に所定の逆電圧値が印加されたときにバイパスダイオード30のオープンモード故障を検知しており、所定の逆電圧値は、バイパスダイオード30に最大電流値の電流が流れたときにおける太陽電池クラスタ20の電圧降下値よりも大きい電圧降下値とされている。これにより、太陽電池ユニット10の上記特性を利用し、バイパスダイオード30のオープンモード故障を精度よく検知できる。さらに、最大電流値は、太陽定数の日射量の太陽光が太陽電池クラスタ20の全面に照射された場合の太陽電池クラスタ20の短絡電流値であることから、バイパスダイオード30のオープンモード故障を一層精度よく検知できる。
【0054】
なお、本実施形態では、検知手段としてLED40及び受講素子60を用いているが、これに代えて、太陽電池クラスタ20に所定の逆電圧値が印加されているか否かを直接検出する検出器(例えば、太陽電池クラスタ20の電位差を検出するもの)を用いてもよい。この場合、太陽電池クラスタ20に所定の逆電圧値が印加されていると検出器で検出されたとき、発信機70から信号が発信される。
【0055】
また、本実施形態によれば、上述したように、正常時において、太陽電池クラスタ20ひいては太陽電池セル21に高い逆電圧が印加されるのを回避することができると共に、一の太陽電池セル21に影が射す等しても、すぐさま太陽電池ユニット10の電流を遮断しないだけでなく、他の太陽電池クラスタ20の発電を有効活用することが可能であり、発電能力の低下を抑制することができる。
【0056】
加えて、バイパスダイオード30のオープンモード故障をLED40及び受光素子60により検知し、スイッチ制御部152によりスイッチ140を制御して太陽電池アレイ110の電流を遮断できる。これにより、太陽電池アレイ110の電流を確実に安価で且つ容易に遮断し、太陽電池アレイ110の発熱や破損を防止することが可能となる。すなわち、特段の作業を別途必要とすることなく、バイパスダイオード30のオープンモード故障に対する対策が自動的に実施され、かかるオープンモード故障以上の損傷が抑止される。その結果、必要なときに太陽電池クラスタ20の電流が遮断されないのを回避できると共に、不要なときに太陽電池クラスタ20の電流が遮断されてしまうのを回避できる、発電能力を確保しつつ信頼性を容易に向上させることが可能となる。
【0057】
また、本実施形態では、コントローラ150を別体で独立して構成しているが、このコントローラ150はパワーコンディショナ120に内蔵していてもよい。ちなみに、LED40が配置され且つ太陽電池クラスタ20及びバイパスダイオード30に並列な電路51上には、所定の抵抗値を有する抵抗をさらに設けてもよい。この場合、バイパスダイオード30が正常な正常時に、LED40に微弱電流が流れてLED40が発光してしまうことを確実に防止できる。
【0058】
ちなみに、本実施形態の故障検知装置90(故障検知方法)は、太陽電池モジュール100の内部において故障を検知する構成としたが、これに限定されるものではない。要は、故障検知装置90(故障検知方法)は、太陽光発電システム1、太陽電池アレイ110、太陽電池ストリング130、太陽電池モジュール100の何れかの内部において故障を検知する構成であればよい。
【0059】
また、本実施形態の故障検知装置90は、発信機70、受信部151、並びに、スイッチ140及びスイッチ制御部152の少なくとも1つを備えない場合がある。同様に、本実施形態の故障検知方法は、信号発信工程、信号受信工程、並びに遮断工程の少なくとも1つを備えない場合がある。
【0060】
また、本実施形態では、遮断手段としてのスイッチ140及びスイッチ制御部152を太陽電池モジュール100と別体に(つまり、太陽電池モジュール100の外部に)設けたが、遮断手段の一部又は全部は、太陽電池モジュール100に搭載されていてもよい(つまり、太陽電池モジュール100の内部に設けられていてもよい)。
【0061】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明では、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。
【0062】
図5は、第2実施形態に係る故障検知装置を含む太陽光発電システムを示す構成図である。本実施形態が上記第1実施形態と主として異なる点は、上記第1実施形態が太陽電池アレイ110単位で電流を遮断するのに対し、太陽電池ストリング130単位で電流を遮断する点である。
【0063】
具体的には、本実施形態においては、複数の太陽電池モジュール100のそれぞれにおける発信機70が発信する信号に、複数の太陽電池モジュール100毎に異なった固有値信号(例えば、モジュール番号に関する信号等)がさらに含まれている。つまり、各発信機70は、バイパスダイオード30がオープンモード故障した太陽電池モジュール100を識別するための固有値信号をさらに含む信号を発信する。
【0064】
また、図5に示すように、本実施形態では、太陽光発電システム2において太陽電池ストリング130のそれぞれが、スイッチ140を介してパワーコンディショナ120に接続されている。また、スイッチ制御部152は、発信機70からの信号を受信部151で受信したとき、受信した信号から固有値信号を読み取り、この信号の固有値信号に対応する太陽電池モジュール100が属する太陽電池ストリング130を特定する。そして、スイッチ制御部152は、特定した太陽電池ストリング130に設けられたスイッチ140を制御して開状態とさせ、この特定した太陽電池ストリング130をパワーコンディショナ120から解列させ、これにより、当該太陽電池ストリング130の電流を遮断する。
【0065】
また、本実施形態の故障検知装置90は、記憶部253と入力部254と表示部(表示装置)255とをコントローラ250内にさらに備えている。記憶部253は、読み取った固有値信号を記憶する。入力部254は、ユーザによる操作入力を検知し、検知した操作入力に応じて表示部255に情報を表示させる。表示部255は、入力部254による操作入力に応じて情報を表示する。
【0066】
本実施形態の故障検知装置90では、例えば、バイパスダイオード30のオープンモード故障時において、バイパスダイオード30のオープンモード故障が検知されたとき、固有値信号をさらに含む信号が発信機70から発信される(信号発信工程)。続いて、この信号が受信部151で受信されたとき、当該信号に含まれる固有値信号が読み取られ、オープン故障したバイパスダイオード30を含む太陽電池モジュール100のモジュール番号が特定される。
【0067】
続いて、このモジュール番号の太陽電池モジュール100が属する太陽電池ストリング130のみがパワーコンディショナ120から切り離されるようにスイッチ140がスイッチ制御部152により制御される(遮断工程)。その結果、当該太陽電池ストリング130の電流が安全に遮断される。これと共に、バイパスダイオード30にオープンモード故障が発生した旨(オープンモード故障に関する情報)が表示部255に表示され、ユーザに対しオープンモード故障が報知されて注意喚起される(表示工程)。
【0068】
これに併せ、特定されたモジュール番号は、記憶部253に記憶され格納される(記憶工程)。その結果、例えば、ユーザにより入力部254の入力ボタンが操作されると、記憶部253に記憶されたモジュール番号が特定情報として表示部255にさらに表示され、複数の太陽電池モジュール100のうち何れの太陽電池モジュール100のバイパスダイオード30が故障したかが確認される(確認工程)。
【0069】
以上、本実施形態においても、上記実施形態と同様な効果、すなわち、発電能力を確保しつつ信頼性を容易に向上する、及び、バイパスダイオード30のオープンモード故障を精度よく検知するという効果が奏される。また、本実施形態では、上述したように、発信機70から発信される信号に固有値信号が含まれているため、この固有値信号に基づいてオープンモード故障した太陽電池モジュールを識別することが可能となる。
【0070】
さらに、本実施形態では、固有値信号に対応する太陽電池モジュール100が属する太陽電池ストリング130の電流のみが遮断される。よって、オープンモード故障した太陽電池モジュール100が属する特定の太陽電池ストリング130のみについて電流を遮断できる一方、特定の太陽電池ストリング130以外の太陽電池ストリング130によって発電を好適に継続することができる。
【0071】
また、本実施形態では、受信部151による信号の受信に応じて、バイパスダイオード30のオープンモード故障に関する情報を表示部255に表示させることができる。これにより、オープンモード故障を表示部255によってユーザに報知することが可能となる。
【0072】
さらに、本実施形態では、固有値信号に対応する太陽電池モジュール100を特定する特定情報を、表示部255に表示させることができる。よって、オープンモード故障した太陽電池モジュール100を特定することが可能となる。
【0073】
ちなみに、本実施形態の故障検知装置90は、記憶部253及び入力部254の少なくとも1つを備えない場合がある。同様に、本実施形態の故障検知方法は、記憶工程及び確認工程の少なくとも1つを備えない場合がある。
【0074】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明では、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。
【0075】
図6は、第3実施形態に係る故障検知装置を含む太陽光発電システムの太陽電池モジュールを示す構成図である。図6に示すように、本実施形態の故障検知装置390が上記故障検知装置90と異なる点は、LED40及び受光素子60(図2参照)に代えて、コンパレータ340及び基準電源360を検知手段として太陽電池モジュール300に備えた点である。
【0076】
コンパレータ340は、正極側入力電圧と負極側入力電圧とを比較し、その結果を2値の出力電圧で出力する。このコンパレータ340は、各太陽電池ユニット10のそれぞれにおいて太陽電池クラスタ20と並列接続するように設けられている。具体的には、各コンパレータ340は、その正極側入力端子が太陽電池クラスタ20の正極側とバイパスダイオード30との接続箇所O1に接続されていると共に、その負極側入力端子が太陽電池クラスタ20の負極側とバイパスダイオード30との接続箇所O2に接続されている。また、各コンパレータ340は、その出力端子が発信機70に接続されている。
【0077】
基準電源360は、上記所定の逆電圧値(電圧降下値Vbよりも大きな電圧降下値)に対応する基準電位差をコンパレータ340の負極側入力端子に印加する。基準電源360は、コンパレータ340の負極側入力端子と接続箇所O2との間の電路上に設けられている。この基準電源360により、コンパレータ340は、太陽電池クラスタ20に所定の逆電圧値が印加されたときに出力電圧をOFF信号として発信機70へ出力する。また、本実施形態の発信機70は、コンパレータ340の何れかからOFF信号が入力されたとき、受信部151へ信号を発信する。
【0078】
本実施形態の故障検知装置390では、バイパスダイオード30のオープンモード故障時において、複数の太陽電池モジュール100の何れかの太陽電池クラスタ20に所定の逆電圧(電圧降下値Vbよりも大きな電圧降下値)が印加されると、コンパレータ340によりOFF信号が発信機70へ出力される(検知工程)。これにより、バイパスダイオード30のオープンモード故障が検知される。そして、OFF信号が発信機70へ出力されたとき、発信機70から受信部151へ信号が発信される(信号発信工程)。その結果、太陽電池アレイ110の電流が安全に遮断されることとなる。
【0079】
以上、本実施形態においても、上記実施形態と同様な効果、すなわち、発電能力を確保しつつ信頼性を容易に向上する、及び、バイパスダイオード30のオープンモード故障を精度よく検知するという効果が奏される。なお、本実施形態では、説明の便宜上、コンパレータ340に係るその他の一般的な電源や抵抗等を省略しているが、これら電源や抵抗等が設けられていても勿論よい。
【0080】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明では、上記第3実施形態と異なる点について主に説明する。
【0081】
図7は、第4実施形態に係る故障検知装置を含む太陽光発電システムの太陽電池モジュールを示す構成図である。図7に示すように、本実施形態の故障検知装置490が上記故障検知装置390と異なる点は、検知手段として、コンパレータ440を太陽電池モジュール300にさらに備えると共に、基準電源360(図6参照)に代えて基準電源460を太陽電池モジュール300に備えている点である。
【0082】
コンパレータ440は、正極側入力電圧と負極側入力電圧とを比較し、その結果を2値の出力電圧で出力する。このコンパレータ440は、各太陽電池ユニット10のそれぞれのコンパレータ340と発信機70との間の電路上に設けられている。具体的には、各コンパレータ340は、その正極側入力端子がコンパレータ340の出力端子に接続されていると共に、その負極側入力端子が大地(対地電位)Gに接続されている。また、各コンパレータ440は、その出力端子が発信機70に接続されている。
【0083】
基準電源460は、上記所定の逆電圧値(電圧降下値Vbよりも大きな電圧降下値)に対応する基準電位差をコンパレータ440の負極側入力端子に印加する。基準電源460は、コンパレータ340の負極側入力端子と大地Gとの間の電路上に設けられている。この基準電源460により、コンパレータ440は、太陽電池クラスタ20に所定の逆電圧値が印加されたとき、出力電圧をOFF信号として発信機70へ出力する。また、本実施形態のコンパレータ340は、その入力側と出力側との間に絶縁能力を有する絶縁型のものとされている。
【0084】
本実施形態の故障検知装置490では、バイパスダイオード30のオープンモード故障時において、複数の太陽電池ユニット10の何れかの太陽電池クラスタ20に所定の逆電圧(電圧降下値Vbよりも大きな電圧降下値)が印加されると、コンパレータ340から出力電圧がコンパレータ440へ出力され、当該コンパレータ440によりOFF信号が発信機70へ出力される(検知工程)。これにより、バイパスダイオード30のオープンモード故障が検知される。そして、OFF信号が発信機70へ出力されたとき、発信機70から受信部151へ信号が発信される(信号発信工程)。その結果、太陽電池アレイ110の電流が安全に遮断されることとなる。
【0085】
以上、本実施形態においても、上記実施形態と同様な効果、すなわち、発電能力を確保しつつ信頼性を容易に向上する、及び、バイパスダイオード30のオープンモード故障を精度よく検知するという効果が奏される。また、本実施形態では、上述したように、1つの基準電源460を複数の太陽電池ユニット10で兼用することができる。なお、本実施形態では、説明の便宜上、コンパレータ340,440に係るその他の一般的な電源や抵抗等を省略しているが、これら電源や抵抗等が設けられていても勿論よい。
【0086】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明では、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。
【0087】
図8は、第5実施形態に係る故障検知装置を含む太陽光発電システムの太陽電池モジュールを示す構成図である。本実施形態が上記第1実施形態と主として異なる点は、上記第1実施形態が太陽電池アレイ110単位で電流を遮断するのに対し、太陽電池モジュール100単位で電流を遮断する点である。
【0088】
具体的には、図8に示すように、本実施形態の故障検知装置590は、LED40、受光素子60及び発信機70(図2参照)に代えて、発熱用ダイオード540及び温度ヒューズ560を太陽電池モジュール500に備えている。
【0089】
発熱用ダイオード540は、太陽電池クラスタ20及びバイパスダイオード30に並列接続された反応素子(発熱素子)であり、検知手段を構成する。発熱用ダイオード540は、その順方向が太陽電池クラスタ20における太陽電池セル21の等価寄生ダイオードの順方向に対し逆方向とされている。この発熱用ダイオード540にあっては、上記LED40と同様にして、太陽電池クラスタ20に所定の逆電圧値(電圧降下値Vbよりも大きな電圧降下値)が印加されたときに電流が流れて反応(発熱)するよう構成されている。
【0090】
この発熱用ダイオード540のカソード側は、電路50上において太陽電池クラスタ20の正極側とバイパスダイオード30の接続箇所O1との間に接続されている。発熱用ダイオード540のアノード側は、電路50上において太陽電池クラスタ20の負極側とバイパスダイオード30の接続箇所O2との間に接続されている。発熱用ダイオード540としては、例えばPNダイオードが用いられている。
【0091】
温度ヒューズ560は、複数の太陽電池クラスタ20及び複数のバイパスダイオード30に直列接続された遮断素子であり、検知手段及び遮断手段を構成する。この温度ヒューズ560には、複数の太陽電池ユニット10の各発熱用ダイオード540が接触され、これら発熱用ダイオード540の熱が直接的に伝熱可能とされている。つまり、温度ヒューズ560及び発熱用ダイオード540は、互いに熱的に接触するように配置(熱結合)された素子複合体510を形成する。
【0092】
この温度ヒューズ560は、複数の発熱用ダイオード540のうち少なくとも1つの発熱用ダイオード540の発熱に応じて、複数の太陽電池ユニット10に対する接続を切断し、複数の太陽電池ユニット10(太陽電池モジュール100)の電流を遮断する。温度ヒューズ560は、電路50上に1つのみ設けられており、一の太陽電池ユニット10におけるバイパスダイオード30の接続箇所O1に対し太陽電池クラスタ20側と反対側に接続されている。
【0093】
本実施形態の故障検知装置590では、少なくとも1つの太陽電池ユニット10において、バイパスダイオード30がオープンモード故障し、太陽電池クラスタ20に所定の逆電圧(電圧降下値Vbよりも大きな電圧降下値)が印加されると、発熱用ダイオード540に電流が流れて発熱用ダイオード540が発熱され、温度ヒューズ560が溶断され切断される(検知工程,遮断工程)。これにより、バイパスダイオード30のオープンモード故障が検知されると共に、複数の太陽電池ユニット10(太陽電池モジュール100)の電流が遮断されることとなる。
【0094】
以上、本実施形態においても、上記実施形態と同様な効果、すなわち、発電能力を確保しつつ信頼性を容易に向上する、及び、バイパスダイオード30のオープンモード故障を精度よく検知するという効果が奏される。また、本実施形態では、バイパスダイオード30がオープンモード故障したとき、そのバイパスダイオード30を含む特定の太陽電池モジュール100の電流のみが遮断される。よって、バイパスダイオード30のオープンモード故障時に、当該特定の太陽電池モジュール100以外の太陽電池モジュール100によって発電を好適に継続することができる。
【0095】
また、本実施形態では、遮断手段としての温度ヒューズ560を太陽電池モジュール100に搭載したが(つまり、太陽電池モジュール100の内部に設けたが)、遮断手段の一部又は全部は、太陽電池モジュール100と別体に(つまり、太陽電池モジュール100の外部に)設けられていてもよい。
【0096】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明では、上記第5実施形態と異なる点について主に説明する。
【0097】
図9は、第6実施形態に係る故障検知装置を含む太陽光発電システムの太陽電池モジュールを示す構成図である。図9に示すように、本実施形態の故障検知装置690が上記故障検知装置590と異なる点は、発熱用ダイオード540(図8参照)に代えて、制御用ダイオード641及び抵抗642を検知手段として太陽電池モジュール600に備えた点である。
【0098】
制御用ダイオード641は、電流の流れを制御するものであり、太陽電池クラスタ20及びバイパスダイオード30に並列接続されている。この制御用ダイオード641は、その順方向が太陽電池クラスタ20の順方向に対し逆方向とされている。この制御用ダイオード641にあっては、上記発熱用ダイオード540と同様にして、太陽電池クラスタ20に所定の逆電圧値(電圧降下値Vbよりも大きな電圧降下値)が印加されたときに電流を流すよう構成されている。
【0099】
この制御用ダイオード641のカソード側は、電路50上において太陽電池クラスタ20の正極側とバイパスダイオード30の接続箇所O1との間に接続されている。制御用ダイオード641のアノード側は、電路50上において太陽電池クラスタ20の負極側とバイパスダイオード30の接続箇所O2との間に接続されている。
【0100】
なお、バイパスダイオード30として、上述したように、順方向電圧の小さなショットキーバリアダイオードが用いられていることが多く、この場合には、制御用ダイオード641としては、バイパスダイオード30よりも順方向電圧の大きなPNジャンクションダイオードを用いることができる。また、バイパスダイオード30としてPNジャンクションダイオードが用いられている場合には、制御用ダイオード641として、複数のPNジャンクションダイオードを直列接続して用いることができる。これらにより、容易且つ好適に制御用ダイオード641の上記機能を発揮させることができる。
【0101】
抵抗642は、制御用ダイオード641のそれぞれに直列接続するよう複数設けられており、電流が流れて発熱する反応素子(発熱素子)として機能する。この抵抗642は、温度ヒューズ560が接触され、その熱が温度ヒューズ560に直接的に伝熱可能とされている。つまり、温度ヒューズ560及び抵抗642は、互いに熱的に接触するように配置(熱結合)された素子複合体610を形成する。
【0102】
本実施形態の故障検知装置690では、少なくとも1つの太陽電池ユニット10において、バイパスダイオード30がオープンモード故障し、太陽電池クラスタ20に所定の逆電圧(電圧降下値Vbよりも大きな電圧降下値)が印加されると、制御用ダイオード641及び抵抗642に電流が流れて抵抗642が発熱され、温度ヒューズ560が溶断され切断される(検知工程,遮断工程)。これにより、バイパスダイオード30のオープンモード故障が検知されると共に、複数の太陽電池ユニット10の電流が遮断されることとなる。
【0103】
この本実施形態においても、上記実施形態と同様な効果、すなわち、発電能力を確保しつつ信頼性を容易に向上する、及び、バイパスダイオード30のオープンモード故障を精度よく検知するという効果が奏される。
【0104】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0105】
例えば、太陽電池クラスタ20を構成する太陽電池セル21の数は、限定されるものではなく、1つとしてもよいし複数としてもよい。同様に、太陽電池ユニット10を構成する太陽電池クラスタ20の数、太陽電池モジュール100,300,400,500,600を構成する太陽電池ユニット10の数、太陽電池ストリング130を構成する太陽電池モジュール100,300,400,500,600の数、太陽電池アレイ110を構成する太陽電池ストリング130の数、及び、太陽光発電システム1,2を構成する太陽電池アレイ110の数についても、1つとしてもよいし複数としてもよい。
【0106】
上記実施形態では、検出手段として、LED40、受光素子60、コンパレータ340,440、発熱用ダイオード540、制御用ダイオード641及び抵抗642を用いたが、これに限定されるものではない。検出手段として、例えば電磁コイル、圧電素子、発熱コイル、及び抵抗器等のその他の素子を用いてもよく、要は、検知手段は、バイパスダイオード30のオープンモード故障を検知可能なものであればよい。
【0107】
また、上記実施形態では、検知手段で検知したバイパスダイオード30のオープンモード故障について、通信(発信機70及び受信部151)又は熱(熱結合)を利用して遮断手段及び表示手段の少なくとも一方へ伝達しているが、光(光結合)を利用して遮断手段及び表示手段の少なくとも一方へ伝達してもよいし、機械的手段(機械的結合)を利用して遮断手段及び表示手段の少なくとも一方へ伝達してもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、温度ヒューズ560に代えて、サーモスタットやサーミスタを利用した素子を用いてもよい。さらに、電磁コイルの磁力により電磁開閉器を開閉し電流を遮断してもよいし、例えば圧電素子の圧電効果を利用して開閉器を開閉し電流を遮断してもよい。
【0109】
また、本発明の遮断手段は、オープンモード故障したバイパスダイオード30に係る太陽電池ユニット10(太陽電池クラスタ20)の電流を遮断するものであってもよい。また、本発明の信号発信装置は、少なくとも1つの太陽電池モジュール100、太陽電位ストリング130又は太陽電池アレイ110においてバイパスダイオード30のオープンモード故障を検知したとき、信号を発信するものであってもよい。
【0110】
なお、上記実施形態の故障検知方法は、太陽光発電システム1(太陽電池モジュール100、太陽電池ユニット10、太陽電池ストリング130、又は太陽電池アレイ110)の電流を遮断する電流遮断方法として捉えることもできる。
【符号の説明】
【0111】
1,2…太陽光発電システム、20…太陽電池クラスタ(太陽電池)、30…バイパスダイオード、40…LED(検知手段)、60…受光素子(検知手段)、70…発信機(信号発信装置)、90,390,490,490,590,690…故障検知装置、100,300,400,500,600…太陽電池モジュール、130…太陽電池ストリング、151…受信部(信号受信装置)、255…表示部(表示装置)、340…コンパレータ(検知手段)、360…基準電源(検知手段)、440…コンパレータ(検知手段)、460…基準電源(検知手段)、540…発熱用ダイオード(検知手段)、560…温度ヒューズ(検知手段)、641…制御用ダイオード(検知手段)、642…抵抗(検知手段)。
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