【実施例】
【0016】
(パチンコ機)
実施例に係るパチンコ機Pは、
図1および
図2に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠Aの開口前面側に、遊技盤Dを着脱可能に保持する本体枠としての中枠Bが、開閉および着脱可能に組み付けられている。そして、遊技盤Dの裏側に、所定条件の成立(後述する第1始動入賞装置15の始動入賞口15Aまたは第2始動入賞装置16の始動入賞口16Aへのパチンコ球(遊技球)の入賞)を契機として演出用の図柄を変動表示させて図柄変動演出を行なう図柄表示装置Hが着脱可能に配設されている。また、中枠Bの前面側には、遊技盤Dを透視保護する透視保護板23で前後に開口する窓部を覆うよう構成された装飾枠としての前枠Cが開閉可能に組み付けられる。前枠Cの下方位置に、パチンコ球を貯留する上球皿Eおよびる下球皿Fが組み付けられる。
【0017】
図1および
図2に示すように、前記前枠Cの右下方位置には、中枠Bに配設された打球発射装置Jを作動する操作ハンドルGが設けられており、該操作ハンドルGの操作により打球発射装置Jが作動されることで、上球皿Eに貯留されたパチンコ球が所定間隔で1球ずつ前記遊技盤Dに向けて連続的に発射されるようになっている。なお実施例では、図柄表示装置Hとして、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置も採用可能である。また、上球皿Eは、前枠Cと別体に形成して中枠Bに対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0018】
(遊技盤)
前記遊技盤Dは、
図3および
図6に示すように、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂製板やベニア等の木製合板を材質とし、中枠Bに設けた遊技盤保持部B1の内縁形状に整合する外縁形成された略矩形の平板状に形成され、その前側には遊技領域10が設けられると共に、その後側には
図4に示す設置部材30が配設されている。遊技盤Dの前側には、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール11と、この外レール11の内側に中央下部から左上部にかけて並べて配置された内レール12と、外レール11の右上部から内レール12の下部までの間に右方へ凹む湾曲形状に構成された盤面飾り部材13等が配設されており、両レール11,12および盤面飾り部材13で囲まれた内側が遊技領域10として構成されている。これにより、打球発射装置Jから発射されたパチンコ球は、外レール11と内レール12との間を通って遊技領域10の左上部に打ち出された後、該遊技領域10内を流下する。なお、内レール12の延在長を大きく設定して、前記外レール11および該内レール12で遊技領域10を形成するように構成してもよい。
【0019】
前記遊技盤Dには、中央に大きな貫通口が形成され、
図3および
図6に示すように、前後に開口して遊技演出領域とされる表示窓口20Aが形成された枠状装飾部材20が、該貫通口の開口縁に配設されている。この枠状装飾部材20には、設置部材30の後側に着脱可能に配設された図柄表示装置H(
図6では隠れて見えず)の表示部H1で演出表示される遊技内容に合わせた装飾が施されている。そして、枠状装飾部材20の表示窓口20Aには、設置部材30に配設された図柄表示装置Hの表示部H1や、該設置部材30の前側に配設される後述の第1〜第4の各可動演出装置M1,M2,M3,M4や、その他の装飾部品等が臨んでいる。なお、枠状装飾部材20と盤面飾り部材13との間には、パチンコ球の流下が可能な流下経路14が画成されている。
【0020】
前記遊技盤Dは、貫通口の真下(枠状装飾部材20の真下)に第1始動入賞装置15が配設され、該貫通孔の右下縁部(枠状装飾部材20の右下部)に第2始動入賞装置16が配設されている。また、枠状装飾部材20の右下部に特別入賞装置21が配設され、第1始動入賞装置15の左側に普通入賞装置17が配設されている。すなわち特別入賞装置21は、枠状装飾部材20の右側に形成された流下経路14の下方に位置している。そして、遊技盤Dの遊技領域10内には、多数の球案内釘18および回転球案内具19等が配設されていると共に、流下経路14の途中に通過ゲート22が配設されている。
【0021】
前記第1始動入賞装置15、第2始動入賞装置16、特別入賞装置21および普通入賞装置17には、各々に入賞したパチンコ球を検知する球検知スイッチが個別に配設され、各球検知スイッチからの球検知信号は、設置部材30の後側に取り付けられて当該パチンコ機Pを総合的に制御する主制御基板を備えた主制御装置(図示せず)に送出される。主制御装置は、第1始動入賞装置15の球検知スイッチまたは第2始動入賞装置16の球検知スイッチからの検出信号を受けると、大当り抽選(大当り判定)を行なうと共に、図柄表示装置Hにおける収容ケースの後側に取り付けられた統括制御装置(図示せず)の統括制御基板に制御信号(制御コマンド)を出力して図柄表示装置Hに図柄変動演出を行なわせると共に、中枠Bの後側に配設された払出制御装置(図示せず)に制御信号を出力して、球払出装置(図示せず)に所定数の賞球を払い出させる。そして、主制御装置における大当り抽選の結果として、遊技者に有利な特定条件である大当りが成立した場合には特別遊技が付与され、図柄表示装置Hの表示部H1での図柄変動演出の後に、該表示部H1に所定の図柄組合わせで図柄が停止表示されて、特別入賞装置21の開閉扉21Bが開放位置に姿勢変位して特別入賞口21Aに多数のパチンコ球の入賞が可能となる。また主制御装置は、特別入賞装置21の球検知スイッチからの検出信号を受けると、払出制御装置(図示せず)に制御信号を出力して球払出装置に所定数の賞球を払い出させる。更に主制御装置は、普通入賞装置17の球検知スイッチからの検出信号を受けると、払出制御装置に制御信号を出力して球払出装置に所定数の賞球を払い出させる。
【0022】
(設置部材)
前記設置部材30は、
図4および
図5に示すように、前方に開放する略矩形のバケット状に一体成された合成樹脂製の部材であって、前側の開放端を遊技盤Dの後面に突き合わせて該遊技盤Dに取り付けられる。この設置部材30は、遊技盤Dの後面に対して後方から所要の間隔で対向して該遊技盤Dの後面を構成する設置壁部31と、該設置壁部31の周縁から前方へ延出形成された外周壁部32と、該外周壁部32の前端から外方に向けて屈曲形成された縁板部33等を備えている。すなわち設置部材30は、外周壁部32で囲われて遊技盤D側に開放する前部開口が矩形状に形成されると共に、縁板部33の外周縁が、遊技盤Dの外周縁より一回り小さい形状および大きさで形成されている。このような設置部材30は、縁板部33を遊技盤Dの後面にネジ止めすることで該遊技盤Dに固定され、遊技盤Dの後面から離間した設置壁部31の前側に、第1〜第4の各可動演出装置M1,M2,M3,M4や、装飾部材および各種部材の配設を可能とする空間34を画成する。
【0023】
前記設置部材30の設置壁部31には、
図4および
図5に示すように、前後に貫通する表示開口35が形成されており、該設置壁部31の後側には、該表示開口35に表示部H1を臨ませた状態で図柄表示装置Hが着脱可能に取り付けられる(
図4では、図柄表示装置は図示省略してある)。そして設置壁部31は、表示開口35の左方に位置する左板部36、表示開口35の右方に位置する右板部37、表示開口35の下方に位置する下板部38および上方に位置する上板部39から構成されている。
【0024】
(図柄表示装置)
図柄表示装置Hは、各種図柄を表示可能な表示部H1をなす液晶パネルが収容ケースに収容されたユニット部材であって、該収容ケースの後面には、該図柄表示装置Hの表示部H1の表示制御を行なう表示制御装置(図示せず)と、当該パチンコ機Pの遊技演出を統括的に制御する統括制御基板が収容された前記統括制御装置が配設される。図柄表示装置Hの表示部H1には、図柄を変動表示可能な図柄列が複数列(例えば3列)設定されており、第1始動入賞口15Aまたは第2始動入賞口16Aへの入賞を契機として、各図柄列の図柄が変動開始されると共に背景画像等が表示され、選択された図柄変動演出(リーチ演出や外れ演出等)を行なった後に、予め決定された最終停止図柄を、入賞ライン上に停止表示するようになっている。
【0025】
(統括制御装置)
統括制御装置には、設置壁部31の後側に配設した中継基板(図示せず)を介して図柄表示装置H、前枠Cに配設されたランプ装置や中枠Bに配設されたスピーカ等が電気的に接続されており、該統括制御装置から出力される制御信号に基づいて各装置が作動制御される。また統括制御装置には、中継基板を介して、設置壁部31の前側に配設された第1〜第4の各可動演出装置M1,M2,M3,M4や、装飾部材に配設されたランプ装置等が電気的に接続されており、該統括制御装置から出力される制御信号に基づいて第1〜第4の各可動演出装置M1,M2,M3,M4の作動制御や各ランプ装置の点灯制御が行なわれるようになっている。
【0026】
(可動演出装置)
次に、前記設置部材30の設置壁部31の前面に固定され、枠状装飾部材20の表示窓口20A内に視認可能に配設された第1〜第4の各可動演出装置M1,M2,M3,M4について説明する。
図4および
図5に示すように、設置壁部31の左板部36の前側に第1可動演出装置M1が配設され、設置壁部31の右板部37の前側に第2可動演出装置M2が配設されている。また、設置壁部31の下板部38の前側に第3可動演出装置M3が配設され、設置壁部31の上板部39の前側に第4可動演出装置M4が配設されている。すなわち、図柄表示装置Hの矩形をなす表示部H1を左縁、右縁、上縁および下縁の四方を囲むように各可動演出装置M1,M2,M3,M4が配設されている。
【0027】
(第1可動演出装置)
前記第1可動演出装置M1は、
図9〜
図12に示すように、設置壁部31の左板部36の前側に固定される上下に長い第1ベース部材42と、第1ベース部材42の前面に左右方向へスライド移動可能に配設された上下に長い第1可動体(後側の可動体)43と、第1ベース部材42の上部および下部に各々配設されて、第1可動体43を左右にスライド移動させる第1作動機構44,44とを備えている。第1ベース部材42は、上部および下部に、右方へ延出した支持部42A,42Aが形成されていると共に、後面の適宜位置に補強リブ42B(
図12参照)が形成され、前側から力が作用しても撓み変形やねじれ変形が起こり難く構成されている。
【0028】
前記第1可動体43は、板状の基体43Aと、前側に臨む表面が所定の装飾を施した装飾面とされ、該基体43Aの前側に組み付けられた装飾体43Bとを備え、これら基体43Aおよび装飾体43Bは裏面の適宜部位に補強リブ43Cやボス43D(
図12参照)が形成されて、前側から力が作用しても、撓み変形、ねじれ変形、凹み変形等が起こり難く構成されている。また第1可動体43は、第1上ガイド部(ガイド手段)45、第1下ガイド部(ガイド手段)46および第1中ガイド部47により、基体43Aの上部、下部および上下略中央部の3カ所において第1ベース部材42に支持され、第1ベース部材42の前側となる第1待機位置(
図9の状態)および該第1ベース部材42から右方へ延出した第1動作位置(
図10、
図11の状態)の間をスライド移動可能に配設されている。また、第1可動体43における装飾体43Bの前面右縁の下方には、
図9および
図10に示すように、第3可動演出装置M3の第3可動体61を後側から支持する第1支持部48が設けられている。なお、第1支持部48については、後で説明する。
【0029】
前記第1作動機構44,44は、
図9〜
図11に示すように、駆動手段としての第1駆動モータ44Aと、該第1駆動モータ44Aおよび第1可動体43を連係する第1連係部44Bとから構成されている。第1連係部44Bは、第1駆動モータ44Aの駆動軸に固定された駆動ギア(図示せず)と、第1可動体43の基体43Aに形成されたラックギア44Cとに各々噛合するギアボックスである。従って、各第1作動機構44,44の駆動モータ44A,44Aを同期的に正逆駆動することにより、第1可動体43が、第1待機位置と第1動作位置との間をスライド移動するようになっている。
【0030】
(各第1ガイド部について)
前記第1上ガイド部45および第1下ガイド部46は、基本的な構成が同じであって、
図9〜
図12に示すように、第1ベース部材42に左右に延在するように設けられ、該第1ベース部材42の前後に開口するスリット状のガイド孔45A,46Aと、第1可動体43の基体43Aの後側下部に形成された軸部(
図12参照)に対し水平軸周りで回転自在に配設され、ガイド孔45A,46Aの開口縁に沿って転動するローラ45B,46Bと、該ローラ45B,46Bの前側フランジ部45D,46Dと共に該ガイド孔45A,46Aの開口縁周囲を前後から挟持するスライド部材45C,46Cとを備えている。各ガイド孔45A,46Aは、第1可動体43の第1待機位置および第1動作位置の間を該第1可動体43が移動可能な長さに形成されており、該第1可動体43の上部および下部を常に第1ベース部材42に支持するよう構成されている。
【0031】
前記第1中ガイド部47は、
図10および
図11に示すように、第1ベース部材42の前面に前記ガイド孔45A,46Aと平行に左右に延在すると共に上方へ開口した上ガイド溝47Aおよび下方に開口した下ガイド溝47Bと、第1可動体43の後面に配設され、上ガイド溝47Aに上方から係合する上ガイドレール47Cおよび下ガイド溝47Bに下方から係合する下ガイドレール47Dとを備えている。上ガイドレール47Cは上ガイド溝47Aに沿って左右にスライド移動可能であり、下ガイドレール47Dは下ガイド溝47Bに沿って左右にスライド移動可能に構成されている。そして、上ガイドレール47Cおよび下ガイドレール47Dは、第1可動体43が第1待機位置および第1動作位置の間を移動する際に、常に上ガイド溝47Aおよび下ガイド溝47Bに各々支持されるよう構成されている。
【0032】
前述のように構成された第1可動演出装置M1は、
図4および
図5に示すように、設置部材30の設置壁部31における左板部36の前側に第1ベース部材42をネジ等で固定することで、表示開口35の左縁に臨むように配設される。そして、第1可動体43は、第1待機位置に停止保持された状態では表示開口35の左方へ退避して該表示開口35の左縁に沿うように位置し(
図5)、第1動作位置に移動すると表示開口35の左開口領域へ延出するようになり(
図7、
図8)、図柄表示装置Hの表示部H1における右側の約1/4の領域を上下に亘って覆い隠すようになっている。また、第1上ガイド部45および第1下ガイド部46は、第1可動体43が第1待機位置および第1動作位置の何れの位置にあっても、ローラ45B,46Bのフランジ部45D,46Dとスライド部材45C,46Cとがガイド孔45A,46Aの開口端縁を前後から挟持していると共に、第1中ガイド部47の上下の各ガイド溝47A,47Bに上下の各ガイドレール47C,47Dが各々支持されているから、第1可動体43は、第1待機位置にある場合は勿論、第1動作位置にある場合でも、第1上ガイド部45、第1下ガイド部46および第1中ガイド部47により第1ベース部材42にがたつきなく支持され、前側から後方へ押されても後方への動きが規制されるようになっている。
【0033】
(第2可動演出装置)
前記第2可動演出装置M2は、第1可動演出装置M1と左右の向きが逆であるが基本的構成は同じであり、
図9〜
図12に示すように、設置壁部31の右板部37の前側に固定される上下に長い第2ベース部材52と、第2ベース部材52の前面に左右方向へスライド移動可能に配設された上下に長い第2可動体(後側の可動体)53と、第2ベース部材52の上部および下部に各々配設されて、第2可動体53を左右にスライド移動させる第2作動機構54,54とを備えている。第2ベース部材52は、上部および下部に、右方へ延出した支持部52A,52Aが形成されていると共に、第1可動演出装置M1の第1ベース部材42と同様に後面の適宜位置に補強リブ(図示せず)が形成され、前側から力が作用しても撓み変形やねじれ変形が起こり難く構成されている。
【0034】
前記第2可動体53は、板状の基体53Aと、前側に臨む表面が所定の装飾を施した装飾面とされ、該基体53Aの前側に組み付けられた装飾体53Bとを備え、これら基体53Aおよび装飾体53Bは裏面の適宜部位に補強リブ53Cやボス53D(
図12参照)が形成されて、前側から力が作用しても、撓み変形、ねじれ変形、凹み変形等が起こり難く構成されている。また第2可動体53は、第2上ガイド部(ガイド手段)55、第2下ガイド部(ガイド手段)56および第2中ガイド部57により、基体53Aの上部、下部および上下略中央部の3カ所において第2ベース部材52に支持され、第2ベース部材52の前側となる第2待機位置(
図9の状態)および該第2ベース部材52から左方へ延出した第2動作位置(
図10、
図11の状態)の間をスライド移動可能に配設されている。また、第2可動体53における装飾体53Bの前面左縁の下方には、
図9および
図10示すように、第3可動演出装置M3の第3可動体(前側の可動体、後側の可動体)61を後側から支持する第2支持部58が設けられている。なお、第2支持部58については、後で説明する。
【0035】
前記第2作動機構54,54は、
図9〜
図11に示すように、駆動手段としての第2駆動モータ54Aと、該第2駆動モータ54Aおよび第2可動体53を連係する第2連係部54Bとから構成されている。第2連係部54Bは、第2駆動モータ54Aの駆動軸に固定された駆動ギア(図示せず)と、第2可動体53の基体53Aに形成されたラックギア54Cとに各々噛合するギアボックスである。従って、各第2作動機構54,54の駆動モータ54A,54Aを同期的に正逆駆動することにより、第2可動体53が、第2待機位置と第2動作位置との間をスライド移動するようになっている。
【0036】
(各第2ガイド部について)
前記第2上ガイド部55および第2下ガイド部56は、
図9〜
図12に示した第1下ガイド部46と基本的構成が同じであり、第2ベース部材52に左右に延在するように設けられ、該第2ベース部材52の前後に開口するスリット状のガイド孔55A,56Aと、第2可動体53の基体53Aの後側下部に形成された軸部(図示せず)に対し水平軸周りで回転自在に配設され、ガイド孔55A,56Aの開口縁に沿って転動するローラ55B,56Bと、該ローラ55B,56Bの前側フランジ部55D,56Dと共に該ガイド孔55A,56Aの開口縁周囲を前後から挟持するスライド部材55C,56Cとを備えている。各ガイド孔55A,56Aは、第2可動体53の第2待機位置および第2動作位置の間を該第2可動体53が移動可能な長さに形成されており、該第2可動体53の上部および下部を常に第2ベース部材52に支持するよう構成されている。
【0037】
前記第2中ガイド部57は、
図10および
図11に示すように、第2ベース部材52の前面に前記ガイド孔55A,56Aと平行に左右に延在すると共に上方へ開口した上ガイド溝57Aおよび下方に開口した下ガイド溝57Bと、第2可動体53の後面に配設され、上ガイド溝57Aに上方から係合する上ガイドレール57Cおよび下ガイド溝57Bに下方から係合する下ガイドレール57Dとを備えている。上ガイドレール57Cは上ガイド溝57Aに沿って左右にスライド移動可能であり、下ガイドレール57Dは下ガイド溝57Bに沿って左右にスライド移動可能に構成されている。そして、上ガイドレール57Cおよび下ガイドレール57Dは、第2可動体53が第2待機位置および第2動作位置の間を移動する際に、常に上ガイド溝57Aおよび下ガイド溝57Bに各々支持されるよう構成されている。
【0038】
前述のように構成された第2可動演出装置M2は、
図4および
図5に示すように、設置部材30の設置壁部31における右板部37の前側に第2ベース部材52をネジ等で固定することで、表示開口35の右縁に臨むように配設される。そして、第2可動体53は、第2待機位置に停止保持された状態では表示開口35の右方へ退避して該表示開口35の右縁に沿うように位置し(
図5)、第2動作位置に移動すると表示開口35の右開口領域へ延出するようになり(
図7、
図8)、図柄表示装置Hの表示部H1における右側の約1/4の領域を上下に亘って覆い隠すようになっている。また、第2上ガイド部55および第2下ガイド部56は、第2可動体53が第2待機位置および第2動作位置の何れの位置にあってもローラ55B,56Bのフランジ部55D,56Dとスライド部材55C,56Cがガイド孔55A,56Aの開口端縁を前後から挟持していると共に、第2中ガイド部57の上下の各ガイド溝57A,57Bに上下の各ガイドレール57C,57Dが各々支持されているから、第2可動体53は、第2待機位置にある場合は勿論、第2動作位置にある場合でも、第2上ガイド部55、第2下ガイド部56および第2中ガイド部57により第2ベース部材52にがたつきなく支持され、前側から後方へ押されても後方への動きが規制されるようになっている。
【0039】
(第3可動演出装置)
前記第3可動演出装置M3は、
図13および
図14に示すように、設置壁部31の下板部38の前側に固定される第3ベース部材60と、第3ベース部材60の前面に上下方向へ昇降移動可能に配設された第3可動体(可動体)61と、第3ベース部材60に配設されて、第3可動体61を上下にスライド移動させる第3作動機構62とを備えている。第3ベース部材60の前面には、上下に延在する左右一対の第3ガイド部材63,63における固定ガイド部63A,63Aが左右に離間して固定されると共に(
図13(b))、該第3可動体61の後面には、該第3ガイド部材63,63における移動ガイド部63B,63Bが左右に離間して固定されている(
図14)。これにより、第3可動体61は、各第3ガイド部材63,63の移動ガイド部63B,63Bが固定ガイド部63A,63Aに沿って上下に昇降移動することで、第3ベース部材60の前側となる第3待機位置(
図13(a)の状態)および該第3ベース部材60から上方へ延出した第3動作位置(
図14(b)の状態)の間を昇降移動可能に配設されている。
【0040】
第3ベース部材60は、
図14に示すように、後面の適宜位置に補強リブ60Aが形成され、前側から力が作用しても撓み変形やねじれ変形が起こり難く構成されている。第3作動機構62は、
図13(b)に示すように、駆動手段としての第3駆動モータ62Aと、該第3駆動モータ62Aと第3可動体61とを連係する複数のギア62Bおよびカム機構62Cからなり、該第3駆動モータ62Aの正逆駆動により、第3可動体61が第3待機位置と第3動作位置との間をスライド移動するようになっている。
【0041】
前記第3可動体61は、略矩形状に形成された基体61Aと、該基体61Aの前側に組み付けられた装飾体61Bとを備え、これら基体61Aおよび装飾体61Bは裏面の適宜部位に補強リブ(図示せず)が形成されて、後側から力が作用しても撓み変形、ねじれ変形および凹み変形等が起こり難く構成されている。基体61Aは、透明な合成樹脂材から形成されている。また、装飾体61Bは、上部の左右中央に下方へ凹んだ凹み部61Cが形成されており、透明な基体61Aの上部は、露出部68として、該凹み部61Cにおいて前方へ露出している(
図13参照)。そして、基体61Aの裏面に、第3ガイド部材63,63の移動ガイド部63B,63Bが固定されている(
図14)。
【0042】
前記第3可動体61は、
図6〜
図8に示すように、第1可動演出装置M1の第1可動体43および第2可動演出装置M2の第2可動体53より前側に位置して、左右方向に進退移動する第1可動体43および第2可動体53の前側を昇降移動するように構成されている。また、第3可動演出装置M3の第3可動体61は、左右方向での全幅が、第1動作位置に移動した第1可動体43の右端面と第2動作位置に移動した第2可動体53の左端面との間における左右間隔より大きく設定されている。これにより、第1可動体43、第2可動体53および第3可動体61の各々が第1〜第3の各動作位置にある場合には、該第3可動体61の装飾体61Bにおける左部分と、第1可動体43の装飾体43Bの前面右縁における第1上ガイド部45および第1下ガイド部46の中間部とが前後に重なると共に、該第3可動体61の装飾体61Bにおける右部分と、第2可動体53の装飾体53Bの前面左縁における第2上ガイド部55および第2下ガイド部56の中間部とが前後に重なる関係になっている。
【0043】
前述のように構成された第3可動演出装置M3は、
図4および
図5に示すように、設置部材30の設置壁部31における下板部38の前側に第3ベース部材60をネジ等で固定することで、表示開口35の下縁に臨むように配設される。そして、第3可動体61は、第3待機位置に停止保持された状態では表示開口35の下方へ退避して該表示開口35の下縁に沿うように位置し(
図5)、第3動作位置へ上昇すると、表示開口35において、前記第1可動演出装置M1の第1可動体43および第2可動演出装置M2の第2可動体53により覆い隠されない中央下側の開口領域へ延出するようになり(
図7、
図8)、図柄表示装置Hの表示部H1における中央下側の領域を覆い隠すようになっている。
【0044】
(第4可動演出装置)
前記第4可動演出装置M4は、
図15および
図16に示すように、設置壁部31の上板部39の前側に固定される第4ベース部材70と、第4ベース部材70の前面に上下方向へ昇降移動可能に配設された第4可動体(後側の可動体)71と、第4ベース部材70に配設されて、第4可動体71を上下にスライド移動させる第4作動機構72とを備えている。第4ベース部材70には、上下に延在する左右一対の第4ガイド部材73,73における固定ガイド部73A,73Aが左右に離間して固定されると共に、該第4可動体71には、該第4ガイド部材73,73における移動ガイド部73B,73Bが左右に離間して固定され、各移動ガイド部73B,73Bが各固定ガイド部73A,73Aに沿って移動することで、第4可動体71は、第3ベース部材60の前側となる第4待機位置(
図15(a)の状態)および該第4ベース部材70から上方へ延出した第4動作位置(
図15(b)、
図16の状態)の間を昇降移動可能に配設されている。
【0045】
前記第4作動機構72は、
図15(b)に示すように、駆動手段としての第4駆動モータ72Aと、該第4駆動モータ72Aと第4可動体71とを連係する複数のギア72Bおよびカム機構72Cからなり、該第4駆動モータ72Aの正逆駆動により、第4可動体71が第4待機位置と第4動作位置との間をスライド移動するようになっている。
【0046】
前記第4可動体71は、前後に並ぶ3つの装飾体(前装飾体74、中装飾体75、後装飾体76)から構成されており、第4待機位置においては各装飾体74,75,76が前後に並んで重なり(
図15(a))、第4動作位置においては、下から前装飾体74、中装飾体75、後装飾体76の順で上下にずれて広がるように構成されている(
図15(b))。そして、第4可動体71は、
図6および
図7に示すように、前装飾体74、中装飾体75および後装飾体76が、第1可動演出装置M1の第1可動体43および第2可動演出装置M2の第2可動体53より前側に位置して、左右方向に進退移動する第1可動体43および第2可動体53の前側を昇降移動するように構成されている。また、第4可動体71の中装飾体75および後装飾体76は、左右方向での全幅が、第1動作位置に移動した第1可動体43の右端面と第2動作位置に移動した第2可動体53の左端面との間における左右間隔より大きく設定されている。なお、第4可動体71の前装飾体74は、
図15および
図16に示すように、第4ベース部材70に対し上下にスライド移動可能に配設された基体74Aと、該基体74Aに動作可能に配設され、該基体74Aに配設された第5駆動モータ(別の駆動手段)78により動作する動作部74Bとを備えている。ここで実施例では、動作部74Bは、基体74Aの前面に対し水平軸周りに回転可能な円形の装飾部材であり、第5駆動モータ78の駆動により回転するようになっている。また、前装飾体74の基体74Aは、第3可能演出装置M3の第3可動体61の装飾体61Bにより前側に位置し、第3可動体61の凹み部61Cに上方から入り込んで基体61Aの露出部68と前後に重なる関係になっている(
図8参照)。
【0047】
前述のように構成された第4可動演出装置M4は、
図4および
図5に示すように、設置部材30の設置壁部31における上板部39の前側に第4ベース部材70をネジ等で固定することで、表示開口35の上縁に臨むように配設される。そして、第4可動体71は、第4待機位置に停止保持された状態では表示開口35の上方へ退避して該表示開口35の上縁に沿うように位置し(
図5)、第4動作位置へ下降すると、表示開口35において、前記第1〜第3の各可動演出装置M1,M2,M3の第1〜第3の各可動体43,53,61により覆い隠されない中央上側開口領域へ延出するようになり(
図7、
図8)、図柄表示装置Hの表示部H1における中央上側の領域を覆い隠すようになっている。
【0048】
(第1、第2可動体と第3可動体との当接について)
前記第1可動体(後側の可動体)43の装飾体43Bにおける第3可動体61との重なり部分に、前方を指向する第1支持部48が設けられると共に(
図9、
図10、
図17(a))、該第3可動体(前側の可動体)61の基体61Aにおける該第1可動体43との重なり部分に、後方を指向して該第1支持部48が後側から当接する第1受け部64が設けられている(
図14、
図17(a))。第1支持部48と第1受け部64とは、第1可動体43が第1動作位置に予め停止した状態において、第3可動体61が第3動作位置まで上昇した際に、該第1支持部48が該第1受け部64に後方から当接する関係に構成されている(
図8、
図17(b))。また、前記第2可動体(後側の可動体)53の装飾体53Bにおける第3可動体61との重なり部分に、前方を指向する第2支持部58が設けられると共に(
図9、
図10、
図17(a))、該第3可動体(前側の可動体)61の基体61Aにおける該第2可動体53との重なり部分に、後方を指向して該第2支持部58が後側から当接する第2受け部65が設けられている(
図14、
図17(a))。第2支持部58と第2受け部65とは、第2可動体53が第2動作位置に予め停止した状態において、第3可動体61が第3動作位置まで上昇した際に、該第2支持部58が該第2受け部65に後方から当接する関係に構成されている(
図8、
図17(b)、
図18(a)、
図18(b))。すなわち、第3可動演出装置M3の第3可動体61は、第3動作位置まで上昇した際に、該第3可動体61の進退移動方向(上下方向)と交差する左右方向に離間した第1動作位置にある第1可動体43および第2動作位置にある第2可動体53の2つの可動体により、該第3可動体61の左部および右部の両端が後側から支持されるようになっている。
【0049】
ここで、第1可動体43に設けられた第1支持部48および第2可動体53に設けられた第2支持部58は、
図9、
図10、
図18(a)および
図18(b)に示すように基本的に同じ構成となっており、装飾体43B,53Bの装飾面より前方へ突出する突条リブ49,59からなる。また、第3可動体61に設けられた第1受け部64および第2受け部65は、基体61Aの後面において略垂直方向および左右方向へ平坦な平面状に設けられ、第1支持部48の突条リブ49の前端および第2支持部58の突条リブ59の前端が各々当接可能な当接面64A,65Aからなっている。第1支持部48は第1可動体43の装飾体43Bに一体に形成されると共に、第2支持部58は第2可動体53の装飾体53Bに一体に形成され、第1受け部64および第2受け部65は、第3可動体61の基体61Aに一体に形成されている。従って、第1支持部48および第2支持部58の各突条リブ49,59が対応する第1受け部64および第2受け部65の当接面64A,65Aに当接した際には、第3可動体61の基体61Aの後面と第1可動体43の装飾体43Bの装飾面との接触が回避されて、該装飾体43Bの装飾面に傷や汚れが形成されることを防止する共に、該第3可動体61の基体61Aの後面と第2可動体53の装飾体53Bの装飾面との接触が回避されて、該装飾体53Bの装飾面に傷や汚れが形成されることを防止し得るよう構成されている(
図18(a)、
図18(b))。
【0050】
そして、前述したように、第1動作位置にある第1可動体43は、第1上ガイド部45、第1下ガイド部46および第1中ガイド部47により第1ベース部材42に対してがたつきなく保持されていると共に、該第1ベース部材42および第1可動体43は外力による変形が起こり難く構成されている。また、第2動作位置にある第2可動体53は、第2上ガイド部55、第2下ガイド部56および第2中ガイド部57により第2ベース部材52に対してがたつきなく保持されていると共に、該第2ベース部材52および第2可動体53は外力による変形が起こり難く構成されている。従って、第1動作位置の第1可動体43および第2動作位置の第2可動体53は、第3動作位置に上昇した第3可動体61を後側から安定的に支持して、該第3可動体61が後側へ変位するのを適切に規制し得るようになっている。
【0051】
(第3可動体と第4可動体との当接について)
前記第3可動体(後側の可動体)61の基体61Aにおける第4可動体71の前装飾体74との重なり部分(露出部68)に、前方を指向する第3支持部66が設けられると共に(
図13、
図17(a))、該第4可動体(前側の可動体)71の前装飾体74の基体74Aにおける該第3可動体61との重なり部分に、後方を指向して該第3支持部66が後側から当接する第3受け部77が設けられている(
図16、
図17(a))。第3支持部66と第3受け部77とは、第3可動体61が第3動作位置に予め停止した状態において、第4可動体71の第4動作位置への移動に伴って前装飾体74が下降移動した際に、該第3支持部66が該第3受け部77に後方から当接する関係に構成されている(
図8、
図17(b)、
図18(c))。すなわち、第4可動演出装置M4の第4可動体71は、第4動作位置まで下降した際に、第3動作位置にある第3可動体61により、該前装飾体74の下端が後側から支持されるようになっている。そして、基体74Aに対する前記第5駆動モータ78の配設位置は、第3支持部66により後側から支持される第3受け部77の前側であり、該駆動モータ78の駆動や動作部74Bの回転を原因とする第4可動体71の振動が第3可動体61で抑えられるよう構成されている。
【0052】
ここで、第3可動体61に設けられた第3支持部66は、
図13(a)および
図13(b)に示すように、前方へ突出すると共に左右に離間した2つのリブ67,67からなる。また、第4可動体71に設けられた第3受け部77は、
図16に示すように、基体74Aの後面において上下方向および左右方向に平坦な平面状に設けられ、第3支持部66の突条リブ67の前端が当接可能な当接面77Aからなっている。第3支持部66は第3可動体61の基体61Aに一体に形成され、第3受け部77は、第3可動体71の前装飾体74の基体74Aに一体に形成されている。従って、第3支持部66の突条リブ67,67が第3受け部77の当接面77Aに当接した際には、第3可動体61の装飾体61Bの装飾面と第4可動体71の前装飾体74の後面との接触が回避されて、該装飾体61Bの装飾面に傷や汚れが形成されることを防止し得るよう構成されている(
図18(c))。
【0053】
そして、前述したように、第3動作位置にある第3可動体61は、第1動作位置にある第1可動体43および第2動作位置にある第2可動体53により左右の両端が後方から当接支持されているから、該第3可動体61は、第4動作位置に下降した第4可動体71を後方から当接支持して、該第4可動体71が後側へ変位するのを適切に規制し得るようになっている。
【0054】
また、第1〜第4の各可動演出装置M1,M2,M3,M4における第1〜第4の各可動体43,53,61,71は、各々の前面に形成された装飾面が所要の意匠形状に形成されると共にメッキ等の表面処理が施されている。これにより、第1〜第4の各可動体43,53,61,71は、各々が第1〜第4の動作位置にある場合に、
図6および
図7に示すように、各可動体43,53,61,71の前面が上下および左右に連なって1つの大きな意匠形状を形成するようになっている。すなわち、第1〜第4の各可動演出装置M1,M2,M3,M4における第1〜第4の各可動体43,53,61,71が各々第1〜第4の動作位置にある場合には、図表示部H1の略全体を覆う共に枠状装飾部材20の表示窓口20Aの全面に大きな意匠面が形成されてインパクトのある演出を行なうことが可能であり、遊技者に有利な特定条件(大当り)の成立に対する期待度を高めることが可能となっている。
【0055】
(実施例の作用)
前述のように構成された実施例のパチンコ機Pでは、遊技盤Dの遊技領域10へ打ち出されたパチンコ球が第1始動入賞装置27の第1始動入賞口27Aまたは第2始動入賞装置28の第2始動入賞口28Aに入賞して、該第1始動入賞装置27または第2始動入賞装置28に配設された球検知スイッチによる球検知信号を主制御装置が受けると、該主制御装置は、大当り抽選を行なうと共に、大当り抽選の結果に基づく所定の制御信号を統括制御装置に出力する。統括制御装置では、主制御装置からの制御信号により、該主制御装置で決定された最終停止図柄および変動パターンに基づく演出パターン等を決定し、図柄表示装置Hの表示部H1において図柄変動演出を行なわせる。なお主制御装置は、大当り抽選の結果として大当りが発生した場合には、統括制御装置により図柄表示装置Hの表示部H1において所定の図柄組合わせで図柄が停止表示されると、特別入賞装置21の開閉扉21Bを開放動作させて特別入賞口21Aを開放させる。
【0056】
そして、統括制御装置は、例えば第1〜第4の各可動演出装置M1,M2,M3,M4の動作を伴う演出パターンを決定した場合に、先ず、第1可動演出装置M1の第1作動機構44および第2可動演出装置M2の第2作動機構54を同時または適宜時間差を以て作動させ、第1可動体43を第1待機位置から第1動作位置へ移動させると共に第2可動体53を第2待機位置から第2動作位置へ移動させる。そして、統括制御装置は、第1可動演出装置M1の第1可動体43および第2可動演出装置M2の第2可動体53が各々第1動作位置および第2動作位置に停止したら、第3可動演出装置M3の第3作動機構62を作動させ、第3可動体61を第3待機位置から第3動作位置へ上昇移動させる。これにより、第3可動体61が第3動作位置まで上昇した際には、該第3可動体61の左側後面に設けられた第1受け部64に、第1可動体43に設けられた第1支持部48の突条リブ49の当接面49Aが後方から当接すると共に、該第3可動体61の右側後面に設けられた第2受け部65に、
第2可動体53に設けられた第2支持部58のリブ59の当接面59Aが後方から当接する(
図17(b)、
図18(a))。従って、第3動作位置まで上昇した第3可動体61は、該第3可動体61の左右の両端が第1可動体43および第2可動体53で支持され、後方へ倒れることが好適に規制されて安定的に保持される。
【0057】
また、統括制御装置は、第3可動演出装置M3の第3可動体61が第3動作位置に停止する前または停止後の適時に、第4可動演出装置M4の第4作動機構72を作動させ、該第4可動演出装置M4の第4可動体71を第4動作位置へ下降移動させる。これにより、第4可動体71が第4動作位置まで下降した際には、該第4可動体71における前装飾体74の基体74Aに設けられた第3受け部77に、第3可動体61における基体61Aの露出部68に設けられた第3支持部66のリブ67,67の当接面67Aが後方から当接する。従って、第4動作位置まで下降した第4可動体71は、該第4可動体71の下部後側が第3可動体61で支持され、後方へ倒れることが好適に規制されて安定的に保持される。
【0058】
そして、第3可動体61の装飾体61Bが第1可動体43の装飾体43Bの装飾面に接触しないから、該装飾体43Bの装飾面において擦傷や汚れの付着が防止されると共に、第3可動体61の基体61Aが第2可動体53の装飾体53Bの装飾面に接触しないから、該装飾体53Bの装飾面において擦傷や汚れの付着が防止される。また、第4可動体71の前装飾体74が第3可動体61の装飾体61Bの装飾面に接触しないから、該装飾体61Bの装飾面において擦傷や汚れの付着が防止される。
【0059】
また、図柄表示装置Hの表示部H1の前側に、第1可動体43の装飾体43B、第2可動体53の装飾体53B、第3可動体61の装飾体61B、第4可動体71の前装飾体74、中装飾体75および後装飾体76が該装飾部H1を隠すように位置するから、枠状装飾部材20の表示窓口20Aの略全体に、装飾体43B、装飾体53B、装飾体61B、前装飾体74、中装飾体75および後装飾体76により1つの大きな意匠面が構成され、ダイナミックでインパクトのある演出がなされる。
【0060】
そして、統括制御装置は、第1〜第4の各可動演出装置M1,M2,M3,M4における第1〜第4の各可動体43,53,61,71を、各々の第1〜第4の延出一から各々の第1〜第4の待機位置へ移動させる場合は、先ず、統括制御装置は、第4可動演出装置M4の第4作動機構72を作動させて、第4可動体71を上昇移動させ、次いで第3可動演出装置M3の第3作動機構62を作動させて、第3可動体61を第3動作位置から第3待機位置へ下降移動させる。次に、統括制御装置は、第3可動体61が第3待機位置まで移動したら、第1可動演出装置M1の第1作動機構44および第2可動演出装置M2の第2作動機構54を同時または適宜時間差を以て作動させ、第1可動体43を第1動作位置から第1待機位置へ移動させると共に、第2可動体53を第2動作位置から第2待機位置へ移動させる。
【0061】
従って、実施例のパチンコ機Pによれば、後側に位置する第1可動演出装置M1の第1可動体43および第2可動演出装置M2の第2可動体53を利用して、両可動演出装置M1,M2の前側に位置する第3可動演出装置M3の第3可動体61を後側から支持するようにしたので、見栄えを低下させることなく該第3可動体61を安定して支持することができる。そして、第1可動体43および第2可動体53により第3可動体61が支持されるので、該第3可動体61を駆動するための第3作動機構62に加わる負荷を抑えて、該第3作動機構62の作動不良が発生することを防止し得ると共に、第1可動体43および第2可動体53で支持された第3可動体61により第4可動体71が支持されるので、該第4可動体71を駆動するための第4作動機構72に加わる負荷を抑え、該第4作動機構72の作動不良が発生することを防止し得る。また、第3可動体61が第1可動体43および第2可動体53の前側に重なるように位置するから、該第3可動体61の大型化が図られて遊技の興趣を向上し得ると共に、第4可動体71が第1〜第3の各可動体43,53,61の前側に重なるように位置するから、該第4可動体71の大型化が図られて遊技の興趣を向上し得る。
【0062】
また、第3可動体61は、第1可動体43の装飾体43Bに設けられた第1支持部48が後側から当接する第1受け部64と、第2可動体53の装飾体53Bに設けられた第2支持部58が後側から当接する第2受け部65が設けられているので、第1受け部64が第1支持部48で支持されると共に第2受け部65が第2支持部58で支持されるから、第3可動体61が安定して支持される。しかも、第3可動体61は、左端が第1可動体43で支持されると共に後側右端が第2可動体53で支持され、左右一対の両可動体43,53でより安定して支持される。
【0063】
また、第1可動演出装置M1の第1可動体43は、第1上ガイド部45および第1下ガイド部46により該第1可動体43の上端および下端が第1ベース部材42に支持され、上端および下端の間に第1支持部48が設けられているから、第3可動体61をより安定して支持することができる。同様に、第2可動演出装置M2の第2可動体53は、第2上ガイド部55および第2下ガイド部56により該第1可動体43の上端および下端が第1ベース部材42に支持され、上端および下端の間に第1支持部48が設けられているから、第3可動体61をより安定して支持することができる。これにより、第1可動体43および第2可動体53により後側から支持された第3可動体61により、第4可動体71を後側から安定的に支持することを可能とする。更に、第4可動体71の前装飾体74における動作部74Bが第5駆動モータ78の駆動により回転した際には、該第4可動体71が後側から第3可動体61に支持されているから、該第4可動体71の振動を第3可動体61で抑えることができる。
【0064】
また、統括制御装置は、第3可動演出装置M3の第3可動体61が第3動作位置に到達する前に、第1可動演出装置M1の第1可動体43および第2可動演出装置M2の第2可動体53を各々の第2動作位置に到達させて、両第1可動体43,53を第3可動体61を支持可能な状態に保持させるので、第3動作位置に到達した第3可動体61を安定的に支持することを可能とする。更に、統括制御装置は、第3可動演出装置M3の第3可動体61を第3動作位置から第3待機位置へ下降移動させる場合には、第1可動体43および第2可動体53の下降移動より先に該第3可動体61を下降移動させるので、第3可動体61が第3動作位置から離間するまで第1可動体43および第2可動体53で該第3可動体61を安定して支持することを可能とする。
【0065】
〔変更例〕
本発明に係る遊技機は、実施例に例示の形態に限らず種々の変更が可能である。
(1)
図19(a)に示すように、第3可動体61における装飾体61Bの左端後面に、後方へ突出する突条リブ49からなる第1支持部48を設けると共に、第1可動体43の装飾体43Bの前面に平坦状の当接面64Aからなる第1受け部64を設けるようにしても、第1可動体43で第3可動体61の左側を後方から適切に支持し得ると共に、該第1可動体43における装飾体43Bの装飾面を保護することができる。同様に、
図19(b)に示すように、第3可動体61における装飾基体61Aの右端後面に、後方へ突出する突条リブ59からなる第2支持部58を設けると共に、第2可動体53の装飾体53Bの前面に平坦状の当接面65Aからなる第2受け部65を設けるようにしても、第2可動体53で第3可動体61の右側を後方から適切に支持し得ると共に、該第2可動体53における装飾体53Bの装飾面を保護することができる。
(2)
図19(c)に示すように、第4可動体71の前装飾体74における基体74Aの後面に、後方へ突出するリブ67からなる第3支持部66を設けると共に、第3可動体61の基体61A(露出部68)の前面に平坦状の当接面77Aからなる第3受け部77を設けるようにしても、第3可動体61で第4可動体71の下部を後方から適切に支持することができる。
(3)第1支持部48の突条リブ49、第2支持部58の突条リブ59および第3支持部66の突条リブ67を、実施例で例示した突丸ピン形状に限らず、各突条リブ49,59,67は、三角形や四角形等の突角ピン形状(
図20(a))や楕円ピン形状(図示せず)、または基端から先端に向けて徐々に細くなる円錐や角錐等の錐形状(
図20(b))等であってもよい。また、各突条リブ49,59,67は、突出先端が平坦に形成されたものに限らず、球面状に形成されたもの(
図20(c))であってもよい。
(4)第3支持部66は、
図21(a)および
図21(b)に示すように、基体61Aにおける露出部68の前面上縁に、前方へ突出すると共に横方向に延在する突部としてもよい。
(5)第1支持部48の突条リブ49および第2支持部58の突条リブ59は、前方への突出高さが、下から上方にいくにつれて徐々に大きくなる傾斜状に形成してもよい。突条リブ49および第2支持部58の突条リブ59の突出先端をこのような傾斜状とした場合には、第3可動体61が第3動作位置に近づくにつれて第1受け部64および第2受け部65の当接面64A,65Aに対して各突条リブ49,59がスムーズに当接するようし得ると共に、両部の当接強さが徐々に強くなるように構成し得る。
(6)第3支持部66の突条リブ67は、前方への突出高さが、上から下方にいくにつれて徐々に大きくなる傾斜状に形成してもよい。突条リブ67をこのような傾斜状とした場合には、第4可動体71が第4動作位置に近づくにつれて第3受け部77の当接面77Aに対して突条リブ67がスムーズに当接するようにし得ると共に、当接強さが徐々に強くなるように構成し得る。
(7)実施例では、第1〜第3装飾体43B,53B,61Bに設けられた第1〜第3支持部48,49,66を、該第1〜第3装飾体43B,53B,61Bに一体に形成した場合を例示したが、該第1〜第3支持部48,49,66は、第1〜第3の装飾体43B,53B,61Bと別体に構成して、該装飾体43B,53B,61Bに取付けるようにしてもよい。
(8)第1〜第3支持部48,49,66を第1〜第3装飾体43B,53B,61Bと別体として構成する場合はに、該第1〜第3支持部48,49,66は、ウレタンゴムの弾力性を有する部材から形成してもよい。また、第1〜第3支持部48,49,66は、第1〜第3当接部64,65,77に当接した際に、該第1〜第3当接部64,65,77から離間する方向へ弾性変形が可能な形態、例えば片持ち状の舌片形状や、出没可能なピン形状等としてもよい。
(9)実施例では、可動体として第1〜第4の各可動演出装置M1,M2,M3,M4における第1〜第4の各可動体43,53,61,71の4つで、図柄表示装置Hの表示部H1の略全体を前側から視認不能に覆う形態を例示したが、可動体の配設数は4つに限定されず、2つ以上の複数であれば何個でもよい。
(10)実施例では、遊技機としてのパチンコ機を示したが、遊技機はパチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やスロットマシン等であってもよい。
【0066】
遊技機については、実施例から以下の技術的思想を把握することができる。
(付記1)
請求項1〜5の何れか一項に記載の遊技機において、
前記後側の可動体(43,53)の支持部(48,58)は、該後側の可動体(43,53)の装飾面より前側に突出している。
付記1の発明によれば、後側の可動体の装飾面を保護することができる。
【0067】
(付記2)
請求項2に記載の遊技機において、
前記支持部(48,58,66)および受け部(64,65,77)の少なくとも一方を、弾性を有する緩衝材で構成した。
付記2の発明によれば、前後の可動体の支持部と受け部とが接触した時の衝撃を緩和することができる。
【0068】
(付記3)
請求項2または付記2記載の遊技機において、
前記受け部(64,65,77)は、前側の可動体(61,71)の裏面から後方に突出して設けられている。
付記3の発明によれば、前側の可動体の裏面を保護することができる。
【0069】
(付記4)
請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機において、
前記前側の可動体(71)は、前記待機位置および動作位置の間を進退移動して後側の可動体(61)の支持部(66)で支持される基体(74A)と、前記基体(74A)に配設された別の駆動手段(78)の駆動により動作する動作部(74B)とを備えている。
付記4の発明によれば、別の駆動手段により動作部が動作する際に、前側の可動体の振動を後側の可動体により抑えることができる。