特許第5852587号(P5852587)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5852587
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】インライン式水分除去装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/097 20060101AFI20160114BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20160114BHJP
   G01N 1/02 20060101ALI20160114BHJP
   G01N 33/497 20060101ALI20160114BHJP
【FI】
   A61B5/08 400
   A61B5/08ZDM
   G01N1/02 W
   G01N33/497 A
【請求項の数】27
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-554097(P2012-554097)
(86)(22)【出願日】2011年2月22日
(65)【公表番号】特表2013-520240(P2013-520240A)
(43)【公表日】2013年6月6日
(86)【国際出願番号】US2011025749
(87)【国際公開番号】WO2011103585
(87)【国際公開日】20110825
【審査請求日】2014年1月31日
(31)【優先権主張番号】61/306,769
(32)【優先日】2010年2月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512217710
【氏名又は名称】クリティケア システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CRITICARE SYSTEMS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100131657
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 律次
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ティー ラーセン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド カールソン
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン コーガン
(72)【発明者】
【氏名】ロイ ヘニング
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル シュワルツ
(72)【発明者】
【氏名】デボラ ザーン
【審査官】 福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−232190(JP,A)
【文献】 特開2004−349184(JP,A)
【文献】 特表2010−502995(JP,A)
【文献】 特表2008−500880(JP,A)
【文献】 特表2005−507073(JP,A)
【文献】 特表2003−524149(JP,A)
【文献】 特表2008−526375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/097
G01N 1/02
G01N 33/497
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸ガスモニタへのパネルコネクタを備えたインライン式水分除去装置であって、
ボアを形成するフィルタ部であって、前記ボアと流体連通するフィルタ流入口及びフィルタ流出口を備えたフィルタ本体を備え、さらに、パネルコネクタ係合部を備えたフィルタ部と、
前記ボア内に配置されるフィルタエレメントであって、ガスが前記ボアを通過することを許容し、水分及び混入物質の少なくとも一つが前記ボアを通過することを妨げるように構成されたフィルタエレメントと、
を備え、
前記パネルコネクタは、フィルタ部係合部を形成し、当該フィルタ部係合部は、前記フィルタ部の前記パネルコネクタ係合部と選択的に係合し、これによって前記フィルタ部を前記パネルコネクタに固定し、
前記フィルタ部及び前記呼吸ガスモニタの間で作動連通を行って前記フィルタ部が前記パネルコネクタと係合した場合に前記呼吸ガスモニタのガス監視/検出部を動作させる第1及び第2の協動的素子を有する感知部をさらに備える、
ことを特徴とするインライン式水分除去装置。
【請求項2】
前記感知部は、前記フィルタ部と前記パネルコネクタとの間に機械的連通を備えたことを特徴とする請求項1に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項3】
前記第1の協動的素子は、前記フィルタ本体の端壁を有し、
前記第2の協動的素子は、前記パネルコネクタのスイッチ機構を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項4】
前記感知部は、前記呼吸ガスモニタと通信するRFIDセンサと、前記フィルタ部に結合されたRFIDタグとを備え、
前記RFIDセンサは、前記RFIDタグの存在を感知し、当該RFIDタグを感知した場合に前記呼吸ガスモニタに信号を送出するように構成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項5】
タンクを備えないことを特徴とする請求項1に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項6】
前記フィルタは親水性ペレットから構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項7】
前記ボア内に少なくとも一部が配置される疎水性フィルタをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項8】
前記感知部は、前記フィルタ部と前記パネルコネクタとの間にワイヤレス連通を備えたことを特徴とする請求項1に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項9】
前記第1の協動的素子は、前記フィルタ部に結合されたRFタグを備え、
前記第2の協動的素子は、前記呼吸ガスモニタと通信するRFセンサを備える、
ことを特徴とする請求項8に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項10】
前記感知部は、前記呼吸ガスモニタと通信するRFIDセンサと、前記フィルタ部に結合されたRFIDタグとを備え、
前記RFIDセンサは、前記RFIDタグの存在を感知し、当該RFIDタグを感知した場合に前記呼吸ガスモニタに信号を送出するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項11】
前記パネルコネクタ係合部は、少なくとも一つの突出部を備え、
前記フィルタ部係合部は、スレッドを形成し、
前記少なくとも一つの突出部は、前記スレッドと協調して前記スレッドに係合し、これによって前記フィルタ部を前記パネルコネクタに固定するように配置及び構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項12】
水分及び混入物質の少なくとも一つを濾過した患者サンプルを呼吸ガスモニタに供給するインライン式水分除去装置であって、
ボアを形成するフィルタ部と、
スイッチ機構を備えたパネルコネクタであって、前記スイッチ機構が、前記フィルタ部が前記パネルコネクタに係合した旨を前記呼吸ガスモニタに通知するパネルコネクタと、
を備え、
前記フィルタ部は、前記ボアを通じてフィルタ流出口と流体連通するフィルタ流入口をと、前記フィルタ流入口と前記フィルタ流出口との間に配置されるフィルタとを備え、
前記フィルタ部は、当該フィルタ部が前記パネルコネクタと係合した際に前記スイッチ機構を作動させるように構成されている、
ことを特徴とするインライン式水分除去装置。
【請求項13】
前記フィルタ部は、チューブ状のパネルコネクタ係合部を形成し、当該パネルコネクタ係合部は、前記パネルコネクタに、ねじ式に係合する、
ことを特徴とする請求項12に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項14】
前記チューブ状のパネルコネクタ係合部は、径方向において反対側に突出する一組の突出部を備え、当該突出部は、前記パネルコネクタが形成するスレッドに協動的かつ選択的に係合する、
ことを特徴とする請求項13に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項15】
前記スイッチ機構は、スイッチレバーを備え、
前記チューブ状のパネルコネクタ係合部は、前記フィルタ部が前記パネルコネクタに係合した場合に前記スイッチレバーを押圧する、
ことを特徴とする請求項13に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項16】
前記パネルコネクタ及び前記呼吸ガスモニタのうちの一つは、RFIDセンサを有し、
前記フィルタ部は、RFIDタグを備え、
前記RFIDセンサは、前記RFIDタグの存在を感知し、当該RFIDタグを感知した旨を示す、
ことを特徴とする請求項12に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項17】
呼吸ガスモニタに濾過した患者サンプルを供給するインライン式水分除去装置であって、
軸を有するボアを形成するフィルタ本体であって、フィルタ流入口及びフィルタ流出口を備えたフィルタ本体と、
前記ボア内に配置されるフィルタであって、ガスが前記ボアを通過することを許容し、液体が前記ボアを通過することを妨げるように構成されているフィルタと、
を備え、
前記フィルタ本体は、前記呼吸ガスモニタに作動連通するように位置決めされ、濾過した患者サンプルを前記呼吸ガスモニタに供給し、
前記フィルタ本体は、当該フィルタ本体が濾過した患者サンプルを前記呼吸ガスモニタに供給できるように位置決めされた場合に、前記呼吸ガスモニタに報知し、
患者サンプルが前記フィルタ本体の軸と同軸方向に流れる、
ことを特徴とするインライン式水分除去装置。
【請求項18】
前記フィルタ本体は、前記呼吸ガスモニタのパネルコネクタと係合し、濾過した患者サンプルを前記呼吸ガスモニタに供給し、
前記パネルコネクタは、前記フィルタ本体の軸と同軸に延伸する軸を有する、
ことを特徴とする請求項17に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項19】
前記フィルタ本体は、パネルコネクタ係合部を備え、当該パネルコネクタ係合部は、少なくとも一つの突出部を有し、当該少なくとも一つの突出部は、前記パネルコネクタと、ねじ式に係合する、
ことを特徴とする請求項18に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項20】
前記パネルコネクタ係合部から径方向外側に延伸する2つの突起をさらに備え、
前記2つの突起は、径方向において互いに反対方向に前記パネルコネクタ係合部に配置され、
当該突起は、前記パネルコネクタのスレッドと協動的に係合し、前記フィルタ本体を選択的に位置決めして濾過した患者サンプルを前記呼吸ガスモニタに供給する、
ことを特徴とする請求項18に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項21】
前記パネルコネクタは、スイッチ機構を備え、
前記フィルタ本体は、当該フィルタ本体が前記パネルコネクタと係合した際に前記スイッチ機構を作動させる、
ことを特徴とする請求項18に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項22】
RFIDセンサと、当該RFIDセンサが認識可能なRFIDタグとをさらに備え、
前記RFIDタグが認識された場合、その旨の信号が前記呼吸ガスモニタに送出される、
ことを特徴とする請求項17に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項23】
少なくとも一部が前記ボア内に配置される疎水性フィルタをさらに備える、
ことを特徴とする請求項17に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項24】
前記フィルタは親水性ペレットから構成される、
ことを特徴とする請求項17に記載のインライン式水分除去装置。
【請求項25】
呼吸ガスモニタに濾過した患者サンプルを供給する方法であって、
患者サンプルを受け付けるように構成されたフィルタ部を設けるステップと、
前記フィルタ部を前記呼吸ガスモニタと作動連通するようにパネルコネクタに結合し、前記フィルタ部から前記呼吸ガスモニタに濾過した患者サンプルを供給するステップと、
前記呼吸ガスモニタに、前記フィルタ部が前記パネルコネクタと結合した旨を通知するステップと、
患者サンプルから水分及び混入物質の少なくとも一つを濾過するステップと、
濾過した患者サンプルを前記呼吸ガスモニタに供給するステップと、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項26】
前記呼吸ガスモニタに、前記フィルタ部が前記パネルコネクタと結合した旨を通知するステップは、
RFIDセンサを用いて、前記フィルタ部に結合されたRFIDタグの存在を感知するステップと、
前記RFIDセンサが前記RFIDタグを感知した際に、前記呼吸ガスモニタに通知するステップと、
を備えたことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記呼吸ガスモニタに、前記フィルタ部が前記パネルコネクタと結合した旨を通知するステップは、前記フィルタ部を前記パネルコネクタに係合させることにより、前記パネルコネクタに結合されたスイッチ機構を作動させるステップを含む、
ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、呼吸ガスのモニタリングまたは分析の際に用いる気体/液体分離装置に関し、より詳細には、呼吸サンプルから液体及び他の混入物質を除去するためのインライン式水分除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸ガス分析装置は、患者の呼気をモニタリングする。分析の前に、呼気から余分な水分を除去するための手段が必要であることが長い間認識されていた。呼吸ガスのサンプルから余分な水分を除去するための方法の一例として、表面張力及び毛管現象を利用して、ガスサンプルから水分を除去するものがある。この方法を採用した既存の気体/液体分離装置または水分除去装置は、分離チャンバを備え、この分離チャンバは、ガスサンプルのアウトレットから水分を引き込み、この水分を収集チャンバに案内するように設計された幾何学的構成を採用する。かかる従来技術としての水分除去装置の一例が、特許文献1及び2に開示されている。しかしながら、凝縮した水分により、これら従来の水分除去装置はすぐに充満してしまい、呼気を水分除去装置に案内するサンプル流入口ラインが目詰まりを起こしやすい。
【0003】
他の水分除去装置が、特許文献3に開示されている。この水分除去装置は、分離チャンバを備え、この分離チャンバは、特許文献2に開示されているものと類似の幾何学的構成を採用する。また、この水分除去装置は、自己シール型(self−sealing)のフィルタを備え、このフィルタは、水分除去装置が充満し、その水分除去機能を発揮しないようになった場合には、水分除去装置の流出口ポートを積極的に塞ぐ。一の実施形態においては、一の自己シール型フィルタがサンプルアウトレットパイプ内に配置され、さらに別の自己シール型フィルタが真空引きパイプ内に配置される。自己シール型フィルタは、多孔性の母材からなり、この多孔性の母材は、水分にさらされると多孔性の母材を略非多孔性にする手段であって、これによって水分除去装置の流出口ポートを塞ぐ手段を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4579568号
【特許文献2】米国特許第4713095号
【特許文献3】米国特許第4924860号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水分タンクまたは収集チャンバが必須でない「乾燥」した患者サンプルへの適用においては、かかる水分タンクまたは収集チャンバが存在することにより、デッドスペースが生じ、呼吸ガスモニタに対する反応時間が最小となってしまう。
【0006】
また、水分タンクまたは収集チャンバを備えた水分除去装置は、一般的に、単一の患者への使用に適しておらず、そのため、使用の度に水分を廃棄する作業が必要である。
【0007】
従って、本発明は患者サンプルを呼吸ガス分析装置に供給する前に、患者の呼吸ガスサンプルから液体と水分を含む混入物質とを分離するためのインライン式水分除去装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は濾過したサンプルがある場合にのみ呼吸ガス分析装置を動作させるようにすることを別の目的とする。
【0009】
また、本発明は分析のために呼吸ガス分析装置に患者サンプルが入る前に、患者サンプルを濾過する適切なタイプのフィルタがある場合に呼吸ガス分析装置を起動させるようにすることを別の目的とする。
【0010】
また、本発明はデッドスペースを最小限にして呼吸ガスモニタの反応時間を最小化する水分除去装置を提供することを別の目的とする。
【0011】
また、本発明は「乾燥」した患者サンプルを含む用途に好適に使用できる水分除去装置を提供することを別の目的とする。
【0012】
また、本発明は安価で単一の患者への使用に適した使い捨ての水分除去装置を提供することを別の目的とする。
【0013】
また、本発明は水分及び水分を含む混入物質が呼吸ガスモニタに到達するのをさらに防ぐために親水性ペレット及び疎水性フィルタの両方を備えたインライン式水分除去装置を提供することを別の目的とする。
【0014】
本発明のインライン式水分除去装置は、耐久性があるとともに長寿命な構成を採用し、その耐用年数を通じてユーザによるメンテナンスをほとんど必要とせず、あるいは完全に不要とする。本発明のインライン式水分除去装置のマーケットアピールを強調するため、かかるインライン式水分除去装置は、比較的安価な構成を採用し、これによって最大限に広範囲で可能性のあるマーケットにかかる水分除去装置をアピールする。さらに、本発明は、本発明のインライン式水分除去装置の上述した全ての利点及び目的を、本来被るべき不利益を略被ることなく達成することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のある実施形態は、呼吸ガスモニタとともに使用して、呼吸ガスモニタのガス監視/検出部に患者サンプルを供給する前に、液体、他の混入物質及び水分を含む混入物質を患者サンプルから除去するインライン式水分除去装置を提供する。
【0016】
一の実施形態においては、インライン式水分除去装置は、呼吸ガスモニタ用のパネルコネクタを備える。インライン式水分除去装置は、また、ボアを形成するフィルタ部を備える。フィルタ部は、フィルタ本体を備える。フィルタ本体は、ボアと流体連通するフィルタ流入口及びフィルタ流出口を備える。フィルタ部は、また、パネルコネクタ係合部を備える。フィルタ部は、さらに、フィルタエレメントを備え、このフィルタエレメントは、一の実施形態においては、親水性のペレットであり、この親水性ペレットは、ボア内に配置されてガスがボアを通過することを許容し、水分及び混入物質の少なくとも一つがボアを通過することを妨げるように構成されている。パネルコネクタは、フィルタ部係合部を形成する。フィルタ部係合部は、フィルタ部のパネルコネクタ係合部と選択的に係合し、フィルタ部をパネルコネクタに固定する。インライン式水分除去装置は、第1及び第2の協動的素子を備えた感知部を備える。第1及び第2の協動的素子は、フィルタ本体と呼吸ガスモニタとの間で作動連通し、フィルタ部がパネルコネクタと係合した際に呼吸ガスモニタのガス監視/検出部を動作させる。
【0017】
一の実施形態においては、感知部は、フィルタ部とパネルコネクタとの間の機械的連通を備える。他の実施形態においては、第1の協動的素子は、フィルタ本体端壁から構成され、第2の協動的素子は、パネルコネクタのスイッチ機構から構成される。
【0018】
他の実施形態においては、感知部は、フィルタ部とパネルコネクタとの間のワイヤレス連通を備える。他の実施形態においては、第1の協動的素子は、フィルタ部に結合されたRFタグから構成され、第2の協動的素子は、呼吸ガスモニタと通信するRFセンサから構成される。
【0019】
ある実施形態に係るインライン式水分除去装置は、水分及び混入物質の少なくとも一つを濾過した患者サンプルを呼吸ガスモニタに供給する。インライン式水分除去装置は、フィルタ部を備える。フィルタ部は、ボアを形成する。インライン式水分除去装置は、また、パネルコネクタを備える。パネルコネクタは、呼吸ガスモニタに、フィルタ部がパネルコネクタと係合した旨を通知するためのスイッチ機構を備える。フィルタ部は、ボアを介してフィルタ流出口と流体連通するフィルタ流入口を備える。フィルタ部は、さらに、フィルタ流入口とフィルタ流出口との間に配置されるフィルタを備える。フィルタ部は、フィルタ部がパネルコネクタと係合した際にはスイッチ機構を作動させるように構成されている。
【0020】
他の実施形態においては、フィルタ部は、チューブ状のパネルコネクタ係合部を形成し、このパネルコネクタ係合部は、パネルコネクタとねじ式に結合するように構成されている。
【0021】
他の実施形態においては、チューブ状のパネルコネクタ係合部は、径方向において反対側に突出する一組の突出部を備え、これら突出部は、パネルコネクタが形成するスレッドに協動的かつ選択的に係合する。
【0022】
一の実施形態においては、スイッチ機構は、スイッチレバーを備える。チューブ状のパネルコネクタ係合部は、フィルタ部がパネルコネクタと係合した際にスイッチレバーを押圧する。
【0023】
他の実施形態においては、パネルコネクタ及び呼吸ガスモニタのうちの一つは、RFIDセンサを備える。フィルタ部は、RFIDタグを備える。RFIDセンサは、RFIDタグの存在を感知してRFIDタグを感知した旨を示す。
【0024】
他の実施形態においては、インライン式水分除去装置は、濾過した患者サンプルを呼吸ガスモニタに供給する。インライン式水分除去装置は、ボアを形成するフィルタ本体を備える。ボアは、軸を有する。フィルタ本体は、フィルタ流入口とフィルタ流出口とを備える。インライン式水分除去装置は、ボア内に配置されるフィルタを備える。フィルタは、ガスがボアを通過することを許容し、液体がボアを通過することを妨げるように構成されている。フィルタ本体は、呼吸ガスモニタと作動連通して濾過した患者サンプルを呼吸ガスモニタに供給するように位置決めされる。フィルタ本体が、濾過した患者サンプルを呼吸ガスモニタに供給できるように位置決めされた場合、フィルタ本体はその旨を呼吸ガスモニタに報知する。患者サンプルは、フィルタ本体の軸と同軸に流れる。
【0025】
一の実施形態においては、パネルコネクタは、フィルタ本体の軸と同軸に延伸する軸を有する。
【0026】
本発明の他の観点に係るある実施形態においては、濾過した患者サンプルを呼吸ガスモニタに供給する方法が提供される。この方法は、患者サンプルを受け付けるように構成したフィルタ部を設けることを含む。また、この方法は、呼吸ガスモニタと作動連通して濾過した患者サンプルをフィルタ部から呼吸ガスモニタに供給するようにフィルタ部をパネルコネクタに結合することを含む。この方法は、さらに、フィルタ部がパネルコネクタに結合された旨を呼吸ガスモニタに通知することを含む。加えて、この方法は、水分及び混入物質の少なくとも一つを患者サンプルから濾過することを含む。そして、この方法は、濾過した患者サンプルを呼吸ガスモニタに供給することを含む。
【0027】
有益な点として、本発明のある実施形態に係るインライン式水分除去装置は、患者サンプルが呼吸ガスモニタに入る前に、水分及び/または混入物質を患者サンプルから濾過する。
【0028】
さらに、本発明のある実施形態に係るインライン式水分除去装置は、インライン式水分除去装置のフィルタ部が、呼吸ガスモニタのパネルコネクタと適切に係合した場合のみ、呼吸ガスモニタを動作させることができ、呼吸ガスモニタが、周辺環境または濾過していない患者サンプルから水分または他の混入物質を吸入することを防止する。
【0029】
加えて、本発明のある実施形態に係るインライン式水分除去装置は、呼吸ガスモニタに、適切な種類のインライン式水分除去装置が呼吸ガスモニタと係合した場合にのみ動作可能である旨を認識させることができる。
【0030】
本発明のある実施形態に係るインライン式水分除去装置は、デッドスペースを最小限化し、ひいては、反応時間を最小化する。
【0031】
本発明のある実施形態に係るインライン式水分除去装置は、少量の水分及び混入物質を含む患者サンプルを濾過するのに有用であり、収集タンクまたはチャンバを不要にする。
【0032】
本発明のある実施形態に係るインライン式水分除去装置は、単一の患者への使用に好適な使い捨て型である。
【0033】
本発明のある実施形態に係るインライン式水分除去装置は、親水性ペレット及び疎水性フィルタの両方を備え、水分及び水分を含む他の混入物質が呼吸ガスモニタに到達するのをさらに防止する。
【0034】
本発明のある実施形態に係るインライン式水分除去装置は、耐久性があって長寿命な構成を採用し、その耐用年数を通じてユーザによるメンテナンスをほとんど必要とせず、あるいは完全に不要とする。本発明のある実施形態に係るインライン式水分除去装置は、比較的安価な構成を採用し、これによって最大限に広範囲で可能性のあるマーケットに水分除去装置をアピールする。さらに、本発明によるインライン式水分除去装置は、上述した全ての利点及び目的を、本来被るべき不利益を略被ることなく達成する。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、患者サンプルを呼吸ガス分析装置に供給する前に、患者の呼吸ガスサンプルから液体と水分を含む混入物質とを分離するためのインライン式水分除去装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施形態に係るインライン式水分除去装置であって、呼吸ガスモニタに接続された水分除去装置を示すシステムブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る、サンプルを供給するようにインライン式水分除去装置が構成された呼吸ガスモニタの機能を制御するための動作ロジックを例示するフローチャートである。
図3図1に示す本発明のインライン式水分除去装置を組み立てた実施形態を示す等角投影図である。
図4図1及び図3に示す本発明の一実施形態に係るインライン式水分除去装置の分解図である。
図5図1、3及び4に示すインライン式水分除去装置であってパネルコネクタを含む水分除去装置を示し、当該水分除去装置を流れるフローを例示する側部断面図である。
図6図1及び3〜5に示す本発明の一実施形態に係るインライン式水分除去装置におけるフィルタ本体とフィルタ入力との接続を示す拡大断面図である。
図7】スレッドとスイッチレバーを含むパネルコネクタの等角投影図である。
図8図1及び3〜7に示す本発明の一実施形態に係るインライン式水分除去装置におけるフィルタ本体とパネルコネクタとの等角側部断面図である。
図9図1、3〜6及び8に示すインライン式水分除去装置におけるフィルタ本体であってパネルコネクタと係合するように配置されたフィルタ本体の等角投影図である。
図10図1及び3〜9に示すインライン式水分除去装置の上面図である。
図11図10の11−11線に沿って透視した図1及び3〜10に示すインライン式水分除去装置の一部を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に係るインライン式水分除去装置の上面図であって、スイッチレバーの作動を例示する図である。
図13】本発明の一実施形態に係るインライン式水分除去装置において、スイッチレバーを作動させる前に、フィルタ本体をパネルコネクタと係合させる様子を示す部分断面図である。
図14】本発明の一実施形態に係るインライン式水分除去装置において、フィルタ本体とパネルコネクタとを係合させてスイッチレバーを作動させる様子を示す部分断面図である。
図15】本発明の第2の実施形態に係るインライン式水分除去装置を示す分解図である。
図16図15に示す本発明の第2の実施形態に係るインライン式水分除去装置であって、代替ボア及び疎水性フィルタを備えた水分除去装置におけるフィルタ本体とフィルタ入力との接続を示す詳細な断面図である。
図17図15及び16に示す本発明の第2の実施形態に係るインライン式水分除去装置におけるフィルタ本体のボアを示す上部断面図である。
図18図17に示す18−18線に沿った側部断面図であって、図15〜17に示す本発明の第2の実施形態に係るインライン式水分除去装置のフィルタ本体のボアを示す側部断面図である。
図19】本発明の第3の実施形態に係る、呼吸ガスモニタと接続されたインライン式水分除去装置を示すシステムブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付の図面を参照する。図1は、本発明に係るインライン式水分除去装置110を備えた呼吸ガスモニタリングシステムを例示する。このインライン式水分除去装置110は、フィルタ部114と、パネルコネクタ126とを備える。パネルコネクタ126は、呼吸ガスモニタ128に載置され、あるいは、呼吸ガスモニタ内に配置される。インライン式水分除去装置110のフィルタ部114は、パネルコネクタ126と結合可能に構成されている。インライン式水分除去装置110は、患者サンプルからの任意の水分またはその他の混入物質の流れを遮断するとともに、患者から呼吸ガスが流れることを許容する。従って、インライン式水分除去装置110は、液体または水分を含む混入物質を、患者サンプルから分離し、濾過した患者サンプルを、呼吸ガスモニタ128のガス監視/検出部115に供給する。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、インライン式水分除去装置110は、保護機能を備え、この保護機能は、患者サンプルが適切な水分除去装置を介して呼吸ガスモニタ128に供給されることを確実にし、これによって呼吸ガスモニタ128のガス監視/検出部の性能低下または不具合を防止する。一の実施形態においては、かかる機能は、特許品である接続構成であって、クリティケアシステムインクによって製造されている製品との互換性がある接続構成を使用することによって実現されうる。なお、クリティケアシステムインクは、N7W22025、ジョンソンドライブ、ウォーケシャ、ウィスコンシン、53186に位置する。
【0039】
一の実施形態においては、インライン式水分除去装置110は、感知部101(図2参照)を備え、この感知部101は、呼吸ガスモニタ128のマイクロプロセッサ117に、ガス監視/検出部115が患者サンプルのモニタリング及び分析を開始する前に、適切な水分除去装置が呼吸ガスモニタに接続されたときを判別させる。ここで、濾過した患者サンプルのモニタリング及び分析を開始したことをガス監視/検出部115に示すための様々な感知部、表示機構またはスイッチ機構が想定できる。かかる機構の一例を、本明細書を通じて説明する。
【0040】
一般的に、一の実施形態においては、パネルコネクタ126は、インライン式水分除去装置110のフィルタ本体を収容可能に構成されている。フィルタ本体は、患者からの患者サンプルを受け付けるように構成されたフィルタ入力と結合される。一の実施形態においては、第1の協動的素子は、パネルコネクタ126のスイッチレバー152であり、このスイッチレバー152は、通常は非押圧状態にあるスイッチである。フィルタ本体は、第2の協動的素子として作用し、第1の協動的素子とともに動作するように構成されている。フィルタ本体は、パネルコネクタ126と適切に係合した場合に、スイッチレバー152を押圧するように構成されている。スイッチレバー152は、マイクロプロセッサ117と電気的に接続されており、マイクロプロセッサ117が、スイッチレバー152の状態をモニタリングし、フィルタ本体、ひいては、インライン式水分除去装置がパネルコネクタ126と適切に係合したか否かを判別する。
【0041】
図1を参照して、図2のフローチャートに例示するように、一の実施形態においては、感知部101は、ステップ102においてフィルタ部114とパネルコネクタ126との間で作動連通が確立されたか否かをモニタリングして判別する。例えば、作動連通が確立されていない場合、すなわち、一の実施形態においては、スイッチレバー等の第1の協動的素子がステップ102において押圧されていない場合、その旨が呼吸ガスモニタ128のマイクロプロセッサ117に通知される。この場合、当該呼吸ガスモニタ128においては、フィルタ部114、ひいてはインライン式水分除去装置110はステップ104においてパネルコネクタ126と係合しておらず、濾過した患者サンプルが供給されていない。そこで、呼吸ガスモニタ128は、この段階では、サンプル106を吸入あるいは分析すべきではない。
【0042】
一方、作動連通が、フィルタ部114とパネルコネクタ126との間で確立している場合、その旨が呼吸ガスモニタ128に通知される。この場合は、ステップ108においてフィルタ114が適切に係合している。これにより、呼吸ガスモニタ128が起動し、呼吸ガスモニタ128は、フィルタ部114及びパネルコネクタ126から供給された、濾過したサンプル109の吸入及び分析を行う。一の実施形態においては、フィルタ部114が適切にパネルコネクタ126と係合した場合、フィルタ部114がスイッチレバー152を押圧する。当該実施形態においては、スイッチレバー152を押圧することにより、フィルタ部114とパネルコネクタ126との間で作動連通が確立したことが通知される。ここで、ステップ102において、フィルタ部114とパネルコネクタ126との間で作動連通が確立したことを示すための様々な好適な方法及び装置ならびに様々な好適な協動的素子が想定できる。
【0043】
一の実施形態においては、フィルタ部114をパネルコネクタ126から再度脱着した場合、感知部101は、ステップ102において作動連通がフィルタ部114とパネルコネクタ126との間でもはや確立されていないと判別し、ステップ106において呼吸ガスモニタ128に吸入及び分析を停止するように通知する。一の実施形態においては、パネルコネクタからフィルタ部114を脱着することにより、スイッチレバー152が、再度非押圧状態に戻り、これにより、呼吸ガスモニタ128がステップ106において吸入及び分析を停止する。
【0044】
図3は、一の実施形態に係る、フィルタ部114を備えたインライン式水分除去装置110を主に示す図である。フィルタ部114は、フィルタ本体120を備え、このフィルタ本体120がパネルコネクタ126と係合している状態を図示している。図3においては、パネルコネクタ126が呼吸ガスモニタ128(図1参照)から外された状態を示している。インライン式水分除去装置110は、フィルタ流入口118から患者サンプルを受け付けるように構成されている。パネルコネクタ126は、ガス監視/検出部115(図1参照)と流体連通し、パネルコネクタ流出口127から濾過した患者サンプルをガス監視/検出部115に供給するように構成されている。
【0045】
主に図4に例示するように、また、以下に詳細に説明するように、本発明の一の実施形態に係るインライン式水分除去装置110は、フィルタ流入口118を形成するフィルタ入力116と、フィルタ流出口122を形成するフィルタ本体120とを備える。
【0046】
図4の分解図に例示するように、図示する実施形態のフィルタ部114は、フィルタ入力116と、フィルタ本体120とを備える。フィルタ本体120は、多孔性のフィルタを収容し、この多孔性のフィルタは、一例として、親水性のペレット130からなる。フィルタ流出口122の近傍において、フィルタ本体120は、パネルコネクタ係合部124を備え、このパネルコネクタ係合部124は、パネルコネクタ126を、呼吸ガスモニタ128に対応して係合するとともに呼吸ガスモニタ128に結合する。
【0047】
図5の断面フロー図に示すインラン式の水分除去装置110を参照して、インライン式水分除去装置110は、フィルタ流入口118からガス監視/検出部115(図1参照)への流路134を形成する。図示する実施形態においては、フィルタ入力116は、フィルタ流入口118と流体連通する中央ボア132を形成する。フィルタ流入口118は、フィルタ流入口118を介して患者サンプルを取り込むように構成されるとともに、中央ボア132へ引き込む構成を採用する。
【0048】
フィルタ本体120は、また、中央ボア136を形成する。フィルタ本体120の中央ボア136内には、親水性ペレット130が配置される。フィルタ本体120は、中央ボア136を画定するボア壁138を備える。一の実施形態においては、親水性ペレット130は、その直径が中央ボア136の直径143と略同一となるようなサイズを有し、従って、親水性ペレット130が中央ボア136内に配置された場合、中央ボア136の全外周にわたり、ボア壁138と接触した状態で動作する。このため、好ましくは、親水性ペレット130は、ボア壁138に対して圧入または締まりばめによって中央ボア136内に配置される。
【0049】
図5に示すように、ボア壁138は、フィルタ流出口122の近傍において肩部140を形成する。親水性ペレット130のフィルタ流出口122近傍の部位は、肩部140に位置決めされ、この肩部140は、中央ボア136内で親水性ペレット130を軸方向に配置するように構成される。加えて、肩部140は、フィルタ入力116の近傍の中央ボア136の一部の直径143よりも小さい直径141を形成する。このような構成により、中央ボア136を通り、肩部140を通過し、フィルタ流出口122に到達する患者サンプルが、必ず親水性ペレット130を通るようになる。
【0050】
また、図6を参照して、一の実施形態においては、フィルタ本体120のボア壁138は、肩部140から、親水性ペレット130を収容する部分を通過して径方向外側に突出する領域174まで延伸し、この領域174は、接合部176において、軸方向突出部178と結合されている。
【0051】
図6に例示するように、フィルタ入力116は、入力ボア壁180を有し、この入力ボア壁180は、軸方向において、フィルタ入力中央ボア132を形成するフィルタ本体120に向かって延伸する。入力ボア壁180は、方向転換接合部182まで延伸し、この方向転換接合部182は、径方向外側に方向転換して横壁184まで延伸する。横壁184は、方向転換接合部182から径方向外側に延伸し、横壁184とフィルタ本体収容壁188との間における外側接合部186において終端する。フィルタ本体収容壁188は、軸方向において外側接合部186から離間してフィルタ本体軸方向配置部190まで延伸する。
【0052】
図6に例示するように、フィルタ本体120の軸方向突出部178は、フィルタ本体収容壁188の外径と同様の内径を有し、これにより、軸方向突出部178が、フィルタ本体収容壁188に密着する。フィルタ本体120をフィルタ入力116と係合させると、軸方向突出部178の内周面が、フィルタ本体収容壁188の外周面に対して密着して静止される。軸方向突出部178の親水性ペレット130から離間する部分は、フィルタ本体軸方向配置部190に対して密着して静止される。
【0053】
一の実施形態においては、フィルタ入力116は、好ましくはポリエステルの裏地を有するPTSテフロンから形成される。当業者にとってよく知られている他の好適な材料を用いてフィルタ入力116を形成してもよい。
【0054】
図6に示す実施形態においては、フィルタ入力116のポリエステルは、フィルタ本体120に対して熱接着され、これによってフィルタ入力116とフィルタ本体120とを固定する。フィルタ入力116は、また、フィルタ本体120の軸方向突出部178とフィルタ入力116との間の境界においてフィルタ本体120に対して超音波接合されてもよい。フィルタ入力116とフィルタ本体120とは、当業者によく知られている他の好適な手段によって接合されてもよい。
【0055】
図示する実施形態においては、フィルタ本体120とフィルタ入力116とは、互いに別個の2つの部材として形成されている。これらの部材は、当業者にとってよく知られている手段によって一体に形成されてもよい。図6に示す実施の形態においては、フィルタ入力116とフィルタ本体120とは、2つの別個の部材として形成され、図示するように互いに結合される。
【0056】
一の実施形態においては、親水性ペレット130は、ガス透過性であるが、液体及び固体が非透過性の部材である。そこで、ガス、液体及び他の個体の混入物質を含む患者サンプルは、親水性ペレット130によって効果的に濾過される。患者サンプルのうちのガス成分は、親水性ペレット130を通過し、一方で液体成分は親水性ペレット130によって部分的に遮断されて部分的に吸収される。固体成分は、完全に親水性ペレット130によって遮断される。
【0057】
親水性ペレット130は、当業者にとってよく知られている任意の好適な材料から形成される。多孔性のフィルタが親水性ペレット130として図示して例示されているが、当業者によく知られている他の任意の好適な多孔性でガス透過性かつ液体半非透過性または非透過性のフィルタを、任意の形状で用いてもよい。
【0058】
図7及び8を参照して、一の実施形態においては、フィルタ本体120は、パネルコネクタ係合部124を備え、このパネルコネクタ係合部124は、フィルタ本体をパネルコネクタ126に結合するためのものである。図7及び8は、パネルコネクタ126の一例を示す。パネルコネクタ係合部124は、好適には、チューブ160を有し、このチューブ160は、後述するフィルタ本体収容凹部146内においてパネルコネクタ中央ボア環状壁145の周面にフィットするサイズを有する。図8に示すように、パネルコネクタ係合部124は、また、第1の突起または突出部162と、第2の突起または突出部164とを備える。突出部162及び164は、チューブ160から径方向外側に延伸する。第1の突出部162は、好ましくは、チューブ160の反対側に配置され、第2の突出部164から180度反対の位置に配置される。第1の突出部162は、また、軸方向において第2の突出部164からオフセットされ、第1の突出部162が軸方向においてパネルコネクタ126側に配置され、第2の突出部164が軸方向においてパネルコネクタ126から離間する側に配置されるとともに、軸方向においてフィルタ入力116側に配置される。
【0059】
図7及び8に示す実施形態においては、第1及び第2の突出部162、164は、パネルコネクタ126(図7参照)によって形成されるスレッド150と係合するように構成され、フィルタ本体120を、さらに後述するように、パネルコネクタ126に結合する。スレッド150は、第1及び第2の突出部162、164が収容されるチャンネル166を形成する。
【0060】
フィルタ本体120とパネルコネクタ126とを組み立てるには、図9に示すように、第1の突出部162を、好ましくはスレッド150によって形成されるチャンネル166の始点に配置する。フィルタ本体120とパネルコネクタ126とを係合するには、フィルタ本体120をその長手軸168を中心に回転させ、第1の突出部162をチャンネル166に押し込んでチャンネル166に沿って案内するとともに、フィルタ本体120を回転させながら、第2の突出部164をチャンネル166内に移動させてスレッド150に沿って案内する。
【0061】
図10は、一の実施形態に係る、パネルコネクタ126を備えたインライン式水分除去装置110を示す上面図である。
【0062】
図11は、図10の11−11線に沿った図であり、インライン式水分除去装置110の一部を透視してパネルコネクタ126内に形成されたスレッド150を図示している。第1及び第2の突出部162、164が、チャンネル166内においてスレッド150と係合した状態を図示し、フィルタ本体120が、パネルコネクタ126と適切に係合している状態を図示している。フィルタ本体120のチューブ160の端壁170はスイッチレバー152と係合して当該スイッチレバー152を押圧している。
【0063】
図7に戻り、パネルコネクタ126は、フィルタ本体収容凹部146を形成し、このフィルタ本体収容凹部146は、パネルコネクタ中央ボア144を環囲して当該パネルコネクタ中央ボア144と同軸であるとともに、パネルコネクタ中央ボア環状壁145によってパネルコネクタ中央ボア144から分離されている。パネルコネクタ126及び外周壁149の内周面148は、スレッド150を形成し、このスレッド150は、フィルタ本体120(図8参照)の一部と係合するように構成されている。フィルタ本体120をパネルコネクタ126と係合させると、パネルコネクタ中央ボア144が流体流出口122(図7では図示せず)と流体連通状態になる。
【0064】
図7に示す実施形態においては、パネルコネクタ126は、さらに、スイッチ機構159を備え、このスイッチ機構159は、通常時非押圧状態のスイッチレバー152を備える。スイッチ機構159は、スイッチ端子154を介してマイクロプロセッサ117(図7では図示せず)と電気的に接続され、このスイッチ端子154は、マイクロプロセッサ117との間で電気的な仲立ちをする。
【0065】
スイッチ機構159は、スイッチレバー152を備え、このスイッチレバー152は、第1の端153及び第2の端155を有し、第1の端153の近傍においてスイッチハウジング156に接続されている。このスイッチハウジング156は、流路134(図7では図示せず)を横断して延伸する面158を形成する。スイッチレバー152は、面158に沿って、かつ、面158に対して傾斜しながら離間し、第2の端155が、通常の非押圧状態において、面158から離間する位置に配置される。
【0066】
図12を参照して、一の実施形態を説明する。スイッチ機構159は、スイッチアクチュエータ157を備え、このスイッチアクチュエータ157は、スイッチハウジング156からスイッチレバー152の近傍まで延伸する。スイッチレバー152の第2の端155がスイッチハウジング156に向けて押圧されると、スイッチレバー152がスイッチアクチュエータ157を作動させ、これによってスイッチ機構159がマイクロプロセッサ117(図1参照)に信号を送る。
【0067】
図13及び14は、回転してスイッチレバー152を押圧するフィルタ本体120を示す部分断面図である。
【0068】
図9、11、13及び14を参照して、フィルタ本体120を、チューブ160の端壁170が通常時非押圧状態のスイッチレバー152に到達するまで回転すると、端壁170がスイッチレバー152と係合する。フィルタ本体をさらに回転することにより、端壁170が、スイッチレバー152の第2の端155を、スイッチアクチュエータ157に接触するまでスイッチハウジング156の面158に向けて付勢し、スイッチアクチュエータ157が、面158に向けて付勢されるとともに押圧される。この状態で、フィルタ本体120は、パネルコネクタ126と完全に係合し、スイッチレバー152が完全に圧縮され、これによってスイッチアクチュエータ157が作動し、ひいては、スイッチ機構159が作動する。スイッチ機構159は、マイクロプロセッサ117(図1参照)に、フィルタ本体120が正しく係合した旨の信号を送る。
【0069】
図5に戻り、図示する実施形態においては、フィルタ入力116の中央ボア132は、フィルタ本体120の中央ボア136と流体連通する。従って、中央ボア132及び136は、流路134の第1の部位を形成する。好ましくは、患者サンプルは、フィルタ入力116の中央ボア132を通り、フィルタ本体120の中央ボア136へと案内される。
【0070】
図示する実施形態においては、患者サンプルがフィルタ本体120の中央ボア136に到達することにより、親水性ペレット130に到達する。親水性ペレット130に到達することにより、親水性ペレット130が、患者サンプル中のガス成分を選択的に通過させてフィルタ流出口122へと到達させる。水分及び他の患者サンプルに含まれる混入物質は、親水性ペレット130に吸収され、あるいは、フィルタ入力116の近傍側の親水性ペレット130の部位により、親水性ペレット130に入る前に流路134に集められる。これは、図示する実施形態のインライン式水分除去装置110が、(インライン式水分除去装置110は様々な水分を含む患者サンプルを濾過することを想定したものであるが)乾燥した患者サンプル及び(インライン式水分除去装置110が様々な数の患者への使用を考慮したものであるが)単一の患者への使用を想定したものであるので、問題とはならない。そこで、好ましくは、図示する実施形態においては、少量の水分及び混入物質のみが、インライン式水分除去装置110を廃棄または新しいインライン式水分除去装置110と交換する前に流路に集められる。
【0071】
一の実施形態のインライン式水分除去装置110を用いて湿った患者サンプルを濾過することが望ましい場合、実施形態のインライン式水分除去装置110を、インライン式水分除去装置に入る前に患者サンプルを乾燥させるための乾燥装置と組み合わせて使用してもよい。
【0072】
一の実施形態において親水性ペレット130によって具現される多孔性のフィルタによる患者サンプルに含まれる液体成分の吸収は、一の実施形態においては、多孔性のフィルタを膨張させる。この多孔性のフィルタは、いくぶん自己シール型で、水分と接触することによって非多孔性となる傾向を有する。非多孔性の状態においては、多孔性のフィルタは、液体及びガスの両方の流通を遮断する傾向がある。そこで、多量の液体を吸収した場合は、親水性ペレット130はガスの流れを遮断するので、交換すべきである。従って、親水性ペレット130は、フィルタ本体120の中央ボア136にさらに密着し、患者サンプルが、(後述するように、流路が完全に閉じた状態で)親水性ペレット130を通過することなくフィルタ流出口122に到達するのをさらに防止する。
【0073】
多孔性のフィルタが、十分な量の水分を吸収した場合、多孔性のフィルタは、完全にまたは略完全にガスの流れを遮断する。このような場合、予測される量のガスの呼吸ガスモニタ128への供給が遮断されることにより、操作者に、多孔性のフィルタが目詰まりし、フィルタ部114を交換すべき旨が示される。しかしながら、いつフィルタ部114を交換すべきか、あるいは、多孔性フィルタがガス非透過性となったのかを判別して示す他の好適な自動検出機構を用いてもよい。
【0074】
図15は、本発明の一の代替的な実施形態に係るインライン式水分除去装置210を示す。インライン式水分除去装置210は、フィルタ部214と、パネルコネクタ226とを備え、これらは、例えば図1〜14に示したインライン式水分除去装置110のフィルタ部114とパネルコネクタ126と類似または同一のものである。従って、インライン式水分除去装置110と対応するインライン式水分除去装置210の構成要素については、同一の参照番号を付すが、値を「100」だけ増加させることとする。加えて、インライン式水分除去装置210は、流路234内に配置された疎水性フィルタ201を備える。疎水性フィルタ201は、親水性ペレット230の上流側に配置されて構成されている。好適には、疎水性フィルタ201は、ガス透過性で、かつ液体非透過性のフィルタディスクであり、患者サンプルが親水性ペレット230に到達するのに必ず通過しなければならないものである。以下に詳細に説明するように、患者サンプルは、フィルタ入力216に入り、フィルタ流入口218を通ってこのフィルタ入力216を通過する。患者サンプルは、疎水性フィルタ201に到達し、患者サンプルに含まれるガス成分のみが通過することができ、引き続き流路234に沿って流れることができるとともに、水分及び他の混入物質は、フィルタ入力216の近傍の疎水性フィルタ201の上流側に残ることになる。疎水性フィルタ201を通過した患者サンプルの成分は、次に、親水性ペレット230に到達する。上述した実施形態においては、親水性ペレット230は、患者サンプルに含まれるガス成分のみを通過させてフィルタ流出口222に案内するとともに、サンプル内の少なくとも水分を吸収して水分及び他の混入物質がフィルタ流出口222に到達するのを防止する。
【0075】
フィルタ本体220は、パネルコネクタ係合部224を有し、このパネルコネクタ係合部224は、上述した実施形態のものと同様のパネルコネクタ226と係合する。親水性ペレット230及び疎水性フィルタ201は、ともに、フィルタ本体220内に収容される。
【0076】
図16は、代替的な実施形態に係る、フィルタ本体220内に配置された疎水性フィルタ201及び親水性ペレット230を備えたインライン式水分除去装置を示す。この代替的な実施形態においては、液体及び混入物質に対するフィルタ流出口222への追加的なシーリング機能が得られ、これにより、これら液体及び混入物質が親水性ペレット230の外部にそれることを防止する。
【0077】
上述した実施形態と同様に、親水性ペレット230は、フィルタ本体中央ボア236内に圧入される。フィルタ本体中央ボア236は、ボア壁238によって形成される。ボア壁238は、肩部240を備える。上述した実施形態と異なり、肩部240は、軸方向に延伸する環状の突起231を形成する。環状の突起231は、フィルタ流出口222を環囲し、肩部240から反対方向へ軸方向において延伸する。好ましくは、親水性ペレット230は、いくぶんフレキシブルで、環状の突起231に沿って変形し、フィルタ流出口222から中央ボア236をシールする。従って、水分または他の混入物質が、ボア壁238に沿って親水性ペレット230を回避したとしても、環状の突起231が、フィルタ流出口222と離して水分及び混入物質を親水性ペレット230に強制的に向かわせ、これによってこれら水分及び混入物質がフィルタ流出口222に到達するのを防止する。
【0078】
図17は、フィルタ本体220の第2実施形態を示す断面図であって、ボア壁238の流路234(図15参照)、フィルタ流出口222、及び環状の突起231を見下ろした図である。
【0079】
図18は、図17の18−18線に沿った断面図であり、第2の実施形態に係る、親水性ペレット230を除いた状態のフィルタ本体220を示す図である。図示するように、環状の突起231は、軸方向において、上流及び肩部240から離間するように延伸し、フィルタ流出口222を環囲するとともに水分及び混入物質が親水性ペレット230をバイパスしてフィルタ流出口222を通過することを防止する隆起を略形成する。
【0080】
図16に戻り、親水性ペレット230は、略円筒形で、肩部240からフィルタ入力216に向かって軸方向においてフィルタ本体中央ボア236内で延伸する。本実施形態においては親水性ペレット230として具体化した多孔性のフィルタは(他の好適な多孔性フィルタを実施形態として採用できるが)、いくぶん自己シール機能を有し、水分と接触することによって非多孔性となる傾向を有する。非多孔性の状態においては、多孔性のフィルタは、液体及びガスの両方の流れを遮断する傾向がある。従って、十分な量の液体を吸収した場合は、親水性ペレット230は、ガスの流れを遮断してしまうので、交換する必要がある。そこで、用途によっては、疎水性のフィルタ201を設けることにより、親水性ペレット230が水分と接触して流路234を遮断してしまうことを防止するといった利点がある。
【0081】
代替的な実施形態に係る疎水性フィルタ201は、好ましくは、ラーセンその他の発明者からクリティケアシステムズインクに譲渡された米国特許第6923847号及び第7402197号に開示された種類のものであり、かかる米国特許の開示内容を、参照として本明細書に取り込む。当業者にとって知られたその他の好適な種類の疎水性フィルタを用いることも可能である。
【0082】
一の実施形態においては、疎水性フィルタ201は、例えば、ゴアテックスのような薄膜フィルタエレメントであり、1ミクロンサイズの孔を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の層がスパンボンド(spun−bonded)されたポリエステル上に配置されており、PTFE層の表面がフィルタ入力216の近傍に配置される。
【0083】
図16に示す実施形態においては、疎水性フィルタ201は、好ましくは、フィルタ本体220の軸方向突出部278の内半径294以下の半径を有する円盤である。疎水性フィルタ201は、好ましくは、フィルタ本体220の径方向外側に突出する領域274と、熱接着または当業者に知られたその他の好適な接着方法によって恒久的に結合される。フィルタ入力216は、好ましくは、フィルタ入力216の横壁284が疎水性フィルタ201の環状の部分に対して当接するように構成され、これによって疎水性フィルタ201の環状の部分をフィルタ本体220の径方向外側に突出する領域274に対してピン固定し、患者サンプルの流路内に移動しないようにする。
【0084】
図16に示す代替的な実施形態においては、患者サンプルがフィルタ流入口218に入り、フィルタ入力中央ボア232を通ってフィルタ入力216を通過する。患者サンプルは、次に、疎水性フィルタ201に入る。疎水性フィルタ201は、患者サンプルに含まれるガス成分を通過させ、患者サンプルに含まれる水分及び混入物質を遮断する。疎水性フィルタ201を通過した患者サンプルの成分は、次に、フィルタ本体中央ボア236に入って親水性ペレット230に入る。親水性ペレット230は、濾過した患者サンプルに含まれる残存水分を吸収し、他の種の混入物質を遮断し、患者サンプルに含まれるガス成分のみを、フィルタ本体中央ボア236を通って通過させるとともに、パネルコネクタ226(図15参照)に案内する。従って、この代替的な実施形態によれば、2つのフィルタリング機構が提供され、かかるフィルタリング機構は、特定の実施形態に係る親水性ペレット230が多量の水分を吸収してガス非透過性となるのを防止するのに有用である。
【0085】
いくつかの実施形態においては、呼吸ガスモニタ128(図1参照)が水分及び混入物質に対して敏感で、修理または交換にコストがかかる場合がある。そこで、複数段のフィルタリング機構を備えたことは、いくつかの用途及び実施形態においては望ましい。
【0086】
図16に示す構成は、親水性ペレット230と疎水性フィルタ201との両方を連続して備えているが、かかる構成は一例にすぎない。他の好適な構成を採用可能である。フィルタ本体中央ボア236は、疎水性フィルタ201とともに、あるいは疎水性フィルタ201なしで用いてもよい。また、第1の実施形態に係るフィルタ本体中央ボア136は、疎水性フィルタ201とともに用いてもよい。
【0087】
第2の代替的な実施形態においては、適切な種類のフィルタ部314がパネルコネクタ326に結合されたことを確認するシステムを設けることが望ましい。そこで、無線認識(RFID)タグ303を、フィルタ部314、インライン式水分除去装置のフィルタ入力、または他の好適な部分に結合あるいは一体に形成する。RFIDタグ303は、アクティブ型、パッシブ型、バッテリ連動パッシブ型、光学式、あるいは当業者に知られた他の好適な種類のRFIDタグ303であってもよい。
【0088】
一の実施形態においては、RFIDセンサ305を呼吸ガスモニタ328と電気的に一体、結合あるいは一体に設ける。マイクロプロセッサ317は、定期的に問い合わせ信号を送出する。適切なRFIDタグ303を備えたフィルタ部314が受信可能範囲にある場合、及び/またはパネルコネクタ326と結合された場合、RFIDタグ303がかかる問い合わせ信号に反応し、符号化されたRFID信号を送出する。RFIDセンサ305は、この符号化されたRFID信号を受信し、呼吸ガスモニタ328に、適切な種類のフィルタ部314がパネルコネクタ326と係合した旨の信号を送出する。RFIDセンサ305は、マイクロプロセッサ317に、供給されかつ濾過された患者サンプルのガス監視/検出部315による吸入及び分析が可能となった旨を通知する。RFIDセンサ305が呼吸ガスモニタ328に適切な種類のインライン式水分除去装置314が係合した旨を通知しないかぎり、マイクロプロセッサ317は、ガス監視/検出部315にサンプルの吸入及び分析を許容しない。これにより、呼吸ガスモニタ328が、湿った、あるいは、混入物質を含む患者サンプルを吸入することを防止し、ひいては、呼吸ガスモニタ328が故障することを防止する。
【0089】
RFIDタグ303及びRFIDセンサ305を備えたこの実施形態は、一のあるいは他の2つの実施形態の全ての構成要素あるいは任意の構成要素を備えてもよい。この実施形態は、上述したスイッチ機構を備えてもよいし、備えていなくてもよい。この実施形態が、上述した2つの実施形態のスイッチ機構と組み合わされる場合は、適切な種類のフィルタ部が装てんされた旨の第2の認証システムによって追加の利点が得られ、これは、呼吸ガスモニタ328及びその構成要素が保護され、適切なフィルタ部314がパネルコネクタ326に係合されたことを意味する。
【0090】
本明細書による開示の目的として、「結合」という用語は、2つの部材を直接または間接的に互いに機械的に接合したことを意味する。かかる接合は、静的なものまたは動的なものを含む。また、かかる接合は、2つの部材及び追加の介在部材を単一の部材として形成し、あるいは、2つの部材及び他の追加の介在部材をそれぞれ互いに取り付けることによって達成することができる。かかる接合は、恒久的なものであってもよいし、脱着可能あるいは解除可能なものであってもよい。
【0091】
本明細書による開示の目的として、「混入物質」という用語は、呼吸ガスモニタを故障させるような任意の液体、粘液または固体を意味する。また、本明細書による開示の目的として、「作動」という用語及びそのバリエーションは、機械的作動、電気的作動、及び当業者にとって知られた好適な種類の作動を含むものであるが、これらに限定されるものではない。
【0092】
本発明によるインライン式水分除去装置は、耐久性があるとともに長寿命であり、その耐用年数を通じてユーザによるメンテナンスをほとんど必要とせず、あるいは完全に不要とする。本発明によるインライン式水分除去装置は、比較的安価な構成を採用し、これによって最大限に広範囲で可能性のあるマーケットに水分除去装置をアピールする。さらに、本発明によるインライン式水分除去装置は、上述した全ての利点及び目的を、本来被るべき不利益を略被ることなく達成する。
【0093】
本発明によるインライン式水分除去装置及び方法について、特定の実施形態及び用途とともに図示して説明したが、当該図示及び説明は例示及び説明のためのものであり、本発明を、開示した特定の実施形態及び用途のみに限定するためのものではない。本発明は、多数の変更、応用、バリエーション及び修正が可能であることは当業者にとって明らかであり、それらは全て本発明によるインライン式水分除去装置及び方法の技術的範囲に含まれるものである。本発明の原理及びその実用的な用途を最もよく例示するため、特定の実施形態及び用途を選択して説明し、当業者が様々な形態及びその応用を実施できるようにした。従って、それら変更、応用、バリエーション及び修正の全ては、公平に、法的に、及び公正に判断される範囲において解釈される際に、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明のインライン式水分除去装置及び方法の技術的範囲に属するものである。
【0094】
本出願は、2010年2月22日なされた米国仮特許出願第61/306769号に基づく優先権を主張し、当該出願の内容の全体を参照として本明細書に取り込む。
【符号の説明】
【0095】
101 感知部
110 インライン式水分除去装置
114 フィルタ部
126 パネルコネクタ
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